説明

カートリッジ排出装置

【課題】飛び出しを防ぎ、ゴミ箱にカートリッジを滑り込ませるコーヒー・マシンのカートリッジ排出装置を提供する。
【解決手段】固定部品2および可動部品1を有するジョー20を備えた、コーヒー・マシンのカートリッジ排出装置に関するものである。ジョーは、閉じた位置において、前部にカートリッジ用のハウジング10を形成し、可動部品は、固定部品の後部で回動可能となるように取り付けられている。カートリッジ排出装置は、固定部品上のカートリッジ・ハウジングの領域にイジェクタ5を有し、また可動部品の回転軸の上方で可動部品に取り付けられる牽引アーム3を有している。牽引アーム3は、その端部に、該イジェクタの受け部材12,13と協働するよう設計された第1のピン11を備えている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、固定部品および可動部品を有するジョー(jaw)を備えた、コーヒー・マシンにおけるカートリッジ排出装置に関するものである。
【0002】
コーヒー・マシンにおいて、抽出後のカートリッジの排出を可能にする、ジョーを備えたシステムが公知である。その原理は、ジョーの下部にイジェクタが存在し、ジョーが開放されたときにイジェクタが回転して、抽出後のカートリッジを除去することに基づいている。現行技術の装置についての欠点は、イジェクタの回転軸が、除去しようとするコーヒー部分から遠すぎることであり、これは、抽出時に圧力を上昇することによって開放する閉鎖型カートリッジを抽出した場合に、前記コーヒー部分を勢いよく飛び出させることにつながり、したがって落下中にマシンを汚染する。
【0003】
本発明の目的は、排出装置の最適化にあり、それによって飛び出し効果を防ぐとともに、マシンに導入されたゴミ箱にカートリッジを滑り込ませることができるようにしている。
【0004】
したがって、本発明は、固定部品と可動部品とを備えたジョーを有する、コーヒー・マシン(コーヒー供給機)のカートリッジ排出装置であって、前記ジョー部品は、閉じた位置において、前記ジョーの前部に前記カートリッジ用のハウジングを形成し、前記可動部品は、前記固定部品の後部に回動可能に取り付けられているカートリッジ排出装置において、前記カートリッジ・ハウジングの領域であって前記固定部品上に設けられたイジェクタと、前記可動部品の回転軸線の上方で該可動部品に取り付けられた牽引アームとを有し、該牽引アームは、その端部に、前記イジェクタの受け部材と協働するよう設計された第1のピンを備えているカートリッジ排出装置に関するものである。
【0005】
前記牽引アームに設けられたピンは、任意の可能な幾何学形状とすることができる。このピンは、その形状を補完する形状を有する受け部材によく引っ掛かるように円筒形を有するのが好ましい。
【0006】
本発明による装置では、閉鎖型または開放型カートリッジを抽出することが可能である。閉鎖型カートリッジとしては、本出願人の名前で出願された特許EP第512468号およびEP第620203号の主題を成すカートリッジを想定することが可能である。しかし、本発明による装置は、閉鎖型の他のサッシュ(袋)またはカートリッジまたはカプセルに対しても制限なく使用できる。開放型カプセル、例えばプラスチック製のカプセル、または濾紙や不織布で作られたサッシュに対しても本発明による装置を使用することが可能である。
【0007】
本発明による装置は、カートリッジまたはサッシュ抽出用に設計された任意のタイプのコーヒー・マシンに導入することができる。例えば、本出願人の名前で1999年8月31日に提出された特許出願EP第99117107.5号の主題であるマシンにこの装置を導入することが可能になる。
【0008】
本発明による装置のイジェクタは、その一部に受け部材を備えたフラットな環状システムから構成される。これらの受け部材は、前記環状システムの側方に、かつ前記イジェクタの回転軸に直角に配置されるのが好ましい。イジェクタの回転軸線は、カートリッジ・ハウジングの直後、例えば該ハウジングより5から15mm離れた位置に配置される。
【0009】
好ましい実施形態において、牽引アームは、ジョーの固定部品のガイド・カムと協働するよう設計された、第1のピンと同じレベルにある第2のピンを備える。第2のピンは、第1のピンと同様に、任意の幾何学形状をとりうる。好ましくは、第1のピンの形状と同一の円筒形を有する。ジョーの固定部品のガイド・カムは、前記第2のピンを導入し且つ移動させる開口部を有する。このカムは、イジェクタの良好な排出と、初期位置への良好な戻りとを確保するように牽引アームに良好な案内を提供する。
【0010】
ジョーが開いたときに、ジョーの可動部とともにカートリッジが上昇しないことが必要である。カプセルは、ジョーの固定部品内のハウジングに留まる必要がある。これを達成するために、カプセルを保持する手段がイジェクタに設けられる。これらの手段の種類は何でもよい。例えば、本出願人の名前で1997年7月14日に提出された特許出願EP第97202208.1号の主題である保持手段を使用することが可能である。
【0011】
本発明による装置の大きさは重要ではない。通常は、固定部品および可動部品の長さが10から30cm程度のコーヒー・マシンを対象とする。
【0012】
受け部材は、一方でジョーを開放させ、次いで使用済みのカートリッジを排出させる。したがって、それらは、第1にピンの滑動を可能にする凹部から構成され、次いでピンがイジェクタを正確に持ち上げることを可能にするフックから構成される。
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ジョーが閉じられた装置の部分断面図である。
【図2】図1を他方向から見た図である。
【図3】開放されている装置の部分断面図である。
【図4】図3を他方向から見た図である。
【図5】図3の上面図である。
【図6】全開した装置の部分断面図である。
【図7】図6を他方向から見た図である。
【図8】上方から見たイジェクタの図である。
