説明

カーテン用スチームアイロン

【課題】 本発明は、ひだ状のカーテン等を効率良く蒸気を当ててクリーニングすることができるカーテン用スチームアイロンを提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、左柱及び右柱に沿って上下移動可能な上レール及び下レールと、上レールに複数のL字型フックが取り付けられたカーテンフックと、左右スライド台により左右移動が可能で前後スライド台により前後移動が可能な可動部と、下レールの前面に複数の正面プレス板が取り付けられた正面プレス具と、可動部の後面に複数の背面プレス板が取り付けられた背面プレス具と、可動部に取り付けたコの字型体に束ねたカーテンを収め、内側に複数設けた蒸気噴射孔から蒸気を噴射する蒸気噴射部と、蒸気噴射部に加熱した蒸気を送り込むボイラーと、噴射された蒸気をターボファンにより排出する排気部とからなることを特徴とするカーテン用スチームアイロンの構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひだ状のカーテン等を蒸気でクリーニングすることができるカーテン用スチームアイロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、カーテン等をクリーニングする場合、カーテン等のサイズが大きかったり、カーテン等がひだ状になっていることから、十分に洗浄することは、非常に手間の掛かるものであった。
【0003】
特許文献1に記載されているように、被洗浄物品をその場でクリーニングすることができ、殺菌及び洗浄を十分に行うことができる現場スチームクリーニング方法という発明も公開されている。
【0004】
また、特許文献2に記載されているように、カーテンを吊した状態で丈方向のひだを多数本付けて美しい波板状に仕上げることができるカーテンの仕上げ方法および装置という発明も公開されている。
【特許文献1】特開2002−210420号公報
【特許文献2】特開2001−299568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、被洗浄物品に対し、人が吸引機又は蒸気発生装置を当てて洗浄するため、ひだ状のカーテン等の場合には、十分に汚れを落とすことができない。
【0006】
また、特許文献2に記載の発明は、カーテンの製造における最終仕上げ工程の段階で、蒸気を使用してひだを形成するものであり、ひだ状のカーテン等をクリーニングすることを目的とするものではない。
【0007】
そこで、本発明は、ひだ状のカーテン等を効率良く蒸気を当ててクリーニングすることができるカーテン用スチームアイロンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、垂直に立てた左柱及び右柱の間に中央橋絡及び安定用橋絡を水平に通した骨組みと、前記骨組みの中央橋絡の上側に通した水平なレールが左柱及び右柱に沿って上下移動可能な上レールと、前記上レールの前面にカーテンの上端を掛けるため複数のL字型フックが取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材により各L字型フックの間隔を調整できる水平移動可能なカーテンフックと、前記骨組みの中央橋絡の下側に通した水平なレールが左柱及び右柱に沿って上下移動可能な下レールと、前記下レールから前方に延びた基礎枠に設置され、左右スライド台により左右移動が可能で前後スライド台により前後移動が可能な可動部と、前記下レールの前面に複数の正面プレス板が取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材により各正面プレス板の間隔を調整できる水平移動可能な正面プレス具と、前記可動部の後面に複数の背面プレス板が取り付けられ、前記正面プレス具と噛み合わせることにより挟まれたカーテンにひだを形成する背面プレス具と、前記骨組みの中央橋絡から前方に延びた左押さえ板及び右押さえ板により背面側からカーテンを挟着するカーテン押さえ具と、前記可動部に取り付けたコの字型体に束ねたカーテンを収め、内側に複数設けた蒸気噴射孔から蒸気を噴射する蒸気噴射部と、前記蒸気噴射部に加熱した蒸気を送り込むボイラーと、前記ボイラーを制御する蒸気制御部と、前記骨組みの中央橋絡に設置され、前記蒸気噴射部で噴射された蒸気をターボファンにより排出する排気部と、前記可動部を上下に移動させるペダルを有し、装置全体を操作することができるコントロールボックスとからなることを特徴とするカーテン用スチームアイロンの構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、カーテン等を吊した状態で、ひだを畳んでまとめて蒸気を当てるので、ひだを綺麗に残したまま、短時間で容易にクリーニングすることができる。
