説明

カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法

【解決手段】(A)1分子中に2以上のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に2以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)付加反応触媒、
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、
(E)アセチルアセトン、
(F)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物、
(G)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物から選ばれる有機金属化合物
を含有してなるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
【効果】本発明の組成物は、エアーバッグ用基布に対する接着性に優れ、該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を基材の表面に形成させてなるカーテンエアーバッグは、インフレーターガスの洩れを抑え、膨脹時間の持続性を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物に関し、更に詳述すると、6,6ナイロン、6ナイロン、ポリエステル等の繊維布にシリコーンのゴムコーティング膜を形成した車両等のエアーバッグ、特に運転席や助手席に装着されるエアーバッグとは異なり、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐためにエアーバッグの一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに有効な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物並びに該組成物の硬化物によるゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンエアーバッグは、側面衝突時における搭乗者への衝撃緩和又は車両横転時に搭乗者が車外に放り出されないための最も新しいエアーバッグシステムとして開発されたものである。このカーテンエアーバッグは、展開時、インフレーション剤の爆発により発生するガス圧(内圧)を一定時間以上保持する必要があり、従来のコーティング剤より、より接着性の優れたコーティング剤が要求さている。
【0003】
繊維表面へゴム被膜を形成することを目的としたエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物としては、以下のものが知られている。
【0004】
例えば、特開平5−25435号公報(特許文献1)では、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物を、特開平5−98579号公報(特許文献2)では、イソシアネート基を有する有機ケイ素化合物をそれぞれ接着性成分としたコーティング組成物が開示されている。特開平5−214295号公報(特許文献3)では、付加硬化型組成物に無機質充填剤とシロキサンレジン、エポキシ基含有ケイ素化合物を添加してなる、基布に対する接着性に優れるエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物が開示されている。特開2002−138249号公報(特許文献4)には、付加硬化型組成物に無機質充填剤、シロキサンレジン、有機チタン化合物及びアルキルシリケートを添加してなる、短時間の加熱硬化で基布に対する接着性に優れた硬化物が得られるエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物が開示されている。
【0005】
しかし、これら組成物は、カーテンエアーバッグ用途に使用した場合に、いずれもエアーバッグ用基布に対する接着性を充分満足するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平5−25435号公報
【特許文献2】特開平5−98579号公報
【特許文献3】特開平5−214295号公報
【特許文献4】特開2002−138249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、エアーバッグ用基布に対する接着性に優れる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、並びに該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を基材の少なくとも一方の表面に形成させてなるカーテンエアーバッグ及び該カーテンエアーバッグの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒、好ましくは(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、(E)アセチルアセトン、(F)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物、及び(G)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物又は有機アルミニウム化合物をそれぞれ特定量含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を、カーテンエアーバッグのゴムコーティング層に使用した場合、該コーティング層がエアーバッグ用基布に対する接着性に優れるために、インフレーターガスの洩れを抑え、カーテンエアーバッグの膨脹を一定時間維持できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記に示す液状シリコーンゴムコーティング剤組成物並びにカーテンエアーバッグ及びその製造方法を提供する。
〔1〕 (A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成
分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
(C)付加反応触媒: 有効量、
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 0〜50質量部、
(E)アセチルアセトン: 0.05〜1質量部、
(F)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物: 0.1〜10質量部、
(G)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる有機金属化合物: 0.01〜5質量部
を含有してなることを特徴とするカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
〔2〕 繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に、〔1〕記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層が形成されてなるカーテンエアーバッグ。
〔3〕 繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に、〔1〕記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、硬化させることにより、該基材の少なくとも一方の表面にシリコーンゴムコーティング層を形成させることを特徴とするカーテンエアーバッグの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エアーバッグ用基布に対する接着性に優れた液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が得られ、該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を基材の少なくとも一方の表面に形成させてなるカーテンエアーバッグは、インフレーターガスの洩れを抑え、膨脹時間の持続性を満足するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤(ベースポリマー)であって、1分子中に2個以上(通常、2〜50個)、好ましくは2〜20個程度のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するものであり、好ましくは下記平均組成式(1)で示されるものが用いられる。
aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
【0012】
