説明

カンナビノイド受容体修飾因子としての三環式ピラゾール誘導体

本発明は、一般式(I)の新規な化合物、これらの位置異性体、互変異性体、これらの合成に関する新規な中間体に関する。本発明はまた、一般式(I)の化合物、これらの位置異性体、これらの互変異性体、これらの医薬的に許容される塩、これらを含有する医薬組成物、及びこれらの合成に関する新規な中間体の調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の新規な化合物、これらの位置異性体、互変異性体、これらの合成に関する新規な中間体、これらの医薬的に許容される塩、及びこれらを含有する医薬組成物に関する。本発明はまた、一般式(I)の化合物、これらの位置異性体、これらの互変異性体、これらの医薬的に許容される塩、これらを含有する医薬組成物、及びこれらの合成に関する新規な中間体の調製方法に関する。
【化1】

【背景技術】
【0002】
カンナビノイドは、インド大麻(Indian hemp)のアサ(Cannabis sativa)に存在し、これらの薬用特性については昔からよく知られている。しかしながら治療剤としてカンナビノイドが用いられたのは最近のことである(Williamson E. M. & Evans E. J. Drugs 2000 Dec; 60(6): 1303-14)。過去10年間にわたる当該分野における研究はカンナビノイド受容体、並びにこれらのアゴニスト及びアンタゴニストにおける極めて重要な情報を提供してきた。低親油性を伴う中心のカンナビノイド受容体リガンドの開発(J. Med. Chem. 2003; 46:642-645)、更にカンナビノイド受容体の2つの異なるサブタイプ−CB1(中心サブタイプ)及びCB2(末端サブタイプ)、並びに第一内在性リガンドN−アラキドニルエタノールアミンアミド(AEA);アナンダミドのクローニング及び単離(Matsuda LA et. al., Nature 1990; 346:561-4; Devane WA et. al. J. Med. Chem. 1992; 35:2065-9; Munro, S. et. al., Nature 1993, 365, 61-5)は、当該分野における研究を刺激してきた。カンナビノイド系の障害に関する疾患の治療のための薬剤の開発において、異なる製薬会社間で関心は依然として増大している(Greenberg D. A, Drugs News & Perspectives 1999; 12: 458; Kulkarni S. K. & Ninan, Indian Journal of Pharmacology 2001; 33: 170-184; Piomelli D et. al., Trends Pharmacol Sci. 2000 Jun; 21(6): 218-24)。CB1及び/又はCB2アンタゴニストのいずれかのいくらかの化合物が報告されており、例えば、SR−141716 A(Sanofi)、CP−272871(Pfizer)、LY−320135(Eli Lily)、AM−630(Alexis)、SR−144528(Sanofi)等の開発の多様な段階にある。選択性CB1及び/又はCB2アンタゴニストである新規な化合物、これらの調製、及び医薬におけるこれらの使用はまた、全体において参考例として組み入れられているUS 5925768、US 6344474、US 6028084、US 5462960、EP 0656354、US 6432984、US 6509367 B1、US 5624941、EP1230222、EP 122952、FR 2816938、FR 2761266、FR 2800375、EP 0656354、EP 0576357、WO 03027076、WO 03026648、WO 03026647、WO 03020217、WO 0158450、WO 0185092、WO 0132663、WO 0132629において報告されている。
【0003】
カンナビノイド受容体のための新規な4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[g]インダゾールに基づくリガンドの合成及び生物学的評価は、Bioorg. Med. Chem., 2005, 13, 3309-3320に記載されている。
【0004】
CB1アンタゴニストとしての三環式ピラゾール誘導体(NESS 0327)の合成は、J Pharmacology & Experimental Therapeutics, 2003, 306(1), 363- 370に開示されている。CB1及びCB2受容体の三環式ピラゾールリガンドの合成及び活性は、Bioorg. Med. Chem., 2003, 11, 251-263に開示されている。
【0005】
新規な環固定化(ring constrained)ビアリールピラゾールCB1カンナビノイド受容体アンタゴニストの構造解明は、Magn. Reson. Chem. 2003, 41, 265-268に記載されている。
【0006】
剛性(rigid)カンナビノイドCB1カンナビノイド受容体アンタゴニストの合成及び生物活性は、Chem.Pharm.Bull.2002, 50, 1109- 1113に記載されている。
【0007】
シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤としての三環式ベンゾピラゾール誘導体は、WO 9609304に記載されおり、参考として本明細書にも組み入れられている。
【0008】
カンナビノイドの分野における研究は10年以上続けられているが、カンナビノイド受容体を調節する利用可能な医薬はほとんど存在せず、ほとんど副作用がないものは更に少ない。カンナビノイドの有利な効果に注目しながら、カンナビノイド受容体を調節し、より優れたあるいは匹敵する吸収、代謝安定性を有し、そしてより低い毒性しか伴わない化合物を開発することが強く所望される。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、カンナビノイド受容体の修飾因子として有用な新規な化合物を記載する。新規な化合物は、以下の一般式(I)により定義される:
【化2】

