説明

カートリッジ式抽出装置

装置(1)は、抽出用の材料カートリッジ(2)を受容するように配設されたカートリッジ着座部(10)と、抽出中に飲料を供給するためにこのカートリッジ着座部に接続された飲料出口(35)と、供給源(50)からカートリッジ着座部を介して飲料出口に液体を加圧して循環させるためのポンプ(60)を含む液体注入機構(50、60、61、70、80、81)とを有する。液体注入機構はさらに、ポンプとカートリッジ着座部との間の弁(80’)を含む。ポンプが停止された後、飲料出口(35)からの液垂れを抑制するために、液体注入機構は、弁(80’)を介して注入機構内のこの加圧液体から圧力を解放し、かつポンプ(60)からカートリッジ着座部(10)までの注入機構内の液体を維持するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出サイクルが終わった後の装置の出口における液滴の形成を管理するための構成である、2つの対向するカートリッジ支持体によって形成されるカートリッジ着座部を持つカートリッジ式抽出装置に関する。抽出装置は特に飲料調製マシンで使用することができる。
【0002】
本書の記載において、「飲料」は茶、コーヒー、ホットまたはコールドココア、ミルク、スープ、離乳食等のような任意の液状食品を含むつもりである。カートリッジとは、カプセルのように剛性であるか、それともポッドのように軟質または可撓性であるかに関わらず、再生利用可能または再生利用不能、生物分解性または非生物分解性の任意の材料、例えばアルミニウムまたはプラスチックから作られた、事前に小分けされた飲料材料を収容するための任意の囲繞体であって、特にアルミニウムポッドまたはアルミニウムカプセルを指す。
【背景技術】
【0003】
材料を収容するカートリッジの取扱いで遭遇する1つの問題点は、抽出装置にカートリッジを配置し、カートリッジの周囲で抽出装置を閉じて、清潔かつ衛生的に抽出プロセスを実行することである。カートリッジは通常、使用者がカートリッジ支持体上にまたは筐体内に配置しなければならず、次いで装置はカートリッジの周りで手動または自動で閉じられる。
【0004】
装置がカートリッジの周囲を適切に閉じるようにカートリッジを正しく配置し、かつ良好な密閉を形成して、抽出の良好な状態を確実にすることが重要である。不良配置はカートリッジを損傷し、したがって、抽出の状態に悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
望ましくない漏出無く加圧液体がカートリッジを通過することによって適切な抽出を可能にするように、カートリッジの周囲で装置を密閉するために、カートリッジの周囲での装置の閉鎖は、高レベルの精度で実行しなければならない。そのような装置の機械的閉鎖構成の閉動距離は通常、装置の製造工程中に、要求される精度レベルを達成するように手動で調整される。
【0006】
カプセルの装填も、装置におけるカプセルの正しい位置に関して試行錯誤することのない、容易なものでなければならない。装填はできるだけ迅速でもあらねばならず、かつ過度の操作を必要としてはならない。
【0007】
国際公開第2005/004683号は、第1部分と、第1部分に対して可動である第2部分と、固定部分に対する可動部分の閉位置で筐体の軸線に沿ってカプセルの抽出位置を画定するカプセル用の筐体と、カプセルを重力で挿入しかつ前記カプセルを中間位置に配置するように構成された、カプセルを案内するための手段を含む挿入および位置決め部分と、飲料注入システムと、装置が閉鎖されたときに、カプセルを中間位置から抽出位置に移動させるように配置構成された第2可動部分と、を備えたカプセル淹出装置に関する。
【0008】
欧州特許出願公開第1721553号明細書は、カプセルを使用するコーヒーマシン用の淹出ユニットを開示している。ユニットは、飲料出口を持つ前部と、熱湯入口を持つ後部とを有する。前部および後部は、1対の対向するショルダガイド部材に取り付けられる。前部は、後部と共に抽出されるカプセルを収容するための淹出チャンバを形成するために、後部に対して押し付けられるようにこれらのガイド部材の間で可動であり、それによってマシン内のガイド部材間の前部材の前に非占有容積が残る。
【0009】
欧州特許出願公開第1659547号明細書は、浸出液、特にエスプレッソコーヒーを作るための飲料マシンに関する。マシンは、戻しばね付き可動前部および組立体の外側筐体を貫通して延びる飲料出口ダクトを有する淹出ユニット内に浸出チャンバを含む。可動前部は、筐体内で可動でありかつ可動前部に押し付けて戻しばねを圧縮させることのできる後部と協働し、それによって出口ダクトが組立体の外側筐体を貫通摺動する。ポッドは、剛性ポッド供給経路を介して、外側筐体を通過して浸出チャンバに送られ、次いでポッドは、後部を移動させるためのカム状通路を備えた淹出ユニットの可動後部の外部ブシュによって、浸出チャンバ内に移送される。この構成は幾つかの問題を含む。ポッドは淹出チャンバの閉動中に移動しなければならず、これは閉塞を招来することがあり得るほか、ポッドの保持手段をより複雑にもする。さらに、淹出チャンバの開閉は、筐体内の可動後部、筐体内の可動前部、および筐体を貫通する出口ダクトの同時直線変位を伴い、それは互いに直線的に移動する種々の部品の過度のガイドおよび詰まりまたは不適切な位置合わせのリスクを増大させる。流体システムは、流体システムの組立てをより複雑にする可動組立体を含む。抽出後にポッドを取り出すために淹出ユニットを再び開けるときに、浸出チャンバ内に含まれる加圧水が筐体の外側に突出することがある。さらに、出口ダクトがその後退位置にあるときに、マシン内の前部材とケーシングとの間に非占有容積が残る。
【0010】
米国特許第3,260,190号明細書および国際公開第2005/072574号は、コーヒー缶を中に配置するための着脱自在な引出しを有するコーヒーマシンを開示している。引出しはコーヒーマシン内に水平に摺動させ、注水構成に向かって上昇させることができる。国際公開第2006/023309号は、コーヒーカートリッジをマシン内に導入するための摺動自在の引出しを持つコーヒーマシンを開示している。引出しは開位置と閉位置との間で移動可能であり、引出しが閉位置にあるときに互いに枢接して淹出チャンバを形成し、引出しがマシンの外に引き出されたときに枢動分離する、2つのカートリッジ半殻を有する。米国特許第6,966,251号明細書は、カプセルをマシン内に配置するための水平に摺動自在な引出しを有する、コーヒーマシンを開示している。マシン内に引き込まれると、引出しは、カプセル用の淹出チャンバを形成する固定カプセルケージに向かって上方に移動することができる。欧州特許出願公開第1566126号明細書は、コーヒーポッドを収容するための縦型淹出ユニットを持つコーヒーマシンを開示している。淹出ユニットは固定上部と、ポッドを保持するための可動下部とを有し、可動下部は、淹出ユニットを閉鎖するために上に引き上げ、ポッドを挿入するかまたは取り出すために降下させることができる。
【0011】
国際公開第00/49926号は、第1上昇位置から第2下降位置に移動可能な上部と、上部の下に配設された可動トロリ上に作られた下部とを持つ浸出チャンバを有するコーヒーマシンを開示している。
【0012】