(A)成分(式(1)のR)中のケイ素原子に結合したアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の、通常、炭素数2〜8、好ましくは2〜4程度のものが挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。
【0013】
(A)成分のポリシロキサン骨格中におけるアルケニル基が結合するケイ素原子の位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖途中(分子鎖非末端)が挙げられるが、(A)成分としては、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0014】
なお、(A)成分中のアルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合した一価の有機基(即ち、上記平均組成式(1)において、Rで示される非置換又は置換の一価炭化水素基)全体に対して0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%程度であることが好ましい。
【0015】
(A)成分(式(1)のR)のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などの、通常、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜10程度の、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
【0016】
このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状が挙げられるが、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい(なお、ここでのオルガノ基にはアルケニル基も包含し得る。)。
【0017】
(A)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱い作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる(以下、同様。)。
【0018】
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、式:R13SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R122SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R13SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R122SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R122SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。
【0019】
上記式中のR1はアルケニル基以外の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。また、上記式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基などが挙げられる。(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1種単独で又は2種以上を併用することができる。
【0020】
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiHで表されるヒドロシリル基)を有する必要があり、通常、2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のSiH基を有することが望ましい。
【0021】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
3bcSiO(4-b-c)/2 (2)
【0022】
上記式(2)中、R3は、脂肪族不飽和結合を除く、好ましくは炭素数1〜10の、ケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基であり、このR3における非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。R3の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくは、bは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
【0023】
1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は通常2〜300個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜150個程度のものが望ましく、25℃における粘度が、通常、0.1〜1,000mPa・s、好ましくは、0.5〜500mPa・s程度の、室温(25℃)で液状のものが使用される。
【0024】
このような(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサンや、これらの各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換されたもの、式:R33SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R32HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R32HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R3HSiOで示されるシロキサン単位と式:R3SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。上記式中のR3はアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
【0025】
(B)成分の配合量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モル(又は個)に対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1〜10モル(又は個)、特には1〜5モル(又は個)の範囲内となる量であることが好ましい。(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が1モル未満であると、組成物は十分に硬化せず、また、これが10モルを超えると、得られるシリコーンゴムの耐熱性が極端に劣る。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で又は2種以上を併用することができる。
【0026】
(C)成分の付加反応触媒としては、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。例えば、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属又はこれらの化合物が使用されるが、特に好ましくは白金系化合物である。
【0027】
付加反応触媒の配合量は有効量(いわゆる触媒量)であるが、通常、(A),(B)成分の合計質量に対して触媒金属元素の質量として0.5〜1,000ppmの割合であればよく、1〜500ppmの割合であることが好ましく、より好ましくは10〜100ppmの範囲である。配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しない場合があり、配合量が多すぎると、コスト的に高いものとなり、不経済となる。
【0028】
必要に応じて任意的に本発明に用いられる(D)成分の微粉末シリカは、補強剤として作用する。即ち、本発明の組成物に高引裂き性を付与するもので、微粉末シリカを補強剤として使用することにより、本発明に必要な引裂き強度特性を満足するコーティング膜を形成することが可能となる。かかる微粉末シリカは、比表面積(BET法)が50m2/g以上、好ましくは50〜400m2/g、特に好ましくは100〜300m2/gであることが必要であり、比表面積が50m2/g未満では、満足するような引裂き強度特性を付与することができない。
【0029】
本発明において、このような微粉末シリカとしては、比表面積が上記範囲内であることを条件として、従来からシリコーンゴムの補強性充填剤として使用されている公知のものでよく、例えば、煙霧質シリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
このような微粉末シリカはそのまま使用してもよいが、本発明組成物に良好な流動性を付与するため、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のメチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザンなどの有機ケイ素化合物で処理したものを使用することが好ましい。
