説明

カードゲーム装置及びカード載置部

【課題】 1枚のカードを回転させるだけで複数の演出効果が得られるカードゲーム装置を提供し、併せて、カードの回転移動が確実に行えるカード載置部を提供すること。
【解決手段】 検出部12によって検出されるカードの角度情報と演出指示情報とを対応付けたテーブルが記憶部13に記憶されており、演出指示特定部14で特定された演出指示情報は演出制御部15で演出制御され、演出制御の内容を反映した演出対象画像が表示部5に表示される。また、カードの角度情報を検出するために載置するカード載置部10は、周縁部に円周状のガイド17が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲーム装置及びカード載置部に関し、特に、カードの角度情報を読み取り、読み取られた情報を画像に反映しながら、ゲームを進行させるカードゲーム装置及びそのカードを載置するためのカード載置部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来あるカードゲームとしては、カードスクラッチ操作型のものが知られている(下記特許文献1参照)。また、最近では、カードの回転操作によりカードの角度情報を読み取れるタイプのカードゲームも開発されている(下記特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3151978号
【特許文献2】特開2006−81951
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、カードスクラッチ操作型のカードゲーム装置では、カードをスクラッチする位置がずれたり、スクラッチする際の速度が合わないなどの理由で、カードの読み取りに失敗する場面が多く見受けられ、それにより円滑なゲームの進行が妨げられるといった問題点があった。また、1枚のカードで得られる演出効果は1つだけであるため、演出効果の広がりを期待することは難しく、面白味に欠けていた。
【0004】
また、カード回転操作型のカードゲーム装置では、単にカード回転の読取技術をカード読取手段として採用したものにあっては、カードの角度を変更する際、カードの回転軌道が一定に定まらず、確実にカードの角度変更操作を行うことが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明では、カードの角度変更が容易に行え、且つ、1枚のカードでも複数種類の演出効果が得られるカードゲーム装置及びカードの回転移動が確実に行えるカード載置部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、如上の課題を解決するための具体的手段として、以下のカードゲーム装置及びカード載置部を提案する。
【0007】
請求項1の発明では、カードを読み取りながらゲームを進行させるカードゲーム装置において、カードの角度を示す角度情報と演出指示内容を示す演出指示情報とが対応付けされたテーブルを記憶する記憶部と、カードを載置するためのカード載置部と、前記カード載置部に載置されたカードの角度情報を検出する検出部と、前記検出部が検出した角度情報に基づいて、前記記憶部に記憶されたテーブルを参照し、対応する演出指示情報を特定する演出指示特定部と、前記演出指示特定部で特定された演出指示情報に基づいて演出制御を行う演出制御部と、前記演出制御部で演出制御された画像を表示する表示部とを備えたカードゲーム装置とした。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1に記載のカードゲーム装置であって、カードの角度情報に対応する前記演出指示情報は少なくとも、演出対象画像の全部又は一部の色彩、色調、濃淡に関する情報を含むカードゲーム装置とした。
【0009】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2に記載のカードゲーム装置であって、前記カードには、演出対象画像の表現特性を演出し得る演出特性情報が記憶されており、該演出特性情報は前記演出指示情報と同じく、前記検出部で検出され、前記演出制御部で演出制御されるカードゲーム装置とした。
【0010】
請求項4の発明では、請求項3に記載のカードゲーム装置であって、前記演出特性情報は少なくとも、演出対象画像の外観、アイテムなどの属性に関する情報を含むカードゲーム装置とした。
【0011】
請求項5の発明では、カードの角度変更を補助するため、円周状のガイドが設けられているカード載置部とした。
【0012】
請求項6の発明では、請求項5に記載のカード載置部であって、カードの抜き差しを容易にするため、前記ガイドの一部に切欠部が設けられているカード載置部とした。
【0013】
請求項7の発明では、請求項1乃至請求項4に記載のカードゲーム装置であって、前記カード載置部は、請求項5又は請求項6のいずれかに記載のカード載置部であるカードゲーム装置とした。
【0014】
