説明

カーテン用リングテープ

【課題】カーテン生地の遮光性や装飾の美観を損なわずに取付可能なリングテープを提供する。
【解決手段】表面に間隔をおいてリング3又はリング3が取付可能な取付部4を備えた第1テープ生地2が、第1テープ生地2より幅広な第2テープ生地6に縫製され、第2テープ生地6の裏面に熱融着性材料5を備えたことを特徴とするカーテン用リングテープとする。熱融着性材料5を加熱して、リングテープとカーテン生地とを貼り合わせるリングテープの取り付け方法により取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローマンシェード(たくし上げカーテン)に使用されるリングテープに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、ローマンシェードにおいて、一端をカーテン20の下端に取り付けた昇降コード22により、カーテン20の昇降を行なう。コード22は、カーテン生地の裏側に垂直方向に間隔を空けて取り付けられた複数のリング21を貫通して取り付けられている。複数のコード22が使用され、コードガイド(図示しない)を介して、コードストッパー(図示しない)で固定されている。使用者は昇降コードを引き、シェードを所望の位置に固定していた。
【0003】
リングは直接カーテン生地に取り付けられることもある。しかし通常は、予めテープ状の布にリングが間隔をおいて取り付けられたリングテープをカーテン生地に縫着している。例えば、特許文献1に記載されたリングテープが知られている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2579853号公報(図4)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リングテープを遮光性のあるカーテン生地に縫着した場合、針跡が開いたまま点線状に残ってしまう。そのため、該針跡から外光が入射し遮光性が損なわれ、外観上も見劣りすることがあった。また、カーテン生地の表に絵柄などの装飾がなされている場合、縫製糸が表面に露出し目立ってしまい、該装飾の美観が著しく損なわれることもあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、カーテン生地の遮光性や装飾の美観を損なわずに取付可能なリングテープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果であり、表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地が、前記第1テープ生地より幅広な第2テープ生地に縫製され、前記第2テープ生地の裏面に熱融着性材料を備えたことを特徴とするカーテン用リングテープである。
【0008】
また、本発明は、表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地が、前記第1テープ生地より幅広な第2のテープ生地に縫製されたカーテン用リングテープが、熱融着性材料によりカーテン生地に貼り付けされたことを特徴とするカーテン生地でもある。
【0009】
本発明のリングテープは、リング又は取付部を備えた第1テープ生地を、第1テープ生地より幅広な第2テープ生地に縫製し、第2テープ生地の裏面に熱融着性材料を備えているので、熱により該熱融着性材料を溶融させ、カーテン生地の裏面に貼り付けることができる。その結果、カーテン生地に縫製の針跡が残ることがないので、カーテン生地の遮光性や装飾の美観を損なうことがない。
【0010】
更には、表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地を、前記第1テープ生地より幅広な第2テープ生地に縫製しリングテープを作製し、前記第2のテープ生地とカーテン生地との間に熱融着性材料を配置し、前記熱融着性材料を加熱して、前記リングテープと前記カーテン生地とを貼り合わせるリングテープの取り付け方法でもある。
【0011】
したがって、リングテープを貼り合わせ作業において、リングテープの幅の部分だけを加熱して、貼り合わせをすればよい。その結果、大型の熱プレス機を必要とせず、製造コストの増大を招くことがない。
【0012】
予め、第2テープ生地の裏面に熱融着性材料を備えているので、リングテープを製造した後、別の場所でカーテン生地に該テープを貼り付けることもできる。この場合、熱融着性材料は室温では溶融しない材料であれば、特殊な梱包などを必要とせず簡便に輸送できる。
【0013】
また、第2テープ生地の裏面に熱融着性材料を備えていなくても、貼り付け作業時に、熱融着性材料を第2のテープ生地とカーテン生地との間に熱融着性材料を配置し、リングテープとカーテン生地とを貼り合わせることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図2(a)は本発明に係るカーテン用リングテープを示す斜視図である。第1テープ生地2と共にループを形成する取付部4により、第1テープ生地2の表面に複数のリング3が取り付けられている。リング3はテープ生地2の長手方向に間隔をおいて配置されるが、使用するシェードカーテンにより、その間隔を適宜決めればよい。なお、上述したように、リング3には、昇降コード(図示しない)が貫通される。