【0010】
第2に、蒸気噴射部をコの字状とすることにより、蒸気噴射部の内側に束ねたカーテン等を収めることができ、束ねたカーテン等に対し前側及び左右側から十分に蒸気を噴射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ひだ状のカーテン等を効率良く蒸気を当ててクリーニングするという目的を、左柱及び右柱に沿って上下移動可能な上レール及び下レールと、上レールに複数のL字型フックが取り付けられたカーテンフックと、左右スライド台により左右移動が可能で前後スライド台により前後移動が可能な可動部と、下レールの前面に複数の正面プレス板が取り付けられた正面プレス具と、可動部の後面に複数の背面プレス板が取り付けられた背面プレス具と、可動部に取り付けたコの字型体に束ねたカーテンを収め、内側に複数設けた蒸気噴射孔から蒸気を噴射する蒸気噴射部と、蒸気噴射部に加熱した蒸気を送り込むボイラーと、噴射された蒸気をターボファンにより排出する排気部とからなるカーテン用スチームアイロンとすることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下に添付図面に基づき、本発明であるカーテン用スチームアイロンについて詳細に説明する。図1は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの全体の正面図であり、図2は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの本体の正面側の斜視図であり、図3は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの本体の背面側の斜視図である。
【0013】
カーテン用スチームアイロン1は、垂直に立てた左柱3a及び右柱3bの間に中央橋絡3c及び安定用橋絡3dを水平に通した骨組み3と、前記骨組み3の中央橋絡3cの上側に通した水平なレール4aが左柱3a及び右柱3bに沿って上下移動可能な上レール4と、前記上レール4の前面にカーテン17の上端を掛けるため複数のL字型フック6cが取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材6a、6eにより各L字型フック6cの間隔を調整できる水平移動可能なカーテンフック6と、前記骨組み3の中央橋絡3cの下側に通した水平なレール5aが左柱3a及び右柱3bに沿って上下移動可能な下レール5と、前記下レール5から前方に延びた基礎枠9gに設置され、左右スライド台9aにより左右移動が可能で前後スライド台9hにより前後移動が可能な可動部9と、前記下レール5の前面に複数の正面プレス板7aが取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材7b、7dにより各正面プレス板7aの間隔を調整できる水平移動可能な正面プレス具7と、前記可動部9の後面に複数の背面プレス板12aが取り付けられ、前記正面プレス具7と噛み合わせることにより挟まれたカーテン17にひだを形成する背面プレス具12と、前記骨組み3の中央橋絡3cから前方に延びた左押さえ板11a及び右押さえ板11bにより背面側からカーテン17を挟着するカーテン押さえ具11と、前記可動部9に取り付けたコの字型体8aに束ねたカーテン17を収め、内側に複数設けた蒸気噴射孔8bから蒸気を噴射する蒸気噴射部8と、前記蒸気噴射部8に加熱した蒸気を送り込むボイラー16と、前記ボイラー16を制御する蒸気制御部15と、前記骨組み3の中央橋絡3cに設置され、前記蒸気噴射部8で噴射された蒸気をターボファン18により排出する排気部10と、前記可動部9を上下に移動させるペダル19を有し、装置全体を操作することができるコントロールボックス13とからなることを特徴とする。
