説明

カーテンウォール用耐火ボード、及び耐火ボードの支持構造

【課題】作業性の良いカーテンウォール用耐火ボード、及び取り付け強度の高い耐火ボードの支持構造を提供する。
【解決手段】カーテンウォール用耐火ボード10は耐火用の板材12を有し、板材12には貫通孔18と座ぐり20が設けられ、貫通孔18にはナット14が挿入されている。ナット14の片方の端面は受け金具16に接合され、受け金具16は座ぐり20に収められ、受け金具16と板材12は接合されている。カーテンウォール用耐火ボード10は、ナットナット14の挿入口側を、建物側(矢印Aの方向)に向けて配置され、取付金具78の取付孔79に挿入されたボルト80とナット14を螺合して、支持されている。取り付け金具78は建物躯体に接合されており、カーテンウォール用耐火ボード10は取り付け金具78を介して建物躯体から直接支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールの層間区画を構成するカーテンウォール用耐火ボード、及び耐火ボードの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築基準法では、一定の高さ及び規模を超える建物に使用されるカーテンウォールに関し、上下階の窓と窓の間の部分(以下スパンドレルという。)については、外壁に対する技術的基準を適用し、上階への延焼防止を目的として、高さ900mm以上の層間区画部材を設けることを義務付けている。
【0003】
アルミカーテンウォールでは、一般に、スパンドレル部分に層間区画部材として耐火ボードを取付ける方法が用いられている。ここに、耐火ボードは、繊維混入けい酸カルシウム板等で成形され、耐火ボードの取り付けは、アルミカーテンウォールのアルミ枠(方立と無目)に挟み込む方法が用いられている。
【0004】
しかし、アルミ枠は耐火性能が低いため、耐火ボードの取付け強度を高める支持構造が提案されている(特許文献1)。
即ち、図19に示すように、特許文献1に記載の支持構造は、耐火ボード10が、アルミ枠の方立110と無目112に囲まれて取り付けられている。このとき、耐火ボード10の上下の端部が、無目112に挟み込まれている。
【0005】
更に、建物の室内側には、スラブ76にファスナー114がボルト117で固定されている。また、方立110に方立ブラケット116がボルト119で固定され、ファスナー114と方立ブラケット116が高さ調整可能に、ボルト120で取り付けられている。
【0006】
方立ブラケット116は、方立110を挟んで隣接する耐火ボード10の幅方向の端部と重ねられ、耐火ボード10の重ねられた位置にはインサートナット(図示せず)が埋め込まれている。そして、方立ブラケット116の取付孔からボルト118を挿入し、インサートナットと螺合させて、耐火ボード10を支持している。
【0007】
しかし、特許文献1の支持構造では、耐火ボード10は、繊維混入けい酸カルシウム板、石膏ボード、ロックウールボード、セラミックファイバーボード等の柔らかい材料(脆い材料)で形成されていることが多いため、施工現場でのインサートナットの埋め込み作業に慎重な取り扱いが要求され、作業性が悪いという問題がある。このため、作業性の良い耐火ボード10が求められている。
【0008】
更に、特許文献1の支持構造は、耐火ボード10にインサートナットを埋め込む構成であることから、耐火ボードとインサートナットとの接合部の接合強度が、耐火ボードの機械的強度に大きく影響されるという問題がある。耐火ボードには前記のような機械的強度があまり高くない材料が用いられるため、接合部の強度があまり期待出来ない。取付け強度の高い耐火ボードの支持構造が求められている。
【特許文献1】特開平7−324415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事実に鑑み、カーテンウォールの層間区画を構成する作業性の良いカーテンウォール用耐火ボード、及び取付け強度の高い耐火ボードの支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明に係るカーテンウォール用耐火ボードは、貫通孔が設けられた耐火用の板材と、前記貫通孔に挿入されたナットと、前記ナットの端面と接合され、前記板材と当接する受け部材と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、耐火用の板材には貫通孔が設けられ、貫通孔にはナットが挿入され、ナットの端面には板材と当接する受け部材が接合されている。
これにより、カーテンウォール用耐火ボードの貫通孔には予めナットが挿入されており、施工現場でのナットの埋め込み作業が不要となり、カーテンウォール用耐火ボードの作業性が向上する。
【0012】
また、ナットはカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔に挿入されているため、ナットの外周面とカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔の周壁の接合面積を広く確保できる。これにより、カーテンウォール用耐火ボードの貫通孔の周壁が受ける単位面積当りの力を減少させ、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
【0013】
