説明

カートシステム

【課題】執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、カートシステムの形状をコンパクトとし、執務者の使い勝手を良好とするカートシステムを提供する。
【解決手段】カートシステム101は、床面上を走行可能な複数のキャスター113が設けられた第一ベース部12、及び第一ベース部12に支持され、電子機器を載置可能な第一天板12を有する第一カート1と、物品を載置可能とした物品載置部21を上下に複数有する第二カート2と、第一カート1と第二カート2とを着脱可能に連結する連結手段5とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カート装置、特にオフィス、病院、又は公共施設等における執務空間にて使用される複数のカート装置を連結させたカートシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス、病院、公共施設等における執務空間においては、執務空間内の様々な場所に移動しながら電子機器を用いて執務を行う場合がある。この場合、カート装置の天板上に電子機器を載置し、又カート装置に設けられた物品収納部に執務に必要な物品を収納して、執務者がカート装置とともに移動し、随時必要に応じた場所にて執務が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−017929号公報
【特許文献2】特開2009−279414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1乃至2の前述のカート装置では、物品収納部を設けることにより執務者が物品を運搬して執務をすることを可能にする機能と、電子機器を用いた執務をすることを可能にする機能の二つの機能を備えている。しかしながら、電子機器を使用するためのカート装置に物品運搬機能を充実させるために物品収納部を多く設けると当該カート装置が大きくなってしまうとともに、物品を運搬する必要がない場合には物品収納部が無駄になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、前述の従来技術における問題を解決するために、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、カート装置の形状をコンパクトとし、執務者の使い勝手を良好とするカートシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るカートシステムは、床面上を走行可能な複数のキャスターが設けられた第一ベース部、及び該第一ベース部に支持され、電子機器を載置可能な第一天板を有する第一カートと、物品を載置可能とした物品載置部を上下に複数有する第二カートと、前記第一カートと前記第二カートとを着脱可能に連結する連結手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成では、第一天板に電子機器を載置すると執務者は第一カートで電子機器を用いた執務を行うことができ、物品載置部に物品を載置すると執務者は第二カートで物品を運搬して執務を行うことができる。ここで、どちらか一方のみの執務をする場合には、第一カート又は第二カートを単独で使用し、両方の執務をする場合には連結手段により第一カートと第二カートを連結させて使用することができる。よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カートを単独で使用することで、物品載置部を有する第二カートを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カートを単独で使用することで、電子機器を載置する天板を有する第一カートを切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
【0008】
また、本発明に係るカートシステムは、前記第二カートの高さは、前記第一カートの前記第一天板の下面の高さより低く設定されていることを特徴とする。
【0009】
この構成では、第二カートの高さが第一カートの天板の下面の高さより低いので、第一カートと第二カートを連結させた状態で、第一カートの第一天板上に載置した電子機器を使用することができるので、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
【0010】
また、本発明に係るカートシステムは、前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、前記第二カートの少なくとも一部は、前記第一カートの前記第一天板の直下に配設されていることを特徴とする。
【0011】
この構成では、第二カートの少なくとも一部を第一カートの天板の直下に配設することができるので、第一カートと第二カートを連結させた状態でカートシステム全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0012】
また、本発明に係るカートシステムは、前記第一カートは、前記第一ベース部に取り付けられ、前記第一天板を支持する第一支持部を有し、前記第一ベース部、前記第一支持部及び前記第一天板とに囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間が形成され、前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、前記第二カートの少なくとも一部は、前記前部空間に配設されていることを特徴とする。
【0013】
この構成では、第二カートの少なくとも一部を、第一カートの第一天板下方に設けられて前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間に配設することができるので、第一カートと第二カートを連結させた状態でカートシステム全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0014】
また、本発明に係るカートシステムは、前記第二カートは、前記物品載置部を左右両側で支持する複数の第二支持部を有し、前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、前記第一カートの少なくとも一部は、左右両側に設けられた前記第二支持部の間に配設されていることを特徴とする。
【0015】
この構成では、第一カートの少なくとも一部を、第二カートの第二支持部の間に配設することができるので、第一カートと第二カートを連結させた状態でカートシステム全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0016】
また、本発明に係るカートシステムは、前記第二カートは、把持可能な操作ハンドル部を有し、前記連結手段は、前記第一カートに設けられ、前記操作ハンドル部に着脱可能に嵌合したハンドル嵌合部を有することを特徴とする。
【0017】
この構成では、電子機器を用いた執務又は物品を運搬しての執務の両方を行う場合は、第二カートに設けられた操作ハンドル部と第一カートに設けられたハンドル嵌合部を嵌合して第一カートと第二カートを連結させることができる。また、連結手段が着脱可能であるので、どちらか一方のみの執務を行う場合は、操作ハンドル部とハンドル嵌合部の嵌合を解除して第一カートと第二カートを切り離すことができる。よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
【0018】
また、本発明に係るカートシステムは、前記連結手段は、前記第二カートに設けられ、前記第一ベース部に下方より着脱可能に係合するベース係合部を有することを特徴とする。
【0019】
この構成では、電子機器を用いた執務又は物品を運搬しての執務の両方を行う場合は、第二カートに設けられたベース係合部と第一カートに設けられた第一ベース部を係合して第一カートと第二カートを連結させることができる。また、連結手段が着脱可能であるので、どちらか一方のみの執務を行う場合は、ベース係合部と第一ベース部の係合を解除して第一カートと第二カートを切り離すことができる。よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るカートシステムによれば、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、カートシステムの形状をコンパクトとし、執務者の使い勝手を良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの側面図である。
