説明

カーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム、給油料金精算方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体

【課題】利用者による車両への給油が行われた場合の利用者の負担にならない給油料金の精算処理を行う。
【解決手段】利用者により給油時に支払われた給油料金の払い戻しを行うカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムであって、車両に対して給油を行う給油所において、利用者により給油が行われた際の情報を検出する第1検出手段と、車両において、利用者により給油が行われた際の情報を検出する第2検出手段と、利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行う払い戻し処理手段と、第1検出手段により検出した情報と第2検出手段により検出した情報とを比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて、払い戻し処理手段によって利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うように制御する制御手段とを有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム、給油料金精算方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、さらに詳細には、利用者による車両への給油が行われた場合の給油料金の精算を容易にするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム、給油料金精算方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【背景技術】
【0002】
近年、一台の自動車を複数の会員が共同で利用する自動車の新しい利用形態として、所謂、カーシェアリングが注目されている。
【0003】
ここで、カーシェアリングとは、利用者は自ら自動車を所有せず、管理団体の会員となり、必要に応じてその団体の自動車を借りるというものである。
【0004】
また、カーシェアリングは、ある地域に限定したコミュニティーの中で会員同士で自動車を共有し、インターネットなどを通じて車両の利用状態の確認や利用予約を行うようにしているため、貸し出し手続に時間を必要とせず、貸し出し・返却場所は、居住しているマンションの駐車場であったり、あるいは、通勤駅の近くであったりと、会員が利用するにあたって便利な場所に設定されていることが多い。
【0005】
こうしたカーシェアリングにより、利用者は、自動車を所有する場合に比べて、自動車取得費用、維持経費ならびに駐車料金といった費用を削減することができるようになる。
【0006】
さらに、カーシェアリングが広く普及されることにより、自動車の総台数の低減が見込まれ、都市の交通渋滞の緩和やエネルギー消費量の低減により、二酸化炭素による地球温暖化を抑止する効果が期待されている。
【0007】

ところで、上記したような従来のカーシェアリングにおいては、例えば、図1のブロック構成図に示すようなシステムを構築し、このシステムにより車両の予約や運行の管理が行われている。
【0008】
即ち、従来の技術によるカーシェアリングシステム100は、カーシェアリングシステム100の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに当該管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられかつ携帯電話網でサーバー108と接続される車載器112と、車両110に設けられるとともに車載器112と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器112に接続されるキーボックス116とを有して構成されている。
【0009】

以上の構成において、図2乃至図4を参照しながら、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明する。
【0010】
まず、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0011】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにログインする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0012】
ここで、上記したICカードを取得した利用者が、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合には、利用者がパーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスして会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力してログインし、車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS202)。
【0013】
こうした利用者による車両110の予約が完了し、予約時間になると、携帯電話網を利用して、この予約の情報がサーバー108から車載器112に送られる。
【0014】
そして、利用者は予約した時間に車両110が駐車された駐車場まで行き(ステップS204)、車両110に設けられたカードリーダー114に、会員登録時に取得したICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS206)。
【0015】

ここで、図3のフローチャートには、このステップS206における車両利用前のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、予約時間になり、サーバー108から予約の情報が車載器112に送られると、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、カードリーダー114が起動されるので、予約時間に車両110が駐車している駐車場に来た利用者はカードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS302)。
【0016】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS304)。
【0017】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かを判断する(ステップS306)。
【0018】
ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS308)、再度、ステップS302の処理に戻る。
【0019】
一方、ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるとともに、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110のセキュリティを解除した旨の音声ガイダンスを流し、車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS310)。
【0020】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0021】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0022】

上記したステップS206の処理による認証が完了すると、利用者は、車両110に乗車してキーボックス116からキーを取り出し(ステップS208)、取り出したキーを利用してエンジンをかけて車両110を利用する(ステップS210)。
【0023】
その後、車両110を利用した利用者は、予約時間が終了するまでに車両110を決められた駐車場に駐車させ(ステップS212)、車両110のキーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉める(ステップS214)。
【0024】
ステップS214の処理の後に、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS216)。
【0025】

ここで、図4のフローチャートには、このステップS216における車両利用後のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用後のICカードによる認証処理においては、まず、車載器112において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられているか否かの判断を行う(ステップS402)。
【0026】
ステップS402の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックスへのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉じられていること」の3つのうち、1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用すると判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS402の判断処理において、車両110のエンジンが停止し、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられていると判断された場合には、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流し、車両110に設けられたカードリーダー114を起動させる。
【0028】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳して、カードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS404)。
【0029】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS406)。
【0030】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS408)。
【0031】
このステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように警告し(ステップS410)、再びステップS404の処理に戻る。
【0032】
一方、ステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS412)、当該利用者が利用している車両110が存在しているか否かの判断を行う(ステップS414)。
【0033】
このステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動させることなく処理を終了する。
【0034】
即ち、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を利用している状態となる。
【0035】
一方、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS416)。
【0036】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、返却処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0037】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、返却処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0038】

