カーテンウォールユニット、カーテンウォールユニットの取付け工法及び外壁表面の化粧方法
【課題】耐震性に優れ、しかも施工性に優れるものを提供する。
【解決手段】構造材に固定される所定の面積にわたる基材2と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置される3本以上の縦骨3、3…とでユニット基体10を構成してある。ユニット基体10の四周囲に枠材21、22、23、24を配置してある。ユニット基体10には、横方向に延在する外装パネル30が配置され、これらのパネル30は、対応する縦骨3、3間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、各縦骨3に対して支持部材4を介してそれぞれ保持させ、ユニット基体10全体に対して多数のパネル群を保持させてある。これによりユニット1が構成される。
【解決手段】構造材に固定される所定の面積にわたる基材2と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置される3本以上の縦骨3、3…とでユニット基体10を構成してある。ユニット基体10の四周囲に枠材21、22、23、24を配置してある。ユニット基体10には、横方向に延在する外装パネル30が配置され、これらのパネル30は、対応する縦骨3、3間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、各縦骨3に対して支持部材4を介してそれぞれ保持させ、ユニット基体10全体に対して多数のパネル群を保持させてある。これによりユニット1が構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールユニット、カーテンウォールユニットの取付け工法及び外壁表面の化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォール外壁の構築に際し、外装パネルを採用する場合、大型化特に長尺のパネルの要望がある。パネルの大型化に伴って、耐震性を考慮しなければならず、かつ施工性が低下することを防止する必要がある。
このためには、ユニット化の手段がある。特許文献1には、下地フレームに複数枚のコンクリート系パネルを取着してカーテンウォールユニットを形成し、このカーテンウォールユニットを下地フレーム部分において建物構造体に取付けるものである。
しかし、前記コンクリート系パネルは縦方向に配置したもので、本発明のように横方向に配置するものではない。また、コンクリート系パネルは、これに埋設したボルトにより剛構造で下地フレームに固定するものであるから、耐震性に難があると考えられる。
【特許文献1】特開平2003−64815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の主たる課題は、耐震性に優れ、しかも施工性に優れるカーテンウォールユニット、カーテンウォールユニットの取付け工法及び外壁表面の化粧方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は下記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
構造材に固定される所定の面積にわたる基材と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置されそれぞれ前記基材に固定された中間部を含む3本以上の縦骨とでユニット基体を構成し、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させ、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定してユニットを構成した、
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。
【0005】
(作用効果)
本発明では、横方向に離間した縦骨間に横方向に延在する対応する外装パネルを跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させてある。これにより、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させることができる。ここに、縦骨は、構造材に固定される基材に対して固定しているので、強度的に安定した部材となる。よって、前記パネルは強度的に安定した縦骨間に跨がらせてあるので、パネルの支持構造として強度的に安定したものとなる。
これに対し、四周囲に枠材は、パネルの端部を保持する程度のもので足りるから、強度的に高いものは不要であり、たとえばアルミニウム合金型材で足りるようになる。
【0006】
<請求項2項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0007】
(作用効果)
各枠材は縦骨に固定し、必要ならば基材には固定しなくとも、安定したユニットを構成できる。
【0008】
<請求項3項記載の発明>
前記枠材のうち縦枠材に、前記縦骨の側部及びパネルの長手方向端部が嵌入する凹部を形成した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0009】
(作用効果)
枠材として、高い強度のものは不要となり、したがって、アルミニウム合金型材を採用できる。その結果、凹部の形成を容易にできる。かかる縦枠材の凹部に対して縦骨の側部を嵌入させる構造とすると、縦枠材が安定したものとなる。
しかも、安定した縦枠材の凹部にパネルの長手方向端部を嵌入させることで、パネルの横方向のずれを防止できる。
この場合、後記実施の形態では、縦骨側部の嵌入用凹部とパネル長手方向端部の嵌入用凹部とを別に形成すると、パネルの室内側への移動を凹部の室内側片で支えることが可能であり、室内外方向の移動を規制でき、より安定したものとなるが、必要ならば共通の凹部であってもよい。
【0010】
<請求項4項記載の発明>
少なくとも一方の縦枠材の上下に、横方向の上下短ピースを一体化したものが、前記縦骨の側部に、前記縦枠材の前記凹部を外から被せた状態で、前記枠材の上枠材及び下枠材の長手方向端に対して接近させ、前記上短ピースと前記上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定してある請求項3記載のカーテンウォールユニット。
【0011】
(作用効果)
たとえば、ガラスサッシの場合においては、枠材の端部を45度にトメ切りし、コーナー部材を介して枠組みするのが通常である。しかし、外装パネルの場合には、寸法安定性などの点、あるいは地震時のパネル移動などを考慮すると、剛構造で支持するのは好適ではない。そこで、本請求項記載の発明に従う構造とすると、パネルが横方向に長尺であるとしても、その横方向の移動量やパネル長に対応して調整するように枠組できる。しかも、基材がたとえばコンクリートパネルとする場合、パネル群の間から室内側への雨水の侵入を考慮する必要はないから、上短ピースと上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定するのみでよく、施工が容易である。
【0012】
<請求項5項記載の発明>
前記基材はコンクリートパネルであり、前記縦骨はアンカーによりその先端を埋設して固定してある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0013】
(作用効果)
本発明において、基材としては、ほぼユニット大きさに対応する面積の部材であればよく、その部材の種類を限定されるものではなく、各種の面材、組合せ部材、PCコンクリート版などを使用できるが、大面積(たとえば横1m以上、縦20cm以上とする)場合には、パネルがたとえば窯業系のもので重量的に重いことも相俟って、強度の高いコンクリートパネルとするのが望ましい。かかる高強度のコンクリートパネルであれば、縦骨群の固定が安定し、しかもアンカーを使用してその先端をコンクリートパネルに埋設して固定することで縦骨の強固な固定が可能となる。
【0014】
<請求項6項記載の発明>