【図3】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの連結手段部分の拡大側面図である。
【図4】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの連結手段を第二カートから切り離した場合の拡大側面図である。
【図5】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの連結手段を第一カート及び第二カートから切り離した場合の斜視図である。
【図6】本発明の第一実施形態におけるカートシステムの連結手段の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図8】本発明の第二実施形態におけるカートシステムの連結手段を第一カートから切り離した場合の斜視図である。
【図9】本発明の第二実施形態におけるカートシステムの連結手段部分の拡大図である。
【図10】本発明の第三実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図11】本発明の第三実施形態におけるカートシステムの連結手段を第二カートから切り離した場合の斜視図である。
【図12】本発明の第四実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図13】本発明の第四実施形態におけるカートシステムの連結手段を第二カートから切り離した場合の斜視図である。
【図14】本発明の第五実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図15】本発明の第五実施形態におけるカートシステムの連結手段を第一カートから切り離した場合の斜視図である。
【図16】本発明の第六実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【図17】本発明の第六実施形態におけるカートシステムの連結手段を第一カートから切り離した場合の斜視図である。
【図18】本発明の第七実施形態におけるカートシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係るカートシステム101について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
図1に示すように、本発明に係るカートシステム101は、移動可能であるとともに電子機器を載置して使用可能とする第一カート1と、物品を載置して搬送可能とした第二カート2と、第一カート1と第二カート2とを着脱可能に連結する連結手段5と、を備える。
【0023】
(第一カート1)
第一カート1は、床面上を走行可能な複数の第一キャスター113が設けられた第一ベース部11と、第一ベース部11に支持され、電子機器を載置可能な第一天板12と、第一ベース部11に設けられ、第一天板12を支持する第一支持部13と、第一支持部13に設けられた把持可能な第一操作ハンドル部14と、を備えている。
ここで、執務者が第一操作ハンドル部14と対向するように位置して第一操作ハンドル部14を押し引きする方向となる図1の紙面の右奥から左手前に沿う方向をカートシステム101の前後方向Yとし、第一操作ハンドル部14を押す側となる紙面右奥側をカートシステム101の「前方」、第一操作ハンドル部14を引く側となる紙面左手前側をカートシステム101の「後方」と称する。また、平面視して前後方向Yと直交する方向となる図1の紙面右手前から左奥に沿う方向をカートシステム101の左右方向Xとし、紙面右手前側をカートシステム101の「右側」、紙面左奥側をカートシステム101の「左側」と称する。
【0024】
第一ベース部11は、第一支持部13の下端より前方に向かって設けられた左右一対の前部脚杆111と、第一支持部13の下端より後方に向かって設けられた左右一対の後部脚杆112と、前述の第一キャスター113と、を備える。第一キャスター113は、左右一対の前部脚杆111及び後部脚杆112の各先端に取り付けられている。
【0025】
第一支持部13は、第一ベース部11に設けられ、上端にて第一天板12の裏面に固定されている。また、第一支持部13は、第一ベース部11から上方に向かって立設された支持基体131と、支持基体131に取り付けられ第一天板12を支持する天板支持部132と、を備える。
図5に示すように、支持基体131の前方の面には、上下方向に沿って第一溝部136が左右二箇所に設けられている。該第一溝部136には、断面視してコの字状をなす溝付係合部137が嵌合されている。溝付係合部137には、それぞれ略矩形の第二溝部138が上下方向に沿って三箇所設けられている。該第二溝部138には、後述する連結手段5である連結基部51が挿入され、固定されている。
天板支持部132は、支持基体131に側面視して片持ち状に取り付けられた左右一対の第一天板支持部133と、各第一天板支持部133の先端に取り付けられた左右一対の第二天板支持部134と、各第二天板支持部134の先端に取り付けられ前方へと配されるとともに、上面にて天板を支持する左右一対の第三天板支持部135と、を備える。本実施形態では、第一天板支持部133は、支持基体131の上端から上方に向かうに従って右側後方と左側後方へと配されている。また、第二天板支持部134は、上方に向かうに従って前方へと配されている。
【0026】
第一天板12は、平面視して略矩形をなし、上面は電子機器等の物品を載置可能であり、下面にて左右一対の第三天板支持部135に支持されている。
【0027】
第一操作ハンドル部14は、左右各側の第一天板支持部133と第二天板支持部134の連結部分同士を連結し、断面視して円形をなしている。
【0028】
(第二カート2)
第二カート2は、物品を載置可能とし上下に複数設けられた物品載置部21と、物品載置部21のそれぞれを左右両側で支持する複数の第二支持部22と、各第二支持部22に取り付けられた第二キャスター23と、左右両側の第二支持部22を連結し把持可能な第二操作ハンドル部24と、を備える。
【0029】
第二支持部22は、上下方向に沿って配設され前後方向に対をなして設けられた一対の支持杆121と、一対の支持杆121同士の上端を前後方向に連結する連結杆122と、を備える。支持杆121の下端にはそれぞれ第二キャスター23が設けられている。支持杆121及び連結杆122は断面視して円形をなし、支持杆121と連結杆122の連結箇所は、曲線状に屈曲している。
【0030】
物品載置部21は、支持杆121の上部、下部、及び上部と下部の略中間部のそれぞれに設けられている。各物品載置部21は、略矩形をなし、各角部分が支持杆121に内接している。
【0031】
第二操作ハンドル部24は、前後それぞれに設けられ、各第二支持部22の前後いずれかの対応する支持杆121に取り付けられている。すなわち、第二操作ハンドル部24は、左右方向に沿って配設され把持可能な把持部141と、把持部141の両端に設けられ、対応する支持杆121に取り付けられた連結部142とを有する。
【0032】
(連結手段5)
本実施形態では、連結手段5として、第一カート1に取り付けられるとともに、第二カート2の第二操作ハンドル部24に着脱可能に嵌合されるハンドル嵌合部6を有する。図3及び図4に示すように、ハンドル嵌合部6は、第一カート1の支持基体131に設けられた連結基部51と、連結基部51に回転可能に取り付けられ第二カート2の第二操作ハンドル部24に着脱可能に嵌合される着脱連結部61とを有する。
【0033】
図6に示すように、連結基部51は、支持基体131と嵌合された後述する嵌合凸部53が設けられた支持台52と、支持台52より突設された左右一対の突設部58と、一対の突設部58の先端間に連結され、着脱連結部61を回転可能に支持する回転軸59と、を備える。
【0034】
支持台52には、嵌合凸部53として、支持台52の上部から後方に向かって突設された第一嵌合凸部54と、第一嵌合凸部54の下方で支持台52から後方に向かって突設された第二嵌合凸部55と、を備える。第二嵌合凸部55は、上下に二つずつ設けられている。また、第一嵌合凸部54及び第二嵌合凸部55は、支持基体131の溝付係合部137と対応して左右に二列に設けられている。
【0035】
第一嵌合凸部54は、支持台52から後方に向かって突設された基部56と、該基部56の先端部より上下方向にそれぞれ延設された延設部57と、を備える。