そして、上記したステップS216の処理による認証が完了すると、車載器112により、走行距離、走行時間ならびに車両110の状態などが確認され、確認された情報をサーバー108に出力し、管理団体がパーソナルコンピューター102によりサーバー108にアクセスし、車載器112からの情報に基づいて車両110の利用に関する料金を算出し、算出した料金を会員のパーソナルコンピューター104もしくは携帯電話106に通知する(ステップS218)。
【0039】

ところで、従来のカーシェアリングシステムにおいては、利用料金に燃料代が含まれており、通常は、給油を管理団体が行うものであるが、長時間利用時には、利用者が給油を行う必要がある場合がある。
【0040】
利用者により、車両110に給油が行われた場合には、給油料金を利用者が立て替え、後日、領収書などを管理団体に送って立て替えた給油料金を管理団体に請求し、精算するようにしていた。
【0041】
しかしながら、給油料金を利用者が立て替え、立て替えた給油料金を後日管理団体に請求して、精算するような精算処理は、利用者にとって大変面倒な処理であり、こうした処理が利用者の負担となっていた。
【0042】
このため、利用者によって車両110へ給油が行われた場合に、その給油によって生じた給油料金を精算する処理が、利用者の負担とならないようなカーシェアリングシステムの提案が強く望まれていた。
【0043】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
本発明は、従来の技術の有する上記したような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者による車両への給油が行われた場合に利用者に負担をかけずに給油料金の精算処理を行うことができるようにしたカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム、給油料金精算方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0045】
上記目的を達成するために、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記利用者により給油時に支払われた給油料金の払い戻しを上記利用者に対して行うカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムであって、上記車両に対して給油を行う給油所において、上記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第1の検出手段と、上記車両において、上記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第2の検出手段と、上記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行う払い戻し処理手段と、上記第1の検出手段により検出した情報と上記第2の検出手段により検出した情報とを比較する比較手段と、上記比較手段による比較結果に基づいて、上記払い戻し処理手段によって上記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うように制御する制御手段とを有するようにしたものである。
【0046】
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の検出手段により検出される情報は、車両を特定するための情報、給油した日時を特定するための情報、給油量を特定するための情報および給油量に応じて上記利用者が支払った給油料金を特定するための情報であり、上記第2の検出手段により検出される情報は、車両を特定するための情報と、給油した日時を特定するための情報と、給油量を特定するための情報であり、上記比較手段は、上記第1の検出手段により検出された車両を特定するための情報と上記第2の検出手段により検出された車両を特定するための情報とが一致するか否かの第1の比較を行い、上記第1の検出手段により検出された給油した日時を特定するための情報と上記第2の検出手段により検出された給油した日時を特定するための情報とが一致するか否かの第2の比較を行い、上記第1の検出手段により検出された給油量を特定するための情報が上記第2の検出手段により検出された給油量を特定するための情報の設定された範囲内にあるか否かの第3の比較を行い、上記制御手段は、上記比較手段により上記第1比較および上記第2の比較が一致し、かつ、上記第3の比較が設定された範囲内にある判断された場合には、上記払い戻し処理により上記利用者に対して給油料金の払い戻しを実行し、上記比較手段により上記第1の比較、上記第2の比較および上記第3の比較のうちのいずれか1つでも否であると判断された場合には、上記払い戻し処理手段により上記利用者に対して給油料金の払い戻しの保留を行うようにしたものである。
【0047】
また、本発明は、上記した発明において、上記払い戻し処理手段において、上記利用者に対して給油料金の払い戻しが行われる際には、該給油料金の一定の割合の金額を該給油料金に上乗せした料金の払い戻しを実行するようにしたものである。
【0048】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記利用者により給油時に支払われた給油料金の払い戻しを上記利用者に対して行うカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法であって、上記車両に対して給油を行う給油所において、上記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第1の工程と、上記車両において、上記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第2の工程と、上記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行う第3の工程と、上記第1の工程で検出した情報と上記第2の工程で検出した情報とを比較する第4の工程と、上記第4の工程での比較結果に基づいて、上記第3の工程で上記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うように制御する第5の工程とを有するようにしたものである。
【0049】
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の工程で検出される情報は、車両を特定するための情報、給油した日時を特定するための情報、給油量を特定するための情報および給油量に応じて上記利用者が支払った給油料金を特定するための情報であり、上記第2の工程で検出される情報は、車両を特定するための情報と、給油した日時を特定するための情報と、給油量を特定するための情報であり、上記第4の工程は、上記第1の工程で検出された車両を特定するための情報と上記第2の工程で検出された車両を特定するための情報とが一致するか否かの第1の比較を行い、上記第1の工程で検出された給油した日時を特定するための情報と上記第2の工程で検出された給油した日時を特定するための情報とが一致するか否かの第2の比較を行い、上記第1の工程で検出された給油量を特定するための情報が上記第2の工程で検出された給油量を特定するための情報の設定された範囲内にあるか否かの第3の比較を行い、上記第5の工程は、上記第4の工程による比較により上記第1の比較および上記第2の比較が一致し、かつ、上記第3の比較が設定された範囲内にあると判断された場合には、上記第3の工程で上記利用者に対して給油料金の払い戻しを実行し、上記第4の工程による比較により上記第1の比較、上記第2の比較および上記第3の比較のいずれか1つでも否であると判断された場合には、上記第3の工程で上記利用者に対して給油料金の払い戻しの保留を行うようにしたものである。
【0050】
また、本発明は、上記した発明において、上記第3の工程において、上記利用者に対して給油料金の払い戻しが行われる際には、該給油料金の一定の割合の金額を該給油料金に上乗せした料金の支払いを実行するようにしたものである。
【0051】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0052】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0053】
また、本発明は、上記した発明に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0054】
本発明は、以上説明したように構成されているので、利用者による車両への給油が行われた場合に、利用者に負担をかけずに給油料金の精算処理を行うことができるようになるという優れた作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図2】図2は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図6】図6は、本発明によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8は、カーシェアリングシステムにおける給油料金精算処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図9は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム、給油料金精算方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0057】
なお、以下の説明においては、図1乃至図4を参照しながら説明した従来の技術によるカーシェアリングシステム100と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略することとする。
【0058】