【0031】
必要に応じて任意的に本発明に用いられる(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して50質量部以下(即ち、0〜50質量部)であり、通常は0.1〜50質量部、好ましくは1〜50質量部であり、特に5〜40質量部とすることが好ましい。配合量が少なすぎると、本発明に必要な引裂き強度が得られない場合があり、配合量が多すぎると、組成物の流動性が低下してコーティング作業が悪くなる。
【0032】
本発明に用いられる(E)成分のアセチルアセトンは、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、あるいは熱可塑性樹脂シート状又はフィルム状基材等に対する接着性を向上させるために用いられる本発明の特徴をなす成分である。尚、(E)成分としてのアセチルアセトンは、組成物中において、それ自体単体として自由に存在するものである点において、後述する縮合触媒である(G)成分の有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物中において、配位子として該金属原子に配位しているアセチルアセトナトとは別異のものである。
【0033】
(E)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜1質量部であり、これは、(E)成分の添加量が0.05質量部未満であると、得られた組成物がエアーバッグ基布に対して自己接着性に劣り、また1質量部を超えてもその効果はない。
【0034】
(F)成分は、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物であり、これは1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物であれば、いかなる有機ケイ素化合物でも使用できるが、接着発現性の観点からは、少なくとも1個のエポキシ基と少なくとも2個のケイ素原子結合アルコキシ基とを有する、例えばシラン、ケイ素原子数が2〜30個、好ましくは4〜20個程度の、環状又は直鎖状のシロキサン等の有機ケイ素化合物であることが好ましい。
【0035】
このエポキシ基としては、グリシドキシプロピル基等のグリシドキシアルキル基、2,3−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等のエポキシ基含有シクロヘキシルアルキル基等の形でケイ素原子に結合していることが好ましく、また、ケイ素原子結合アルコキシ基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基等が好ましい。
【0036】
また、(F)成分は、1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基以外の官能性基として、例えば、ビニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロキシ基、ヒドロシリル基(SiH基)から選択される少なくとも1種の官能基を有するものであってもよい。
【0037】
このような(F)成分の有機ケイ素化合物としては、下記の化学式で例示される有機ケイ素化合物、これらの2種以上の混合物、あるいはこれらの1種もしくは2種以上の部分加水分解縮合物等が例示される。
【0038】
【化1】

(式中、nは1〜10の整数、mは0〜100の整数、好ましくは0〜20の整数、pは1〜100の整数、好ましくは1〜20の整数、qは1〜10の整数である。)
【0039】
(F)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。0.1質量部未満であると自己接着性を示さず、10質量部を超えると硬化物の物性が低下する。
【0040】
(G)成分は有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる有機金属化合物であり、接着促進のための縮合助触媒的に作用するものである。このような(G)成分としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、テトラアセチルアセテートチタン等の有機チタンキレート化合物等のチタン系縮合助触媒;ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート;ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド、ジルコニウムアセチルアセトネート(2−エチルヘキサノエート)オキサイド等のオキソジルコニウム化合物等のジルコニウム系縮合助触媒;アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)等のアルミニウムアルコレート;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物;ヒドロキシアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)等のアルミニウムアシロキシ化合物等のアルミニウム系縮合触媒を例示することができる。
【0041】
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部の範囲である。0.01質量部未満であると、接着性や気密性が低下する。5質量部を超えると硬化物の耐熱性が低下する。
【0042】
本発明の組成物において、上記の(A)〜(G)成分以外の任意の成分として、付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物とされている従来公知の制御剤化合物はすべて使用することができる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物、トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物、硫黄含有化合物、アセチレン系化合物、アルケニル基を2個以上含む化合物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体などが例示される。制御剤化合物による硬化遅延効果の度合は、制御剤化合物の化学構造によって大きく異なるため、制御剤化合物の添加量は、使用する制御剤化合物の個々について最適な量に調整することが好ましく、一般には、その添加量が少なすぎると室温での長期貯蔵安定性が得られない場合があり、逆に多すぎるとかえって硬化が阻害されるおそれがある。
【0043】
また、その他の任意の成分としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤等が挙げられる。また、シリコーンゴムパウダーやシリコーンレジンパウダーなども挙げられる。
【0044】
更に、この組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、その他任意の成分として、例えば、ケイ素原子結合水素原子及びアルケニル基を含有しない無官能性のオルガノポリシロキサン、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤などを配合することができる。
【0045】
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより調製することができるものであり、組成物全体の粘度は特に制限されるものではないが、通常、25℃において10〜400Pa・s、好ましくは30〜300Pa・s、より好ましくは50〜200Pa・sのものが使用できる。
【0046】
このようにして得られる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、エアーバッグ用基布に対する接着性に優れるため、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐためにエアーバッグの一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに好適なものである。
【0047】
本発明において、上記組成物によるシリコーンゴムのコーティング層が形成されるエアーバッグ、特にはカーテンエアーバッグとしては、公知の構成のものが用いられ、具体的には、6,6ナイロン、6ナイロン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、各種ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維などの各種合成繊維の織生地を基布とする、内面にゴムコーティングされた2枚の平織り基布の外周部同士を接着剤で張り合わせ、かつその接着剤層を縫い合わせて作製されるタイプ(以後、平織りタイプと略す。)、織りにより袋部を形成した袋織りタイプのエアーバッグが挙げられる。
【0048】
