説明

カードエッジコネクタ及びその組付方法

【課題】製造コストを低減することが可能なカードエッジコネクタ及びその組付方法を提供する。
【解決手段】電子基板の端部が挿入されることにより、電子基板端部の同一平面上に形成された複数の接点電極と、外部に引き出される複数のハーネスとの電気的接続を行うカードエッジコネクタであって、ハーネスの端子は、第1雌型端子と、電子基板の接点電極が形成された平面に垂直な方向において、第1雌型端子よりも電子基板の平面から離間された第2雌型端子と、を有し、接点電極は、電子基板の挿入方向の先頭に位置する第1接点電極と、第1接点電極よりも電子基板内側に位置する第2接点電極と、を有し、ハウジングは、ハーネスの端子と接点電極とを電気的に接続する中継端子を複数有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードエッジコネクタ及びその組付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、コネクタ端子が基板の表面と垂直な方向に多段化されたカードエッジコネクタが提案されている。特許文献1に示されるカードエッジコネクタでは、基板として、複数の基板が積層された多層基板を採用しており、内層基板の端部が最外層基板の端部よりも外側に延長され、内層基板の端部及び最外層基板の端部それぞれに複数の端子が配列されている。このように、内層基板の端部によって形成される内側カードエッジ部と、最外層基板の端部によって形成される外側カードエッジ部とに基板の厚さ分の段差が設けられる。この段差を利用して、各々のカードエッジ部の端子と接続されるコネクタ端子の高さ位置を異ならせることで、コネクタ端子が基板の表面と垂直な方向に多段化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−86366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示されるカードエッジコネクタでは、1つの基板(最外層基板)の厚さを利用してカードエッジ部に段差を設けているので、段差の高さを十分に確保することが困難である。このため、その僅かな高さに納まる形状のコネクタ端子を用いる必要が生じるとともに、コネクタ端子同士が近接して設けられるので、コネクタ端子同士が接触して短絡する虞がある。
【0005】
そこで、本出願人は、十分な間隔が確保されて、電子基板の表面と垂直な方向にコネクタ端子が多段化されたカードエッジコネクタ及びその組付方法(特願2008−015471号)を考案した。このカードエッジコネクタは、電子基板の端部が挿入される電子基板挿入孔を有するハウジングと、電子基板における挿入方向の先頭に位置する先頭接点端子と接触する第1接点導体と、先頭接点端子よりも基板内側に位置する内側接点端子と接触する第2接点導体と、電子基板の接点端子が形成された平面に垂直な方向において、第1接点導体よりも電子基板の表面から離間された高さでハウジング内に配置された補助接点導体と、補助接点導体と第2接点導体を連結する連結部と、を有する。
【0006】
このように、先頭接点端子と内側接点端子とが挿入方向に沿って形成された構成においても、補助接点導体が第1接点導体よりも電子基板の表面から離間された高さに配置されているので、本出願人が先に出願したカードエッジコネクタは、コネクタ端子に相当する第1接点導体と補助接点導体とが十分な間隔を隔てて電子基板の表面に垂直な方向に多段化されたカードエッジコネクタとなっている。
【0007】
ところで、本出願人が先に出願したカードエッジコネクタにおいて、ハーネスに接続された第1接点導体及び補助接点導体は、ハーネスと結合される結合部、結合部から伸びる円筒状の本体部、及び本体部に支持されて弾性変形可能な接点部から構成される。ただし、第1接点導体の接点部は本体部から突出され、補助接点導体の接点部は本体部の内部に収納されている。第1接点導体の本体部から突出された接点部は、弾性変形により所定の接点圧力で電子基板の表面に形成された接点端子と接触して電気的接続を確保する機能を果たし、補助接点導体の本体部に収納された接点部は、連結導体が本体部に挿入されたときに弾性変形し、所定の接点圧力で連結導体に接触して電気的接続を確保する機能を果たす。
【0008】
このように、本出願人が先に出願したカードエッジコネクタでは、構造の異なる2種類の第1接点導体及び補助接点導体を用意する必要があるために部品の種類が増加し、これによって製造コストが増大する、という問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、製造コストを低減することが可能なカードエッジコネクタ及びその組付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電子基板の端部が挿入されることにより、電子基板端部の同一平面上に形成された複数の接点電極と、外部に引き出される複数のハーネスとの電気的接続を行うカードエッジコネクタであって、電子基板の端部が挿入される電子基板挿入孔を有するハウジングと、ハウジング内に配設され、ハーネスに接続された端子と、ハウジング内に配設され、一端が電子基板の接点電極に接触し、他端がハーネスの端子に接触する中継端子と、を備え、電子基板端部の同一平面上に形成された複数の接点電極は、電子基板の挿入方向の先頭に位置する第1接点電極と、当該第1接点電極よりも電子基板内側に位置する第2接点電極と、を有し、ハーネスに接続された端子は、電子基板の複数の接点電極が形成された平面に垂直な方向において、当該平面から所定の距離を隔てた位置に配置される第1端子と、電子基板の平面から第1端子よりもさらに離間した位置に配置される第2端子と、を有し、中継端子は、第1接点電極と第2接点電極との一方と第1端子とを電気的に接続する第1中継端子と、第1接点電極と第2接点電極との他方と第2端子とを電気的に接続する第2中継端子と、を有することを特徴する。
【0011】
このように本発明に係るカードエッジコネクタは、電子基板の複数の接点電極が形成された平面に垂直な方向(以下、高さ方向と示す)において、第2端子が、電子基板の平面から第1端子よりも離間された位置に配置されているので、第1端子と第2端子とが十分な間隔を隔てて高さ方向に多段化されたカードエッジコネクタとなっている。そして、第1端子及び第2端子は、第1及び第2中継端子を介して接点電極と電気的に接続された構成となっている。これにより、本発明に係るカードエッジコネクタは、構造の異なる2種類の端子がハーネスに接続されるカードエッジコネクタとは異なり、構造の等しい1種類の端子をハーネスに接続することができるので、製造コストを低減することが可能なカードエッジコネクタとなっている。
【0012】
請求項2に記載のように、第1端子及び第2端子は、筒状の本体部と、該本体部の内部に設けられ、弾性変形により所定の接点圧力で中継端子の一端と接触する接点部と、を有する雌型端子を採用することができる。
【0013】
これによれば、ハーネスの端子として接点部が本体部の内部に設けられた雌型端子を採用しているので、接点部が本体部から突出された雄型端子とは異なり、ハーネスの端子をハウジングの端子挿入孔に挿入する際に、接点部を本体部に収容した状態にしなくとも良い。したがって、容易にハーネスの端子を端子挿入孔に挿入することができる。
【0014】
請求項3に記載のように、複数のハーネスがハウジングから引き出される部分に、全てのハーネスのシール部材を連結した集合シール部材が設けられた構成が好適である。これによれば、シール部材を予めハウジングに設置し、各ハーネスが端子と共に集合シール部材の貫通孔を貫通するように組み付けられれば良く、各ハーネスに個別にシール部材を取り付ける必要がないため、製造コストを低減することができるとともに、個別にシール部材を取り付けるためのスペースを省略できるため、小型化が可能となる。
【0015】
請求項4に記載のように、第1接点電極と第2接点電極とは、それぞれ電子基板の平面に沿い電子基板端部の挿入方向と直交する方向に並ぶように、電子基板端部の同一平面上に複数の第1接点電極と複数の第2接点電極とが形成され、第1接点電極と第2接点電極とが、挿入方向に揃わないように、挿入方向と直交する方向にずれた位置に形成された構成が好ましい。
【0016】
以下においては、便宜上、第1中継端子が第1接点電極と接続され、第2中継端子が第2接点電極と接続される場合を例として、請求項4に記載の発明の作用効果を説明する。
【0017】
第1接点電極と、第2接点電極とが挿入方向に揃った構成の場合、第1中継端子と、第2中継端子とが挿入方向に揃って配置される。したがって、電子基板が電子基板挿入孔に挿入される際に、第2中継端子と第1接点電極とが一時的に接続され、意図しない電流経路で電流が流れる虞がある。これに対して、請求項4に記載の発明では、第1接点電極と第2接点電極とが、挿入方向に揃わないように、挿入方向と直交する方向にずれた位置に形成されている。したがって、電子基板が電子基板挿入孔に挿入される際に、第2中継端子と第1接点電極とが一時的に接続されることが防止され、意図しない電流経路で電流が流れることが抑止される。
【0018】
請求項5に記載のように、第1及び第2中継端子は、電子基板の挿入方向に延びて、電子基板が電子基板挿入孔に挿入されたときに、弾性変形しつつ、接点電極と接触する第1及び第2接触部をそれぞれ有し、第1接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲は、第2接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲と、少なくとも一部が重なる構成が好ましい。
【0019】
第1及び第2接触部は、電子基板が電子基板挿入孔に挿入される際に、自身が弾性変形することで、接点電極との接点圧力を所定範囲内に保持する機能を果たす。したがって、接点電極と第1及び第2接触部との接点圧力を所定範囲内に保持するために、第1及び第2接触部それぞれの挿入方向への長さが長くなると、電子基板挿入孔が長くなる。特に、第1接触部と、第2接触部とが、挿入方向に揃って配置された構成の場合、第1接触部と第2接触部とが接触することを避けるために、第1接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲と、第2接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲とを、挿入方向に離間する必要が生じるので、離間した距離の分、電子基板挿入孔の長さがさらに長くなる。電子基板挿入孔の長さが長くなると、電子基板における電子基板挿入孔内に挿入される領域が増大する。電子基板における電子基板挿入孔内に挿入される領域には、電子基板と電子基板挿入孔との間の隙間が僅かなために、電子素子を配置することができない。したがって、電子基板挿入孔が長くなると、電子基板の体格が増大する、という問題が生じる。