さらなる淹出ユニットが、欧州特許出願公開第0730425号明細書、欧州特許出願公開第0862882号明細書、欧州特許出願公開第1219217号明細書、欧州特許出願公開第1480540号明細書、欧州特許出願公開第1635680号明細書、欧州特許出願公開第1669011号明細書、欧州特許出願公開第1774878号明細書、欧州特許出願公開第1776026号明細書、欧州特許出願公開第1893064号明細書、仏国特許出願公開第2424010号明細書、米国特許第3,260,190号明細書、米国特許第4,760,774号明細書、米国特許第5,531,152号明細書、米国特許第6,904,840号明細書、米国特許第7,131,369号明細書、米国特許出願公開第2005/0106288号明細書、米国特許出願公開第2006/0102008号明細書、国際公開第2005/002405号、国際公開第2005/016093号、国際公開第2006/005756号、国際公開第2006/066626号、および国際公開第2007/135136号に開示されている。
【0013】
材料カートリッジの周囲における抽出装置の正確な機械的閉鎖に関連する問題を回避するために、カートリッジ内の材料を抽出するために使用される加熱水が液圧閉鎖機構を作動させるためにも使用される液圧閉鎖システムを設けることが知られている。この場合、液圧閉鎖力が抽出装置のカートリッジ支持体をカートリッジの周囲で押接合体させるので、閉動距離に特別な調整は必要ない。そのようなシステムの例は、例えば国際公開第2008/037642号に開示されている。この着想に沿って、例えば欧州特許出願公開第1219217号明細書、欧州特許出願公開第1480540号明細書、欧州特許出願公開第1776026号明細書、欧州特許出願公開第1912542号明細書、国際公開第2005/115206号、および国際公開第2006/005736号に論じられているように、種々のシステムが開発されてきた。
【0014】
加熱水を用いて閉鎖機構を作動させることの問題点は、液圧機構内に加熱水からのスケールが沈積するリスクにある。
【0015】
欧州特許出願公開第1545278号明細書に、単一水源に接続されかつ両方とも共通多方弁によって制御される、2つの平行な水管路を実現することが提案されている。一方の水循環回路すなわち抽出回路は加熱器を介して抽出装置内に進み、他方の水管路は加熱されず、抽出装置の液圧閉鎖のために使用される。第1ステップで、多方弁は、加圧水を抽出装置の液圧閉鎖システムに供給することを可能にする。抽出装置が閉鎖されると、加圧静水の存在による液圧閉鎖システム内の上昇圧力は、逆止弁を介して第2管路内の水を循環させ、加熱器を介して抽出装置内に流入させる。抽出が終わると、共通多方弁は液圧閉鎖システムをパージ回路と接続させる位置に移動して、抽出中に液圧水回路内に静的に捕捉されていた加圧水を排出させ、かつ抽出回路に注入されなかった余剰水を排出させる。同様のシステムは欧州特許出願公開第1353591号明細書に開示されている。
【0016】
この解決策の1つの問題点は、液圧閉鎖および温水注入のための並列水回路、ならびにそれに関連付けられる多方向制御弁の複雑さにある。このシステムの別の問題点は、各抽出サイクルの後にその都度液圧水回路をパージしなければならないことにより、淹出ユニットを閉鎖するために作動する前に、回路をまず再充填しなければならないことにある。しかし、抽出プロセス中に液体は循環しておらず、液圧閉鎖システム内に停滞しているので、回路のこの部分における汚染および衛生関連の問題を回避するために、パージが必要である。
【0017】
飲料調製マシンの流体回路のパージなどの原理自体は、当分野で公知である。例えば欧州特許出願公開第1764014号明細書は、熱湯、蒸気、および飲料供給出口に通じる、ポンプおよびインラインサーモブロック加熱器を含む流体回路を持つ飲料調製マシンを開示している。流体回路は、サーモブロックの蛇行路内のスケールの沈積を低減するために、加熱器の入口側に流体排出弁を含む。サーモブロックの入口側の排出弁は、サーモブロックを通気するために、すなわちサーモブロックにおいて流体を空気に置き換えるために、同時に開放されるサーモブロック下流の弁と協働する。この動作は、サーモブロックが所定の時間使用されないと実行される。換言すると、この動作は、マシンが長時間アイドリングしているかアイドリング状態になるときに、または作動を停止するとき、または待機モードに入ったときに、実行されることが道理に適う。
【0018】
別の問題は、供給サイクルが終わった後の飲料マシンの出口からの液垂れに関係する。これは、システムがさらなる抽出サイクルに即応できる状態に維持されているときに、すなわち水回路が空ではなく水で満たされた状態で、発生することがある。これは、抽出および液圧閉鎖のための並列水回路をパージするための多方弁を持つ、上述の欧州特許出願公開第1545278号明細書に開示された、飲料調製サイクルが終わるとその都度直ちにパージされるシステムと対照的である。
【0019】
実際、特に、飲料出口に通じる淹出チャンバで粉砕コーヒーまたは茶を抽出することによってコーヒーまたは茶を調製する場合、マシンのポンプが停止された後、長時間、飲料出口で液垂れが形成される傾向があり、さらなる抽出サイクルに対する即応性を維持するためにシステムはパージされない。さらに、抽出サイクルが終わったときに、ポンプの停止後も供給がゆっくりした滴下速度で依然としてして続いているようにみえるので、使用者はいつ飲料出口の下からカップを取り上げるべきか迷う。マシンおよび/またはマシンの周囲がそのような液垂れによって汚れるのを回避するために、満たされたカップが出口の下から取り出されるとすぐに雫を捕集するように、飲料出口の下に配置される雫捕集器を装着することができる。そのような雫捕集器の例は、例えば欧州特許出願公開第1867260号明細書、欧州特許出願公開第1811881号明細書、および国際公開第2009/074557号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
これらの雫捕集器は、そのような雫の結果生じる衛生上の問題に対する解決策になる。しかし、使用者が飲料出口の下からカップをいつ取り出すべきか迷う必要がないように、飲料供給サイクルの終了が不明瞭な点に対する解決策が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一態様は、材料カートリッジを受容し、かつカートリッジに液体を通すことによって材料を抽出するための装置に関する。装置は、抽出用のそのようなカートリッジを受容するように配設されたカートリッジ着座部と、抽出中に飲料を典型的には使用者に、例えば飲料出口の下に配置された使用者のカップまたはマグ内に供給するために、そのようなカートリッジ着座部に接続された飲料出口と、供給源からカートリッジ着座部を介して飲料出口に液体を加圧循環させるためのポンプ、例えば飲料調製マシンの分野で公知の往復動ピストンポンプまたは回転ポンプを含む液体注入機構とを有する。液体注入機構はさらに、ポンプとカートリッジ着座部との間に弁を含む。
【0022】
典型的には、この装置は、カプセルおよび/またはポッドのような材料カートリッジを受容するために、飲料調製マシンに含まれる。例えばマシンはコーヒー、茶、ココア、またはスープ調製マシンである。特に、マシンは、粉砕コーヒーまたは茶またはココアまたはミルク粉末のような調製される飲料の材料を含むカートリッジに熱湯または別の液体を通すことによって、カートリッジ着座部内で飲料を調製するように構成される。
【0023】
