説明

カーテンレール構造

【課題】壁等に取付けられたブラケットに天板を取付けることにより、天板が安定した状態でブラケットにより支持される。また天板をブラケットにビスを用いずにクリップを介して直接取付けることにより、天板のブラケットへの取付工数を低減する。
【解決手段】1本又は2本以上のレール本体11,12が水平に延びて設けられ、レール本体11,12がブラケット14を介して壁13に取付けられる。レール本体11,12及びブラケット14の上面を覆う天板23がレール本体11,12に沿って延びて設けられる。この天板23はブラケット14に取付けられる。具体的には、天板23はブラケット14の側面にクリップ24を介して直接取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁又は窓枠にブラケットを介して1本又は2本以上のレール本体の上面を覆う天板の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カーテンレール本体の両端部に左右一対の支持部材が嵌合状態で着脱可能に取付けられ、これら支持部材間に保護カバーがカーテンレール本体の上面を覆うように支持されて取付けられるカーテンレールの保護装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このカーテンレールの保護装置では、レースカーテン用ガイドレールと遮光カーテン用ガイドレールとで構成されたカーテンレール本体が、その長手方向に沿って適宜の間隔をあけて設けられた複数個のブラケットとビスにて互いに平行に挟持状態で配設されるとともに、これらのブラケットの取付端部を窓枠の室内側上辺部に木ネジにてネジ止めすることにより取付けられる。また支持部材には、レースカーテン用ガイドレールの両開口端部と遮光カーテン用ガイドレールの両開口端部とにそれぞれ嵌合される一対の嵌合突起と、保護カバーの両端部が嵌合支持される嵌合溝とが形成される。更に各ガイドレールの開口端部に支持部材の嵌合突起が嵌合され、この嵌合突起がビスにより押え板を介して各ガイドレールに挟着状態で着脱可能に固定される。
【0003】
このように構成されたカーテンレールの保護装置では、保護カバーのカーテンレールへの取付けが簡便にかつ容易に行うことができるとともに、カーテンレールの露出や、カーテンレールに吊り下げられるカーテンの上端部への埃や塵等の付着などを防止でき、また保護カバーのデザインや着色などに工夫を施すことにより、室内の見栄えを向上できるようになっている。
【0004】
一方、窓部に近い後のカーテンレールと窓部から遠い前のカーテンレールとが窓部に沿って平行に配設され、これらのカーテンレールに対して着脱可能の取付具を介してカバー部材が取付けられることにより、カーテンボックスが構成されるカーテンボックス装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このカーテンボックス装置では、取付具が、後のカーテンレールに嵌着される後の取付部材と、前のカーテンレールに嵌着される前の取付部材とを備える。これらの取付部材は、カーテンレールを前後から弾性的に挟持し得る挟持片が下方に向けて突設され、前後の挟持片が弾性的に拡がった後に元の形状に戻ることによって、カーテンレールにその上側から弾性的に嵌着されたり、或いはカーテンレールから取外されるように構成される。また前後の挟持部材は、窓部から離れる方向に突出する連結片で連結されるとともに、後の取付部材の上面部に後の下係合部が設けられ、連結片の前端側の上面部に前の下係合部が設けられる。更にカバー部材は、両カーテンレールの上側を覆う上カバー片と、その前端に垂下されてカーテンレールを前側から覆う前カバー片とを備える。上カバー片の下面部には、後の下係合部と係脱可能な後の上係合部と、前の下係合部と係脱可能な前の上係合部とが設けられる。なお、前後のカーテンレールはブラケットを介して窓部側の上部の壁面に取付けられる。
【0005】
このように構成されたカーテンボックス装置では、前後の取付部材を前後のカーテンレールにその上側から押込んで弾性的に嵌着させるとともに、前後の取付部材にカバー部材を係合手段により上側から取付ける構成を採用している。この結果、弾性的な嵌着手段や係合手段によって前後の挟持部材やカバー部材を取付けることができるので、既設のカーテンレールを取外さずに、そのまま後付けによって、カーテンボックス装置を簡易に構成できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実願平5−13925号(実開平7−43580号公報)の明細書及び図面(請求項1、段落[0007]、[0012]、[0014]、[0018]、図1〜図4)