前記縦骨の高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてある請求項1または5記載のカーテンウォールユニット。
【0015】
(作用効果)
縦骨に、その高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止することにより、多数のパネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させる施工が簡易となる。
【0016】
<請求項7項記載の発明>
前記縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1または6記載のカーテンウォールユニット。
【0017】
(作用効果)
縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にあると、パネルが地震時などにおいて振動した場合において、緩衝材による緩衝効果を発揮した耐震性の高いものとなる。
また、請求項6に記載のように、係止金具によりパネルを保持する際に、緩衝材の弾圧に抗して押し当てるように係止すると、パネルの室内外方向のガタツキを防止できる利点も生じる。さらに、この場合にはパネルの緩衝材が接するので横方向の移動についても緩衝効果を示す。
【0018】
<請求項8項記載の発明>
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項7記載のカーテンウォールユニット。
【0019】
(作用効果)
横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にあると、パネルの端部を2つのパネル支持用緩衝材が対向するので、安定した緩衝効果を発揮する。
他方、支持部間に請求項6での係止金具を固定することができるので、係止金具の固定スペースの点でも有利である。
【0020】
<請求項9項記載の発明>
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、
前記縦骨の前記支持間において高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてあり、
この保持状態において、各前記パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0021】
(作用効果)
請求項8記載と同様な作用効果を奏する。
【0022】
<請求項10項記載の発明>
ある高さ位置の前記パネルは縦目地を介して横方向に複数隣接配置され、かつこの隣接配置形態が上下に亘り、
前記縦目地部分に少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させた請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0023】
(作用効果)
ユニットを大きいものとし、これに対応した長さの長尺のパネルを取り付けることも不可能ではないが、パネルの取り付けの負担が過度に大きなものとなり施工性を損なう。そこで、パネルは横方向に複数のパネルを複数隣接配置するのが望ましい。
この場合、上側パネル端部と下側パネル端部との間に緩衝効果のある部材を設けるのが耐震性を高める点で望ましい。しかし、その緩衝用部材を設ける場合にずれが生じる。
そこで本請求項の構成に従って、両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させると、本体部が縦目地のパネルの隣接間隙内にあるから、目地支持ピースの横方向の移動を防止できる。また、少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部がそれぞれ隣接する両上下間隙に介在させるから、それぞれの上側パネル端部と下側パネル端部との間隙に緩衝効果をもたらすことができる。
【0024】
<請求項11項記載の発明>
前記目地支持ピースの本体部に成形された縦目地シール材を取り付ける請求項10記載のカーテンウォールユニット。
【0025】
(作用効果)
複数隣接配置に伴う縦目地は、不定形シール材の配置も可能であるが、耐久性に難がある。また、パネルの横方向の移動を緩衝する効果は小さい。そこで、縦目地には成形シール材を使用するのが耐久性の点で望ましい。
請求項10に記載のように、目地支持ピースに本体部を縦目地のパネルの隣接間隙内に位置させるので、その本体部を利用して、成形された縦目地シール材を取り付けることができる。付言すれば、単に、外装パネル間に嵌入した目地支持ピース、及び縦目地シールは、地震等の揺れ、あるいは長期間使用によりが抜け出しやすい。本発明では、目地支持ピースに目地支持シール材を取り付けて連結することにより、目地支持ピース自体及び縦目地シールのズレ、抜け出しなどを防止でき、取付け安定性が高まる。
【0026】
<請求項12項記載の発明>
縦目地シール材は目地の高さ方向に延びる長尺の成形材であり、目地支持ピース群の各本体部と嵌合して取り付けられている請求項11記載のカーテンウォールユニット。
【0027】
(作用効果)
好適には後記実施の形態により明らかなように、縦目地シール材の通しの溝に本体部を嵌合させるようにすると、通しの縦目地シール材を高さ方向に連続して取り付けることができる。
【0028】
<請求項13項記載の発明>
次記の工程を順次有することを特徴とするカーテンウォールユニットの取付け工法。
構造材に固定される所定の面積にわたる基材に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定してユニット基体を構成する工程、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【0029】
(作用効果)
本取付け工法が、施工効率が高いものとなることは請求項1の作用効果で説明したとおりである。
【0030】
<請求項14項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項13記載のカーテンウォールユニットの取付け工法。
【0031】
<請求項15項記載の発明>
次記の工程を順次有することを特徴とする外壁表面の化粧方法。
構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定して下地を構成する工程、
前記下地の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【0032】
(作用効果)
既存の外壁に対して、改装工法として本発明を利用することができる。この場合、既存外壁をそのまま基材とするほか、たとえば外壁に不陸がある場合などにおいて、適宜の下地材を介在させて基材とすることができる。両者の形態を含むものである。
【0033】
<請求項16項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項15記載の外壁表面の化粧方法。
【発明の効果】
【0034】
以上要すれば、本発明によれば、耐震性に優れ、しかも施工性に優れるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を示してさらに説明する。
構造的にやや複雑であるために、まず、全体の概要を説明し、その後に適宜詳細説明に移ることとする。
<全体構成>
図1〜図3は本発明のカーテンウォールユニット1単体の全体を示したものである。ユニット1は、構造材(躯体、あるいはこれに取付けの方立や無目など。図示せず。)に固定される所定の面積にわたる基材2(図示例ではPCコンクリートパネルを図示してある。)と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置され、それぞれ基材2に固定された3本以上の縦骨3、3…とでユニット基体10を構成してある。
ユニット基体10の四周囲に枠材21、22、23、24を配置し、これら枠材21、22、23、24は、ユニット基体10に、図示の形態では左右の縦骨3、3及び縦骨3、3…群の上下端部に固定してある。