例えば、調製マシンは、使用するカートリッジを受容し、かつ使用後にカートリッジを排出するように構成された飲料調製ユニット、例えば抽出装置と、カートリッジが調製ユニットから排出される領域に通じる開口を有する筐体と、そのような領域に排出されたカートリッジを容器内に満杯の高さまで回収するための収容空間を形成する空洞を有する容器とを含む。容器は、使用済みカートリッジを回収するための領域内に挿入可能であり、かつ回収されたカートリッジを出すためにこの領域から取り出し可能である。そのようなマシンの例は、国際公開第2009/074550号および国際公開第2009/130099号に開示されている。
【0024】
ポンプは典型的には、カートリッジ着座部内に循環される液体に高い圧力、典型的には5から25バールの範囲で、例えば10から20バールの圧力をもたらすように構成される。
【0025】
本発明では、液体注入機構は、ポンプが停止した後、飲料出口からの液垂れを抑制するために、注入機構内のこの加圧液体から弁を介して圧力を解放し、かつポンプからカートリッジ着座部までの注入機構内の液体を維持するように構成される。この圧力解放弁は特に一方向弁である。
【0026】
したがって、液体注入機構は、ポンプの動作の終了時に、ポンプとカートリッジ着座部との間に位置する圧力解放弁を開くことによって、カートリッジ着座部の上流の圧力を解放するように構成される。これには、ポンプとカートリッジ着座部との間の液体の圧力を解放するために、この弁を介して少量の液体を排出することを含むことができる。例えば欧州特許出願公開第1545278号明細書および欧州特許出願公開第1764014号明細書に開示された先行技術の構成とは異なり、この構成では、液体はパージされずに注入機構内に残り、その後の抽出サイクルのために補充する必要がない。カートリッジ着座部の上流の圧力だけを解放することによって、カートリッジ着座部の上流の注入機構内に含まれる液体は、カートリッジ着座部およびカートリッジ着座部の出口から外に押し出されない。したがって、そのような現象の結果生じる出口における雫の形成は、そのような注入機構に圧力解放弁、特に一方向弁を設けることによって効果的に抑制される。そのような構成では、特にカートリッジ着座部の開口と組み合わされた場合、雫の形成は著しく低減され、あるいは抑止されることさえある。
【0027】
さらに、パージすることなく、注入機構の高温部、例えば構成のインライン加熱器の圧力だけを解放することによって、これらの高温部における蒸発に関連するスケールの沈積は抑制することができる。実際、そのようなインライン加熱器は典型的には循環液体を室温から60〜95℃、特に80〜95℃の範囲の温度に加熱するように構成される。通常の使用中に、加熱器で蒸発は発生しない。しかし、使用後に加熱器が空になるのが早すぎると、中の液体は蒸発することがある。したがって、使用後に、すぐにパージするのではなく、液体を注入機構内に維持することが好ましい。したがって、液垂れを防止するために、液体中にポンプによって生成される高圧は、カートリッジ着座部を介してではなく、圧力解放弁を介して解放され、加熱器内の蒸発および加熱器のスケール発生を防止するために、液体は加熱器内に維持される。
【0028】
圧力解放操作を実行するために、圧力解放弁は、ポンプ動作および/または抽出装置の様々な部分の動作を制御する抽出装置の制御ユニット、例えば参照によって本書に援用する国際公開第2009/130099号に開示された電動制御ユニットに関連付けることができる。
【0029】
上述の通り、液体注入機構は、第1モードでは、前記圧力を解放し、かつポンプとカートリッジ着座部との間の液体注入機構の圧力解放後に前記液体を維持するように構成される。さらに、第2モードでは、液体注入機構はさらに、特に圧力解放弁を介してポンプとカートリッジ着座部との間で注入機構を通気することによって、ポンプとカートリッジ着座部との間で注入機構から前記液体をパージするように構成することができる。換言すると、各抽出サイクル後にカートリッジ着座部の出口で単に雫の形成を防止することができることに加えて、液体注入機構はさらに、異なる動作モードで、例えばその内容を参照によって本書に援用する欧州特許出願公開第1764014号明細書に開示されているように、パージするように構成することができる。
【0030】
液体注入機構は、この圧力解放弁を少なくとも0.05秒間、特に0.1〜2秒の範囲の時間、任意選択的に0.25〜1.5秒、例えば0.4〜1秒間、開くように構成することができる。先行技術のシステムのように注入機構のパージが要求されないときに圧力を解放するには、圧力解放弁を短時間開けば充分である。
【0031】
典型的には、液体注入機構はポンプとカートリッジ着座部との間にインライン加熱器を含み、弁は特にポンプと加熱器との間に位置する。注入機構の随意の動作モードでシステムをパージするために圧力解放弁を使用する場合、熱に関連するスケールの沈積の増加を防止するために、加熱器は通常、加熱器内の液体をパージする少し前に冷却させることができる。逆に、注入機構内の液体の圧力を低減するためだけに圧力解放弁を使用する場合、液体は加熱器からパージされず、加熱器が冷却するのを待つことはない。圧力解放動作は、ポンプ作動の終了と共に、またはその少し後に実行することができる。
【0032】
一実施形態では、カートリッジ着座部は第1カートリッジ支持体および第1支持体に対向する第2カートリッジ支持体を含み、第1および第2カートリッジ支持体は、カートリッジを着座部に挿入し、あるいは取り出すための開位置から、そのようなカートリッジに液体を通すための閉位置に、互いに移動可能であるように構成される。
【0033】
カートリッジ支持体のうちの少なくとも一方の支持体は、液圧により作動可能とし、かつ液体注入機構によって閉位置に移動可能とすることができる。
【0034】
液体注入機構は典型的には、ポンプが停止した後、前記液体の圧力の解放を短時間遅延させるように、特に0.1から5秒、特に0.25から2秒、例えば0.4から1秒の範囲の時間だけ遅延させるように構成される。そのような遅延は、カートリッジに含まれる加圧注入液体が減圧するだけの充分な時間が経過しないうちにカートリッジ着座部に機械的に閉じ込められてカートリッジが破壊膨張する可能性を伴う、液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体の即時復帰およびカートリッジ着座部の早期再開放を防止することができる。液圧作動システムが存在しない場合、圧力解放弁を介する圧力の解放は、ポンプの停止と略同時であるかまたは遅延する。
【0035】
したがって、ポンプを停止した後、短時間、カートリッジ着座部内の、特にカートリッジ着座部の上流部の加圧下の液体は、カートリッジ着座部の出口に進むことができ、すなわち通常の圧力抽出を終了することができる。
【0036】
逆止弁、例えば下述する第2弁が存在しない場合、圧力解放がポンプの動作の終了と同時に開始されると、上流部の加圧液体が逆流して、液体注入機構内に流入することが起こり得る。したがって、ポンプ動作の停止と弁を介する圧力解放とを同時に行なうことを回避することによって、カートリッジ着座部から注入機構内への液体の逆流を防止することができる。しかし、カートリッジ着座部から注入機構内に液体を戻らせない第2弁を設けることが好ましい。
【0037】
