説明

カードの印字システム

【課題】表面情報および裏面情報をカードに印字する場合と、表面情報のみをカードに印字する場合の各々に対応して使用する印字ユニットを適宜選択する。
【解決手段】カードの印字システム10は表面用プリンタ12を有する表面印字ユニット11と、表面用プリンタ32と裏面用プリンタ35を有する表裏面印字ユニット31とを備えている。データベース6からの情報に基づいて制御部7は、データベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定し、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は表面印字ユニット11を作動させてICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は表裏面印字ユニット31を作動させてICカード1の表面および裏面に表面情報2Aと裏面情報3aを印字する。表面印字ユニット11からのICカード1は待機部15で待機した後、スタッカ19へ送られ、スタッカ19に印字順位に基づいてICカード1が集積される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は社員カード、銀行カード、運転免許証等のカードを作製するため、カードに対して必要な文字および顔画像を印字するカードの印字システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より上述したカードを作製する場合、まずカードの表面に表面情報を印字し、更に必要に応じてカードの裏面に裏面情報を印字している。
【0003】
ところで、カードに対して表面情報および裏面情報を印字する場合、表面用プリンタと裏面用プリンタを内蔵した複数の表裏面印字ユニットが用いられている。しかしながら各表裏面印字ユニット毎に表面用プリンタと裏面用プリンタを内蔵することはコスト増加につながっている。
【0004】
すなわち、表面情報のみをカードに印字する場合、表面用プリンタのみが使用され、裏面用プリンタは使用されないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−17103号
【特許文献2】特開平9−35010号
【特許文献3】特開平9−179946号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、表面情報および裏面情報をカードに印字する場合と、表面情報のみをカードに印字する場合の各々に対応して使用すべき印字ユニットを適宜選択し、かつ印字されたカードを印字順位に基づいて確実に集積することができるカードの印字システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタと、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積することを特徴とするカードの印字システムである。
【0008】
本発明は、表面印字ユニット排出ラインは表面印字ユニット排出路と、印刷済カードを待機させる待機部を含むことを特徴とするカードの印字システムである。
【0009】
本発明は、表裏面印字ユニットの表面用プリンタはカード搬送方向上流側に位置するとともに裏面用プリンタは下流側に位置し、表裏面印字ユニットの表面用プリンタと裏面用プリンタとの間にカードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部が設けられていることを特徴とするカードの印字システムである。
【0010】
本発明は、カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタ機能と、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタ機能をもつ表裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積し、表裏面印字ユニットの表裏面用プリンタのカード搬送方向下流側に、カードを反転させて表裏面用プリンタ側へ戻すカード反転部が設けられ、カード反転部の下流側にカードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部が設けられていることを特徴とするカードの印字システムである。
【0011】
本発明は、カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタ機能と、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタ機能をもつ表裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積し、表裏面印字ユニットの表裏面用プリンタのカード搬送方向下流側に、カードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部と、カードを反転させて表裏面用プリンタ側へ戻すカード反転部が順次設けられていることを特徴とするカードの印字システムである。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、カードを作製するにあたって、表面情報および裏面情報をカードに印字する場合と、表面情報のみをカードに印字する場合の各々に対応して使用すべき印字ユニットを分けることができる。
【0013】
このためすべての印字ユニットが表面用プリンタと裏面用プリンタを内蔵する必要はなく、設置コスト低減を図ることができる。また印字されたカードを印字順次に基づいて確実にスタッカに集積させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明によるカードの印字システムの第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】図2は本発明によるカードの印字システムに組込まれた表面用プリンタを示す図。
【図3】図3(a)はICカードの表面を示す図、図3(b)はICカードの裏面を示す図、図3(c)は追記情報ラベルを示す図。
【図4】図4は本発明によるカードの印字システムの第2の実施の形態を示すブロック図。
【図5】図5は本発明によるカードの印字システムの第3の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0016】
図1乃至図3は本発明によるカードの印字システムの一実施の形態を示す図である。
【0017】