【0014】
図1から図3までに示すように、カーテン用スチームアイロン1は、骨組み3、上レール4、下レール5、カーテンフック6、正面プレス具7、蒸気噴射部8、可動部9、排気部10、カーテン押さえ具11、背面プレス具12及びコントロールボックス13からなる本体2と、蒸気制御部15及びボイラー16とからなる。
【0015】
骨組み3は、左柱3a、右柱3b、中央橋絡3c、安定用橋絡3d、左脚3e及び右脚3fからなる。また、骨組み3には、上レール4、下レール5又はカーテン押さえ具11等が取り付けられる。
【0016】
左柱3a及び右柱3bは、垂直に立てられた棒状の部材で、下端に前後方向に水平な左脚3e及び右脚3fを固定することにより支える。また、左柱3aと右柱3bの間には、中央に中央橋絡3c、下端に安定用橋絡3dが水平に固定される。
【0017】
上レール4は、横に長いレール台4bの前面にレール4aを設けた部材であり、骨組み3の左柱3aと右柱3bの間で、かつ、中央橋絡3cの上側に水平に取り付けられる。上レール4は、安定用橋絡3dに設けたペダル19で操作することにより、左柱3a及び右柱3bに沿って上下移動させることができる。
【0018】
カーテンフック6は、複数の前部伸縮用部材6aが上レール4のレール4aに設置され、前部伸縮用部材6aの下側に連設された被嵌部6bに、クリーニングしたいカーテン17の上端をひだ毎に掛ける。
【0019】
下レール5は、横に長いレール台5bの前面にレール5aを設けた部材であり、骨組み3の左柱3aと右柱3bの間で、かつ、中央橋絡3cと安定用橋絡3dの間に水平に取り付けられる。
【0020】
可動部9は、蒸気噴射部8を左右に移動させることができる左右スライド台9aと前後に移動させることができる前後スライド台9hを有する部材で、基礎枠9gにより可動部9と下レール5とが連結する。尚、前後スライド台9hには支持軸9iが取り付けられ、ハンドル9jを回転させることにより前後に移動させることができる。
【0021】
正面プレス具7は、カーテンフック6に対応するように、下レール5に設置され、背面プレス具12は、正面プレス具7に対応するように、可動部9に設置される。正面プレス具7は手前向きに、背面プレス具12は奥向きに、正面プレス具7と背面プレス具12とが、互い違いになるように噛み合わせる。
【0022】
カーテン押さえ具11は、伸縮用部材11c及び留め具11dによりアーム状に形成された左押さえ板11a及び右押さえ板11bからなり、中央橋絡3cに取り付けられ、後側からカーテン17を挟んで留める。
【0023】
蒸気噴射部8は、コの字状の部材で可動部9に設置される。蒸気噴射部8の内側には、蒸気を噴射する機構があり、ボイラー16から送られてきた蒸気をカーテン17に吹き付けることでクリーニングを行う。
【0024】
排気部10は、中央橋絡3cに取り付けられた排蒸気吸引部10aにより蒸気噴射部8で噴射した蒸気を吸い込む。尚、排蒸気吸引部10aは、ホース10bを介してターボファン18に繋がっており、吸い込んだ蒸気を外部へ排出する。
【0025】
コントロールボックス13は、カーテン用スチームアイロン1の動作を制御する機器であり、左柱3aに設置される。尚、電源又はその他のケーブルは、コードカバー14を被せて保護している。
【0026】
蒸気制御部15は、蒸気の温度を制御する装置であり、電源スイッチ15aにより起動又は停止させる。ボイラー16で発生した蒸気を適した温度に保ちつつ、送気管15lを通じて蒸気噴射部8に送る。
【0027】
図4は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンフックにカーテンを掛けた状態を示す図であり、図5は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの上レールの拡大図であり、図6は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの下レールの拡大図である。
【0028】
図4に示すように、カーテン17の上部にある袋部17aをそれぞれカーテンフック6の被嵌部6bにあるL字型フック6cに掛けて吊し、カーテン17のひだが正面プレス具7の正面プレス板7aの間に収まるようにする。