さらに、液体注入機構は、液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体がカートリッジ着座部の閉鎖時に再密閉されるように前後に動くことができることを確認するために、カートリッジ着座部が液圧により再閉鎖されるまで、すなわちポンプが再作動するまで、圧力解放弁を開けるように構成することができる。カートリッジ着座部は、液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体の位置を検出するための位置センサと連動して、この支持体が開(後退)位置にあることが検出されると、圧力解放弁を閉じるようにすることができる。液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体は戻しばねとも連動して、圧力解放弁を介する圧力解放時に、作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体を開(後退)位置に戻すことができ、その場合、圧力解放弁は、例えば上述したように短時間だけ開くことができる。
【0038】
いずれの場合も、液垂れを抑制するために、減圧された液体は、ポンプからカートリッジ着座部までの注入機構内に維持される。注入機構の通気またはパージは必要ない。
【0039】
液体注入機構は、未加熱の加圧液体を循環させることによって、このカートリッジ支持体を作動かつ移動させるために未加熱の液体を加圧してこのカートリッジ支持体に循環させ、かつ材料を抽出するためにこの循環する未加熱の加圧液体を加圧下でこの支持体から加熱器を介してカートリッジ着座部内に案内するように構成することができる。
【0040】
典型的には、液圧により作動可能かつ移動可能な支持体は直線変位構成を有する。液圧により作動可能かつ移動可能な支持体は膨張チャンバに関連付けられ、加圧液体は、チャンバを膨張させかつ液圧支持体を変位させるように、膨張チャンバを介して循環する。
【0041】
液圧により移動可能なカートリッジ支持体は、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンのような液圧ピストンを含むことができ、液体注入機構は、加圧液体をチャンバ内に注入し、かつピストン付き支持体を対向支持体に液圧により押接させて閉位置に着かせるために、ピストンチャンバに接続される。この場合、液体注入機構は、未加熱の加圧液体をピストンチャンバ内に注入し、かつインライン加熱器を介してこの液体を加圧下でピストンチャンバからカートリッジ着座部内に案内するように構成される。ピストンチャンバは、カートリッジ支持体が閉位置にある間にピストンチャンバを介して加圧液体を循環させるために、入口および出口を有することができる。
【0042】
したがって、液圧閉鎖機構すなわちピストンチャンバ内で運動するピストンを作動させるために加圧することのできる液体は、加圧下でピストンチャンバの入口から出口へ循環し、全抽出プロセス中、依然として加圧下でピストンチャンバから加熱器を介してカートリッジ着座部へ循環し続ける。換言すると、ピストンチャンバ、加熱器を介してカートリッジ着座部内への液体の連続加圧循環経路が存在する。しかし、液体は未加熱でピストンチャンバを循環し、それはピストンチャンバ内のスケールの沈積を抑制する。その後、液体は依然として加圧下で加熱器内で加熱され、次いで加熱直後に依然として加圧下でカートリッジ着座部内に注入される。
【0043】
いうまでもなく、装置の各カートリッジ支持体を、特にそれ自体の液圧ピストンおよびピストンチャンバに連動させることによって、液圧により作動可能かつ移動可能にすることも可能である。この場合、流体注入機構は、加圧下で液体を1つのピストンチャンバから他のピストンチャンバに循環させ、次いで液体を依然として加圧下で加熱器に循環させ、次いでカートリッジ着座部内に循環させるように構成することができる。
【0044】
液体注入機構は、未加熱の加圧液体をこのカートリッジ支持体から第2弁、例えば逆止弁を介してカートリッジ着座部内に循環させるように構成することができ、第2弁は、前記少なくとも一方の支持体を作動させかつ移動させる前記未加熱の循環する液体の制御圧力を増大させるように構成される。特に、注入機構は、加圧下でピストンチャンバを循環する液体の制御圧力を増大させるために、ピストンチャンバの出口とカートリッジ着座部の入口との間に第2弁を有することができる。そのような第2弁は、カートリッジ着座部からの液体の戻りを回避するために、逆止弁としても作動することができる。あまり好ましくない実施形態では、この弁を省き、カートリッジ着座部の液体入口に適切に当接配置される材料カートリッジを使用して、液圧支持体を作動させるように液体の圧力を増大させることも可能である。
【0045】
液圧により移動可能なカートリッジ支持体は、弁を介する液体注入機構内の圧力解放によって、対向支持体から離動するように構成することができる。抽出装置は、互いに相手から離動するカートリッジ支持体の間から流れ出る液体を回収するために、特に使用済みカートリッジ回収器と連動する雫受けを有することができる。この特定の有利な構成では、ポンピングプロセスの終了時にカートリッジ着座部に含まれる液体は、飲料出口を通過することなく、カートリッジ着座部の液圧による再開放によって形成される通路から直接漏出することができ、この再開放は、注入機構における圧力解放弁によって自動的に引き起こされる。カートリッジ着座部から流れ出る液体は、雫受け回収器および/またはカプセル回収器または別の専用回収構成内に回収することができる。
【0046】
そのような雫受け回収器およびカートリッジ着座部の下のカートリッジ回収器は、例えば欧州特許出願公開第1867260号明細書に開示されているように、カートリッジ着座部の液圧作動に関係なく設けることもできる。
【0047】
必要ならば、カートリッジ着座部の再開放、特に液圧による再開放は、例えばカートリッジ着座部の閉鎖時に付勢され、かつ弛緩によって再開放を補助する、ばね手段を用いることによって、機械的に自動補助することができる。
【0048】
液体注入機構は、加熱液体を、カートリッジ支持体の一方における液体入口を介してカートリッジ着座部内に注入するように構成することができ、対向カートリッジ支持体は、材料の抽出後に液体を供給するための出口を有する。
【0049】
液体注入機構は、加熱液体を、カートリッジ支持体の一方に位置するシートの液体入口を介してカートリッジ着座部内に注入するように構成することができ、対向カートリッジ支持体は、カートリッジの材料の抽出後に液体を供給するための出口を有する。
【0050】
カートリッジ支持体の少なくとも一方は、機械的駆動構成、例えば力伝達レバーを含む機械的駆動構成、特にナックル構成、および/または力伝達歯車構成、特に平歯車構成によって、対向カートリッジ支持体に対して接離動することができる。任意選択的に、この機械的駆動構成は手動で駆動可能なハンドルによって、かつ/またはモータ、特に電動モータによって作動する。
【0051】
典型的には、機械的駆動構成は、カートリッジ支持体を一緒に、閉動距離の予め定められた部分にわたって、例えば閉動距離の80%、90%、または95%にわたって移動し、かつ2つのカートリッジ支持体を一体に密閉させるために液圧閉鎖を使用するように構成される。したがって、密閉は、閉動距離の終了を制御することによってではなく、ピストンチャンバにおける閉鎖圧力に作用することによって達成される。その結果、カートリッジ着座部の閉動距離および閉動距離の手動微調整に関する許容差の問題を回避することができる。例えば、液圧閉動距離は0.05から2mm、特に0.1から1mm、例えば0.2から0.7mmの範囲である。これは、組立て工程中に通常手動により高い許容差で調整しなければならない純粋に機械的な閉鎖システム(非液圧)とは極めて対照的である。
