説明

カーテンウォール

【課題】横目地部の水密位置を面外方向に変更できると共に、横ウインドバリアを斜めの姿勢で取り付けできるようにしたカーテンウォールとする。
【解決手段】下のカーテンウォールユニット1の上枠3の上面3cと、上のカーテンウォールユニット1の下枠4の下面4cとを相対向した平坦面を有するものとし、その下枠4の下面4cの平坦面に横ウインドバリア7aを取り付け、この横ウインドバリア7aを上枠3の上面3cの平坦面に接触して横目地部を水密することで、その横ウインドバリア7aを下枠4の下面に、面外方向の任意に取り付けることができると共に、斜めの姿勢で取り付けできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカーテンウォールユニットで構成されるユニットタイプのカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーテンウォールとしては、上枠と下枠と左右の縦枠を方形に連結した枠体に面材を設けたカーテンウォールユニットを、上下方向及び左右方向に複数配設して建物躯体に取り付けたユニットタイプのカーテンウォールが知られている。
このユニットタイプのカーテンウォールにおいては、左のカーテンウォールユニットの縦枠に取り付けた縦ウインドバリア(水密材)と右のカーテンウォールユニットの縦枠に取り付けた縦ウインドバリア(水密材)を接触することで左右の縦枠の間、つまり縦目地部を水密し、下のカーテンウォールユニットの上枠に取り付けた上横ウインドバリア(水密材)と上のカーテンウォールユニットの下枠に取り付けた下横ウインドバリア(水密材)を接触して下枠と上枠の間、つまり横目地部を水密し、縦ウインドバリアと上下横ウインドバリアを連続している。
例えば、特許文献1に示されるように、上枠に形成した上向きの凹溝に上横ウインドバリアを嵌め込んで取り付け、下枠に形成した下向きの凹溝に下横ウインドバリアを嵌め込んで取り付け、その上横ウインドバリアと下横ウインドバリアを接触して横目地部を水密している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−55034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、上下の横ウインドバリアを凹溝に嵌め込むことで上枠、下枠に取り付けているので、上枠、下枠は凹溝を有する複雑形状で、押し出し用の金型を作製する費用が高くなると共に、上下の横ウインドバリアを用いるため多くの横ウインドバリアを必要とし高価となるので、横目地部を水密するためのコストが高い。
【0005】
しかも、上下の横ウインドバリアの面外方向(上下枠の長手方向と直角な室内外側方向)の位置は、凹溝の位置によって決定され、横目地部を水密する面外方向の位置は一定で、任意に変更できない。
上枠、下枠は押し出し形材を用いているので、凹溝は上下枠の長手方向に沿って上下枠の室内外側端部と平行となるから、上下の横ウインドバリアは上下枠の室内外側端部と平行の姿勢に取り付けられ、斜めの姿勢には取り付けできない。
このために、横ウインドバリアによる横目地部を水密する面外方向の位置を任意に変更できると共に、横ウインドバリアを斜めの姿勢に取り付けできるようにすることが望まれている。
【0006】
すなわち、本出願人等はセットバックした多角部を有する意匠に対応可能なカーテンウォールを開発した。
このカーテンウォールは、複数のカーテンウォールユニットを横方向(左右方向)に180°よりも小さな角度で順次配置した多角横ユニットを上下方向にセットバックして取り付けしたものである。
前述したカーテンウォールにおいては、セットバック量が異なる場合があるため横目地部を水密する面外方向の位置を変更しなければならないため、横ウインドバリアによる横目地部を水密する面外方向の位置を任意に変更できることが必要とされる。
また、前述のカーテンウォールにおいては、下のカーテンウォールユニットの面材の角度と上のカーテンウォールユニットの面材の角度が異なることがある。その場合には左右の縦ウインドバリアの面外方向位置が異なり、その左右の縦ウインドバリアを連続するために横ウインドバリアを下枠に斜めの姿勢で取り付けることになるから、横ウインドバリアを下枠に斜めの姿勢で所定範囲の角度で任意に取り付けできることが必要とされる。
【0007】
本発明の目的は、横目地部の水密位置を面外方向に任意に変更できると共に、下枠に横ウインドバリアを斜めの姿勢で所定範囲の角度で任意に取り付けでき、しかも、横目地部を水密するためのコストを低減できるようにしたカーテンウォールとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカーテンウォールは、下のカーテンウォールユニットの上枠と上のカーテンウォールユニットの下枠との間の横目地部を横ウインドバリアで水密するカーテンウォールであって、
前記上枠の上面と下枠の下面を、相対向した平坦面を有し、
前記下枠の下面に取り付けた横ウインドバリアを上枠の上面の平坦面に接触して上枠と下枠との間の横目地部を水密したことを特徴とするカーテンウォールである。
【0009】
本発明のカーテンウォールにおいては、前記横ウインドバリアを、前記下枠の下面に取り付けたウインドバリア台座を介して取り付けるようにできる。
このようにすれば、下枠の下面に横ウインドバリアをしっかりと容易に取り付けることができる。
【0010】
本発明のカーテンウォールにおいては、前記下枠の上面に左右の縦枠の下端部をそれぞれ固着し、この左右の縦枠に縦ウインドバリアをそれぞれ取り付け、
