説明

カードケース、ICカード及びICカードユニット

【課題】 ICカードを収容したままでも、当該ICカードを利用可能にすることができるカードケース、ICカード及びICカードユニットを提供すること。
【解決手段】 ICカード1がカードケース30に収容された状態でカードケース30の蓋部32を開くと、ICカード1の機能部と電源部とがケース本体に設けられた接続部によって電気的に接続され、ICカード1の機能部に電力が供給される。また、ICカード1がカードケース30に収容された状態で蓋部32を開くと、ICカード1の指紋センサ7がカードケース30の外部に露出し、カードケース30の外部からでもICカード1に生体情報(指紋)を取得させることが可能になる。これにより、ICカード1をカードケース30に収容したままでも、当該ICカード1を利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードケース、ICカード及びICカードユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IDカードやクレジットカード等、個人情報を含んだカードが電子商取引等において利用されるようになっている。このようなカードの中には、不正使用を防ぐため、利用者がそのカードの正しい保有者であることを確認するための個人の生体情報を取得することにより、その個人を認証できるようになっているものもある。
【0003】
例えば、認証に指紋情報を利用するICカードが提案されている。個人の指紋情報を読み取り、読み取られた指紋の正否を認証する指紋認証チップをICカードに設け、内部に記憶された認証用の指紋情報と読み取られた指紋情報とが一致するかを判断することによって、個人認証が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなICカードには、誤作動、消費電力増加等を防ぐため、例えばICカードのON/OFFを制御するスイッチが取り付けられている。また、指紋認証チップはICカードの表面に露出しているため、当該指紋認証チップに傷がつかないように、使用時以外にはICカードをカードケースに収容するのが一般的である。
【特許文献1】特開2004−220175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ICカードがカードケースに収容されている場合、スイッチも指紋センサもカードケース内にあるため、この状態からICカードの電源をONにして生体情報を取得させるには、利用者はカードケースからいちいちICカードを取り出さなくてはならない。特に利用者がICカードを頻繁に利用する場合、ICカードを利用する度にカードケースに収容したり取り出したりするのは煩雑である。また、ICカードを頻繁に出し入れしていると、指紋認証チップにも傷がつきやすくなってしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ICカードを収容したままでも、当該ICカードを利用可能にすることができるカードケース、ICカード及びICカードユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るカードケースは、生体情報を取得する生体情報取得部を含み前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、前記機能部に電力を供給する電源部とを有するICカードを収容するカードケースであって、前記ICカードを収容可能であり、収容される前記ICカードの前記生体情報取得部をケース外部に露出させるように前記生体情報取得部に平面的に重なる位置に開口部を有するケース本体と、前記開口部を塞ぐように設けられ、開閉可能な蓋部と、前記ケース本体に設けられ、前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記機能部に電気的に接続される機能部側電極と、前記ケース本体に設けられ、前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記電源部に電気的に接続される電源部側電極と、前記蓋部を開いた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に接続する接続部とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、ICカードを収容した状態で蓋部を開くと、機能部側電極と電源部側電極とが電気的に接続され、ICカードの機能部に電力が供給される。ICカードの機能部に電力が供給されることにより、生体情報取得部を含む機能部が機能するようになる。また、ICカードを収容した状態で蓋部を開くと、ケース外部に生体情報取得部が露出し、ケース外部からでもICカードに生体情報を取得させることができる。
これにより、ICカードを収容したままでも、当該ICカードを利用可能にすることができる。例えば機能部に電力を供給させるためのスイッチが設けられたICカードを収容する場合であっても、当該ICカードを取り出してスイッチを操作する必要はない。
【0009】
また、前記接続部が、前記蓋部を閉じた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に遮断することが好ましい。
このような構成によれば、ICカードを収容した状態であっても蓋部を閉じたときには機能部に電力が供給されることが無いため、ICカードを使用しない場合に電力が供給されるのを防ぐことができ、例えばICカードの誤作動を抑止することができる。また、蓋部を開けた状態のみ機能部に電力を供給するため、省消費電力化を図ることができる。