【0052】
これらの第1および第2カートリッジ支持体の一方は、機械的駆動構成により、液圧により作動可能かつ移動可能である対向カートリッジ支持体に対して接離動することができる。液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体は、機械的駆動構成によってさらに移動可能とすることができる。
【0053】
液体注入機構は、液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体に位置する着座部の液体入口を介して、加熱液体をカートリッジ着座部内に注入するように構成することができる。換言すると、着座部の同じカートリッジ支持体を、未加熱水の循環および加熱水の循環に連動させることができる。したがって、カートリッジ着座部内に通じる上流の流体循環構成は、1つのカートリッジ支持体のみに関連して維持することができる。すなわち、該流体循環構成は両方の支持体に跨って延在する必要がない。これは接続ダクトの長さを低減する。さらに、これは、ピストンチャンバが抽出装置に固定して維持されるときに、自動的に組み立てることのできる剛性ダクトの方を選択して、自動組立て工程で組み立てることが難しい可撓性液体循環ダクトを最小限にとどめるか、あるいは回避することさえできるので、著しく有利になり得る。
【0054】
加熱器は温度調整構成と連動することができる。温度調整構成は、液圧により作動可能かつ移動可能な支持体の上流に、液圧により作動可能かつ移動可能な支持体内および/またはそれに隣接して、液圧により作動可能かつ移動可能な支持体と加熱器との間に、加熱器内に、加熱器とカートリッジ着座部との間に、ならびにカートリッジ着座部内および/またはそれに隣接して位置する温度センサから選択された、少なくとも1つの温度センサを含むことができる。
【0055】
一実施形態では、温度調整構成は加熱器の液体出口にある温度センサを含む。温度センサ(単数または複数)は、特に加熱器のループ調整用の、加熱器の電気制御回路に接続することが好ましい。
【0056】
例えば、システムは、ピストンチャンバと加熱器との間の液体の温度を検知するための第1センサ、および加熱器とカートリッジ着座部との間の温度を検知する第2センサを有する。これら2つのセンサは、加熱器から流出する水の温度を調整する加熱器の出力を制御するために使用される。
【0057】
本発明はまた、材料カートリッジおよび上述した装置を含むシステムであって、材料カートリッジがこの装置のカートリッジ着座部に保持されて成るシステムにも関する。
【0058】
上記説明の文脈において、「加熱液体」とは、抽出装置の加熱器によって直接加熱された液体を意味する。「未加熱液体」とは、特に、まだピストンチャンバから流出して加熱器を通過していない液体を意味する。したがって、「未加熱液体」の意味は、液体の供給源、例えばタンクから送出される液体、ピストンチャンバの上流の液体、およびピストンチャンバ内の液体、一般的に加熱器の上流の液体を含む。
【0059】
本発明のさらなる特徴および利点は、詳細な説明の記述から明らかになるであろう。
【0060】
次に本発明について、略図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1a】本発明に係る飲料抽出装置の開構成時の一部分の断面図である。
【図1b】本発明に係る飲料抽出装置の開構成時の一部分の断面図である。
【図1c】本発明に係る飲料抽出装置の開構成時の一部分の断面図である。
【図2a】同一飲料抽出装置の閉構成時の一部分の斜視図である。
【図2b】同一飲料抽出装置の開構成時の一部分の斜視図である。
【図3】図1a〜図2bの飲料抽出装置の閉構成時の断面部分略図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
次に、本発明を図1a〜図3に示す特定の実施形態に関連して説明する。
【0063】
これらの図は、例えばNESPRESSO(商標)によって市販されているような、粉砕コーヒーなどの飲料材料を含む、例えば密封された気密アルミニウム封入体から作られた、軟質ポッドの形状の材料カートリッジ2に、水のような加熱液体を循環させることによって、飲料調製マシンの抽出装置1を示す。
【0064】
抽出装置1は、開放離間構成でカートリッジ2を受容しかつ閉鎖押接抽出構成でカートリッジ2を囲繞するように構成された、第1カートリッジ支持体20と、第1カートリッジ支持体20に対向する第2カートリッジ支持体30とを含むカートリッジ着座部10を有する。図1a、図1b、図1cおよび図2bは、開放離間構成のカートリッジ支持体20、30を持つカートリッジ着座部10を示す。図2aおよび図3は、カートリッジ2が着座部10内に囲繞された閉鎖押接抽出構成のカートリッジ支持体20、30を持つカートリッジ着座部10を示す。
【0065】
図1aは、カートリッジ2の重力による上からのカートリッジ着座部10内への挿入を示す。さらに詳しくは、カートリッジ2は、下の着座部10に通じるカートリッジ入口チャネル11の上に示される。
【0066】
図1bでは、カートリッジ2は、抽出前に開位置のカートリッジ着座部10に保持された状態で示される。カートリッジ着座部10は、支持部材20、30がそれらの離間開位置にある間に、カートリッジ2を着座部10に保持するためのカートリッジ保持部材12と連動する。さらに詳しくは、保持部材12は、カートリッジ2のリム3がこの中間カートリッジ装填位置で部材12に当接載置されるように、着座部10の周辺に配設される。支持部材20、30が一体に押接されると、リム3付きカートリッジ2は支持部材30によって周辺部材12を介して対向部材20に対して押し付けられ、カートリッジ2が支持部材20、30の間に囲繞される(図3に示す通り)カートリッジ抽出位置に着く。
【0067】
図1cで、カートリッジ着座部10は、支持部材20、30がそれらの離間構成状態にある、抽出後の着座部の再開放位置に示される。装置1は、使用済みカートリッジ2を重力によって着座部10から下部排出通路13を介して排出するように構成される。カートリッジ2は、着座部10の下に位置するカートリッジ回収器(図示せず)内に回収することができる。
【0068】
カートリッジ2の挿入、中間位置決め、囲繞、および排出に関する保持部材付き抽出装置の一般原理は、特に軟質または可撓性カートリッジ、例えばポッドについて、欧州特許出願公開第1859714号明細書に詳細に開示されているだけでなく、特に剛性カートリッジ、例えばカプセルについて、欧州特許出願公開第1646305号明細書にもさらに詳細に開示されている。これらの公報を参照によって本書に援用する。
【0069】
図2aおよび図3に、支持部材20、30が一体に押接され、カートリッジ2が着座部10内に囲繞体された状態を示す。
【0070】
図3にさらに詳細に示す通り、液圧カートリッジ支持体20は、ピストンチャンバ25内を移動可能な管状ピストン21を有する。ピストンチャンバ25は、カプセル支持部材20の前部を保持する略カップ状外形の前部26、および略管状後部27によって画成され、この略管状後部27に沿って内側をピストン21が運動可能である。
【0071】
さらに、抽出装置1は、特にレザーバ50に貯蔵された冷水のような液体供給源と、レザーバ50から管61およびチャンバ入口28を介して加圧下でピストンチャンバ25内に圧送し、次いで依然として加圧下でチャンバ出口29を介し、管71を介してインライン加熱器70に、かつ次いで加熱器70から逆止弁80、管81を介して、カートリッジ着座部10の加熱液体入口を形成するピストン管21内に液体を圧送するポンプ60とを含む、液体注入機構と連動する。