ここで、図5には、カーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムを備えたカーシェアリングシステムの概要を表すブロック構成図が示されている。
【0059】
この図5に示す、本発明によるカーシェアリングシステム10は、カーシェアリングシステム10の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークなどを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられるとともにサーバー108と携帯電話網を利用して接続される車載器12と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるキーボックス116とを有して構成されている。
【0060】

より詳細には、車載器12は、車両110に備えられた装置や機能に対する監視や当該監視に基づく制御を行うものであり、GPS衛星16と通信するGPSモジュール12aと、携帯電話網と接続する通信モジュール12bと、カードリーダー114、GPSモジュール12a、通信モジュール12bおよび監視部12e(後述する。)からの各種情報を処理するとともに、カードリーダー114、キーボックス116ならびに車載器12の全体の動きを制御するメインコントローラー12cと、メインコントローラー12cからの情報により車両110に設けられたエンジンスタータ110aおよびドアロックアンロックシステム110bを操作する操作部12dと、車両110に設けられたドアスイッチ110c、イグニッション110d、バッテリ電圧検出器110e、燃料残量検出器110f、車速検出器110g、時計110hおよびキーボックス116を監視する監視部12eと、メインコントローラー12cからの情報によりキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスなどを出力させる音声モジュール12fとを有して構成されている。
【0061】
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からGPS信号を受信するために必要なアンテナ12aaを備えており、また、通信モジュール12bは、車載器12が各種情報を携帯電話網を介して送受信するためのアンテナ12baを備えている。
【0062】
さらに、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)に接続されている。
【0063】
さらにまた、カードリーダー114は、車両110内に配置されるとともに、車両110の外から利用者がICカードを翳すことにより、当該ICカードに記憶された認証用コードを読み取ることが可能な位置に配置されている。
【0064】
また、管理団体のパーソナルコンピューター102は、契約した給油会社のガソリンスタンドに設置された給油カードリーダー18と接続された精算システム16とネットワークを介して接続されている。
【0065】
ここで、給油カードリーダー18は、契約した給油会社が発行した給油カードを読み込み、読み込んだ給油カードの情報を精算システム16に出力するものである。なお、こうした給油カードは、車両110に予め備え付けられており、給油カードに格納された情報として、備え付けられた車両110を特定するための情報たる車両情報が含まれている。
【0066】
また、精算システム16は、給油カードリーダー18により読み込まれた給油カードに格納された情報たる給油カード情報と、車両に給油した日付および時間を示す給油日時情報と、給油した燃料の給油量を示す燃料給油量情報と、利用者が燃料給油量に応じて支払った支払金額情報とを取得するものである。
【0067】
即ち、精算システム16によって、利用者により給油が行われた場合には、給油カード情報、給油日時情報、燃料給油量情報および支払金額情報とが必ず取得されるものである。
【0068】
なお、こうした精算システム16は、コンピューターシステムにより構築すればよい。
【0069】