【0020】
ところで、請求項4に記載の発明では、第1接点電極と第2接点電極とが、電子基板上で挿入方向に揃わないように、挿入方向と直交する方向にずれた位置に形成される。このため、第1及び第2接点電極とそれぞれ接触する第1中継端子と第2中継端子も挿入方向と直交する方向にずれて配置される。したがって、請求項4に記載の発明においては、請求項5に記載のように、第1接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲が、第2接触部が電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲と少なくとも一部が重なる構成を採用することができる。これによれば、電子基板挿入孔の長さを短くすることができるので、電子基板の体格の増大を抑制することができる。なお、請求項5に記載の第1接触部は、請求項7〜10に記載した、第1中継端子の電極接触部に相当し、第2接触部は、請求項7〜10に記載した、第2中継端子の電極接触部に相当する。
【0021】
請求項6に記載のように、複数の接点電極が、電子基板の表裏両面それぞれに形成されており、表面に形成された第1接点電極と、裏面に形成された第2接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置され、表面に形成された第2接点電極と、裏面に形成された第1接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置されており、電子基板の表面に形成された接点電極と接触する中継端子の一端は、電子基板挿入孔に電子基板が挿入される前の状態で、電子基板の表面と裏面との中間位置に相当する中心線を跨いで、電子基板の表面から裏面に向かって延設され、電子基板の裏面に形成された接点電極と接触する中継端子の一端は、電子基板挿入孔に電子基板が挿入される前の状態で、中心線を跨いで、電子基板の裏面から表面に向かって延設された構成が好ましい。
【0022】
電子基板の複数の接点電極が形成された平面に垂直な方向において、表面に形成された第1接点電極と、裏面に形成された第1接点電極とが対向するように配置され、表面に形成された第2接点電極と、裏面に形成された第2接点電極とが対向するように配置された構成を考える。この構成の場合、電子基板が電子基板挿入孔に挿入される前の状態において、表面に形成された接点電極と接触する中継端子(以下、表面中継端子と示す)の一端と、裏面に形成された接点電極と接触する中継端子(以下、裏面中継端子と示す)の一端とが、互いに対向することになる。したがって、表面中継端子の一端と裏面中継端子の一端とが接触することを避けつつ、表面中継端子と裏面中継端子の一端とが弾性変形するための距離(表面中継端子と接点電極との所定の接点圧力、及び、裏面中継端子と接点電極との所定の接点圧力を得るための距離)を確保する必要がある。上記した条件を満たすためには、表面中継端子の一端を、電子基板の表面と、表面と裏面との中間位置に相当する中心線との間に配置し、裏面中継端子の一端を、中心線と電子基板の裏面との間に配置する必要があり、中継端子の配置公差に対するロバスト性が低い、という問題があった。また、表面中継端子と裏面中継端子とが弾性変形するための距離を、最大でも電子基板の半分の厚さ程度しか確保することができないために接点圧力を十分に確保することができず、中継端子と接点電極との電気的接続に対するロバスト性が低い、という問題があった。中継端子と接点電極との電気的接続に対するロバスト性が低いと、中継端子と接点電極とに電気的な接続不良が生じる虞がある。
【0023】
これに対して、請求項6に記載の発明では、表面に形成された第1接点電極と、裏面に形成された第2接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置され、表面に形成された第2接点電極と、裏面に形成された第1接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置されている。これにより、表面中継端子の一端と、裏面中継端子の一端とが、挿入方向に離間されるので、表面中継端子の一端と裏面中継端子の一端とが互いに接触することを避けることができる。そして、請求項6に記載の発明では、電子基板挿入孔に電子基板が挿入される前の状態で、表面中継端子の一端が、高さ方向において、中心線を跨いで、表面から裏面に向かって延設され、裏面中継端子の一端が、高さ方向において、中心線を跨いで、裏面から表面に向かって延設されている。これにより、表面中継端子と裏面中継端子とが弾性変形するための距離を、電子基板の半分の厚さ以上に確保することができるので、接点圧力を十分に確保することができる。以上により、請求項6に記載のカードエッジコネクタは、中継端子の配置公差に対するロバスト性と、中継端子と接点電極との電気的接続に対するロバスト性とが向上され、中継端子と接点電極とに電気的な接続不良が生じることを回避することができる。
【0024】
請求項7に記載のように、中継端子は、ハウジング面から、ハウジング内をハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、端子接触部のハウジング面側の端部と連結され、端子接触部との連結部分からハウジング面に沿って電子基板挿入孔まで延びる連結部と、連結部の電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、電極接触部は、電子基板の挿入方向と、挿入方向とは逆の方向とに少なくとも1回ずつ折り曲げられた形状が好ましい。
【0025】
接点電極と電極接触部との接点圧力は、電極接触部において弾性変形する部位の長さに反比例し、その弾性変形のストロークに比例する。したがって、電極接触部の弾性変形する部位の長さが短い場合には弾性変形のストロークに対する接点圧力の変位が大きく、逆に、電極接触部の長さが長い場合には弾性変形のストロークに対する接点圧力の変位が小さくなる。接点電極と電極接触部との電気的接続の信頼性を確保するためには接点圧力を所定範囲に保つ必要があり、電子基板、ハウジング、及び接点電極等の加工公差を吸収しつつ接点圧力を所定範囲に保つには、電極接触部の弾性変形する部位の長さを長くせざるをえない。電子基板挿入孔における電子基板が挿入される長さは、電極接触部における弾性変形する部位の長さに依存する。したがって、接点電極と電極接触部との接点圧力を所定範囲内に保持するために、電極接触部の弾性変形する部位の長さを長くする必要があり、結果として、電子基板挿入孔における電子基板が挿入される長さが長くなる。ところで、電子基板における電子基板挿入孔内に挿入される領域には、電子基板と電子基板挿入孔との間の隙間が僅かなために、電子素子を配置することができない。したがって、接点電極と電極接触部との接点圧力を所定範囲内に保持するために、電子基板挿入孔が長くなり、電子基板における電子基板挿入孔内に挿入される領域も増大して、電子基板の体格が増大する、という問題があった。
【0026】
これに対して請求項7に記載の発明では、電極接触部が、電子基板の挿入方向と、挿入方向とは逆の方向とに少なくとも1回ずつ折り曲げられた形状となっている。このように、電極接触部を2回折り曲げることで、電極接触部が挿入方向に1回のみ折り曲げられた構成と比べて、電極接触部における挿入方向の長さを短くしつつ、接点電極と電極接触部との接点圧力を所定範囲内に保持することが容易となる。これにより、電子基板挿入孔の長さが長くなることを抑制することができるので、電子基板における電子基板挿入孔内に挿入される領域が小さくなり、電子基板の体格の増大が抑制される。
【0027】
請求項8に記載のように、中継端子は、ハウジング面から、ハウジング内をハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、端子接触部のハウジング面側の端部と連結され、端子接触部との連結部分からハウジング面に沿って電子基板挿入孔まで延びる連結部と、連結部の電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、複数の接点電極は、電子基板の表裏両面それぞれに形成されており、電子基板の表面に形成された接点電極と接触する中継端子、及び電子基板の裏面に形成された接点電極と接触する中継端子の一方の電極接触部は、連結部との連結部位を支点として、挿入方向に1回折り曲げられた形状であり、他方の電極接触部は、連結部との連結部位を支点として、挿入方向に1回折り曲げられ、且つ折り返し部位を支点として、電子基板の挿入方向とは逆の方向に1回折り曲げられた形状であり、電子基板挿入孔に電子基板が挿入される前の状態で、挿入方向に1回折り曲げられた電極接触部における、連結部位から接点電極と接触する接触部位までの部分と、挿入方向、及び挿入方向とは逆の方向に1回ずつ折り曲げられた形状の電極接触部における、折り返し部位から接点電極と接触する接触部位までの部分とは、それぞれ直線形状をなし、且つ互いに略平行となっている構成が好ましい。
【0028】
このように、挿入方向に1回折り曲げられた電極接触部の直線形状をなす部分と、挿入方向、及び挿入方向とは逆の方向に1回ずつ折り曲げられた電極接触部の直線形状をなす部分とが略平行となっているので、それぞれの電極接触部を近接した位置に配置することができ、電子基板挿入孔における電極接触部の配置領域を小さくすることができる。
【0029】
請求項9に記載のように、中継端子は、ハウジング面から、ハウジング内をハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、端子接触部のハウジング面側の端部と連結され、端子接触部との連結部分からハウジング面に沿って電子基板挿入孔まで延びる連結部と、連結部の電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、電極接触部は、電子基板端部の挿入時に、ハウジング面と電子基板挿入孔の壁面との角部における連結部と電極接触部との連結角度が変形して、接点電極に対する接点圧力を生じさせて接点電極と接触するものであり、電子基板挿入孔の壁面に、連結角度が一定となるように、電極接触部を支持する凸部が形成された構成が良い。
【0030】
これによれば、電子基板挿入孔を構成する壁面に凸部が形成されていない構成と比べて、連結角度を安定化させることができる。連結角度が安定化されると、端子接触部と接点電極との接触が安定化されるので、端子接触部と接点電極とに接続不良が生じることを回避することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【0032】
