説明

カーシェアリングシステムにおける車内監視システム、車内監視方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体

【課題】車内を監視することが可能なカーシェアリングシステムにおける車内監視システム、車内監視方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとする。
【解決手段】利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記車両内の撮影を行って上記車両内を監視するカーシェアリングシステムにおける車内監視システムであって、上記車両において上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したかを監視する認証処理監視手段と、上記認証処理監視手段における上記車両利用の認証処理が完了したとの監視結果を受けて、上記車両内の撮影を行う撮影手段と、上記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段とを有するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングシステムにおける車内監視システム、車内監視方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の新しい利用形態として、一台の自動車を複数の会員が共同で利用する、所謂、カーシェアリングが注目されている。
【0003】
ここで、カーシェアリングとは、利用者は自ら自動車を所有せず、管理団体の会員となり、必要に応じてその団体の自動車を借りるというものである。
【0004】
また、カーシェアリングは、ある地域に限定したコミュニティーの中で会員同士で自動車を共有し、インターネットなどを通じて車両の利用状態の確認や利用予約を行うようにしているため、貸し出し手続に時間を必要とせず、貸し出し・返却場所は、居住しているマンションの駐車場であったり、あるいは、通勤駅の近くであったりと、会員が利用するにあたって便利な場所に設定されていることが多い。
【0005】
こうしたカーシェアリングにより、利用者は、自動車を所有する場合に比べて、自動車取得費用、維持経費ならびに駐車料金といった費用を削減することができるようになる。
【0006】
さらに、カーシェアリングが広く普及されることにより、自動車の総台数の低減が見込まれ、都市の交通渋滞の緩和やエネルギー消費量の低減により、二酸化炭素による地球温暖化を抑止する効果が期待されている。
【0007】

ところで、上記したような従来のカーシェアリングにおいては、例えば、図1のブロック構成図に示すようなシステムを構築し、このシステムにより車両の予約や運行の管理が行われている。
【0008】
即ち、従来の技術によるカーシェアリングシステム100は、カーシェアリングシステム100の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに当該管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられかつ携帯電話網でサーバー108と接続される車載器112と、車両110に設けられるとともに車載器112と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器112に接続されるキーボックス116とを有して構成されている。
【0009】

以上の構成において、図2乃至図4を参照しながら、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明する。
【0010】
まず、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0011】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにログインする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0012】
ここで、上記したICカードを取得した利用者が、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合には、利用者がパーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスして会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力してログインし、車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS202)。
【0013】
こうした利用者による車両110の予約が完了し、予約時間になると、携帯電話網を利用して、この予約の情報がサーバー108から車載器112に送られる。
【0014】
そして、利用者は予約した時間に車両110が駐車された駐車場まで行き(ステップS204)、車両110に設けられたカードリーダー114に、会員登録時に取得したICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS206)。
【0015】

ここで、図3のフローチャートには、このステップS206における車両利用前のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、予約時間になり、サーバー108から予約の情報が車載器112に送られると、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、カードリーダー114が起動されるので、予約時間に車両110が駐車している駐車場に来た利用者はカードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS302)。
【0016】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS304)。
【0017】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かを判断する(ステップS306)。
【0018】
ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS308)、再度、ステップS302の処理に戻る。
【0019】
一方、ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるとともに、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110のセキュリティを解除した旨の音声ガイダンスを流し、車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS310)。
【0020】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0021】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0022】

上記したステップS206の処理による認証が完了すると、利用者は、車両110に乗車してキーボックス116からキーを取り出し(ステップS208)、取り出したキーを利用してエンジンを始動させて車両110を利用する(ステップS210)。
【0023】
その後、車両110を利用した利用者は、予約時間が終了するまでに車両110を決められた駐車場に駐車させ(ステップS212)、車両110のキーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉める(ステップS214)。
【0024】
ステップS214の処理の後に、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS216)。
【0025】

ここで、図4のフローチャートには、このステップS216における車両利用後のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用後のICカードによる認証処理においては、まず、車載器112において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられているか否かの判断を行う(ステップS402)。
【0026】
ステップS402の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックスへのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉じられていること」の3つのうち、1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用すると判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS402の判断処理において、車両110のエンジンが停止し、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられていると判断された場合には、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流し、車両110に設けられたカードリーダー114を起動させる。
【0028】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳して、カードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS404)。
【0029】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS406)。
【0030】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS408)。
【0031】
このステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように警告し(ステップS410)、再びステップS404の処理に戻る。
【0032】
一方、ステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS412)、当該利用者が利用している車両110が存在しているか否かの判断を行う(ステップS414)。
【0033】
このステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動させることなく処理を終了する。
【0034】
即ち、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を利用している状態となる。
【0035】
一方、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS416)。
【0036】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、返却処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0037】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、返却処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0038】

そして、上記したステップS216の処理による認証が完了すると、車載器112により、走行距離、走行時間ならびに車両110の状態などが確認され、確認された情報をサーバー108に出力し、管理団体がパーソナルコンピューター102によりサーバー108にアクセスし、車載器112からの情報に基づいて車両110の利用に関する料金を算出し、算出した料金を会員のパーソナルコンピューター104もしくは携帯電話106に通知する(ステップS218)。
【0039】