本発明は、如上のとおり、カードゲーム装置及びカード載置部の発明に係り、カード載置部に載置されたカードの角度情報を得ることで、これに対応する演出指示情報が特定され、その演出指示情報に係る演出指示内容を反映した画像が表示部に表示される。
【0015】
そのため、例えば、女の子のドレスアップやメイクアップを内容とするゲームであり、演出指示情報が演出対象画像の色彩や濃淡である場合、読み取られたカードの角度情報に応じて、衣服の色を変更し、また、化粧の濃淡を変化させることができる。
【0016】
また、本発明では、カード載置部に載置するカード自体に演出特性情報を記憶させ、これを演出指示情報と同様に検出・制御することで、演出特性情報に係る表現特性を反映した画像が表示部に表示される。
【0017】
そのため、前記した女の子のドレスアップやメイクアップを内容とするゲームであって、演出特性情報が演出対象画像に施される衣服や化粧、アクセサリーである場合、読み取られたカードの演出特性情報に応じて、衣服やアクセサリーの種類を変更し、また、化粧の内容を変えることができる。
【0018】
また、本発明では、カードを載置するためのカード載置部につき、カードを載置する部分を囲むように円周状のガイドを設けることで、カードの角度変更を補助するようになっている。載置したカードの遊びが少なく、且つ、カードの回転移動が阻害されないよう、カードの長手方向よりも少し広めの直径を有する円周状のガイドであることが望ましい。
【0019】
そのため、カードを回転して角度を変える際に、カードの位置が検出部から大きく外れることがないため、カードの角度情報を確実に読み取ることができる。
【0020】
更に、本発明では、カード載置部に設けた前記円周状のガイドの一部を切り欠いた切欠部を設けることで、カードの抜き差しが容易に行える。カードの抜き差しが行え、且つ、ガイドとしての機能が著しく減殺されないよう、切欠部の幅員はカードの短手方向よりも少し広い程度であることが望ましい。
【0021】
そのため、カード載置部に載置されたカードを別のカードに変更したり、ゲームが終了してカードを回収する際、前記ガイドの影響を受けることなく、容易にカードを抜き差しすることができる。
【0022】
なお、前記したカード載置部は、他のカードゲーム装置にも利用できるほか、本発明に係るカードゲーム装置にも利用できることは勿論である。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るカードゲーム装置及びカード載置部により、以下の効果を奏することができる。
【0024】
カード載置部に載置したカードの角度変化をきっかけとして、変化した角度情報に基づく演出指示内容を演出対象画像に反映させることができる。
【0025】
ユーザーは表示部に表示された演出対象画像を見ながら、カードの角度変化という極めて簡単な操作で、演出対象画像の全部又は一部の色彩、色調、濃淡を変化させることができる。
【0026】
カード自体に演出特性情報を記憶させ、カードの角度変化の検出と同時にこれを読み取ることで、演出特性情報に係る衣服、アクセサリー、化粧などの表現特性を演出対象画像に反映させることができる。
【0027】
このように、本発明では1枚のカードで複数の演出を行うことが出来るため、ユーザーはカード載置部にカードを載置し、これを回転移動させることで高い演出効果を得ることができる。
【0028】
カード載置部にカードの回転移動を補助する円周状のガイドを設けたことで、カードの角度変更が安定的に行え、角度情報を確実に検出することができる。
【0029】
ガイドによりカードの角度変更が補助されることで、ユーザーが低学年の児童であっても、中心が大きくずれることなくカードを回転移動させることができる。
【0030】
カード載置部上のガイドに切欠部を設けたことで、カードの抜き差しが容易に行えるため、ユーザーは限られたゲーム時間内で迅速にカードの種類を変更することができる。
【0031】
如上のカード載置部は構造が簡単なため、本発明に係るカードゲーム装置はもとより、既存のカードゲーム装置にも容易に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明に係るカードゲーム装置及びカード載置部の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るカードゲーム装置の外観の一例を示す斜視図である。
カードゲーム装置1の外観上の構成は、筐体2と、筐体2の正面最上部に装着された複数のスピーカー3、筐体2の正面上方両側部の装着された複数の照明4、筐体2の正面上方中央部に装着された表示部5、筐体2の正面下方左側部に装着されたキャッシュディスペンサー6、筐体2の正面下方右側部に装着されたカード排出口7、筐体2の正面中央部に設けられた操作盤8、操作盤8の左側に装着された複数の選択・決定ボタン9、操作盤8の右側に装着されたカード載置部10とからなる。
【0033】