本発明によるカードの印字システムは、図3(a)(b)(c)に示すようなICチップ1aを含むICカード1の表面2に対して各個人の必要な表面文字情報2aおよび顔画像情報2bを印字するとともに、ICカードの裏面3に対して裏面情報3aを印字し、例えば社員カード、銀行カード、運転免許証等のICカードを作製するものである。この場合、裏面情報のうちICカード裏面に印字できない追記情報5aは、追記情報ラベル5に印字される。このうち、表面文字情報2aおよび顔画像情報2bにより表面情報2Aが構成される。
【0018】
なおICカード1の代わりにICチップ1aを含まないカードを用い、このカードに印字してもよい。
【0019】
ここで必要な表面文字情報2aとは、当該個人の氏名、および住所等が考えられる。また裏面情報3aとは表面に書き込めない住所の詳細情報が考えられ、さらに追記情報ラベル5に表記される追記情報5aとは個人の詳細な運転条件等が考えられる。またICカード1の表面2に個人のID番号(ID情報)2cも、印字されている。
【0020】
カードの印字システム10は図1に示すように、ICカードの印字を行なう必要がある個人のID情報2cが入力されるID情報入力部5と、多数の個人の表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに蓄えられ、ID情報入力部5からのID情報2cに基づいて、当該ID情報に対応する個人のID情報2c、表面情報2A、および裏面情報3aを出力するデータベース6と、第1の表面印字ユニット11と、第2の表面印字ユニット21と、表裏面印字ユニット31とを備えている。
【0021】
このうち、第1の表面印字ユニット11は図1に示すように、多数のICカード1を収納するカードホッパ12と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ13と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部14とを有している。
【0022】
また第2の表面印字ユニット21は、多数のICカード1を収納するカードホッパ22と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ23と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部24とを有している。
【0023】
さらに表裏面印字ユニット31は、多数のICカード1を収納するカードホッパ32と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ33と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部34と、ICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する裏面用プリンタ35とを有している。
【0024】
また第1の表面印字ユニット11には、印字済のICカード1を待機させる待機部15と、表面印字ユニット排出路16を介して、ICカード1を集積するスタッカ19が接続されている。
【0025】
さらに第2の表面印字ユニット21は、印字済のICカード1を待機させる待機部25と、表面印字ユニット排出路26とを介してスタッカ19に接続されている。
【0026】
また表裏面印字ユニット32は、表裏面印字ユニット排出路36を介してスタッカ19に接続されている。
【0027】
なお、第1の表面印字ユニット11に接続された待機部15と表面印字ユニット排出路16とによって表面印字ユニット排出ライン15Aが構成され、第2の表面印字ユニット21に接続された待機部25と表面印字ユニット排出路26とによって表面印字ユニット排出ライン25Aが構成されている。また表裏面印字ユニット31に接続された表裏面印字ユニット排出路36によって、表裏面印字ユニット排出ライン36が構成されている。
【0028】
さらにまたデータベース6には、データベース6からのID情報2c、表面情報2Aおよび裏面情報3cに基づいて、第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、表裏面印字ユニット31、表面印字ユニット排出ライン15A,25A、および表裏面印字ユニット排出ライン36を制御する制御部7が接続されている。
【0029】
制御部7はデータベース6からのID情報2cに基づいて、データベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定する。そして制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する。また制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aと裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字するとともに、ICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する。
【0030】
さらに制御部7は予め決定されたICカード1の印字順位に基づいて、第1表面印字ユニット排出ライン15A、第2表面印字ユニット排出ライン25Aおよび表裏面印字ユニット排出ライン36を制御して、印字済カードを印字順位に基づいてスタッカ19内に集積するようになっている。
【0031】
次に第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21および表裏面印字ユニット31に組込まれた表面用プリンタ13,23,33について説明する。図2に示すように、これら表面用プリンタ13,23,33は、略同一の構造を有している。すなわち表面用プリンタ13,23,33はサーマルリボン43を供給するリボン供給部41と、サーマルリボン43を巻取るリボン巻取部42と、リボン供給部41から供給されるサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧するサーマルヘッド40とを有している。
【0032】
そしてサーマルヘッド40によりサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧することにより、ICカード1の表面にYMCの昇華カラー画像情報(顔画像情報)2bと、Kの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字することができる。
【0033】
また、第1表面印字ユニット11、第2表面印字ユニット21および表裏面印字ユニット31のオーバーコート部14,24,34も各々略同一の構造を有しており、印字済のICカード1の表面にオーバーコートを転写(箔転写)してICカード1の表面を保護するようになっている。
