カードシステム
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、1枚のカードでポイントおよびクレジットの2つのサービスが受けれるカードシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ショッピングセンタ等では、顧客サービスとして取引毎に取引金額に応じたポイントを与え、このポイントを累計した累計ポイントが所定のポイント数に達した顧客に商品券等を提供するポイントサービスや、ショッピングセンタ内に限りクレジットでの取引を可能にしたハウスクレジットサービスを提供している。顧客は、取引時に予め発行されているカードを使用するだけでこれらのサービスを受けることができる。
【0003】
従来、これらの2つのサービスを同時に提供しているショッピングセンタでは、ポイント用のカードとハウスクレジット用のカードを別々に発行していた。この理由は、1枚のカードで両方のサービスを受けられるようにすると、クレジットのサービスを可能にするための顧客の審査を行う必要があり、クレジットの審査が完了するまで両方のサービスを受けることができるカードを発行することができず、そのようにすると、顧客に審査が完了するまでポイントサービスも提供できず、顧客サービスがわるいという問題が生じるからである。そこで、審査の不要なポイント用のカードを即時発行し、審査完了後にクレジット用のカードを別途発行していた(審査がOKで有る場合)。このようにすることで、顧客にクレジットの審査期間中でもポイントサービスの提供を行い、顧客サービスを向上させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、顧客にとっては2枚のカードを管理しなければならずカード管理に手間のかかる問題がある。また、店舗にとっては、両方のサービスを提供する取引を処理する場合、最初にクレジット用のカードで取引の認証処理を行い、認証結果が取引可でれば更にポイント用のカードでポイントの更新処理を行うことになる。すなわち、2枚のカードを使用して取引を処理するため取引処理に手間のかかる問題がある。また、取引を処理するのに要する時間が長くなり、顧客サービスが低下する問題もあった。
【0005】
この発明の目的は、1枚のカードでクレジットとポイント両方のサービスを受けられ、両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができるカードシステムおよび取引処理方法を提供することにある。
【0006】
また、この発明は、クレジットの審査完了後には即時発行されたポイントカードでクレジットサービスも受けることができるカードシステムおよび取引処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したこの発明のカードシステムは、カードから読み取ったカードデータおよび入力された取引データに基づいてポイントサービスおよびクレジットサービスによる取引を処理する取引処理手段を備えた端末装置と、
上記端末装置に接続され、取引毎に与えられる価値情報をポイント数として記憶するポイント数記憶エリアおよびクレジット使用の可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリアを備えたホスト装置と、を有するカードシステムであって、
上記ホスト装置は、上記端末装置から上記カードデータおよび取引データを含む取引電文を受信したとき、該取引電文がクレジット取引にかかる取引電文であるかどうかを判定する判定手段と、
上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文であると判定した場合、上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容に基づくクレジット使用の可否を含めた認証処理を行い、この認証結果を含む電文を上記端末装置に送信するとともに、該認証結果がクレジット取引可であった場合に上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するクレジット処理手段と、
反対に、上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文でないと判定した場合、取引に使用されたカードが1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つ上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用可であればその旨を示す電文を上記端末装置に送信するとともに、上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するポイント処理手段と、を備え、
上記端末装置の上記取引処理手段は、取引内容とともに、上記ホスト装置からの電文の内容を印字した伝票を発行する。
【0010】
また、請求項2に記載したこの発明のカードシステムは、上記カードには、クレジット使用の可否を記憶するカード側クレジット使用可否記憶エリアが設けられており、
上記端末装置は、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアを更新するカードデータ更新手段を備えている。