ところで、こうしたカーシェアリングシステム100においては、利用者が車両利用後の認証を完了すると、車載器12によりドアスイッチ110bやイグニッション110cなどを監視し、その監視結果に基づいて、認証処理なしに車両110を不正に利用したと判断された場合には、その判断結果を携帯電話網を利用してサーバー108に出力し、サーバー108から管理団体のパーソナルコンピューター102に出力して、管理団体に報告を行うようにしていた。
【0040】
そして、この報告を受けて、管理団体における担当者がパーソナルコンピューター102より、エンジンスタータ110aを起動しないようにしたり、エンジンスタータ110aによりエンジンを停止するように制御して車両110を利用不可能にするための制御情報を入力し、当該制御情報をサーバー108から携帯電話網を利用して車載器12に出力し、出力された制御情報に基づいて車載器12の制御により、エンジンスタータ110aを制御するようにしていた。
【0041】
つまり、従来の技術によるカーシェアリングシステム100においては、認証処理なしに車両110が不正に利用された場合には、遠隔からの操作により車両110を利用不可能な状態としていた。
【0042】
しかしながら、こうしたカーシェアリングシステム100においては、車両110を利用不可能な状態とすることは可能であるが、こうした車両110への不正利用を行った人物を特定することができなかった。
【0043】
さらに、従来のカーシェアリングシステムにおいては、ある利用者が忘れ物をした場合、その忘れ物が車両110の定期点検時の作業者や他の利用者によって発見された場合には、管理団体がその忘れ物が発見された以前に車両110を利用していた複数の利用者に対してそれぞれ連絡を行って、忘れ物についての確認を行わなければならず、こうした作業が管理団体の負担となっていた。
【0044】
このため、車両110内を監視することが可能なカーシェアリングシステムの提案が望まれていた。
【0045】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0046】
本発明は、従来の技術の有する上記したような要望を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車内を監視することが可能なカーシェアリングシステムにおける車内監視システム、車内監視方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0047】
上記目的を達成するために、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、上記車両において上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視手段と、上記認証処理監視手段における上記車両利用の認証処理が完了したとの監視結果を受けて、上記車両内の撮影を行う撮影手段と、上記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段とを有するようにしたものである。
【0048】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、上記車両の状態を監視する車両状態監視手段と、上記車両状態監視手段の監視結果により、上記車両が不正利用されてか否かを判断する判断手段と、上記判断手段により上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、上記車両内を撮影する撮影手段と、上記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段とを有するようにしたものである。
【0049】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、上記車両において上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視手段と、上記車両の状態を監視する車両状態監視手段と、上記車両状態監視手段の監視結果により、上記車両が不正利用されたか否かを判断する判断手段と、上記認証処理監視手段により上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したとの監視結果を受けた後に上記車両内を撮影し、かつ、上記判断手段により上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ上記車両内を撮影する撮影手段と、上記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段とを有するようにしたものである。
【0050】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了してから上記利用者の次の利用者による上記車両利用前の認証処理が完了するまでの間だけ、上記車両の状態を監視するようにしたものである。
【0051】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに上記車両のドアが開けられたかを監視し、上記判断手段は、上記車両状態監視手段による認証処理なしに上記車両のドアが開けられたとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0052】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに上記車両のエンジンが始動したかを監視し、上記判断手段は、上記車両状態監視手段による認証処理なしに上記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0053】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用前の認証処理が完了してから上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了するまでの間だけ、上記車両の状態を監視するようにしたものである。
【0054】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく上記車両のドアが開けられたかを監視し、上記判断手段は、上記車両状態監視手段によるキーを利用することなく上記車両のドアが開けられたとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0055】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視手段は、上記利用者による上記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく上記車両のエンジンが始動したかを監視し、上記判断手段は、上記車両状態監視手段によるキーを利用することなく上記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0056】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有し、上記判断手段により上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、上記位置情報取得手段により上記車両の位置情報を取得して、上記車両の追跡を行うようにしたものである。
【0057】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、上記車両において上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視工程と、上記認証処理監視工程における前記車両利用の認証処理が完了したとの監視結果を受けて、上記車両内の撮影を行う撮影工程と、上記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程とを有するようにしたものである。
【0058】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、上記車両の状態を開始する車両状態監視工程と、上記車両状態監視工程による監視結果により、上記車両が不正利用されたか否かを判断する判断工程と、上記判断工程で上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、上記車両内を撮影する撮影工程と、上記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程とを有するようにしたものである。
【0059】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、上記車両において上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したかを監視する認証処理監視工程と、上記車両の状態を監視する車両状態監視工程と、上記車両監視工程による監視結果により、上記車両が不正利用されたか否かを判断する判断工程と、上記認証処理監視工程で上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了したとの監視結果を受けた後に上記車両内を撮影し、かつ、上記判断工程で上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ上記車両内を撮影する撮影工程と、上記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程とを有するようにしたものである。
【0060】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視工程では、上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了してから上記利用者の次に利用者による上記車両利用前の認証処理が完了するまでの間だけ、上記車両の状態を監視するようにしたものである。
【0061】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視工程では、上記利用者による上記車両利用後の認証処理を完了した後に、認証処理なしに上記車両のドアが開けられたかを監視し、上記判断工程では、上記車両状態監視工程による認証処理なしに上記車両のドアが開けられたとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0062】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視工程では、上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに上記車両のエンジンが始動したかを監視し、上記判断工程では、上記車両状態監視工程による認証処理なしに上記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0063】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視工程では、上記利用者による上記車両利用前の認証処理が完了してから上記利用者による上記車両利用後の認証処理が完了するまでの間だけ、上記車両の状態を監視するようにしたものである。
【0064】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両状態監視工程では、上記利用者により上記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく上記車両のドアが開けられたかを監視し、上記判断工程では、上記車両状態監視工程によるキーを利用することなく上記車両のドアが開けられたとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0065】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両監視工程では、上記利用者による上記車両利用前の認証処理が管理用した後に、キーを利用することなく上記車両のエンジンが始動したかを監視し、上記判断工程では、上記車両状態監視工程によるキーを利用することなく上記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、上記車両が不正利用されたと判断するようにしたものである。
【0066】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記車両の位置情報を取得する位置情報取得工程とを有し、上記判断工程で上記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、上記位置情報取得工程で上記車両の位置情報を取得して、上記車両の追跡を行うようにしたものである。
【0067】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0068】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0069】
また、本発明は、上記した発明に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0070】
本発明は、以上説明したように構成されているので、車内を監視することができるようになるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図2】図2は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車内監視システムを備えたカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図6】図6は、本発明によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図9は、カーシェアリングシステムにおける忘れ物監視処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図10は、カーシェアリングシステムにおける不正利用者監視処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車内監視システムの変形例を備えたカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図12】図12は、カーシェアリングシステムにおける不正利用者監視処理の変形例の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図13は、カーシェアリングシステムにおける不正利用者監視処理の変形例の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図14は、カーシェアリングシステムにおける不正利用者監視処理の変形例の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図15は、カーシェアリングシステムにおける不正利用者監視処理の変形例の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車内監視システム、車内監視方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0073】
なお、以下の説明においては、図1乃至図4を参照しながら説明した従来の技術によるカーシェアリングシステム100と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略することとする。
【0074】

ここで、図5には、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車内監視システムを備えたカーシェアリングシステムの概要を表すブロック構成図が示されている。
【0075】
この図5に示す、本発明によるカーシェアリングシステム10は、カーシェアリングシステム10の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークなどを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられるとともにサーバー108と携帯電話網を利用して接続される車載器12と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるキーボックス116と、車両110に設けられるとともに車載器12に接続されるカメラ16とを有して構成されている。
【0076】