ユニット基体10には、横方向に延在するたとえば窯業系の外装パネル30(無機焼成パネル)が配置され、図示の形態では図1が参照されるように、横方向に4個、縦方向に14個のパネルが配置されている。これらのパネル30は、対応する縦骨3、3間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、各縦骨3に対して支持部材4(図1〜図3では詳細形状が判明していない)を介してそれぞれ保持させ、ユニット基体10全体に対して多数のパネル群を保持させてある。
【0036】
<細部の構造>
図1が参照されるように、本発明は、パネル30を対応する縦骨3、3間に跨がらせる際に、中間縦骨3Aを有する形態を排除するものではない。以下では、中間縦骨3Aについてもパネル端部縦骨3と同様の構成であるから、パネル端部縦骨3の構成を主に説明する。
また、各縦骨3、3…は、基材2がコンクリートパネルとしてある関係で、それぞれ各縦骨3、3…に形成した挿通孔に固定ボルト5挿通して、その先端を予めコンクリートパネル2に埋設したアンカー6に打ち込んで固定してある。図4以降に図示された符号7は耐火材である。なお、構造の明りょう化のために、耐火材7の図示を一部省略してある。
各枠材21、22、23、24の対応する縦骨3、3…への固定について説明すると、図4、図5、図7〜図9を参照して判るように、上枠21、下枠22、左枠23及び右枠24は、その中間の裏面側突出片21A、22A、23A及び24Aをそれぞれ、縦骨3の裏面に当接し、ビス25止めして行うようにしてある。
上枠21には、外面側突出片21Bが突出しており、裏面側突出片21Aとの間で、縦骨3の上端部を呑み込むようにしてある。左枠23及び右枠24には、若干形状が異なるが、外面側突出片23B及び24Bがそれぞれ突出しており、裏面側突出片23A、24Aとの間で、縦骨3、3の側部をそれぞれ呑み込むようにしてある(逆に言えば、縦骨3の側部は突出片相互によって形成される凹部に嵌入している。)。下枠22は縦骨3の下端部を呑み込んでいない。
さらに、上枠21の室外側には、タイト材係止凹部21Cが形成され、これに上タイト材21Dが係止され、その舌片が最上段パネル30の上面に当接し、雨水の侵入を防止するようにしてある。下枠22の室外側には、タイト材係止凹部22Cが形成され、これに下タイト材22Dが係止され、その舌片が最下段パネル30の下面に当接し、雨水の侵入を防止するようにしてある。左枠23及び右枠24の室外側には、フック状の係合凹部23C及び24Cが形成され、端塞ぎ用のゴムなどの弾性板23D、24Dを収容した状態で、パネル30の長手方向端部をそれぞれ呑み込んで、パネル30の安定化が図られている。その際、係合凹部23C及び24Cの室外側の鉤部はパネル30の外面に臨む寸法関係とされている。
【0037】
次に、他の図面をも参照しながら、各パネル30を、縦骨3(3A)に対して支持部材(係止金具)4を介してそれぞれ保持する形態について説明する。
支持部材4(係止金具)は金属製などの強度の高いもので、図19に全体形状が図示されている。すなわち、下部固定部41及び上部固定部42を有し、下部固定部41からはJ字状の下部保持部43が室外側に突出し、下部固定部41と上部固定部42との間には、J字状の上部保持部44が室外側に突出している。
縦骨3(3A)のパネル30の固定側には、図13及び図14に簡明に図示されているように、縦骨3の外面側にパネル支持用緩衝材45、45が取付けられている。図示の形態では、縦骨3は、横方向両側部に室外側に突出する支持部3B、3Bを有し、これら支持部3B、3Bにはその取付凹溝に取付けられたパネル支持用緩衝材45、45がそれぞれ通しで設けられ、各パネル支持用緩衝材45、45が、後述するように支持部材4によりパネル30を支持したとき、その裏面に当接する関係にある。支持部3B、3B間には、支持部材4、4…が高さ方向に間隔を置いて多数配置され、それぞれの下部固定部41及び上部固定部42が、ビス46、46…(他の図面参照)により縦骨3に固定されている。
【0038】
さて、主に図8を参照すると判るように、パネル30の裏面側には、下部に下係止凹部31が、上部に上係止凹部32がそれぞれ形成されている。パネル30の下係止凹部31は、支持部材4のJ字状の上部保持部44により係止・保持され、上係止凹部32は上側の支持部材4の下部保持部43に係止・保持されている。かかる係止・保持状態において、パネル30の裏面がパネル支持用緩衝材45、45に当接するあるいは若干押圧状態で当接するようになっている。
横方向に配置のパネル30は、基材2(図示例ではPCコンクリートパネル)に対して短いので、縦目地Sが形成される。実施の形態では、横方向に4つのパネルが隣接配置されているので、3つの縦目地S、S、Sが形成される。
【0039】
縦目地S部分に、図17及び図18に示すように、少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部52、52と本体部51とを有する目地支持ピース50が配置されている。目地支持ピース50は、これを保持するために両翼部を有するが、この両翼部は板状でよいが、緩衝力を高めるために、実施の形態ではゴム製で、弾圧・緩衝力を高めるために、両翼部52、52の上下に間隙が形成されている。目地支持ピース50全体を金属製とすることも可能である。
【0040】
かかる目地支持ピース50の本体部51は縦目地Sのパネル30、30の隣接間隙内に、翼部52、52は隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在される。また、中間縦骨3A部分においては、図15に形状を示す介在ピース55が介在されている。介在ピース55は、弾性あるいは可撓性の材料からなり、実施の形態では金属製であり、ばね変形力を高めるために、中間部がアーチ状に膨出する形状をなしている。
【0041】
これら、目地支持ピース50の翼部52及び介在ピース55の高さ方向位置は、具体的には、図8が参照されるように、支持部材4の上部保持部44下面とパネル30の下面との間である。これにより、目地支持ピース50の翼部52、52の弾性復元力、並びに介在ピース55の弾圧復元力によりパネル30の上面を押圧する結果、パネル30の裏面側の下方に突出する部分が、J字状の下部保持部43及びJ字状の上部保持部44に安定的に食い込むので、パネル30の保持が安定し、かつ、地震時においても、振動を介在ピース55及び目地支持ピース50の翼部52、52が吸収しつつパネル30を保持するから、耐震性に優れたものとなる。
【0042】
他方、図16が参照されるように、縦目地Sには、ゴムなどの成形された長尺の縦目地シール材56が設けられている。この縦目地シール材56は、室内側に凹溝が形成され、目地支持ピース50の取付保持部53に嵌合されることで取り付けが行われている。その結果、縦目地シール材56は、縦目地Sにおいて安定して保持される。
【0043】
一方、左右縦枠23、24が縦骨3に固定されることについては前述したとおりである。図10〜図12によって、代表的に左枠23について説明すると、左枠23の上下に、予め横方向の上下短ピース26、27(図10〜図12では上短ピース26のみが図示され、下短ピース27は図5に図示されている)を、たとえば縦骨3と45度突合せ部に溶接により一体化したものを、縦骨3の側部に、左枠23の先に説明した凹部を外から被せた状態で、上枠材21及び下枠材22の長手方向端に対して接近させ、上短ピース26と上枠材21とに跨って上方からスリーブ28で覆って、たとえばビス29固定して、繋ぎ間隙を覆おうことができる。下短ピース27についてはスリーブが設けられていない。
【0044】
かかるユニット1は、図4、図5、図7が参照されるように、上下及び左右に隣接配置される。各ユニット1、1…は、構造材(躯体、あるいはこれに取付けの方立や無目など)に固定される。隣接間隙には、タイト材61、62、64及びシール材63が設けられる。
【0045】
<カーテンウォールユニットの取付け工法>
カーテンウォールユニットの取付けに際しては、次記の工程で順次取り付けることができる。
(1)構造材に固定される所定の面積にわたる基材2に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨3、3Aを配置し、各縦骨3、3Aを前記基材2に固定してユニット基体10を構成する工程。