また、請求項3に記載したこの発明のカードシステムは、上記端末装置の取引処理手段は、入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定する。
【0013】
【作用】
請求項1に記載したこの発明のカードシステムにおいては、クレジット取引時にクレジット使用可否を判断する。この判断でクレジット使用可であればポイント数の更新とクレジット使用を有効にする。また、クレジットの取引でない場合にはポイント数の更新を有効にする。したがって、ポイントとクレジットの両方のサービスを1枚のカードで処理することができ、ポイントとクレジット両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。また、ポイントのみのサービスも提供することができる。
これにより、取引毎に価値情報がポイント数として与えられるカードを発行したときに、同時に該カードをクレジット審査中として登録し、クレジット審査終了時に該登録情報をクレジット使用可または使用不可に変更することにより、ポイントのサービスが受けられるカードを即時発行することができる。
また、ポイントのみのサービスの場合、1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つクレジット使用可であれば、その旨が伝票に印字されるので、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことを速やかに知らせることができるとともに、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことをいつまでも繰り返し知らせることがない。
【0014】
また、請求項2に記載した発明のカードシステムにおいては、クレジットの使用可否をカードにも記憶させる構成としたので、端末装置では、カードから読み取ったカードデータからクレジットの使用可否を判断することができる。
【0015】
また、請求項3に記載したこの発明のカードシステムにおいては、端末装置が入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定するので、無駄な取引データをホスト装置に送信することがなく、取引を効率的に処理することができる。
【0017】
【実施例】
図1は、この発明の実施例であるカードシステムの構成を示す図である。カードシステムは、各店舗に設けられカードが記憶しているデータの読み出し等を行うCAT等の端末装置1(1−1〜1−n)と、前記端末装置1とデータ伝送ラインで接続されたネットワークコントローラ2と、前記ネットワークコントローラ2とデータ伝送ラインで接続されたホスト装置3と、を備えている。図2は、ホスト装置の構成を示す図である。ホスト装置3は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、入力操作を行う入力部14と、顧客情報を管理する顧客情報管理部15と、ネットワークコントローラ2を介して端末装置1とのデータ通信を行う通信部16とを備えている。図3は、端末装置の構成を示す図である。端末装置1は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、入力操作を行う入力部24と、カードが記憶しているデータの読み出し等を行うカード処理部25と、取引内容を印字した伝票を発行するプリンタ26と、入力部24から入力されたデータを表示する表示部27と、ネットワークコントローラ2を介してホスト装置3とのデータ通信を行う通信部28とを備えている。
【0018】
顧客情報管理部15には、会員番号を記憶する会員番号記憶エリア31と、顧客の氏名を記憶する氏名記憶エリア32と、顧客の住所を記憶する住所記憶エリア33と、顧客の電番号を記憶する電話番号記憶エリア34と、顧客に与えたポイント数を記憶するポイント数記憶エリア35と、クレジットの使用可否を登録するクレジット使用可否記憶エリア36と、を備えた顧客レコード37が複数登録された会員ファイル38を記憶している(図4R>4参照)。また、カード40には、会員番号を記憶する会員番号記憶エリア41と、カード40の有効期限を記憶する有効期限記憶エリア42と、現在与えられているポイント数を記憶するポイント数記憶エリア43と、クレジットの使用可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリア44とを備えている(図5参照)。
【0019】
各店舗には、カード40が予め用意されている。この用意されているカード40には、会員番号および有効期限を会員番号記憶エリア41、有効期限記憶エリア42に記憶している。また、ポイント数記憶エリア43には、ポイント数として0を記憶し、クレジット使用可否記憶エリア44にはクレジット使用不可を示すデータを記憶している。さらに、会員ファイル38には、この店舗に用意されているカード40に与えられている会員番号を登録した顧客レコード37も登録されている。すなわち、会員ファイル38には、すでに顧客に発行されているカード40と店舗に用意されているカード40に与えられている会員番号の顧客レコード37が登録されている。顧客に発行されていない(店舗に用意されている)カード40に与えられている会員番号を登録した顧客レコード37には、氏名記憶エリア32と住所記憶エリア33と電話番号記憶エリア34等にはデータが登録されていない。また、ポイント数記憶エリア35にはポイント数として0、クレジット使用可否記憶エリア36にはクレジット使用不可を示すデータが登録されている。