また、受け部材をカーテンウォール用耐火ボードの表面に当接させており、受け部材の面積を大きくすることで、カーテンウォール用耐火ボードが風や地震等の外力を受けても、カーテンウォール用耐火ボードに加えられた力を分散して受け部材に伝えることができる。これにより、カーテンウォール用耐火ボードから受け部材に伝えられる単位面積当たりの力を低減させ、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
なお、耐火用の板材としては繊維混入けい酸カルシウム板、石膏ボード、ロックウールボード、セラミックファイバーボード、ALC板等の既存の耐火板を利用できるが、中でも耐火性や加工性の点から繊維混入けい酸カルシウム板が好ましい。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカーテンウォール用耐火ボードにおいて、前記貫通孔の周壁と、前記ナットの外周面との間に機能性材料を充填したことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、機能性材料が貫通孔の周壁とナットの外周面との間に充填されている。
これにより、ナットと耐火ボードの一体化が図られ、運搬時やカーテンウォール用耐火ボード取付け時の作業性が大幅に向上する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカーテンウォール用耐火ボードにおいて、前記板材には、前記受け部材を収める座ぐりが設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、カーテンウォール用耐火ボードの表面に設けられた座ぐりには、受け部材が収められている。
これにより、受け部材の板面とカーテンウォール用耐火ボードの表面を同じ高さに仕上げることができ、カーテンウォール用耐火ボードの見栄えを良くできる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のカーテンウォール用耐火ボードにおいて、前記座ぐりは、前記受け部材を収める第1座ぐりと、前記第1座ぐりより浅い位置に設けられた第2座ぐりとを有し、前記第2座ぐりの径は、前記第1座ぐりと同等、若しくは前記第1座ぐりより大きくされ、前記第2座ぐりは第1化粧板で塞がれていることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、座ぐりは2段階の座ぐりとされ、第1座ぐりには受け部材が収められ、第2座ぐりは第1化粧板で塞がれている。第1化粧板はカーテンウォール用耐火ボードと同じ材質でも良いし同じ材質でなくても良い。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のカーテンウォール用耐火ボードにおいて、前記座ぐりは、前記受け部材の板面と前記板材の表面を同一面とする深さとされ、前記板材の全面は第2化粧板で覆われていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、第2化粧板でカーテンウォール用耐火ボードの全面が覆われている。
これにより、第2化粧板でカーテンウォール用耐火ボードの全面を覆うことができ、建物の美観を損なうことなく、耐火性能を向上させることができる。第2化粧板はカーテンウォール用耐火ボードと同じ材質でも良いし同じ材質でなくても良い。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーテンウォール用耐火ボードにおいて、前記カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板であることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板とされている。これにより、耐火性や加工性のよいカーテンウォール用耐火ボードが提供できる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、耐火ボード支持構造において、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐火ボードと、建物の構造部材に固定された取付金具と、前記取付金具に形成された取付孔へ挿入され前記ナットと螺合するボルトと、を有することを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、建物の構造部材に固定された取付金具には取付孔が形成され、この取付孔へ挿入されたボルトと、耐火ボードのナットを螺合させることで、建物躯体にカーテンウォール用耐火ボードを取付けることができる。
【0022】
このように、建物の構造部材に固定された取付金具でカーテンウォール用耐火ボードを直接支持するため、アルミ枠に挟み込む方法に比べ、カーテンウォール用耐火ボードの取付け強度を高めることができる。
また、風や地震等の外力が作用しても、受け部材と取付金具で、カーテンウォール用耐火ボードを両側から挟み込んでいるため、接合部分に生じる力を軽減し、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の耐火ボード支持構造において、一端に前記カーテンウォール用耐火ボードの下部端面を下側から保持する保持部を備え、他端に前記ボルトが挿入される貫通孔が設けられた耐火ボード保持部材を有し、前記取付孔へ挿入されたボルトが前記貫通孔を貫通することを特徴としている。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、耐火ボード保持部材の一端に設けた保持部が、カーテンウォール用耐火ボードの下部端面を下側から保持する。耐火ボード保持部材の他端にはボルトが挿入される貫通孔が設けられ、耐火ボード保持部材がボルトで建物に固定される。