第一嵌合凸部54の基部56及び延設部57は、支持基体131に設けられた第二溝部138に水平方向から挿入されるとともに、第二溝部138の内部にて上下方向への移動が可能であり、第二溝部138の開口部下端に第一嵌合凸部54の基部56の下端が係止されることにより、第一嵌合凸部54は支持基体131と嵌合されている。
【0036】
第二嵌合凸部55は、支持台52から後方に向かって突設された基部56と、該基部56の先端部より下方向に延設された延設部57と、を備える。
第二嵌合凸部55の基部56及び延設部57は、支持基体131に設けられた第二溝部138に水平方向から挿入されるとともに、第二溝部138の内部にて上下方向への移動が可能であり、第二溝部138の開口部下端に第二嵌合凸部55の基部56の下端が係止されることにより、第二嵌合凸部55は支持基体131と嵌合されている。
【0037】
突設部58は、支持台52の上下方向を向く二辺よりそれぞれ前方に突設され、先端に向かうに従って側面視して上下幅が狭くなるように形成されている。また、各突設部58の先端部の対向する面には、それぞれ回転軸59の端部が連結されている。
【0038】
回転軸59は、断面視して円形をなし、両端はそれぞれ突設部58に取り付けられている。また、回転軸59は上方より後述する上部カバー81、下方より後述する下部カバー82に嵌合されているとともに、回転軸59を中心に上部カバー81及び下部カバー82は一体として上下方向に回転可能である。
【0039】
着脱連結部61は、回転軸59が挿通される挿通部62と、第二操作ハンドル部24の把持部141が嵌合されるハンドル着脱部63と、を備える。
【0040】
着脱連結部61は、上部カバー81と下部カバー82とが組みつけられて構成されている。上部カバー81及び下部カバー82には、挿通部62と対応する凹部が形成されている。すなわち、上部カバー81の下面の後側には左右方向に沿って設けられた断面視して上側に弧をなす半円の形状の凹部が形成されている。また、下部カバー82の上面の後側には左右方向に沿って設けられた断面視して下側に弧をなす半円の形状の凹部が形成されている。そして、上部カバー81と下部カバー82を組みつけることにより、断面視して円形の挿通部62が形成され、回転軸59の形状と対応することとなる。
【0041】
ハンドル着脱部63は、第二操作ハンドル部24の把持部141を嵌合する凹形状を有するハンドル嵌合本体64と、上部カバー81に取り付けられたスライド部65と、下部カバー82に取り付けられた抜け止め部71と、を備える。
【0042】
ハンドル嵌合本体64は、上部カバー81の下面の前側に左右方向に沿って設けられた、断面視して上側に弧をなす半円の第二カート2の把持部141に対応した形状である。また、ハンドル嵌合本体64は、把持部141を上方より嵌合可能である。
【0043】
スライド部65は、上部カバー81の上面に設けられた縦長の貫通孔66と、該貫通孔66に挿通されたスライド係合部67と、スライド係合部67を支持するスライド支持部68と、スライド支持部68の上端に設けられたスライドつまみ部69と、を備える。
貫通孔66は、上部カバー81の上面に前後方向に沿って縦長に形成されている。該貫通孔66にはスライド係合部67が挿通され、スライド係合部67を前後方向に移動可能としている。
スライド係合部67は、上端にてスライド支持部68に支持されるとともに、上部カバー81の貫通孔66に挿通され、下部にて後述する抜け止め凸部74に係合されている。
スライド支持部68は、上部カバー81の上面に面して設けられるとともに、下端にてスライド係合部67を支持している。
スライドつまみ部69は、スライド支持部68の上面から、左右方向に細長に突設されている。スライドつまみ部69を前後方向に移動させれば、スライド係合部67が貫通孔66を前後方向に移動することにより、スライドつまみ部69、スライド支持部68及びスライド係合部67を一体として前後方向に移動させることができる。
【0044】
抜け止め部71は、下部カバー82の前端に形成された抜け止め凹部72と、抜け止め凹部72から前方に突設された抜け止め本体部73と、抜け止め本体部73の後部より上方に突設された抜け止め凸部74と、を備える。
抜け止め凹部72は、下部カバー82の前端において凹形状に形成された切り欠きである。抜け止め凹部72の上方には抜け止め本体部73が前後方向に進退可能に配されている。
抜け止め本体部73は、平面視して略矩形をなし、前部が抜け止め凹部72より突出している。また、抜け止め本体部73の後端にはバネ等の付勢手段(不図示)が設けられ、抜け止め本体部73は前方側に付勢されている。
抜け止め凸部74は、抜け止め本体部73の後部より上方に突出するとともに、抜け止め凸部74の前端部はスライド係合部67の下部において後面と係合されている。
したがって、通常の状態では、バネ等の付勢手段により、抜け止め部71は前方側に付勢されているので抜け止め本体部73の前部は抜け止め凹部72より突出しているとともに、抜け止め凸部74に係合されたスライド係合部67も前方側に位置している。すなわち、スライド係合部67を構成要素とするスライド部65自体が前方側に位置している。この状態では、ハンドル嵌合本体64を第二カート2の第二操作ハンドル部24の把持部141に上方より嵌合させると、抜け止め部71の抜け止め本体部73が抜け止め凹部72より突出しているので、把持部141の下端と抜け止め本体部73の前部の上端が係合することとなる。
そして、スライドつまみ部69を後方側に移動させると、スライド係合部67はスライドつまみ部69と一体となっているので、スライド係合部67が後方側に移動し、スライド係合部67に係合されている抜け止め凸部74も後方側に移動する。そして、抜け止め凸部74と一体となっている抜け止め本体部73も後方側に移動するので、抜け止め本体部73は抜け止め凹部72より突出せずに下部カバー82の内部に納まることとなる。よって、把持部141と抜け止め本体部73の係合が解除されることとなる。
【0045】
次に、本実施形態のカートシステム101の作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101では、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2には、上下に複数の物品載置部21が備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21に物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第一カート1に設けられた連結手段5である着脱連結部61のハンドル嵌合本体64を、第二カート2に設けられた第二操作ハンドル部24の把持部141に上方より嵌合させれば、第一カート1と第二カート2を連結させて使用することができる。さらに、抜け止め本体部73の前部が把持部141の下部に係合しているので、着脱連結部61のハンドル嵌合本体64が把持部141に嵌合した状態から上方へ脱した状態となってしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、第一カート1の上部カバー81に設けられたスライド部65のスライドつまみ部69を後方側に移動させると、スライド係合部67も後方側に移動するとともにスライド係合部67と係合された抜け止め部71の抜け止め凸部74、及び抜け止め凸部74と一体となっている抜け止め本体部73も後方側に移動する。これにより、抜け止め本体部73が抜け止め凹部72より突出せずに下部カバー82の内部に納まることとなる。そして、上部カバー81及び下部カバー82を連結基部51に設けられた回転軸59を中心に上側に回転させれば、ハンドル嵌合本体64と把持部141の嵌合が解除されることにより連結手段5による連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2を単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5による連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21を有する第二カート2を切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2を単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
【0046】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