【0020】
ここで、各店舗に用意されているカード40の発行方法について説明する。カードの発行を希望する顧客は、店舗でカード発行の申し込み用紙に必要事項を記入する。このとき、顧客はポイントサービス、クレジットサービスのどちらか一方または両方のサービスを申し込むことができる。店舗では、顧客から必要事項が記入された申し込み用紙を受け取り、店舗に予め用意しているカード40を発行する。上述したように、店舗に用意しているカード40は、会員ファイル38に登録されている(但し、顧客の氏名や住所等のデータは登録されていない。)。このため、顧客はこのカード40でポイントサービスを受けることができる。
【0021】
すなわち、店舗では顧客にポイントサービスが受けれるカードを即時発行することができる。
【0022】
また、顧客がクレジットサービスの提供も希望している場合には、端末装置1にカード40を挿入し、所定のキー操作を行う(クレジット機能付加操作を行う)。図6および図7は、この処理のフローチャートである。図6は端末装置の処理の流れを示し、図7はホスト装置の処理の流れを示す。端末装置1は挿入されたカード40をカード処理部25に受け入れるとともに(n1)、入力部24からの入力を受け付ける(n2)。端末装置1は、n2でクレジット機能付加操作が行われたと判定すると(n3)、会員番号とクレジット機能付加操作が行われたことを示すデータを含む電文をネットワークコントローラ2を介してホスト装置3に送信する(n4)。n3でクレジット機能付加操作でないと判定すると、行われた入力操作に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n9)。
【0023】
ホスト装置3は、端末装置1から電文が送信されてくると(n11)、この電文に含まれる会員番号を読み出す(n12)。ホスト装置3は、会員ファイル38を検索し(n13)、n12で読みだした会員番号に該当する顧客レコード37を獲得する(n14)。そして、ホスト装置3は、この電文がクレジット機能付加操作が行われたことを示す電文かどうかを判定する(n15)。ここで、クレジット機能付加操作が行われたことを示す電文でないと判定すると、送信されてきた電文に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n18)。
【0024】
n15でクレジット機能付加操作が行われたことを示す電文であると判定すると、n14で獲得した顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36をクレジット使用不可から審査中に書き換える(n16)。そして、クレジット機能付加操作が完了した旨を示す電文を通信部16から送信する(n17)。
【0025】
端末装置1は、クレジット機能付加操作が完了した旨を示す電文を受信すると(n5)、挿入されたカード40のクレジット使用可否記憶エリア44のデータをクレジット使用不可から審査中に書換え(n6)、このカード40を排出する(n7)。例えば、クレジット使用可否記憶エリア36、44には、0、1、2のデータが記憶されているとする。各データは、
0−クレジットの使用不可
1−審査中
2−クレジット使用可 を示す。
この場合、端末装置1はクレジット使用可否記憶エリア44を0から1に書換え、ホスト装置3が該当する顧客レコード30のクレジット使用可否記憶エリア36を0から1に書き換える。そして、端末装置1は、表示部27にクレジット機能付加操作が完了した旨を表示する(n8)。
【0026】
以上のようにして顧客にカード40を発行することで、顧客にはポイントのサービスを受けることができるカードを即時発行することができるとともに、顧客が希望する場合にはクレジットの審査も同時に申し込むことができる。なお、クレジット機能付加処理は、すでに顧客に発行されているポイントのサービスのみ受けることができるカード40でも同様にして行うことができる。すなわち、顧客はポイントとクレジットのサービスを同時に申し込まずに、ポイントのサービスのみが受けられるカード40が発行された後に、クレジットのサービスを申し込んでもよい。
【0027】
そののち、店舗では、クレジット会社に顧客が記入した申し込み用紙を送付するとともに、カード40を発行した場合にはホスト装置3の入力部14を操作して会員ファイル38に登録されている該当する顧客レコード37(発行したカードに与えられている会員番号と同じ顧客レコード)に顧客の氏名、住所、電話番号等の書き込みを行う。
【0028】
また、クレジット会社でクレジットの審査が完了すると、審査結果に基づいてホスト装置3の入力部14を操作して会員ファイル38に登録されている該当する顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36の内容を審査中から使用可または使用不可に書き換える。このとき、クレジット使用可否記憶エリア36の内容がクレジット使用可に書き換えられると、既に発行されているカード40でポイントとクレジット両方のサービスを受けることができるようになる。
【0029】