【0034】
さらに表裏面印字ユニット31の裏面用プリンタ35は、図2に示す表面用プリンタ13,23,33を反転させた構造を有する。すなわち裏面用プリンタ35はICカード1の裏面に対してKの溶融黒画像からなる裏面情報3aを印字するものであり、サーマルリボン43およびサーマルヘッド40はICカード1の下方に位置し、オーバーコート部34から排出されたICカード1に対して反転させることなくICカード1の下方を向く裏面に対して裏面情報3aを印字するようになっている。
【0035】
このように裏面用プリンタ35において、ICカード1を反転させる必要がないので、裏面用プリンタ35により裏面情報3aが印字されたICカード1をそのままの姿勢で表裏面印字ユニット排出ライン36を介してスタッカ19へ排出することができる。
【0036】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0037】
まずICカード1に対して印字する必要のある個人のID情報2cがID情報入力部5から入力され、ID情報入力部5から入力されたID情報2cはデータベース6へ送られる。
【0038】
ここでID情報入力部5としては、個人のID情報2cが記載された用紙を読取るOCR等が考えられる。すなわち各個人は用紙にID情報2c(ID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報)を記入し、OCRからなるID情報入力部5により用紙に記入されたID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報を読取るようになっている。
【0039】
ID情報2cがデータベース6へ送られると、データベース6内でID情報2cに対応する表面情報2Aおよび裏面情報3aが集められ、これら表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに制御部7へ送られる。ここで表面情報2Aは個人の氏名、住所等の情報を含み、裏面情報3aは詳細な住所情報を含む。
【0040】
制御部7はデータベース6からのID情報2cに基づいて、データベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定する。そして制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する。また制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aと裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字するとともに、ICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する。
【0041】
さらに制御部7は予め決定されたICカード1の印字順位に基づいて、第1表面印字ユニット排出ライン15A、第2表面印字ユニット排出ライン25Aおよび表裏面印字ユニット排出ライン36を制御して、印字済カードを印字順位に基づいてスタッカ19内に集積する。
【0042】
例えばICカード1の表面に表面情報2Aのみを印字する場合、制御部7は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて表面用プリンタ13または表面用プリンタ23によりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にオーバーコート部14またはオーバーコート部24により印字済の表面情報2A上に、オーバーコートを施す。
【0043】
他方、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、表面用プリンタ33によりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にオーバーコート部34により印字済の表面情報2A上にオーバーコートを施す。次にICカード1の裏面に裏面用プリンタ35により裏面情報3aを印字する。
【0044】
この場合、第1表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21は、裏面用プリンタ35を含んでいないので、第2表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21の作動時間は、表裏面印字ユニット31の作動時間に比較するとかなり短くなる。
【0045】
そこで制御部7は、第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を作動させる際、オーバーコート部14,24を経た印字済のICカード1を待機部15,25において待機させておく。このようにして、制御部7はデータベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定した後、ICカード1に表面情報2Aのみを印字するため第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させる場合、あるいはICカード1の表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字させるため表裏面印字ユニット31を作動させる場合のいずれの場合であっても、作動時間の相違を上記の待機部15,25において調整することができ、これにより印字済のICカードを印字順位に基づいて、スタッカ19内に順番に集積することができる。
【0046】
以上のように本実施の形態によれば、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を用いることができ、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は表裏面印字ユニット31を用いることができるので、すべての印字ユニット11,21,31が裏面用プリンタ35を含む必要はなく、設置コスト低減を図ることができる。また第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、あるいは表裏印字ユニット31を経たICカード1をその印字順位に基づいて、スタッカ19へ順番に集積することができるので、スタッカ19に集積されたICカード1を再度印字順位に沿って再度並べ替える必要はない。
【0047】
なお、上記実施の形態において、第1の表面印字ユニット11および第2の表面印字ユニット21の双方の印字ユニットを設けた例を示したが、第2の表面印字ユニット21は必ずしも設ける必要はない。