請求項11に記載のように、端子接触部のハウジング面側の端部には、圧入工程において、端子接触部に圧力を印加するためのタブが形成されており、圧入工程終了後、タブを除去する除去工程を行うことが好ましい。
【0033】
端子接触部にタブが形成されていない場合、圧入工程において、端子接触部のハウジング面側の端部に直接圧力が印加されるので、端子接触部が変形する虞がある。端子接触部が変形すると、端子接触部と接点部、及び、電極接触部と接点電極に電気的な接続不良が生じる虞がある。これに対して、請求項11に記載の発明では、端子接触部に、圧入工程において、端子接触部に圧力を印加するためのタブが形成されている。これにより、端子接触部の変形が抑制され、端子接触部と接点部、及び、電極接触部と接点電極に電気的な接続不良が生じることが抑制される。
【0034】
請求項12に記載のように、端子接触部における細孔内に配置される部位には、テーパ状のかえり部が形成され、細孔を構成する壁面には、かえり部と嵌合される突起部が形成された構成が好ましい。これによれば、端子接触部とハウジングとの機械的な接続が強固となる。したがって、端子接触部とハウジングとの取り付け位置の変動による、端子接触部と接点部、及び、電極接触部と接点電極に電気的な接続不良が生じることが抑制される。
【0035】
請求項13に記載の発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【0036】
請求項14に記載の発明の作用効果は、請求項3に記載の発明の作用効果と同様なので、その記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態に係るカードエッジコネクタの概略構成を示す分解断面図である。
【図2】電子基板における接点電極の配置を説明するための平面図である。
【図3】凸部を説明するための拡大断面図であり、(a)は第1中継端子を支持する凸部、(b)は第2中継端子を支持する凸部を示す。
【図4】カードエッジコネクタの組付方法を説明するための断面図である。
【図5】中継端子を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示す。
【図6】第2実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】電子基板における接点電極の配置を説明するための平面図である。
【図10】電子基板における接点電極の配置の変形例を説明するための平面図である。
【図11】第3実施形態における接点電極の配置を説明するための平面図である。
【図12】第3実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】図12のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【図16】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【図17】中継端子の変形例を説明するための断面図である。
【図18】第4実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線に沿う断面図である。
【図20】図18のXX−XX線に沿う断面図である。
【図21】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【図22】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【図23】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【図24】カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るカードエッジコネクタの概略構成を示す分解断面図である。図2は、電子基板における接点電極の配置を説明するための平面図である。図3は、凸部を説明するための拡大断面図であり、(a)は第1中継端子を支持する凸部、(b)は第2中継端子を支持する凸部を示す。図4は、カードエッジコネクタの組付方法を説明するための断面図である。図5は、中継端子を説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は側面図を示す。以下においては、電子基板の表面及びその裏面に沿い、電子基板が電子基板挿入孔に挿入される方向に沿う方向を挿入方向、電子基板の表面及びその裏面に沿い、挿入方向に直交する方向を横方向、電子基板の表面及びその裏面に垂直な方向を高さ方向と示す。
【0039】
図1に示すように、カードエッジコネクタ100は、ハーネス10の端部に接続された端子13と、ハーネス10と電子基板30を保持し、電気的に接続するハウジング50と、を有する。なお、本実施形態では、ハウジング50と組付けられることにより、電子基板30を収納するケース70が、カードエッジコネクタ100に取り付け固定される。
【0040】
ハーネス10は、金属線11と、該金属線11を被覆する被覆部12とを有する。図1に示すように、ハーネス10の端部には、端子13が電気的及び機械的に接続されており、後述する中継端子58を介して電子基板30の接点電極32と電気的に接続される。
【0041】
端子13は、高さ方向において、電子基板30の表面30a若しくはその裏面30bから所定の距離を隔てた位置に配設される第1端子13aと、電子基板30の表面30a若しくはその裏面30bから第1端子13aよりもさらに離間した位置に配設される第2端子13bと、を有する。端子13a,13bはそれぞれ、ハーネス10の被覆部12とかしめ等によって結合された結合部14と、結合部14から延びた円筒状の本体部15と、本体部15の内部に設けられた接点部16と、を有する雌型端子である。接点部16は弾性変形可能であり、本体部15の内部に中継端子58が挿入されたときに、弾性変形により所定の接点圧力で接触して電気的接続を確保する機能を果たす。なお、本体部15において、ハーネス10の金属線11がかしめ等によって電気的及び機械的に接続されている。
【0042】
電子基板30は、電子素子(図示略)と、電子素子と電気的に接続された配線パターン(図示略)と、を有する。図2に示すように、電子基板30におけるハウジング50に挿入される端部31の表面30a及びその裏面30bには、上記した配線パターンの末端端子に相当する接点電極32が形成されている。接点電極32は、電子基板30の挿入方向の先頭に位置する第1接点電極32aと、第1接点電極32aよりも端部31から離間された位置に形成された第2接点電極32bと、を有する。接点電極32は、電子基板30の表面30aと裏面30bそれぞれに形成されており、長手方向が挿入方向に沿う矩形状をなし、接点電極32a,32bそれぞれが正方形状である場合と比べて、挿入方向に沿う接点電極32と中継端子58との接続領域が増大された構成となっている。
【0043】
複数の第1接点電極32aは所定の間隔をおいて横方向に沿って配列され、複数の第2接点電極32bも、第1接点電極32a間の間隔と同等の間隔をおいて横方向に沿って配列され、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが挿入方向に揃うように配置されている。そして、表面30aに形成された第1接点電極32aと、裏面30bに形成された第1接点電極32aとは、電子基板30を介して対向する位置に配置され、表面30aに形成された第2接点電極32bと、裏面30bに形成された第2接点電極32bとは、電子基板30を介して対向する位置に配置されている。すなわち、一方の面に形成された接点電極32の他方の面への投影位置が、他方の面に形成された接点電極32の形成位置と一致するように、表面30aと裏面30bとに接点電極32が配置されている。
【0044】
ハウジング50は、ハーネス10と電子基板30を保持しつつ、後述する中継端子58を介して端子13と接点電極32とを電気的に接続するものである。ハウジング50は樹脂を射出成形したものであり、ハウジング50には、電子基板30を挿入するための電子基板挿入孔51と、ハーネス10の端子13を挿入するための端子挿入孔52と、が形成されている。そして、一端が電子基板挿入孔51に突出し、他端が端子挿入孔52に突出するように、端子13と接点電極32とを電気的に接続する中継端子58がハウジング50に設けられている。
【0045】
電子基板挿入孔51は、図1に示すように、電子基板30における第1接点電極32aの形成領域が配置される第1挿入孔51aと、第2接点電極32bの形成領域が配置される第2挿入孔51bと、から構成される。第1挿入孔51aは、上面と下面とを有する第1内壁面53aによって挟まれた領域であり、第2挿入孔51bは、上面と下面とを有する第2内壁面53bによって挟まれた領域である。第1内壁面53aと第2内壁面53bとは、電子基板30の挿入方向と略垂直であって、第1挿入孔51aが形成されたハウジング面である、第1ハウジング面54aを介して連なっており、この結果、第1内壁面53aと第1ハウジング面54aとによって角部55aが構成されている。この角部55aは、後述する第1中継端子58aにおける電極接触部61と連結部60との連結部位に接触する。同様にして、第2内壁面53bと、第2挿入孔51bが形成されたハウジング面である、第2ハウジング面54bとによって構成された角部55bと、後述する第2中継端子58bにおける電極接触部61と連結部60との連結部位とが接触する。内壁面53a,53bは、特許請求の範囲に記載の電子基板挿入孔の壁面に相当する。なお、電子基板30の表面30aと第1内壁面53aとの対向距離と、裏面30bと第1内壁面53aとの対向距離とは等しく、表面30aと第2内壁面53bとの対向距離と、裏面30bと第2内壁面53bとの対向距離とは等しくなる。また、第2内壁面53bと第1ハウジング面54aとは、略90度の隅部を形成している。
【0046】
端子挿入孔52は、図1に示すように、高さ方向において、電子基板30の表面30a若しくはその裏面30bから、第1中継端子58aを配置するスペースを配置するスペースを確保するため、所定の距離を隔てた位置に形成された第1端子挿入孔52aと、電子基板30の表面30a若しくはその裏面30bから第1端子挿入孔52aよりもさらに離間した位置に形成された第2端子挿入孔52bと、からなる。第1端子挿入孔52aには第1端子13aが挿入され、第2端子挿入孔52bには第2端子13bが挿入される。端子挿入孔52を構成する第3内壁面56には、端子13の本体部15に形成された孔(図示略)に嵌め込まれる突起部(図示略)が形成されており、底面57には、後述する、ハーネス10がハウジング50から引き出される部分の隙間を閉塞するシール部材が連結されてなる集合シール部材64が設けられている。
【0047】