(2)前記ユニット基体10の四周囲に枠材21〜24を配置し、これら枠材21〜24を前記ユニット基体10に固定する工程。
(3)横方向に延在する窯業系パネル30、30…を、対応する横方向に離間した縦骨間3、3に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨3、3Aに対して支持部材4、4…を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体10全体に対して多数のパネル群30、30…を保持させる工程。
【0046】
<外壁表面の化粧方法>
種類を基本的に問われないたとえば既存PCコンクリートパネル表面の化粧に際しては、次記の工程で順次化粧することができる。
(4)構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材2として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨3、3Aを配置し、各縦骨3、3Aを前記基材2に固定して下地を構成する工程。
(5)前記下地の四周囲に枠材21〜24を配置し、これら枠材21〜24を前記ユニット基体10に固定する工程。
(6)横方向に延在する窯業系パネル30、30…を、対応する横方向に離間した縦骨間3、3に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨3、3Aに対して支持部材4、4…を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群30、30…を保持させる工程。
【0047】
<その他>
本発明の技術思想の下で、他の変形例は適宜選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ユニットの全体正面図である。
【図2】ユニットの水平断面図である。
【図3】ユニットの縦断面図である。
【図4】要部水平断面図である。
【図5】図4の拡大水平断面図である。
【図6】図4の他の部位の拡大水平断面図である。
【図7】要部縦断面図である。
【図8】図7の上枠側ユニットの拡大縦断面図である。
【図9】図7の下枠側ユニットの拡大縦断面図である。
【図10】上枠と左枠の連結部の正面図である。
【図11】11−11線矢視図である。
【図12】図10の平面図である。
【図13】縦骨とパネルとの関係を示す斜視図である。
【図14】縦骨の斜視図である。
【図15】介在ピースの斜視図である。
【図16】縦目地部分の詳細を示す平断面図である。
【図17】目地支持ピースの斜視図である。
【図18】目地支持ピースの視点を換えた斜視図である。
【図19】支持部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…カーテンウォールユニット、2…基材(PCコンクリートパネル)、3…縦骨、3A…中間縦骨、4…支持部材、5…固定ボルト、21…上枠材、22…下枠材、23…左枠材(縦枠材)、24…右枠材(縦枠材)、25…ビス、21A、22A、23A、24A…裏面側突出片、23B、24B…外面側突出片、21C、22C…タイト材係止凹部、23C、24C…係合凹部、21D、22D…タイト材、23D、24D…弾性板、26…上短ピース、27…下短ピース、28…スリーブ、30…パネル、31…下係止凹部、32…上係止凹部、41…下部固定部、42…上部固定部、43…下部保持部、44…部保持部、45…パネル支持用緩衝材、46…ビス、50…目地支持ピース、51…本体部、52…翼部、53…取付保持部、55…介在ピース、56…縦目地シール材、61、62、64…タイト材、63…シール材、S…縦目地。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールユニット、カーテンウォールユニットの取付け工法及び外壁表面の化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォール外壁の構築に際し、外装パネルを採用する場合、大型化特に長尺のパネルの要望がある。パネルの大型化に伴って、耐震性を考慮しなければならず、かつ施工性が低下することを防止する必要がある。
このためには、ユニット化の手段がある。特許文献1には、下地フレームに複数枚のコンクリート系パネルを取着してカーテンウォールユニットを形成し、このカーテンウォールユニットを下地フレーム部分において建物構造体に取付けるものである。
しかし、前記コンクリート系パネルは縦方向に配置したもので、本発明のように横方向に配置するものではない。また、コンクリート系パネルは、これに埋設したボルトにより剛構造で下地フレームに固定するものであるから、耐震性に難があると考えられる。
【特許文献1】特開平2003−64815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の主たる課題は、耐震性に優れ、しかも施工性に優れるカーテンウォールユニット、カーテンウォールユニットの取付け工法及び外壁表面の化粧方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は下記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
構造材に固定される所定の面積にわたる基材と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置されそれぞれ前記基材に固定された中間部を含む3本以上の縦骨とでユニット基体を構成し、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させ、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定してユニットを構成した、
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。
【0005】
(作用効果)
本発明では、横方向に離間した縦骨間に横方向に延在する対応する外装パネルを跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させてある。これにより、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させることができる。ここに、縦骨は、構造材に固定される基材に対して固定しているので、強度的に安定した部材となる。よって、前記パネルは強度的に安定した縦骨間に跨がらせてあるので、パネルの支持構造として強度的に安定したものとなる。
これに対し、四周囲に枠材は、パネルの端部を保持する程度のもので足りるから、強度的に高いものは不要であり、たとえばアルミニウム合金型材で足りるようになる。
【0006】
<請求項2項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0007】
(作用効果)
各枠材は縦骨に固定し、必要ならば基材には固定しなくとも、安定したユニットを構成できる。
【0008】
<請求項3項記載の発明>
前記枠材のうち縦枠材に、前記縦骨の側部及びパネルの長手方向端部が嵌入する凹部を形成した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0009】
(作用効果)
枠材として、高い強度のものは不要となり、したがって、アルミニウム合金型材を採用できる。その結果、凹部の形成を容易にできる。かかる縦枠材の凹部に対して縦骨の側部を嵌入させる構造とすると、縦枠材が安定したものとなる。
しかも、安定した縦枠材の凹部にパネルの長手方向端部を嵌入させることで、パネルの横方向のずれを防止できる。
この場合、後記実施の形態では、縦骨側部の嵌入用凹部とパネル長手方向端部の嵌入用凹部とを別に形成すると、パネルの室内側への移動を凹部の室内側片で支えることが可能であり、室内外方向の移動を規制でき、より安定したものとなるが、必要ならば共通の凹部であってもよい。
【0010】
<請求項4項記載の発明>