【0010】
また、前記接続部が、前記機能部側電極に接続され、前記開口部の近傍に端部を有する第1配線と、前記電源部側電極に接続され、前記第1配線とは接続されないように前記開口部の近傍に端部を有する第2配線と、前記蓋部を開いた状態で、前記第1配線の端部及び前記第2配線の端部に当接するように設けられた電極とを有することが好ましい。
このような構成では、第2配線の端部が第1配線の端部の近傍に設けられているので、それぞれの配線の端部に当接させる電極を小さく形成することができる。この場合、前記電極が、前記蓋部に設けられていることが好ましい。特に、蓋部に電極を形成する場合、蓋部の限られた範囲内に電極を形成する必要があるため、小さく形成できることの意義は大きい。
【0011】
本発明の別の観点に係るICカードは、基板と、前記基板に設けられ、生体情報を取得する生体情報取得部を含み、前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、前記基板に設けられ、前記機能部に電力を供給する電源部と、前記機能部に電気的に接続されるように前記基板に設けられ、上記のカードケース内で、前記機能部側電極に電気的に接続される機能部側端子と、前記電源部に電気的に接続されるように前記基板に設けられ、上記のカードケース内で、前記電源部側電極に電気的に接続される電源部側端子とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、上記のカードケースに収容されたときには、基板に設けられた機能部側端子と電源部側端子とが、当該カードケースの接続部(第1配線、第2配線及び電極)を介して電気的に接続される。これにより、上記のカードケースに収容されている場合でも、電源部は機能部に電力を供給することができ、電力を供給された機能部は機能することができる。
【0013】
本発明の別の観点に係るICカードユニットは、基板と、前記基板に設けられ生体情報を取得する生体情報取得部を含み前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、前記基板に設けられ前記機能部に電力を供給する電源部と、前記基板に設けられ前記機能部に電気的に接続された機能部側端子と、前記基板に設けられ前記電源部に電気的に接続された電源部側端子とを備えたICカードと、前記ICカードを収容可能であり、収容される前記ICカードの前記生体情報取得部をケース外部に露出させるように前記生体情報取得部に平面的に重なる位置に開口部を有するケース本体と、前記開口部を塞ぐように設けられ開閉可能な蓋部と、前記ケース本体に設けられ前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記機能部側端子に電気的に接続される機能部側電極と、前記ケース本体に設けられ前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記電源部側端子に電気的に接続される電源部側電極と、前記蓋部を開いた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に接続する接続部とを備えたカードケースとを具備することを特徴とする。
【0014】
本発明では、ICカードがカードケースに収容された状態でカードケースの蓋部を開くと、ICカードの機能部と電源部とがケース本体に設けられた接続部(第1配線、第2配線及び電極)によって電気的に接続され、ICカードの機能部に電力が供給される。また、ICカードがカードケースに収容された状態で蓋部を開くと、ICカードの生体情報取得部がカードケースの外部に露出し、カードケースの外部からでもICカードに生体情報を取得させることが可能になる。これにより、ICカードをカードケースに収容したままでも、当該ICカードを利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係るICカードユニット50の構成を示す平面図である。ICカードユニット50は、カードを収容するカードケース30と、当該カードケース30に収容されたICカード1とを主体として構成されている。ICカード1は、例えばクレジットカードやキャッシュカード、社員証カード等、所有者の個人情報が記録され使用時に認証を行う必要があるカード等が挙げられる。
【0016】
図2は、ICカード1の構成を示す斜視図である。
ICカード1は、カード基板2と、機能部3と、電源部4と、スイッチ6とを主体として構成されている。当該ICカード1は、例えばクレジットカードとほぼ同じ大きさのカードである。スイッチ6をONにすることで、電源部4から機能部3に電力を供給できるようになっている。当該ICカード1では、例えばこのスイッチ6が押された場合に、機能部3へ供給する電力のONとOFFとが切り替えられるように設定されており、長時間押しっぱなしにされた場合には、OFFになるように設定されている。
【0017】
カード基板2は、例えばプラスチック等の基材2a、2bが貼り合わされてなり、機能部3、電源部4及びスイッチ6のそれぞれを保持している。基材2a、2bには、スイッチ6等を露出させるための開口部等が形成されている。
【0018】
機能部3は、例えば人間の指に形成されている指紋を生体情報として取得し、取得された生体情報を認証し、認証が完了したときにカード外部との通信を行うように機能する。当該機能部3は、生体情報を取得する指紋センサ(生体情報取得部)7と、生体情報の認証等を行う制御部8と、カード端末等の外部装置(図示しない)と通信するための外部端子9とを主体として構成されている。
【0019】