【0029】
図5に示すように、上レール4は、レール4a、レール台4b、レール固定部4c、接続部4d、ストッパー4e及びレール移動装置4fからなる。レール4aには、カーテンフック6が取り付けられ、左右にスライドさせることができる。
【0030】
レール台4bは、左端が左柱3aに取り付けられ、右端が右柱3bに取り付けられる水平な長い板状の部材であり、前面にレール4aが形成される。尚、レール台4bの左端又は右端であるレール固定部4cは、接続部4dにおいて左柱3a又は右柱3bに接続される。
【0031】
また、レール台4bは、安定用橋絡3dにあるペダル19でレール移動装置4fを操作することにより上下に移動させることができる。尚、レール移動装置4fが有するベアリングによりスムーズに動作させることができる。ただし、ストッパー4eで制限した範囲内で移動可能となる。
【0032】
カーテンフック6は、前部伸縮用部材6a、被嵌部6b、L字型フック6c、孔6d、後部伸縮用部材6e、上留め具6f、中留め具6g及び下留め具6hからなり、前部伸縮用部材6aを横に複数繋げたものである。
【0033】
前部伸縮用部材6aは、縦に長い板であり、後部伸縮用部材6eは、斜めに長い板である。一の前部伸縮用部材6aと隣りの前部伸縮用部材6aとは、2つの後部伸縮用部材6eを中心で交差させ、対角線状に繋ぐことで、横方向に伸縮できるようにする。
【0034】
前部伸縮用部材6aと後部伸縮用部材6eとは、上側は上留め具6fで留め、下側は下留め具6hで留める。また、2つの後部伸縮用部材6eの交点は中留め具6gで留める。尚、前部伸縮用部材6aの上側においては、孔6dを設けて伸縮の際に上留め具6fが上下に可動できるようにする。
【0035】
全ての前部伸縮用部材6aの下部には、それぞれL字型フック6cを有する被嵌部6bが取り付けられる。被嵌部6bをL字型とすることにより、カーテン17の袋部17aを引っ掛けやすくする。
【0036】
図6に示すように、下レール5は、レール5a、レール台5b、レール固定部5c及びレール台接続部5dからなる。レール5aには、正面プレス具7が取り付けられ、左右にスライドさせることができる。
【0037】
レール台5bは、左端が左柱3aに取り付けられ、右端が右柱3bに取り付けられる水平な長い板状の部材であり、前面にレール5aが形成される。尚、レール台5bの左端又は右端であるレール固定部5cは、レール台接続部5dにおいて左柱3a又は右柱3bに接続される。
【0038】
正面プレス具7は、正面プレス板7a、前部伸縮用部材7b、上孔7c、後部伸縮用部材7d、上留め具7e、中留め具7f、下留め具7g及び下孔7hからなり、前部伸縮用部材7bを横に複数繋げたものである。尚、全ての前部伸縮用部材7bには、それぞれ正面プレス板7aが手前側に向けて取り付けられる。
【0039】
前部伸縮用部材7bは、縦に長い板であり、後部伸縮用部材7dは、斜めに長い板である。一の前部伸縮用部材7bと隣りの前部伸縮用部材7bとは、2つの後部伸縮用部材7dを中心で交差させ、対角線状に繋ぐことで、横方向に伸縮できるようにする。
【0040】
前部伸縮用部材7bと後部伸縮用部材7dとは、上側は上孔7cを上留め具7eで留め、下側は下孔7hを下留め具7gで留める。また、2つの後部伸縮用部材7dの交点は中留め具7fで留める。尚、前部伸縮用部材7bの上側においては、上孔7cを長目に空けて伸縮の際に上留め具7eが上下に可動できるようにする。
【0041】
図7は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの正面プレス具と背面プレス具を合わせた状態を示す図であり、図8は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの正面プレス具の正面図、平面図及び側面図であり、図9は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの背面プレス具の側面図及び背面図である。
【0042】
図7に示すように、正面プレス具7と背面プレス具12とは向かい合わせにし、正面プレス板7aと背面プレス板12aとが交互に挟まるように合わせる。実際にはカーテン17が、カーテン17に形成されたひだに沿うように挟まれる。