図7及び図8に示すように、本実施形態では、第二カート2Sは、物品を載置可能とし、上下に複数設けられた物品載置部21Sと、該複数の物品載置部21Sを収容する収納部22Sと、該収納部22Sの下部に取り付けられた第二キャスター23と、収納部22Sの上方に設けられた第二操作ハンドル部24Sと、を備える。
【0048】
収納部22Sは、略矩形の四枚の面材が上側、下側、前側、及び後側のそれぞれを囲むように組み合わされて構成され、左右方向に開口を有するとともに内部に複数の物品載置部21Sを収容している。また、収納部22Sの下側の面材の下面には、複数の第二キャスター23が取り付けられている。
【0049】
物品載置部21Sは、前壁、後壁、左壁、右壁、及び底面の五面から構成されて、上方が開放されたトレイである。また、複数の該物品載置部21Sは、収納部22Sの内部にて上下方向に沿って配されている。
【0050】
第二操作ハンドル部24Sは、平面視して略矩形枠状の把持部141Sと、該把持部141Sを収納部22Sの上面に固定する連結部142Sと、を備える。
把持部141Sの前部は収納部22Sの前部の直上にあり、把持部141Sの後部は収納部22Sの後部より後方に張り出している。
連結部142Sは、収納部22Sの上面の右縁の前後方向に複数箇所及び左縁の前後方向に複数箇所設けられ、把持部141Sと収納部22S上面とを固定している。
【0051】
(連結手段5S)
本実施形態では、連結手段5Sとして、第二カート2Sに取り付けられるとともに、第一カート1の支持基体131に着脱可能に嵌合されるハンドル嵌合部6Sを有する。ハンドル嵌合部6Sは、第二カート2Sの第二操作ハンドル部24Sに嵌合される連結基部51Sと、連結基部51Sに回転可能に取り付けられ第一カート1の支持基体131に着脱可能に嵌合される着脱連結部61Sと、を備える。
【0052】
図9に示すように、連結基部51Sは、第二操作ハンドル部24Sの把持部141Sに取り付けられる支持台52Sと、支持台52Sに設けられて、着脱連結部61Sを回転可能に支持する回転軸59Sと、支持台52Sに設けられて、着脱連結部61Sを着脱可能に係合する係合凸部66Sと、を備える。また、支持台52Sには、第二操作ハンドル部24Sの把持部141Sが挿通される貫通孔であるハンドル挿通部53Sが設けられている。
【0053】
回転軸59Sは、支持台52Sの後部において左右方向一方側となる右縁部に設けられ、上下方向に沿う軸回りに、着脱連結部61Sを回転可能に支持している。
【0054】
係合凸部66Sは、支持台52Sにおいて回転軸59Sが設けられた側と反対側の端部から、回転軸59Sと反対側に向けて突出して設けられている。
【0055】
着脱連結部61Sは、第一カート1の支持基体131を嵌合する凹形状を有するとともに、係合凸部66Sと係合する被係合部67Sと、回転軸59Sを嵌合する回転軸挿通部70Sと、着脱連結部61Sを回転軸59S回りに回転させる操作を行う操作部64Sと、を備える。
また、着脱連結部61Sは、支持基体131の右面、後面及び左面の三面を囲むように面材で形成された凹形状である。第一カート1の支持基体131の前面を第二カート2Sの連結基部51Sの支持台52Sの後面が囲い、支持基体131の右面、後面及び左面を着脱連結部61Sが囲むことにより、支持基体131はハンドル嵌合部6Sに嵌合される。
【0056】
回転軸挿通部70Sは、回転軸59Sの形状に対応して着脱連結部61Sの回転軸59Sが設けられた側の端部に施された上下方向の貫通孔である。そして、回転軸挿通部70Sには、回転軸59Sが上下方向に挿通されている。
【0057】
操作部64Sは、着脱連結部61Sの後面より後方に突出する凸部である。当該操作部64Sをつまんで操作することで、着脱連結部61Sを回転させることが可能となっている。
【0058】
被係合部67Sは、着脱連結部61Sにおいて回転軸59Sが設けられた側と反対側の端部から、回転軸59Sが設けられた側に向けて突出して設けられ、支持基体131を嵌合させて連結させた状態で、係合凸部66Sに係合され後方へ向けて回転することが規制されている。
ここで、被係合部67Sにおいて、係合凸部66Sと係合された状態で係合凸部66Sと当接する係合面69Sと反対側には、被係合部67Sの先端から基端にいくに従って次第に係合面69Sから離間するように傾斜した傾斜面68Sが形成されている。
また、被係合部67Sは弾性変形が可能であるので、操作部64Sに後向きの力を加えると、被係合部67Sが着脱連結部61Sの外面に沿って前向きに変形し、係合面69Sが係合凸部66Sに対して相対的に後方向に移動可能である。このため、操作部64Sに後向きの力を加えて着脱連結部61Sを回転させることで被係合部67Sと係合凸部66Sとの係合を解除し、支持基体131とハンドル嵌合部6Sの嵌合を解除することが可能である。
【0059】
逆に、支持基体131とハンドル嵌合部6Sの嵌合が解除された状態から、操作部64Sに前向きの力を加えると、被係合部67Sの傾斜面68Sと係合凸部66Sとが接触し、さらに力を加えると、被係合部67Sが弾性変形することで、被係合部67Sが着脱連結部61Sの内面に沿って後向きに変形し、傾斜面68Sが係合凸部66Sに対して相対的に前方向に移動可能である。そして、さらに力を加えると、係合面69Sと係合凸部66Sの前面が係合し、支持基体131とハンドル嵌合部6Sを嵌合させることが可能である。
また、嵌合され、第一カート1と第二カート2Sが連結された状態において、第二カート2Sの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっている。
【0060】
次に、本実施形態のカートシステム101Sの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Sでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Sには、上下に複数の物品載置部21Sが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Sに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第二カート2Sに設けられた連結手段5Sであるハンドル嵌合部6Sを、第一カート1に設けられた支持基体131に水平方向から嵌合させれば、第一カート1と第二カート2Sを連結させて使用することができる。さらに、被係合部67Sの係合面69Sと係合凸部66Sとが係合しているので、着脱連結部61Sが回転軸59Sを中心に後方に回転するのを規制することができ、支持基体131とハンドル嵌合部6Sを確実に嵌合することが可能となる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、第二カート2Sの着脱連結部61Sに設けられた操作部64Sをつまんで操作すると、着脱連結部61Sを回転軸59S回りに回転させることができる。操作部64Sに後向きの力を加えると、被係合部67Sが着脱連結部61Sの外面に沿って前向きに変形し、係合面69Sが係合凸部66Sに対して相対的に後方向に移動する。そして、被係合部67Sと係合凸部66Sの係合が解除され、支持基体131とハンドル嵌合部6Sの嵌合は解除されることにより連結手段5Sによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Sを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Sによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Sを有する第二カート2Sを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Sを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
また、嵌合され、第一カート1と第二カート2Sが連結された状態で、第二カート2Sの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっているので、第一カート1の第一天板12上に載置した電子機器を使用することができるので、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
【0061】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
(第二カート2T)