【0072】
カートリッジ着座部10では、加圧された加熱液体が、カートリッジ2を通流して、カートリッジ2内に含まれる材料の抽出によって飲料を形成し、飲料は捕集され、カートリッジ支持体30と連動して、出口35を介して、例えば出口の下に位置する使用者のカップまたはマグ内に供給される。
【0073】
分かり易くするために、抽出装置1内の液体の流路を、図3に太い矢印によって概略的に示す。
【0074】
したがって、この液体注入機構は、未加熱加圧液体をチャンバ25内に注入し、かつピストン21付きカートリッジ支持体20を対向支持体30に液圧により押接させて閉位置に着かせるために、ピストンチャンバ25に接続される。カートリッジ支持体20、21の間ならびに前部および後部26、27間のシール22、23、例えばOリングシールは、チャンバ25からの漏出を防止する。液体はピストンチャンバ25内を循環した後、さらに続けて加圧下でピストンチャンバ25から、加熱器70を介してカートリッジチャンバ10内に循環する。
【0075】
さらに、カートリッジ支持体30は、機械的駆動構成によって対向カートリッジ支持体20に対して接離動可能である。
【0076】
図2aおよび図2bにさらに詳細に示す通り、機械的駆動構成は、ハンドル41の軸線42を介して固定フレーム40に枢着された手動で駆動可能なハンドル41を含む。ハンドル41が開位置(図2b)から閉位置(図2a)に押圧されたときに、クランク43が軸線42を中心に枢動するハンドル41によって駆動され、カートリッジ支持体30をカートリッジ支持体20の方向に押すように、1対のクランク43が一端44を、ハンドル41上に軸線42から距離を置いて回転自在に取り付けられ、かつ他端45をカートリッジ支持体30に枢着される。本発明のこの任意選択的態様を実現するために、参照によって本書に援用する例えば欧州特許出願公開第1646305号明細書、欧州特許出願公開第1859713号明細書、欧州特許出願公開第1767129号明細書、および国際公開第2009/043630号に開示されているように、手動で作動するかまたはモータ駆動される種々の機械的駆動構成を使用することができる。
【0077】
フレーム40はまた、管61、入口接続部28、ならびにピストンチャンバ25を画成する前部および後部26、27を遮蔽するための筐体パネル40’をも担持する。前部および後部26、27もフレーム40に固定される。したがって、管61、71は固定された要素26、60、70、80の間に取り付けることができ、抽出装置の自動製造工程で容易に取り扱うことのできる剛性材料から作ることができる。
【0078】
さらに、ハンドル41の再開放を容易にするために、閉動中に応力を加えられ、かつ開動時にハンドル41を自動的に元に戻す、ばね要素が設けられる。特に、つる巻きばね46は一端がフレーム40に固定され、他端が軸線42に固定される。つる巻きばね46は軸線42の周りに取り付けられる。いうまでもなく、この効果または同様の効果を生み出すために、様々なばね構成を設けることができる。さらに、ハンドル41を作動させるときの使用者の快適性を改善するために、ハンドル41を介する開閉動作中に機械的駆動構成の人間工学的な制御感覚を提供するため、運動減衰器が設けられる。この特定の実施例では、減衰器は軸線42の回転に従動する平歯車の形で設けられる。したがって、第1歯車47は軸線42に組み付けられ、第1歯車47と協働する第2歯車48は、軸線42の回転を減衰するように、フレーム40に回転自在に取り付けられる。
【0079】
いうまでもなく、ばねを反対方向に、すなわち抽出装置の閉動を補助するように取り付けることが可能である。
【0080】
抽出装置の人間工学的な態様に関するさらなる詳細は、欧州特許出願公開第09173600.9号明細書に開示されており、その内容を参照によって本書に援用する。
【0081】
抽出装置1には、カートリッジ2の排出を補助するように、抽出後の再開放時にカートリッジ2を排出するためのカートリッジイジェクタ90をも設けられる。イジェクタロッド90は管状ピストン21内で移動可能であり、カム49が接続されたハンドル41の動きによって、カム49およびカムフォロワ91を介して作動する。図3で、イジェクタ90はその後退位置に示される一方、図1bでは、イジェクタ90は、カートリッジ支持体20からカートリッジ2を排出するイジェクタ90の展開位置に示される。
【0082】
また、図3には、カートリッジ2に穿刺するための中空針96を介して、カートリッジ2内に加熱液体を注入するためのプリンクラ95が、カートリッジ支持体20に装着されることも示す。使用中に、加熱液体は加圧下で管81から管状ピストン21内に給送され、イジェクタ91の周りをスプリンクラ95に沿って循環し、針96を介してカートリッジ2内に流入する。注入された水のイジェクタ90に沿った漏出を防止するために、シール92、93、例えばOリングシールが設けられる。対向カートリッジ支持体30は、例えばピラミッドプレートのような引裂き要素付き平板の形の開封構成67を担持する。したがって、針96を介してカートリッジ2内に注入された加熱流体は、カートリッジに含まれる材料を抽出し、開口構成97のカートリッジ2から退出し、そこから供給出口35に循環する。次いでカップまたはマグを使用して、カートリッジ支持体30に接続された出口35で供給される飲料を捕集することができる。イジェクタ90は、抽出後にカートリッジ2を針96から分離するのに特に有用である。
【0083】
カートリッジ2を開口着座部10(図1b)内に導入した後、使用者はハンドル41を下に降ろし、それにより抽出装置1の前部、すなわちカートリッジ支持体30が、抽出装置1の両側に配置されたクランク43およびレバー機構によって並進駆動される。それにより、カートリッジ2の周辺フランジ3を屈曲させることによって、カートリッジ2は保持部材12の先に追いやられる。ひとたびハンドル41を介する機械的閉動が終わると、カートリッジ2はピラミッドプレート97とスプリンクラ95との間に捕獲され、針96によって穿刺される。この段階で、カートリッジ2の周りのカートリッジ着座部10の周辺封止が達成される。この略閉鎖構成で、カートリッジ支持体20、30は典型的には2.5mm未満、通常は1.5mm未満、例えば0.5mm未満だけ離間する。
【0084】
そのような液圧閉鎖システムのさらなる詳細は、欧州特許出願公開第09172187.8号明細書に開示されており、それを参照によって本書に援用する。
【0085】
変形例において、カートリッジの穿刺が機械的閉鎖の代わりにカートリッジ着座部の液圧閉鎖の効果により引き起こされるように、閉動距離を構成することも可能である。これは、カートリッジを穿刺するために使用者が高い閉鎖力を提供する必要がないという利点をもたらす。その場合、この閉鎖力はポンプによって提供される。
【0086】
ハンドル41が水平位置に達したときに係止の感覚が使用者に与えられ、移動の終わりの人間工学的フィードバックが使用者にもたらされるように、ハンドル41をフレーム40内に配設することができる。
【0087】
ひとたびポンプ60が飲料を調製するために作動すると、未加熱液体、例えば冷水がピストンチャンバ25に送られる。次いで液体はピストンチャンバ25から退出し、加熱要素70を通流し、その後逆止弁80まで流れる。流体の圧力が逆止弁80の前で増大し始めると、ピストン21付きカートリッジ支持体20は平行移動し、ピストンチャンバ25内の液体の圧力上昇下で、対向カートリッジ支持体30に対して押接され、カートリッジ2をカートリッジ着座部10内に適切に密閉する。弁80の開放は、図3に示すように、カプセル支持体20、30の間の漏出を回避するのに充分な圧力レベルで行なわれる。