【0048】
また印字すべきICカード1について、表面情報2Aのみを印字するICカード1の数が多くなった場合、表裏面印字ユニット31を作動させ、裏面用プリンタ35による裏面情報3aの印字を省略して、ICカード1に対して表面情報2Aのみを印字してスタッカ19に送ってもよい。
【0049】
第2の実施の形態
次にカードの印字システム10の第2の実施の形態について、図4により説明する。
【0050】
カードの印字システム10は図4に示すように、ICカードの印字を行なう必要がある個人のID情報2cが入力されるID情報入力部5と、多数の個人の表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに蓄えられ、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、当該ID情報に対応する個人のID情報2c、表面情報2A、および裏面情報3aを出力するデータベース6と、第1の表面印字ユニット11と、第2の表面印字ユニット21と、表裏面印字ユニット31とを備えている。
【0051】
このうち、第1の表面印字ユニット11は図4に示すように、多数のICカード1を収納するカードホッパ12と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ13と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部14とを有している。
【0052】
また第2の表面印字ユニット21は、多数のICカード1を収納するカードホッパ22と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ23と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部24とを有している。
【0053】
さらに表裏面印字ユニット31は、多数のICカード1を収納するカードホッパ32と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ機能33aおよびICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する裏面用プリンタ機能35aをもつ表裏面用プリンタ33Aと、ICカード1にオーバーコートを施すオーバーコート部34とを有している。
【0054】
この場合、表裏面用プリンタ33Aは表面用プリンタ機能33aと裏面用プリンタ機能35aをもつ単一のプリンタからなる。
【0055】
すなわち、表裏面用プリンタ33Aは単一のプリンタからなるが、後述するカード反転部37と組合わせることにより、表面用プリンタ機能33aと裏面用プリンタ機能35aの双方の機能をもつことになる。
【0056】
また、表裏面用プリンタ33Aと、オーバーコート部34との間に、表裏面用プリンタ33AからのICカード1を反転させて、表裏面用プリンタ33A側へ戻すカード反転部37が設けられている。
【0057】
また第1の表面印字ユニット11には、印字済のICカード1を待機させる待機部15と、表面印字ユニット排出路16を介して、ICカード1を集積するスタッカ19が接続されている。
【0058】
さらに第2の表面印字ユニット21は、印字済のICカード1を待機させる待機部25と、表面印字ユニット排出路26とを介してスタッカ19に接続されている。
【0059】
また表裏面印字ユニット32は、表裏面印字ユニット排出路36を介してスタッカ19に接続されている。
【0060】
なお、第1の表面印字ユニット11に接続された待機部15と表面印字ユニット排出路16とによって表面印字ユニット排出ライン15Aが構成され、第2の表面印字ユニット21に接続された待機部25と表面印字ユニット排出路26とによって表面印字ユニット排出ライン25Aが構成されている。また表裏面印字ユニット31に接続された表裏面印字ユニット排出路36によって、表裏面印字ユニット排出ライン36が構成されている。
【0061】
さらにまたデータベース6には、データベース6からのID情報2c、表面情報2Aおよび裏面情報3cに基づいて、第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、表裏面印字ユニット31、表面印字ユニット排出ライン15A,25A、および表裏面印字ユニット排出ライン36を制御する制御部7が接続されている。
【0062】
制御部7はデータベース6からのID情報2cに基づいて、データベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定する。そして制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する。また制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aと裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字するとともに、ICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する。
【0063】
さらに制御部7は予め決定されたICカード1の印字順位に基づいて、第1表面印字ユニット排出ライン15A、第2表面印字ユニット排出ライン25Aおよび表裏面印字ユニット排出ライン36を制御して、印字済カードを印字順位に基づいてスタッカ19内に集積するようになっている。
【0064】
次に第1の表面印字ユニット11および第2の表面印字ユニット21に組込まれた表面用プリンタ13,23について説明する。図2に示すように、これら表面用プリンタ13,23は、略同一の構造を有している。すなわち表面用プリンタ13,23はサーマルリボン43を供給するリボン供給部41と、サーマルリボン43を巻取るリボン巻取部42と、リボン供給部41から供給されるサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧するサーマルヘッド40とを有している。
【0065】
そしてサーマルヘッド40によりサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧することにより、ICカード1の表面にYMCの昇華カラー画像情報(顔画像情報)2bと、Kの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字することができる。
【0066】
また、第1表面印字ユニット11、第2表面印字ユニット21および表裏面印字ユニット31のオーバーコート部14,24,34も各々略同一の構造を有しており、印字済のICカード1の表面にオーバーコートを転写(箔転写)してICカード1の表面を保護するようになっている。