図示した実施例では、筐体2は人間の平均的な身長と同程度の丈を有しているが、低学年児童がプレイし易いよう、より丈を低くしても良く、その高さや幅及び形状についてはこれに限定されない。また、図示した実施例によれば、複数のスピーカー3と照明4が設けられているが、その数や形状についてもこれに限定されない。
【0034】
ゲームは通常、キャッシュディスペンサーに硬貨若しくはメダルを投入することによりスタートするが、その際、カード排出口7から排出されるカードの取得指示や、演出指示情報に係る色彩・色調・濃淡を含む演出指示内容が反映され、且つ、演出特性情報に係る衣服・アクセサリー・化粧といった属性に関する表現特性が反映された演出対象画像などが、表示部5に画面表示される。
【0035】
実施例に示される複数の選択・決定ボタン9は、カード載置部10に載置されたカードの角度情報に応じて変化する色彩・色調・濃淡などの演出が完了した際に用いられるほか、プレイ中若しくはプレイ終了後に提供されるサービスゲームなどをプレイする際に用いられる。
【0036】
カード載置部10はカード排出口7から排出されたカード若しくは手持ちのカードを載置するものであるが、図示するように、周縁部に円周状のガイド17が設けられており、カードの長手方向より幾分長い直径であるため、カードを回転移動する際に、カードの中心がカード載置部10の下部に設けられる検出部から大きくずれることがない。そのため、カードの角度情報の検出を確実に行うことが可能である。
【0037】
図2は本発明に係るカードゲーム装置の主たるシステム構成を示すブロック図である。
カードゲーム装置1を構成するシステムは、前記カード載置部10、カード載置部に載置されるカード11、カード載置部10に載置されたカード11の角度情報及び演出特性情報を検出する検出部12、カードの角度情報と演出指示内容に係る演出指示情報とが対応付けされたテーブルを記憶する記憶部13、検出部が検出した角度情報に基づいて、前記記憶部に記憶されたテーブルを参照し、対応する演出指示情報を特定する演出指示特定部14、演出指示特定部で特定された演出指示情報の演出制御を行う演出制御部15、演出制御部で演出制御された画像を表示する前記表示部5、演出・決定ボタン9からのデータが入力される入力部16とからなる。
【0038】
カード11には演出対象画像の表現特性を演出することのできる演出特性情報が記録されており、カード載置部10に載置することで、カードの角度情報と共に検出部12によって検出される。検出部12で検出されるカードの角度情報は、演出対象画像の全部又は一部に反映される演出指示内容に係る演出指示情報と対応付けされており、その対応データに関するテーブルが記憶部13に記憶されている。
【0039】
具体的には、カード載置部10に載置されたカードを回転すると、検出部12によってその角度情報が検出される。すると、演出指示特定部14が検出された角度情報に基づいて記憶部13に記憶されるテーブルを参照しながら、対応する演出指示情報を特定する。続いて、特定された演出指示情報は演出制御部15で演出制御され、演出制御された画像が表示部5に表示されることになる。演出指示情報は演出対象画像の全部又は一部の色彩、色調、濃淡を演出するので、カードの回転により順次、演出対象画像の全部又は一部の色彩、色調、濃淡が変化することになる。
【0040】
そのため、ユーザーはカード11をカード載置部10に載置して回転移動させるだけで、カード11に記録された演出特性情報に係る表現特性と、カード11の回転移動に対応する演出指示情報に基づく演出指示内容といった、複数の演出を、同時に演出対象画像に反映させることができる。
【0041】
図3は本発明に係るカード載置部10を設けた操作盤8の一例を示す平面図である。
カード載置部10はカードを載置し、載置したカードを回転移動するためのフィールドであるが、図示したように、その周縁部には円周状のガイド17が設けられている。ガイド17は、載置したカードの僅かな移動でその四隅のいずれかが当接し、常に正しい回転軌道が維持されるよう、カードの長手方向よりも少し広めの直径を有する円周であることが望ましい。
【0042】
その結果、カード載置部10に載置されたカードは、低学年児童であっても正しい軌道を維持しながら回転させることができるため、カード載置部10の下部に設けられた検出部12は、カードの角度情報やカードに記録された演出特性情報を正確に検出することができる。
【0043】
また、カード載置部10に設けられたガイド17は、その一部を切り欠いた切欠部18が形成されている。仮に、円周状のガイド17をカード載置部10の周縁部全体に渡って設けたとすれば、カードを交換し又は回収する際、カードの抜き差しに煩わしさを伴うことになるが、ガイド17に切欠部18を設けたことで、カードをカード載置部10のフィールド上を手前に滑らせるだけで、切欠部18から容易に抜き差しすることができる。
【0044】