これにより、寸法が大きく重いカーテンウォール用耐火ボードであっても、カーテンウォール用耐火ボードの貫通孔に過度の負担をかけずにカーテンウォール用耐火ボードを建物に取付けることができ、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の耐火ボード支持構造において、前記カーテンウォール用耐火ボードの背面を支持すると共に、前記ボルトが挿入される貫通孔が設けられた背面部と、前記背面部の上端部と下端部に形成され、前記カーテンウォール用耐火ボードの上部端面と下部端面を外側から保持する保持部を備えた耐火ボード保持部材を有し、前記取付孔へ挿入されたボルトが前記貫通孔を貫通することを特徴としている。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、耐火ボード保持部材の上端部と下端部に形成された保持部が、カーテンウォール用耐火ボードの上部端面と下部端面を保持する。また、耐火ボード保持部材の背面部にはボルトが挿入される貫通孔が設けられ、耐火ボード保持部材がボルトで建物躯体に固定される。
これにより、寸法が大きく重いカーテンウォール用耐火ボードであっても、カーテンウォール用耐火ボードの貫通孔に過度の負担をかけずにカーテンウォール用耐火ボードを建物に取付けることができ、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の耐火ボード支持構造において、前記耐火ボード保持部材と前記カーテンウォール用耐火ボードの間に緩衝材を設けたことを特徴としている。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、緩衝材が耐火ボード保持部材とカーテンウォール用耐火ボードの間に設けられている。
これにより、風や地震等でカーテンウォール用耐火ボードが振動しても、カーテンウォール用耐火ボードと耐火ボード保持部材との間の損傷を防止できる。
【0029】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐火ボード支持構造において、前記カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板であることを特徴としている。
請求項11に記載の発明によれば、カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板とされている。これにより、耐火性や加工性のよいカーテンウォール用耐火ボードが提供できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上記構成としてあるので、カーテンウォールの層間区画を構成する作業性の良いカーテンウォール用耐火ボード、及び取り付け強度の高い耐火ボードの支持構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(第1の実施の形態)
図1、2に示すように、第1の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボード10は、耐火用の板材12を有している。板材12は、建物の層間区画に用いられる層間区画部材であり、繊維混入けい酸カルシウム板等で形成され、取付け場所に応じて、高さH1、幅W1、厚さT1の各寸法が決定される。
【0032】
板材12には貫通孔18が設けられ、貫通孔18を中心として、板材12の片側の表面には、後述する受け部材である受け金具16を収める座ぐり20が設けられている。
【0033】
貫通孔18には、長さL1のナット14が挿入されている。ナット14の片方の端面は、受け金具16に接合されている。受け金具16は、金属の平板で径d2の円盤状に形成されている。ここに、ナット14の長さL1は、板材12の厚さT1より小さく、ナット14の先端が貫通孔18から突き出ることはない。また、受け金具16の径d2は、ナット14の径d1より大きく、この大きい部分(d2−d1)が座ぐり20に収められる。
【0034】
ナット14は、板材12の座ぐり20が設けられた側から貫通孔18に挿入され、座ぐり20に受け金具16が収められた位置で、受け金具16と板材12を図示しないネジで固定している。
【0035】
このように、カーテンウォール用耐火ボード10に予めナット14を取付けておくことで、施工現場において、板材12にナット14を埋め込む作業が不要となり、作業性が向上する。
【0036】
また、ナット14の外周面と貫通孔18の周壁は面接触とされており、ナット14と板材12の接合部の面積が広く確保されている。これにより、貫通孔18の周壁が、ナット14の外周面から受ける単位面積当りの力を減少でき、カーテンウォール用耐火ボード10に要求される機械的強度を小さくできる。
【0037】
更に、受け金具16の径d2を大きくすることで、受け金具16と板材12が当接する面積を増大できる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード10が風や地震等の外力を受けても、カーテンウォール用耐火ボード10に加えられた力を分散して受け金具16に伝えることができ、カーテンウォール用耐火ボード10から受け金具16に伝える単位面積当たりの力を低減できる。この結果、カーテンウォール用耐火ボード10に要求される機械的強度を小さくできる。
【0038】