【特許文献2】特開2001−340209号公報(請求項1、段落[0015]、[0034]、図1及び図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたカーテンレールの保護装置では、カーテンレール本体の両端部に左右一対の支持部材を着脱可能に取付け、これら支持部材間に保護カバーをカーテンレール本体の上面を覆うように支持して取付けているため、支持部材がカーテンレールを窓枠に取付けるブラケットから離れた位置でカーテンレールの端部に取付けられると、保護カバーの支持部材による支持が不安定になるおそれがある。また、上記従来の特許文献2に示されたカーテンボックス装置では、前後の取付部材を前後のカーテンレールにその上側から押込んで弾性的に嵌着させるとともに、前後の取付部材にカバー部材を係合手段により上側から取付けているため、前後の取付部材が前後のカーテンレールを壁面に取付けるブラケットから離れた位置でカーテンレールに嵌着させると、カバー部材の前後の取付部材による支持が不安定になるおそれがある。
【0008】
一方、上記従来の特許文献1に示されたカーテンレールの保護装置では、各ガイドレールの開口端部に支持部材の嵌合突起を嵌合し、この嵌合突起をビスにより押え板を介して各ガイドレールに挟着状態で固定するとともに、保護カバーの両端を支持部材の嵌合溝に挿入するので、保護カバーのカーテンレールへの組付作業に比較的多くの時間を要する問題点もあった。また、上記従来の特許文献2に示されたカーテンボックス装置では、カバー部材の上カバー片の下面部に設けた後の上係合部を、後の取付部材の上面部に設けた後の下係合部と係合させ、カバー部材の上カバー片の下面部に設けた前の上係合部を、連結片の前端側の上面部に設けた前の下係合部と係合させるため、カバー部材がカーテンレールから比較的離れた上方に位置する。このため、カーテンレールを天井に接近した状態で壁面に取付けると、カバー部材の組付スペースを確保できない問題点もあった。
【0009】
本発明の第1の目的は、壁等に取付けられたブラケットに天板を取付けることにより、天板が安定した状態でブラケットにより支持される、カーテンレール構造を提供することにある。本発明の第2の目的は、天板をブラケットにビスを用いずにクリップを介して直接取付けることにより、天板のブラケットへの取付工数を低減できる、カーテンレール構造を提供することにある。本発明の第3の目的は、天板をブラケットの側面にクリップを介して取付けることにより、レール本体を天井に接近した状態で壁等に取付けても、天板の組付スペースを確保できる、カーテンレール構造を提供することにある。本発明の第4の目的は、クリップを側片の高さの異なる2種類のブラケットに適用でき、これにより部品の共通化を図ることができる、カーテンレール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点は、図1に示すように、水平に延びて設けられる1本又は2本以上のレール本体11,12と、レール本体11,12を壁13又は窓枠に取付けるブラケット14と、レール本体11,12に沿って延びて設けられレール本体11,12及びブラケット14の上面を覆う天板23とを備えたカーテンレール構造において、天板23がブラケット14に取付けられたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、天板23がブラケット14の側面にクリップ24を介して直接取付けられたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図1〜図4に示すように、天板23の下面にこの天板23の長手方向に延びかつ互いに対向する一対の凹溝23a,23aが形成され、ブラケット14が、上片18aと、この上片18aの側縁に垂設された側片18bとを有し、クリップ24が、天板23の一対の凹溝23a,23aにそれぞれ係止可能な一対の天板係止爪24c,24cと、側片18bの下端に係止可能な側片係止爪24dとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に図1〜図4に示すように、クリップ24が、一対の腕部24a,24aと、これらの腕部24a,24aの一端を連結する連結部24bとを更に有し、一対の天板係止爪24c,24cが一対の腕部24a,24aの他端に互いに離れる方向にそれぞれ突設され、側片係止爪24dが一対の腕部24a,24aの側面又は連結部24bの側面に形成され、一対の腕部24a,24a、連結部24b、一対の天板係止爪24c,24c及び側片係止爪24dがプラスチックにより一体的に形成され、一対の腕部24a,24aが連結部24bを中心に互いに近付く方向に弾性変形可能に構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第5の観点は、第3又は第4の観点に基づく発明であって、更に図1、図4及び図9に示すように、側片係止爪24dが、連結部24bの一方の側面に形成された第1側片係止爪24eと、一対の腕部24a,24aの他方の側面に形成された第2側片係止爪24fとからなり、クリップ24が側片18b,78bの高さの異なる2種類のブラケット14,74に適用可能に構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の観点のカーテンレール構造では、壁等に取付けられたブラケットに天板を取付けたので、天板が安定した状態でブラケットにより支持される。