【0067】
さらに表裏面印字ユニット31の表裏面用プリンタ33Aは、ICカード1の表面にYMCの昇華カラー画像情報(顔画像情報)2bと、Kの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字するとともに、ICカード1の裏面に対してKの溶融黒画像からなる裏面情報3aを印字するものである。
【0068】
表裏面用プリンタ33Aにおいて、ICカード1の表面に表面情報2Aが印字され、表面情報2Aが印字されたICカード1はカード反転部37に送られ、このカード反転部37において反転された後に表裏面用プリンタ33A側へ戻される。表裏面用プリンタ33A側へ戻されたICカード1は、この表裏面用プリンタ33Aにおいてその裏面に裏面情報3aが印字され、カード反転部37により再度反転された後、オーバーコート部34へ送られるようになっている。
【0069】
表裏面用プリンタ33Aで用いられるサーマルリボンは、YMCの昇華カラー画像情報2bを印字することができる。またサーマルリボンはKの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字することができる。このためサーマルリボンはYMCパネルと、文字情報を形成するKの溶融インキパネルとからなり、Kの溶融インキパネルは表面文字と裏面文字を印字可能なように、2倍のパネルサイズのものが用いられる。
【0070】
サーマルリボンのYMCKにより表面印字を行なった後、サーマルリボンは一旦停止し、反転後にICカード1に対して表裏面用プリンタ33AによってKの残りのパネルで裏面印字が行なわれる。
【0071】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図4を用いて説明する。
【0072】
まずICカード1に対して印字する必要のある個人のID情報2cがID情報入力部5から入力され、ID情報入力部5から入力されたID情報2cはデータベース6へ送られる。
【0073】
ここでID情報入力部5としては、個人のID情報2cが記載された用紙を読取るOCR等が考えられる。すなわち各個人は用紙にID情報2c(ID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報)を記入し、OCRからなるID情報入力部5により用紙に記入されたID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報を読取るようになっている。
【0074】
ID情報2cがデータベース6へ送られると、データベース6内でID情報2cに対応する表面情報2Aおよび裏面情報3aが集められ、これら表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに制御部7へ送られる。ここで表面情報2Aは個人の氏名、住所等の情報を含み、裏面情報3aは詳細な住所情報を含む。
【0075】
例えばICカード1の表面に表面情報2Aのみを印字する場合、制御部7は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて表面用プリンタ13または表面用プリンタ23によりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にオーバーコート部14またはオーバーコート部24により印字済の表面情報2A上に、オーバーコートを施す。
【0076】
他方、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、表裏面用プリンタ33AによりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にカード反転部37においてICカード1を反転させ、ICカード1を表裏面用プリンタ33Aへ戻しICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する。表裏面用プリンタ33Aにより裏面に裏面情報3aが印字されたICカード1は再度、カード反転部37において反転される。次にオーバーコート部34により印字済のICカード1の表面情報2A上にオーバーコートが施される。
【0077】
この場合、第1表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21は、カード反転部37を含んでいないので、第2表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21の作動時間は、表裏面印字ユニット31の作動時間に比較するとかなり短くなる。
【0078】
そこで制御部7は、第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を作動させる際、オーバーコート部14,24を経た印字済のICカード1を待機部15,25において待機させておく。このようにして、制御部7はデータベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定した後、ICカード1に表面情報2Aのみを印字するため第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させる場合、あるいはICカード1の表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字させるため表裏面印字ユニット31を作動させる場合のいずれの場合であっても、作動時間の相違を上記の待機部15,25において調整することができ、これにより印字済のICカードを印字順位に基づいて、スタッカ19内に順番に集積することができる。
【0079】
以上のように本実施の形態によれば、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を用いることができ、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は表裏面印字ユニット31を用いることができるので、すべての印字ユニット11,21,31が表裏面用プリンタ33Aおよびカード反転部37を含む必要はなく、設置コスト低減を図ることができる。また第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、あるいは表裏印字ユニット31を経たICカード1をその印字順位に基づいて、スタッカ19へ順番に集積することができるので、スタッカ19に集積されたICカード1を再度印字順位に沿って再度並べ替える必要はない。