指紋センサ7は、指紋を生体情報として取得する際に当該指紋の形状(指紋パターン)を検出するためのセンサであり、カード基板2の表面に露出するように設けられている。この指紋センサ7は、図3に示すように、ガラス等の絶縁材料からなるセンサ基板10と、このセンサ基板10上に形成されたスイッチング素子11と、このスイッチング素子11に層間絶縁層12の下層12aを介して設けられたゲート電極13と、このゲート電極13に接続されており層間絶縁層12の上層12c上にマトリクス状に配置された容量検出電極14と、この容量検出電極14を覆うように設けられた表面絶縁層15とを有している。なお、下層12aと上層12cの間には、中間層12bが形成されている。
【0020】
表面に微細な凹凸形状の指紋パターンが形成された指Fを当該指紋センサ7の検出面7aに接触させたとき、図4に示すように、指Fとマトリクス状に配置された各容量検出電極14との間には静電容量が発生する(例えばC1、C2、C3)。当該静電容量C1、C2、C3は、指Fに形成された指紋と各容量検出電極14との距離に応じた値となる。検出された各静電容量C1、C2、C3は、制御部8に送信されるようになっている。
【0021】
制御部8は、図5に示すように、処理を行うためのCPU16、ROM17及びRAM18と、データを格納するデータ格納部19と、各種演算を行う演算部20とを有している。
データ格納部19は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)からなり、ICカード1のユーザが予め登録した指紋パターンのデータ(登録指紋パターン)21と、ICカード1に関する、例えばクレジットカード番号や社員番号等の情報(カード情報)22とを格納している。
演算部20は、指紋センサ7で検出された静電容量C1、C2、C3の値から指Fと容量検出電極14との距離の分布を算出し、当該距離の分布に基づいて指紋パターンを生成する指紋パターン生成部23と、この指紋パターン生成部23で生成された指紋パターンとデータ格納部19に格納された登録指紋パターンとを比較して一致するかどうかを判断する比較判断部24と、ICカード1の通信の可否を制御する通信制御部25と、カード情報に関する演算等を行うカード演算部26とを有している。
【0022】
図2に戻って、外部端子9は、情報交換を行うインターフェイスとして外部装置と直接接触する接触型IC端子27と、外部装置との間で一定周波数の電波を受信・送信する非接触型ICアンテナ42と、機能部3に例えば配線28aを介して電気的に接続された機能部側端子28と、電源部4に例えば配線29aを介して電気的に接続された電源部側端子29とを有している。接触型IC端子27、機能部側端子28及び電源部側端子29は、それぞれ電気的に絶縁されている。
【0023】
次に、このように構成されたICカード1を収容するカードケース30について説明する。
図6はカードケース30の構成を示す斜視図であり、図7はカードケース30を図6の矢印の方向に見た場合の図(側面図)であり、図8及び図9は開口部36が設けられた部分を拡大して示す図である。
【0024】
図6に示すように、カードケース30は、ICカード1を収容するケース本体31と、当該ケース本体31に取り付けられた蓋部32とを主体として構成されている。
ケース本体31は、ICカード1を収容する箱状の部材である。当該ケース本体31は、可撓性と透明性を有する樹脂材料によって形成されている。このような樹脂材料として、例えば、アクリル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の寸法安定性の優れたプラスチック材料を用いることができる。
【0025】
このケース本体31には、カード出入口37と、収容部38と、開口部36とが設けられている。カード出入口37は、ICカード1を出し入れする部分である。収容部38は、ICカード1を収容する部分である。開口部36は、ICカード1を収容した状態で当該ICカード1の指紋センサ7をケース外部に露出させるように、当該指紋センサ7と平面的に重なる位置に設けられている。
【0026】
収容部38には、図7に示すように、機能部側電極33と、電源部側電極34と、突起部39とが設けられている。ICカード1を収容した状態で、機能部側電極33はICカード1の機能部側端子28と平面的に重なる位置に、電源部側電極34は電源部側端子29と平面的に重なる位置にそれぞれ設けられており、突起部39は、ICカード1のスイッチ6と平面的に重なる位置に設けられている。ICカード1を収容部38に収容した状態では、機能部側電極33と機能部側端子28とが当接し、電源部側電極34と電源部側端子29とが当接し、突起部39がスイッチ6を押下するようになっている。また、図8に示すように、配線33aの端部33b及び配線34aの端部34bは、開口部36の面36aにそれぞれ設けられている。端部34bは端部33bに近接して設けられている。
【0027】
蓋部32は、ケース本体31の開口部36を塞ぐように設けられており、開閉可能になっている。蓋部32の表面32aには、スイッチ電極40が設けられている。当該蓋部32が開状態のときには、図9に示すように、面32aが開口部36の面36aに当接するようになっている。なお、ここで説明したほかに、蓋部32をスライドして開閉する構成であっても構わない。
【0028】
このとき、面32aに設けられたスイッチ電極40が配線33aの端部33b及び配線34aの端部34bにそれぞれ当接し、端部33bと端部34bとが電気的に接続されるようになっている。このように、配線33a(端部33bを含む)と、配線34a(端部34bを含む)と、スイッチ電極40とで、接続部35(図6参照)を構成している。