【0016】
本発明の第2の観点のカーテンレール構造では、天板をブラケットの側面にクリップを介して取付けたので、天板をブラケットの上面に密着又は極めて接近させることができる。この結果、ブラケットを天井に接近した状態で壁等に取付けても、天板の取付スペースを確保できる。
【0017】
本発明の第3の観点のカーテンレール構造では、クリップの側片係止爪をブラケットの側片下端に係止するとともに、天板下面の一対の凹溝にクリップの一対の天板係止爪をそれぞれ係止するだけで、天板をブラケットに取付けることができる。この結果、天板のブラケットへの取付工数を低減できる。
【0018】
本発明の第4の観点のカーテンレール構造では、クリップの側片係止爪をブラケットの側片下端に係止するとともに、クリップの一方の天板係止爪を天板下面の一方の凹溝に係止した後に、クリップの他方の腕部を一方の腕部に近付ける方向に弾性変形させ、この状態でクリップの他方の天板係止爪を天板下面の他方の凹溝に係止するだけで、天板をブラケットに取付けることができる。この結果、上記と同様に、天板のブラケットへの取付工数を低減できる。
【0019】
本発明の第5の観点のカーテンレール構造では、側片の高さの異なる2種類のブラケットのうち、側片の高さの高い一方のブラケットを用いるとき、連結部の一方の側面に形成された第1側片係止爪を上記一方のブラケットの側片下端に係止し、側片の高さの低い他方のブラケットを用いるとき、一対の腕部の他方の側面に形成された第2側片係止爪を上記他方のブラケットの側片下端に係止する。このように、クリップを側片の高さの異なる2種類のブラケットに適用できるので、部品の共通化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明第1実施形態のカーテンレール構造を示す図8のA−A線断面図である。
【図2】天板をブラケットの側面にクリップを介して直接取付ける手順を示す図1のB部拡大断面図である。
【図3】図1のC−C線断面図である。
【図4】そのクリップの斜視図である。
【図5】図8のD矢視図である。
【図6】図7のE−E線断面図である。
【図7】図6のF−F線断面図である。
【図8】図1のG矢視図である。
【図9】本発明第2実施形態のカーテンレール構造を示す図1に対応する断面図である。
【図10】図9のH−H線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、この実施の形態では、2本のレール本体11,12、即ち第1及び第2レール本体11,12が同一水平面上にかつ壁13に平行に延びて設けられる。これらのレール本体11,12はブラケット14を介して窓上方の壁13に取付けられる。第1レール本体11はブラケット14の基端近傍の下面に壁13に接近しかつ壁13に対して平行な状態で取付けられ、第2レール本体12はブラケット14の先端の下面に壁13から離れかつ壁13に対して平行な状態で取付けられる。
【0022】
第1レール本体11は横断面略伏せC字状に形成される(図1)。この第1レール本体11の一方の肩部(図1における右肩部)には第1インナ係止部11aが形成され、他方の肩部(図1における左肩部)には第1アウタ係止部11bが形成され、第1レール本体11の上面中央には第1アッパ係止部11cが形成される。また第2レール本体12は横断面が略伏せC字状と略D字状とを組合せた形状に形成される。この第2レール本体12の一方の肩部(図1における右肩部)には第2インナ係止部12aが形成され、他方の肩部(図1における左肩部)には第2アウタ係止部12bが形成され、第2レール本体12の上面中央には第2アッパ係止部12cが形成される。上記第1及び第2レール本体11,12は鋼板のプレス加工やアルミニウム合金の押出し加工又は引抜き加工等によりそれぞれ形成される。なお、図1の符号21は、第1カーテン(図示せず)の上端に取付けられた第1フック(図示せず)を引っ掛け可能に形成され第1レール本体11に沿って移動する第1ランナである。また図1の符号22は、第2カーテン(図示せず)の上端に取付けられた第2フック(図示せず)を引っ掛け可能に形成され第2レール本体12に沿って移動する第2ランナである。
【0023】