【0080】
なお、上記実施の形態において、第1の表面印字ユニット11および第2の表面印字ユニット21の双方の印字ユニットを設けた例を示したが、第2の表面印字ユニット21は必ずしも設ける必要はない。
【0081】
また印字すべきICカード1について、表面情報2Aのみを印字するICカード1の数が多くなった場合、表裏面印字ユニット31を作動させ、カード反転部37におけるICカード1の反転作業および表裏面用プリンタ33Aによる裏面情報3aの印字を省略して、表裏面用プリンタ33AによりICカード1に対して表面情報2Aのみを印字してスタッカ19に送ってもよい。
【0082】
第3の実施の形態
次にカードの印字システム10の第3の実施の形態について、図5により説明する。
【0083】
カードの印字システム10は図5に示すように、ICカードの印字を行なう必要がある個人のID情報2cが入力されるID情報入力部5と、多数の個人の表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに蓄えられ、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、当該ID情報に対応する個人のID情報2c、表面情報2A、および裏面情報3aを出力するデータベース6と、第1の表面印字ユニット11と、第2の表面印字ユニット21と、表裏面印字ユニット31とを備えている。
【0084】
このうち、第1の表面印字ユニット11は図5に示すように、多数のICカード1を収納するカードホッパ12と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ13と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部14とを有している。
【0085】
また第2の表面印字ユニット21は、多数のICカード1を収納するカードホッパ22と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ23と、ICカード1の表面にオーバーコートを施すオーバーコート部24とを有している。
【0086】
さらに表裏面印字ユニット31は、多数のICカード1を収納するカードホッパ32と、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する表面用プリンタ機能33aおよびICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する裏面用プリンタ機能35aをもつ表裏面用プリンタ33Aと、ICカード1にオーバーコートを施すオーバーコート部34とを有している。
【0087】
この場合、表裏面用プリンタ33Aは表面用プリンタ機能33aと裏面用プリンタ機能35aをもつ単一のプリンタからなる。
【0088】
すなわち、表裏面用プリンタ33Aは単一のプリンタからなるが、後述するカード反転部37と組合わせることにより、表面用プリンタ機能33aと裏面用プリンタ機能35aの双方の機能をもつことになる。
【0089】
またオーバーコート部34の搬送方向下流側に、オーバーコート部34からのICカード1を反転させて表裏面用プリンタ33A側へ戻すカード反転部37が設けられている。
【0090】
また第1の表面印字ユニット11には、印字済のICカード1を待機させる待機部15と、表面印字ユニット排出路16を介して、ICカード1を集積するスタッカ19が接続されている。
【0091】
さらに第2の表面印字ユニット21は、印字済のICカード1を待機させる待機部25と、表面印字ユニット排出路26とを介してスタッカ19に接続されている。
【0092】
また表裏面印字ユニット32は、表裏面印字ユニット排出路36を介してスタッカ19に接続されている。
【0093】
なお、第1の表面印字ユニット11に接続された待機部15と表面印字ユニット排出路16とによって表面印字ユニット排出ライン15Aが構成され、第2の表面印字ユニット21に接続された待機部25と表面印字ユニット排出路26とによって表面印字ユニット排出ライン25Aが構成されている。また表裏面印字ユニット31に接続された表裏面印字ユニット排出路36によって、表裏面印字ユニット排出ライン36が構成されている。
【0094】
さらにまたデータベース6には、データベース6からのID情報2c、表面情報2Aおよび裏面情報3cに基づいて、第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、表裏面印字ユニット31、表面印字ユニット排出ライン15A,25A、および表裏面印字ユニット排出ライン36を制御する制御部7が接続されている。
【0095】
制御部7はデータベース6からのID情報2cに基づいて、データベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定する。そして制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字する。また制御部7はID情報2cに基づいて、ICカード1に表面情報2Aと裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、ICカード1の表面に表面情報2Aを印字するとともに、ICカード1の裏面に裏面情報3aを印字する。
【0096】
さらに制御部7は予め決定されたICカード1の印字順位に基づいて、第1表面印字ユニット排出ライン15A、第2表面印字ユニット排出ライン25Aおよび表裏面印字ユニット排出ライン36を制御して、印字済カードを印字順位に基づいてスタッカ19内に集積するようになっている。
【0097】
次に第1の表面印字ユニット11および第2の表面印字ユニット21に組込まれた表面用プリンタ13,23について説明する。図2に示すように、これら表面用プリンタ13,23は、略同一の構造を有している。すなわち表面用プリンタ13,23はサーマルリボン43を供給するリボン供給部41と、サーマルリボン43を巻取るリボン巻取部42と、リボン供給部41から供給されるサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧するサーマルヘッド40とを有している。
【0098】
そしてサーマルヘッド40によりサーマルリボン43をICカード1に対して加熱押圧することにより、ICカード1の表面にYMCの昇華カラー画像情報(顔画像情報)2bと、Kの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字することができる。
【0099】