【0010】
本発明の化合物は、ヒト又はほかの哺乳類対象において、カンナビス(cannabis)、いくつかのその誘導体、及び合成カンナビノイドで治療できる症状を予防又は回復するために有用なカンナビノイドの作用を擬制する。好ましくは、本発明の化合物は、カンナビスCB1−受容体の選択性アンタゴニストである。
【0011】
発明の好ましい態様
従って本発明の対象は、一般式(I)の新規な化合物、これらの互変異性体、これらの位置異性体、これらの合成に関する新規な中間体、これらの医薬的に許容される塩、及びこれら又はこれらの混合物を含有する医薬組成物、及び医薬におけるこれらの使用を供することである。
【化3】

【0012】
本発明の態様において、一般式(I)の新規な化合物、これらの位置異性体、これらの互変異性体、これらの合成に関する新規な中間体、これらの医薬的に許容される塩、及びこれらを含有する医薬組成物の調製方法が供される。
【0013】
他の態様において、一般式(I)の新規な化合物、これらの位置異性体、これらの互変異性体、これらの医薬的に許容される塩、及びこれらの混合物を含有し、医薬的に許容される担体、溶媒、希釈剤、賦形剤、及びこれらの製造において通常用いられるほかの媒体を有する、医薬組成物が供される。
【0014】
更なる態様において、治療的有効量及び非毒性量の式(I)の化合物、又はこれらの医薬的に許容される組成物を哺乳類に投与することによる、天然又は合成カンナビス又はこれらの誘導体で治療できる疾患、又はその症状を回復できる疾患の治療方法が供される。
【0015】
詳細な説明
本発明の新規な化合物は、以下の一般式(I)
【化4】

により定義される。
【0016】
前記式中、「Ar」は、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(C1−C12)アルキル、及びヘテロアル(heteroar)(C1−C12)アルキル基から選択される単一の又は縮合された基を表し、これらのそれぞれは独立に任意的に置換されていてよい;
【0017】
「A」は、任意的に置換された複素芳香族基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択され、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
【0018】
「A」は、置換された芳香族基を表し、「X」は、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、2m+n3となるような整数を表す;あるいは
【0019】
「A」は、任意的に置換された複素環基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
【0020】
「A」は、任意的に置換された脂環式基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
【0021】
1は、O、S、又はN−Qにより表される基(ここでQは、H、置換された又は置換されていない、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環基から選択される基を表す)、あるいはSO2R’’により表される基(ここでR’’は、H、−OH、ハロゲン、あるいは置換された又は置換されていない、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環式若しくは脂環式基から選択される基を表す)を表す;
【0022】
2は、H又は(C1−C6)アルキルのいずれかであり;R3は、
【化5】