図10及び図11に示すように、本実施形態では、第二カート2Tは、物品を載置可能とし上下に複数設けられた物品載置部21Tと、床面上を走行可能な複数の第二キャスター23が設けられた第二ベース部25Tと、第二ベース部25Tに設けられ、物品載置部21Tのそれぞれを左右両側及び下方より支持する複数の第二支持部22Tと、左右両側の第二支持部22Tを連結し把持可能な第二操作ハンドル部24Tと、を備える。
【0063】
物品載置部21Tは、略矩形をなした板状であり、第二支持部22Tの上端と、第二支持部22Tの上下方向略中央とで、それぞれ第二支持部22Tに固定されている。上部の物品載置部21Tは第二支持部22Tにより下方から支持され、中央部の物品載置部21Tは第二支持部22Tにより左右方向から支持されている。
【0064】
第二ベース部25Tは、前後方向に配された2本の脚杆26Tと、各脚杆26Tの前後方向略中央において互いに連結する下側ビーム27Tと、各脚杆26Tの先端に設けられた第二キャスター23と、を備える。
【0065】
第二支持部22Tは、各脚杆26Tの前後方向略中央より立設している。また、第二支持部22Tの上端は上部の物品載置部21Tを支持し、各第二支持部22Tの上下方向略中央の左右方向の内面はそれぞれ中央部の物品載置部21Tを支持し、各第二支持部22Tの上部と中央部の間の略中央部28Tの左右方向の外面はそれぞれ第二操作ハンドル部24Tを支持している。
【0066】
第二操作ハンドル部24Tは、平面視して略矩形枠状をなし、前後方向の略中央部28Tにおいて、各第二支持部22Tの側面に、左右方向に沿う回転軸回りに回転可能に支持されている。
【0067】
(連結手段5T)
本実施形態では、連結手段5Tとして、第一カート1に取り付けられるとともに、第二カート2Tの第二操作ハンドル部24Tに着脱可能に嵌合されるハンドル嵌合部6Tを有する。
【0068】
ハンドル嵌合部6Tは、第一カート1の支持基体131に取り付けられた取付部51Tと、取付部51Tより延設され、第二操作ハンドル部24Tと着脱可能に嵌合されるハンドル着脱部52Tと、を備える。
【0069】
取付部51Tは、第一カート1の支持基体131の前面に面して設けられた略矩形の面材であり、例えば接着剤等の接着部材により支持基体131に取り付けられている。
【0070】
ハンドル着脱部52Tは、取付部51Tの下端より前方に向かって突設されているとともに、端部は第二操作ハンドル部24Tの形状に対応して曲面をなして上方に突設されている。また、第二操作ハンドル部24Tを、略中央部28Tを中心に回転させれば、第二操作ハンドル部24Tをハンドル着脱部52Tの上方より嵌合し、また嵌合した状態から上方に向けて取り外すことが可能である。
また、嵌合され、第一カート1と第二カート2Tが連結された状態において、第二カート2Tの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっている。
【0071】
次に、本実施形態のカートシステム101Tの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Tでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Tには、上下に複数の物品載置部21Tが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Tに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第二カート2Tに設けられた第二操作ハンドル部24Tを、第一カート1に設けられた連結手段5Tであるハンドル嵌合部6Tのハンドル着脱部52Tに嵌合させれば、第一カート1と第二カート2Tを連結させて使用することができる。さらに、ハンドル着脱部52Tの端部は第二操作ハンドル部24Tの形状に対応して曲面をなして上方に突設されているので、第二操作ハンドル部24Tがハンドル着脱部52Tに嵌合された状態から、第二操作ハンドル部24Tのみが前後方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、第二カート2Tの第二操作ハンドル部24Tをハンドル着脱部52Tから上方に向けて取り外せば嵌合は解除され、連結手段5Tによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Tを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Tによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Tを有する第二カート2Tを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Tを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
また、嵌合され、第一カート1と第二カート2Tを連結させた状態で、第二カート2Tの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっているので、第一カート1の第一天板12上に載置した電子機器を使用することができるので、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
【0072】
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
(第二カート2U)
図12及び図13に示すように、本実施形態では、第二カート2Uは、床面上を走行可能な複数の第二キャスター23が設けられた第二ベース部25Uと、第二ベース部25Uに設けられ、物品載置部21Uを前後両側より支持する複数の第二支持部22Uと、第二支持部22Uにより前後方向に支持され、物品を載置可能な複数の物品載置部21Uと、第二支持部22Uにより下方より支持され、物品を載置可能な第二天板28Uと、第二支持部22Uに設けられ、把持可能な第二操作ハンドル部24Uと、を備える。
【0074】
第二ベース部25Uは、左右方向に配された2本の脚杆26Uと、各脚杆26Uの左右方向略中央において互いに連結する下側ビーム27Uと、各脚杆26Uの先端に設けられた第二キャスター23と、を備える。
【0075】
第二支持部22Uは、各脚杆26Uの左右方向略中央より立設している。また、第二支持部22Uの上面は第二天板28Uを支持し、各第二支持部22Uの対向する面は複数の物品載置部21Uを支持している。
【0076】
物品載置部21Uは、前壁、後壁、左壁、右壁、及び底面の五面から構成されて、上方が開放されたトレイである。また、上下方向に配された複数の物品載置部21Uは、それぞれ前後方向より第二支持部22Uに固定されている。
【0077】
第二天板28Uは、略矩形の板状であり、第二支持部22Uに下方から支持されている。
【0078】
第二操作ハンドル部24Uは、前後それぞれに設けられ、各第二支持部22Uに取り付けられている。すなわち、第二操作ハンドル部24Uは、左右方向に沿って配設され把持可能な把持部141Uと、把持部141Uの両端に設けられ、第二支持部22Uに取り付けられた連結部142Uと、を有する。
【0079】
(連結手段5U)
本実施形態では、連結手段5Uとして、第一カート1に取り付けられるとともに、第二カート2Uの第二操作ハンドル部24Uに着脱可能に嵌合されるハンドル嵌合部6Uを有する。
【0080】
ハンドル嵌合部6Uは、第一カート1の支持基体131に取り付けられた取付部51Uと、取付部51Uより延設され、第二操作ハンドル部24Uの把持部141Uと着脱可能に嵌合されるハンドル着脱部52Uと、を備える。
【0081】
取付部51Uは、第一カート1の支持基体131の前面に面して設けられた略矩形の面材であり、例えば接着剤等の接着部材により支持基体131に取り付けられている。
【0082】
ハンドル着脱部52Uは、取付部51Uの上端より前方に向かって突設されているとともに、端部は第二操作ハンドル部24Uの把持部141Uの形状に対応して曲面をなして下方に突設されている。また、第一カート1を少し持ち上げて、ハンドル嵌合部6Uを把持部141Uの上方より下方に移動させれば、ハンドル着脱部52Uと把持部141Uを嵌合し、また嵌合した状態から第一カート1を少し持ち上げて取り外すことが可能である。
【0083】