【0043】
尚、カーテンフック6の被嵌部6bの間隔を狭めると共に、正面プレス板7aの間隔も狭まり、掛けたカーテン17のひだを折り畳んで、カーテン17を束ねることができる。更に、背面プレス板12aを合わせることにより、ひだの折り目を保つことができる。
【0044】
正面プレス具7及び背面プレス具12の上側には、蒸気噴射部8が設置される。蒸気噴射部8は、可動部9の上に取り付けられ、左右方向及び前後方向にスライド移動させることができる。
【0045】
蒸気噴射部8のコの字型体8aの空いた側の向かい側には、排気部10が設置され、ホース10bが延びる。尚、蒸気噴射部8は加熱された蒸気が吹き出るので、表面には加熱防止シート8cが被せられる。
【0046】
可動部9は、左右スライド台9aの支え台9dの上に蒸気噴射部用スライドレール9eが設けられ、蒸気噴射部8を左右にスライドさせることができ、支え台9dの下には前後スライド台9hが設けられ、蒸気噴射部8を前後にスライドさせることができる。また、支え台9dは、基礎枠9gに繋がる本体接続部9fに接続される。
【0047】
図8に示すように、正面プレス具7のうち、一の前部伸縮用部材7bには、先端が丸みを帯びた薄い板である正面プレス板7aが、ネジ等の固定具7iにより、前部伸縮用部材7bに対して垂直に取り付けられる。
【0048】
図9に示すように、背面プレス具12のうち、一の背面プレス板12aは、先端が丸みを帯びた薄い板であり、付け根に設けた固定板12cの凸部12bを、可動部9の背面側に対して垂直に挿すことにより取り付ける。
【0049】
図10は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気噴射部の斜視図である。蒸気噴射部8は、コの字型体8a、蒸気噴射孔8b、加熱防止シート8c、接続部8d、送気管8e及び排水管8fからなる。尚、蒸気噴射部8は、接続部8dにおいて可動部9に取り付けられる。
【0050】
コの字型体8aは、直方体の一の側面が凹んだコの字状の部材で、凹んだ箇所の内側の三面には、蒸気噴射孔8bが複数設けられる。凹んだ箇所に束ねたカーテン17を収め、三方から蒸気を吹き付ける。
【0051】
蒸気は、蒸気制御部15の送気管15lから続く送気管8eを、コの字型体8aに接続することにより供給する。尚、コの字型体8aの内部に電熱板等を入れることにより、蒸気の温度を保っても良い。
【0052】
コの字型体8aの内部に充満した蒸気のうち、蒸気として蒸気噴射孔8bから吹き出さずに液化したものは、排水管8fから排水し、温度低下を防止する。また、コの字型体8aは蒸気により熱せられるので、加熱防止シート8cにより保護される。
【0053】
図11は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテン押さえ具の斜視図である。カーテン押さえ具11は、中央橋絡3cに設置され、蒸気噴射部8の上側において、束ねたカーテン17を後側から挟む。
【0054】
カーテン押さえ具11は、左押さえ板11a、右押さえ板11b、伸縮用部材11c、留め具11d、支え棒11e、台11f及び固定板11gからなる。伸縮用部材11cにより、左押さえ板11aと右押さえ板11bの間隔を調整することができる。
【0055】
伸縮用部材11cは、関節となる箇所を留め具11dで留めた伸縮可能なアームであり、左側の先端に縦長の板である左押さえ板11a、右側の先端に縦長の板である右押さえ板11bを取り付けて、物を挟むことができる。
【0056】
カーテン押さえ具11は、台11fから垂直に延びた支え棒11eにより支えられ、固定板11gにより台11fと中央橋絡3cが接続される。また、駆動命令の信号を伝えるケーブル及び駆動機構も台11fに設けられる。
【0057】
排気部10の排蒸気吸引部10aも固定部品10cにおいて、中央橋絡3cに設置され、管状のホース10bが接続される。排蒸気吸引部10aは、内部が中空の箱であり、蒸気を吸い込む前面は、金網にフェルトを取り付けたフィルタ状である。
【0058】
図12は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンをクリーニングしている状況を示す図であり、図13は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンをクリーニングしている状況の拡大図である。