中継端子58は、1枚の金属プレートを打ち抜き、曲げ加工することで形成されるものであり、表面30aと裏面30bとに形成された第1接点電極32aと第1端子13aとを電気的に接続する第1中継端子58aと、表面30aと裏面30bとに形成された第2接点電極32bと第2端子13bとを電気的に接続する第2中継端子58bと、を有する。
【0048】
第1中継端子58aは、第1ハウジング面54aから、ハウジング50内を第1端子13a(第1端子挿入孔52a)まで延びる端子接触部59と、端子接触部59の第1ハウジング面54a側の端部と連結され、端子接触部59との連結部分から第1ハウジング面54aに沿って角部55aまで延びる連結部60と、連結部60の角部55a側の端部に連結されつつ、第1挿入孔51a内に突き出された電極接触部61と、から構成される。第2中継端子58bは、第2ハウジング面54bから、ハウジング50内を第2端子13b(第2端子挿入孔52b)まで延びる端子接触部59と、端子接触部59の第2ハウジング面54b側の端部と連結され、端子接触部59との連結部分から第2ハウジング面54bに沿って角部55bまで延びる連結部60と、連結部60の角部55b側の端部に連結されつつ、第2挿入孔51b内に突き出された電極接触部61と、から構成される。なお、電極接触部61は、特許請求の範囲に記載の中継端子の一端に相当し、端子接触部59は、特許請求の範囲に記載の中継端子の他端に相当する。
【0049】
図1に示すように、端子接触部59と連結部60との連結角度はほぼ直角となっており、端子接触部59と連結部60とは、L字状に連結されている。端子接触部59の端子挿入孔52側の端部は、端子13の本体部15の内部に挿入され、接点部16と接触して電気的に接続される。
【0050】
電極接触部61と連結部60との連結角度は鈍角となっており、電極接触部61と連結部60とは、くの字状に連結されている。電極接触部61の挿入孔51a,51b内に突き出された端部は、接点電極32a,32bと接触して電気的に接続される。
【0051】
電極接触部61は、電子基板30の電子基板挿入孔51への挿入時に、電子基板30を挿入する圧力によって、連結部60との連結角度が鈍角から直角に近づくように変形し、且つ電極接触部61自身も弾性変形することで、接点電極32に対する接点圧力を生じさせて、接点電極32と接触する機能を果たす。図1に示すように、電極接触部61の挿入孔51a,51b内に突き出された端部は、中心線CLに対して凸となるように湾曲しており、この湾曲した部位の頂点62が、電子基板30の接点電極32と接触する。本実施形態では、2つの第1中継端子58aの頂点62が互いに対向し、2つの第2中継端子58bの頂点62が互いに対向している。頂点62が、特許請求の範囲に記載の接触部位に相当する。
【0052】
図3(a)に示すように、第1中継端子58aにおける電極接触部61と連結部60との連結部位と角部55aとが接しており、図3(b)に示すように、第2中継端子58bにおける電極接触部61と連結部60との接続部位と角部55bとが接している。そして、内壁面53a,53bには、電子基板挿入孔51に電子基板30が挿入されたときに、電極接触部61と連結部60との連結角度が一定となるように、電極接触部61を支持する凸部63が形成されている。電子基板30を電子基板挿入孔51内に挿入する際に、電子基板30を挿入する圧力が電極接触部61に印加されると、電極接触部61は、電極接触部61における電子基板30との接触部位を力点、電極接触部61の直線部分と凸部63との接触部位を支点として挿入方向に撓む。このように、電極接触部61は、湾曲形状を有する電極接触部61と連結部60との連結部位と角部55との接触位置ではなく、電極接触部61の直線部分と凸部63との接触位置を支点として、挿入方向に撓む。
【0053】
電極接触部61が撓む際に、電極接触部61と連結部60との連結部位と角部55との接触位置が支点となった場合、角部55は、図3(a),(b)に示すように、ミクロ的にはR状であるため、連結部位との接触位置がバラつき易い。その結果、電極接触部61と連結部60との連結角度の変化が安定せず、接点電極32に対する接点圧力もバラつき易くなる。これに対して、本実施形態のように、内壁面53a,53bに凸部63を形成することにより、電極接触部61が撓む際の支点位置を安定化させることができる。このため、電極接触部61と連結部60との連結角度の変化が一定となり、接点電極32に対する接点圧力のバラつきを抑制することができる。
【0054】
ケース70は、ハウジング50と嵌合されることによって、電子基板30の収納空間を閉塞し、ケース70とハウジング50とによって構成される内部空間に電子基板30を収納するものである。ケース70は、開口部を有する箱状をなし、ケース70の側部内面には、ケース70内に電子基板30を挿入するのをガイドする溝部(図示略)が形成され、ケース70の底部内面には、溝部とともに、電子基板30を支持する支持部(図示略)が形成されている。ケース70とハウジング50とは嵌合によって結合され、ケース70内にハウジング50が挿入されることで、ケース70とハウジング50とが組み付けられる。
【0055】
次に、カードエッジコネクタ100の防水について説明する。カードエッジコネクタ100を車両に搭載する場合、水分がカードエッジコネクタ100の内部に侵入することを防止する必要がある。そこで、本実施形態では、ハウジング50の底面57に、ハーネス10がハウジング50から引き出される部分の隙間を閉塞するための集合シール部材64が設けられている。図4に示すように、集合シール部材64には、端子挿入孔52と外部とを連通する複数の貫通孔が形成されており、端子13を端子挿入孔52内に挿入する際に、集合シール部材64の貫通孔を貫通して、端子挿入孔52内に端子13を挿入することにより、集合シール部材64が各ハーネス10の周囲に配置される。これによって、上記した隙間が閉塞されて、端子挿入孔52内に水分が浸入することが防止される。また、ケース70に挿入されるハウジング50の嵌合面には、その嵌合面の全周に渡って、シール部材65が設けられている。このため、ハウジング50とケース70とによって構成される内部空間に水分が浸入することが防止される。
【0056】
次に、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100の製造方法を図4に基づいて説明する。先ず、ハーネス10と、ハウジング50と、中継端子58と、電子基板30が挿入されたケース70と、を準備する。そして、ハウジング面54から端子挿入孔52に達するように形成された細孔66に、端子接触部59を圧入することで、ハウジング50に中継端子58を取り付ける。以上が、特許請求の範囲に記載の圧入工程に相当する。なお、第2内壁面53bと第1ハウジング面54aとによって形成された略90度の隅部に、細孔66が設けられており、この隅部に形成された細孔66に第1中継端子58aを圧入することで、第1中継端子58aと第2中継端子58bとを接触させることなく、挿入方向に並べて配置している。
【0057】
図5に示すように、端子接触部59の端子挿入孔52側の端部の形状は、先細りとなっており、これによって端子接触部59の細孔66内への圧入時の抵抗を小さくすることができる。また、端子接触部59における細孔66内に配置される部位には、幅が徐々に広がったテーパ状のかえり部67が形成されている。そして、端子接触部59のハウジング面54側の端部には、端子接触部59に圧入のための力を印加するためのタブ68が形成されている。上記した圧入工程では、タブ68に圧入方向(図4及び図5に示す白抜き矢印に沿う方向)に沿う圧力を印加することで、端子接触部59を細孔66に圧入している。なお、細孔66を構成する壁面には、かえり部67と嵌合される突起部(図示略)が形成されており、端子接触部59が細孔66内に完全に挿入されると、かえり部67と上記した突起部とが嵌合される。これにより、端子接触部59とハウジング50との機械的な接続が強固となり、端子接触部59とハウジング50との取り付け位置が変化して端子接触部59と接点部16、及び、電極接触部61と接点電極32に電気的な接続不良が生じることが抑制される。なお、圧入工程終了時には、中継端子58の端子接触部59の先端部が端子挿入孔52内に突出した状態となる。
【0058】
圧入工程終了後、タブ68を除去する。以上が、特許請求の範囲に記載の除去工程に相当する。
【0059】
除去工程終了後、ハーネス10が接続された端子13を、端子挿入孔52に挿入する。すなわち、端子13を、集合シール部材64を貫通して、端子挿入孔52内に挿入する。以上が、特許請求の範囲に記載の第1挿入工程に相当する。第1挿入工程では、端子13が集合シール部材64の貫通孔を完全に通り抜け、集合シール部材64がハーネス10の周囲に位置するように、ハーネス10が接続された端子13を端子挿入孔52に挿入する。これによってハーネス10がハウジング50から引き出される部分の隙間が閉塞される。また、端子13が端子挿入孔52内に完全に挿入されると、端子13の本体部15の先端面は開口されているので、先にハウジング50に取り付けられている中継端子58の端子接触部59の先端部が本体部15の内部に導入され、接点部16と接触する。
【0060】
第1挿入工程終了後、電子基板30を、電子基板挿入孔51に挿入する。すなわち、電子基板30を、中継端子58(電極接触部61)の弾性力に逆らいながら、電子基板挿入孔51内に挿入する。これにより、電子基板30が、表面30aに形成された接点電極32と接触する中継端子58と、裏面30bに形成された接点電極32と接触する中継端子58とによって挟持されて、電子基板挿入孔51内に保持される。また、電子基板30の電子基板挿入孔51内への挿入に伴って、ケース70内にハウジング50が挿入されて、ケース70とハウジング50とが組み付けられる。これにより、ハウジング50とケース70との間に環状のシール部材65が配置されて、ハウジング50とケース70とによって構成電子基板30の収納空間が気密に閉塞される。以上が、特許請求の範囲に記載の第2挿入工程に相当する。
【0061】
以上の工程を経ることで、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100が組み付けられる。なお、上記した組付方法では、細孔66内に端子接触部59を圧入する圧入工程を行ったが、インサート成形によってハウジング50に中継端子58が設けられたハウジング50を用いる場合、圧入工程と除去工程とを省略することができるので、カードエッジコネクタ100の組み付け工程数を低減することができる。しかしながら、中継端子58をインサート成形するための金型を製造するのにコストがかかるので、製造コストの増大を抑制するためには、上記したように、ハウジング50と中継端子58とを別々に用意して、圧入工程と除去工程とを行うのが良い。なお、インサート成形によってハウジング50に中継端子58を設ける場合においても、中継端子58とハウジング50との接続を強化するために、端子接触部59におけるハウジング50内に配置される部位に、上記したかえり部67が形成されることが好ましい。