次に、本実施形態のカートシステム101Uの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Uでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Uには、上下に複数の物品載置部21Uが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Uに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第二カート2Uに設けられた第二操作ハンドル部24Uを、第一カート1に設けられた連結手段5Uであるハンドル嵌合部6Uのハンドル着脱部52Uに嵌合させれば、第一カート1と第二カート2Uを連結させて使用することができる。さらに、ハンドル着脱部52Uの端部は第二操作ハンドル部24Uの形状に対応して曲面をなして下方に突設されているので、第二操作ハンドル部24Uがハンドル着脱部52Uに嵌合された状態から、第二操作ハンドル部24Uのみが前後方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、第一カート1を少し持ち上げれば嵌合は解除され、連結手段5Uによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Uを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Uによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Uを有する第二カート2Uを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Uを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
【0084】
(第五実施形態)
以下、本発明の第五実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
(第二カート2V)
図14及び図15に示すように、本実施形態では、第二カート2Vは、床面上を走行可能な複数の第二キャスター23が設けられた第二ベース部25Vと、第二ベース部25Vに設けられ、物品載置部21Vを支持する第二支持部22Vと、第二支持部22Vに支持され、物品を載置可能な複数の物品載置部21Vと、を備える。
【0086】
第二ベース部25Vは、複数の第二キャスター23と、各第二キャスター23の上端部を連結する脚杆26Vと、を備える。本実施形態では、第二キャスター23は3個設けられ、そのうちの2個は、前方において左右方向に配される第二前方キャスター123Vであり、残りの1個は、第二前方キャスター123Vを結んだ線の中央部を通り水平方向に直交する線上であって後方に配される第二後方キャスター124Vである。また、脚杆26Vのうち1本は、前方において左右方向に配され、残りの2本は、後方に向かって互いに近づいて配されるとともに互いに端部を重ねている。
【0087】
第二支持部22Vは、前方に配される2個の第二キャスター23よりそれぞれ上方に延設される支持杆121Vと、該支持杆121Vから後方に片持ち状に延設される左右一対の梁材122Vと、を備える。左右一対の梁材122Vは後方に向かって互いに近づいて配されるとともに互いに端部を重ねているとともに、上部にて物品載置部21Vを支持している。
【0088】
物品載置部21Vは、略矩形をなし、上下方向に複数設けられ、梁材122Vに支持されている。
【0089】
(連結手段5V)
本実施形態では、連結手段5Vとして、第二カート2Vに取り付けられるとともに、第一カート1の第一ベース部11に下方より着脱可能に係合するベース係合部7Vを有する。
【0090】
ベース係合部7Vは、第二後方キャスター124Vの上部より後方に延設される延設部51Vと、該延設部51Vの先端部に設けられ、第一ベース部11と着脱可能に係合される係合部52Vと、を備える。
【0091】
係合部52Vは、延設部51Vの先端部に設けられ、上方且つ後方に突出している。また、係合部52Vの基部には上方に立ち上がる立上り面53Vが設けられ、後方にいくに従って立上り高さを低くするように形成されている。また、立上り面53Vの上端から、係合部52Vの先端に向かって下向きに傾斜する傾斜面54Vが形成されている。
また、第一カート1を第二カート2Vに近づけると、第一カート1の第一ベース部11と係合部52Vが当接し、第一ベース部11が傾斜面54Vに沿って前方に移動する。さらに第一カート1を近づけると、第一ベース部11が立上り面53Vに沿って下方に移動し、第一ベース部11の下部とベース係合部7Vの延設部51Vの上部が当接する。そして、延設部51V自体の弾性により、第一ベース部11には延設部51Vより上方向きの力が作用し、第一ベース部11と延設部51V及び係合部52Vの立上り面53Vは係合される。また、係合された状態から、係合部52Vの傾斜面54Vを足で踏んで下向きの力を加えると、取り外すことが可能である。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Vが連結された状態において、第二カート2Vの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっている。
また、第一カート1と第二カート2Vが連結された状態において、第二カート2Vの物品載置部21V、第二ベース部25Vの脚杆26V及び第二後方キャスター124Vは、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Vが連結された状態において、第二カート2Vの物品載置部21Vは前部空間10に配設されている。
【0092】
次に、本実施形態のカートシステム101Vの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Vでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Vには、上下に複数の物品載置部21Vが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Vに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第一カート1を第二カート2Vに近づけて、第一ベース部11を傾斜面54Vに沿って前方に移動させれば、第一ベース部11と第二カート2Vの連結手段5Vであるベース係合部7Vの延設部51Vを係合し、第一カート1と第二カート2Vを連結させて使用することができる。さらに、係合部52Vには立上り面53Vが設けられており、該立上り面53Vと第一ベース部11と係合されることにより、第一カート1のみが前後方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、傾斜面54Vを足で踏んで下向きの力を加えると係合は解除され、連結手段5Vによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Vを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Vによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Vを有する第二カート2Vを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Vを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Vを連結させた状態で、第二カート2Vの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっているので、第一カート1の第一天板12上に載置した電子機器を使用することができるので、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、第一カート1と第二カート2Vを連結させた状態で、第二カート2Vの物品載置部21V、第二ベース部25Vの脚杆26V及び第二後方キャスター124Vは、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。よって、カートシステム101V全体としてコンパクトな形状とすることができる。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Vを連結させた状態で、第二カート2Vの物品載置部21Vは前部空間10に配設されているので、カートシステム101V全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0093】