又は−NRbc−であり、ここでRaは(C1−C6)アルキルであるか、あるいはRaは、−NRbcにより形成される複素環ラジカルの1つの原子を伴う、1〜2個の原子を含む架橋を形成する;
【0023】
b及びRcは、アルキル、アラルキル、又はアルケニルから選択される任意的に置換された基を表し、あるいはRb及びRcは、これらが結合される窒素原子と一緒に、任意的に置換され、そして縮合されてよい、飽和した又は不飽和の複素環若しくは複素芳香族ラジカルを形成する;
【0024】
「A」における置換基は、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、直鎖又は分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、ペルハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ペルハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケノキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換又は二置換アミノ、カルボン酸、及びその誘導体、例えば、エステル及びアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシアミノ基から選択される、任意的に置換された基から選択されてよい;好ましくは、「A」における置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノアルキル基から選択される任意的に置換された基から選択されてよい;
【0025】
「Ar」における置換基は、ヒドロキシ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、アミジノ、直鎖又は分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、ペルハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ペルハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケノキシ、一置換又は二置換アミノ、カルボン酸及びその誘導体、例えば、エステル及びアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシアミノ、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、スルホン酸及びその誘導体から選択される任意的に置換された基から選択されてよい;好ましくは「Ar」における置換基は、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、又は直鎖若しくは分岐鎖アルキル、一置換又は二置換アミノ、アルコキシ、アシル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、カルボン酸及びその誘導体、例えば、エステル及びアミドから選択される任意的に置換された基から選択されてよい;
【0026】
「A」又は「Ar」における置換基は、更に、上述のいずれかの基により任意的に置換されてもよい。
【0027】
好ましい態様において、上述の基、ラジカルは以下から選択されてよい:
【0028】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、t−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、ヘプチル、オクチル等から選択される、1〜8つの炭素を含む、直鎖又は分岐鎖ラジカルを表す;
【0029】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルケニル」基は、2〜12個の炭素を含むラジカルから選択され、より好ましくは、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニル等から選択される基であり;当該「アルケニル」基は、直鎖及び分岐鎖のジエン及びトリエンを含む;
【0030】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルキニル」基は、2〜12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖ラジカルから選択され、より好ましくはチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等である。「アルキニル」の語は、ジ−及びトリ−インを含む;
【0031】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「シクロアルキル」又は「脂環式」基は、3〜7個の炭素を含む環式ラジカルから選択され、より好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル等である;
【0032】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「シクロアルケニル」基は、好ましくはシクロプロペニル、1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル等から選択される;
【0033】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルコキシ」基は、酸素原子に直接付随した、上に定義されたアルキルラジカルを含む基から選択され、より好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、iso−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等から選択される基である;
【0034】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルケノキシ」基は、酸素原子に付随した、上に定義されたアルケニルラジカルを含む基から選択され、より好ましくはビニルオキシ、アリルオキシ、ブテンオキシ、ペンテンオキシ、ヘキセンオキシ等から選択される;
【0035】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ハロアルキル」基は、1又は複数のハロゲンで適当に置換された、上に定義されたアルキルラジカルから選択され;例えば、ペルハロアルキル、より好ましくはペルフルオロ(C1−C6)アルキル、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、モノ若しくはポリハロ置換メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシル基である;
【0036】
−「ハロアルコキシ」基は、酸素原子に直接付随した、上に定義される適当なハロアルキルから選択され、より好ましくは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、フルオロエトキシ、クロロエトキシ等から選択される基である;
【0037】
−「ペルハロアルコキシ」基は、酸素原子に直接付随した、上に定義される適当なペルハロアルキルラジカルから選択され、より好ましくは、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等から選択される基である;
【0038】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アリール」又は「芳香族」基は、1、2、又は3つの環を含む適当な芳香族系から選択され、ここでこのような環は、ペンダント形式において一緒に付随することができ、あるいは縮合することができ、より好ましくは、当該基は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン、ビフェニル等から選択される;
【0039】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ヘテロシクリル」又は「複素環」基は、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1又は複数のヘテロ原子を含む、適当に飽和した、部分的に飽和した若しくは不飽和の芳香族又は非芳香族の一、二、又は三環式ラジカルから選択され、より好ましくは、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペリジニル、4−オキソピペリジニル、2−オキソピペラジニル、3−オキソピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2−オキソモルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサピニル、チアゼピニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジヒドロチエニル、ピラゾロピリミドニル、アザキナゾリノイル、チエノピリミドニル、キナゾロニル、ピリミドニル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサジノニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアジノニル、チエノピペリジニル等から選択される;
【0040】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ヘテロアリール」又は「複素芳香族」基は、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1又は複数のヘテロ原子を含む、単一の、又は縮合した、一、二、又は三環式芳香族複素環ラジカルから選択され、より好ましくは、当該基は、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリニル、インドリル、アザインドリル、アザインドリニル、ピラゾロピリミジニル、アザキナゾリニル、ピリドフラニル、ピリドチエニル、チエノピリミジル、キノリニル、ピリミジニル、ピラゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、カルバゾリル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル等から選択される;
【0041】
−「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロアラルコキシ」、「ヘテロシクロキシ」、「ヘテロシクリルアルコキシ(heterocylylalkoxy)」は、酸素原子に付随した、上に定義された適当なヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル(heterocylylalkyl)基からそれぞれ選択される;
【0042】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アシル」基は、1〜8つの炭素を含むラジカルから選択され、より好ましくはホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、iso−ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、ベンゾイル等から選択され、これらは置換されていてよい;
【0043】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アシルオキシ」基は、酸素原子に直接付随した、上に定義された適当なアシル基から選択され、より好ましくは、このような基は、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、iso−ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等から選択される;
【0044】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アシルアミノ」基は、アミノラジカルに付随した、上に定義された適当なアシル基から選択され、より好ましくは、このような基は、CH3CONH、C25CONH、C37CONH、C49CONH、C65CONH等から選択され、これらは置換されていてよい;
【0045】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「一置換アミノ」基は、前に定義された、(C1-C6)アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、又はアリールアルキル基から選択される1つの基で置換されたアミノ基を表し、より好ましくは、このような基は、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン等から選択される;
【0046】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「二置換アミノ」基は、前に定義された、(C1-C6)アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、又はアリールアルキル基から選択される、同じ又は異なる2つのラジカルで置換されたアミノ基を表し、より好ましくは当該基は、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルメチルアミノ等から選択される;