また、受け金具16が座ぐり20に収められているため、受け金具16の板面と板材12の表面を同じ高さに仕上げることができ、耐火ボードの見栄えを良くできる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図3に示すように、第2の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボード22は、第1の実施の形態で説明した板材12に、貫通孔21が設けられている。
【0040】
貫通孔21には、受け金具16が接合されたナット14が挿入され、板材12には座ぐり23が設けられ、受け金具16が収められている。
【0041】
貫通孔21の周壁とナット14の外周面との間、及び座ぐり23の底面と受け金具16の板面との間には、所定の隙間が設けられ、この隙間には、機能性材料である接着剤24が塗布されている。
【0042】
接着剤24としては、有機系無機系を問わず使用可能である。有機系の場合は繊維混入けい酸カルシウム板への表面処理(シーラー処理)が必要となる。耐火上は無機系接着剤の内セラミック系やけい酸ソーダ系の使用が望ましく、繊維混入けい酸カルシウム板にはけい酸ソーダ系が一般的に使用される。他は、第1の実施の形態と同じ構成であり、説明は省略する。
【0043】
これにより、貫通孔21の周壁とナット14の外周面との接合強度、及び座ぐり23の底面と受け金具16の板面との接合強度が強くなり、耐火ボード22の取り付け強度を高めることができる。
【0044】
なお、接着剤24を塗布する場所は、取付ける板材12の寸法が小さく、必要とする接合部の強度が小さい場合には、貫通孔21の周壁とナット14の外周面との間にのみ塗布してもよい。
【0045】
図4に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード26は、第1の実施の形態で説明した板材12に、貫通孔25が設けられている。
貫通孔25には、受け金具16が接合されたナット14が挿入されている。板材12には座ぐり27が設けられ、受け金具16が収められている。
【0046】
貫通孔25の周壁とナット14の外周面との間、及び座ぐり27の底面と受け金具16の板面との間には所定の隙間が設けられ、この隙間には、機能性材料である緩衝材28が挿入されている。緩衝材28としては、例えばゴム材が挙げられる。
【0047】
受け金具16は、受け金具16と座ぐり27の底面との間に挿入された緩衝材28を挟んでネジ30で接合されている。
【0048】
これにより、耐火ボード26に風や地震等の外力が作用しても、緩衝材28が外力による衝撃を吸収し、板材12からナット14に伝播される外力が低減され、耐火ボード22に要求される機械的強度を小さくできる。
なお、緩衝材28の挿入場所は、板材12の寸法が小さい場合には、貫通孔25の周壁とナット14の外周面との間にのみ設ける方法でもよい。
また、ネジ30で接合することで、受け金具16及びナット14と耐火ボード12との接合強度が高まり、運搬時や取付け作業時に受け金具16及びナット14が板材12から剥離することを防止できる。
【0049】
図5に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード32は、第1の実施の形態で説明した板材12に、貫通孔31が設けられている。
貫通孔31には、受け金具16が接合されたナット14が挿入されている。また、板材12には、座ぐり33が設けられ、受け金具16が収められている。
【0050】
貫通孔31の周壁とナット14の外周面との間、及び座ぐり33の底面と受け金具16の板面との間には所定の隙間が設けられ、この隙間には機能性材料であるシール部材34が充填されている。
【0051】
シール部材34には、例えばシリコン系充填材、及び熱膨張性耐火充填材を充填する場合や、各成形品を装填する場合もある。熱膨張性耐火材にはゴム材とスポンジ材がある。
シール部材34を、貫通孔31の周壁とナット14の外周面との間、及び座ぐり33の底面と受け金具16の板面との間の隙間に挟んだ状態で、受け金具16と板材12をビス30で接合する。
【0052】
これにより、受け金具16及びナット14から板材12に作用する力を軽減し、耐火ボード32の支持性能を高めることができる。
【0053】
なお、シール部材34の充填場所は、板材12の寸法が小さく、取付けが難しい場合には、貫通孔31の周壁とナット14の外周面の間にのみ設けてもよい。
【0054】
(第3の実施の形態)
図6に示すように、第3の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボード36は、第2の実施の形態におけるカーテンウォール用耐火ボード22の座ぐり23の深さを、更にL3だけ深くした構成である。
【0055】
即ち、板材12には貫通孔21が設けられ、貫通孔21には受け金具16が接合されたナット14が挿入されている。また、板材12には、座ぐり37が設けられ、受け金具16が収められている。
【0056】
座ぐり37は径d3、深さL2で設けられている。座ぐり37には、接着剤24と、接着剤24で固定された受け部材16が収められている。この結果、受け金具16の板面は板材12の表面から、深さL3だけ奥に位置している。
【0057】
座ぐり37は、板材12と同じ材質で形成され、径d3とされた第1化粧板38で塞がれている。
これにより、第1化粧板38で受け部材16を見えなくできるため、カーテンウォール用耐火ボード36の見栄えが良くなる。
【0058】