ここで、このようにして発行されたカード40を使用した取引の処理を説明する。図8、および図9は、取引処理のフローチャート図である。図8は、端末装置の処理を示し、図9R>9はホスト装置の処理を示す。オペレータは、カード40を端末装置1に挿入するとともに、取引金額等の取引データを入力部24を操作して入力する。端末装置1は、このカード40を受け入れるとともに(n21)、入力部24からデータの入力を受け付ける(n22)。端末装置1は、n22で入力されたデータが取引データであるかどうかを判定し(n23)、取引データでない場合には入力されたデータに基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n34)。n23で入力されたデータが取引データであると判定すると、n21で受け入れたカード40の会員番号と取引データを含む電文を通信部27から送信する(n24)。
【0030】
ホスト装置3は、端末装置1が送信した電文をネットワークコントローラ2を介して通信部16で受信すると(n41)、この電文に含まれる会員番号を読み出す(n42)。ホスト装置3は、会員ファイル38を検索し(n43)、n42で読みだした会員番号の顧客レコード37を獲得する(n44)。そして、ホスト装置3は送信されてきた電文が取引電文であるかどうかを判定する(n45)。n45で取引電文でないと判定すると、送信されてきた電文に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n52)。
【0031】
n45で取引電文であると判定すると、クレジットの取引であるかどうかを判定する(n46)。クレジットの取引でない場合には、以下に示すn50以降の処理を行う。n46でクレジットの取引であると判定すると、n44で獲得した顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36に記憶されているデータに基づいてクレジットの使用可否を判定する(n47)。n47で、クレジット使用不可であると判定すると、取引不可を示す電文を端末装置1に送信する(n51)
n47で、クレジット使用可であると判定すると、クレジットの認証処理を行う(n48)。n48のクレジットの認証処理は、無効カードのチェックや与信残高のチェック等が行われる。ホスト装置3は、n48での認証処理の結果が取引可であると(n49)、ポイントの更新処理を行う(n50)。ポイントの更新処理は、n41で受信した電文に含まれる取引金額に応じたポイント数を算出し、この算出したポイント数とポイント数記憶エリア35に記憶しているポイント数とを加算し、ポイント数記憶エリア35のポイント数をこの加算したポイント数に更新する。そして、ホスト装置3は取引可を含む電文を端末装置1に送信する(n51)。
【0032】
n51では、上述した処理に基づいて以下に示すメッセージが含まれた電文が端末装置1に送信される。
▲1▼n47で審査中であるためにクレジット使用不可と判定した場合には、現在クレジットの審査中であり、クレジットを使用するこができない旨のメッセージが含まれる。
▲2▼n47で審査中でなくクレジット使用不可と判定した場合には、使用されたカードでは現在クレジットの使用が不可である旨のメッセージが含まれる。
▲3▼n50でポイントの更新処理を行った場合には、更新したポイント数とこのポイント数で受けれるサービスの内容等のメッセージが含まれる。
▲4▼クレジット使用可であり且つ、クレジットでの取引が1度も行われていない場合には、クレジットの審査が終了し、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージが含まれる。
▲5▼上記した▲1▼、▲2▼以外で取引を不可とした場合には、取引を不可とした理由を示すメッセージが含まれる。
【0033】
端末装置1は、n51でホスト装置3が送信した電文をネットワークコントローラ2を介して通信部27で受信すると(n25)、この電文から取引可または取引不可を判定する(n26)。取引可である場合には、カード40のポイント数記憶エリア43に記憶されているポイント数の更新を行う(n27)。また、電文にクレジットの審査が終了し、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージが含まれているかどうかを判定し(n28)、含まれている場合にはクレジット使用可否記憶エリア44のデータをクレジット使用可に変更する(n29)。そして、端末装置1はカード40を排出するとともに(n30)、プリンタ26から取引内容を印字した伝票を発行する(n31)。なお、伝票にはn51でホスト装置から受信した電文に含まれるメッセージも印字される。
【0034】
一方、n26で取引不可と判定すると、カード40を排出し(n32)、取引が不可になった理由を表示部27に表示し(n33)、オペレータに知らせる。
【0035】
以上のように、ポイントのサービスを受けることができるカード40を顧客に即時発行することができる。また、クレジットの審査を申し込んだ後に、審査が完了すると(審査でクレジット使用可と認証されると)、クレジットのサービスも同じカード40で受けることができる。すなわち、審査完了後には1枚のカードでポイントとクレジットの両方のサービスを受けることができる。よって、顧客は1枚のカードを管理するだけでよくなり、カード管理の手間を減少することができる。また、店舗では両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。
【0036】
