説明

カードのスキャナシステム

【課題】ICカードの裏面に保護シールが貼付されてICカード自体の厚みが増加した場合でも、ICカードを確実に搬送でき、かつICカードの印字部を精度良くスキャニングする。
【解決手段】カードのスキャニングシステム20は、ICカード11が挿入されるカード挿入部21と、ICカード11の厚みを検知する厚み検知部23と、ICカード11を搬送するカード搬送部26と、ICカード11の表面11aおよび裏面11bを各々スキャニングするスキャナ25aおよび追加スキャナ25bとを備えている。厚み検出部23、カード搬送部26、およびスキャナ25aおよび追加スキャナ25bは制御装置31により制御される。制御装置31は厚み検出部23からの検出信号に基づいて、カード搬送部26の搬送ローラ26a、26b間の間隙およびICカード11に対するスキャナ25aの焦点深度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを有するICカード等のカードをスキャニングするカードスキャナシステムに係り、とりわけ、カードの表面に印字された印字部をスキャニングするカードスキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
身分証明証などの身分確認時に用いられるカードとして、電子情報が記録されたICチップを有するICカードが知られている。このようなICカードには、例えば、氏名、住所などの文字、数字等が印字されている。
【0003】
この場合ICカードの表面には、氏名、住所などの文字、数字等が印字され、ICカードの裏面には文字、数字等が印字されるとともに、裏面に維持された文字、数字等を隠すためICカードの裏面に保護シールを貼付したり、あるいはICカードの裏面に追加の備考紙が貼付されている。
【0004】
このようなICカードは、身分確認をするため提示される。提示されたICカードはその表裏面に印字された文字、数字等がスキャナで読み取られ、ICカードの表裏に印字された文字、数字等の情報がスキャナにより取込まれる。
【0005】
ところでICカードの裏面には、上述のように保護シールや備考紙が貼付されることがあるが、ICカードの裏面にこのような保護シールや備考紙を貼付した場合、ICカード自体の厚みが増して、ICカードをスキャナで読み取る際、ICカードがカード搬送部で詰って確実にスキャナまで搬送されなかったり、スキャナのICカードに対する焦点深度がずれてICカードに印字された文字、数字等を精度良くスキャニングできないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−62994号公報
【特許文献2】特開2010−202326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、カードの裏面に保護シールや備考紙等のシールを貼付してカード自体の厚みが増加した場合であっても、カードをスキャナ側まで確実に搬送することができ、かつスキャナによりカードに印字された文字、数字等の印字部を確実にスキャニングすることができるカードのスキャニングシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カードの表面または裏面の少なくとも一方に印字された印字部をスキャニングするカードのスキャナシステムにおいて、カードを挿入するカード挿入部と、カード挿入部の下流側に設けられ、カードの厚みを検知する厚み検知部と、厚み検知部の下流側に配置され、カードを狭持して搬送する少なくとも一対の搬送ローラを有するカード搬送部と、カード搬送部により搬送されるカードに対する特定の焦点深度を有し、カードの印字部をスキャニングするスキャナと、厚み検知部、カード搬送部およびスキャナを駆動制御する制御装置とを備え、制御装置は厚み検知部からの信号に基づいて、一対の搬送ローラ間の隙間、およびスキャナのカードに対する焦点深度を調整することを特徴とするカードのスキャナシステムである。
【0009】
本発明は、厚み検知部近傍に、カードに貼付されたシールの有無を検知するシール検知部が設けられ、制御装置はシール検知部からの信号および厚み検知部からの信号に基づいて、一対の搬送ローラ間の隙間、およびカードに対するスキャナの焦点深度を調整することを特徴とするカードのスキャナシステムである。
【0010】
本発明は、一方の搬送ローラおよびスキャナが共通の支持機構により支持されており、制御装置は支持機構を駆動して一方の搬送ローラおよびスキャナを移動させ、一対の搬送ローラ間の間隙およびスキャナのカードに対する焦点深度を調整することを特徴とするカードのスキャナシステムである。
【0011】