より詳細には、車載器12は、車両110に備えられた装置や機能に対する監視や当該監視に基づく制御を行うものであり、GPS衛星14と通信するGPSモジュール12aと、携帯電話網と接続する通信モジュール12bと、カードリーダー114、GPSモジュール12a、通信モジュール12bおよび監視部12e(後述する。)からの各種情報を処理するとともに、カードリーダー114、キーボックス116、カメラ16ならびに車載器12の全体の動きを制御するメインコントローラー12cと、メインコントローラー12cからの情報により車両110に設けられたエンジンスタータ110aおよびドアロックアンロックシステム110dを操作する操作部12dと、車両110に設けられたドアスイッチ110b、イグニッション110c、バッテリ電圧検出器110e、燃料残量検出器110f、車速検出器110g、キーボックス116およびカメラ16を監視する監視部12eと、メインコントローラー12cからの情報によりキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスなどを出力させる音声モジュール12fとを有して構成されている。
【0077】
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星14からGPS信号を受信するために必要なアンテナ12aaを備えており、また、通信モジュール12bは、車載器12が各種情報を携帯電話網を介して送受信するためのアンテナ12baを備えている。
【0078】
さらに、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)に接続されている。
【0079】
また、カードリーダー114は、車両110内に配置されるとともに、車両110の外から利用者がICカードを翳すことにより、当該ICカードに記憶された認証用コードを読み取ることが可能な位置に配置されている。
【0080】
さらにまた、カメラ16は、静止画を撮影することが可能なものであって、車両110内において運転席に座った人物を撮影可能である位置および車両110内の各座席を撮影可能な位置に、それぞれ固定的に配設されている。
【0081】

以上の構成において、図6乃至図10を参照しながら、カーシェアリングシステム10を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明するが、はじめに各構成要素の機能について説明する。
【0082】
まず、メインコントローラー12cは、サーバー108、カードリーダー114、監視部12eおよびGPS衛星14からの各種情報の入力を行い、入力した情報を記憶するとともに、サーバー108に対して各種情報を出力する。
【0083】
さらに、このメインコントローラー12cは、操作部12d、監視部12e、音声モジュール12f、カードリーダー114、キーボックス116およびカメラ16といった構成要素に対してそれらを制御する出力を行う。
【0084】
また、操作部12dは、後述するように、監視部12eにおける監視結果に基づいて、エンジンスタータ110aを制御することにより、エンジンを始動することができない状態としたり、エンジンを停止したりする。
【0085】
さらに、操作部12dは、メインコントローラー12cから認証処理による認証が完了したとの情報を入力すると、ドアロックアンロックシステム110dを制御して車両110のドアのロックならびにロックの解除を行う。
【0086】
また、監視部12eは、ドアスイッチ110bから開閉信号を取得することによりドアの開閉状態の監視を行い、イグニッション110cからIG信号を取得することによりエンジンが始動した状態であるか否かの監視を行い、バッテリ電圧検出器110eから電位を取得することにより車両110が動作状態か否かの監視を行い、燃料残量検出器110fから燃料の残量信号を取得することにより車両110の燃料の残量の監視を行い、車速検出器110gから車速信号を取得することにより車両110の走行距離の監視を行い、キーボックス116から所定の情報を取得することによりキーの有無などの監視を行い、カメラ16から画像情報を取得することにより車内の監視を行うものであるとともに、こうした監視結果をメインコントローラー12cに出力するものである。
【0087】

また、GPSモジュール12aは、GPS衛星14からのGPS信号を取得し、当該GPS信号をメインコントローラー12cに出力するものであり、メインコントローラー12cにおいては、取得したGPS信号に基づいて車両110の位置情報を取得する。
【0088】
また、通信モジュール12bは、メインコントローラー12cにおける各種情報を携帯電話網を利用してサーバー108に出力するとともに、サーバー108から携帯電話網を利用して出力された各種情報をメインコントローラー12cに入力する。
【0089】
また、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスを流すものである。
【0090】
そして、カードリーダー114は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるとともに、読み取り部(図示せず。)にICカードが翳されると、ICカードから認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力する。
【0091】
さらに、カードリーダー114には、LEDランプ(図示せず。)が設けられており、メインコントローラー12cの制御により、このLEDランプ(図示せず。)を点滅させて、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す。
【0092】
また、キーボックス116は、認証処理が完了した後に、メインコントローラー12cによって、キーの取り出しを可能または不可能な状態に制御されるとともに、音声モジュール12fからの音声ガイダンスを、設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
【0093】
さらにまた、カメラ16は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるものであって、車両110内を撮影し、撮影した画像情報を監視部12eに出力するものである。
【0094】

次に、図6乃至図10を参照しながら、カーシェアリングシステム10における車内監視処理について説明する。
【0095】
まず、カーシェアリングシステム10を利用するに際して、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0096】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0097】
そして、管理団体への会員登録を完了した利用者は、当該管理団体が管理する車両110を利用しようとする場合には、カーシェアリングシステム10において、パーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスして会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力して予約サイトにログインし、ログインした予約サイトにおいて車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS602)。
【0098】
利用者による車両110の予約が完了し、予約した利用開始時間になると、この予約情報がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力される。
【0099】
そして、利用者は予約した利用開始時間に車両110が駐車している駐車場まで行き(ステップS604)、車両110に設けられたカードリーダー114に会員登録時に取得したICカードを翳すことにより認証処理を行う(ステップS606)。
【0100】

ここで、図7のフローチャートには、このステップS606における車両利用前の認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用前の認証処理においては、まず、予約した利用開始時間になると、予約した車両110に対して、予約情報がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力されて、カードリーダー114を起動するとともに、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる。
【0101】
このように、予約した利用開始時間になるとカードリーダー114が起動されるので、予約した利用開始時間に予約した車両110が駐車している駐車場に来た利用者は、ガードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS702)。
【0102】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS704)。
【0103】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かの判断をする(ステップS706)。
【0104】
ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS708)、再度、ステップS702の処理に戻る。
【0105】
一方、ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して認証された旨を知らせるとともに、メインコントローラー12cの制御により車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS710)。
【0106】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0107】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0108】