なお、図示した実施例では、操作盤8の右側に外周が四角形状をしたカード載置部10とガイド17が設けてあるが、カードと当接するガイド17の内周が円周状となっている限り、外周の形状はどのようなものであっても問わない。また、ガイド17を設ける代わりに、カード載置部が設けられる操作盤8の一部を円周状にカットし、それをガイドとして代用しても良い。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明は前記したように、カードの角度情報に対応する演出指示情報と、カード自体に記録された表現特性に関する演出特性情報の、2種類の演出情報を演出対象画像に反映することのできるカードゲーム装置であるが、ゲームの内容を女の子のドレスアップ及びメイクアップ、演出対象画像を女の子キャラクター、各演出情報を以下の演出内容とした場合の実施例につき説明する。
(1)演出特性情報:演出対象画像に施される衣服(トップス、ボトムス)、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリー
(2)演出指示情報:演出対象画像に施される衣服(トップス、ボトムス)、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーの色彩又は濃淡
【0046】
図4乃至図7は本発明の実施例におけるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、カードゲーム装置1はユーザーによる利用に先立ち、本体の電源が投入され、ユーザーの利用を待機した状態にある(図4の「待機中」)。この状態では、ゲームのタイトルや広告などのアドバタイズ映像が表示部5に表示されている(図4の「タイトル」)。
【0047】
ユーザーが所定の硬貨若しくはメダルをキャッシュディスペンサー6の投入口に投入すると(図4の「100円投入」)、ゲームが起動すると共に、カード排出口7からカードが排出される(図4の「カード排出」)。
【0048】
演出ゲームの起動に伴い、表示部5にはカード排出口7からのカード取得を示唆するメッセージが表示され(図4の「カード取得示唆」)、ユーザーがカードを取得する猶予時間が経過すると(図4の「規定時間経過」)、ユーザーが演出ゲームをプレイできる猶予時間のカウントが開始する(図4の「演出開始」)。一方、ユーザーはカード排出口7から排出されたカードを取得する(図4の「カード取得」)。なお、ユーザーが演出ゲームをプレイできる猶予時間は、所定の硬貨等を投入した時点からカウントしても、また、カードをカード排出口7から取得した時点でカウントするようにしても構わない。
【0049】
排出されたカードは、演出対象画像の表現特性に関する演出特性情報が予め記録されており、表現特性とは演出対象画像の外観やアイテムに関する属性データが含まれている。図示した実施例では、カードに記録されるデータの属性として、トップス、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア及びアクセサリーの計6種類があり、1枚のカードには1つの属性における1つの表現特性に係る演出特性情報が記録されている。
【0050】
例えば、前記の各属性毎に10種類のアイテムが存在すると仮定して、排出されたカードの属性がボトムスであった場合、そこに記録されているのは前記10種類のアイテムの内のいずれか1種類だけである。但し、1つのカードに記録する属性及び表現特性の種類や数については、可変であり、演出ゲームの内容やバージョンに応じて増減することは自由である。
【0051】
また、カードに記録されている演出特性情報の属性及びアイテムについては、ユーザーにその内容が理解できるような表示が記されているので、ユーザーはその表示を見て、所望のアイテムに係るカードを用いて演出ゲームをプレイすることになる。演出ゲームに使用できるカードは、カード排出口7から排出されたカードだけでなく、以前入手したカードでも良いため、排出されたカードのアイテムが気に入らなければ、手持ちのカードから所望のものを用いても良い。
【0052】
かくして、演出ゲームをプレイできる猶予時間のカウントが開始したら、ユーザーが演出によって目指すコースの選択を促す画面が表示部5に表示されるので、選択・決定ボタン9を用いてその選択を行う(図4の「スケジュール選択」)。
【0053】
ユーザーが演出によって目指すコースとは、図示した実施例では、歌手になるための「歌唱選択」と、モデルになるための「撮影選択」の2つの志望コースが存在し、ユーザーの希望に応じて、歌手志望であれば図中「歌唱選択」を、モデル志望であれば図中「撮影選択」を選択することになる。
【0054】
また、認証登録によりユーザー毎にファイルやフォルダを付与し、過去に演出を施した演出対象画像を保存できるようにしても良く、その場合は、前記したコースの選択(図4の「スケジュール選択」)を経由せず、認証情報の入力により、前記したファイルやフォルダから過去の演出対象画像を読み出し、それに更なる演出を施すことになる。その場合は、図4の「演出開始」から認証情報の入力などを経て、直接、図4の「コーディネート待受け」に進むことになる。
【0055】