一方、ブラケット14は、図1及び図5に示すように、ビス19により壁13に取付けられるベース部材16と、ベース部材16により摺動可能に保持される第1及び第2摺動体31,32とを備える。ベース部材16を形成する材料としては、鋼板、プラスチック、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられ、第1及び第2摺動体31,32を形成する材料としては、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート等のプラスチックが挙げられる。またベース部材16は、図1、図3、図5及び図8に示すように、壁13に密着しビス19を挿通可能な通孔(図示せず)が形成された基部17と、基部17の下端に一体的に接続され壁13から離れる方向に水平に延びて設けられ第1及び第2摺動体31,32を摺動可能に保持する保持部18とを備える。上記保持部18は、上片18aと、この上片18aの両側縁に垂設された一対の側片18b,18bとを有する。保持部18の基端から所定の距離だけ先端寄りの一対の側片18b,18b間に第1摺動体31が摺動可能に保持され、保持部18の先端から所定の距離だけ基端寄りの一対の側片18b,18b間に第2摺動体32が摺動可能に保持される。
【0024】
保持部18の一対の側片18b,18bの長手方向中央下面には第1インナ受け部18cが突設され、第1摺動体31には第1アウタ受け部31aが設けられ、保持部18の第1インナ受け部18cから僅かに基端寄りの一対の側片18b,18b下面には第1ロア受け部18dが突設される(図1及び図5)。保持部18の第1インナ受け部18cには第1レール本体11の第1インナ係止部11aが係止し、第1摺動体31の第1アウタ受け部31aには第1レール本体11の第1アウタ係止部11bが係止し、保持部18の第1ロア受け部18dには第1レール本体11の第1アッパ係止部11cが係止するように構成される。また保持部18の一対の側片18b,18bの先端には第2インナ受け部18eが突設され、第2摺動体32には第2アウタ受け部32aが設けられ、保持部18の第2インナ受け部18eから僅かに基端寄りの一対の側片18b,18b下面には第2ロア受け部18fが突設される。保持部18の第2インナ受け部18eには第2レール本体12の第2インナ係止部12aが係止し、第2摺動体32の第2アウタ受け部32aには第2レール本体12の第2アウタ係止部12bが係止し、保持部18の第2ロア受け部18fには第2レール本体12の第2アッパ係止部12cが係止するように構成される。
【0025】
一方、第1及び第2レール本体11,12の上面とブラケット14の上面は天板23により覆われ、窓から入射した光が第1及び第2レール本体11,12の上方に漏れるのを天板23が遮蔽するように構成される(図1〜図3)。この天板23は、アルミニウム合金等の軽量合金の押出し成形又は引抜き成形や、ポリスチレン,ABS,エスチレン(新日鐵化学株式会社の登録商標),塩化ビニル等のプラスチックの押出し成形又は引抜き成形により形成され、第1及び第2レール本体11,12の長手方向に沿って延びて設けられる。また天板23はブラケット14に取付けられる。具体的には、天板23はブラケット14の側面にクリップ24を介して直接取付けられる(図1〜図4)。上記天板23の下面には、この天板23の幅方向の略中央に位置し天板23の長手方向に延びかつ互いに対向する一対の凹溝23a,23aが形成される。またクリップ24は、一対の腕部24a,24aと、これらの腕部24a,24aの一端を連結する連結部24bと、天板23の一対の凹溝23a,23aにそれぞれ係止可能な一対の天板係止爪24c,24cと、ブラケット14の保持部18の側片18bの下端に係止可能な一対の側片係止爪24d,24dとを有する。一対の天板係止爪24c,24cは一対の腕部24a,24aの他端に互いに離れる方向にそれぞれ突設され、一対の側片係止爪24d,24dは一対の腕部24a,24aの側面及び連結部24bの側面に形成される。上記一対の腕部24a,24a、連結部24b、一対の天板係止爪24c,24c及び一対の側片係止爪24d,24dは、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート等のプラスチックにより一体的に形成される。また一対の腕部24a,24aは、これらの一端を連結部24bにより連結することにより略V字状に形成されるとともに、連結部24bを中心に互いに近付く方向に弾性変形可能に構成される。更に一対の側片係止爪24d,24dは、連結部24bの一方の側面に形成された一対の第1側片係止爪24e,24eと、一対の腕部24a,24aの他方の側面であってこれらの腕部24a,24aの長手方向の中央に形成された一対の第2側片係止爪24f,24fとからなる。
【0026】