上記にようにして、ステップS606の車両利用前の認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源が切られ、利用者は、車両110に乗車してキーボックス116からキーを取り出し(ステップS608)、取り出したキーを利用してエンジンを始動させて車両110を利用する(ステップS610)。
【0109】
その後、車両110を利用した利用者は、予約した利用終了時間までに車両110を決められた駐車場に駐車させ(ステップS612)、キーを利用して車両110のエンジンを停止し、当該キーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉め(ステップS614)、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS616)。
【0110】

ここで、図8のフローチャートには、このステップS616における車両利用後の認証処理の詳細な内容が示されており、この車両利用後の認証処理においては、まず、監視部12eにおけるイグニッション110c、キーボックス116ならびにドアスイッチ110bの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにより車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められているか否かの判断を行う(ステップS802)。
【0111】
ステップS802の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックス116へのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉められていること」の3つのうちの1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用するものと判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0112】
一方、ステップS802の判断処理において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められていると判断された場合には、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114を起動させるとともにカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる。
【0113】
このとき、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流す。
【0114】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳してカードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS804)。
【0115】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS806)。
【0116】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS808)。
【0117】
このステップS808の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から、認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を、携帯電話網を利用し通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように警告し(ステップS810)、再度、ステップS804の処理に戻る。
【0118】
一方、ステップS808の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS812)、この判断処理が行われている時間において当該利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断を行う(ステップS814)。
【0119】
このステップS814に判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を、携帯電話網を利用し通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cによりカードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動せずに終了する。
【0120】
即ち、ステップS814の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を使用したままの状態となる。
【0121】
一方、ステップS814の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を、携帯電話網を利用して通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS816)。
【0122】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中である。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0123】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるのかを知ることができる。
【0124】

そして、上記したステップS616の車両利用後の認証処理による認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源が切られるとともに、カメラ16が起動され、忘れ物監視処理を行う(ステップS618)。
【0125】

ここで、図9のフローチャートには、このステップS618の処理における忘れ物監視処理の処理内容が示されており、この忘れ物監視処理においては、まず、メインコントローラー12cの制御により、カメラ16が起動されると、カメラ16により車両110内の撮影を行い(ステップS902)、カメラ16により撮影された画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力する(ステップS904)。
【0126】
ステップS904の処理によりメインコントローラー12cに出力された画像情報は、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力され(ステップS906)、サーバー108において、当該画像情報をサーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS908)、忘れ物監視処理を終了する。
【0127】
こうして、管理団体の担当者は、取得した画像情報をパーソナルコンピューター102の表示画面上に表示して、当該画像情報に忘れ物だと思われる物品がある否かを判断し、担当者が忘れ物があったと判断した場合には、その担当者が管理団体において決められている忘れ物発見後の所定の処理を行う。
【0128】

そして、ステップS618の処理による忘れ物監視処理が終了すると、利用終了後の車両110において、監視部12eにより走行時間、走行距離、燃料残量、車両110の状態などが監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、さらに、当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
【0129】
こうしてサーバー108に出力された監視情報や予約情報の利用開始時間および利用終了時間から算出される利用時間などに基づいて、管理団体がパーソナルコンピューター102からサーバー108の管理システムにアクセスして、車両110の利用により生じた料金を算出し、算出した料金を利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に通知する(ステップS620)。
【0130】

ここで、カーシェアリングシステム10においては、車両利用後の認証処理の後に、忘れ物監視処理とは別の処理ルーチンが起動し、認証処理なしに車両110を利用しようとする不正利用者の監視を行う不正利用者監視処理を開始する。
【0131】
この不正利用監視処理は、車両110が管理団体に返却されている間、つまり、ある利用者による車両110の車両利用後の認証処理から当該利用者の次に車両110を予約した利用者による車両110の車両利用前の認証処理がなされるまでの間に実行される。
【0132】
より詳細には、不正利用者監視処理は、利用者による車両利用後の認証処理によって車両110のセキュリティが起動した状態になった時点から、当該利用者の次に車両110を予約した利用者による車両110の車両利用前の認証処理によって車両110のセキュリティが解除された状態になった時点までの間に実行されるものである。
【0133】
そして、この不正利用者監視処理は、監視部12eにおける監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて車両110が認証処理なしに不正に利用されたと判断されたときに、車両110内の監視を行うものである。
【0134】
つまり、不正利用者監視処理においては、車両110のセキュリティが起動した時点から車両110のセキュリティが解錠された時点の間に、認証処理を受けることなく車両110が利用されたか否かを判断し、認証処理なしに車両110が利用されたと判断されたときのみ、車両110を利用不可能な状態とするとともに、車両110内を撮影することにより、車両110内に乗り込み車両110を不正に利用しようとした人物を撮影しようとするものである。
【0135】

以下、図10を参照しながら、不正利用者監視処理について、詳細に説明することとする。
【0136】
この図10に示すフローチャートには、不正利用者監視処理による処理内容が示されており、この不正利用者監視処理においては、まず、メインコントローラー12cにおいて、認証処理がなされ、車両110が利用可能な状態となったか否かの判断を行う(ステップS1002)。
【0137】
つまり、ステップS1002の判断処理においては、メインコントローラー12cにおいて、サーバー108からの「カードリーダー114から出力された認証用コードと利用者の登録コードとが一致するとの判断結果」を受けて、車両110のセキュリティを解除したか否かを判断する。
【0138】
このステップS1002に判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110が利用可能な状態となったと判断された場合、つまり、車両110のセキュリティを解除したと判断された場合には、利用者による車両利用前の認証処理が完了したものとして、不正利用者監視処理を終了する。
【0139】
また、ステップS1002の判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110を利用可能な状態となっていないと判断された場合、つまり、車両110のセキュリティを解除していないと判断された場合には、不正利用されたか否かの判断を行う(ステップS1004)。
【0140】
このステップS1004の判断処理においては、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるドアスイッチ110bの監視結果に基づいて、車両110のドアが開けられたか否かを判断する。
【0141】
ステップS1004の判断処理において、不正利用されていない、つまり、車両110のドアが開けられていないと判断された場合には、ステップS1002の判断処理に戻り、再度車両110を利用可能な状態としたかの判断を行う。
【0142】
また、ステップS1004の判断処理において、不正利用された、つまり、車両110のドアが開けられたと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、操作部12dを介してエンジンスタータ110aの起動を制御し、エンジンが始動しないようにして車両110を利用不可能な状態とする(ステップS1006)とともに、メインコントローラー12cによりカメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行う(ステップS1008)。
【0143】
こうしたカメラ16による車両110内の撮影を行うことにより、車両110のドアを開けて車両110内に乗り込んだ不正利用者を撮影することができ、撮影した画像は不正利用者の特定に利用することができる。
【0144】
次に、ステップS1008の処理によってカメラ16により撮影した画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力し(ステップS1010)、当該画像情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1012)。
【0145】
そして、サーバー108に出力された画像情報を、サーバー108において、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS1014)、不正利用者監視処理を終了する。
【0146】
こうして、管理団体の担当者は、取得した画像情報をパーソナルコンピューター102の表示画面上に表示して、当該担当者が管理団体において決められている不正利用者検知後の所定の処理を行う。
【0147】
このように、不正利用者監視処理においては、車両110に対する不正利用の監視を行うとともに、不正利用がなされるとカメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行うものであり、不正利用がされない場合には、車両利用後の認証処理が完了してから車両利用前の認証処理が完了するまでの間、ステップS1002〜ステップS1004の処理を繰り返して不正利用者の監視を行うものである。
【0148】