【0088】
弁80が開いて流体の通過が可能になると、加圧された加熱液体はスプリンクラ95に流れ、かつ針96を介してカートリッジ2内に流入し、それにより、抽出中に液体がカートリッジ2から流出できるようにカートリッジがピラミッドプレート97上で開裂するまで、カートリッジ2内の圧力が上昇する。
【0089】
使用後にカプセル2を排出させるために、使用者がハンドル41を解放すると、ハンドルは、減衰器47、48の作用により制御された速度で、ばね46の作用により自動的に開く。
【0090】
それによって、抽出装置1の前部すなわちカートリッジ支持体30は、抽出装置1の後部すなわちカートリッジ支持体20から離動する。これはカートリッジ着座部10のさらなる開口を導く一方、カム49およびカムフォロワ91の作用によりイジェクタ90が展開されて、カートリッジ2をカートリッジ支持体20から離動させ、重力の作用によりカートリッジ2をカートリッジ着座部10から、例えばその下に位置する使用済みカプセル回収器(図示せず)内に落下させる(図1c)。
【0091】
装置1の流体回路は、ポンプ60とカートリッジ着座部10との間に、抽出中にポンプ60によってその中に形成された圧力を抽出後に解放する構成を含む。特に、ポンプ60の下流で、流体システムの液体は、図3に破線矢印で示す通り、一方向弁、例えばエレクトロ弁80’を介してレザーバ50内または雫受け回収器50’内に転流することができる。図3に示す通り、加熱器70は弁80’の下流に位置することができる。しかし、注入回路内を減圧させるために、ポンプの下流のどこかに、例えば加熱器上または加熱器の後に、減圧弁を配置することができる。
【0092】
図3に示す通り、ポンプ60内およびその下流にポンプ60自体によって生じた圧力を解放するために、注入回路に弁80’が配設される。ポンプ60は、カートリッジ着座部10内に循環される液体に、典型的には7から23バールの範囲、例えば12から18バールの範囲の高圧をもたらすように構成される。
【0093】
淹出プロセスの最後に、ピストンチャンバ25内の圧力を解放するために、弁80’を作動停止させることができる。したがって、カートリッジ支持体20、30は封止解除され、分離することができる。典型的には、ソレノイド弁とすることのできる弁80’は、ポンプ60の作動停止後に作動停止される。
【0094】
ポンプ60の遮断後すぐに、例えば0.1〜2秒後、例えば0.3〜1.5秒後に、流体管路内、特にピストンチャンバ25内の圧力を低下させるために、弁80’を開くことができる。したがって、ピストンチャンバ25内の圧力降下は、通路35’から雫受け50’まで下向きに延びる矢印によって示す通り、支持体20、30の間隔が雫受け構成50’に通じる通路35’を形成することを可能にする。その結果、飲料抽出後に、カートリッジ着座部10に含まれる残留液体は、カートリッジ着座部10の上流に残る過大圧力の影響で飲料出口35から滴下することはない。内部圧力は弁80’を介して直接解放され、着座部10内の残留液体は、通路35’を介して着座部の下に位置する雫受け50’内に排出することができる。
【0095】
そのような圧力解放エレクトロ弁は、液圧開放/閉鎖機構を持たない抽出装置でも使用することができる。実際、この内部圧力解放システムを使用することによって、カートリッジ着座部内に含まれる液体は、ポンプの遮断後にポンプの下流で増大する残留圧力の影響で、出口35を介して押し出されることはない。これはノゾル35における液垂れを著しく低減する。
【0096】
弁80’を介する圧力解放は必ずしも流体管路の通気に関与しないことが注目される。流体管路内の圧力解放だけに関与する第1動作モードでは、流体管路は通気されない。実際、抽出後に飲料出口に形成される雫の問題は、圧力解放弁を介して、単に回路の内部圧力を低下させるだけで、特に内部圧力を外部圧力と等化することによって、抑制または抑制することができる。圧力を解放するために、圧力解放弁80’は、少なくとも0.05秒間、例えばポンプを停止したすぐ後から新しいカートリッジの周りでカートリッジ着座部を再閉鎖するまでの時間、またはより短い時間、上述の通り、液圧により作動可能かつ移動可能なカートリッジ支持体の構成に応じて開くことができる。
【0097】
第2の任意選択的動作モードでは、いうまでもなく流体管路に通気するために弁80’を使用することも可能である。この場合、例えば逆止弁80またはカートリッジ着座部10のレベルで、それらの再開放後に、空気を流体管路内に通す必要がある。例えば逆止弁80は、流体管路に通気するためにも使用される三方弁である。
【0098】
ポンプ60の遮断後、弁80’を開く前に、例えば3秒未満の短い遅延を設けることにより、カートリッジ着座部10におけるカートリッジ2の抽出の正常な完了、および出口35を介する飲料の供給が可能になる。正常な抽出プロセスが終了したとき、すなわち抽出チャンバ10内の圧力が少なくとも低下し始めたときに、弁80’が開かれる。これは、カートリッジ着座部10内で上昇した圧力が上流に解放されること、およびカートリッジ着座部10の中身が流体管路内で圧力解放弁80’の方向に押し戻されることを防止する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料カートリッジ(2)を受容し、かつ飲料を調製するために前記材料カートリッジに液体を通過させることによって材料を抽出する装置(1)であって、
抽出用の前記材料カートリッジ(2)を受容するように構成されたカートリッジ着座部(10)と、
抽出中に飲料を供給するために前記カートリッジ着座部に接続された飲料出口(35)と、
供給源(50)から前記カートリッジ着座部を通して前記飲料出口に液体を加圧循環させるためのポンプ(60)を含む液体注入機構(50、60、61、70、80、81)と、
を有し、
前記液体注入機構がさらに、前記ポンプと前記カートリッジ着座部との間に弁(80’)を含んで成る、前記装置(1)において、
前記ポンプが停止した後、前記液体注入機構が、前記弁(80’)を介して前記注入機構内の前記加圧液体から圧力を選択的に解放するように、かつ前記ポンプ(60)から前記カートリッジ着座部(10)までの前記液体注入機構内の液体を維持するように構成され、前記飲料出口(35)からの液垂れを抑制するようになっていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記圧力解放弁(80’)が一方向弁である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が、
第1モードで、前記圧力を解放するように、かつ前記液体注入機構内の圧力解放後に前記液体を前記ポンプ(60)と前記カートリッジ着座部(10)との間に維持するように構成され、かつ、