前記左右の縦ウインドバリアの下端部と前記横ウインドバリアの長手方向両端部をコーナーピースで、それぞれ連結することができる。
このようにすれば、左右の縦枠を面外方向に位置をずらして固着することで、その左右の縦枠に面材を、下枠の室内外側端部に対して斜めに設けることができると共に、その左右の縦枠に設けた左右の縦ウインドバリアと横ウインドバリアをコーナーピースで連続することができる。
【0011】
本発明のカーテンウォールにおいては、前記上枠の上面が、室外側が室内側よりも低くなるような傾斜面で、その上枠の上面に沿って流れた雨水が縦枠から排水されるようにし、
左右のカーテンウォールユニットの上枠間に、例えば、上面が山形状で、縦目地部に沿って流れた雨水が左右の上枠の上面に向けて流れるようにするキャッチパンを設けることができる。
このようにすれば、縦目地部に沿って流れた雨水等を縦枠から排水することができる。
【0012】
本発明のカーテンウォールにおいては、下のカーテンウォールユニットの上枠の室内側部に下連結金具を取り付け、
上のカーテンウォールユニットの下枠の室内側部に上連結金具を取り付け、
該上連結金具と前記下連結金具を連結することで、下のカーテンウォールユニットの上部と上のカーテンウォールユニットの下部を連結することができる。
このようにすれば、上・下連結金具が横目地部に存在しないので、横ウインドバリアの取り付け等が連結手段のために制約を受けることがない。
【0013】
本発明のカーテンウォールは、前記下枠の下面と上枠の上面を面内方向及び面外方向に平行に相対向することが好ましい。
このようにすれば、横ウインドバリアの取付位置が面外方向、あるいは面内方向に変更しても、その横ウインドバリアは上枠の上面に同じように接触して圧縮変形代が同一となるから、優れた水密性が得られる。
【0014】
本発明のカーテンウォールは、前記上枠の左右方向端部に水密性を有するキャッチパン部材を取り付け、
左右のカーテンウォールユニットの上枠に取り付けたキャッチパン部材を接触してキャッチパンとし、
左右の縦枠に取り付けた縦レインバリアの上端部を、前記キャッチパン部材に接触することが好ましい。
このようにすれば、キャッチパン部材により縦レインバリアの上部を上枠の上面まで連続することができ、縦目地部の上部寄りを確実に水密できる。
【0015】
本発明のカーテンウォールの好ましい形態は、上枠と下枠と左右の縦枠を方形に連結した枠体に面材を設けたカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記上枠は、左右の縦枠よりも室内側に張り出した張り出部を有すると共に、室内側寄りの上面は平坦面を有し、
前記下枠は、左右の縦枠よりも室外側に張り出した張り出部を有すると共に、室内側寄りの上面は平坦面を有し、
前記左右の縦枠の下端部を下枠の上面に固着し、
前記下枠の平坦な下面に横ウインドバリアを取り付け、この横ウインドバリアを上枠の平坦な上面に接して横目地部を水密し、
前記左右の縦枠に取り付けた縦レインバリアと前記横レインバリアを連続するようにすることである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、下枠の平坦な下面に取り付けた横ウインドアリアを上枠の平坦な上面に接して横目地部を水密したことにより、その横ウインドバリアを下枠の下面の面外方向の任意の位置に取り付けできると共に、斜めの姿勢で所定範囲の角度で任意に取り付けることもできるので、横目地部の水密位置を面外方向に任意に変更できる。
しかも、上枠の上面、下枠の下面は平坦面であるから、その上枠、下枠の押し出し用の金型を作製する費用が易く、1つの横ウインドバリアを用いれば良いので、横目地部を水密するためのコストが安い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態を示すカーテンウォールの一部概略外観図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】多角部の概略横断面図である。
【図5】カーテンウォールユニットの正面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】セットバック量が最も大きい上枠、下枠部分の断面図である。
【図8】セットバック量が2番目の大きさの上枠、下枠部分の断面図である。
【図9】セットバック量が3番目の大きさの上枠、下枠部分の断面図である。
【図10】セットバック量が最も小さい上枠、下枠部分の断面図である。
【図11】横目地部の詳細を示す図5のD−D拡大断面図である。
【図12】縦目地部の詳細を示す図5のE−E拡大断面図である。
【図13】下枠と横ウインドバリアとウインドバリア台座を分解した底面図である。
【図14】横・縦ウインドバリアの正面図である。
【図15】横・縦ウインドバリアの側面図である。
【図16】上下の面材の角度が異なる部分を示す図5のF−F断面図である。
【図17】左右のカーテンウォールユニットの上部斜視図である。
【図18】キャッチパン部分の雨水の流れを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のカーテンウォールは図1に示すように、2つの直線部a,aを多角部bで連続してある。
前記直線部a、多角部bはカーテンウォールユニット1を左右方向、上下方向に配設したものである。
直線部aは図2に示すように、上下方向に連続するカーテンウォールユニット1が面外方向(室内外側方向)に同一位置である。