図7に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード40は、第2の実施の形態における耐火ボード22の座ぐり23の深さを、L3だけ深くすると共に、径も大きくした構成である。
【0059】
即ち、板材12には貫通孔21が設けられ、貫通孔21には受け金具16が接合されたナット14が挿入されている。また、板材12には、座ぐり23(第1座ぐり)と座ぐり48(第2座ぐり)が設けられ、座ぐり23には受け金具16が収められている。
【0060】
座ぐり48は、座ぐり23より浅い位置に設けられ、深さはL3で、座ぐり23の径d3より大きい径d4とされている。
【0061】
座ぐり48は、板材12と同じ材質で、径d4とされた化粧板42(第1化粧板)で塞がれ、受け部材16の板面が見えなくされている。
これにより、カーテンウォール用耐火ボード40の表面の見栄えを良くできる。
【0062】
(第4の実施の形態)
図8(A)に示すように、第4の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボード44は、第1の実施の形態で説明した板材12に、横に並んだ2つの貫通孔18を設けている。
2つの貫通孔18には、第1の実施の形態で説明したナット14が、それぞれ挿入されている。2つのナット14の片方の端面は、いずれも受け金具46に接合されている。
【0063】
受け金具46は、金属の平板で矩形に形成され、角が丸く面取りされている。また、板材12には、2つの貫通孔18を囲んだ座ぐり47が設けられ、受け金具46が収められている。
【0064】
このように、カーテンウォール用耐火ボード44の板材12を2つのナット14で接合しているため、それぞれの接合部に加わる力を小さくできる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード44の支持性能を高めることができる。
【0065】
図8(B)に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード50は、上述のカーテンウォール用耐火ボード44における座ぐり47を化粧板52の厚さ分だけ座ぐり深さを深くし、かつ同一外形寸法分の座ぐり51を追加した構成である。
【0066】
即ち、板材12には2つの貫通孔18が設けられ、貫通孔18に挿入された2つのナット14には、受け金具46が接合されたている。また、板材12には、座ぐり47(第1座ぐり)と座ぐり51(第2座ぐり)が設けられ、座ぐり47には受け金具46が収められている。
【0067】
座ぐり51は、座ぐり47より浅い位置に設けられ、座ぐり47より大きい面積とされている。また、座ぐり51は、板材12と同じ材質で形成された化粧板52(第2化粧板)で塞がれ、受け金具46の板面が見えなくされている。
これにより、カーテンウォール用耐火ボード50の表面の見栄えを良くできる。
【0068】
図9(A)に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード54は、第1の実施の形態で説明した板材12に、横に2つ、2段に並んだ合計4つの貫通孔18を有している。
4つの貫通孔18には、第1の実施の形態で説明したナット14が、それぞれ挿入されている。4つのナット14の片方の端面は、いずれも受け金具56に接合されている。
【0069】
受け金具56は、金属の平板で円盤状に形成されている。また、板材12には、4つの貫通孔18を囲んだ座ぐり57が設けられ、受け金具56が収められている。
【0070】
このように、耐火ボード54の板材12を4つのナットで接合しているため、それぞれの接合部に加わる力を小さくできる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード54の支持性能を高めることができる。
【0071】
また、図9(B)に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード58は、上述の耐火ボード54における座ぐり57を化粧板60の厚さ分だけ座ぐり深さを深くし、かつ同一外形寸法分の座ぐり59を追加した構成である。
【0072】
即ち、板材12には4つの貫通孔18が設けられ、貫通孔18に挿入された4つのナット14には、受け金具56が接合されたている。また、板材12には、座ぐり57(第1座ぐり)と座ぐり59(第2座ぐり)が設けられ、座ぐり57には受け金具56が収められている。
【0073】
座ぐり59は、座ぐり57より浅い位置に設けられ、座ぐり57より大きい面積とされている。また、座ぐり59は、板材12と同じ材質で形成された化粧板60(第1化粧板)で塞がれ、受け金具56の板面が見えなくされている。
これにより、カーテンウォール用耐火ボード58の表面の見栄えを良くできる。
【0074】
図10(A)に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード62は、上述の図9(A)に示す耐火ボード54における受け金具56を、異なる形状の受け金具64とした構成である。
即ち、板材12に、横に2つ、2段に並んだ合計4つの貫通孔18を設けている。4つの貫通孔18には、第1の実施の形態で説明したナット14が、それぞれ挿入されている。4つのナット14の片方の端面は、いずれも受け金具64に接合されている。
【0075】
受け金具64は、金属の平板で矩形に形成され、角部は丸く面取りがされている。また、板材12には、4つの貫通孔18を囲んだ座ぐり65が設けられ、受け金具64が収められている。