【0015】
図1および図2は閉じられた装置を示し、図3から図5は不完全に開いた装置を示し、図6および図7は全開した装置を示す。可動部品(1)および固定部品(2)を有するジョー(20)であって、回転軸(8)の周りで開閉するジョー(20)が存在する。ガイド・カム(6)内に第2のピン(7)を有する牽引アーム(3)をはっきりと見ることができる。このアーム(3)は、軸(9)の周りを回転する。ジョー(20)の可動部品(1)上のケージ(4)によって、カートリッジ用のハウジング(10)が形成される。イジェクタ(5)は、牽引アーム(3)のピン(11)によって軸線(14)の周りを回動する。止め金(11)および(7)は互いの延長上に位置している。それらは、通常は円筒形状である。イジェクタは凹部(12)およびフック(13)を備えており、これらはイジェクタがアーム(3)とともに回動するのを可能にしている。
【0016】
本発明による装置は以下のように機能する。すなわち、消費者は、開位置にあるジョー(20)の固定部品(2)上のイジェクタ(5)の領域に抽出用カートリッジ(図示せず)を配置する。次いで、前述の特許出願EP第99117107.5号の主題である装置(図示せず)を用いてこの装置を閉じると、カートリッジはケージ(4)によって形成されたハウジング(10)内に配置される。消費者はカートリッジの抽出を行うが、この抽出は本発明の主題を成すものでないため、ここではその説明を省略する。次いで、消費者は、ジョーを開くために、前述の特許出願の主題である開放手段を働かせる。ジョー(20)の可動部品(1)は、アーム(3)およびアームの末端のピン(11)に従って上昇する。ジョーが開くときに、カートリッジの下端は、それが実際にイジェクタ(5)上に留まるように、手段(17)によって保持される。その行程の第1の部分において、ピンはイジェクタ(5)の凹部(12)に沿って滑り、図3から図5の位置に到達すると、前記ピン(11)はフック(13)の内側形状を辿って、イジェクタ(5)を持ち上げる。この瞬間、カートリッジはシュート(16)を滑り落ちてゴミ箱に入る。イジェクタが十分な高さになると、ピン(11)はフック(13)から外れ、イジェクタは降下して図6および図7の位置になる。ピン(7)を伴うガイド・カム(6)は、排出の際にピン(11)に対して良好な案内を提供し、一方、イジェクタ(5)は降下して元に戻る。
【0017】
図8は、矢印A(図6)の方向において、イジェクタを明確に示す図である。この図は、その環状形状、および排出のための凹部(12)およびフック(13)を明確に示している。プレート(15)は、閉鎖型カートリッジを抽出する場合の、凹要素および凸要素を有する別個の部品である。保持手段(17)は、イジェクタの一体部品を形成し、ジョー(20)の固定部品(2)の前部に配列されている。
【0018】
本発明による装置は、即席飲料用抽出タイプのものを含む、あらゆるタイプのコーヒー・マシンに対して使用できる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部品と可動部品とを備えたジョーを有する、コーヒー・マシンのカートリッジ排出装置であって、前記ジョー部品は、閉じた位置において、前記ジョーの前部に前記カートリッジ用のハウジングを形成し、前記可動部品は、前記固定部品の後部に回動可能に取り付けられているカートリッジ排出装置において、 前記カートリッジ・ハウジングの領域であって前記固定部品上に設けられたイジェクタと、前記可動部品の回転軸線の上方で該可動部品に取り付けられた牽引アームとを有し、該牽引アームは、その端部に、前記イジェクタの受け部材と協働するよう設計された第1のピンを備えているカートリッジ排出装置。
【請求項2】
前記イジェクタは、前記受け部材を一部に備えた環状システムからなることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ排出装置。
【請求項3】
該イジェクタは、前記カートリッジハウジングのすぐ後方の軸線を中心に回転するように取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ排出装置。
【請求項4】
前記牽引アームは、前記第1のピンと同じ高さの第2のピンを備え、該第2のピンは、前記固定ジョーのガイド・カムと協働するよう設計されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のカートリッジ排出装置。
【請求項5】
前記イジェクタが、カートリッジを保持するための手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカートリッジ排出装置。
【請求項6】
前記ジョーの固定部品および可動部品の長さが、10cmから30cmの間であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のカートリッジ排出装置。
【請求項7】
前記受け部材は、端部がフック形状になっている凹部からなることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のカートリッジ排出装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−229934(P2011−229934A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−144779(P2011−144779)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【分割の表示】特願2001−532645(P2001−532645)の分割
【原出願日】平成12年9月28日(2000.9.28)
【出願人】(590002013)ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー (31)
【Fターム(参考)】