本発明は、共通の支持機構は一方の搬送ローラおよびスキャナを支持する水平支持バーからなり、制御装置により水平支持バーが上下方向に駆動して一方の搬送ローラおよびスキャナを上下方向に移動させることを特徴とするカードのスキャナシステムである。
【0012】
本発明は、カードの表面および裏面に印字部が設けられ、カード搬送部を挟んでスキャナに対向して追加スキャナが設けられ、スキャナはカードの表面に印字された印字部をスキャニングし、追加スキャナはカードの裏面に印字された印字部をスキャニングすることを特徴とするカードのスキャナシステムである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、カードの裏面に保護シールや備考紙等のシールを貼付してカード自体の厚みが増加した場合であっても、カードをスキャナ側まで確実に搬送することができる。またスキャナにより、カードに印字された印字部を確実かつ精度良くスキャニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明によるカードのスキャニングシステムを示す概略図。
【図2】図2(a)はICカードの表面を示す図であって、図2(b)はICカードの裏面を示す図。
【図3】本発明によるカードのスキャニングシステムの作用を示すフローチャート。
【図4】カードのスキャニングシステムの変形例の作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1乃至図3を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
はじめに図2(a)(b)を参照してカード、例えばICカード11について説明する。
【0017】
図2(a)(b)に示すように、本発明によるカードのスキャニングシステムの対象となるカードは、運転免許証のようなICチップ11Aを含むICカードからなり、ICカード11の表面11aには氏名、住所を表示する文字、数字等からなる印字部12および顔画像13が設けられている。またICカード11の裏面11bにも追加情報となる印字部15が設けられている。
【0018】
さらにICカード11の裏面11bには、たとえば臓器提供の意思を表示する文字からなる印字部16が設けられ、この印字部16はICカード11の裏面11bに貼付された保護シール17により隠されている。なお、保護シール17の代わりに、ICカード11の裏面11bに追加の備考紙が貼付されることもある。
【0019】
このようにICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加の備考紙が貼られると、ICカード11自体の厚みが増加してしまう。
【0020】
次に本発明によるカードのスキャナシステムについて図1により説明する。
【0021】
図1に示すようにカードのスキャナシステム20はICカード11が挿入されるとともに、ICカード11の挿入状態を検知するカード挿入センサ21aを有するカード挿入部21と、カード挿入部21の下流側に設けられICカード11の厚みを検知する厚み検知部23と、厚み検知部23の下流側に配置されICカードを搬送するカード搬送部26とを備えている。
【0022】
このうち厚み検知部23は、ICカード11の上下方向に設けられICカード11の厚みを検知する一対の厚み検知器23a、23bからなっている。
【0023】
またカード搬送部26はICカード11を上下方向から狭持する少なくとも一対の搬送ローラ26a、26bからなり、本実施の形態においては三対の搬送ローラ26a、26bが設けられている。このうちICカード11の上方の搬送ローラ26aが一方の搬送ローラとなり、ICカード11の下方の搬送ローラ26bが他方の搬送ローラとなる。
【0024】
さらにカード搬送部26により搬送されるICカード11の表面11aに設けられた印字部12をスキャニングするため、ICカード11の上方にICカード11に対して特定の焦点深度を有するスキャナ25aが配置されている。同様に、ICカード11の裏面11bに設けられた印字部15をスキャニングするため、ICカード11の下方にICカード11に対して特定の焦点深度を有する追加スキャナ25bが設置されている。なお、ICカード11の下方の追加スキャナ25bは必ずしも設置する必要はない。
【0025】
また、カード搬送部26により搬送され、スキャナ25aおよび追加スキャナ25bによりスキャニングされたICカード11は、カード排出部22から外方へ排出される。
【0026】
ところで、図1において、カード搬送部26のうちICカード11の上方に位置する3つの搬送ローラ26aおよびスキャナ28は、いずれも共通する支持機構28により支持されており、この共通する支持機構28は例えば3つの一方の搬送ローラ26aおよびスキャナ25aを支持する水平支持バー28からなり、この水平支持バー28はその両端に設けられた一対の駆動部29により上下方向に移動自在に駆動される。