少なくとも一方の縦枠材の上下に、横方向の上下短ピースを一体化したものが、前記縦骨の側部に、前記縦枠材の前記凹部を外から被せた状態で、前記枠材の上枠材及び下枠材の長手方向端に対して接近させ、前記上短ピースと前記上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定してある請求項3記載のカーテンウォールユニット。
【0011】
(作用効果)
たとえば、ガラスサッシの場合においては、枠材の端部を45度にトメ切りし、コーナー部材を介して枠組みするのが通常である。しかし、外装パネルの場合には、寸法安定性などの点、あるいは地震時のパネル移動などを考慮すると、剛構造で支持するのは好適ではない。そこで、本請求項記載の発明に従う構造とすると、パネルが横方向に長尺であるとしても、その横方向の移動量やパネル長に対応して調整するように枠組できる。しかも、基材がたとえばコンクリートパネルとする場合、パネル群の間から室内側への雨水の侵入を考慮する必要はないから、上短ピースと上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定するのみでよく、施工が容易である。
【0012】
<請求項5項記載の発明>
前記基材はコンクリートパネルであり、前記縦骨はアンカーによりその先端を埋設して固定してある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0013】
(作用効果)
本発明において、基材としては、ほぼユニット大きさに対応する面積の部材であればよく、その部材の種類を限定されるものではなく、各種の面材、組合せ部材、PCコンクリート版などを使用できるが、大面積(たとえば横1m以上、縦20cm以上とする)場合には、パネルがたとえば窯業系のもので重量的に重いことも相俟って、強度の高いコンクリートパネルとするのが望ましい。かかる高強度のコンクリートパネルであれば、縦骨群の固定が安定し、しかもアンカーを使用してその先端をコンクリートパネルに埋設して固定することで縦骨の強固な固定が可能となる。
【0014】
<請求項6項記載の発明>
前記縦骨の高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてある請求項1または5記載のカーテンウォールユニット。
【0015】
(作用効果)
縦骨に、その高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止することにより、多数のパネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させる施工が簡易となる。
【0016】
<請求項7項記載の発明>
前記縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1または6記載のカーテンウォールユニット。
【0017】
(作用効果)
縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にあると、パネルが地震時などにおいて振動した場合において、緩衝材による緩衝効果を発揮した耐震性の高いものとなる。
また、請求項6に記載のように、係止金具によりパネルを保持する際に、緩衝材の弾圧に抗して押し当てるように係止すると、パネルの室内外方向のガタツキを防止できる利点も生じる。さらに、この場合にはパネルの緩衝材が接するので横方向の移動についても緩衝効果を示す。
【0018】
<請求項8項記載の発明>
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項7記載のカーテンウォールユニット。
【0019】
(作用効果)
横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にあると、パネルの端部を2つのパネル支持用緩衝材が対向するので、安定した緩衝効果を発揮する。
他方、支持部間に請求項6での係止金具を固定することができるので、係止金具の固定スペースの点でも有利である。
【0020】
<請求項9項記載の発明>
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、
前記縦骨の前記支持間において高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてあり、
この保持状態において、各前記パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0021】
(作用効果)
請求項8記載と同様な作用効果を奏する。
【0022】
<請求項10項記載の発明>
ある高さ位置の前記パネルは縦目地を介して横方向に複数隣接配置され、かつこの隣接配置形態が上下に亘り、
前記縦目地部分に少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させた請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【0023】
(作用効果)
ユニットを大きいものとし、これに対応した長さの長尺のパネルを取り付けることも不可能ではないが、パネルの取り付けの負担が過度に大きなものとなり施工性を損なう。そこで、パネルは横方向に複数のパネルを複数隣接配置するのが望ましい。
この場合、上側パネル端部と下側パネル端部との間に緩衝効果のある部材を設けるのが耐震性を高める点で望ましい。しかし、その緩衝用部材を設ける場合にずれが生じる。
そこで本請求項の構成に従って、両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させると、本体部が縦目地のパネルの隣接間隙内にあるから、目地支持ピースの横方向の移動を防止できる。また、少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部がそれぞれ隣接する両上下間隙に介在させるから、それぞれの上側パネル端部と下側パネル端部との間隙に緩衝効果をもたらすことができる。
【0024】
<請求項11項記載の発明>
前記目地支持ピースの本体部に成形された縦目地シール材を取り付ける請求項10記載のカーテンウォールユニット。
【0025】
(作用効果)
複数隣接配置に伴う縦目地は、不定形シール材の配置も可能であるが、耐久性に難がある。また、パネルの横方向の移動を緩衝する効果は小さい。そこで、縦目地には成形シール材を使用するのが耐久性の点で望ましい。
請求項10に記載のように、目地支持ピースに本体部を縦目地のパネルの隣接間隙内に位置させるので、その本体部を利用して、成形された縦目地シール材を取り付けることができる。付言すれば、単に、外装パネル間に嵌入した目地支持ピース、及び縦目地シールは、地震等の揺れ、あるいは長期間使用によりが抜け出しやすい。本発明では、目地支持ピースに目地支持シール材を取り付けて連結することにより、目地支持ピース自体及び縦目地シールのズレ、抜け出しなどを防止でき、取付け安定性が高まる。
【0026】
<請求項12項記載の発明>
縦目地シール材は目地の高さ方向に延びる長尺の成形材であり、目地支持ピース群の各本体部と嵌合して取り付けられている請求項11記載のカーテンウォールユニット。
【0027】
(作用効果)
好適には後記実施の形態により明らかなように、縦目地シール材の通しの溝に本体部を嵌合させるようにすると、通しの縦目地シール材を高さ方向に連続して取り付けることができる。
【0028】
<請求項13項記載の発明>
次記の工程を順次有することを特徴とするカーテンウォールユニットの取付け工法。
構造材に固定される所定の面積にわたる基材に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定してユニット基体を構成する工程、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【0029】
(作用効果)
本取付け工法が、施工効率が高いものとなることは請求項1の作用効果で説明したとおりである。
【0030】
<請求項14項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項13記載のカーテンウォールユニットの取付け工法。
【0031】
<請求項15項記載の発明>
次記の工程を順次有することを特徴とする外壁表面の化粧方法。