第2モードで、特に圧力解放弁(80’)を介して前記ポンプと前記材料カートリッジとの間の前記液体注入機構に通気することによって、前記ポンプと前記カートリッジ着座部との間の前記液体注入機構から前記液体をパージするように構成された、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が、少なくとも0.05秒間、特に0.1秒間〜2秒間、任意選択的には0.25秒間〜1.5秒間、例えば0.4秒間〜1秒間、前記圧力解放弁(80’)を開けるように構成された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が、前記ポンプ(60)と前記カートリッジ着座部(10)との間にインライン加熱器(70)を含み、前記圧力解放弁(80’)が特に前記ポンプと前記加熱器との間に位置する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記カートリッジ着座部(10)が第1カートリッジ支持体(20)と、前記第1カートリッジ支持体に対向する第2カートリッジ支持体(30)とを含み、前記第1カートリッジ支持体および前記第2カートリッジ支持体が、前記カートリッジ着座部への前記材料カートリッジ(2)の挿入または取り出しのための開位置から、前記材料カートリッジに液体を通すための閉位置に互いに対して移動可能であるように構成された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1カートリッジ支持体(20)および前記第2カートリッジ支持体(30)のうちの少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)が、前記液体注入機構(50、60、61、70、80、80’、81)によって液圧により作動可能かつ閉位置に移動可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、80’、81)は、前記ポンプ(60)が停止した後、前記液体の圧力の解放を遅延させるように、特に0.1秒間〜5秒間、特に0.25秒間〜2秒間、例えば0.4秒間〜1秒間だけ遅延させるように構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が、
未加熱の加圧液体を循環させることによって、前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)を作動かつ移動させるために、前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)に未加熱液体を加圧循環させるように、かつ
前記材料を抽出するために、前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)から加熱器(70)を介して前記カートリッジ着座部(10)への未加熱の加圧液体の加圧下での前記循環を案内するように、構成され、
任意選択的に、液圧により移動可能な前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)が、ピストンチャンバ(25)内で移動可能なピストンのような液圧ピストン(21)を含み、加圧液体を前記チャンバに注入し、かつ前記ピストン付きの前記カートリッジ支持体を液圧により、対向しているカートリッジ支持体(30)に押接させて閉位置に着かせるために、前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が前記ピストンチャンバに接続され、前記液体注入機構が、未加熱の加圧液体を前記ピストンチャンバ(25)内に注入するように、かつ前記インライン加熱器(70)を介して前記液体を加圧下で前記ピストンチャンバから前記カートリッジ着座部(10)内に案内するように構成され、前記第1カートリッジ支持体(20)および前記第2カートリッジ支持体(30)が閉位置にある間に前記ピストンチャンバを介して加圧液体を循環させるために、前記ピストンチャンバ(25)が特に入口(28)および出口(29)を有する、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記液体注入機構が、未加熱の加圧液体を前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)から第2弁(80)を介して前記カートリッジ着座部(10)内に循環させるように配設され、前記第2弁が、前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)を作動かつ移動させる前記未加熱循環液体の制御された圧力を増大させるように構成された、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
液圧により移動可能な前記少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)が、前記圧力解放弁(80’)を介する前記液体注入機構の前記圧力解放によって、対向するカートリッジ支持体(30)から離動するように構成され、当該装置(1)が任意選択的に、互いに離れる方向に移動する前記第1カートリッジ支持体(20)と前記第2カートリッジ支持体(30)との間から流れ出る液体を回収するために、特に使用済みカートリッジ回収器と連動する雫受け(50’)を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記液体注入機構(50、60、61、70、80、81)が、前記第1カートリッジ支持体(20)および前記第2カートリッジ支持体(30)のうちの少なくとも一方のカートリッジ支持体(20)における液体入口(96)を介して、加熱液体を前記カートリッジ着座部内に注入するように構成され、対向する他方のカートリッジ支持体(30)が前記材料の抽出後に液体を供給するための出口(35)を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1カートリッジ支持体(20)および前記第2カートリッジ支持体(30)のうちの少なくとも一方が、機械的駆動構成(41、42、43、44、45)、例えば力伝達レバーを含む機械的駆動構成、特にナックル構成、および/または力伝達歯車構成、特に平歯車構成によって、前記対向カートリッジ支持体に対して接離動し、前記機械的駆動構成が任意選択的に、手動で駆動可能なハンドル(41)および/またはモータ、特に電動モータによって作動する、請求項7〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ポンプ(60)が前記カートリッジ着座部(10)内に循環される前記液体に5〜25バール、例えば10〜20バールの範囲の圧力を提供するように構成された、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
材料カートリッジ(2)と、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置(1)とを含むシステムであって、前記材料カートリッジが前記装置のカートリッジ着座部(10)に保持されるようになっている、システム。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−512061(P2013−512061A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541474(P2012−541474)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068580
【国際公開番号】WO2011/067264
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】