【0047】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アリールアミノ」基は、窒素原子由来の自由原子価結合を有するアミノを介して連結したアリール基を表し、より好ましくは、当該基は、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N−メチルアミノ等から選択される;
【0048】
−単独(−C=O−)で、あるいは他のラジカル、例えば、上述のアルキルとの組み合わせ、例えば、「アルキルカルボニル」において使用される、「オキソ」又は「カルボニル」基は、上述のアルキルラジカル、例えば、アシル又はアルカノイルで置換されたカルボニルラジカル(−C=O−)を表す;
【0049】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「カルボン酸」基は、−COOH基を表し、そしてカルボン酸の誘導体、例えば、エステル及びアミドを含む;
【0050】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「エステル」基は、−COO−基を表し、そしてカルボン酸誘導体を含み、より好ましくはエステル部分は、アルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等(これらは任意的に置換されてよい);アリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等(これらは任意的に置換されてよい);アラルコキシカルボニル基、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、ナフチルメトキシカルボニル等(これらは任意的に置換されてよい);ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアラルコキシカルボニル(ここでヘテロアリール基は上に定義されたとおりであり、これらは任意的に置換されてよい);ヘテロシクリルオキシカルボニル(ここで前に定義された複素環基は、任意的に置換されてよい)から選択される;
【0051】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アミド」基は、アミノカルボニルラジカル(H2N−C=O−)を表し、ここでアミノ基は、一若しくは二置換され、あるいは置換されておらず、より好ましくは当該基は、メチルアミド、ジメチルアミド、エチルアミド、ジエチルアミド等から選択される;
【0052】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アミノカルボニル」基は、「アミノカルボニル」、「アミノカルボニルアルキル」、「N−アルキルアミノカルボニル」、「N−アリールアミノカルボニル」、「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」、「N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル」、「N−アルキル−N−ヒドロキシアミノカルボニル、及び「N−アルキル−N−ヒドロキシアミノカルボニルアルキル」から選択されてよく、これらのそれぞれは、任意的に置換されてよい。「N−アルキルアミノカルボニル」及び「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」の語は、上に定義されるアミノカルボニルラジカルを表し、これらはそれぞれ、1つのアルキルラジカル、及び2つのアルキルラジカルで置換されている。好ましくはアミノカルボニルラジカルに付随した上述の低級アルキルラジカルを有する「低級アルキルアミノカルボニル」である。「N−アリールアミノカルボニル」及び「N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル」の語は、それぞれ、1つのアリールラジカルで、又は1つのアルキル及び1つのアリールラジカルで置換されたアミノカルボニルラジカルを表す。「アミノカルボニルアルキル」の語は、アミノカルボニルラジカルで置換されたアルキルラジカルを含む;
【0053】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ヒドロキシアルキル」基は、1又は複数のヒドロキシラジカルで置換された、上に定義されたアルキル基から選択され、より好ましくは、当該基は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシへキシル等から選択される;
【0054】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アミノアルキル」基は、上に定義される、アルキルラジカルに付随したアミノ(−NH2)部分を表し、これらは置換されてもよく、例えば、一置換及び二置換アミノアルキルである。単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせにおいて本明細書で使用される「アルキルアミノ」の語は、アミノ基に付随した、上に定義されたアルキルラジカルを表し、これらは置換されてよく、例えば、一置換及び二置換ルキルアミノである;
【0055】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルコキシアルキル」基は、上に定義されたアルキル基に付随した、上に定義されたアルコキシ基を表し、より好ましくは、当該基は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル等から選択されてよい;
【0056】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルキルチオ」基は、硫黄原子由来の自由電子価結合を有する二価の硫黄原子を介して連結された、上述のアルキル基を含んで成る、直鎖若しくは分岐鎖の、又は環状の一価の置換基を表し、より好ましくは、当該基は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ等、又はシクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等から選択される環式アルキルチオ、から選択されてよく、これらは任意的に置換されてよい;
【0057】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「チオアルキル」基は、式−SR’(式中、R’は水素、アルキル又はアリール基を表す)の基に付随した、上に定義された、アルキル基、例えば、チオメチル、メチルチオメチル、フェニルチオメチル等を表し、これらは任意的に置換されてよい;
【0058】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルコキシカルボニルアミノ」基は、アミノ基に付随された、上に定義された適当なアルコキシカルボニル基から選択され、より好ましくは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ等から選択される;
【0059】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アミノカルボニルアミノ」、「アルキルアミノカルボニルアミノ」、「ジアルキルアミノカルボニルアミノ」基は、それぞれ、アミノ(NH2)、アルキルアミノ基、又はジアルキルアミノ基に付随された、カルボニルアミノ(−CONH2)基であり、ここでアルキル基は上に定義されたとおりである;
【0060】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アミジノ」基は、−C(=NH)−NH2ラジカルを表し;当該「アルキルアミジノ」基は、アミジノ基に付随された、上述のアルキルラジカルを表す;
【0061】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ヒドラジノ」基は、上述のものから選択される、他のラジカルで適当に置換された式−NHNH−の基、例えば、アルキルヒドラジノを表し、ここで上に定義されたアルキル基は、ヒドラジノ基に付随されている;
【0062】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「アルコキシアミノ」基は、アミノ基に付随された、上に定義された適当なアルコキシ基を表す;
【0063】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「ヒドロキシアミノ」基は、−NHOH部分を表し、そして上述から選択される適当な基で任意的に置換されてよい;
【0064】
−単独で、あるいは他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「スルフェニル」基又はスルフェニル誘導体は、二価の基である、−SO−又はRxSO(式中Rxは、任意的に置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、上述から選択される基である)を表す;
【0065】
−単独で、あるいは他の語、例えば、アルキルスルホニルを伴う他のラジカルとの組み合わせのいずれかにおいて使用される「スルホニル」基又は「スルホン誘導体」は、二価のラジカルの−SO2−又はRxSO2−(式中Rxは、上に定義されたとおりである)を表す。より好ましくは、当該基は、スルホニルラジカルに付随された「アルキルスルホニル」(ここで適当なアルキルアラジカルは上に定義されたものから選択される)、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等、スルホニルラジカルに付随された「アリールスルホニル」(ここでアリールラジカルは上に定義されたとおりである)、例えば、フェニルスルホニル等、から選択されてよい。
【0066】
適当な基及び基における置換基は、本明細書中のいずれかに記載されるものから選択されてよい。
【0067】
本発明の特に有用な化合物は、以下のとおりである:
4−クロロ−N−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−イル]−メチルアミノ−メチレン}−ベンゼンスルホンアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イル−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸N’−シクロプロピル−ヒドラジド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(4−クロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6,7−ジチア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−チア−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−ブロモ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩。
【0068】
本発明の化合物は、有機合成の当業者に既知な慣習的な技術、又は当業者に認識される変形と一緒に、以下の方法を使用して調製することができる。
【0069】
好ましい方法は、以下の記載に制限されることなく、全ての記号は前に定義されたとおりである。
【0070】
スキーム:
当業界において前に記載された同様の手順[Chem. Pharm. Bull. 2002, 50, 1109-1113]の適当な改変により式2の化合物が調製できる。式4の化合物は、適当な溶媒、例えば、MeOH、EtOH、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、酢酸等、又はこれらの混合物中で、2を式3(式中、「Ar」は前に定義されたとおりである)の適当に置換されたヒドラジンハイドロクロライドと共に還流することにより調製できる。溶媒、例えば、メタノール、メタノール/水、メタノール/THF、又はTHF/H2O等、又はこれらの混合物における、適当な塩基、例えば、NaOH、KOH、LiOH、AgNO3、Na2CO3、CsCO3等を使用するアルカリ加水分解は、式5の対応する酸を与える。適当な溶媒、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム等又はこれらの混合物中でSOCl2、COCl2、PCl3、PCl5から選択される適当なハロゲン化剤で処理することにより、式5の化合物をまず対応する酸塩化物に転化させる。In situ において産生した当該酸塩化物は、続いて、適当な置換された又は置換されていないアミン、二環式アミン、置換された又は置換されていないヒドラジンで処理し、式(I)の化合物を得ることができる。
【0071】
式5の化合物は、その対応する酸塩化物に転化後、トリエチルアミン、DMSO、DMF、ジイソプロピルエチルアミン等又はこれらの混合物から選択される溶媒中で任意的に適当な式6の化合物(式中、「Q」は前に定義されたとおりである)で処理し、式7の化合物を得ることができる。
【0072】
適当な溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム等又はこれらの混合物中での適当なハロゲン化剤、例えば、SOCl2、COCl2、PCl3、PCl5等での処理における式7の化合物は、式8の化合物を供する。式8の化合物を、メタノール、エタノール、水、THF等から選択される溶媒中で式NHR23(式中、R2及びR3は、前に定義されたとおりである)の適当なアミンとともに撹拌し、式(I)の化合物を得ることができる。
【0073】
スキーム:
【化6】