構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定して下地を構成する工程、
前記下地の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【0032】
(作用効果)
既存の外壁に対して、改装工法として本発明を利用することができる。この場合、既存外壁をそのまま基材とするほか、たとえば外壁に不陸がある場合などにおいて、適宜の下地材を介在させて基材とすることができる。両者の形態を含むものである。
【0033】
<請求項16項記載の発明>
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項15記載の外壁表面の化粧方法。
【発明の効果】
【0034】
以上要すれば、本発明によれば、耐震性に優れ、しかも施工性に優れるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を示してさらに説明する。
構造的にやや複雑であるために、まず、全体の概要を説明し、その後に適宜詳細説明に移ることとする。
<全体構成>
図1〜図3は本発明のカーテンウォールユニット1単体の全体を示したものである。ユニット1は、構造材(躯体、あるいはこれに取付けの方立や無目など。図示せず。)に固定される所定の面積にわたる基材2(図示例ではPCコンクリートパネルを図示してある。)と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置され、それぞれ基材2に固定された3本以上の縦骨3、3…とでユニット基体10を構成してある。
ユニット基体10の四周囲に枠材21、22、23、24を配置し、これら枠材21、22、23、24は、ユニット基体10に、図示の形態では左右の縦骨3、3及び縦骨3、3…群の上下端部に固定してある。
ユニット基体10には、横方向に延在するたとえば窯業系の外装パネル30(無機焼成パネル)が配置され、図示の形態では図1が参照されるように、横方向に4個、縦方向に14個のパネルが配置されている。これらのパネル30は、対応する縦骨3、3間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、各縦骨3に対して支持部材4(図1〜図3では詳細形状が判明していない)を介してそれぞれ保持させ、ユニット基体10全体に対して多数のパネル群を保持させてある。
【0036】
<細部の構造>
図1が参照されるように、本発明は、パネル30を対応する縦骨3、3間に跨がらせる際に、中間縦骨3Aを有する形態を排除するものではない。以下では、中間縦骨3Aについてもパネル端部縦骨3と同様の構成であるから、パネル端部縦骨3の構成を主に説明する。
また、各縦骨3、3…は、基材2がコンクリートパネルとしてある関係で、それぞれ各縦骨3、3…に形成した挿通孔に固定ボルト5挿通して、その先端を予めコンクリートパネル2に埋設したアンカー6に打ち込んで固定してある。図4以降に図示された符号7は耐火材である。なお、構造の明りょう化のために、耐火材7の図示を一部省略してある。
各枠材21、22、23、24の対応する縦骨3、3…への固定について説明すると、図4、図5、図7〜図9を参照して判るように、上枠21、下枠22、左枠23及び右枠24は、その中間の裏面側突出片21A、22A、23A及び24Aをそれぞれ、縦骨3の裏面に当接し、ビス25止めして行うようにしてある。
上枠21には、外面側突出片21Bが突出しており、裏面側突出片21Aとの間で、縦骨3の上端部を呑み込むようにしてある。左枠23及び右枠24には、若干形状が異なるが、外面側突出片23B及び24Bがそれぞれ突出しており、裏面側突出片23A、24Aとの間で、縦骨3、3の側部をそれぞれ呑み込むようにしてある(逆に言えば、縦骨3の側部は突出片相互によって形成される凹部に嵌入している。)。下枠22は縦骨3の下端部を呑み込んでいない。
さらに、上枠21の室外側には、タイト材係止凹部21Cが形成され、これに上タイト材21Dが係止され、その舌片が最上段パネル30の上面に当接し、雨水の侵入を防止するようにしてある。下枠22の室外側には、タイト材係止凹部22Cが形成され、これに下タイト材22Dが係止され、その舌片が最下段パネル30の下面に当接し、雨水の侵入を防止するようにしてある。左枠23及び右枠24の室外側には、フック状の係合凹部23C及び24Cが形成され、端塞ぎ用のゴムなどの弾性板23D、24Dを収容した状態で、パネル30の長手方向端部をそれぞれ呑み込んで、パネル30の安定化が図られている。その際、係合凹部23C及び24Cの室外側の鉤部はパネル30の外面に臨む寸法関係とされている。
【0037】
次に、他の図面をも参照しながら、各パネル30を、縦骨3(3A)に対して支持部材(係止金具)4を介してそれぞれ保持する形態について説明する。
支持部材4(係止金具)は金属製などの強度の高いもので、図19に全体形状が図示されている。すなわち、下部固定部41及び上部固定部42を有し、下部固定部41からはJ字状の下部保持部43が室外側に突出し、下部固定部41と上部固定部42との間には、J字状の上部保持部44が室外側に突出している。
縦骨3(3A)のパネル30の固定側には、図13及び図14に簡明に図示されているように、縦骨3の外面側にパネル支持用緩衝材45、45が取付けられている。図示の形態では、縦骨3は、横方向両側部に室外側に突出する支持部3B、3Bを有し、これら支持部3B、3Bにはその取付凹溝に取付けられたパネル支持用緩衝材45、45がそれぞれ通しで設けられ、各パネル支持用緩衝材45、45が、後述するように支持部材4によりパネル30を支持したとき、その裏面に当接する関係にある。支持部3B、3B間には、支持部材4、4…が高さ方向に間隔を置いて多数配置され、それぞれの下部固定部41及び上部固定部42が、ビス46、46…(他の図面参照)により縦骨3に固定されている。
【0038】
さて、主に図8を参照すると判るように、パネル30の裏面側には、下部に下係止凹部31が、上部に上係止凹部32がそれぞれ形成されている。パネル30の下係止凹部31は、支持部材4のJ字状の上部保持部44により係止・保持され、上係止凹部32は上側の支持部材4の下部保持部43に係止・保持されている。かかる係止・保持状態において、パネル30の裏面がパネル支持用緩衝材45、45に当接するあるいは若干押圧状態で当接するようになっている。
横方向に配置のパネル30は、基材2(図示例ではPCコンクリートパネル)に対して短いので、縦目地Sが形成される。実施の形態では、横方向に4つのパネルが隣接配置されているので、3つの縦目地S、S、Sが形成される。
【0039】
縦目地S部分に、図17及び図18に示すように、少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部52、52と本体部51とを有する目地支持ピース50が配置されている。目地支持ピース50は、これを保持するために両翼部を有するが、この両翼部は板状でよいが、緩衝力を高めるために、実施の形態ではゴム製で、弾圧・緩衝力を高めるために、両翼部52、52の上下に間隙が形成されている。目地支持ピース50全体を金属製とすることも可能である。
【0040】
かかる目地支持ピース50の本体部51は縦目地Sのパネル30、30の隣接間隙内に、翼部52、52は隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在される。また、中間縦骨3A部分においては、図15に形状を示す介在ピース55が介在されている。介在ピース55は、弾性あるいは可撓性の材料からなり、実施の形態では金属製であり、ばね変形力を高めるために、中間部がアーチ状に膨出する形状をなしている。
【0041】
これら、目地支持ピース50の翼部52及び介在ピース55の高さ方向位置は、具体的には、図8が参照されるように、支持部材4の上部保持部44下面とパネル30の下面との間である。これにより、目地支持ピース50の翼部52、52の弾性復元力、並びに介在ピース55の弾圧復元力によりパネル30の上面を押圧する結果、パネル30の裏面側の下方に突出する部分が、J字状の下部保持部43及びJ字状の上部保持部44に安定的に食い込むので、パネル30の保持が安定し、かつ、地震時においても、振動を介在ピース55及び目地支持ピース50の翼部52、52が吸収しつつパネル30を保持するから、耐震性に優れたものとなる。