【0076】
このように、カーテンウォール用耐火ボード62の板材12を4つのナットで接合するため、それぞれの接合部に加わる力を小さくできる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード62の支持性能を高めることができる。
【0077】
また、図10(B)に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード66は、上述の耐火ボード62における座ぐり65を化粧板68の厚さ分だけ座ぐり深さを深くし、かつ同一外形寸法分の座ぐり67を追加した構成である。
【0078】
即ち、板材12には4つの貫通孔18が設けられ、貫通孔18に挿入された4つのナット14には、受け金具64が接合されたている。板材12には、座ぐり65(第1座ぐり)と座ぐり67(第2座ぐり)が設けられ、座ぐり65には受け金具64が収められている。
【0079】
座ぐり67は、座ぐり65より浅い位置に設けられ、座ぐり65より大きい面積とされている。座ぐり67は、板材12と同じ材質で形成された化粧板68(第1化粧板)で塞がれ、受け部材46の板面が見えなくされている。
これにより、カーテンウォール用耐火ボード66の表面の見栄えを良くできる。
【0080】
また、図11に示すように、他の実施例であるカーテンウォール用耐火ボード70は、第2の実施の形態で説明した耐火ボード22を有している。
【0081】
耐火ボード22の、受け金具16が収められた側の表面には、板材12の全面を覆う第2化粧板72が、接着剤24で接合されている。
このように、第2化粧板72で板材12の全面を覆うことにより、建物の美観を損なうことなく、耐火性能を向上させることができる。
【0082】
(第5の実施の形態)
図12、13に示すように、第5の実施の形態に係る耐火ボード支持構造74は、第1の実施の形態で説明したカーテンウォール用耐火ボード10を有している。
【0083】
カーテンウォール用耐火ボード10は、ナット14の挿入口側を、建物側(矢印Aの方向)に向けて配置され、取付金具78の取付孔79に挿入されたボルト80とナット14を螺合して、支持されている。
【0084】
取付金具78は、金属の平板をL字状に折り曲げて形成され、片方の平板部を横方向に向けて、建物の構造部材であるスラブ76の上面にボルト82で固定されている。
【0085】
取付金具78の縦方向の平板部は板材12に沿って立ち上げられ、先端部には取付孔79が設けられている。取付孔79にはボルト80が挿入され、ナット14と螺合してカーテンウォール用耐火ボード10を支持している。
【0086】
スラブ76の先端76Eとカーテンウォール用耐火ボード10の板材12の間には、幅L4の隙間が生じている。この隙間の下方には、スラブ76の下面から板材12に至る層間塞ぎプレート84が取付けられている。そして、層間塞ぎプレート84の上と、スラブ76の上面に取付けられた取付金具78の間には、隙間を塞ぐロックウール86が充填されている。
【0087】
このように、板材12に予め埋め込まれたナット14を利用して、カーテンウォール用耐火ボード10を取付金具78に直接取付けることができるので、施工現場での作業性が向上する。
【0088】
また、スラブ76に固定された取付金具78で、耐火ボード10を直接支持する構成のため、従来のアルミ枠に挟み込む方法(図示せず)や片面からインサートナットで接合する方法(例えば図17)に比べ、カーテンウォール用耐火ボード10の支持強度を高めることができる。
【0089】
また、カーテンウォール用耐火ボード10に風や地震等の外力が作用しても、受け金具16と取付金具78で、カーテンウォール用耐火ボード10を両側から挟み込んで取付けているため、カーテンウォール用耐火ボード10が受ける外力が分散され、カーテンウォール用耐火ボード10に作用する力を小さくできる。
【0090】
なお、以上の説明は、すべてカーテンウォール用耐火ボード10を用いて行ったが、カーテンウォール用耐火ボード10に限定されるものではなく、第2の実施の形態〜第4の実施の形態で説明したカーテンウォール用耐火ボード22、26、32、36、44、50、54、58、62、66、70のいずれでも、同様の方法で取付けることができ、同様の効果が得られる。
【0091】
図14に示すように、他の実施例である耐火ボード支持構造88は、上述の耐火ボード支持構造74におけるカーテンウォール用耐火ボード10及び取付金具78を有している。
【0092】
即ち、カーテンウォール用耐火ボード10は、ナット14の挿入口側を、建物側(矢印Aの方向)に向けて配置され、取付金具78の取付孔79に挿入されたボルト80とナット14が螺合されている。取付金具78は、躯体側金具90とボルト92で接合され、躯体側金具90は、スラブ76とボルト82で固定されている。
【0093】
躯体側金具90は、金属の平板をL字状に2度折り曲げて形成され、高さの異なる2つの平行な平板部を有している。躯体側金具90の片方の平板部は、横に向けてスラブ76の上面に固定され、他方の平板部は、同じく横に向けて取付金具78と接合されている。
【0094】
これにより、カーテンウォール用耐火ボード10の設置位置を調整(縦方向にV2、横方向にH2)する必要が生じても、躯体側金具90の寸法を変更することで容易に対応できる。
【0095】
(第6の実施の形態)
図15に示すように、第6の実施の形態に係る耐火ボード支持構造94は、第5の実施の形態で説明したカーテンウォール用耐火ボード支持構造74において、カーテンウォール用耐火ボード10と取付金具78との間に、耐火ボード保持部材96を追加した構成である。