以上の構成において、図6乃至図9を参照しながら、カーシェアリングシステム10を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明するが、はじめに各構成要素の機能について説明する。
【0070】
まず、メインコントローラー12cは、サーバー108、監視部12eおよびGPS衛星16からの各種情報の入力を行い、入力した情報を記憶するとともに、サーバー108に対して各種情報を出力する。
【0071】
さらに、このメインコントローラー12cは、操作部12d、監視部12e、音声モジュール12f、カードリーダー114およびキーボックス116といった構成要素に対してそれらを制御する出力を行う。
【0072】
また、操作部12dは、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果などに基づいて、認証処理なしにドアを開けてエンジンをかけようとしてキーが使用されたと判断された場合に、メインコントローラー12cの制御により、エンジンスタータ110aを起動しないように制御することでエンジンがかからないようにする。
【0073】
さらに、操作部12dは、メインコントローラー12cから認証処理による認証が完了したとの情報を入力すると、ドアロックアンロックシステム110bを制御して車両110のドアのロックならびにロックの解除を行う。
【0074】
また、監視部12eは、ドアスイッチ110cから開閉信号を取得することによりドアの開閉状態の監視を行い、イグニッション110dからIG信号を取得することによりエンジンが起動した状態であるか否かの監視を行い、バッテリ電圧検出器110eから電位を取得することにより車両110が動作状態か否かの監視を行い、燃料残量検出器110fから燃料の残量信号を取得することにより車両110の燃料の残量を監視を行い、車速検出器110gから車速信号を取得することにより車両110の走行距離の監視を行い、時計110hから日付および時間を取得することにより所定の処理を行った日付や時間の監視を行い、キーボックス116から所定の情報を取得することによりキーの有無などの監視を行うものであるとともに、こうした監視結果をメインコントローラー12cに出力するものである。
【0075】
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からのGPS信号を取得し、当該GPS信号をメインコントローラー12cに出力するものであり、メインコントローラー12cにおいては、取得したGPS信号に基づいて車両110の位置情報を取得する。
【0076】
また、通信モジュール12bは、メインコントローラー12cにおける各種情報を携帯電話網を利用してサーバー108に出力するとともに、サーバー108から携帯電話網を利用して出力された各種情報をメインコントローラー12cに入力する。
【0077】
また、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスを流すものである。
【0078】
そして、カードリーダー114は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるとともに、読み取り部(図示せず。)にICカードが翳されると、ICカードから認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力する。
【0079】
さらに、カードリーダー114には、LEDランプ(図示せず。)が設けられており、メインコントローラー12cの制御により、このLEDランプ(図示せず。)を点滅させて、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す。
【0080】
また、キーボックス116は、認証処理が完了した後に、メインコントローラー12cによって、キーの取り出しを可能または不可能な状態に制御されるとともに、音声モジュール12fからの音声ガイダンスを、設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
【0081】
なお、精算システム16は、上記にも記載したように、コンピューターシステムにより構築する。
【0082】

次に、図6乃至図9を参照しながら、カーシェアリングシステム10における給油料金精算処理について説明する。
【0083】
まず、カーシェアリングシステム10を利用するに際して、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0084】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0085】
そして、管理団体への会員登録を完了し、ICカードを取得した利用者は、カーシェアリングシステム10において、パーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力してログインし、車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS602)。
【0086】
利用者による車両110の予約が完了し、予約時間になると、この予約情報がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力される。
【0087】
そして、利用者は予約した時間に車両110が駐車している駐車場まで行き(ステップS604)、車両110に設けられたカードリーダー114に会員登録時に取得したICカードを翳すことにより認証処理を行う(ステップS606)。
【0088】

ここで、図7のフローチャートには、このステップS606における車両利用前の認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用前の認証処理においては、まず、予約時間になり、サーバー108から予約情報がメインコントローラー12cに出力されると、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる。
【0089】
予約時間になるとカードリーダー114が起動されるので、利用者は、予約時間に車両110が駐車している駐車場に来た利用者はカードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS702)。
【0090】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS704)。
【0091】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かを判断する(ステップS706)。
【0092】
ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS708)、再度、ステップS702の処理に戻る。
【0093】
一方、ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるとともに、音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両のセキュリティを解除した旨の音声ガイダンスを流し、車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS710)。
【0094】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0095】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0096】

上記のようにして、ステップS606の車両利用前の認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源が切られ、利用者は、車両110に乗車してキーボックス114からキーを取り出し(ステップS608)、取り出したキーを利用してエンジンをかけるが、このとき、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果に基づいて、監視部12eにおいて燃料残量検出器110fの監視を開始する(ステップS610)。
【0097】
つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにイグニッション110dの監視結果を受けて、車両110のエンジンがかけられたと判断すると、監視部12eにより燃料残量検出器110fの監視を行うことによって、車両110の燃料の残量の監視を開始する。
【0098】
そして、利用者はエンジンがかけられ利用可能になった車両110を利用することとなる(ステップS612)。
【0099】
なお、車両110を利用するに際しては、車両110に給油を行う必要が生じることもあり、その際には、利用者は、予め車両110に備え付けられた給油カードが使用可能なガソリンスタンドまで車両を移動させて給油カードを利用して給油を行う。その際に、ガソリンスタンドで給油カードを給油カードリーダーに読み取らせる。そして、利用者は、車両110への給油が終了すると、当該ガソリンスタンドに給油量に応じた料金を支払う。
【0100】
ここで、車両110においては、利用者により車両110が利用されている間は、常に、車両110の燃料の残量が監視部12eにより監視されているものであり、監視部12eの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて利用者が車両110に給油したか否かの判断が行われる。
【0101】
つまり、監視部12において燃料の残量が増加が確認された場合にのみ、メインコントローラー12cにおいて、利用者により車両110に給油が行われたとの判断がなされる。
【0102】
そして、メインコントローラー12cにおいて、利用者が車両110に給油したと判断された、つまり、監視部12eから燃料の残量が増加したとの監視結果をメインコントローラー12cに出力された場合には、図8に示す給油料金精算処理の処理ルーチンを起動して、給油料金精算処理を開始する。
【0103】