(第6実施形態)
以下、本発明の第六実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0094】
(第二カート2W)
図16及び図17に示すように、本実施形態では、第二カート2Wは、床面上を走行可能な複数の第二キャスター23が設けられた第二ベース部25Wと、第二ベース部25Wに設けられ、物品載置部21Wを支持する第二支持部22Wと、第二支持部22Wに支持され、物品を載置可能な複数の物品載置部21Wと、を備える。
【0095】
第二支持部22Wは、上下方向に沿って配設され前後方向に対をなして設けられた一対の支持杆121Wと、一対の支持杆121W同士の上端を前後方向に連結する連結杆122Wと、を備える。前方の支持杆121Wの下端にはそれぞれ第二キャスター23が設けられ、後方の支持杆121Wの下端には支持梁26Wが設けられている。支持杆121W及び連結杆122Wは断面視して円形をなし、支持杆121Wと連結杆122Wの連結箇所は、曲線状に屈曲している。
【0096】
第二ベース部25Wは、複数の第二キャスター23と、支持杆121Wの下部より後方に配され、第二キャスター23が取り付けられた支持梁26Wと、を備える。
本実施形態では、複数の第二キャスター23は、前方の左右に配された第二キャスター23と、後方の左右に配された第二キャスター23と、を有する。
支持梁26Wは、第二支持部22Wの下部より後方に配され、先端部において第二キャスター23が取り付けられている。
【0097】
物品載置部21Wは、略矩形をなした板状であり、支持杆121Wの上端と、下端と、支持杆121Wの上下方向略中央とで、それぞれ支持杆121Wに固定されている。
【0098】
(連結手段5W)
本実施形態では、連結手段5Wとして、第二カート2Wに取り付けられるとともに、第一カート1の第一ベース部11に下方より着脱可能に係合するベース係合部7Wを有する。
【0099】
ベース係合部7Wは、下部の物品載置部21Wの下方に設けられた支持台50Wと、該支持台50Wの下面より後方に延設される延設部51Wと、該延設部51Wの端部より上方に突出し、第一ベース部11と着脱可能に係合される係合部52Wと、を備える。
【0100】
支持台50Wは、略矩形をなした板状であり、下部の物品載置部21Wの下方に設けられ、支持杆121Wに固定されている。
【0101】
係合部52Wは、延設部51Wの先端部から上方へ向けて湾曲し鉤状の曲面54Wが形成されている。また、係合部52Wの先端部は左右方向に沿った端面53Wが設けられている。
また、第一カート1を第二カート2Wに近づけると、第一カート1の第一ベース部11と係合部52Wが当接し、第一ベース部11が曲面54Wに沿って前方に移動する。さらに第一カート1を近づけると、第一ベース部11が端面53Wに沿って下方に移動し、第一ベース部11の下部とベース係合部7Vの延設部51Wの上部が当接する。そして、延設部51W自体の弾性により、第一ベース部11には延設部51Wより上方向きの力が作用し、第一ベース部11と延設部51W及び係合部52Wの曲面54Wは係合される。また、係合された状態から、係合部52Wの曲面54Wを足で踏んで下向きの力を加えると、取り外すことが可能である。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっている。
また、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの物品載置部21W、第二ベース部25Wの支持梁26W及び支持梁26Wに取り付けられた第二キャスター23は、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの物品載置部21Wは前部空間10に配設されている。
【0102】
次に、本実施形態のカートシステム101Wの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Wでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Wには、上下に複数の物品載置部21Wが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Wに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第一カート1を第二カート2Wに近づけて、第一ベース部11を曲面54Wに沿って前方に移動させれば、第一ベース部11と第二カート2Wの連結手段5Wであるベース係合部7Wの延設部51Wを係合し、第一カート1と第二カート2Wを連結させて使用することができる。さらに、係合部52Wには端面53Wが設けられており、該端面53Wと第一ベース部11と係合されることにより、第一カート1のみが前後方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、曲面54Wを足で踏んで下向きの力を加えると係合は解除され、連結手段5Wによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Wを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Wによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Wを有する第二カート2Wを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Wを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっているので、第一カート1の第一天板12上に載置した電子機器を使用することができるので、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの物品載置部21W、第二ベース部25Wの支持梁26W及び支持梁26Wに取り付けられた第二キャスター23は、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。よって、カートシステム101W全体としてコンパクトな形状とすることができる。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Wが連結された状態において、第二カート2Wの物品載置部21Wは前部空間10に配設されているので、カートシステム101W全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0103】
(第7実施形態)
以下、本発明の第七実施形態について説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0104】
(第二カート2X)
図18に示すように、本実施形態では、第二カート2Xは、物品を載置可能とし上下に複数設けられた物品載置部21Xと、物品載置部21Xのそれぞれを左右両側で支持する複数の第二支持部22Xと、各第二支持部22Xに取り付けられた第二キャスター23と、を備える。
【0105】
第二支持部22Xは、上下方向に沿って配設され前後方向に対をなして設けられた一対の支持杆121Xを備える。また、支持杆121Xの下端にはそれぞれ第二キャスター23が設けられている。
【0106】
物品載置部21Xは、略矩形をなした板状であり、支持杆121Xの上端と、下端と、支持杆121Xの上下方向略中央とで、それぞれ支持杆121Xに固定されている。
【0107】
(連結手段5X)
本実施形態では、連結手段5Xとして、第二カート2Xに取り付けられるとともに、第一カート1の第一ベース部11に下方より着脱可能に係合するベース係合部7Xを有する。
【0108】
ベース係合部7Xは、下部の物品載置部21Xの下面より後方に延設される延設部51Xと、該延設部51Xの端部より上方に突出し、第一ベース部11と着脱可能に係合される係合部52Xと、を備える。
【0109】
係合部52Xは、延設部51Xの先端部に設けられ、上方且つ後方に突出している。また、係合部52Xの基部には上方に立ち上がる立上り面53Xが設けられ、後方にいくに従って立上り高さを低くするように形成されている。また、立上り面53Xの上端から、係合部52Xの先端に向かって下向きに傾斜する傾斜面54Xが形成されている。