【0059】
上レール4のレール台4bの前面にあるレール4aに設置されたカーテンフック6にカーテン17を掛ける。尚、可動部9は、手前に引いて下レール5から離れた状態にしておき、カーテン押さえ具11は後方に開いた状態にしておく。
【0060】
カーテンフック6の前部伸縮用部材6aは間隔を開いた状態にし、被嵌部6bのL字型フック6cにカーテン17の上部をひだ毎に引っ掛ける。尚、上レール4を左柱3a及び右柱3bの上下方向にスライドさせ、上レール4を下げた状態にしておく。
【0061】
カーテンフック6の前部伸縮用部材6aの間隔を閉じ、カーテン17をひだに沿って折り畳んで束ねる。尚、下レール5に設けられた正面プレス具7の正面プレス板7aにカーテン17のひだが収まるようにする。
【0062】
可動部9を下レール5の方に移動し、正面プレス具7の正面プレス板7aと背面プレス具12の背面プレス板12aを合わせて、カーテン17のひだが交互に突出する正面プレス板7aと背面プレス板12aの間に挟まるようにする。
【0063】
中央橋絡3cに設置されたカーテン押さえ具11の伸縮用部材11cを伸ばして左押さえ板11a及び右押さえ板11bを前方に出し、束ねたカーテン17を左押さえ板11aと右押さえ板11bとで挟み込んで押さえる。
【0064】
可動部9の左右スライド台9aで蒸気噴射部8をカーテン17の位置まで移動させ、前後スライド台9hで蒸気噴射部8の凹んだ部分にカーテン17を収める。尚、可動部9の支え台9dの前面には左右スライド台9a、上面には蒸気噴射部用スライドレール9eが設置される。
【0065】
滑動部材9bの接続部9cは、蒸気噴射部8の接続部8dと接続されており、滑動部材9bが左右スライド台9aに沿って移動するに伴い、滑動部材9bと連結している蒸気噴射部8が蒸気噴射部用スライドレール9eの上を左右にスライド移動する。
【0066】
上レール4を下げた状態から徐々に上に移動させてカーテン17を引き上げながら、蒸気噴射部8から蒸気を吹き付ける。吹付け後の蒸気は、中央橋絡3cに取り付けられた排気部10の排蒸気吸引部10aで吸い込み、ホース10bを通じて排出する。
【0067】
図14は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気制御部の斜視図であり、図15は、本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気制御部の透過図である。蒸気は、蒸気制御部15及びボイラー16により供給される。
【0068】
蒸気制御部15は、電源スイッチ15a、漏電ブレーカー15b、マグネチックコンタクタ15c、リレー15d、サージキラー付電磁弁15e、サーモスタット15f、スーパータンク本体15g、保温材15h、温度ヒューズ15i、セラミックヒーター15j、スチームトラップ15k及び送気管15lからなる。
【0069】
電源スイッチ15aは、蒸気制御部15の起動又は停止を行う切替器である。漏電ブレーカー15bは、漏電した場合に回路を遮断する装置である。マグネチックコンタクタ15cは、電源を入れた際に、通常よりもはるかに大きな電流が流れるのをを抑制する装置である。リレー15dは、電気信号によって電気回路を開閉する装置である。
【0070】
サージキラー付電磁弁15eは、電磁力により弁を開閉する電磁弁に、電気回路に通常の電圧を超えて瞬間的又は断続的に発生する過電圧であるサージ電圧を低減する仕組みを加えた装置である。サーモスタット15fは、自動的に熱源を制御する温度調節装置である。
【0071】
スーパータンク本体15gは、ボイラー16で発生した蒸気を一時的に蓄える容器である。保温材15hは、蒸気の温度を保つために使用される材質である。温度ヒューズ15iは、温度が高くなると回路を遮断する安全器である。
【0072】
セラミックヒーター15jは、遠赤外線の放射効率が高いセラミックスを使用した発熱器である。スチームトラップ15kは、蒸気は逃がさず、結露により発生した水を排出する自動弁である。
【0073】