【0074】
式(I)の化合物は、当業者に既知な技術及び方法の適当な改変により、これらの適当な医薬的に許容される塩に転化することができる。
【0075】
慣習的な化学的手段により、上述のいずれかの反応において、基質中のいずれかの反応基を保護できることが知られている。上述のいずれかの反応における適当な保護基は、当業界に慣習的に使用されるものである。これらの保護基の形成及び除去の方法は、保護されている分子に適当な慣習的な方法である。T. W. Greene and P. G. M. Wuts "Protective groups in Organic Synthesis", John Wiley & Sons, Inc, 1999, 3rd Ed., 201-245、並びにそこに引用されている参考文献は、このような慣習的な方法を供し、そして参考文献として本明細書に組み入れられている。
【0076】
本発明の新規な化合物は、周知な適当な賦形剤と組み合わせることにより、適当な医薬的に許容される組成物に処方することができる。
【0077】
式(I)の化合物、又はこれらを含有する医薬組成物は、経口的、局所的、又は非経口的な投与のいずれかにより適用することができる。
【0078】
上記医薬組成物は、慣習的な技術を利用することにより供される。好ましくは当該組成物は、有効量の活性成分、即ち本発明の式(I)の化合物を含有する単位剤形におけるものである。
【0079】
医薬組成物、及びその単位剤形中の活性成分、即ち本発明の式(I)の化合物の含量は、特定の投与方法、特定の化合物の効力、及び所望の濃度に依存して変更又は調節することができる。一般的に、活性成分の含量は、0.5重量%〜90重量%の組成物の範囲である。
【0080】
本発明は、以下の実施例によって、より詳細に説明され、これは実例としてのみ供される、本発明の範囲を制限するように解釈すべきではない。
【0081】
上の一般的なスキームにおいて記載される1又は複数のプロセスは、本発明の化合物を調製するために使用できることが理解される。
【0082】
表(下記参照)中に与えられる1H NMRスペクトルデータは、300MHzスペクトロメーター(Bruker AVANCE-300)を使用して記録され、そしてδスケールにおいて報告される。ほかに言及されない限り、NMRに使用された溶媒は、内部標準としてテトラメチルシランを使用するCDCl3である。
【実施例】
【0083】
実施例1
4−クロロ−N−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−イル]−メチルアミノ−メチレン}−ベンゼンスルホンアミド
当業界において既知な技術及び方法と同様の適当な改変により、8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸を調製した。
【0084】
工程A:
4−クロロ−N{8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボニル}−ベンゼン−スルホンアミド
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(4.3g,10.55mmol)を、トルエン中の塩化チオニル(2.31mL,31.66mmol)を使用して、約110℃において1時間還流することにより、酸塩化物に転化させた。
【0085】
減圧下において当該溶媒を蒸発させた。得られた残渣をジクロロメタン(20mL)中に取り、そして生じた溶液をジクロロメタン(50mL)中の4−クロロベンゼンスルホンアミド(2.7g,4.137mmol)及びTEA(1.97mL,14.137mmol)の冷却した懸濁液に添加した。当該反応混合物を約27℃で30分間撹拌し、そして水(150mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。
【0086】
有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、そして減圧下で蒸発させ、無色の粗製油を産出した。当該油をカラムクロマトグラフィーにより精製し、オフホワイトの固体として、4−クロロ−N−{8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボニル}−ベンゼン−スルホンアミド(4.75g,8.175mmol)を産出した。
【表1】