多角部bは図3に示すように、上下方向に連続するカーテンウォールユニット1が、下のカーテンウォールユニット1よりも上のカーテンウォールユニット1が面外方向の室内寄りとなるように面外方向に位置がずれている。
つまり、多角部bはカーテンウォールユニット1がセットバックしている。
【0019】
前記多角部bは次のようにしてある。
複数のカーテンウォールユニット1を左右方向に同一高さで多角形状に配設して横ユニット群10とし、その横ユニット群10を上下方向に複数配設してユニット群11とし、そのユニット群11を上下方向に複数配設してある。
例えば、4つの横ユニット群10でユニット群11とし、3つのユニット群11が上下方向に配設してある。
【0020】
前記1つのユニット群11における複数の横ユニット群10の直線部aと連続した切替り部12は、図4に示すように左右方向で同一位置で、ユニット群11毎に切替り部12の位置が左右方向に異なる。
例えば、図4に示すように、最も下のユニット群11の横ユニット群10の左右の切替り部12a間の距離が最も短い値で、中間のユニット群11の横ユニット群10の左右の切替り部12b間の距離が中間の値で、最も上のユニット群11の横ユニット群10の左右の切替り部12c間の距離が最も長い位置である。
前記1つのユニット群11における横ユニット群10を構成するカーテンウォールユニット1の数は同じで、ユニット群11ごとに横ユニット群10を構成するカーテンウォールユニット1の数が異なり、上のユニット群11が多くなっている。
【0021】
前記各ユニット群11の横ユニット群10は、左右中央部を境として左右対称な多角形状とし、左右のカーテンウォールユニット1相互の連結部、つまり縦目地部cを上下方向に一直線としてある。
例えば、最も下のユニット群11の横ユニット群10を、左右中央のカーテンウォールユニット1aを境として左右に3つのカーテンウォールユニット1を配設し、カーテンウォールユニット1の数を7つとする。
中間のユニット群11の横ユニット群10を、左右中央のカーテンウォールユニット1bを境として左右に4つのカーテンウォールユニットを配設し、カーテンウォールユニット1の数を9つとする。
最も上のユニット群11の横ユニット群10を、左右中央のカーテンウォールユニット1cを境として左右に5つのカーテンウォールユニット1を配設し、カーテンウォールユニット1の数を11とする。
前記左右中央のカーテンウォールユニット1a,1b,1cの左右にそれぞれ配設したカーテンウォールユニット1は見付け寸法がそれぞれ異なると共に、角度が異なる。
【0022】
このようであるから、多角部bはほぼ円弧状の外観を示すと共に、縦目地部cが上下方向に一直線状に連続するので、多角部bの見栄えが良い。
なお、図1において多角部bの縦目地部cは上下のユニット群11で左右にずれて図示されておりますが、これは直線部aから見たためで、多角部bの真上から見れば縦目地部cが上下方向に一直線状に連続する。
【0023】
前述したカーテンウォールであれば、2つの直線部aが直線状の平坦面として見え、多角部bが上方に向けて順次小さくなったほぼ円弧状に見えるので、直線状の平坦面と上方に向けて順次小さくなったほぼ円弧状面が連続した外観となる。
したがって、多様な外観の建物とすることができる。
【0024】
前記カーテンウォールユニット1は、図5に示すように、枠体2に面材2aを設けてある。
前記枠体2は、上枠3と下枠4と左右の縦枠5を方形状に連結してある。この実施の形態では、上枠3の下面に縦枠5の上端部を固着すると共に、下枠4の上面に縦枠5の下端部を固着して連結してある。
前記左右の縦枠5間に上中間横材20、下中間横材21を連結し、枠体2内に上枠部22、中間枠部23、下枠部24を形成している。
【0025】
図6に示すように、上枠部22に面材2a、例えばフロートガラス25を設けると共に、バックパネル26を設けて上腰部とする。
中間枠部23に面材2a、例えば複層ガラス27を設けて窓部とする。
下枠部24に面材2a、例えばフロートガラス25を設けると共に、バックパネル26を設けて下腰部とする。
カーテンウォールユニット1は、その枠体2を図示しないファスナーで建物躯体28に固着して取り付ける。
【0026】
前述したように、多角部bのカーテンウォールユニット1はセットバックしているので、図6に示すように、下のカーテンウォールユニット1(面材2a)と上のカーテンウォールユニット(面材2a)が下のカーテンウォールユニット1(面材2a)よりも面外方向の室内寄りに位置している。
【0027】
このために、上枠3、下枠4、縦枠5の見込み寸法が同一であると、下のカーテンウォールユニット1の上枠3の室外側寄りを上のカーテンウォールユニット1の下枠4で覆うことができないと共に、上のカーテンウォールユニット1の下枠の室内側寄りを下のカーテンウォールユニット1の上枠3で覆うことができない。つまり、上枠3と下枠4を面外方向全長に亘って重なり合うことができない。
【0028】
そこで、図6に示すように上枠3を縦枠5よりも室内側に張り出した張り出し部を有する形状とし、上のカーテンウォールユニット1の下枠4の室内側寄りを覆うようにする。つまり、上枠3の見込み寸法は縦枠5の見込み寸法よりも長く、上枠3の室外側寄りに縦枠5が連結してある。
下枠4を縦枠5よりも室外側に張り出した張り出し部を有する形状とし、下のカーテンウォールユニット1の上枠3の室外側寄りを覆うようにする。つまり、下枠4の見込み寸法は縦枠5の見込み寸法寄りも長く、下枠4の室内側寄りに縦枠5が連結してある。