このように、演出した画像を保存しておけるようにすることで、例えば、友人との待ち合わせ時間までに完成することを予定してゲームを開始したところ、友人が思いのほか早く到着したために、演出中途にしてゲームプレイを終了せざるを得なくなった場合でも、自己のファイルやフォルダにその画像を保存しておき、後日、またその画像を読み出して、完成まで演出の続きを行うことができる。
【0056】
歌手志望(図4の「歌唱選択」)かモデル志望(図4の「撮影選択」)のいずれか一方が選択され、又は、自己のファイルやフォルダから過去に演出した画像が読み出され、若しくは、コース選択のための規定時間が経過すると(図4の「規定時間経過」)、演出対象画像への各種演出が実行できるようになる(図4の「コーディネートカード待受け」)。
【0057】
演出の実行が可能になると、表示部5に図4の「コーディネートカード待受け」のメッセージが表示されるので、ユーザーは排出されたカード若しくは手持ちのカードから選択したカードをカード載置部10に載置する。すると、カード載置部10の下部に設けてある検出部12が、カードの演出特性情報と共に角度情報を読み取り、演出特性情報に係る表現特性と演出指示情報に係る演出指示内容が演出対象画像に反映される。
【0058】
本実施例では前記したように、演出特性情報に係る表現特性がトップス、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーであり、演出指示情報に係る演出指示内容がトップス、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーの色彩又は濃淡であるから、仮に、カードの表現特性がトップスに属する「ブラウス」である場合は、カードをカード載置部10に載置すると(図4の「トップス読込み」)、画面に表示される演出対象画像である女の子キャラクターのトップスが「ブラウス」に変化し(図4の「衣服演出」)、載置した際のカードの角度情報に対応する色彩が「赤色」であれば、前記「ブラウス」が「赤色」に変化することになる。
【0059】
続いて、「赤色」の「ブラウス」では気に入らない場合は、載置したカードをユーザーがカード載置部10上で回転させると(図4の「カード回転」)、検出部12が順次その回転移動を検出し、演出指示特定部14が検出された角度情報に基づいて記憶部13に記憶されるテーブルを参照しつつ、検出された角度情報と対応する演出指示情報を特定すると、演出制御部15が特定された演出指示情報を演出制御し、その演出が演出対象画像に反映されて、順次、演出対象画像の色彩や濃淡が変化していくことになる。そのため、仮に、ユーザーがカードを時計方向に30度回転したとして、その角度情報に対応する色彩が「青色」であれば、前記「ブラウス」は「青色」に変化する。
【0060】
このように、演出指示情報は演出対象画像の色彩や色調、濃淡を演出指示内容とし、検出部12で検出されたカードの角度情報に基づいて、演出指示特定部14によって演出指示内容が特定されるため、表示部5に表示される演出対象画像に施されたトップス、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーなどの演出特性情報に係る表現特性は、カードの回転によりその色彩や濃淡が順次変化することになる。
【0061】
また、ゲームに使用できるカードはカード排出口7から排出されたものだけでなく、ユーザーが手持ちのカードも使用できるため、複数のカードを所有しているユーザーは、前記したトップスの演出だけでなく、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーへと複数の演出を続いて行うことができる。また、規定時間内であれば、何度でもこれら演出を繰り返し行うことができる。
【0062】
なお、本実施例では、カードの回転移動により、演出対象画像の一部、すなわち、カードに記録される演出特性情報に係るトップス、ボトムス、シューズ、メイク、ヘア、アクセサリーなどの表現特性についてだけ、色彩又は濃淡が変化する内容としてあるが、予め演出対象画像である女の子キャラクターを含めた全体画像の要素毎に配色パターンを決めておき、カードの角度情報と対応付けたテーブルを設けておくことで、例えば、トップスを「黄色」に変えた時は、ボトムスが「黒色」、メイクが「ナチュラル」になるようにしても良い。
【0063】
かくして、全ての演出が完了した場合は、選択・決定ボタン9のプッシュにより強制的に(図4の「ボタン操作」)、又は、演出できる規定時間の経過により自動的に(図4の「規定時間経過」)、演出のゲームが終了する(図4の「コーディネート演出完了」)。
【0064】
演出対象画像への演出ゲームの概要は如上のとおりであるが、ゲームの面白味をより高めるため、例えば、、前記「歌唱選択」では「レッスン、歌謡番組収録、コンサート」などのパートを設け、また、「撮影選択」では「レッスン、写真撮影、ファッションショー」などのパートを設け、女の子キャラクターを一人前の歌手やファッションモデルに育て上げる段階で、完成した演出の是非を評価し(図5の「コーディネート評価」)、各パート毎に再び演出が行えるようにしたり、演出対象画像である女の子キャラクターの演出が最終的に完成した状態で、「歌唱選択」ではコンサートに出演し、「撮影選択」ではファッションショーに出演する内容の、サービスゲームを付加しても良い(図5及び図6参照)。