この給油料金精算処理の処理ルーチンが起動すると、まず、車両110に設けられた時計110hと接続された監視部12eによる監視結果により、メインコントローラー12cにおいて給油がされたと判断された日時の情報たる給油日時情報をメインコントローラー12cに設けられた記憶領域(図示せず。)に記憶する(ステップS802)。
【0104】
次に、燃料残量検出器110fに接続された監視部12eによる監視結果により、メインコントローラー12cにおいて給油前の燃料の残量の情報たる給油前燃料残量情報と給油後の燃料の残量の情報たる給油後燃料残量情報とをメインコントローラー12cに設けられた記憶領域(図示せず。)に記憶する(ステップS804)。
【0105】
そして、メインコントローラー12cにおいて予め記憶されている車両110を特定するための車両情報と、ステップS802の処理によりメインコントローラー12cの記憶領域(図示せず。)に記憶された給油日時情報と、ステップS804の処理によりメインコントローラー12cの記憶領域(図示せず。)に記憶された給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とを車載器検出の給油情報としてメインコントローラー12cからサーバー108へ出力する(ステップS806)。
【0106】
利用者による車両110への給油が行われ、燃料の給油量に応じた料金が利用者からガソリンスタンドへ支払われるとともに給油カードリーダーによる給油カードの読み込みが行われると、精算システム16において取得された給油カード情報、給油日時情報、燃料給油量情報および支払金額情報が精算システム検出の給油情報として精算システム16から管理団体のパーソナルコンピューター102へ出力し(ステップS808)、出力された精算システム検出の給油情報をパーソナルコンピューター102からサーバー108に出力する(ステップS810)。
【0107】
次に、サーバー108において、ステップS810の処理によりサーバー108に出力された精算システム検出の給油情報のうちの給油カード情報から、当該給油カード情報が書き込まれた給油カードが備え付けられた車両110を特定することで、給油した車両110の車両情報を取得し(ステップS812)、取得した車両情報と、ステップS806の処理によりサーバー108に出力された車載器検出の給油情報のうちの車両情報とが一致するか否かの判断を行う(ステップS814)。
【0108】
ステップS814の判断処理において、給油カード情報から特定した車両110の車両情報と車載器検出の給油情報のうちの車両情報とが一致しないと判断された場合には、給油カード情報から特定した車両110の車両情報と車載器検出の給油情報のうちの車両情報とが一致しないという判断結果を、パーソナルコンピューター102に出力し、パーソナルコンピューター102の表示画面上に当該判断結果を表示し、管理団体に通知する(ステップS816)。
【0109】
このステップS816の処理によって判断結果が通知された管理団体においては、通知された判断結果の内容から、当該判断結果に対する原因の究明を行うとともに、精算システム検出の給油情報のうちの支払金額情報に基づく利用者に対する給油料金の払い戻しを保留する決定を行い(ステップS818)、決定した情報を給油料金精算情報としてサーバー108に設けられた記憶領域(図示せず。)に車両情報に関連付けて記憶して、この処理ルーチンを終了する。
【0110】
また、ステップS814の判断処理において、給油カード情報から特定した車両110の車両情報と車載器検出の給油情報のうちの車両情報とが一致すると判断された場合には、次に、ステップS806の処理でサーバー108に出力された車載器検出の給油情報のうちの給油日時情報と、ステップS810の処理でサーバー108に出力された精算システム検出の給油情報のうちの給油日時情報とが一致するか否かの判断を行う(ステップS820)。
【0111】
ステップS820の判断処理において、車載器検出の給油情報のうちの給油日時情報と、精算システム検出の給油情報のうちの給油日時情報とが一致しないと判断された場合には、ステップS816の処理に進み、車載器検出の給油情報のうちの給油日時情報と、精算システム検出の給油情報のうちの給油日時情報とが一致しないという判断結果を、パーソナルコンピューター102に出力し、パーソナルコンピューター102の表示画面上に当該判断結果を表示し、管理団体に通知する。
【0112】
そして、ステップS816の処理が終了すると、ステップS818の処理に進み、判断結果が通知された管理団体において、通知された判断結果の内容から、当該判断結果に対する原因の究明を行うとともに、精算システム検出の給油情報のうちの支払金額情報に基づく利用者に対する給油料金の払い戻しを保留する決定を行い、決定した情報を給油料金精算情報としてサーバー108に設けられた記憶領域(図示せず。)に車両情報に関連付けて記憶して、この処理ルーチンを終了する。
【0113】
また、ステップS820の判断処理において、車載器検出の給油情報のうちの給油日時情報と、精算システム検出の給油情報のうちの給油日時情報とが一致すると判断された場合には、次に、車載器検出の給油情報のうちの給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから、燃料の残量の差分を算出して車両110に給油された燃料の大まかな給油量を算出し(ステップS822)、算出した給油量と精算システム検出の給油情報のうちの燃料給油量情報とが略一致するか否か、換言すれば、予め設定された差分の範囲内にあるか否かの判断を行う(ステップS824)。
【0114】
ステップS824の判断処理において、給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから算出された給油量と、精算システム検出の給油情報のうちの燃料給油量情報とが略一致しない、即ち、予め設定された差分の範囲内ではないと判断された場合には、ステップS816の処理に進み、給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから算出された給油量と、精算システム検出の給油情報のうちの燃料給油量情報とが略一致しないという判断結果を、パーソナルコンピューター102に出力し、パーソナルコンピューター102の表示画面上に当該判断結果を表示し、管理団体に通知する。
【0115】
そして、ステップS816の処理が終了すると、ステップS818の処理に進み、判断結果が通知された管理団体において、通知された判断結果の内容から、当該判断結果に対する原因の究明を行うとともに、精算システム検出の給油情報のうちの支払金額情報に基づく利用者に対する給油料金の払い戻しを保留する決定を行い、決定した情報を給油料金精算情報としてサーバー108に設けられた記憶領域(図示せず。)に車両情報に関連付けて記憶して、この処理ルーチンを終了する。
【0116】
また、ステップS824の判断処理において、給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから算出された給油量と、精算システム検出の給油情報のうちの燃料給油量情報とが略一致する、即ち、予め設定された差分の範囲内であると判断された場合には、利用者に対して精算システム検出の給油情報のうちの支払金額情報に基づく給油料金の払い戻しを行う決定をし(ステップS826)、決定した情報を給油料金精算情報としてサーバー108に設けられた記憶領域(図示せず。)に車両情報に関連付けて記憶して、この処理ルーチンを終了する。
【0117】