【0062】
上記した組付方法では、圧入工程終了後すぐに除去工程を行ったが、除去工程を、圧入工程と第1挿入工程とが終了した後に行っても良い。また、上記した組付方法では、第1挿入工程終了後に第2挿入工程を行ったが、第2挿入工程終了後に第1挿入工程を行っても良い。
【0063】
次に、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100及びその組付方法の作用効果を説明する。上記したように、接点電極32は、電子基板30の挿入方向の先頭に位置する第1接点電極32aと、挿入方向において第1接点電極32aよりも端部31から離された位置に形成された第2接点電極32bと、を有する。そして、端子13は、第1端子13aと、高さ方向において第1端子13aよりも電子基板30から離間された位置に配置された第2端子13bと、を有する。このように、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100及びその組付方法は、高さ方向において、第2端子13bが第1端子13aよりも表面30a若しくは裏面30bから離間された位置に配置されているので、第1端子13aと第2端子13bとが十分な間隔を隔てて高さ方向に多段化されたカードエッジコネクタとなっている。
【0064】
端子13a,13bはそれぞれ、構造の等しい雌型端子であり、接点電極32と端子13とが、中継端子58を介して電気的に接続された構成となっている。これにより、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100及びその組付方法は、構造の異なる2種類の端子がハーネスに接続されるカードエッジコネクタとは異なり、構造の等しい1種類の端子(雌型端子)がハーネスに接続されるので、製造コストを低減することが可能である。
【0065】
特に、端子13として、接点部16が本体部15の内部に設けられた雌型端子を採用している。したがって、接点部が本体部から突出された雄型端子とは異なり、端子13を端子挿入孔52に挿入する際に、接点部16が本体部15に収容された状態なので、雄型端子と雌型端子とがハウジングに挿入される構成と比べて、容易に端子13を端子挿入孔52に挿入することができる。
【0066】
接点電極32は、表面30aと裏面30bとに形成されている。これによれば、電子基板30の一面に接点電極32が形成された構成と比べて、カードエッジコネクタ100の接続信号線を増大することができる。
【0067】
接点電極32は、長手方向が挿入方向に沿う矩形状をなす。したがって、接点電極32が正方形状である場合と比べて、挿入方向に沿う接点電極32と中継端子58との接続領域が増大されるので、電子基板30の挿入方向へのずれなどによる、接点電極32と中継端子58とに電気的な接続不良が生じることを抑制することができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6〜図9に基づいて説明する。図6は、第2実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。図8は、図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。図9は、電子基板における接点電極の配置を説明するための平面図である。
【0069】
第2実施形態に係るカードエッジコネクタ100は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
【0070】
第1実施形態では、図1に示すように、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが高さ方向に並んで配置された例を示した。これに対して、本実施形態では、図6〜図8に示すように、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが高さ方向に並んで配置されておらず、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが、横方向に所定の間隔をおいて交互に配列されている。これに伴い、ハウジング50内において、高さ位置が異なる第1端子13aと第2端子13bが横方向に交互に配置されている。
【0071】
そして、本実施形態では、図9に示すように、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが、挿入方向に揃わないように、横方向にずれた位置に形成され、その結果、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが横方向に沿って交互に配列されている。この際、横方向に沿って隣接する第1接点電極32a間の間隔は、電子基板30を電子基板挿入孔51内に挿入する際に、第2接点電極32bと接触する第2中継端子58bの電極接触部61が、第1接点電極32aと接触しないように設定されている。なお、第1実施形態と同様にして、表面30aに形成された第1接点電極32aと、裏面30bに形成された第1接点電極32aとは、電子基板30を介して対向する位置に配置され、表面30aに形成された第2接点電極32bと、裏面30bに形成された第2接点電極32bとは、電子基板30を介して対向する位置に配置されている。
【0072】
以上が、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100の構成上の特徴点である。以下、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100の作用効果を説明する。
【0073】
第1実施形態で示したように、第1接点電極32aと、第2接点電極32bとが挿入方向に揃って配置され、第1中継端子58aと、第2中継端子58bとが挿入方向に揃って配置された構成を考える。この構成の場合、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される際に、第2中継端子58bと第1接点電極32aとが一時的に接続され、意図しない電流経路で電流が流れる虞がある。
【0074】
これに対して、本実施形態では、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが、挿入方向に揃わないように、横方向にずれた位置に形成されており、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが、第1接点電極32aと第2接点電極32bとそれぞれ接触するように、所定の間隔をおいて横方向に交互に配列されている。これにより、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される際に、第2中継端子58bの電極接触部61と第1接点電極32aとが一時的に接続されることが防止され、意図しない電流経路で電流が流れることが抑止される。より具体的には、例えば、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100が車両に搭載されるもので、電子基板30が格納されたケース70がECU(Electronic control unit)である場合、ECUの機能ブロックである電子基板30は、ハーネス10を介して、車両に搭載されたバッテリーや他ECUと電気的に接続される。このような構成においてECUを交換する場合、交換作業者は、バッテリーとハーネス10とが電気的に接続されている状態で、電子基板30をハウジング50から外そうとすることが想定される。また、車両に使用されるECUの場合、衝撃などの影響で一時的にバッテリーからの給電が中断されたときでも、ECU内の処理が中断されないようにコンデンサなどの蓄電手段を備えているものがある。したがって、バッテリーとの電気的接続がなされた状態、若しくは、蓄電手段による給電が行われた状態において、電子基板30をハウジング50から着脱する可能性がある。しかしながら、このような時でも、本実施形態では、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが、挿入方向に揃わないように、横方向にずれた位置に形成されているため、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される際に、意図しない電流経路で電流が流れることを抑止することができる。
【0075】
ここで、高さ位置の異なる第1端子13aと第2端子13bとを交互に配置せずに、同一の高さの第1端子13a若しくは第2端子13bのみを横方向に沿って配列させた場合、必要な端子数を確保するには、ハウジング50や電子基板30の横方向の長さが長くなる、という問題が生じる。これは、同一高さの端子13a,13bのみが横方向に沿って配列された場合、隣接する中継端子58同士が接触したり、中継端子58が本来接触すべき接点電極32以外の接点電極32に接触したりすることを確実に防止するために、横方向に十分なスペースを空けて、端子13a,13bや接点電極32を配置する必要があるためである。
【0076】
これに対して、本実施形態では、高さ位置の異なる第1端子13aと第2端子13bとが横方向に交互に配置されている。このため、ハウジング50における、端子接触部59の取り付け位置が高さ方向で異なると共に、接触する接点電極32の挿入方向の位置が異なる第1中継端子58aと第2中継端子58bとが横方向に沿って隣接することとなる。このため、隣接する第1中継端子58aと第2中継端子58bとの間隔を狭めても、中継端子58同士が接触したり、接触すべき接点電極32以外の接点電極32と接触したりする事態が生じることがない。このため、必要な端子数を確保しながら、ハウジング50の横方向の体格の増大を抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、図9に示すように、接点電極32が、第1接点電極32aと、第2接点電極32bと、を有する例を示した。しかしながら、図10に示すように、接点電極32が、第1接点電極32a及び第2接点電極32bの他に、挿入方向において第2接点電極32bよりも端部31からさらに離れた位置に形成される第3接点電極32c、を有しても良い。なお、この場合、端子13は、高さ位置がそれぞれ異なる第1〜第3端子を有する。図10は、電子基板における接点電極の配置の変形例を説明するための平面図である。
【0078】