【0096】
耐火ボード保持部材96は、金属の平板で形成され、L字状に折り曲げた端部96Lを有している。端部96Lは、カーテンウォール用耐火ボード10の下部端面を下側から保持している。端部96Lは、板材12の厚さT1に相当する幅の水平部を有し、再び先端が立ち上げられ、板材12の両面を挟み込んでいる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード10の横方向(図示のX方向)の移動を抑制できる。
【0097】
耐火ボード保持部材96の立上部は、カーテンウォール用耐火ボード10の板材12に沿って立ち上り、上部には、ボルト80が挿入される取付孔102が設けられている。
【0098】
取付金具78の取付孔79と、耐火ボード保持部材96の取付孔102を重ね、ボルト80を取付孔79と取付孔102に挿入させ、ナット14に螺合させることで、耐火ボード保持部材96でカーテンウォール用耐火ボード10の下端部を保持できる。
【0099】
即ち、カーテンウォール用耐火ボード10を下端部と貫通孔18の2ヶ所で保持するため、カーテンウォール用耐火ボード10の寸法が大きく重い場合であっても、貫通孔18に過度の負担をかけずに、取付けることができる。これにより、カーテンウォール用耐火ボードの支持性能を高めることができる。
【0100】
なお、耐火ボード保持部材96の幅は、カーテンウォール用耐火ボード10の幅と同じにする必要はなく、所定の幅で帯状とする構成でよい。他は、第5の実施の形態と同じ構成である。
【0101】
(第7の実施の形態)
図16に示すように、第7の実施の形態に係る耐火ボード支持構造100は、第6の実施の形態で説明した耐火ボード支持構造94において、カーテンウォール用耐火ボード10の周囲に複数の緩衝材98を挿入した構成でる。
【0102】
緩衝材98は、例えばゴム材を板状に成形したものであり、カーテンウォール用耐火ボード10の下部、側面、ナット14の取付部等の、外部からの荷重を受け易い場所に挿入されている。
なお、耐火ボード保持部材104は、緩衝材98の厚さに合わせて、L字状に折り曲げる折り曲げ位置104Lを変更し、耐火ボード10と緩衝材98を支持できる寸法とされている。
【0103】
これにより、カーテンウォール用耐火ボード10と耐火ボード保持部材104が直接接触するのを防止でき、風や地震等でカーテンウォール用耐火ボード10に振動が生じても、カーテンウォール用耐火ボード10の損傷が防げる。
【0104】
(第8の実施の形態)
図17に示すように、第8の実施の形態に係る耐火ボード支持構造122は、第5の実施の形態で説明した耐火ボード支持構造74において、カーテンウォール用耐火ボード10と取付金具78との間に、耐火ボード保持部材124を追加した構成である。
【0105】
耐火ボード保持部材124は、金属の平板で形成され、L字状に折り曲げた上下の端部124Lを有している。上下の端部124Lは、カーテンウォール用耐火ボード10の背面、上部端面、及び下部端面を外側から保持している。上下の端部124Lは、板材12の厚さT1に相当する幅の水平部を有し、再び先端がカーテンウォール用耐火ボード10の前面側へ折り曲げられ、板材12の両面を挟み込んでいる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード10の横方向(図示のX方向)及び縦方向(図示のY方向)の移動を抑制できる。
【0106】
耐火ボード保持部材124の立上部は、カーテンウォール用耐火ボード10の背面を板材12に沿って立ち上り、耐火ボード保持部材124の背面部には、ボルト80が挿入される取付孔126が設けられている。
【0107】
取付金具78の取付孔79と、耐火ボード保持部材124の取付孔126を重ね、ボルト80を取付孔79と取付孔126に挿入させ、ナット14に螺合させることで、耐火ボード保持部材124でカーテンウォール用耐火ボード10の上端部と下端部を外側から保持できる。
【0108】
即ち、カーテンウォール用耐火ボード10を上端部と下端部と貫通孔18の3ヶ所で保持するため、カーテンウォール用耐火ボード10の寸法が大きく重い場合であっても、貫通孔18に過度の負担をかけずに、取付けることができる。これにより、カーテンウォール用耐火ボード10に作用する力を小さくできる。
【0109】
なお、耐火ボード保持部材124の幅は、カーテンウォール用耐火ボード10の幅と同じにする必要はなく、所定の幅で帯状とする構成でよい。他は、第5の実施の形態と同じ構成である。
【0110】
(第9の実施の形態)
図18に示すように、第9の実施の形態に係る耐火ボード支持構造130は、第8の実施の形態で説明した耐火ボード支持構造122において、カーテンウォール用耐火ボード10の周囲に複数の緩衝材98を挿入した構成でる。
【0111】
緩衝材98は、例えばゴム材を板状に成形したものであり、カーテンウォール用耐火ボード10の下部、前面、後面、更にはナット14の取付部等の、外部からの荷重を受け易い場所に挿入されている。
なお、耐火ボード保持部材132は、緩衝材98の厚さに合わせて、上端部132Lと下端部132LにおけるL字状に折り曲げる折り曲げ位置を変更し、カーテンウォール用耐火ボード10と緩衝材98を支持できる寸法としている。
【0112】