一対の第1側片係止爪24e,24eは、連結部24bの一方の側面にこの側面に平行であって水平方向に延びて設けられた単一の第1接続片24gの両端外側面に上方に向ってそれぞれ突設される(図1〜図4)。また一対の第2側片係止爪24f,24fは、一対の腕部24a,24aの他方の側面にこの側面から離れる方向であって水平方向に延びて設けられた一対の第2接続片24h,24hの先端内側面に上方に向ってそれぞれ突設される。上記単一の第1接続片24gの水平方向の厚さは、この第1の実施の形態におけるブラケット14の保持部18の側片18bの厚さと略同一に形成される。これにより一対の第1側片係止爪24e,24eと単一の第1接続片24gと一対の腕部24a,24aの一方の側面とにより形成された第1凹部24iを第1の実施の形態におけるブラケット14の保持部18の側片18b下端に嵌入して係止可能に構成される。また上記一対の第2接続片24h,24hの長さは、一対の腕部24a,24aの他方の側面から一対の第2側片係止爪24f,24fの腕部24a側の面までの距離が第2の実施の形態におけるブラケット74の保持部78の側片78bの厚さと略同一になるように設定される(図9及び図10)。これにより一対の第2側片係止爪24f,24fと一対の第2接続片24h,24hと一対の腕部24a,24aの他方の側面とにより形成された第2凹部24jを第2の実施の形態におけるブラケット74の保持部78の側片78b下端に嵌入して係止可能に構成される。ここで、第1の実施の形態では、クリップ24の第1側片係止爪24eをブラケット14の保持部18の側片18bに係止するように構成したのは、第1の実施の形態におけるブラケット14の保持部18の側片18bが比較的高く形成されているためである(図1〜図3)。また上記クリップ24を比較的複雑な形状としたのは、プラスチック成形金型の構造や、プラスチックの射出成形性を考慮したためである。
【0027】
なお、図1中の符号31bは第1摺動体31の下方に突設された第1操作片であり、符号32bは第2摺動体32の下方に突設された第2操作片である。第1操作片31をばね(図示せず)の弾性力に抗して壁13に近付ける方向に操作すると、第1摺動体31が第1アウタ受け部31aとともに壁13に近付く方向に移動するので、第1レール本体11の第1アウタ係止部11bが第1アウタ受け部31aから離脱し第1レール本体11をブラケット14から取外すことができるようになっている。また第2操作片32aをばね(図示せず)の弾性力に抗して壁13に近付ける方向に操作すると、第2摺動体32が第2アウタ受け部32aとともに壁13に近付く方向に移動するので、第2レール本体12の第2アウタ係止部12bが第2アウタ受け部32aから離脱し第2レール本体12をブラケット14から取外すことができるようになっている。また、図1中の符号12dは第2レール本体12と一体的に設けられた膨出部である。この膨出部12dにより天板23の室内側の面を隠すことができるとともに、第2レール本体12の室内側の面の見栄えを向上できるようになっている。また、図5及び図8中の符号41,41は第1レール本体11の両端に取付けられた一対の第1エンドカバーである。これらのエンドカバー41,41には一対の第1取付金具51,51がそれぞれ取付けられる。これらの第1取付金具51,51には、第1カーテンの両端部に取付けられた第1フックを係止可能な第1係止孔51がそれぞれ形成される。更に、図5〜図8中の符号42,42は第2レール本体12の両端に取付けられた一対の第2エンドカバーである。これらのエンドカバー42,42は一対の第2取付金具52,52を介して第2レール本体12の両端に取付けられる。これらの第2取付金具52,52には、第2カーテンの両端部に取付けられた第2フックを係止可能な第2係止孔52aがそれぞれ形成される。
【0028】
このように構成された天板23をブラケット14に取付ける手順を図2に基づいて説明する。先ず壁13に取付けられた一対のブラケット14,14上に天板23を掛け渡した状態で載せる(図2の(a))。この状態でクリップ24の一方の第1側片係止爪24eをブラケット14の保持部18の一方の側片18b下端に係止するとともに、クリップ24の一方の天板係止爪24cを天板23の一方の凹溝23aに挿入する。次にクリップ24の他方の腕部24aを一方の腕部24aに近付ける方向にクリップ24を弾性変形させる(図2(b))。この状態でクリップ24の他方の第1側片係止爪24eをブラケット14の保持部18の他方の側片18b下端に係止するとともに、クリップ24の他方の天板係止爪24cを天板23の他方の凹溝23aに挿入する(図2(c))。このとき一対の腕部24a,24aが略平行になるため、クリップ24は略V字状のフリーの状態ではなく、弾性変形している状態となる。これによりクリップ24の一対の天板係止爪24c,4cが天板23の一対の凹溝23a,23a内に押込まれる方向に圧接されるので、天板23はクリップ24によりガタツキがなくブラケット24に取付けられる。このように簡単な作業で天板23をブラケット14に取付けることができるので、天板23のブラケット14への取付工数を低減できる。
【0029】