図10に示す接点電極32では、1つの第2接点電極32bと1つの第3接点電極32cとを挟んで横方向に隣接する2つの第1接点電極32aの間隔が、電子基板30を電子基板挿入孔51内に挿入する際に、第2接点電極32bと接触する中継端子58、及び第3接点電極32cと接触する中継端子58それぞれの電極接触部61が、第1接点電極32aと接触しないように設定されている。そして、1つの第3接点電極32cを介して横方向に隣接する第1接点電極32aと第2接点電極32bとの間隔が、電子基板30を電子基板挿入孔51内に挿入する際に、第3接点電極32cと接触する中継端子58の電極接触部61が、第1接点電極32aと第2接点電極32bとに接触しないように設定されている。これによれば、接点電極32が第1接点電極32aと第2接点電極32bとを有する構成と比べて、カードエッジコネクタ100の接続信号線を増大することができる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図11〜図14に基づいて説明する。図11は、第3実施形態における接点電極の配置を説明するための平面図である。図12は、第3実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。図13は、図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。図14は、図11のXIV−XIV線に沿う断面図である。なお、図11では、便宜上、裏面30bに形成された接点電極32を破線で示している。
【0080】
第3実施形態に係るカードエッジコネクタは、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
【0081】
第2実施形態では、表面30aに形成された第1接点電極32aと、裏面30bに形成された第1接点電極32aとが、電子基板30を介して対向する位置に配置され、表面30aに形成された第2接点電極32bと、裏面30bに形成された第2接点電極32bとが、電子基板30を介して対向する位置に配置された例を示した。これに対して、本実施形態では、図11に示すように、電子基板30の表面30a及び裏面30bにおいて、第1接点電極32aと第2接点電極32bとが横方向に交互に配置されて、ジグザグ状に配置されている。そして、表面30aに形成された接点電極32のジグザグ状に配置されたパターンと、裏面30bに形成された接点電極32のジグザグ状に配置されたパターンとが線対称になっている。すなわち、表面30aに形成された第1接点電極32aと、裏面30bに形成された第2接点電極32bとが、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置され、表面30aに形成された第2接点電極32bと、裏面30bに形成された第1接点電極32aとが、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置されている。
【0082】
そして、図12に示すように、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが高さ方向に並んで配置されて対をなしており、対をなす第1中継端子58aと第2中継端子58bとが、横方向に所定の間隔をおいて配列されている。より詳細には、図13に示すように、表面30aに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58aと、裏面30bに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bとが対をなして、高さ方向に並んで配置されており、それに隣接して、図14に示すように、表面30aに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bと、裏面30bに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58aとが対をなして、高さ方向に並んで配置されている。
【0083】
表面30aに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58a、及び表面30aに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bそれぞれの電極接触部61は、電子基板30の表面30aと裏面30bとの中間位置に相当する中心線CLを跨いで、電子基板30の裏面30b側まで延設され、裏面30bに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58a、及び裏面30bに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bそれぞれの電極接触部61は、中心線CLを跨いで、電子基板30の表面30a側まで延設されている。これにより、中心線CLを跨いで裏面30b側に延設された電極接触部61の頂点62が、中心線CLよりも下方側に配置され、中心線CLを跨いで表面30a側に延設された電極接触部61の頂点62が、中心線CLよりも上方側に配置される。
【0084】
次に、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100の作用効果を説明する。図7及び図8に示すように、2つの第1中継端子58aの頂点62と、2つの第2中継端子58bの頂点62とが、高さ方向で互いに対向された構成を考える。この構成の場合、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される前の状態において、対向する2つの中継端子58の頂点62が互いに接触することを避けつつ、対向する中継端子58の電極接触部61が弾性変形するための距離(電極接触部61と接点電極32との所定の接点圧力を得るための距離)を確保する必要がある。上記した条件を満たすためには、表面30aに形成された接点電極32と接触する中継端子58の頂点62を、表面30aと中心線CLとの間に配置し、裏面30bに形成された接点電極32と接触する中継端子58の頂点62を、中心線CLと裏面30bとの間に配置する必要があり、中継端子58の配置公差に対するロバスト性が低い、という問題があった。また、対向する2つの中継端子58の電極接触部61が弾性変形するための距離を、最大でも電子基板30の半分の厚さ程度しか確保することができないために接点圧力を十分に確保することができず、電極接触部61と接点電極32との電気的接続に対するロバスト性が低い、という問題があった。電極接触部61と接点電極32との電気的接続に対するロバスト性が低いと、電極接触部61と接点電極32とに電気的な接続不良が生じる虞がある。
【0085】
これに対して、本実施形態では、図11に示すように、表面30aに形成された第1接点電極32aと、裏面30bに形成された第2接点電極32bとが、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置され、表面30aに形成された第2接点電極32bと、裏面30bに形成された第1接点電極32aとが、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置されている。そして、表面30aに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58aと、裏面30bに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bとが対をなして高さ方向に並んで配置されており、表面30aに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bと、裏面30bに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58aとが対をなして高さ方向に並んで配置されている。これによれば、高さ方向に並んで配置された対をなす第1中継端子58aと第2中継端子58bそれぞれの頂点62の位置が挿入方向にずれており、対向しないので、2つの中継端子58の頂点62の位置を厳密に設定しなくとも、頂点62同士が接触することを避けることができる。
【0086】
本実施形態では、表面30aに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58a、及び表面30aに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bそれぞれの電極接触部61は、中心線CLを跨いで、裏面30b側に延設されている。そして、裏面30bに形成された第1接点電極32aと接続される第1中継端子58a、及び裏面30bに形成された第2接点電極32bと接続される第2中継端子58bそれぞれの電極接触部61は、中心線CLを跨いで、表面30a側に延設されている。このように、中継端子58の電極接触部61が弾性変形するための距離を、電子基板30の半分の厚さ以上に確保することができるので、接点圧力を十分に確保することができる。以上により、本実施形態に係るカードエッジコネクタ100は、中継端子58の配置公差に対するロバスト性と、電極接触部61と接点電極32との電気的接続に対するロバスト性とが向上され、電極接触部61と接点電極32とに電気的な接続不良が生じることを抑制できる。
【0087】
ところで、電子基板挿入孔51に電子基板30を挿入した場合、電子基板挿入孔51の開口側に位置する第2中継端子58bの電極接触部61が、電子基板30が挿入される方向に変位する。したがって、例えば図1に示すように、第2中継端子58bの電極接触部61の変位方向に第1中継端子58aが配置された構成の場合、第2中継端子58bの変位によって、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが接触して、短絡する虞がある。これに対して、本実施形態では、図13及び図14に示すように、第2中継端子58bの電極接触部61の変位方向に第1中継端子58aの電極接触部61が配置されていないので、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが接触することを抑制することができる。更に言えば、第2中継端子58bの電極接触部61の変位を、第1ハウジング面54aによって制限することができるので、第1ハウジング面54aよりも、電子基板挿入孔51の奥方向に配置された第1中継端子58aの電極接触部61と、第2中継端子58bの電極接触部61とが接触することを抑制することができる。
【0088】