このようにすることで、上枠3と下枠4を面外方向全長に亘って重なり合うようにできる。
【0029】
また、カーテンウォールユニット1のセットバック量が同一で、上下のカーテンウォールユニット1の面外方向の位置ずれ量(面外方向の寸法)が同一であれば上下のカーテンウォールユニット1の上枠3、下枠4の見込み寸法(面外方向の寸法)を同一とすることができる。
しかしながら、前述のセットバック量が異なり、面外方向の位置ずれ量が異なる場合には、上下のカーテンウォールユニット1の上枠3、下枠4の見込み寸法(面外方向の寸法)が同一であると、下のカーテンウォールユニット1の上枠3と上のカーテンウォールユニット1の下枠4を面内方向全長に亘って重なり合うことができないことがある。
この実施の形態では、1つのユニット群11の複数の横ユニット群10は、その直線部aとの切替り部12の左右方向位置は同一で、縦目地部cは上下方向に一直線状に連続しているから、1つの横ユニット10の左右方向に隣接したカーテンウォールユニットの角度が異なり、前述のように面外方向の位置ズレ量が異なる。
【0030】
カーテンウォールユニット1の面外方向の位置ずれに見合う見込み寸法の上枠3、下枠4を用いて下のカーテンウォールユニット1の上枠3と上のカーテンウォールユニット1の下枠4を面外方向全長に亘って重なり合うようにしている。
【0031】
例えば、図7〜図10に示すように、上枠3は、上枠本体30と、見込み寸法の異なる上枠アタッチメント31を備え、その上枠アタッチメント31を上枠本体30の上面に取りつけ、その上枠アタッチメント31を上枠本体30の室内側端部30aよりも面外方向の室内側に張り出し、その上枠アタッチメント31の室内側端部31a(上枠3の室内側端部3a)と上枠本体30の室外側端部30b(上枠3の室外側端部3b)との間が見込み寸法となるようにしてある。縦枠5は上枠本体30と同一見込み寸法で、その上枠本体30の下面に縦枠5の上部が連結してある。
このようであるから、上枠本体30を共通として見込み寸法の異なる上枠アタッチメント31を取り付けることで見込み寸法の異なる上枠3とすることができ、見込み寸法の異なる上枠3を安価に製作することができる。
【0032】
前記上枠本体30は、室外側面材取付部32と室内側バックパネル取付部33を有し、その上面の面外方向中間に上向き凹陥部34を長手方向に連続して有すると共に、その上向き凹陥部34よりも室内寄りに上向き凹部35を長手方向に連続して有している。
前記上枠アタッチメント31は、上枠本体30の上面における上向き凹陥部34よりも室内寄りに取り付けた室外側アタッチメント36と、この室外側アタッチメント36と連続して上枠本体30の上面に取り付けた室内側アタッチメント37を備え、その室外側アタッチメント36を共通とし、見込み寸法の異なる室内側アタッチメント37を取り付けることで見付け寸法の異なる上枠アタッチメント31としている。
【0033】
例えば、図7に示すように、中空形状の室外側部37b、中空形状の中間部37c、鉤形状の室内側部37dにより見込み寸法の最も長い第1の室内側アタッチメント37−1を取り付けることで見込み寸法の最も長い第1の上枠3とする。
図8に示すように、前記第1の室内側アタッチメント37−1の室内側部37dを中間部で切断して除去した見込み寸法が2番目に長い第2の室内側アタッチメント37−2を取り付けることで、見込み寸法が2番目に長い上枠3とする。
図9に示すように、前述の中空形状の室外側部37bと鉤形状の室内側部37dにより見込み寸法が3番目の長さである第3の室内側アタッチメント37−3を取り付けることで、見込み寸法が3番目に長い上枠3とする。
図10に示すように、前述の第3の室内側アタッチメント37−3の室内側部37dを切断して除去し、室内側部37bのみから成り、見込み寸法が最も短い第4の室内側アタッチメント37−4を取り付けることで、見込み寸法が最も短い上枠3とする。
【0034】
このようであるから、2種類の室内側アタッチメント37を用いて4種類の室内側アタッチメント37とすることができ、室内側アタッチメント37を安価に製作することができる。
【0035】
前記室外側アタッチメント36は、図11に示すように、上枠本体30の上向き凹部35を形成する室外側立ち上がり35aに当接して面外方向に位置決めされ、取付片36aを上枠本体30の上面に接すると共に、ビス36bで固着して取り付けてあり、上向き凹部35を閉塞している。
前記第1〜第4の室内側アタッチメント37の室外側部37bは、室外側アタッチメント36の室内側縦面36cに当接して位置決めされ、かつ係止部38で係止され、下面に設けた垂下片37eを上枠本体30の上面に取り付けた立上り片30cにビス37fで固着して取り付けられる。
【0036】
このように、第1〜第4の室内側アタッチメント37の室外側部37bを室外側アタッチメント36、上枠本体30に同一の固着の仕方で取り付けでき、室内側アタッチメント37の取り付けがやり易い。
【0037】
下枠4は、図7〜図10に示すように、室外側部材40に見込み寸法の異なる下枠アタッチメント41を取り付けることで、見込み寸法の異なる下枠4とし、下枠アタッチメント41の室内側端部と縦枠5の室内側端部を面外方向に同一位置として連結している。
このように、見込み寸法の異なる下枠4は、室外側部材40を共通としているから、下枠4の外観が同一で、横ユニット群10、ユニット群11の見栄えが良い。
【0038】