【0087】
工程B:
4−クロロ−N{8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−イル}−メチルアミノ−メチレン}−ベンゼンスルホンアミド(化合物1)
クロロベンゼン(20mL)中の4−クロロ−N{8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボニル}−ベンゼン−スルホンアミド(2.0g,3.44mmol)及びPCl5(1.56g,6.88mmol)を約120℃で3.0時間にわたり還流した。当該溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色の粘着性の固形物を産出した。当該粘着性固形物をジクロロメタン(15mL)中に取り、そして0〜5℃に冷却した。当該冷却した溶液に、40%モノメチルアミン水溶液(5.0mL)を添加し、そして約29℃で1時間撹拌した。当該反応混合物を水(100mL)で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。当該有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、そして減圧下で蒸発させ、黄色の油を産出した。当該油をカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物1の白色の固形物として、4−クロロ−N−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−イル]−メチルアミノ−メチレン}−ベンゼンスルホンアミド(0.175g,0.294mmol)を産出した。
【表2】

【0088】
実施例2
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩
a) 当業界に既知な同様の技術及び方法の適当な改変による8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸。
b) 8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩(化合物2)。
【0089】
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(0.500g,1.221mmol)を、ジクロロメタン(25mL)中の1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール一水和物(HOBt.H2O)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC−HCl)、及びTEAの存在下において、約27℃で25〜30分間にわたり1−アミノ−ピペリジン(0.197mL,1.832mmol)とカップリングした。当該反応物をH2O(30mL)で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、そして減圧下で蒸発させ、褐色の油を産出した。当該褐色の油を無水メタノール中に取り、そして0〜5℃においてエーテルHCl(約4mL)で処理した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣を酢酸エチル中で倍散し、固形物を産出した。当該固形物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、薄褐色の固形物として表題の化合物2を産出した(0.435g,0.824mmol)。
【表3】