【0042】
他方、図16が参照されるように、縦目地Sには、ゴムなどの成形された長尺の縦目地シール材56が設けられている。この縦目地シール材56は、室内側に凹溝が形成され、目地支持ピース50の取付保持部53に嵌合されることで取り付けが行われている。その結果、縦目地シール材56は、縦目地Sにおいて安定して保持される。
【0043】
一方、左右縦枠23、24が縦骨3に固定されることについては前述したとおりである。図10〜図12によって、代表的に左枠23について説明すると、左枠23の上下に、予め横方向の上下短ピース26、27(図10〜図12では上短ピース26のみが図示され、下短ピース27は図5に図示されている)を、たとえば縦骨3と45度突合せ部に溶接により一体化したものを、縦骨3の側部に、左枠23の先に説明した凹部を外から被せた状態で、上枠材21及び下枠材22の長手方向端に対して接近させ、上短ピース26と上枠材21とに跨って上方からスリーブ28で覆って、たとえばビス29固定して、繋ぎ間隙を覆おうことができる。下短ピース27についてはスリーブが設けられていない。
【0044】
かかるユニット1は、図4、図5、図7が参照されるように、上下及び左右に隣接配置される。各ユニット1、1…は、構造材(躯体、あるいはこれに取付けの方立や無目など)に固定される。隣接間隙には、タイト材61、62、64及びシール材63が設けられる。
【0045】
<カーテンウォールユニットの取付け工法>
カーテンウォールユニットの取付けに際しては、次記の工程で順次取り付けることができる。
(1)構造材に固定される所定の面積にわたる基材2に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨3、3Aを配置し、各縦骨3、3Aを前記基材2に固定してユニット基体10を構成する工程。
(2)前記ユニット基体10の四周囲に枠材21〜24を配置し、これら枠材21〜24を前記ユニット基体10に固定する工程。
(3)横方向に延在する窯業系パネル30、30…を、対応する横方向に離間した縦骨間3、3に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨3、3Aに対して支持部材4、4…を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体10全体に対して多数のパネル群30、30…を保持させる工程。
【0046】
<外壁表面の化粧方法>
種類を基本的に問われないたとえば既存PCコンクリートパネル表面の化粧に際しては、次記の工程で順次化粧することができる。
(4)構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材2として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨3、3Aを配置し、各縦骨3、3Aを前記基材2に固定して下地を構成する工程。
(5)前記下地の四周囲に枠材21〜24を配置し、これら枠材21〜24を前記ユニット基体10に固定する工程。
(6)横方向に延在する窯業系パネル30、30…を、対応する横方向に離間した縦骨間3、3に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨3、3Aに対して支持部材4、4…を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群30、30…を保持させる工程。
【0047】
<その他>
本発明の技術思想の下で、他の変形例は適宜選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ユニットの全体正面図である。
【図2】ユニットの水平断面図である。
【図3】ユニットの縦断面図である。
【図4】要部水平断面図である。
【図5】図4の拡大水平断面図である。
【図6】図4の他の部位の拡大水平断面図である。
【図7】要部縦断面図である。
【図8】図7の上枠側ユニットの拡大縦断面図である。
【図9】図7の下枠側ユニットの拡大縦断面図である。
【図10】上枠と左枠の連結部の正面図である。
【図11】11−11線矢視図である。
【図12】図10の平面図である。
【図13】縦骨とパネルとの関係を示す斜視図である。
【図14】縦骨の斜視図である。
【図15】介在ピースの斜視図である。
【図16】縦目地部分の詳細を示す平断面図である。
【図17】目地支持ピースの斜視図である。
【図18】目地支持ピースの視点を換えた斜視図である。
【図19】支持部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…カーテンウォールユニット、2…基材(PCコンクリートパネル)、3…縦骨、3A…中間縦骨、4…支持部材、5…固定ボルト、21…上枠材、22…下枠材、23…左枠材(縦枠材)、24…右枠材(縦枠材)、25…ビス、21A、22A、23A、24A…裏面側突出片、23B、24B…外面側突出片、21C、22C…タイト材係止凹部、23C、24C…係合凹部、21D、22D…タイト材、23D、24D…弾性板、26…上短ピース、27…下短ピース、28…スリーブ、30…パネル、31…下係止凹部、32…上係止凹部、41…下部固定部、42…上部固定部、43…下部保持部、44…部保持部、45…パネル支持用緩衝材、46…ビス、50…目地支持ピース、51…本体部、52…翼部、53…取付保持部、55…介在ピース、56…縦目地シール材、61、62、64…タイト材、63…シール材、S…縦目地。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造材に固定される所定の面積にわたる基材と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置されそれぞれ前記基材に固定された中間部を含む3本以上の縦骨とでユニット基体を構成し、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させ、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定してユニットを構成した、
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。
【請求項2】
前記各枠材は前記縦骨に固定した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項3】
前記枠材のうち縦枠材に、前記縦骨の側部及びパネルの長手方向端部が嵌入する凹部を形成した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項4】
少なくとも一方の縦枠材の上下に、横方向の上下短ピースを一体化したものが、前記縦骨の側部に、前記縦枠材の前記凹部を外から被せた状態で、前記枠材の上枠材及び下枠材の長手方向端に対して接近させ、前記上短ピースと前記上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定してある請求項3記載のカーテンウォールユニット。
【請求項5】
前記基材はコンクリートパネルであり、前記縦骨はアンカーによりその先端を埋設して固定してある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項6】
前記縦骨の高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項7】
前記縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項8】
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項7記載のカーテンウォールユニット。
【請求項9】
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、