なお、本実施形態では、中継端子58が、表面30aと裏面30bとに形成された第1接点電極32aと第1端子13aとを電気的に接続する第1中継端子58aと、表面30aと裏面30bとに形成された第2接点電極32bと第2端子13bとを電気的に接続する第2中継端子58bと、を有する例を示した。しかしながら、例えば図15及び図16に示すように、表面30aと裏面30bとに形成された第2接点電極32bと第1端子13aとを電気的に接続する第1中継端子58aと、表面30aと裏面30bとに形成された第1接点電極32aと第2端子13bとを電気的に接続する第2中継端子58bと、を有する中継端子58を採用することもできる。この変形例の場合、表面30aに形成された第1接点電極32aと接触する第2中継端子58bの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲が、表面30aに形成された第2接点電極32bと接触する第1中継端子58aの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲と少なくとも一部が重なる構成となる。同じく、裏面30bに形成された第1接点電極32aと接触する第2中継端子58bの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲が、裏面30bに形成された第2接点電極32bと接触する第1中継端子58aの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲と少なくとも一部が重なる構成とすることが好ましい。これにより、例えば図1に示すように、第1中継端子58aの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲と、第2中継端子58bの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲とが挿入方向に離間された構成と比べて、電子基板挿入孔51の長さを短くすることができる。電子基板挿入孔51の長さが短くなると、電子基板30における、電子基板挿入孔51に挿入される領域が小さくなり、電子基板30の体格の増大を抑制することができる。図15及び図16は、カードエッジコネクタの変形例を示す断面図である。
【0089】
また、図17に示すように、中継端子58が、第1中継端子58aと第2中継端子58bの他に、高さ方向において、電子基板30の表面30a若しくはその裏面30bから第2端子13bよりもさらに離間した位置に配設される第3中継端子58cを有しても良い。これによれば、接点電極32が第1接点電極32aと第2接点電極32bとを有する構成と比べて、カードエッジコネクタ100の接続信号線を増大することができる。なお、この場合、接点電極32は、配置位置がそれぞれ異なる第1〜第3接点電極を有する。図17は、中継端子の変形例を説明するための断面図である。
【0090】
また、図15及び図16に示す構成の場合、第2ハウジング面54bに開口する細孔66に、第1中継端子58a及び第2中継端子58bの両方を圧入することができるため、第1ハウジング面54aに開口する細孔66に第1中継端子58aを圧入し、第2ハウジング面54bに開口する細孔66に第2中継端子58bを圧入する場合と比べて、圧入工程を容易とすることができる。
【0091】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図18〜図20に基づいて説明する。図18は、第4実施形態に係るカードエッジコネクタの中継端子のハウジングにおける配設位置を説明するための断面図である。図19は、図18のXIX−XIX線に沿う断面図である。図20は、図18のXX−XX線に沿う断面図である。
【0092】
第4実施形態に係るカードエッジコネクタは、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
【0093】
本実施形態の特徴点は、第2中継端子58bの電極接触部61が、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される方向と、その方向とは反対の方向とに1回ずつ折り曲げられた形状となっている点である。すなわち、図19に示すように、第2中継端子58bの電極接触部61は、連結部60との連結部位を支点として、挿入方向に1回折り曲げられ、且つ折り返し部位を支点として、電子基板30の挿入方向とは逆の方向に1回折り曲げられた形状となっている。
【0094】
接点電極32と電極接触部61との接点圧力は、電極接触部61において弾性変形する部位の長さに反比例し、その弾性変形のストロークに比例する。したがって、電極接触部61の弾性変形する部位の長さが短い場合には弾性変形のストロークに対する接点圧力の変位が大きく、逆に、電極接触部61の長さが長い場合には弾性変形のストロークに対する接点圧力の変位が小さくなる。接点電極32と電極接触部61との電気的接続の信頼性を確保するためには接点圧力を所定範囲に保つ必要があり、電子基板30、ハウジング50、及び接点電極32等の加工公差を吸収しつつ接点圧力を所定範囲に保つには、電極接触部61の弾性変形する部位の長さを長くせざるをえない。電子基板挿入孔51における電子基板30が挿入される長さは、電極接触部61における弾性変形する部位の長さに依存する。したがって、接点電極32と電極接触部61との接点圧力を所定範囲内に保持するための長さを長くする必要があり、結果として、電子基板挿入孔51における電子基板30が挿入される長さが長くなる。ところで、電子基板30における電子基板挿入孔51内に挿入される領域には、電子基板30と電子基板挿入孔51との間に設けられる隙間が僅かなために、電子素子を配置することができない。したがって、接点電極32と電極接触部61との接点圧力を所定範囲内に保持するために、電子基板挿入孔51が長くなり、電子基板30における電子基板挿入孔51内に挿入される領域も増大して、電子基板30の体格が増大する、という問題があった。
【0095】
これに対して本実施形態では、第2中継端子58bの電極接触部61が、電子基板30が電子基板挿入孔51に挿入される方向と、その方向とは反対の方向とに1回ずつ折り曲げられた形状となっている。このように、電極接触部61を2回折り曲げることで、電極接触部61が挿入方向に1回折り曲げられた構成と比べて、電極接触部61における挿入方向の長さを短くしつつ、接点電極32と電極接触部61との接点圧力を所定範囲内に保持することが容易となる。これにより、電子基板挿入孔51の長さが長くなることを抑制することができるので、電子基板30における電子基板挿入孔51内に挿入される領域が小さくなり、電子基板30の体格の増大が抑制される。
【0096】
また、本実施形態では、図18〜図20に示すように、第1中継端子58aと第2中継端子58bとが、所定の間隔をおいて横方向に交互に配列されており、第1中継端子58aの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲が、第2中継端子58bの電極接触部61が電子基板挿入孔51に配置される挿入方向の範囲と少なくとも一部が重なる構成となっている。これによっても、第3実施形態の変形例で示したように、電子基板挿入孔51の長さを短くすることができる。電子基板挿入孔51の長さが短くなると、電子基板30における、電子基板挿入孔51に挿入される領域が低減されるので、電子基板30の体格の増大を抑制することができる。
【0097】
本実施形態では、図19及び図20に示すように、2つの第1中継端子58aの頂点62が互いに対向し、2つの第2中継端子58bの頂点62が互いに対向する例を示した。しかしながら、例えば図21〜図24に示すように、第3実施形態と同様にして、高さ方向に並んで配置された対をなす第1中継端子58aと第2中継端子58bそれぞれの頂点62の位置が挿入方向にずれて、対向しない構成を採用することもできる。図21〜24は、カードエッジコネクタの変形例を説明するための断面図である。
【0098】
図21及び図22に示すカードエッジコネクタ100は、第2中継端子58bの電極接触部61が、2回折り曲げられた形状となっている。そして、電子基板30が電子基板挿入孔51内に挿入される前の状態で、第1中継端子58aの電極接触部61における連結部60との連結部位から頂点62までの直線形状をなす部分と、第2中継端子58bの電極接触部61における、折り返し部位から頂点62までの直線形状をなす部分とが略平行となっている。これによれば、それぞれの電極接触部61を近接した位置に配置することができるので、電子基板挿入孔51における電極接触部61の配置領域を小さくすることができる。
【0099】
また、図23及び図24に示すカードエッジコネクタ100は、第1中継端子58aの電極接触部61が、2回折り曲げられた形状となっている。そして、電子基板30が電子基板挿入孔51内に挿入される前の状態で、第1中継端子58aの電極接触部61における折り返し部位から頂点62までの直線形状をなす部分と、第2中継端子58bの電極接触部61における連結部60との連結部位から頂点62までの直線形状をなす部分とが略平行となっている。これにより、図21及び図22に示すカードエッジコネクタ100と同等の作用効果を得ることができる。
【0100】
なお、図19、図21、及び図22においては、第2中継端子58bの電子基板挿入孔51側の端部が、頂点62よりも、電子基板挿入孔51の開口側に配置されている。このような構成において、第2中継端子58bの頂点62と連結部60との間に中心線CLが位置する場合、第2中継端子58bの電子基板挿入孔51側の端部を、中心線CLを挟んで連結部60側に配置しておくことが望ましい。この構成の場合、中心線CLに沿って、電子基板30が挿入されると、頂点62と第2中継端子58bの電子基板挿入孔51側の端部との間の領域が電子基板30と接触する。したがって、電子基板30が完全に挿入された時に、第2中継端子58bの電極接触部61を、確実に連結部60側に押し込むことができる。
【0101】
同様に、図23及び図24の場合において、第1中継端子58aの頂点62と連結部60との間に中心線CLが位置する場合、第1中継端子58aの電子基板挿入孔51側の端部を、中心線CLを挟んで連結部60側に配置しておくことが望ましい。
【0102】
本実施形態では、電極接触部61が2回折り曲げられた例を示した。しかしながら、電極接触部61を折り曲げる回数は、上記例に限定されない。
【0103】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0104】
10・・・ハーネス
13・・・端子
30・・・電子基板
32・・・接点電極
50・・・ハウジング
58・・・中継端子
64・・・集合シール部材
70・・・ケース
100・・・カードエッジコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板の端部が挿入されることにより、電子基板端部の同一平面上に形成された複数の接点電極と、外部に引き出される複数のハーネスとの電気的接続を行うカードエッジコネクタであって、