また、第1表面印字ユニット11、第2表面印字ユニット21および表裏面印字ユニット31のオーバーコート部14,24,34も各々略同一の構造を有しており、印字済のICカード1の表面にオーバーコートを転写(箔転写)してICカード1の表面を保護するようになっている。
【0100】
さらに表裏面印字ユニット31の表裏面用プリンタ33Aは、ICカード1の表面にYMCの昇華カラー画像情報(顔画像情報)2bと、Kの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字するとともに、ICカード1の裏面に対してKの溶融黒画像からなる裏面情報3aを印字するものである。
【0101】
表裏面用プリンタ33Aにおいて、ICカード1の表面に表面情報2Aが印字され、表面情報2Aが印字されたICカード1はオーバーコート部34に送られて、ICカード1の表面情報2A上にオーバーコートが施されてICカード1の表面が保護される。その後ICカード1はオーバーコート部34からカード反転部37に送られて反転された後、表裏面用プリンタ33A側へ戻され、この表裏面用プリンタ33Aにおいてその裏面に裏面情報3aが印字される。ICカード1はその後オーバーコート部34に送られて、ICカード1の裏面情報3a上にオーバーコートが施されてICカード1の裏面が保護される。
【0102】
表裏面用プリンタ33Aで用いられるサーマルリボンは、YMCの昇華カラー画像情報2bを印字することができる。またサーマルリボンはKの溶融黒画像情報(表面文字情報)2aを印字することができる。このためサーマルリボンはYMCパネルと、文字情報を形成するKの溶融インキパネルとからなり、Kの溶融インキパネルは表面文字と裏面文字を印字可能なように、2倍のパネルサイズのものが用いられる。
【0103】
サーマルリボンのYMCKにより表面印字を行なった後、サーマルリボンは一旦停止し、オーバーコートが施され、かつ反転されたICカード1に対して、表裏面用プリンタ33AによってKの残りのパネルで裏面印字が行なわれる。
【0104】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図5を用いて説明する。
【0105】
まずICカード1に対して印字する必要のある個人のID情報2cがID情報入力部5から入力され、ID情報入力部5から入力されたID情報2cはデータベース6へ送られる。
【0106】
ここでID情報入力部5としては、個人のID情報2cが記載された用紙を読取るOCR等が考えられる。すなわち各個人は用紙にID情報2c(ID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報)を記入し、OCRからなるID情報入力部5により用紙に記入されたID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報を読取るようになっている。
【0107】
ID情報2cがデータベース6へ送られると、データベース6内でID情報2cに対応する表面情報2Aおよび裏面情報3aが集められ、これら表面情報2Aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに制御部7へ送られる。ここで表面情報2Aは個人の氏名、住所等の情報を含み、裏面情報3aは詳細な住所情報を含む。
【0108】
例えばICカード1の表面に表面情報2Aのみを印字する場合、制御部7は第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させて表面用プリンタ13または表面用プリンタ23によりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にオーバーコート部14またはオーバーコート部24により印字済の表面情報2A上に、オーバーコートを施す。
【0109】
他方、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は、表裏面印字ユニット31を作動させて、表裏面用プリンタ33AによりICカード1の表面に表面情報2Aを印字し、次にオーバーコート部34により印字済の表面情報2A上にオーバーコートを施す。次にカード反転部37によりICカード1を反転させた後、ICカード1を表裏面用プリンタ33Aへ戻し、ICカード1の裏面に表裏面用プリンタ33Aにより裏面情報3aを印字する。次にICカード1は、オーバーコート部34へ送られて、印字済の表面情報3a上にオーバーコートが施される。
【0110】
この場合、第1表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21は、カード反転部37を含んでいないので、第2表面印字ユニット11および第2表面印字ユニット21の作動時間は、表裏面印字ユニット31の作動時間に比較するとかなり短くなる。
【0111】
そこで制御部7は、第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を作動させる際、オーバーコート部14,24を経た印字済のICカード1を待機部15,25において待機させておく。このようにして、制御部7はデータベース6からの入力順に印字すべきICカード1の印字順位を決定した後、ICカード1に表面情報2Aのみを印字するため第1表面印字ユニット11または第2表面印字ユニット21を作動させる場合、あるいはICカード1の表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字させるため表裏面印字ユニット31を作動させる場合のいずれの場合であっても、作動時間の相違を上記の待機部15,25において調整することができ、これにより印字済のICカードを印字順位に基づいて、スタッカ19内に順番に集積することができる。
【0112】
以上のように本実施の形態によれば、ICカード1に表面情報2Aのみを印字する場合は第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を用いることができ、ICカード1に表面情報2Aおよび裏面情報3aを印字する場合は表裏面印字ユニット31を用いることができるので、すべての印字ユニット11,21,31が表裏面用プリンタ33Aおよびカード反転部37を含む必要はなく、設置コスト低減を図ることができる。また第1の表面印字ユニット11、第2の表面印字ユニット21、あるいは表裏印字ユニット31を経たICカード1をその印字順位に基づいて、スタッカ19へ順番に集積することができるので、スタッカ19に集積されたICカード1を再度印字順位に沿って再度並べ替える必要はない。
【0113】
なお、上記実施の形態において、第1の表面印字ユニット11および第2の表面印字ユニット21の双方の印字ユニットを設けた例を示したが、第2の表面印字ユニット21は必ずしも設ける必要はない。