【0027】
また厚み検知部23近傍に、ICカード11に保護シール17あるいは追加の備考紙が貼付されたか否か、すなわちシールの有無を検知するシール検知部24が設けられている。そして厚み検知部23およびシール検知部24は、制御装置31に接続され、この制御装置31は厚み検知部23からの信号およびシール検知部24からの信号に基づいて一対の駆動部29を駆動制御する。この場合、一対の駆動部29により水平支持バー28が上下方向に移動して、3つの一方の搬送ローラ26aおよびスキャナ25aを上下方向に移動させ、一対の搬送ローラ26a、26b間の間隙およびスキャナ25aのICカード11に対する焦点深度を調整する。
【0028】
すなわち、カード搬送部26の一対の搬送ローラ26a、26b間の間隙はICカード11の厚みに合わせて設定されており、ICカード11の厚みが増加した場合、このICカード11の厚みの増加に合わせて上方の搬送ローラ26aを上方へ持ち上げ、一対の搬送ローラ26a、26b間の間隙を増加させてICカード11をスムースに搬送するようにする。
【0029】
またスキャナ25aおよび追加スキャナ25bのうち、例えば追加スキャナ25bはICカード11の裏面1bの印字部15をスキャニングするものであるから、ICカード11の厚みが増加してもICカード11に対する追加スキャナ25bの焦点深度は変化しない。
【0030】
他方、スキャナ25aはICカード11の表面11aの印字部12をスキャニングするものであり、ICカード11の厚みの増加につれてICカードに対するスキャナ25aの焦点深度は変化する。このためICカード11の厚みの増加に合わせて、スキャナ25aを上方へ持ち上げ、ICカード11に対するスキャナ25aの焦点深度を調整するようになっている。
【0031】
さらに搬送ローラ26a、26bは、図示しない駆動機構を介して駆動モータ27により回転駆動される。またスキャニング25aおよび追加スキャナ25bは、いずれも制御装置31に接続され、制御装置31によりスキャニング25aおよび追加スキャナ25bが駆動制御される。さらにスキャナ25aによりスキャニングされたICカード11の表面11aの印字部12の情報、および追加スキャナ25bによりスキャニングされたICカード11の裏面11bの印字部15の情報は制御装置31に送られる。また制御装置31にはプリンタ32が接続され、ICカード11の表面11および裏面11bに各々設けられた印字部12、15の情報をプリンタ32から出力することができる。
【0032】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図3により説明する。
【0033】
まずICカード11がカード挿入部21から挿入され、ICカード11の挿入状態がカード挿入センサ21aにより検知される。次にカード挿入センサ21aからの検知信号は制御装置31に送られる。
【0034】
次にICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加の備考紙が貼付されているか否かがシール検知部24により検知され、シール検知部24からの検知信号が制御装置31に送られる。
【0035】
次にICカード11の厚みが、一対の厚み検知器23a、23bからなる厚み検知部23により検知され、厚み検知部23からの検知信号が制御装置31に送られる。
【0036】
制御装置31は、厚み検知部23からの検知信号に基づいて、厚み検知部23で検知したICカード11の厚みが搬送可能な厚みであるか否か判断しICカード11の厚みが所定値以上の場合、ICカード11の搬送は困難と判断し、カード搬送部26を逆転させてカード挿入部21からICカード11を戻す(排出する)。
【0037】
一方、制御装置31は、ICカード11の厚みが搬送可能な厚みの場合、以下のような制御を行なう。
【0038】
すなわち、ICカード11の厚みはJIS規格により規定値に定められているため、ICカード11の厚みがこの規定値を越えている場合、制御装置31はICカード11の厚み増加はICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加の備考紙が貼付されていると判断する。同時に制御装置31は、シール検知部24からの信号に基づいて、ICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加の備考紙が貼付されていることを確認する。
【0039】