送気管15lは、蒸気を蒸気噴射部8の送気管8eに送るパイプである。ボイラー16は、水を加熱して蒸気を発生させる装置である。ボイラー16で生成した蒸気は、蒸気制御部15において170℃〜180℃の温度に保たれ、定量ずつ蒸気噴射部8に供給される。
【0074】
図16は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのターボファンの斜視図である。ターボファン18は、本体18a、ホース接続部18b、排気口18c、モーター部18d及び台18eからなる。
【0075】
本体18aは、中空の穴のないドーナツ状の部材を縦にしたもので、一方の片面中央にあるホース接続部18bに、排気部10のホース10bが接続され、他方の片面にはモーター部18dが、台18eに載せられ設置される。また、周面の一箇所には、排気口18cも設けられる。
【0076】
モーター部18dを駆動させることにより吸引力を発生させ、ホース10bを通じて排気部10に入った蒸気を本体18aに吸い込む。本体18aに取り込まれた蒸気は、排気口18cからフィルタを介して排出する。
【0077】
図17は、本発明であるカーテン用スチームアイロンのペダルの平面図である。ペダル19は、台板19a、左スイッチ19b及び右スイッチ19cからなり、台板19aの上に左スイッチ19bと右スイッチ19cが配置される。
【0078】
左スイッチ19bを操作すると上レール4が下がり、右スイッチ19cを操作すると上レール4が上がる。ペダル19における操作はケーブルを通じてコントロールボックス13に伝達され、コントロールボックス13から上レール4に動作信号が送られる。
【0079】
以上のように、本発明であるカーテン用スチームアイロンは、カーテン等を吊した状態で、ひだを畳んでまとめて蒸気を当てるので、ひだを綺麗に残したまま、短時間で容易にクリーニングすることができる。
【0080】
また、蒸気噴射部をコの字状とすることにより、蒸気噴射部の内側に束ねたカーテン等を収めることができ、束ねたカーテン等に対し前側及び左右側から十分に蒸気を噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明であるカーテン用スチームアイロンの全体の正面図である。
【図2】本発明であるカーテン用スチームアイロンの本体の正面側の斜視図である。
【図3】本発明であるカーテン用スチームアイロンの本体の背面側の斜視図である。
【図4】本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンフックにカーテンを掛けた状態を示す図である。
【図5】本発明であるカーテン用スチームアイロンの上レールの拡大図である。
【図6】本発明であるカーテン用スチームアイロンの下レールの拡大図である。
【図7】本発明であるカーテン用スチームアイロンの正面プレス具と背面プレス具を合わせた状態を示す図である。
【図8】本発明であるカーテン用スチームアイロンの正面プレス具の正面図、平面図及び側面図である。
【図9】本発明であるカーテン用スチームアイロンの背面プレス具の側面図及び背面図である。
【図10】本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気噴射部の斜視図である。
【図11】本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテン押さえ具の斜視図である。
【図12】本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンをクリーニングしている状況を示す図である。
【図13】本発明であるカーテン用スチームアイロンのカーテンをクリーニングしている状況の拡大図である。
【図14】本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気制御部の斜視図である。
【図15】本発明であるカーテン用スチームアイロンの蒸気制御部の透過図である。
【図16】本発明であるカーテン用スチームアイロンのターボファンの斜視図である。
【図17】本発明であるカーテン用スチームアイロンのペダルの平面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 カーテン用スチームアイロン
2 本体
3 骨組み
3a 左柱
3b 右柱