【0029】
図10は、ICカード1をカードケース30に収容させた様子を示す図である。
同図に示すように、ICカード1をカードケース30に収容させたICカードユニット50では、カードケース30の収容部38に設けられた突起部39がICカード1のスイッチ6押下し、スイッチ6が押しっぱなしの状態になる。したがって、この状態では、ICカード1の機能部3がOFFになっている。
【0030】
図11は、カードケース30の蓋部32を開いた状態を示している。蓋部32を開くと、スイッチ電極40が配線33aの端部33b及び配線34aの端部34bにそれぞれ当接し、端部33bと端部34bとが電気的に接続される。端部33bと端部34bとが電気的に接続されると、スイッチ電極40と、配線33a、34aと、機能部側電極33、電源部側電極34とを介して、機能部3と電源部4とが電気的に接続され、機能部3がONの状態になる。ICカード1がカードケース30に収容されており接触型IC端子27が露出していないため、ICカード1と外部との通信は、非接触型ICアンテナ42を介して行われるようになっている。
【0031】
次に、上記のICカードユニット50と外部との通信について説明する。
以下では、ICカード1としては社員番号が記録された社員証カードを例に挙げ、「外部」としては、当該社員番号を認証することでドアのロックを解除する社員認証システムを例に挙げて説明する。
【0032】
図12は、ICカードユニット50の通信の過程を示すフローチャートである。
ICカード1がカードケース30に収容された状態では、スイッチ6が押しっぱなしになっているので、ICカード1の機能部3はOFFの状態になっている。ユーザがICカード1をカードケース30に収容した状態でカードケース30の蓋を開けると、機能部3に電力が供給され、ICカード1の機能部3がONの状態になる(ステップS1)。
【0033】
機能部3をONの状態にして、ユーザが開口部36に露出している指紋センサ7の面7aにカードケース30の外部から指Fを当接させると、指紋センサ7は、指Fと各容量検出電極14との間に発生した静電容量C1、C2、C3を検出し、その値を制御部8の指紋パターン生成部23に送出する。
【0034】
指紋パターン生成部23は、静電容量C1、C2、C3の値を受信すると(ステップS2のYES)、当該静電容量C1、C2、C3の値から指Fと容量検出電極14との距離を算出し、当該距離に基づいて指紋パターンを生成する(ステップS3)。比較判断部24は、予めデータ格納部19に記録された登録指紋パターン21を読み出し、ステップS3で生成された指紋パターンと登録指紋パターン21とが一致するかどうかの判断(認証)を行う(ステップS4)。
【0035】
比較判断部24により指紋パターンと登録指紋パターン21とが一致すると判断された場合(ステップS4のOK)、通信制御部25は、ICカード1を通信可能な状態にする(ステップS5)。一方、指紋パターンと登録指紋パターン21とが一致しないと判断された場合(ステップS4のNG)、通信制御部25は、ICカード1を通信不可能な状態を維持する。
【0036】
ICカード1が通信可能な状態になったら、カード演算部26は、非接触型ICアンテナ42を介して社員認証システムに通信開始信号を送信すると共に、データ格納部19に格納された社員番号等、社員認証に必要な情報を送信する(ステップS6)。通信開始信号及び社員認証に必要な情報を受信すると、社員認証システムは、当該社員番号が登録された番号と一致するかどうかを判断する。
【0037】
判断の結果、社員番号が一致する場合にはドアのロックを解除し、ICカード1に通信終了信号を送信する。一致しない場合には、ドアのロックを解除せずに、ICカード1に通信終了信号を送信する。カード演算部26が非接触型ICアンテナ42を介して認証システムからの通信終了情報を受信すると(ステップS7のYES)、通信制御部25は、ICカード1を再び通信不可能な状態にする(ステップS8)。
【0038】
以上で、通信が終了する。この状態から続けて通信を行う場合には、蓋32を閉じずに、再度ユーザが指紋センサ7の面7aに指Fを当接させてICカード1を通信可能な状態にさせればよい。また、ユーザが蓋部32を閉じると、機能部3に電力が供給されなくなり、ICカード1がOFFの状態になる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、ICカード1がカードケース30に収容された状態でカードケース30の蓋部32を開くと、ICカード1の機能部3と電源部4とがケース本体31に設けられた接続部35によって電気的に接続され、ICカード1の機能部3に電力が供給される。また、ICカード1がカードケース30に収容された状態で蓋部32を開くと、ICカード1の指紋センサ7がカードケース30の外部に露出し、カードケース30の外部からでもICカード1に生体情報(指紋)を取得させることが可能になる。これにより、ICカード1をカードケース30に収容したままでも、当該ICカード1を利用することができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係るICカードユニットの構成を示す斜視図(その1)である。
【図2】本実施形態に係るICカードの構成を示す斜視図である。
【図3】指紋センサの構成を示す断面図(その1)である。
【図4】指紋センサの構成を示す断面図(その2)である。
【図5】制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係るカードケースの構成を示す斜視図である。