一方、利用者が車両110に給油しなかったと判断された、つまり、監視部12eから燃料の残量が増加したとの監視結果がメインコントローラー12cに出力されなかった場合には、給油料金精算処理は行われることなく、ステップS614の処理に進む。
【0118】
そして、ステップS614の処理として、予約時間が終了するまでに車両110を予め定められた返却位置に駐車させ、キーを利用して車両110のエンジンを止めるが、このとき、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにおけるイグニッション12dの監視結果に基づいて、監視部12eにおいて燃料残量検出器110fの監視を終了する。
【0119】
つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにイグニッション110dの監視結果を受けて、車両110のエンジンが止められたと判断すると、監視部12eにより燃料残量検出器110fの監視を終了することによって、車両110の燃料の残量の監視を終了する。
【0120】
そして、車両110のキーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉める(ステップS616)。
【0121】
ステップS620の処理の後に、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS618)。
【0122】

ここで、図9のフローチャートには、このステップS618における車両利用後の認証処理の詳細な内容が示されており、この車両利用後の認証処理においては、まず、監視部12eにおけるイグニッション110d、キーボックス116ならびにドアスイッチ110cの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにより、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められているか否かの判断を行う(ステップS902)。
【0123】
ステップS902の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックス116へのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉じられていること」の3つのうちの1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用するものと判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0124】
一方、ステップS902の判断処理において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められていると判断された場合には、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、音声モジュール12fを介して利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流し、車両110に設けられたカードリーダー114を起動させる。
【0125】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳してカードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS904)。
【0126】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に入力する(ステップS906)。
【0127】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS908)。
【0128】
このステップS908の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から、認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を、携帯電話網を利用し通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように警告し(ステップS910)、再度、ステップS904の処理に戻る。
【0129】
一方、ステップS908の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS912)、当該利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断を行う(ステップS914)。
【0130】
このステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を、携帯電話網を利用し通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cにより、カードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動させずに処理を終了する。
【0131】
即ち、ステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を使用している状態となる。
【0132】
一方ステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を、携帯電話網を利用し通信モジュール12bを介してメインコントローラー12へ出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS916)。
【0133】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否か判断よりによる判断がなされるまで(つまり、返却処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0134】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、返却処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプ(図示せず。)の点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0135】

そして、上記したステップS618による車両利用後の認証処理による認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源が切られ、利用終了後の車両110において、監視部12eにより走行時間、走行距離、燃料の残量、車両110の状態などが監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、さらに、メインコントローラー12cにおいて当該監視情報を車両110を特定する車両情報と関連付け、車両情報と関連付けられた監視情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
【0136】
こうしてサーバー108に出力された監視情報に基づいて、管理団体がパーソナルコンピューター102からサーバー108の管理システムにアクセスして、車両110の利用により生じた料金を算出し、算出した料金を利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に通知する(ステップS620)。
【0137】
より詳細には、このステップS620の処理においては、パーソナルコンピューター102において、サーバー108において出力された監視情報に関連付けられた車両情報と一致する車両情報と関連付けられた給油料金精算情報の有無について判断し、給油料金精算情報がない場合には、監視情報に基づいて車両110の利用により生じた料金を算出し、算出した料金を利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に通知する。
【0138】
一方、サーバー108において出力された監視情報に関連付けられた車両情報と一致する車両情報と関連付けられた給油料金精算情報がある場合には、給油料金精算情報に基づいて給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うとともに、監視情報に基づいて車両110の利用により生じた料金を算出し、算出した料金を利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に通知する。
【0139】
なお、給油料金精算情報に基づいて、給油料金の払い戻しを保留した場合には、保留した理由を、利用者に対してパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して、算出した料金と合わせて通知する。
【0140】
また、給油料金精算情報に基づいて給油料金の払い戻しを実行した場合には、当該払い戻しにより払い戻される金額と監視情報に基づいて算出した料金とを合わせて精算する、つまり、差分を算出して利用者に対して請求あるいは返金が行うようにしてもよいし、別々に利用者に対して請求および返金が行われるようにしてもよい。
【0141】