例えば、図7に示すように、室外側部材40に、第1下枠アタッチメント42と第2下枠アタッチメント43で見込み寸法が最も長い第1の下枠アタッチメント41−1を取り付けることで、見込み寸法が最も長い下枠4とする。
図8に示すように、室外側部材40に、第3アタッチメント44と前述の第2アタッチメント43で見込み寸法が2番目に長い第2の下枠アタッチメント41−2を取り付けることで、見込み寸法が2番目に長い下枠4とする。
図9に示すように、室外側部材40に、第4下枠アタッチメント45のみで見込み寸法が3番目に長い第3の下枠アタッチメント41−3を取り付けることで、見込み寸法が3番目に長い下枠4とする。
図10に示すように、室外側部材40に、前述の第4下枠アタッチメント45の一部を切断して除去した見込み寸法が最も短い第4の下枠アタッチメント41−4を取り付けることで、見込み寸法が最も短い下枠4とする。
【0039】
前記各下枠4は各上枠3よりも見込み寸法が長く、その下枠4の室外側端部4aは上枠3の室外側端部3bよりも室外側に張り出し、下枠4の室内側端部4bは上枠3の室内側端部3aよりも室内側に張り出し、下のカーテンウォールユニット1の上枠3を、上のカーテンウォールユニット1の下枠4で覆っている。
【0040】
前記下のカーテンウォールユニット1の上部(上枠3)と上のカーテンウォールユニット1の下部(下枠)は連結手段6で、面内方向(上下・左右)には移動可能で、面外方向には動かないように連結され、上下のカーテンウォールユニット1が層間変位できるようにしてある。
前記連結手段6は、下のカーテンウォールユニット1の上部室内側部、例えば上枠本体30の室内側端部30aに、室内側に向けて取り付けた下連結金具60と、上のカーテンウォールユニット1の下部室内側部、例えば、下枠4の室内側端部4b寄りに、室内側に向けて取り付けた上連結金具61を備え、この下連結金具60と上連結金具61を面内方向(上下・左右)に移動自在で、面外方向には動かないように連結してある。
【0041】
このように、上下のカーテンウォールユニット1を、その室内側部において連結手段6で連結したので、カーテンウォールの施工時に連結手段6を目視することができ、その下連結金具60と上連結金具61を容易かつ確実に連結することができる。
しかも、前述のように見込み寸法が異なる上枠3、下枠4の場合でも連結手段6により上下のカーテンウォールユニット1を容易に連結できる。
さらに、上枠3の上面及び下枠4の下面には連結手段6が存在しないから、後述するように上枠3の上面と下枠4の下面との間(横目地部)を水密する横ウインドバリアの取り付け等が連結手段6で制約を受けることがない。
【0042】
前記下連結金具60は図11に示すように、ブラケット62と連結片63を備え、そのブラケット62の縦片62aを下枠本体30の室内側端部30aにボルト・ナット64で固着し、そのブラケット62の室内側に向かう横片62bに連結片63の横片63aをボルト・ナット65で固着し、その連結片63の縦片63bが上方に向かうようにしてある。
前記上連結金具61は図11に示すように、取付部66と連結片受部67を有し、その取付部66を下枠4(下枠アタッチメント41)の室内側部分にビス68で固着して取り付けることで、連結片受部67が下枠4の室内側端部から室内側に張り出すようにしてある。
この連結片受部67は下向き凹部67aを有し、この下向き凹部67aに連結片63の縦片63bが嵌まり合うようにしている。
【0043】
このようであるから、カーテンウォールの施工時に下のカーテンウォールユニット1を建物躯体に取り付けた後に、上のカーテンウォールユニット1を吊り上げ、その連結片受部67の下向き凹部67aを連結片63の縦片63bに嵌め込むことで上下のカーテンウォールユニット1を連結し、その後に上のカーテンウォールユニット1を建物躯体に取り付けることができる。
【0044】
前述のように、見込み寸法の異なる下枠4の室内側部に上連結金具61を取り付けすると、図7〜図10に示すように、上枠本体30の室内側端部30a(下連結金具60の取付部)から連結片受部67までの距離がそれぞれ異なるので、横片62bの長さが異なるブラケット62を準備し、1つのブラケット62の横片62bの長手方向複数位置に連結片63を取り付けると共に、1つのブラケット62の横片62bに連結片63を向きを変えて取り付けることにより、連結片63の縦片63bを連結片受部67の下向き凹部67aに嵌め込むことができるようにしている。
【0045】
このようにすることで、下連結金具60のブラケット62の種類を少なくすることができる。
【0046】
例えば、図7、図8に示すように横片62bが長いブラケット62と、図9、図10に示すように横片62bが短いブラケット62の2種類のブラケットを準備をする。
見込み寸法が最も長い下枠4の場合には、図7に示すように横片62bが長いブラケット62を上枠本体30に取り付け、その横片62bの室内側寄りに連結片63を取り付け、上枠本体30の室内側端部30aから縦片63bまでの距離を最も長くする。
見込み寸法が2番目に長い下枠4の場合には、図8に示すように横片62bが長いブラケット62を上枠本体30に取り付け、その横片62bの室外側寄りに連結片63を取り付け、上枠本体30の室内側端部30aから縦片63bまでの距離を2番目の長さとする。
前述のように、横片62bに連結片63を取り付ける位置を変更するには、その取付位置に対向してボルト挿通孔をそれぞれ形成したり、ボルト挿通孔を長孔とすれば良い。
【0047】