以上において説明したように、カーシェアリングシステム10においては、車両利用後の認証処理の後に、忘れ物監視処理を開始して、車両110内を撮影し、撮影した画像情報を管理団体に出力し、出力された画像情報を利用して管理団体の担当者が忘れ物の有無を判断するようにしたものである。
【0149】
このようにカーシェアリングシステム10では、利用者による利用直後に車両110内の監視を行うようにしているため、忘れ物があったとしても、どの利用者が忘れ物をしたのかが容易に特定することができるとともに、忘れ物をした利用者に対して、車両110に忘れ物をした旨を直ちに報告することができる。
【0150】
さらに、カーシェアリングシステム10においては、利用者による車両利用後の認証処理が完了してから当該利用者の次に予約した利用者による車両利用前の認証処理が完了するまでの間に不正利用者監視処理を行うようにしたものである。そして、車両110に対して不正利用がなされたと判断されたときには、車両110を利用不可能な状態にするとともに、車両110内の撮影を行い撮影した画像情報を管理団体に通知するようにしたものである。
【0151】
このようにカーシェアリングシステム10では、車両110に対する不正利用を検知して、不正利用がなされた場合には、車両110を利用不可能な状態とするとともに車両110内の監視を行うようにしているため、不正利用があった場合に、直ちに車両110を利用不可能な状態とすることができるとともに、不正利用した人物を撮影して当該人物を特定する情報を取得することができる。
【0152】
つまり、本発明によるカーシェアリングシステム10では、カメラ16を利用して車両110内を監視することにより、利用者による利用直後に忘れ物を見つけたり、不正利用があった場合に、不正利用者を特定する情報を取得することが可能となる。
【0153】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(11)に示すように変形するようにしてもよい。
【0154】
(1)上記した実施の形態においては、車両利用後の認証処理の後に、忘れ物監視処理を行ってカメラ16による撮影を行うようにしたり、不正利用者監視処理において不正利用者を検知したときにカメラ16による撮影を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、管理団体のパーソナルコンピューター102における操作によって、カメラ16を起動して、カメラ16により車両110内の撮影を行うようにしてもよい。
【0155】
(2)上記した実施の形態においては、忘れ物監視処理と不正利用者監視処理とを行うようにしたが、どちらか一方の処理のみを行うようにしてもよいことは勿論である。
【0156】
(3)上記した実施の形態においては、カメラ16により静止画を撮影するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、カメラ16により動画を撮影するようにしてもよいし、静止画および動画を両方撮影するようにしてもよい。
【0157】
(4)上記した実施の形態のうち、不正利用者監視処理のステップS1004の判断処理において、メインコントローラー12cにより、監視部12eにおけるドアスイッチ110bの監視結果に基づいて、車両110のドアが開けられたか否かを判断することによって、車両110が不正利用されたか否かを判断するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0158】
具体的には、ステップS1004の判断処理において、メインコントローラー12cにより、監視部12eにおけるイグニッション110cの監視結果に基づいて、車両110のエンジンが始動したか否かを判断することによって、車両110が不正利用されたか否かを判断するようにしてもよい。
【0159】
このとき、ステップS1006の処理においては、メインコントローラー12cにより、操作部12dを介してエンジンスタータ110aを制御してエンジンを停止させて車両110を利用不可能な状態とするようにする。
【0160】
(5)上記した実施の形態のうち、利用者による車両利用後の認証処理を完了してから当該利用者の次に車両110を予約した利用者の車両利用前の認証処理を完了するまでの間、つまり、管理団体への車両返却中に不正利用者監視処理を行うようにしたが、利用者による車両利用中、つまり、利用者による車両利用前の認証処理が完了してから当該利用者による車両利用後の認証処理が完了するまでの間も、不正利用者監視処理を行うようにしてもよい。
【0161】
以下、利用者による車両利用中に行う不正利用者監視処理について、詳細に説明することとする。
【0162】
ここで、カーシェアリングシステム10においては、車両110の利用中に利用者が、車両110を停止させ、キーを利用してエンジンを停止させるとともにドアをロックして車両110から離れ、再度車両110の利用を開始する場合には、認証処理を行うことなく、キーによるドアロックの解除およびエンジンの始動により、利用を再開することとなり、この利用者による車両利用中に行う不正利用者監視処理は、こうした利用者による車両110の利用の中断中に不正利用者の監視を行うものである。
【0163】

ここで、図11乃至図12を参照しながら、利用者による車両利用中に行う不正利用者監視処理について説明する。
【0164】
図11には、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車内監視システムの変形例を備えたカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図が示されている。
【0165】
この図11に示す、本発明によるカーシェアリングシステム30は、キーセンサー32が設けられている点のみ上記した本発明によるカーシェアリングシステム10と異なっている。
【0166】
このキーセンサー32は、メインコントローラー12cによりその起動が制御され、ドアロック用キーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたことを検知するセンサーであって、監視部12eに接続されて、監視部12eにおいてキーセンサー32によりキーが挿入されたことを示す挿入信号を取得することにより、ドアロック用キーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたことを検知する。
【0167】