【0090】
以下の化合物は、化合物2の合成のために記載された方法の反応物、反応条件、反応工程を適当に改変、変更することにより調製した。
【0091】
化合物3:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−アミドの塩酸塩。
【表4】

【0092】
化合物4:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表5】

【0093】
化合物5:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミドの塩酸塩。
【表6】

【0094】
化合物6:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イル−アミドの塩酸塩。
【表7】

【0095】
化合物7:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミドの塩酸塩。
【表8】

【0096】
化合物8:
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表9】

【0097】
化合物9:
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表10】

【0098】
化合物10:
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミドの塩酸塩。
【表11】

【0099】
化合物11:
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸−N’−シクロプロピル−ヒドラジンの塩酸塩。
【表12】

【0100】
化合物12:
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表13】

【0101】
化合物13:
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表14】

【0102】
化合物14:
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表15】

【0103】
化合物15:
1−(4−クロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表16】

【0104】
化合物16:
1−{(8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表17】

【0105】
化合物17:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミドの塩酸塩。
【表18】

【0106】
化合物18:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6,7−ジチア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表19】

【0107】
化合物19:
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表20】

【0108】
化合物20:
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミドの塩酸塩。
【表21】

【0109】
化合物21:
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−チア−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表22】

【0110】
化合物22:
8−ブロモ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミドの塩酸塩。
【表23】

【0111】
生物活性
cAMP蓄積モデルにおける本発明の化合物は、hCB1.CHO細胞中でフォルスコリン−誘発cAMP蓄積のWIN55,212−2阻害と拮抗する[J Pharmacol. Exp. Ther., 1998, 284, 291-297]。マウス精管調製物において、代表的な化合物は、WIN55,212−2濃度−応答曲線の右方へのシフトをもたらした(Eur. J. Pharm. 1995, 284, 241-247)。本発明の代表的な化合物は、ラットモデルにおけるスクロース溶液摂取における減少を示した(表1)[Psychopharmacology, 1997, 132, 104-106]。
【0112】
表1: 動物モデル中の5%スクロース溶液の摂取における代表的な化合物の効果。
【表24】

*計算式
【表25】

グループ中の動物数=6。
【0113】
上述した本発明のいずれの化合物においても、有意な有害作用は観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、
「Ar」は、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(C1−C12)アルキル、及びヘテロアル(C1−C12)アルキル基から選択される単一の又は縮合された基を表し、これらのそれぞれは独立に任意的に置換されていてよい;
「A」は、任意的に置換された複素芳香族基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択され、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、置換された芳香族基を表し、「X」は、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、2m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された複素環基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された脂環式基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された複素環基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された脂環式基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
1は、O、S、又はN−Qにより表される基(ここでQは、H、置換された又は置換されていない、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環基から選択される基を表す)、あるいはSO2R’’により表される基(ここでR’’は、H、−OH、ハロゲン、あるいは置換された又は置換されていない、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環式若しくは脂環式基から選択される基を表す)を表す;R2は、H又は(C1−C6)アルキルのいずれかである;R3は、
【化2】