以上において説明したように、カーシェアリングシステム10においては、メインコントローラー12により、利用者が車両110を利用する際にエンジンをかけたときからエンジンを停止するときまでの間、常に、監視部12eにより燃料残量検出器110fを監視しており、燃料の残量が増え、車両110に給油が行われたと判断された場合には、車載器12において検出された給油情報と、精算システム16において検出された給油情報とを比較し、比較結果が一致すると判断された場合に、利用者に対して、給油した際に支払った給油料金を払い戻すようにしているため、利用者が給油料金の払い戻しのために行う処理がなくなり、給油料金の払い戻しにおける利用者の負担がなくなる。
【0142】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(11)に示すように変形するようにしてもよい。
【0143】
(1)上記した実施の形態においては、単に、給油した際に支払った給油料金を利用者に対して払い戻すようにしたが、利用者に対して、給油した際に支払った給油料金に一定の割合(例えば、給油料金の5%)の金額を当該給油料金に上乗せして払い戻すようにしてもよいことは勿論である。
【0144】
(2)上記した実施の形態においては、燃料の給油量に応じた給油料金を利用者がガソリンスタンドに支払うようにしたが、ガソリンスタンドを経営する給油会社から燃料の給油量に応じた給油料金を管理団体側に請求するようにし、利用者が給油料金を支払うことがないようにしてもよい。
【0145】
これにより、利用者は給油により生じた料金を立て替える必要がなくなり、利用者への負担がより軽減されることとなる。
【0146】
従って、(1)に示す変形例の場合などには、利用者は、車両110への給油により給油量に応じた給油料金に対して上乗せされる一定の割合の料金のみ、払い戻されることとなる。
【0147】
(3)上記した実施の形態においては、ステップS824の判断処理において、精算システム16において検出される給油情報のうちの燃料給油量と、車載器12において検出される給油情報のうちの給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから算出した給油量とを比較して略一致するか否かの判断を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、燃料残量検出器110fが燃料の残量を厳密に測定することが可能であるならば、ガソリンスタンドにおける精算システム16において検出される給油情報として燃料給油量情報に換えて燃料の1リットル当たりの価格情報をサーバー108に出力するようにし、当該価格情報と精算システム16において検出される給油情報の支払金額情報とから燃料の給油量を算出することができ、こうして算出した燃料の給油量と、車載器12において検出される給油情報のうちの給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから算出した給油量と比較して一致するか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0148】
(5)上記した実施の形態においては、特に記載しなかったが、車両110の予約終了時間が間近になった際に、監視部12eによる時計110hの監視結果を受けて、メインコントローラー12cにより音声モジュール12fを介して、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、予約終了時間が間近になった旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0149】
(6)上記した実施の形態においては、精算システム16で検出される給油情報を管理団体のパーソナルコンピューター102に出力するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、精算システム16とサーバー108とを接続し、サーバー108に対して、精算システム検出の給油情報を直接出力するようにしてもよい。
【0150】
(7)上記した実施の形態においては、サーバーにおいて精算システム検出の給油情報のうちの給油カード情報から給油した車両の車両情報を取得し、取得した車両情報と車載器検出の給油情報のうちの車両情報とが一致するか否かの判断を行う車両情報の比較判断を行った後に、車載器検出の給油情報のうちの給油日時情報と、精算システム検出の給油情報のうちの給油日時情報とが一致するか否かの判断を行う給油日時情報の比較判断を行い、車載器検出の給油情報のうちの給油前燃料残量情報と給油後燃料残量情報とから車両に給油された燃料の大まかな給油量を算出し、算出した給油量と精算システム検出の給油情報のうちの燃料給油量情報とが略一致するか否かの判断を行う給油量の比較判断を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0151】
例えば、車両情報の比較判断を行った後に、給油量の比較判断を行い、給油日時情報の比較判断を行うようにしてもよいし、給油日時情報の比較判断を行った後に、給油量の比較判断を行い、車両情報の比較判断を行うようにしてもよい。
【0152】
即ち、車両情報の比較判断、給油日時情報の比較判断および給油量の比較判断は、どのような順番で行われるようにしてもよい。
【0153】
(8)上記した実施の形態においては、ステップS708の処理やステップS910の処理において、LEDランプを点滅することで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促すようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0154】
つまり、LEDランプの点滅に換えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0155】
さらに、LEDランプの点滅に加えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0156】
(9)上記した実施の形態においては、ステップS916の処理においては、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者に対して車両110の返却処理の完了を知らせるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、LEDランプの点滅に換えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよし、LEDランプの点滅に加えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよい。
【0157】
(10)上記した実施の形態においては、ガソリンスタンドに精算システム16を設置するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、精算システム16は、ガソリンスタンドと通信により接続されて管理団体側に設置するようにしてもよい。
【0158】
(11)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(10)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、カーシェアリングを管理する団体が用いて好適なカーシェアリングシステムである。
【符号の説明】
【0160】
10、100 カーシェアリングシステム
12、112 車載器
12a GPSモジュール
12b 通信モジュール
12c メインコントローラー
12d 操作部