そして、ステップS610の処理において、キーを利用してエンジンを始動させて車両110を利用するものであるが、利用者がキーを利用してエンジンを停止するとともに車両110のドアをロックして車両110から離れる際、つまり、利用者が車両110の利用を中断する際には、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるドアスイッチ110bおよびイグニッション110cの監視結果に基づいて、キーセンサー32を起動させる。
【0168】
つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eのイグニッション110cの監視結果を受けて、車両110のエンジンが停止したと判断するとともに、監視部12eのドアスイッチ110bの監視結果を受けて、車両110のドアが閉められたと判断されると、キーセンサー32を起動させて、図12に示す不正利用者監視処理の処理ルーチンを起動して、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理を開始する。
【0169】
この不正利用者監視処理の処理ルーチンが起動すると、まず、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるドアスイッチ110bの監視結果より、車両110においてドアが開けられたか否かの判断を行う(ステップS1202)。
【0170】
このステップS1202の判断処理において、ドアが開けられてないと判断された場合には、ステップS1202の判断処理に戻る。つまり、この利用者の車両利用中に行う不正利用者監視処理においては、ドアが開けられるまで絶えずドアが開けられたか否かの判断を行っているものである。
【0171】
一方、ステップS1202の判断処理において、ドアが開けられたと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eによるキーセンサー32の監視結果より、ドアを開ける際にキーが利用されたか否かの判断を行う(ステップS1204)。
【0172】
つまり、ステップS1204の判断処理においては、ドアロック用キーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたか否かの判断を行うものであり、監視部12eによるキーセンサー32の監視結果から、ドアロック用キーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたと判断された場合には、ドアを開ける際にキーが利用されたと判断し、ドアロック用キーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されていないと判断された場合には、ドアを開ける際にキーが利用されていないと判断する。
【0173】
このステップS1204の判断処理において、ドアを開ける際にキーが利用されたと判断された場合には、認証処理により認証を受けた利用者による利用が再開されたものと判断して、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理を終了し、車両110の利用が再開される。
【0174】
また、ステップS1204の判断処理において、ドアを開ける際にキーが利用されていないと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、GPS機能により車両110の位置情報を取得して、車両110の追跡を行う(ステップS1206)とともに、カメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行う(ステップS1208)。
【0175】
このステップS1206の処理においては、車両110に搭載されたGPS機能を利用して、車両110の位置情報を取得するものであり、GPS機能により取得した車両110の位置情報は、メインコントローラー12cからサーバー108に出力され、サーバー108から管理団体のパーソナルコンピューター102に出力される。
【0176】
次に、ステップS1208の処理によってカメラ16により撮影した画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力し(ステップS1210)、当該画像情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップ1212)。
【0177】
そして、サーバー108に出力された画像情報を、サーバー108において、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS1214)、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理を終了する。
【0178】
こうして、管理団体の担当者は、取得した車両110の位置情報と画像情報とをパーソナルコンピューター102の表示画面上に表示して、当該担当者が管理団体において決められている不正利用者検知後の所定の処理を行う。
【0179】

なお、リモコンキーを利用して車両110おドアロックおよびロックの解除を行う車両の場合には、キーセンサー32をリモコンキーからの解錠信号をドアロックアンロックシステム110dが受信したことを検知可能な構成とすればよい。
【0180】
このとき、ステップS1204の判断処理においては、監視部12eによるキーセンサー32の監視結果から、リモコンキーからの解錠信号をドアロックアンロックシステム110dが受信したことを検知した場合には、ドアを開ける際にキーが利用されたと判断し、リモコンキーからの解錠信号をドアロックアンロックシステム110dが受信したことを検知しなかった場合には、ドアを開ける際にキーが利用されていないと判断する。
【0181】

また、上記した利用者による車両利用中に行う不正利用者監視処理においては、キーを利用することなくドアを開けたか否かを判断するようにしたが、キーを利用することなくエンジンを始動したか否かを判断するようにしてもよい。
【0182】
この場合、キーセンサー32は、イグニッションキーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたことを検知するセンサーとし、監視部12eに接続されて、監視部12eにおいてキーセンサー32により挿入信号を取得することによりイグニッションキーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたことを検知するようにする。
【0183】
以下、図13を参照しながら、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理において、キーを利用することなくエンジンを始動したか否かの判断をする場合について説明する。
【0184】
不正利用者監視処理の処理ルーチンが起動すると、まず、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるイグニッション110cの監視結果より、車両110においてエンジンが始動したか否かの判断を行う(ステップS1302)。
【0185】
このステップS1302の判断処理において、エンジンが始動していないと判断された場合には、ステップS1302の判断処理に戻る。つまり、この利用者の車両利用中に行う不正利用者監視処理においては、エンジンが始動するまで絶えずエンジンが始動したか否かの判断を行っているものである。
【0186】
一方、ステップS1302の判断処理において、エンジンが始動したと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eによるキーセンサー32の監視結果より、エンジンを始動する際にキーが利用されたか否かの判断を行う(ステップS1204)。
【0187】
つまり、ステップS1304の判断処理においては、イグニッションキーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたか否かの判断を行うものであり、監視部12eによるキーセンサー32の監視結果から、イグニッションキーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されたと判断された場合には、エンジンを始動する際にキーが利用されたと判断し、イグニッションキーシリンダー(図示せず。)にキーが挿入されていないと判断された場合には、エンジンを始動する際にキーが利用されていないと判断する。
【0188】
このステップS1304の判断処理において、エンジンを始動する際にキーが利用されたと判断された場合には、認証処理により認証を受けた利用者による利用が再開されたものと判断して、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理を終了し、車両110の利用が再開される。
【0189】
また、ステップS1304の判断処理において、エンジンを始動する際にキーが利用されていないと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、GPS機能により車両110の位置情報を取得して、車両110の追跡を行う(ステップS1306)とともに、カメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行う(ステップS1308)。
【0190】
このステップS1306の処理においては、車両110に搭載されたGPS機能を利用して、車両110の位置情報を取得するものであり、GPS機能により取得した車両110の位置情報は、メインコントローラー12cからサーバー108に出力され、サーバー108から管理団体のパーソナルコンピューター102に出力される。
【0191】
次に、ステップS1308の処理によってカメラ16により撮影した画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力し(ステップS1310)、当該画像情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップ1312)。
【0192】
そして、サーバー108に出力された画像情報を、サーバー108において、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS1314)、利用者による車両利用中の不正利用者監視処理を終了する。
【0193】
こうして、管理団体の担当者は、取得した車両110の位置情報と画像情報とをパーソナルコンピューター102の表示画面上に表示して、当該担当者が管理団体において決められている不正利用者検知後の所定の処理を行う。
【0194】