前記縦骨の前記支持間において高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてあり、
この保持状態において、各前記パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項10】
ある高さ位置の前記パネルは縦目地を介して横方向に複数隣接配置され、かつこの隣接配置形態が上下に亘り、
前記縦目地部分に少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させた請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項11】
前記目地支持ピースの本体部に成形された縦目地シール材を取り付ける請求項10記載のカーテンウォールユニット。
【請求項12】
縦目地シール材は目地の高さ方向に延びる長尺の成形材であり、目地支持ピース群の各本体部と嵌合して取り付けられている請求項11記載のカーテンウォールユニット。
【請求項13】
次記の工程を順次有することを特徴とするカーテンウォールユニットの取付け工法。
構造材に固定される所定の面積にわたる基材に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定してユニット基体を構成する工程、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【請求項14】
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項13記載のカーテンウォールユニットの取付け工法。
【請求項15】
次記の工程を順次有することを特徴とする外壁表面の化粧方法。
構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定して下地を構成する工程、
前記下地の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【請求項16】
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項15記載の外壁表面の化粧方法。
【請求項1】
構造材に固定される所定の面積にわたる基材と、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に配置されそれぞれ前記基材に固定された中間部を含む3本以上の縦骨とでユニット基体を構成し、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させ、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定してユニットを構成した、
ことを特徴とするカーテンウォールユニット。
【請求項2】
前記各枠材は前記縦骨に固定した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項3】
前記枠材のうち縦枠材に、前記縦骨の側部及びパネルの長手方向端部が嵌入する凹部を形成した請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項4】
少なくとも一方の縦枠材の上下に、横方向の上下短ピースを一体化したものが、前記縦骨の側部に、前記縦枠材の前記凹部を外から被せた状態で、前記枠材の上枠材及び下枠材の長手方向端に対して接近させ、前記上短ピースと前記上枠材とに跨って上方からスリーブで覆って固定してある請求項3記載のカーテンウォールユニット。
【請求項5】
前記基材はコンクリートパネルであり、前記縦骨はアンカーによりその先端を埋設して固定してある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項6】
前記縦骨の高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項7】
前記縦骨の外面側にパネル支持用緩衝材を取り付け、このパネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項8】
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、各パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項7記載のカーテンウォールユニット。
【請求項9】
前記縦骨は、横方向両側部に室外側に突出する支持部を有し、これら支持部の室外側に前記パネル支持用緩衝材がそれぞれ設けられ、
前記縦骨の前記支持間において高さ方向に間隔を置いて前記支持部材としての多数の係止金具を固定し、前記パネルの裏面に形成した係止凹部を前記係止金具に係止し、前記パネル群を前記縦骨に対して係止金具を介して保持させてあり、
この保持状態において、各前記パネル支持用緩衝材が各前記パネルの裏面に当接する関係にある請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項10】
ある高さ位置の前記パネルは縦目地を介して横方向に複数隣接配置され、かつこの隣接配置形態が上下に亘り、
前記縦目地部分に少なくとも上下方向に弾性変形可能な両翼部と本体部とを有する目地支持ピースを設け、前記本体部を前記縦目地の前記パネルの隣接間隙内に、前記翼部を隣接上側パネルと隣接下側パネルとの間隙にそれぞれ介在させた請求項1記載のカーテンウォールユニット。
【請求項11】
前記目地支持ピースの本体部に成形された縦目地シール材を取り付ける請求項10記載のカーテンウォールユニット。
【請求項12】
縦目地シール材は目地の高さ方向に延びる長尺の成形材であり、目地支持ピース群の各本体部と嵌合して取り付けられている請求項11記載のカーテンウォールユニット。
【請求項13】
次記の工程を順次有することを特徴とするカーテンウォールユニットの取付け工法。
構造材に固定される所定の面積にわたる基材に、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定してユニット基体を構成する工程、
前記ユニット基体の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記ユニット基体全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【請求項14】
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項13記載のカーテンウォールユニットの取付け工法。
【請求項15】
次記の工程を順次有することを特徴とする外壁表面の化粧方法。
構造材に固定される所定の面積にわたる既存外壁を基材として、その表面に対して横方向に間隔を置いて縦方向に中間部を含む3本以上の縦骨を配置し、各縦骨を前記基材に固定して下地を構成する工程、
前記下地の四周囲に枠材を配置し、これら枠材は前記ユニット基体に固定する工程、
横方向に延在する外装パネルを、対応する横方向に離間した縦骨間に跨がらせ、かつ縦方向に隣接して、前記縦骨に対して支持部材を介してそれぞれ保持させ、前記下地全体に対して多数のパネル群を保持させる工程。
【請求項16】
前記各枠材は前記縦骨に固定する請求項15記載の外壁表面の化粧方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−23685(P2007−23685A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210042(P2005−210042)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【出願人】(390022426)日軽アーバンビルド株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【出願人】(390022426)日軽アーバンビルド株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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