12e 監視部
14 GPS衛星
16 精算システム
18 給油カードリーダー
102、104 パーソナルコンピューター
106 携帯電話
108 サーバー
110 車両
110a エンジンスタータ
110b ドアロックアンロックシステム
110c ドアスイッチ
110d イグニッション
110e バッテリ電圧検出器
110f 燃料残量検出器
110g 車速検出器
110h 時計
114 カードリーダー
116 キーボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うとともに、前記利用者により給油時に支払われた給油料金の払い戻しを前記利用者に対して行うカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムであって、
前記車両に対して給油を行う給油所において、前記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第1の検出手段と、
前記車両において、前記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第2の検出手段と、
前記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行う払い戻し処理手段と、
前記第1の検出手段により検出した情報と前記第2の検出手段により検出した情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記払い戻し処理手段によって前記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うように制御する制御手段と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムにおいて、
前記第1の検出手段により検出される情報は、車両を特定するための情報、給油した日時を特定するための情報、給油量を特定するための情報および給油量に応じて前記利用者が支払った給油料金を特定するための情報であり、
前記第2の検出手段により検出される情報は、車両を特定するための情報と、給油した日時を特定するための情報と、給油量を特定するための情報であり、
前記比較手段は、
前記第1の検出手段により検出された車両を特定するための情報と前記第2の検出手段により検出された車両を特定するための情報とが一致するか否かの第1の比較を行い、
前記第1の検出手段により検出された給油した日時を特定するための情報と前記第2の検出手段により検出された給油した日時を特定するための情報とが一致するか否かの第2の比較を行い、
前記第1の検出手段により検出された給油量を特定するための情報が前記第2の検出手段により検出された給油量を特定するための情報の設定された範囲内にあるか否かの第3の比較を行い、
前記制御手段は、前記比較手段により前記第1の比較および前記第2の比較が一致し、かつ、前記第3の比較が設定された範囲内にある判断された場合には、前記払い戻し処理により前記利用者に対して給油料金の払い戻しを実行し、前記比較手段により第1の比較、前記第2の比較および前記第3の比較のうちのいずれか1つでも否であると判断された場合には、前記払い戻し処理手段により前記利用者に対して給油料金の払い戻しの保留を行う
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムにおいて、
前記払い戻し処理手段において、前記利用者に対して給油料金の払い戻しが行われる際には、該給油料金の一定の割合の金額を該給油料金に上乗せした料金の払い戻しを実行する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システム。
【請求項4】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うとともに、前記利用者により給油時に支払われた給油料金の払い戻しを前記利用者に対して行うカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法であって、
前記車両に対して給油を行う給油所において、前記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第1の工程と、
前記車両において、前記利用者により給油が行われた際の情報を検出する第2の工程と、
前記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行う第3の工程と、
前記第1の工程で検出した情報と前記第2の工程で検出した情報とを比較する第4の工程と、
前記第4の工程での比較結果に基づいて、前記第3の工程で前記利用者に対して給油料金の払い戻しの実行あるいは保留を行うように制御する第5の工程と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法。
【請求項5】
請求項4に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法において、
前記第1の工程で検出される情報は、車両を特定するための情報、給油した日時を特定するための情報、給油量を特定するための情報および給油量に応じて前記利用者が支払った給油料金を特定するための情報であり、
前記第2の工程で検出される情報は、車両を特定するための情報と、給油した日時を特定するための情報と、給油量を特定するための情報である
前記第4の工程は、
前記第1の工程で検出された車両を特定するための情報と前記第2の工程で検出された車両を特定するための情報とが一致するか否かの第1の比較を行い、
前記第1の工程で検出された給油した日時を特定するための情報と前記第2の工程で検出された給油した日時を特定するための情報とが一致するか否かの第2の比較を行い、
前記第1の工程で検出された給油量を特定するための情報が前記第2の工程で検出された給油量を特定するための情報の設定された範囲内にあるか否かの第3の比較を行い、
前記第5の工程は、前記第4の工程による比較により前記第1の比較および前記第2の比較が一致し、かつ、前記第3の比較が設定された範囲内にあると判断された場合には、前記第3の工程で前記利用者に対して給油料金の払い戻しを実行し、前記第4の工程による比較により前記第1の比較、前記第2の比較および前記第3の比較のいずれか1つでも否であると判断された場合には、前記第3の工程で前記利用者に対して給油料金の払い戻しの保留を行う
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法において、
前記第3の工程において、前記利用者に対して給油料金の払い戻しが行われる際には、該給油料金の一定の割合の金額を該給油料金に上乗せした料金の支払いを実行する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法。
【請求項7】
請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける給油料金精算方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項7または請求項8のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−221647(P2011−221647A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87889(P2010−87889)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(508077654)株式会社サージュ (14)