なお、上記した実施の形態に記載した管理団体への車両返却中に不正利用者監視処理を行うことなく、利用者による車両利用中に行う不正利用者監視処理のみを行うようにしてもよいことは勿論である。
【0195】
(6)上記した実施の形態においては、ステップS810の処理において、LEDランプを点滅することで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように警告するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0196】
つまり、LEDランプの点滅に換えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0197】
さらに、LEDランプの点滅に加えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0198】
(7)上記した実施の形態においては、ステップS816の処理においては、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者に対して車両110の返却処理の完了を知らせるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、LEDランプの点滅に換えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよいし、LEDランプの点滅に加えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよい。
【0199】
(8)上記した実施の形態においては、ステップS1002の処理において、認証処理がなされ車両110が利用可能な状態になったか否かを判断し、認証処理がなされ車両110が利用可能な状態となっていないと判断されると、次に、ステップS1004の処理において、車両110のドアが開けられたか否かを判断して不正利用されたか否かを判断するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、異なる手順により不正利用されたか否かを判断するようにしてもよい。
【0200】
例えば、監視部12eをキーボックス116のキーを取り出すことができる状態であるかを監視可能として、車両110のドアが開けられたか否かを判断し、次に、キーボックス116のキーを取り出すことができるか否かを判断するようにして、不正利用を判断することが考えられる。
【0201】
以下、キーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断する場合について説明する。
【0202】
この図14に示すフローチャートには、キーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断するようにした不正利用者監視処理による処理内容が示されており、この不正利用者監視処理においては、まず、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるドアスイッチ110bの監視結果に基づいて、車両110のドアの開けられたか否かの判断を行う(ステップS1402)。
【0203】
このステップS1402の判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110のドアが開けられていないと判断された場合には、再度ステップS1402の判断処理に戻る。つまり、この不正利用者監視処理においては、ドアが開けられるまで絶えずドアが開けられたか否かの判断を行っているものである。
【0204】
一方ステップS1402の判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110のドアが開けられたと判断された場合には、車両110において認証処理がなされたか否かの判断を行う(ステップS1404)。
【0205】
即ち、ステップS1404の判断処理においては、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるキーボックス116の監視結果に基づいて、認証処理により車両110のセキュリティが解除した状態になったか否かの判断を行う。つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eからキーボックス116のキーを取り出すことができる状態であるとの監視結果を受けたときに、認証処理により車両110のセキュリティを解除した状態であると判断する。
【0206】
ステップS1404の判断処理において、認証処理がなされた、つまり、認証処理により車両110のセキュリティを解除した状態であると判断された場合には、利用者による車両利用前の認証処理が完了したものとして、不正利用者監視処理を終了する。
【0207】
一方、ステップS1404の判断処理において、認証処理がなされていない、つまり、認証処理により車両110のセキュリティを解除していないと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、操作部12dを介してエンジンスタータ110aの起動を制御し、エンジンが始動しないようにして車両110を利用不可能な状態とする(ステップS1406)とともに、メインコントローラー12cによりカメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行う(ステップS1408)。
【0208】
こうしたカメラ16による車両110内の撮影を行うことにより、車両110のドアを開けて車両110内に乗り込んだ不正利用者を撮影することができ、撮影した画像は不正利用者の特定に利用することができる。
【0209】
次に、ステップS1408の処理によってカメラ16により撮影した画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力し(ステップS1410)、当該画像情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1412)。
【0210】
そして、サーバー108に出力された画像情報を、サーバー108において、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS1414)、キーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断するようにした不正利用者監視処理を終了する。
【0211】