3c 中央橋絡
3d 安定用橋絡
3e 左脚
3f 右脚
4 上レール
4a レール
4b レール台
4c レール固定部
4d 接続部
4e ストッパー
4f レール移動装置
5 下レール
5a レール
5b レール台
5c レール固定部
5d レール台接続部
6 カーテンフック
6a 前部伸縮用部材
6b 被嵌部
6c L字型フック
6d 孔
6e 後部伸縮用部材
6f 上留め具
6g 中留め具
6h 下留め具
7 正面プレス具
7a 正面プレス板
7b 前部伸縮用部材
7c 上孔
7d 後部伸縮用部材
7e 上留め具
7f 中留め具
7g 下留め具
7h 下孔
7i 固定具
8 蒸気噴射部
8a コの字型体
8b 蒸気噴射孔
8c 加熱防止シート
8d 接続部
8e 送気管
8f 排水管
9 可動部
9a 左右スライド台
9b 滑動部材
9c 接続部
9d 支え台
9e 蒸気噴射部用スライドレール
9f 本体接続部
9g 基礎枠
9h 前後スライド台
9i 支持軸
9j ハンドル
10 排気部
10a 排蒸気吸引部
10b ホース
10c 固定部品
11 カーテン押さえ具
11a 左押さえ板
11b 右押さえ板
11c 伸縮用部材
11d 留め具
11e 支え棒
11f 台
11g 固定板
12 背面プレス具
12a 背面プレス板
12b 凸部
12c 固定板
13 コントロールボックス
14 コードカバー
15 蒸気制御部
15a 電源スイッチ
15b 漏電ブレーカー
15c マグネチックコンタクタ
15d リレー
15e サージキラー付電磁弁
15f サーモスタット
15g スーパータンク本体
15h 保温材
15i 温度ヒューズ
15j セラミックヒーター
15k スチームトラップ
15l 送気管
16 ボイラー
17 カーテン
17a 袋部
18 ターボファン
18a 本体
18b ホース接続部
18c 排気口
18d モーター部
18e 台
19 ペダル
19a 台板
19b 左スイッチ
19c 右スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直に立てた左柱及び右柱の間に中央橋絡及び安定用橋絡を水平に通した骨組みと、前記骨組みの中央橋絡の上側に通した水平なレールが左柱及び右柱に沿って上下移動可能な上レールと、前記上レールの前面にカーテンの上端を掛けるため複数のL字型フックが取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材により各L字型フックの間隔を調整できる水平移動可能なカーテンフックと、前記骨組みの中央橋絡の下側に通した水平なレールが左柱及び右柱に沿って上下移動可能な下レールと、前記下レールから前方に延びた基礎枠に設置され、左右スライド台により左右移動が可能で前後スライド台により前後移動が可能な可動部と、前記下レールの前面に複数の正面プレス板が取り付けられ、前部及び後部伸縮用部材により各正面プレス板の間隔を調整できる水平移動可能な正面プレス具と、前記可動部の後面に複数の背面プレス板が取り付けられ、前記正面プレス具と噛み合わせることにより挟まれたカーテンにひだを形成する背面プレス具と、前記骨組みの中央橋絡から前方に延びた左押さえ板及び右押さえ板により背面側からカーテンを挟着するカーテン押さえ具と、前記可動部に取り付けたコの字型体に束ねたカーテンを収め、内側に複数設けた蒸気噴射孔から蒸気を噴射する蒸気噴射部と、前記蒸気噴射部に加熱した蒸気を送り込むボイラーと、前記ボイラーを制御する蒸気制御部と、前記骨組みの中央橋絡に設置され、前記蒸気噴射部で噴射された蒸気をターボファンにより排出する排気部と、前記可動部を上下に移動させるペダルを有し、装置全体を操作することができるコントロールボックスとからなることを特徴とするカーテン用スチームアイロン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−97921(P2007−97921A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293217(P2005−293217)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(305032634)株式会社レイク (2)