上記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を、繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面、特には一方の表面に塗布し、熱風乾燥炉に入れて加熱硬化させ、シリコーンゴムコーティング層を形成することにより、カーテンエアーバッグ用シリコーンゴムコーティング基布とすることができる。
【0049】
ここで、繊維布からなる基材としては、上述した各種合成繊維の織生地を基布とする基材が挙げられる。また、上記組成物をコーティングする方法としては、常法を採用することができるが、コーティング層の厚さ(又は表面塗布量)は、例えば10〜150g/m2、好ましくは15〜80g/m2、より好ましくは20〜60g/m2程度とすることが望ましい。
【0050】
また、上記コーティング剤組成物の硬化方法、条件としては、公知の硬化方法、条件を採用することができ、通常、120〜180℃において1〜10分の硬化条件とすることができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において粘度は回転粘度計により測定した値を示す。
【0052】
[実施例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシロキサン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるヒュームドシリカ(Aerosil300、日本アエロジル(株)製)40質量部をニーダー中に投入し、1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。
この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、主鎖中にビニルメチルシロキサン単位を5モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖のジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(I)を得た。
【0053】
このベースコンパウンド(I)の64質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、主鎖中にビニルメチルシロキサン単位を0.18モル%含有し、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン8質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン23質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100,000mPa・sのジメチルポリシロキサン35質量部、25℃における粘度が10mPa・sの分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.82質量%)3質量部、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン0.14質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.07質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25質量部、アセチルアセトン0.2質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.68質量部、ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド0.18質量部を混合して組成物Aを調製した。
【0054】
組成物Aを、ナイロン66繊維織物にコーティングし(80g/m2)、オーブン中で170℃にて1分間加熱して硬化させた。得られたコート布についてスコットもみ試験による接着性の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0055】
<スコットもみ試験>
スコットもみ試験はスコットもみ試験機を使用して行った。上記のコート布に対して、押圧力4kgfで500回のもみ試験を行った後、シリコーンゴムコーティング薄膜の基布からの剥離状態を肉眼で確認した。評価は下記の基準で行った。結果を表1に示す。
合格:基布からのコーティング膜の剥離がない場合を合格とした。
不合格:基布からのコーティング膜の剥離がある場合を不合格とした。
【0056】
[実施例2]
実施例1で使用した、ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド0.18質量部に替わり、ジルコニウムテトラプロピレート0.19質量部を使用した以外は実施例1に従って組成物Bを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0057】
[実施例3]
実施例1で使用した、ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド0.18質量部に替わり、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.1質量部を使用した以外は実施例1に従って組成物Cを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0058】
[実施例4]
実施例1で使用した、ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド0.18質量部に替わり、ヒドロキシアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)0.15質量部を使用した以外は実施例1に従って組成物Dを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0059】
[比較例1]
アセチルアセトンを使用しなかった以外は、実施例1に従って組成物Eを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0060】
[比較例2]
アセチルアセトンを使用しなかった以外は、実施例2に従って組成物Fを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0061】
[比較例3]
アセチルアセトンを使用しなかった以外は、実施例3に従って組成物Gを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0062】
[比較例4]
アセチルアセトンを使用しなかった以外は、実施例4に従って組成物Hを調製した。
実施例1と同じ評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0063】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
本成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成
分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり1〜10個となる量、
(C)付加反応触媒: 有効量、
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 0〜50質量部、
(E)アセチルアセトン: 0.05〜1質量部、
(F)1分子中にエポキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基とを有する有機ケイ素化合物: 0.1〜10質量部、
(G)有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から選ばれる有機金属化合物: 0.01〜5質量部
を含有してなることを特徴とするカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
【請求項2】
繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に、請求項1記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層が形成されてなるカーテンエアーバッグ。
【請求項3】
繊維布からなる基材の少なくとも一方の表面に、請求項1記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、硬化させることにより、該基材の少なくとも一方の表面にシリコーンゴムコーティング層を形成させることを特徴とするカーテンエアーバッグの製造方法。

【公開番号】特開2009−221633(P2009−221633A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68794(P2008−68794)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】