見込み寸法が3番目に長い下枠4の場合には、図9に示すように横片62bの短いブラケット62を上枠本体30に取り付け、その横片62bに連結片63を、その縦片63bがボルトナット65よりも室内側寄りに位置するように取り付け、上枠本体30の室内側端部30aから縦片63bまでの距離を3番目の長さとする。
見込み寸法が最も短い下枠4の場合には、図10に示すように横片62bの短いブラケット62を上枠本体30に取り付け、その横片62bに連結片63を、その縦片63bがボルト、ナット65よりも室外側に位置するように取り付け、上枠本体30の室内側端部30aから縦片63bまでの距離を最も短くする。
【0048】
前述のようにすることで、横片62bが長い、短い2種類のブラケット62と、同一の連結片63、同一の上連結金具61を用いて4種類の長さの下枠4、上枠3を有するカーテンウォールユニットを連結することができる。
【0049】
前記縦枠5は図12に示すように、その室外側寄りに面材取付部、例えば、面内方向の内側に向けて開口した溝50を有し、この溝50内に面材2aの縦縁部が取り付けてある。
この縦枠5の面内方向の内側面5aと面材2aは平面方向にほぼ90度で、左右のカーテンウォールユニット1の面材2aが所定の角度(図4に示す角度)となるように左右のカーテンウォールユニット1の縦枠5の内側面5aが平行に対して斜めとなるように下枠4(上枠3)に連結してある。
前記縦枠5は、長手方向に連続した複数のビスホール5bを有し、この縦枠5の上端部、下端部を上枠3の下面、下枠4の上面に接し、上枠3、下枠4からビスをビスホール5bに螺合して固着してある。
【0050】
次に、カーテンウォールユニット1間の水密について説明する。
図11に示すように、横目地部は、下枠4の下面4cの室内側寄り(例えば、下枠アタッチメント41の下面)に横ウインドバリア(水密材)7aを取り付ける。
この横ウインドバリア7aの円弧面を上枠3の上面3cの室内側寄り(例えば、上枠アタッチメント31の上面)に押しつけることで、平坦面形状に圧縮変形し、上下のカーテンウォールユニット1の下枠4と上枠3との間、つまり横目地部を水密している。
この横ウインドバリア7aによる水密部は横目地部の室内側寄りである。
【0051】
下枠4の下面4cの室外側寄りに横レインバリア(水密材)8aを設け、この横レインバリ8aを上枠3の上面3cの室外側寄りに接触することで、上下のカーテンウォールユニット1間の横目地部の室外側寄りを水密し、上下のカーテンウォールユニット間の横目地部における室内外側方向の中間部に等圧空間を形成している。
図11においては、下枠4の下面4aの室外側寄りに一対の横レインバリア8aを面外方向に間隔を置いて設け、室内側寄りの横レインバリア8aを上枠アタッチメント31の上面の室外側寄りに接触し、室外側寄りの横レインバリア8aを上枠本体30の上面の室外側寄りに接触している。
【0052】
図12に示すように、縦枠5の室内側寄りに縦ウインドバリア7bを面内方向の外側に向けて取り付け、縦枠5の中間部に縦レインバリア8bを面内方向の外側に向けて設けてある。
左のカーテンウォールユニット1の縦枠5に設けた縦ウインドバリア7b、縦レインバリ8bと、右のカーテンウォールユニット1の縦枠5に設けた縦ウインドバリア7b、縦レインバリア8bがそれぞれ接触することで、左右のカーテンウォールユニット1間の縦目地部の室内側寄りと中間部をそれぞれ水密すると共に、等圧空間を形成している。
【0053】
前記横ウインドバリア7aの取り付けを説明する。
図11に示すように、下枠4の下面4cにおける室内側寄り部分を平坦面とし、この平坦面に横ウインドバリア7aの平坦面を取り付けることで、横ウインドバリア7aの面外方向の取付位置を容易に変更できると共に、下枠4の長手方向に沿って斜めの姿勢、つまり下枠4の室外側端部4a、室内側端部4bと平行ではなく、室外側端部4a、室内側端部4bに対して斜めの姿勢で容易に取り付けることができるようにする。
【0054】
具体的には、図11、図13に示すように下枠4の下面4cに横ウインドバリア7aをウインドバリア台座70を介して取り付ける。
このウインドバリア台座70は長尺の板状で、その表面に横ウインドバリア7aの平坦面を接着等で取り付けるようにすると共に、ウインドバリア台座70の裏面を下枠4の下面4cに固着して取り付けるようにしてある。
例えば、ウインドバリア台座70にビス挿通孔71を長手方向に間隔を置いて複数形成し、下枠4の下面4cにはビス孔72を長手方向に間隔をおいて複数形成する。
そのビス挿通孔71からビス73をビス孔72に螺合してウインドバリア台座70を下枠4の下面4cに取り付け、下横ウインドバリア7aをウインドバリア台座70に接着剤等で取り付ける。
なお、ウインドバリア台座70の裏面と下枠4の下面4cとの間をシール材(シーラー)で水密するようにしても良い。
また、ウインドバリア台座70に突起を設け、この突起を下枠4の下面4cに形成した孔に嵌合して取り付けるようにしても良い。このようにすれば、ウインドバリア台座70に横ウインドバリア7aをあらかじめ取り付けることができる。
【0055】
前述のように横ウインドバリア7aを取り付ける場合は、下枠4の下面4cに複数のビス孔72を、下枠4の室内側端部4bと平行に対して斜めの仮想直線に沿って間隔を置いて形成することで、横ウインドバリア7aを斜めに取り付けることができる。
【0056】
上枠3の上面3cにおける室内側寄り部分を平坦面とし、横ウインドバリア7aの面外方向の取付位置を変更したり、斜めの姿勢で取り付けた場合でも上枠3の上面3cに確実に接触して水密できるようにする。
【0057】