一方、壁13に取付けられたブラケット14に天板23を取付けたので、天板23は安定した状態でブラケット14により支持される。また天板23をブラケット14の側面にクリップ24を介して直接取付けたので、天板23をブラケット14の上面に密着又は極めて接近させることができる。この結果、ブラケット14を天井に接近した状態で壁13に取付けても、天板23の取付スペースを確保できる。
【0030】
<第2の実施の形態>
図9及び図10は本発明の第2の実施の形態を示す。図9及び図10において図1及び図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、ブラケット74のベース部材76が、壁13に密着しビス19を挿通可能な通孔(図示せず)が形成された基部77と、基部77の下端に一体的に接続され壁13から離れる方向に水平に延びて設けられ第1及び第2摺動体81,82を摺動可能に保持する保持部78とを備え、保持部78が、上片78aと、この上片78aの両側縁に垂設された一対の側片78b,78bとを有し、これらの側片78b,78bの高さが第1の実施の形態における側片18b,18b(図1及び図3)の高さより低く形成される。
【0031】
第1レール本体71の一方の肩部(図9における右肩部)には第1インナ係止部71aが形成され、他方の肩部(図9における左肩部)には第1アウタ係止部71bが形成され、第1レール本体71の上面には第1インナ係止部71aを第1アウタ係止部71bより低くする第1段差部71cが形成される。また第2レール本体72の一方の肩部(図9における右肩部)には第2インナ係止部72aが形成され、他方の肩部(図9における左肩部)には第2アウタ係止部72bが形成され、第2レール本体72の上面には第2インナ係止部72aを第2アウタ係止部72bより低くする第2段差部72cが形成される。
【0032】
一方、保持部78の一対の側片78b,78bの長手方向中央下面には略L字状の第1インナ受け部78cが突設され、第1摺動体81には第1アウタ受け部81aが設けられる(図9)。保持部78の第1インナ受け部78cには第1レール本体71の第1インナ係止部71aが係止し、第1摺動体81の第1アウタ受け部81aには第1レール本体71の第1アウタ係止部71bが係止するように構成される。ここで、保持部78の第1インナ受け部78cに第1レール本体71の第1インナ係止部71aが係止し、第1摺動体81の第1アウタ受け部81aに第1レール本体71の第1アウタ係止部71bが係止すると、第1レール本体17の第1段差部71cが保持部78の第1インナ受け部78cの角部に係合して第1レール本体71がブラケット74から外れないようになっている。また保持部78の一対の側片78b,78bの先端には略Z字状の第2インナ受け部78dが突設され、第2摺動体82には第2アウタ受け部82aが設けられる。保持部78の第2インナ受け部78dには第2レール本体72の第2インナ係止部72aが係止し、第2摺動体82の第2アウタ受け部82aには第2レール本体72の第2アウタ係止部72bが係止するように構成される。ここで、保持部78の第2インナ受け部78dに第2レール本体72の第2インナ係止部72aが係止し、第2摺動体82の第2アウタ受け部82aに第2レール本体72の第2アウタ係止部72bが係止すると、第2レール本体72の第2段差部72cが保持部78の第2インナ受け部78dの下側角部に係合して第2レール本体72がブラケット74から外れないようになっている。
【0033】
なお、図9中の符号81bは第1摺動体81の下方に突設された第1操作片であり、符号82bは第2摺動体82の下方に突設された第2操作片である。第1操作片81bをばね(図示せず)の弾性力に抗して壁13に近付ける方向に操作すると、第1摺動体81が第1アウタ受け部81aとともに壁13に近付く方向に移動するので、第1レール本体71の第1アウタ係止部71bが第1アウタ受け部81aから離脱し第1レール本体71をブラケット74から取外すことができるようになっている。また第2操作片82bをばね(図示せず)の弾性力に抗して壁13に近付ける方向に操作すると、第2摺動体82が第2アウタ受け部82aとともに壁13に近付く方向に移動するので、第2レール本体72の第2アウタ係止部72bが第2アウタ受け部82aから離脱し第2レール本体72をブラケット74から取外すことができるようになっている。更に、図9中の符号72dは第2レール72と一体的に設けられた起立片である。この起立片72dにより天板23の室内側の面を隠すことができるとともに、第2レール本体72の室内側の面の見栄えを向上できるようになっている。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0034】