また、審査でクレジット使用可と認証された場合には、このカードでクレジットの取引が1度行われるまで、このカードが使用された取引の伝票に、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージを印字して発行する。したがって、顧客にクレジットの審査が完了し、クレジットが使用可となったことを知らせることができる。
【0037】
なお、クレジットの取引の場合には、端末装置1がカード40のクレジット使用可否記憶エリア44のデータを読み出し、クレジット使用可およびクレジット審査中の場合にのみホスト装置に取引データを送信し、クレジット使用不可の場合には、端末装置で取引不可と判定するようにしてもよい。このようにすることで、無駄な取引データをホスト装置3に送信することが無くなり、取引を効率的に処理することができる。
【0038】
また、上記実施例では、カード40にポイント数記憶エリア43、およびクレジット使用可否記憶エリア44を設け、このエリアに記憶させる情報を端末装置1で必要に応じて書き換えるとしたが、カード40にこれらの記憶エリアを設けずにホスト装置3でのみポイント数やクレジットの使用可否を管理するようにしてもよい。この場合には、端末装置1にカード40へのデータの書込を行う機能を備える必要がなくなり、カード処理部25がハンドスキャナ型の端末装置1を使用することもできる。
【0039】
さらに、ネットワークコントローラ2が共同利用型のクレジットオンラインシステムであるCAFIS等に公衆回線網を介して接続されている、カードシステムにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、クレジット取引時にクレジット使用可否を判断し、クレジット使用可であればポイント数の更新とクレジット使用を有効にする。また、クレジットの取引でない場合にはポイント数の更新を有効にする。
【0041】
したがって、1枚のカードでポイントとクレジットの両方のサービスを提供することができるとともに、ポイントのみのサービスも提供することができる。よって、顧客は1枚のカードを管理するだけでよく、カード管理にかかる手間を減少させることができる。また、店舗はクレジットとポイントの両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。
【0042】
また、取引毎に価値情報がポイント数として与えられるカードを発行したときに、同時に該カードをクレジット審査中として登録し、クレジット審査終了時に該登録情報をクレジット使用可または使用不可に変更することにより、ポイントのサービスが受けられるカードを即時発行することができる。また、ポイントのみのサービスの場合、1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つクレジット使用可であれば、その旨を伝票に印字するようにしたので、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことを速やかに知らせることができるとともに、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことをいつまでも繰り返し知らせることがない。
【0043】
また、カードにクレジットの使用可否を記憶させたので、端末装置でクレジットの取引の可否を判定することができ、ホスト装置に無駄な取引データの送信が行われず、取引を効率的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるカードシステムの構成を示す図である。
【図2】同実施例のホスト装置の構成を示す図である。
【図3】同実施例の端末装置の構成を示す図である。
【図4】同実施例の会員ファイルの構成を示す図である。
【図5】同実施例のカードの構成を示す図である。
【図6】クレジット機能付加操作を行う端末装置の処理の流れを示す図である。
【図7】クレジット機能付加操作を行うホスト装置の処理の流れを示す図である。
【図8】取引処理時の端末装置の処理の流れを示す図である。
【図9】取引処理時のホスト装置の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1(1−1〜1−n)−端末装置
3−ホスト装置
15−顧客情報管理部
35、43−ポイント数記憶エリア
36、44−クレジット使用可否記憶エリア
40−カード
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、1枚のカードでポイントおよびクレジットの2つのサービスが受けれるカードシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ショッピングセンタ等では、顧客サービスとして取引毎に取引金額に応じたポイントを与え、このポイントを累計した累計ポイントが所定のポイント数に達した顧客に商品券等を提供するポイントサービスや、ショッピングセンタ内に限りクレジットでの取引を可能にしたハウスクレジットサービスを提供している。顧客は、取引時に予め発行されているカードを使用するだけでこれらのサービスを受けることができる。
【0003】