つまり、従来のカーテンウォールユニットにおいては、下枠4の下面4c、上枠3の上面3cに溝を長手方向に連続して有したアルミ押出形材を用い、その各溝に下、上の横ウインドバリアを装着すると共に、その下、上の横ウインドバリアを接触することで水密しているので、前述のように面外方向の取付位置を変更できないし、溝は下枠4、上枠3の室内外側端部と平行であるから、前述のように斜めの姿勢で取り付けることができない。
【0058】
下枠4の下面4cと上枠3の上面3cとの室内側寄りを前述のように水密したので、図7〜図10に示すように見込み寸法の異なる上枠3、下枠4の場合に対応できると共に、後述するように左右の縦ウインドバリア7bの面外方向位置がずれている場合にも左右の縦ウインドバリア7bと横ウインドバリア7aとを連続することができる。
【0059】
下のカーテンウォールユニット1の上部室内側部に取り付けた下連結金具60と、上のカーテンウォールユニットの下部室内側部に取り付けた上連結金具61を連結することで、上下のカーテンウォールユニット1を面内方向に移動可能で面外方向には動かないように連結したので、上枠3aの上面3c、下枠4の下面4cには、下連結金具60、上連結金具61が存在しない。
このために、上枠3の上面3c、下枠4の下面4cを平坦面とすることができると共に、上枠3の上面3cと下枠4の下面4cの上下間隔を、下・上連結金具60,61に制約されずに横ウインドバリア7aの厚さ(高さ寸法)に対応した値とすることができ、下枠4の下面4cに設けた横ウインドバリア7aを上枠3の上面3cに確実に接触して水密することができる。
【0060】
前記下枠4の下面4cと上枠3の上面3cは、面内方向及び面外方向に平行となるように相対向しているので、横ウインドバリア7aの取付位置が面外方向に変更したり、斜めに取り付けた場合でも、その横ウインドバリア7aの圧縮変形代は同一で、優れた水密性が得られる。
【0061】
前記縦ウインドバリア7bは図12に示すように、取付部74と水密部75を有し、その水密部75は筒状の長尺材で、空洞部を有している。縦枠5の室内側寄りに設けた面内方向外側に向かう溝51に取付部74を嵌め込んで取り付けてある。
そして、左右の縦ウインドバリア7bの水密部75同士が接触して水密する。
前記縦レインバリア8bは縦枠5の中間部に設けた面内方向外側に向かう溝52に嵌め込んで取り付けてある。
【0062】
図14、図15にしめすように、横ウインドバリア7aと左右の縦ウインドバリア7bはコーナーピース76で連結されて上向きコ字形状としてある。
このコーナーピース76は一側部76aと他側部76bでL字形状で、その一側部76aは横ウインドバリア7aとほぼ同一の断面形状で、その空洞部に嵌合する一側突起76cを有している。
他側部76bは縦ウインドバリア7bの水密部75とほぼ同一断面形状で、その空洞部に嵌合する他側突起76dを有している。
横ウインドバリア7aの空洞部に前記一側突部76cを嵌合して一側部76aと横ウインドバリア7aを連結している。
前記縦ウインドバリア7bの水密部75の空洞部の長手方向一端に他側突部76dを嵌合して他側部76bと縦ウインドバリア7bを連結し、空洞部の長手方向他端を端部ふさぎ材77で閉塞している。
前記コーナーピース76と横・縦ウインドバリア7a,7bの接合部は熱可塑硬化接着剤で接着してある。
また、横・縦ウインドバリア7a,7bには空洞部に開口したエアー抜き穴78がそれぞれ形成され、コーナーピース76の一側・他側突部76c,76dが空洞部に嵌合した際に空洞部内の空気を排出できるようにしてある。
【0063】
次に、前述したように左右の縦ウインドバリア7bが面外方向に位置がずれ、横ウインドバリア7aが斜めとなることについて説明する。
図4に示すように、1つのユニット群11における上下の横ユニット群10は、カーテンウォールユニット1の数が同一で、セットバックしていると共に、縦目地部が一直線状に連続しているので、下のカーテンウォールユニット1の面材2aの角度と上のカーテンウォールユニット1の面材2aの角度が異なる。
一方、図16に示すように、上のカーテンウォールユニット1の下枠4の室外側端部4aを下のカーテンウォールユニット1の上枠3の室外側端部3bと平行にして外観の見栄えを良くしているので、上のカーテンウォールユニット1の面材2aは、下枠4の室外側端部4aに対して平行ではなく斜めとなる。
このため、左右の縦枠5の面外方向位置がずれることで、縦ウインドバリア7bの面外方向位置がずれ、下枠4に横ウインドバリア7aを斜め(室内側端部4bと平行ではない状態)に取り付けることになる。
【0064】
前述した左右のカーテンウォールユニット1間の縦目地部(左右の縦枠5間の等圧空間)には、縦レインバリア8b等から雨水が浸入することがあるので、その縦目地部に浸入した雨水等を下のカーテンウォールユニット1の縦枠5から排水するようにしている。
例えば、図11、図17に示すように、上枠3の室内寄り部分の上面(上枠アタッチメント31の上面)を、平坦で、水平に対して室外側が室内側より低くなるような傾斜面とすると共に、その左右の上枠3の室内寄り部分の長手方向端部間に、上面が山形状のキャッチパン9を設ける。
このようにすることで、図18に示すように、上のカーテンウォールユニット1の縦目地部に浸入した雨水等がキャッチパン9の上面9aに流れ落ち、そのキャッチパン9の上面9aに沿って左右の上枠3の室内側部の上面に向けて流れ、その上枠3の室内側部の上面に沿って流れて縦枠5から排水される。
【0065】
前記キャッチパン9について詳細に説明する。