また、上記したキーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断するようにした不正利用者監視処理においては、車両110のドアが開けられたか否かを判断するようにしたが、車両110のエンジンが始動したか否かを判断するようにしてもよい。
【0212】
以下、図15を参照しながら、キーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断するようにした不正利用者監視処理において、車両110のエンジンが始動したか否かの判断をする場合について説明する。
【0213】
不正利用者監視処理の処理ルーチンが起動すると、まず、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるイグニッション110cの監視結果に基づいて、車両110のエンジンが始動したか否かの判断を行う(ステップS1502)。
【0214】
このステップS1502の判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110のエンジンが始動していないと判断された場合には、再度ステップS1502の判断処理に戻る。つまり、この不正利用者監視処理においては、エンジンが始動するまで絶えずエンジンが始動したか否かの判断を行っているものである。
【0215】
一方ステップS1502の判断処理において、メインコントローラー12cにおいて、車両110のエンジンが始動したと判断された場合には、車両110において認証処理がなされたか否かの判断を行う(ステップS1504)。
【0216】
即ち、ステップS1504の判断処理においては、メインコントローラー12cにおいて、監視部12eにおけるドアスイッチ110bおよびキーボックス116の監視結果に基づいて、認証処理により車両110のセキュリティが解除した状態になったか否かの判断を行う。つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eの監視結果から車両110のドアが開けられたとの監視結果を受けるとともに、監視部12eからキーボックス116のキーを取り出すことができる状態であるとの監視結果を受けたときに、認証処理により車両110のセキュリティを解除した状態であると判断する。
【0217】
ステップS1504の判断処理において、認証処理がなされた、つまり、認証処理により車両110のセキュリティを解除した状態であると判断された場合には、利用者による車両利用前の認証処理が完了したものとして、不正利用者監視処理を終了する。
【0218】
一方、ステップS1504の判断処理において、認証処理がなされていない、つまり、認証処理により車両110のセキュリティを解除していないと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、操作部12dを介してエンジンスタータ110aによりエンジンを停止させて車両110を利用不可能な状態とする(ステップS1506)とともに、メインコントローラー12cによりカメラ16を起動させて、カメラ16により車両110内の撮影を行う(ステップS1508)。
【0219】
こうしたカメラ16による車両110内の撮影を行うことにより、車両110のドアを開けて車両110内に乗り込んだ不正利用者を撮影することができ、撮影した画像は不正利用者の特定に利用することができる。
【0220】
次に、ステップS1508の処理によってカメラ16により撮影した画像情報を監視部12eを介してメインコントローラー12cに出力し(ステップS1510)、当該画像情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1512)。
【0221】
そして、サーバー108に出力された画像情報を、サーバー108において、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶するとともに、管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、管理団体に通知して(ステップS1514)、キーボックス116における監視結果に基づいて不正利用を判断するようにした不正利用者監視処理を終了する。
【0222】
(9)上記した実施の形態においては、カメラ16を車両110内において運転席に座った人物を撮影可能である位置および車両110内の各座席を撮影可能な位置に、それぞれ固定的に配設するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、カメラ16を撮影方向を変更可能に配設するようにしてもよい。
【0223】
これにより、1台のカメラにより撮影可能な領域が大きくなり、カメラ16の設置台数を少なくすることができる。
【0224】
つまり、上記した実施の形態においては、複数台のカメラを配設するようにしていたが、上記したようにしてカメラ16を配設することにより、カメラ16の設置台数を1台とすることも可能であり、2台以上とすることも可能である。
【0225】
また、上記した(2)の変形例の場合において、忘れ物監視処理のみを行う場合には、カメラ16により各座席のみを撮影するようにし、不正利用者監視処理のみを行う場合には、カメラ16により運転席に座った人物のみを撮影するようにすればよい。
【0226】
(10)上記した実施の形態においては、ドアスイッチ110bやイグニッション110cを利用して、車両110の不正利用を検知するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、衝撃センサ、近接センサ、傾斜センサなど認証された利用者以外の者により車両110が不正に利用されたことを検知することが可能なセンサを用いて、車両110の不正利用を検知するようにしてもよい。
【0227】
(11)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(10)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本発明は、カーシェアリングを管理する団体が用いて好適なものである。
【符号の説明】
【0229】
10、30、100 カーシェアリングシステム
12、112 車載器
12a GPSモジュール
12b 通信モジュール
12c メインコントローラー
12d 操作部
12e 監視部
14 GPS衛星
16 カメラ
32 キーセンサー
102、104 パーソナルコンピューター
106 携帯電話
108 サーバー
110 車両
114 カードリーダー
116 キーボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両において前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視手段と、
前記認証処理監視手段における前記車両利用の認証処理が完了したとの監視結果を受けて、前記車両内の撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項2】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両の状態を監視する車両状態監視手段と、
前記車両状態監視手段の監視結果により、前記車両が不正利用されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、前記車両内を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項3】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両において前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視手段と、
前記車両の状態を監視する車両状態監視手段と、
前記車両状態監視手段の監視結果により、前記車両が不正利用されてか否かを判断する判断手段と、
前記認証処理監視手段により前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したとの監視結果を受けた後に前記車両内を撮影し、かつ、前記判断手段により前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ前記車両内を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像情報を管理者に通知する通知手段と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了してから前記利用者の次の利用者による前記車両利用前の認証処理が完了するまでの間だけ、前記車両の状態を監視する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項5】
請求項4に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに前記車両のドアが開けられたかを監視し、
前記判断手段は、前記車両状態監視手段による認証処理なしに前記車両のドアが開けられたとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項6】
請求項4に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに前記車両のエンジンが始動したかを監視し、
前記判断手段は、前記車両状態監視手段による認証処理なしに前記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項7】
請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用前の認証処理が完了してから前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了するまでの間だけ、前記車両の状態を監視する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項8】
請求項7に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく前記車両のドアが開けられたかを監視し、
前記判断手段は、前記車両状態監視手段によるキーを利用することなく前記車両のドアが開けられたとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項9】
請求項7に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、
前記車両状態監視手段は、前記利用者による前記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく前記車両のエンジンが始動したかを監視し、
前記判断手段は、前記車両状態監視手段によるキーを利用することなく前記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項10】
請求項7、請求項8または請求項9のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムにおいて、さらに、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有し、
前記判断手段により前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、前記位置情報取得手段により前記車両の位置情報を取得して、前記車両の追跡を行う
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視システム。
【請求項11】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両において前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したかを監視する認証処理監視工程と、
前記認証処理監視工程における前記車両利用の認証処理が完了したとの監視結果を受けて、前記車両内の撮影を行う撮影工程と、
前記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項12】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両の状態を開始する車両状態監視工程と、
前記車両状態監視工程による監視結果により、前記車両が不正利用されたか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、前記車両内を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項13】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両において前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したか否かを監視する認証処理監視工程と、
前記車両の状態を監視する車両状態監視工程と、
前記車両監視工程による監視結果により、前記車両が不正利用されたか否かを判断する判断工程と、
前記認証処理監視工程で前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了したとの監視結果を受けた後に前記車両内を撮影し、かつ、前記判断工程で前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ前記車両内を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程で撮影された画像情報を管理者に通知する通知工程と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両状態監視工程では、前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了してから前記利用者の次に利用者による前記車両利用前の認証処理が完了するまでの間だけ、前記車両の状態を監視する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項15】
請求項14に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両状態監視工程では、前記利用者による前記車両利用後の認証処理を完了した後に、認証処理なしに前記車両のドアが開けられたかを監視し、
前記判断工程では、前記車両状態監視工程による認証処理なしに前記車両のドアが開けられたとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項16】
請求項14に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両状態監視工程では、前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了した後に、認証処理なしに前記車両のエンジンが始動したかを監視し、
前記判断工程では、前記車両状態監視工程による認証処理なしに前記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項17】
請求項12または請求項13のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両状態監視工程では、前記利用者による前記車両利用前の認証処理が完了してから前記利用者による前記車両利用後の認証処理が完了するまでの間だけ、前記車両の状態を監視する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項18】
請求項17に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両状態監視工程では、前記利用者により前記車両利用前の認証処理が完了した後に、キーを利用することなく前記車両のドアが開けられたかを監視し、
前記判断工程では、前記車両状態監視工程によるキーを利用することなく前記車両のドアが開けられたとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項19】
請求項17に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、
前記車両監視工程では、前記利用者による前記車両利用前の認証処理が管理用した後に、キーを利用することなく前記車両のエンジンが始動したかを監視し、
前記判断工程では、前記車両状態監視工程によるキーを利用することなく前記車両のエンジンが始動したとの監視結果により、前記車両が不正利用されたと判断する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項20】
請求項17、請求項18または請求項19のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法において、さらに、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得工程とを有し、
前記判断工程で前記車両が不正利用されたと判断された場合にのみ、前記位置情報取得工程で前記車両の位置情報を取得して、前記車両の追跡を行う
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車内監視方法。
【請求項21】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9または請求項10のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、請求項18、請求項19または請求項20のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車内監視方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項21または請求項22のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−43042(P2012−43042A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181427(P2010−181427)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(508077654)株式会社サージュ (14)