【0114】
また印字すべきICカード1について、表面情報2Aのみを印字するICカード1の数が多くなった場合、表裏面印字ユニット31を作動させ、カード反転部37におけるICカード1の反転作業および表裏面用プリンタ33Aによる裏面情報3aの印字を省略して、ICカード1に対して表面情報2Aのみを印字してスタッカ19に送ってもよい。
【0115】
さらに第1の表面印字ユニット11または第2の表面印字ユニット21を経て表面情報2Aが印字されてスタッカ19に集積されたICカード1を、表裏面印字ユニット31に送り、この表裏面印字ユニット31においてICカード1の裏面に裏面情報3cを印字してもよい。
【符号の説明】
【0116】
5 ID情報入力部
6 データベース
7 制御部
10 カードの印字システム
11 第1の表面印字ユニット
12 カードホッパ
13 表面用プリンタ
14 オーバーコート部
15A 表面印字ユニット排出ライン
15 待機部
16 表面印字ユニット排出路
19 スタッカ
21 第2の表面印字ユニット
22 カードホッパ
23 表面用プリンタ
24 オーバーコート部
25A 表面印字ユニット排出ライン
26 表面印字ユニット排出路
31 表面印字ユニット
32 カードホッパ
33 表面用プリンタ
34 オーバーコート部
35 裏面用プリンタ
36 表裏面印字ユニット排出ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、
各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、
多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタと、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、
表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、
データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、
制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積することを特徴とするカードの印字システム。
【請求項2】
表面印字ユニット排出ラインは表面印字ユニット排出路と、印刷済カードを待機させる待機部を含むことを特徴とする請求項1記載のカードの印字システム。
【請求項3】
表裏面印字ユニットの表面用プリンタはカード搬送方向上流側に位置するとともに裏面用プリンタは下流側に位置し、表裏面印字ユニットの表面用プリンタと裏面用プリンタとの間にカードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のカードの印字システム。
【請求項4】
カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、
各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、
多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタ機能と、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタ機能をもつ表裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、
表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、
データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、
制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積し、
表裏面印字ユニットの表裏面用プリンタのカード搬送方向下流側に、カードを反転させて表裏面用プリンタ側へ戻すカード反転部が設けられ、カード反転部の下流側にカードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部が設けられていることを特徴とするカードの印字システム。
【請求項5】
カードの表面および裏面に各々個人の表面情報および裏面情報を印字するカードの印字システムにおいて、
各個人のID情報が入力されるID情報入力部と、
多数の個人の表面情報と必要に応じて存在する裏面情報がID情報とともに蓄えられ、ID情報入力部からのID情報に基づいて、当該ID情報と、このID情報に対応する表面情報および裏面情報を出力するデータベースと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタとを有する表面印字ユニットと、
多数のカードを収納するカードホッパと、カードに対して表面情報を印字する表面用プリンタ機能と、カードに対して裏面情報を印字する裏面用プリンタ機能をもつ表裏面用プリンタとを有する表裏面印字ユニットと、
表面印字ユニットと表裏面印字ユニットに、各々表面印字ユニット排出ラインと表裏面印字ユニット排出ラインを介して接続されたスタッカと、
データベースからの情報に基づいて表面印字ユニット、表裏面印字ユニット、表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御する制御部とを備え、
制御部はデータベースからのID情報に基づいて、データベースからの入力順に印字すべきカードの印字順位を決定し、カードに表面情報のみを印字する場合は表面印字ユニットを作動させてカードに表面情報を印字し、カードに表面情報と裏面情報を印字する場合は裏面印字ユニットを作動させてカードに表面情報および裏面情報を印字し、かつ表面印字ユニット排出ラインおよび表裏面印字ユニット排出ラインを制御して印字済カードを印字順位に基づいてスタッカに集積し、
表裏面印字ユニットの表裏面用プリンタのカード搬送方向下流側に、カードに対してオーバーコートを施すオーバーコート部と、カードを反転させて表裏面用プリンタ側へ戻すカード反転部が順次設けられていることを特徴とするカードの印字システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−148273(P2011−148273A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13471(P2010−13471)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】