【0015】
第1テープ生地2は、リング3が表面に露出するように、縫製糸7により第2テープ生地6に縫製されている。そして、第2テープ生地6の裏面には、熱融着性材料5が点状に付着している。熱融着性材料5は、ホットメルトと呼ばれる材料であり、熱融着性を有していれば特に限定されず、熱融着性材料から成る接着剤であればよい。接着剤の主成分としては、合成系有機化合物である酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエチレン系、セルロース系、ユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアロマティック系、レゾルシノール系等の化合物を含む成分が挙げられ、これら成分が単独或いは2種以上混合されて用いられる。そして、これら主成分に、必要に応じて溶剤、可塑剤、樹脂、充填剤、顔料、硬化剤、劣化防止剤、防腐剤、増粘剤、消泡剤、カップリング剤(増強剤)等を添加して接着剤とすることが好ましい。なお、熱融着性材料5は、点状、面状、線状、網目状のいずれの状態で付着していてもよい。
【0016】
次に、リングテープの取付方法を説明する。取り付けは、公知の熱プレス装置により行なうことができる。熱融着性材料5が付着したリングテープ(第2テープ生地6)の裏面と、カーテン生地(図示しない)の片面(通常は、裏面)とを重ね合わせる。重ね合わせた状態で、熱プレス装置によりリングテープ1とカーテン生地とを挟んで加熱する。加熱された熱融着性材料が溶融し、カーテン生地に溶け込む。熱プレスが完了し冷却されると、両者が強固に貼り合わされる。上述したように、カーテン生地に対しては縫製による取付でないので、針跡がカーテン生地に残ることがなく、縫製糸がカーテンの表面に露出することもない。したがって、カーテン生地の遮光性や装飾の美観を損なうことがない。
【0017】
なお、予めリングテープの裏面に熱融着性材料5を付着させずに、リングテープ1とカーテン生地との間にシート状の熱融着性材料層(ヒートシート)を挟んでから、同様の方法で、熱プレス装置により貼り合わせてもよい。
【0018】
リング3を取り付けたままで、リングテープ1を取り付ける場合は、リング3は金属や耐熱性の合成樹脂製であることが好ましい。リングテープ1を取り付けた後に取付部にリング3を取り付けても良い。この場合、リング3は、取り付けやすい二重リング構造やフック構造を有していることが好ましい。
【0019】
第1テープ生地2、リング3、取付部4を公知の方法で製作されるリングテープで構成してもよく、既存設備を利用でき製造コストを低減できる。この場合、第1テープ生地2の幅は15mm前後であるので、カーテン生地との接着性を確保する観点から、第2テープ生地6の幅は50~60mm程度にすることが好ましい。また、第2テープ生地6の材質は特に限定されないが、加熱によりカーテン生地に貼り合わされることから、耐熱性を有することが好ましい。なお、図2(b)に示すように、第1テープ生地2の裏面に熱融着性材料5を付着させた構成としてもよいが、第1テープ生地2の幅を広くしておくことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】リングテープが取り付けられたローマンシェードを示す概略図である。
【図2】(a)及び(b)は、本発明に係るリングテープを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 リングテープ
2 第1テープ生地
3 リング
4 取付部
5 熱融着性材料
6 第2テープ生地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地が、前記第1テープ生地より幅広な第2テープ生地に縫製され、前記第2テープ生地の裏面に熱融着性材料を備えたことを特徴とするカーテン用リングテープ。
【請求項2】
表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地が、前記第1テープ生地より幅広な第2のテープ生地に縫製されたカーテン用リングテープが、熱融着性材料によりカーテン生地に貼り付けされたことを特徴とするカーテン生地。
【請求項3】
表面に間隔をおいてリング又はリングが取付可能な取付部を備えた第1テープ生地を、前記第1テープ生地より幅広な第2テープ生地に縫製しリングテープを作製し、前記第2のテープ生地とカーテン生地との間に熱融着性材料を配置し、前記熱融着性材料を加熱して、前記リングテープと前記カーテン生地とを貼り合わせるリングテープの取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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