これにより、カーテンウォール用耐火ボード10と耐火ボード保持部材132が直接接触するのを防止でき、風や地震等でカーテンウォール用耐火ボード10に振動が生じても、カーテンウォール用耐火ボード10の損傷が防げる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの基本構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの基本構成を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの基本構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの基本構成を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係るカーテンウォール用耐火ボードの貫通孔位置の局部断面を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の他の基本構成を示す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図18】本発明の第9の実施の形態に係る耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【図19】従来例の耐火ボード支持構造の基本構成を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
10 カーテンウォール用耐火ボード
12 板材
14 ナット
16 受け金具(受け部材)
18 貫通孔
20 座ぐり
24 接着材(機能性材料)
28 緩衝材(機能性材料)
34 シール部材(機能性材料)
38 第1化粧板
42 第2化粧板
48 座ぐり
74 耐火ボード支持構造
76 スラブ(建物構造部材)
78 取付金具
96 耐火ボード保持部材
98 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が設けられた耐火用の板材と、
前記貫通孔に挿入されたナットと、
前記ナットの端面と接合され、前記板材と当接する受け部材と、
を有するカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項2】
前記貫通孔の周壁と、前記ナットの外周面との間に機能性材料を充填した請求項1に記載のカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項3】
前記板材には、前記受け部材を収める座ぐりが設けられている請求項1又は2に記載のカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項4】
前記座ぐりは、前記受け部材を収める第1座ぐりと、前記第1座ぐりより浅い位置に設けられた第2座ぐりとを有し、前記第2座ぐりの径は、前記第1座ぐりと同等、若しくは前記第1座ぐりより大きくされ、
前記第2座ぐりは、第1化粧板で塞がれている請求項3に記載のカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項5】
前記座ぐりは、前記受け部材の板面と前記板材の表面を同一面とする深さとされ、前記板材の全面は第2化粧板で覆われている請求項3に記載のカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項6】
前記カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板である請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーテンウォール用耐火ボード。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐火ボードと、
建物の構造部材に固定された取付金具と、
前記取付金具に形成された取付孔へ挿入され、前記ナットと螺合するボルトと、
を有する耐火ボード支持構造。
【請求項8】
一端に前記カーテンウォール用耐火ボードの下部端面を下側から保持する保持部を備え、他端に前記ボルトが挿入される貫通孔が設けられた耐火ボード保持部材を有し、
前記取付孔へ挿入されたボルトが前記貫通孔を貫通する請求項7に記載の耐火ボード支持構造。
【請求項9】
前記カーテンウォール用耐火ボードの背面を支持すると共に、前記ボルトが挿入される貫通孔が設けられた背面部と、前記背面部の上端部と下端部に形成され、前記カーテンウォール用耐火ボードの上部端面と下部端面を外側から保持する保持部を備えた耐火ボード保持部材を有し、
前記取付孔へ挿入されたボルトが前記貫通孔を貫通する請求項7に記載の耐火ボード支持構造。
【請求項10】
前記耐火ボード保持部材と前記カーテンウォール用耐火ボードの間に緩衝材を設けた請求項8又は9に記載の耐火ボード支持構造。
【請求項11】
前記カーテンウォール用耐火ボードに用いられる耐火用の板材が繊維混入けい酸カルシウム板である請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐火ボード支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−65396(P2010−65396A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230288(P2008−230288)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(000149136)日本インシュレーション株式会社 (19)
【Fターム(参考)】