【図7】カードケースの構成を示す側面図である。
【図8】カードケースの開口部の構成を示す斜視図(その1)である。
【図9】カードケースの開口部の構成を示す斜視図(その2)である。
【図10】本実施形態に係るICカードユニットの構成を示す斜視図(その2)である。
【図11】本実施形態に係るICカードユニットの構成を示す斜視図(その3)である。
【図12】本実施形態に係るICカードユニットの動作(通信)の工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1…ICカード 3…機能部 4…電源部 5…外部端子 6…スイッチ 7…指紋センサ 8…制御部 9…外部端子 21…登録指紋パターン 28…機能部側端子 29…電源部側端子 30…カードケース 31…ケース本体 32…蓋部 33…機能部側電極 34…電源部側電極 33a、34a…配線 33b、34b…端部 35…接続部 36…開口部 38…収容部 50…ICカードユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を取得する生体情報取得部を含み前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、前記機能部に電力を供給する電源部とを有するICカードを収容するカードケースであって、
前記ICカードを収容可能であり、収容される前記ICカードの前記生体情報取得部をケース外部に露出させるように前記生体情報取得部に平面的に重なる位置に開口部を有するケース本体と、
前記開口部を塞ぐように設けられ、開閉可能な蓋部と、
前記ケース本体に設けられ、前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記機能部に電気的に接続される機能部側電極と、
前記ケース本体に設けられ、前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記電源部に電気的に接続される電源部側電極と、
前記蓋部を開いた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に接続する接続部と
を具備することを特徴とするカードケース。
【請求項2】
前記接続部が、前記蓋部を閉じた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に遮断することを特徴とする請求項1に記載のカードケース。
【請求項3】
前記接続部が、
前記機能部側電極に接続され、前記開口部の近傍に端部を有する第1配線と、
前記電源部側電極に接続され、前記第1配線とは接続されないように前記開口部の近傍に端部を有する第2配線と、
前記蓋部を開いた状態で、前記第1配線の端部及び前記第2配線の端部に当接するように設けられた電極と
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカードケース。
【請求項4】
前記電極が、前記蓋部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカードケース。
【請求項5】
基板と、
前記基板に設けられ、生体情報を取得する生体情報取得部を含み、前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、
前記基板に設けられ、前記機能部に電力を供給する電源部と、
前記機能部に電気的に接続されるように前記基板に設けられ、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のカードケース内で、前記機能部側電極に電気的に接続される機能部側端子と、
前記電源部に電気的に接続されるように前記基板に設けられ、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載のカードケース内で、前記電源部側電極に電気的に接続される電源部側端子と
を具備することを特徴とするICカード。
【請求項6】
基板と、前記基板に設けられ生体情報を取得する生体情報取得部を含み前記生体情報取得部から取得された生体情報を認証したときにカード外部との通信を行うように機能する機能部と、前記基板に設けられ前記機能部に電力を供給する電源部と、前記基板に設けられ前記機能部に電気的に接続された機能部側端子と、前記基板に設けられ前記電源部に電気的に接続された電源部側端子とを備えたICカードと、
前記ICカードを収容可能であり、収容される前記ICカードの前記生体情報取得部をケース外部に露出させるように前記生体情報取得部に平面的に重なる位置に開口部を有するケース本体と、前記開口部を塞ぐように設けられ開閉可能な蓋部と、前記ケース本体に設けられ前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記機能部側端子に電気的に接続される機能部側電極と、前記ケース本体に設けられ前記ケース本体に収容される前記ICカードの前記電源部側端子に電気的に接続される電源部側電極と、前記蓋部を開いた状態で、前記機能部側電極と前記電源部側電極とを電気的に接続する接続部とを備えたカードケースと
を具備することを特徴とするICカードユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−189997(P2006−189997A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83(P2005−83)
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】