前記電子基板の端部が挿入される電子基板挿入孔を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、前記ハーネスに接続された端子と、
前記ハウジング内に配設され、一端が前記電子基板の接点電極に接触し、他端が前記ハーネスの端子に接触する中継端子と、を備え、
前記電子基板端部の同一平面上に形成された複数の接点電極は、前記電子基板の挿入方向の先頭に位置する第1接点電極と、当該第1接点電極よりも電子基板内側に位置する第2接点電極と、を有し、
前記ハーネスに接続された端子は、前記電子基板の複数の接点電極が形成された平面に垂直な方向において、当該平面から所定の距離を隔てた位置に配置される第1端子と、前記電子基板の平面から前記第1端子よりもさらに離間した位置に配置される第2端子と、を有し、
前記中継端子は、前記第1接点電極と前記第2接点電極のうち一方と前記第1端子とを電気的に接続する第1中継端子と、前記第1接点電極と前記第2接点電極との他方と前記第2端子とを電気的に接続する第2中継端子と、を有することを特徴とするカードエッジコネクタ。
【請求項2】
前記第1端子及び前記第2端子は、筒状の本体部と、該本体部の内部に設けられ、弾性変形により所定の接点圧力で前記電極接触部と接触する接点部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項3】
複数の前記ハーネスが前記ハウジングから引き出される部分に、全てのハーネスのシール部材を連結した集合シール部材が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項4】
前記第1接点電極と前記第2接点電極とは、それぞれ前記電子基板の平面に沿い前記電子基板端部の挿入方向と直交する方向に並ぶように、前記電子基板端部の同一平面上に複数の前記第1接点電極と複数の前記第2接点電極とが形成され、前記第1接点電極と前記第2接点電極とが、前記挿入方向に揃わないように、前記挿入方向と直交する方向にずれた位置に形成されたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2中継端子は、前記電子基板の挿入方向に延びて、前記電子基板が前記電子基板挿入孔に挿入されたときに、弾性変形しつつ、前記接点電極と接触する第1及び第2接触部をそれぞれ有し、
前記第1接触部が前記電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲は、前記第2接触部が前記電子基板挿入孔に配置される挿入方向の範囲と、少なくとも一部が重なることを特徴とする請求項4に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項6】
複数の前記接点電極は、前記電子基板の表裏両面それぞれに形成されており、
前記表面に形成された前記第1接点電極と、前記裏面に形成された前記第2接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置され、前記表面に形成された前記第2接点電極と、前記裏面に形成された前記第1接点電極とは、挿入方向に揃うように、挿入方向に沿って配置されており、
前記電子基板の表面に形成された接点電極と接触する中継端子の一端は、前記電子基板挿入孔に前記電子基板が挿入される前の状態で、前記電子基板の表面と裏面との間の中間位置に相当する中心線を跨いで、前記電子基板の表面から裏面に向かって延設され、
前記電子基板の裏面に形成された接点電極と接触する中継端子の一端は、前記電子基板挿入孔に前記電子基板が挿入される前の状態で、中心線を跨いで、前記電子基板の裏面から表面に向かって延設されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項7】
前記中継端子は、ハウジング面から、前記ハウジング内を前記ハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、前記端子接触部の前記ハウジング面側の端部と連結され、前記端子接触部との連結部分から前記ハウジング面に沿って前記電子基板挿入孔まで延びる連結部と、前記連結部の前記電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、前記電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、
前記電極接触部は、前記電子基板の挿入方向と、挿入方向とは逆の方向とに少なくとも1回ずつ折り曲げられた形状であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項8】
前記中継端子は、ハウジング面から、前記ハウジング内を前記ハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、前記端子接触部の前記ハウジング面側の端部と連結され、前記端子接触部との連結部分から前記ハウジング面に沿って前記電子基板挿入孔まで延びる連結部と、前記連結部の前記電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、前記電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、
複数の前記接点電極は、前記電子基板の表裏両面それぞれに形成されており、
前記電子基板の表面に形成された接点電極と接触する中継端子、及び前記電子基板の裏面に形成された接点電極と接触する中継端子の一方の電極接触部は、前記連結部との連結部位を支点として、挿入方向に1回折り曲げられた形状であり、他方の電極接触部は、前記連結部との連結部位を支点として、挿入方向に1回折り曲げられ、且つ折り返し部位を支点として、前記電子基板の挿入方向とは逆の方向に1回折り曲げられた形状であり、
前記電子基板挿入孔に前記電子基板が挿入される前の状態で、挿入方向に1回折り曲げられた電極接触部における、前記連結部位から前記接点電極と接触する接触部位までの部分と、挿入方向、及び挿入方向とは逆の方向とに1回ずつ折り曲げられた形状の電極接触部における、前記折り返し部位から前記接点電極と接触する接触部位までの部分とは、それぞれ直線形状をなし、且つ互いに略平行となっていることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項9】
前記中継端子は、ハウジング面から、前記ハウジング内を前記ハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、前記端子接触部の前記ハウジング面側の端部と連結され、前記端子接触部との連結部分から前記ハウジング面に沿って前記電子基板挿入孔まで延びる連結部と、前記連結部の前記電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、前記電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、
前記電極接触部は、前記電子基板端部の挿入時に、前記ハウジング面と前記電子基板挿入孔の壁面との角部における前記連結部と前記電極接触部との連結角度が変形して、前記接点電極に対する接点圧力を生じさせて前記接点電極と接触するものであり、
前記電子基板挿入孔の壁面に、前記連結角度が一定となるように、前記電極接触部を支持する凸部が形成されたことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載のカードエッジコネクタ。
【請求項10】
請求項1に記載のカードエッジコネクタの組付方法であって、
前記中継端子は、前記電子基板挿入孔が形成されたハウジング面から、前記ハウジング内を前記ハーネスに接続された端子まで延びる端子接触部と、前記端子接触部の前記ハウジング面側の端部と連結され、前記端子接触部との連結部分から前記ハウジング面に沿って前記電子基板挿入孔まで延びる連結部と、前記連結部の前記電子基板挿入孔側の端部に連結されつつ、前記電子基板挿入孔内に突き出された電極接触部と、からなり、
前記ハウジングは、樹脂を射出成形したものであり、前記ハウジングには、前記ハウジング面から、前記ハーネスの端子が挿入される端子挿入孔に達する細孔が形成されており、
前記端子接触部の一部が前記端子挿入孔内に配置されるように、前記端子接触部を前記細孔に圧入する圧入工程と、
前記ハーネスに接続された端子を前記端子挿入孔に挿入する第1挿入工程と、
前記電子基板を前記電子基板挿入孔に挿入する第2挿入工程と、を有することを特徴とするカードエッジコネクタの組付方法。
【請求項11】
前記端子接触部の前記ハウジング面側の端部には、前記圧入工程において、前記端子接触部に圧力を印加するためのタブが形成されており、
圧入工程終了後、前記タブを除去する除去工程を行うことを特徴とする請求項10に記載のカードエッジコネクタの組付方法。
【請求項12】
前記端子接触部における前記細孔内に配置される部位には、テーパ状のかえり部が形成され、
前記細孔を構成する壁面には、前記かえり部と嵌合される突起部が形成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のカードエッジコネクタの組付方法。
【請求項13】
請求項1に記載のカードエッジコネクタの組付方法であって、
前記ハウジングは、樹脂を射出成形したものであり、前記ハウジングには前記中継端子がインサート成形されており、
前記ハーネスに接続された端子を前記端子挿入孔に挿入する第1挿入工程と、
前記電子基板を前記電子基板挿入孔に挿入する第2挿入工程と、を有することを特徴とするカードエッジコネクタの組付方法。
【請求項14】
前記第1端子及び前記第2端子は、筒状の本体部と、該本体部の内部に設けられ、弾性変形により所定の接点圧力で前記電極接触部と接触する接点部と、を有し、
全てのハーネスのシール部材を連結した集合シール部材が前記ハウジングに設けられており、
前記第1挿入工程において、前記ハーネスに接続された端子を、前記集合シール部材を貫通して、前記端子挿入孔に挿入することを特徴とする請求項10〜13いずれか1項に記載のカードエッジコネクタの組付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−28993(P2011−28993A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173419(P2009−173419)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【Fターム(参考)】