【0065】
更に、最終的に演出が完成した状態の女の子キャラクターとデートすることができるデートゲームや、女の子キャラクターのアイドルとしての適正を診断するアイドル診断ゲーム、ユーザーの運勢を占う運勢占いゲームなどを付加し、コンサートやファッションショーに出演した際の得点に応じて、これらゲームのいずれか1つ若しくは複数が提供されるようにしても良い(図7参照)。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、1枚のカードで複数の演出効果が得られるカードゲーム装置、及び、カードの回転移動を容易且つ確実に行えるカード載置部に関するから、カードを用いたゲーム装置とりわけカードの角度情報を読み取りながらゲームを進行させるタイプのカードゲーム装置の分野で利用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るカードゲーム装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るカードゲーム装置の主たるシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るカード載置部10を設けた操作盤8の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例における演出ゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のAの後に続くゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のBの後に続くゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6のネームエントリーの後に続くゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 カードゲーム装置
2 筐体
3 スピーカー
4 照明
5 表示部
6 キャッシュディスペンサー
7 カード排出口
8 操作盤
9 選択・決定ボタン
10 カード載置部
11 カード
12 検出部
13 記憶部
14 演出指示特定部
15 演出制御部
16 入力部
17 ガイド
18 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを読み取りながらゲームを進行させるカードゲーム装置において、
カードの角度を示す角度情報と演出指示内容を示す演出指示情報とが対応付けされたテーブルを記憶する記憶部と、
カードを載置するためのカード載置部と、
前記カード載置部に載置されたカードの角度情報を検出する検出部と、
前記検出部が検出した角度情報に基づいて、前記記憶部に記憶されたテーブルを参照し、対応する演出指示情報を特定する演出指示特定部と、
前記演出指示特定部で特定された演出指示情報に基づいて演出制御を行う演出制御部と、
前記演出制御部で演出制御された画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とするカードゲーム装置。
【請求項2】
カードの角度情報に対応する前記演出指示情報は少なくとも、演出対象画像の全部又は一部の色彩、色調、濃淡に関する情報を含むことを特徴とする請求項1記載のカードゲーム装置。
【請求項3】
前記カードには、演出対象画像の表現特性を演出し得る演出特性情報が記憶されており、該演出特性情報は前記演出指示情報と同じく、前記検出部で検出され、前記演出制御部で演出制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカードゲーム装置。
【請求項4】
前記演出特性情報は少なくとも、演出対象画像の外観、アイテムなどの属性に関する情報を含むことを特徴とする請求項3記載のカードゲーム装置。
【請求項5】
カードの角度変更を補助するため、円周状のガイドが設けられていることを特徴とするカード載置部。
【請求項6】
カードの抜き差しを容易にするため、前記ガイドの一部に切欠部が設けられていることを特徴とする請求項5記載のカード載置部。
【請求項7】
前記カード載置部は、請求項5又は請求項6に記載のカード載置部であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカードゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−67837(P2008−67837A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247982(P2006−247982)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(595046182)株式会社アトラス (15)
【Fターム(参考)】