この場合、制御装置31は一対の駆動部29、29を駆動させて水平支持バー28上方へわずかに上昇させる。このことにより上方に位置する3つの搬送ローラ26aおよびスキャナ25aがわずかに上昇し、カード搬送部26の搬送ローラ26a、26b間の間隙を拡げてICカード11をスムースに搬送させることができる。
【0040】
このときICカード11の厚みが増加してもICカード11の裏面11bの位置は変化しないので、ICカード11の裏面11bに設けられた印字部15を追加スキャナ25bにより精度良くスキャニングすることができる。
【0041】
他方、ICカード11の表面11aの位置はICカード11の厚みの増加によりわずかに上昇するが、スキャナ25aを上昇させることにより、ICカード11に対するスキャナ25aの焦点深度を適切な値に設定することができ、これによりスキャナ25aによってICカード11の表面11aに設けられた印字部12を精度良くスキャニングすることができる。
【0042】
次に制御装置31はカード搬送部26の搬送ローラ26a、26bを駆動させてICカード11を搬送する。
【0043】
次に制御装置31はスキャナ25aを駆動制御して、このスキャナ25aによりICカード11の表面11aに印字された印字部12をスキャニングして、印字部12の情報を取り込む。この印字部12の情報は、スキャナ25aから制御部31へ送られる。同時に制御装置31は追加スキャナ25bを駆動制御して、この追加スキャナ25bによりICカード11の裏面11bに印字された印字部15をスキャニングして、印字部15の情報を取り込む。この印字部12の情報は追加スキャナ25bから制御部31へ送られる。
【0044】
その後ICカード11はカード排出部22から外方へ排出される。また制御装置31に取り込まれた表面11aの印字部12の情報および表面11bの印字15の情報は、必要に応じてプリンタ32によりプリント紙にプリントされる。
【0045】
このように本実施の形態によれば、ICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加備考紙が貼付されてICカード11自体の厚みが増加した場合、水平支持バー28を上方へわずかに上昇させる。このことによりカード搬送部26の搬送ローラ26a、26b間の間隙を拡げて、ICカード11をスムースに搬送することができる。このとき、同時にスキャナ25を上昇させることができ、このことによりICカード11に対するスキャナ25aの焦点深度を調整することにより、スキャナ25aによりICカード11の表面11aに設けられた印字部12を精度良くスキャニングすることができる。
【0046】
更に共通する水平支持バー28によりICカード11により上方の搬送ローラ26aおよびスキャナ25を同時に上昇させることができるので、搬送ローラ26a、26b間の間隙を拡げる作業と、スキャナ25aを上昇させる作業を簡単な構造で容易かつ確実に行なうことができる。
【0047】
次に図4により本発明の変形例について説明する図4に示す本実施例の変形例は、制御装置31がシール検知器24からの検知信号を考慮することなく、厚み検知部23からの検知信号に基づいて、カード搬送部26、スキャナ25aおよび追加スキャナ25aを駆動制御するものであり、他の構成は図1乃至図3に示す実施の形態と略同一である。
【0048】
まず図4に示すようにICカード11がカード挿入部21から挿入され、ICカード11の挿入状態がカード挿入センサ21aにより検知される。次にカード挿入センサ21aからの検知信号は制御装置31に送られる。
【0049】
次にICカード11の厚みが、一対の厚み検知器23a、23bからなる厚み検知部23により検知され、厚み検知部23からの検知信号が制御装置31に送られる。
【0050】
制御装置31は、厚み検知部23からの検知信号に基づいて、厚み検知部23で検知したICカード11の厚みが搬送可能な厚みであるか否か判断しICカード11の厚みが所定値以上の場合、ICカード11の搬送は困難と判断し、カード搬送部26を逆転させてカード挿入部21からICカード11を戻す(排出する)。
【0051】
一方、制御装置31は、ICカード11の厚みが搬送可能な厚みの場合、以下のような制御を行なう。
【0052】
すなわち、ICカード11の厚みはJIS規格により規定値に定められているため、ICカード11の厚みがこの規定値を越えている場合、制御装置31はICカード11の厚み増加はICカード11の裏面11bに保護シール17あるいは追加の備考紙が貼付されていると判断する。
【0053】
次に制御装置31はカード搬送部26の搬送ローラ26a、26bを駆動させてICカード11を搬送する。
【0054】