このように構成された天板23をブラケット74に取付ける手順を説明する。先ず壁13に取付けられた一対のブラケット74上に天板23を掛け渡した状態で載せる。この状態でクリップ24の一方の第2側片係止爪24fをブラケット74の保持部78の一方の側片78b下端に係止するとともに、クリップ24の一方の天板係止爪24cを天板23の一方の凹溝23aに挿入する。次にクリップ24の他方の腕部24aを一方の腕部24aに近付ける方向にクリップ24を弾性変形させる。この状態でクリップ24の他方の第2側片係止爪24fをブラケット74の保持部78の他方の側片78b下端に係止するとともに、クリップ24の他方の天板係止爪24cを天板23の他方の凹溝23aに挿入する。この第2の実施の形態のように側片78bの高さの低いブラケット74を用いるとき、連結部24bの一方の側面に形成された一対の第1側片係止爪24e,24eではなく、一対の腕部24a,24aの他方の側面に形成された一対の第2側片係止爪24f,24fを上記ブラケット74の保持部78の側片78b下端に係止する。この結果、クリップ24を側片18b,78bの高さの異なる2種類のブラケット14,78に適用でき、部品の共通化を図ることができる(図3及び図10)。上記以外の動作は第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0035】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、レール本体を壁にブラケットを介して取付けたが、レール本体を窓枠にブラケットを介して取付けてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、ブラケットに2本のレール本体を取付けたが、ブラケットに1本又は3本以上のレール本体を取付けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
11,71 第1レール本体
12,72 第2レール本体
13 壁
14,74 ブラケット
18a,78a 上片
18b,78b 側片
23 天板
24 クリップ
24a 腕部
24b 連結部
24c 天板係止爪
24d 側片係止爪
24e 第1側片係止爪
24f 第2側片係止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に延びて設けられる1本又は2本以上のレール本体(11,12,71,72)と、前記レール本体(11,12,71,72)を壁(13)又は窓枠に取付けるブラケット(14,74)と、前記レール本体(11,12,71,72)に沿って延びて設けられ前記レール本体(11,12,71,72)及びブラケット(14,74)の上面を覆う天板(23)とを備えたカーテンレール構造において、
前記天板(23)が前記ブラケット(14,74)に取付けられたことを特徴とするカーテンレール構造。
【請求項2】
前記天板(23)が前記ブラケット(14,74)の側面にクリップ(24)を介して直接取付けられた請求項1記載のカーテンレール構造。
【請求項3】
前記天板(23)の下面にこの天板(23)の長手方向に延びかつ互いに対向する一対の凹溝(23a,23a)が形成され、前記ブラケット(14,74)が、上片(18a,78a)と、この上片(18a,78a)の側縁に垂設された側片(18b,78b)とを有し、前記クリップ(24)が、前記天板(23)の前記一対の凹溝(23a,23a)にそれぞれ係止可能な一対の天板係止爪(24c,24c)と、前記側片(18b,78b)の下端に係止可能な側片係止爪(24d)とを有する請求項2記載のカーテンレール構造。
【請求項4】
前記クリップ(24)が、一対の腕部(24a,24a)と、これらの腕部(24a,24a)の一端を連結する連結部(24b)とを更に有し、前記一対の天板係止爪(24c)が前記一対の腕部(24a,24a)の他端に互いに離れる方向にそれぞれ突設され、前記側片係止爪(24d)が前記一対の腕部(24a,24a)の側面又は前記連結部(24b)の側面に形成され、前記一対の腕部(24a,24a)、前記連結部(24b)、前記一対の天板係止爪(24c,24c)及び前記側片係止爪(24d)がプラスチックにより一体的に形成され、前記一対の腕部(24a,24a)が前記連結部(24b)を中心に互いに近付く方向に弾性変形可能に構成された請求項3記載のカーテンレール構造。
【請求項5】
前記側片係止爪(24d)が、前記連結部(24b)の一方の側面に形成された第1側片係止爪(24e)と、前記一対の腕部(24a,24a)の他方の側面に形成された第2側片係止爪(24f)とからなり、前記クリップ(24)が側片(18b,78b)の高さの異なる2種類のブラケット(14,74)に適用可能に構成された請求項3又は4記載のカーテンレール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−235811(P2012−235811A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104853(P2011−104853)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】