前記上枠アタッチメント31の長手方向端面にプレート38を長手方向全長に亘って取り付け、このプレート38で上枠アタッチメント31の中空部を閉塞してキャッチパン部材90の取付面を形成すると共に、プレート38の上端部が上枠アタッチメント31の上面よりも上方に突出して支持突部38aとしてある。
前記キャッチパン9は、一対のキャッチパン部材90より成る。
このキャッチパン部材90は、基部91と、この基部91の上部に一体に設けた庇部92を有し、その庇部92の上面92aが傾斜面で、下面には基部91の側面と連続した凹部93が形成してある。
このキャッチパン部材90は、上枠アタッチメント31の長手方向端面に、基部91の側面がプレート38に接し、凹部93が支持突部38aに嵌まり合い、庇部92が上枠アタッチメント31の上面に接するように取り付けられる。
【0066】
左右のカーテンウォールユニット1の上枠アタッチメント31に取り付けたキャッチパン部材90を接することで、一対の庇部92の上面92aが山形状となる。
前記キャッチパン部材90の庇部92の室内寄り部分は除去され、図11に示すように横ウインドバリア7aが上枠アタッチメントの31の上面に接するようにしてある。
【0067】
前記上枠アタッチメント31の上面に沿って流れた雨水は上枠本体30の凹陥部34に流れ落ち、その凹陥部34に沿って流れ、縦枠5から排水される。
【0068】
前記キャッチパン9を構成するキャッチパン部材90は軟質の弾性材、例えばSRスポンジ製で、水密性を有しているから、左右の上枠アタッチメント31のキャッチパン取り付け部分を水密できる。
しかも、キャッチパン部材90は室外側アタッチメント36と同一見込み寸法の室外側部材95と室内側部材96に分割され、その室内側部材96の室外寄りを切断することでキャッチパン部材90の長さを調整できるので、図7〜図10に示すように見込み寸法の異なる上枠アタッチメント31に対応した長さのキャッチパン部材90とすることができる。
【0069】
前記縦枠5に取り付けた縦ウインドバリア7bの上端部はキャッチパン部材90の下面に接触し、この縦ウインドバリア7bを上枠3の上面3cまで連続している。
このようであるから、縦目地部の上部寄りを確実に水密することができる。
【0070】
前記横ウインドバリア7aはキャッチパン部材90の室内側寄りの上面に接触し、下のカーテンウォールユニット間の縦目地部の縦ウインドバリア7bによる水密部と横目地部の横ウインドバリア7aによる水密部がキャッチパン部材90で連続している。
このようであるから、セットバックしている下のカーテンウォールユニット間の縦目地部の水密部と上のカーテンウォールユニット間の縦目地部の水密部を横目地部の水密部とキャッチパン9で連続することができる。
【0071】
図18に示すように、下枠4の長手方向端面の室内外側方向の中間部、例えば下枠アタッチメント41の室外側端部から縦レインバリア8bよりも若干室内寄りまでに亘ってプレート100が取り付けてあり、このプレート100にレインバリア101(水密材)が取り付けてある。
左右のカーテンウォールユニット1の下枠4に取り付けたレインバリア101を図12に示すように接して左右の下枠4の室内外側方向の中間部を水密している。
前記レインバリア101は縦枠5に取り付けた縦レインバリア8bと接触している。
【符号の説明】
【0072】
1…カーテンウォールユニット、2…枠体、2a…面材、3…上枠、3c…上面、4…下枠、4c…下面、5…縦枠、6…連結手段、7a…横ウインドバリア、7b…縦ウインドバリア、8a…横レインバリア、8b…縦レインバリア、9…キャッチパン、9a…上面、60…下連結金具、61…上連結金具、70…ウインドバリア台座、90…キャッチパン部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下のカーテンウォールユニットの上枠と上のカーテンウォールユニットの下枠との間の横目地部を横ウインドバリアで水密するカーテンウォールであって、
前記上枠の上面と下枠の下面を、相対向した平坦面を有し、
前記下枠の下面に取り付けた横ウインドバリアを上枠の上面の平坦面に接触して上枠と下枠との間の横目地部を水密したことを特徴とするカーテンウォール。
【請求項2】
前記横ウインドバリアを、前記下枠の下面に取り付けたウインドバリア台座を介して取り付けるようにした請求項1記載のカーテンウォール。
【請求項3】
前記下枠の上面に左右の縦枠の下端部をそれぞれ固着し、この左右の縦枠に縦ウインドバリアをそれぞれ取り付け、
該左右の縦ウインドバリアの下端部と前記横ウインドバリアの長手方向両端部をコーナーピースで、それぞれ連結した請求項1又は2記載のカーテンウォール。
【請求項4】
前記上枠の上面が、室外側が室内側よりも低くなるような傾斜面で、その上枠の上面に沿って流れた雨水が縦枠から排水されるようにし、
左右のカーテンウォールユニットの上枠間に、雨水が左右の上枠の上面に向けて流れるようにするキャッチパンを設けた請求項1〜3いずれか1項記載のカーテンウォール。
【請求項5】
下のカーテンウォールユニットの上枠の室内側部に下連結金具を取り付け、
上のカーテンウォールユニットの下枠の室内側部に上連結金具を取り付け、
該上連結金具と前記下連結金具を連結することで、下のカーテンウォールユニットの上部と上のカーテンウォールユニットの下部を連結した請求項1〜4いずれか1項記載のカーテンウォール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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