次に制御装置31はスキャナ25aを駆動制御して、このスキャナ25aによりICカード11の表面11aに印字された印字部12をスキャニングして、印字部12の情報を取り込む。この印字部12の情報は、スキャナ25aから制御部31へ送られる。同時に制御装置31は追加スキャナ25bを駆動制御して、この追加スキャナ25bによりICカード11の裏面11bに印字された印字部15をスキャニングして、印字部15の情報を取り込む。この印字部12の情報は追加スキャナ25bから制御部31へ送られる。
【0055】
その後ICカード11はカード排出部22から外方へ排出される。また制御装置31に取り込まれた表面11aの印字部12の情報および表面11bの印字15の情報は、必要に応じてプリンタ32によりプリント紙にプリントされる。
【0056】
この場合、制御装置31は一対の駆動部29、29により水平支持バー28上方へわずかに上昇させる。このことにより上方に位置する3つの搬送ローラ26aおよびスキャナ25aがわずかに上昇し、カード搬送部26の搬送ローラ26a、26b間の間隙を拡げてICカード11をスムースに搬送させることができる。
【0057】
このときICカード11の厚みが増加してもICカード11の裏面11bの位置は変化しないので、ICカード11の裏面11bに設けられた印字部15を追加スキャナ25bにより精度良くスキャニングすることができる。
【0058】
またICカード11の表面11aの位置はICカード11の厚みの増加によりわずかに上昇するが、スキャナ25aを上昇させることにより、ICカード11に対するスキャナ25aの焦点深度を適切な値にICカード11の表面11aに設けられた印字部12を精度良くスキャニングすることができる。
【符号の説明】
【0059】
11 ICカード
11A ICチップ
11a 表面
11b 裏面
12 印字部
13 顔画像
16 印字部
17 保護シール
20 スキャナシステム
21 カード挿入部
22 カード排出部
23 厚み検知部
厚み検知器
24 シール検知部
25a スキャナ
25b 追加スキャナ
26 カード搬送部
26a、26b 搬送ローラ
28 水平支持バー
29 駆動部
31 制御装置
32 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの表面または裏面の少なくとも一方に印字された印字部をスキャニングするカードのスキャナシステムにおいて、
カードを挿入するカード挿入部と、
カード挿入部の下流側に設けられ、カードの厚みを検知する厚み検知部と、
厚み検知部の下流側に配置され、カードを狭持して搬送する少なくとも一対の搬送ローラを有するカード搬送部と、
カード搬送部により搬送されるカードに対する特定の焦点深度を有し、カードの印字部をスキャニングするスキャナと、
厚み検知部、カード搬送部およびスキャナを駆動制御する制御装置とを備え、
制御装置は厚み検知部からの信号に基づいて、一対の搬送ローラ間の隙間、およびスキャナのカードに対する焦点深度を調整することを特徴とするカードのスキャナシステム。
【請求項2】
厚み検知部近傍に、カードに貼付されたシールの有無を検知するシール検知部が設けられ、
制御装置はシール検知部からの信号および厚み検知部からの信号に基づいて、一対の搬送ローラ間の隙間、およびカードに対するスキャナの焦点深度を調整することを特徴とする請求項1記載のカードのスキャナシステム。
【請求項3】
一方の搬送ローラおよびスキャナが共通の支持機構により支持されており、制御装置は支持機構を駆動して一方の搬送ローラおよびスキャナを移動させ、一対の搬送ローラ間の間隙およびスキャナのカードに対する焦点深度を調整することを特徴とする請求項1又は2のいずれか記載のカードのスキャナシステム。
【請求項4】
共通の支持機構は一方の搬送ローラおよびスキャナを支持する水平支持バーからなり、制御装置により水平支持バーが上下方向に駆動して一方の搬送ローラおよびスキャナを上下方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のカードのスキャナシステム。
【請求項5】
カードの表面および裏面に印字部が設けられ、
カード搬送部を挟んでスキャナに対向して追加スキャナが設けられ、
スキャナはカードの表面に印字された印字部をスキャニングし、追加スキャナはカードの裏面に印字された印字部をスキャニングすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のカードのスキャナシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−194877(P2012−194877A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59330(P2011−59330)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】