また、第一カート1を第二カート2Xに近づけると、第一カート1の第一ベース部11と係合部52Xが当接し、第一ベース部11が傾斜面54Xに沿って前方に移動する。さらに第一カート1を近づけると、第一ベース部11が立上り面53Xに沿って下方に移動し、第一ベース部11の下部とベース係合部7Xの延設部51Xの上部が当接する。そして、延設部51X自体の弾性により、第一ベース部11には延設部51Xより上方向きの力が作用し、第一ベース部11と延設部51X及び係合部52Xの立上り面53Xは係合される。また、係合された状態から、係合部52Xの傾斜面54Xを足で踏んで下向きの力を加えると、取り外すことが可能である。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Xが連結された状態において、第二カート2Xの高さは、第一カート1の第一天板12の下面の高さより低くなっている。
また、第一カート1と第二カート2Xが連結された状態において、第二カート2Xの物品載置部21Xは、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Xが連結された状態において、第二カート2Xの物品載置部21Xは前部空間10に配設されている。
また、第二カート2Xは、物品載置部21Xを左右両側で支持する複数の第二支持部22Xを有し、連結手段5Xによって第一カート1と第二カート2Xとが連結された状態で、第一カート1の前部脚杆111及び前部脚杆111に取り付けられた第一キャスター113は、左右両側に設けられた第二支持部22Xの間に配設されている。
【0110】
次に、本実施形態のカートシステム101Xの作用について説明する。
このように構成されたカートシステム101Xでは、第一カート1に備えられた第一天板12は電子機器等の物品を載置可能であるので、執務者は、第一カート1で電子機器を用いて執務を行うことができる。また、第二カート2Xには、上下に複数の物品載置部21Xが備えられているので、執務者は、それぞれの物品載置部21Xに物品を載置し、運搬して執務を行うことができる。
また、両方の執務をする場合には、第一カート1を第二カート2Xに近づけて、第一ベース部11を傾斜面54Xに沿って前方に移動させれば、第一ベース部11と第二カート2Xの連結手段5Xであるベース係合部7Xの延設部51Xを係合し、第一カート1と第二カート2Xを連結させて使用することができる。さらに、係合部52Xには立上り面53Xが設けられており、該立上り面53Xと第一ベース部11と係合されることにより、第一カート1のみが前後方向に移動してしまうことを規制することができる。
また、どちらか一方のみの執務をする場合には、傾斜面54Xを足で踏んで下向きの力を加えると係合は解除され、連結手段5Xによる連結が解除されるので、第一カート1又は第二カート2Xを単独で使用することができる。
よって、執務者の用途に応じて使用態様の変更を可能としつつ、執務者の使い勝手を良好にすることができる。
また、前述の連結手段5Xによる連結を解除すれば、移動しながら電子機器を使用する際に、第一カート1を単独で使用することで、物品載置部21Xを有する第二カート2Xを切り離して、コンパクトな使用形態で電子機器を使用することができる。また、物品を搬送する際に、第二カート2Xを単独で使用することで、電子機器を載置する第一天板12を有する第一カート1を切り離して、コンパクトな使用形態で物品を搬送することができる。
また、係合され、第一カート1と第二カート2Xが連結された状態において、第二カート2Xの物品載置部21Xは、第一カート1の第一天板12の直下に配設されている。よって、カートシステム101X全体としてコンパクトな形状とすることができる。
また、第一カート1は、第一ベース部11、第一支持部13及び第一天板12に囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間10が形成されている。そして、第一カート1と第二カート2Xが連結された状態において、第二カート2Xの物品載置部21Xは前部空間10に配設されているので、カートシステム101X全体としてコンパクトな形状とすることができる。
また、第二カート2Xは、物品載置部21Xを左右両側で支持する複数の第二支持部22Xを有し、連結手段5Xによって第一カート1と第二カート2Xとが連結された状態で、第一カート1の前部脚杆111及び前部脚杆111に取り付けられた第一キャスター113は、左右両側に設けられた第二支持部22Xの間に配設されている。よって、第一カート1と第二カート2Xを連結させた状態でカートシステム101X全体としてコンパクトな形状とすることができる。
【0111】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0112】
1…第一カート
2、2S、2T、2U、2V、2W、2X…第二カート
5、5S、5T、5U、5V、5W、5X…連結手段
6、6S、6T、6U…ハンドル嵌合部
7V、7W、7X…ベース係合部
10…前部空間
11…第一ベース部
12…第一天板
13…第一支持部
21、21S、21T、21U、21V、21W、21X…物品載置部
22、22S、22T、22U、22V、22W、22X…第二支持部
24、24S、24T、24U…第二操作ハンドル部(操作ハンドル部)
101、101S、101T、101U、101V、101W、101X…カートシステム
113…第一キャスター(キャスター)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を走行可能な複数のキャスターが設けられた第一ベース部、及び該第一ベース部に支持され、電子機器を載置可能な第一天板を有する第一カートと、
物品を載置可能とした物品載置部を上下に複数有する第二カートと、
前記第一カートと前記第二カートとを着脱可能に連結する連結手段とを備えることを特徴とするカートシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカートシステムにおいて、
前記第二カートの高さは、前記第一カートの前記第一天板の下面の高さより低く設定されていることを特徴とするカートシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカートシステムにおいて、
前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、
前記第二カートの少なくとも一部は、前記第一カートの前記第一天板の直下に配設されていることを特徴とするカートシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のカートシステムにおいて、
前記第一カートは、
前記第一ベース部に取り付けられ、前記第一天板を支持する第一支持部を有し、
前記第一ベース部、前記第一支持部及び前記第一天板とに囲まれるようにして、前方、左方及び右方に連続して開口する前部空間が形成され、
前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、
前記第二カートの少なくとも一部は、前記前部空間に配設されていることを特徴とするカートシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカートシステムにおいて、
前記第二カートは、前記物品載置部を左右両側で支持する複数の第二支持部を有し、
前記連結手段によって前記第一カートと前記第二カートとが連結された状態で、
前記第一カートの少なくとも一部は、左右両側に設けられた前記第二支持部の間に配設されていることを特徴とするカートシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカートシステムにおいて、
前記第二カートは、把持可能な操作ハンドル部を有し、
前記連結手段は、前記第一カートに設けられ、前記操作ハンドル部に着脱可能に嵌合したハンドル嵌合部を有することを特徴とするカートシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカートシステムにおいて、
前記連結手段は、前記第二カートに設けられ、前記第一ベース部に下方より着脱可能に係合するベース係合部を有することを特徴とするカートシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−17701(P2013−17701A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154281(P2011−154281)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】