又は−NRbc−であり、ここでRaは(C1−C6)アルキルであるか、あるいはRaは、−NRbcにより形成される複素環ラジカルの1つの原子を伴う、1〜2個の原子を含む架橋を形成する;Rb及びRcは、アルキル、アラルキル、又はアルケニルから選択される任意的に置換された基を表し、あるいはRb及びRcは、これらが結合される窒素原子と一緒に、任意的に置換され、そして縮合されてよい、飽和した又は不飽和の複素環又は複素芳香族ラジカルを形成する)
の化合物、これらの互変異性体、これらの医薬的に許容される塩。
【請求項2】
前記アルキル基が、好ましくは、1〜8つの炭素原子を含んで成る、直鎖又は分岐鎖のアルキル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記アリール基が、好ましくは、単環式、二環式、又は三環式アリール基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記アリール基が、より好ましくは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン、ビフェニル基から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記ヘテロシクリルが、N、O、Sから選択される1又は複数のヘテロ原子を含む、飽和した、部分的に飽和した、又は飽和していない、芳香族系又は非芳香族系の、一環式、二環式、又は三環式基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記へテロシクリル基が、より好ましくは、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペリジニル、4−オキソピペリジニル、2−オキソピペラジニル、3−オキソピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2−オキソモルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサピニル、チアゼピニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジヒドロチエニル、ピラゾロピリミドニル、アザキナゾリノイル、チエノピリミドニル、キナゾロニル、ピリミドニル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサジノニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアジノニル、チエノピペリジニルから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記ヘテロアリール基が、N、O、又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子を含んで成る、任意的に縮合した、一環式、二環式、又は三環式複素芳香族基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記へテロアリール基が、より好ましくは、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリニル、インドリル、アザインドリル、アザインドリニル、ピラゾロピリミジニル、アザキナゾリニル、ピリドフラニル、ピリドチエニル、チエノピリミジル、キノリニル、ピリミジニル、ピラゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、カルバゾリル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル基から選択される、請求項1又は7に記載の化合物。
【請求項9】
前記脂環式基が、3〜7つの炭素を含む環式ラジカルであって、より好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記式中、「A」における置換基が、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、直鎖又は分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、ペルハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ペルハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケノキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換又は二置換アミノ、カルボン酸、及びその誘導体、例えば、エステル及びアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシアミノ基から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
前記式中、「A」における置換基が、より好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノアルキル基から選択される任意的に置換された基から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記式中、「Ar」における置換基が、ヒドロキシ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、アミジノ、直鎖又は分岐鎖のアルキル、ハロアルキル、ペルハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ペルハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケノキシ、一置換又は二置換アミノ、カルボン酸及びその誘導体、例えば、エステル及びアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、ヒドロキシアミノ、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、スルホン酸及びその誘導体から選択される任意的に置換された基、から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
前記式中、「Ar」における置換基が、より好ましくは、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、又は直鎖若しくは分岐鎖アルキル、一置換若しくは二置換アミノ、アルコキシ、アシル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、カルボン酸及びその誘導体、例えば、エステル及びアミドから選択される任意的に置換された基、から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
好ましくは、
4−クロロ−N−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−イル]−メチルアミノ−メチレン}−ベンゼンスルホンアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イル−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸N’−シクロプロピル−ヒドラジド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(4−クロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピロリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−(4−クロロ−フェニル)−8−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
1−{[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−7−チア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6,7−ジチア−1,2−ジアザ−シクロペンタ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
7−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−4,6−ジチア−1,2−ジアザ−アズ−インダセン−3−カルボン酸(ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル)−アミド及びその医薬的に許容される塩;
8−クロロ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−チア−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩;
8−ブロモ−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−6−オキサ−1,2−ジアザ−ベンゾ[e]アズレン−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド及びその医薬的に許容される塩、
から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、及び医薬的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含んで成る、医薬組成物。
【請求項16】
医薬的に推奨量の式(I)の化合物、又はこれらの医薬的に許容される塩、あるいは請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物を含有する製剤を、治療が必要な、哺乳類、好ましくはヒトに供することによる、カンナビノイド受容体に関係する疾患の治療方法。
【請求項17】
式(I)の化合物、これらの医薬的に許容される塩、又は請求項1〜15のいずれか一項に記載の当該化合物を含有する医薬的に許容される組成物を含んで成る、カンナビノイド受容体に関連する疾患の治療/回復のための医薬。
【請求項18】
カンナビノイド系に関係する疾患の治療に適当な薬物として、式(I)の化合物、これらの医薬的に許容される塩、これらの医薬組成物、及び請求項1〜17のいずれか一項に記載される化合物を含有する医薬の使用。
【請求項19】
式(I)の化合物の調製方法であって、
i)式(2)の化合物を式(3)の適当な置換されたヒドラジン塩酸塩と反応させることにより式(4)の化合物に転化する工程
【化3】

ii)式(4)の化合物を加水分解して、式(5)の酸を得る工程
【化4】

iii )式(5)の化合物を式NR23(式中、R2及びR3は請求項1において定義したとおりである)の適当な置換されたアミンで処理することにより、式(I)の化合物に転化する工程
【化5】

iv)あるいは、式(5)の化合物を式NH2Q(式中、Qは請求項1において定義したとおりである)の化合物で処理することにより、式(7)の化合物に転化する工程
【化6】

v)式(7)の化合物を式(8)の化合物に転化する工程
【化7】

vi)式(8)の化合物を式NR23(式中、R2及びR3は請求項1において定義したとおりである)の適当な置換されたアミンで処理することにより、式(I)の化合物に転化する工程
【化8】

を含んで成る、式(I)の化合物の調製方法。
【請求項20】
式(2)
【化9】

(式中、
「A」は、任意的に置換された複素芳香族基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択され、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、置換された芳香族基を表し、「X」は、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、2m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された複素環基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;あるいは
「A」は、任意的に置換された脂環式基を表し、「X」は、−CH2−、O、S、SO、SO2、又はNR’から選択されてよく、ここでR’は、H、直鎖又は分枝鎖アルキル及びシクロアルキル基から選択される任意的に置換された基を表し、そしてm及びnは、1m+n3となるような整数を表す;Rは、上に定義されたアルキル基を表し、そして全てのほかの語は上に定義されたとおりである)の中間体。

【公表番号】特表2008−505965(P2008−505965A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520976(P2007−520976)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000237
【国際公開番号】WO2006/025069
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(304023824)カディラ ヘルスケア リミティド (12)
【Fターム(参考)】