従来、これらの2つのサービスを同時に提供しているショッピングセンタでは、ポイント用のカードとハウスクレジット用のカードを別々に発行していた。この理由は、1枚のカードで両方のサービスを受けられるようにすると、クレジットのサービスを可能にするための顧客の審査を行う必要があり、クレジットの審査が完了するまで両方のサービスを受けることができるカードを発行することができず、そのようにすると、顧客に審査が完了するまでポイントサービスも提供できず、顧客サービスがわるいという問題が生じるからである。そこで、審査の不要なポイント用のカードを即時発行し、審査完了後にクレジット用のカードを別途発行していた(審査がOKで有る場合)。このようにすることで、顧客にクレジットの審査期間中でもポイントサービスの提供を行い、顧客サービスを向上させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、顧客にとっては2枚のカードを管理しなければならずカード管理に手間のかかる問題がある。また、店舗にとっては、両方のサービスを提供する取引を処理する場合、最初にクレジット用のカードで取引の認証処理を行い、認証結果が取引可でれば更にポイント用のカードでポイントの更新処理を行うことになる。すなわち、2枚のカードを使用して取引を処理するため取引処理に手間のかかる問題がある。また、取引を処理するのに要する時間が長くなり、顧客サービスが低下する問題もあった。
【0005】
この発明の目的は、1枚のカードでクレジットとポイント両方のサービスを受けられ、両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができるカードシステムおよび取引処理方法を提供することにある。
【0006】
また、この発明は、クレジットの審査完了後には即時発行されたポイントカードでクレジットサービスも受けることができるカードシステムおよび取引処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したこの発明のカードシステムは、カードから読み取ったカードデータおよび入力された取引データに基づいてポイントサービスおよびクレジットサービスによる取引を処理する取引処理手段を備えた端末装置と、
上記端末装置に接続され、取引毎に与えられる価値情報をポイント数として記憶するポイント数記憶エリアおよびクレジット使用の可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリアを備えたホスト装置と、を有するカードシステムであって、
上記ホスト装置は、上記端末装置から上記カードデータおよび取引データを含む取引電文を受信したとき、該取引電文がクレジット取引にかかる取引電文であるかどうかを判定する判定手段と、
上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文であると判定した場合、上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容に基づくクレジット使用の可否を含めた認証処理を行い、この認証結果を含む電文を上記端末装置に送信するとともに、該認証結果がクレジット取引可であった場合に上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するクレジット処理手段と、
反対に、上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文でないと判定した場合、取引に使用されたカードが1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つ上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用可であればその旨を示す電文を上記端末装置に送信するとともに、上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するポイント処理手段と、を備え、
上記端末装置の上記取引処理手段は、取引内容とともに、上記ホスト装置からの電文の内容を印字した伝票を発行する。
【0010】
また、請求項2に記載したこの発明のカードシステムは、上記カードには、クレジット使用の可否を記憶するカード側クレジット使用可否記憶エリアが設けられており、
上記端末装置は、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアを更新するカードデータ更新手段を備えている。
また、請求項3に記載したこの発明のカードシステムは、上記端末装置の取引処理手段は、入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定する。
【0013】
【作用】
請求項1に記載したこの発明のカードシステムにおいては、クレジット取引時にクレジット使用可否を判断する。この判断でクレジット使用可であればポイント数の更新とクレジット使用を有効にする。また、クレジットの取引でない場合にはポイント数の更新を有効にする。したがって、ポイントとクレジットの両方のサービスを1枚のカードで処理することができ、ポイントとクレジット両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。また、ポイントのみのサービスも提供することができる。
これにより、取引毎に価値情報がポイント数として与えられるカードを発行したときに、同時に該カードをクレジット審査中として登録し、クレジット審査終了時に該登録情報をクレジット使用可または使用不可に変更することにより、ポイントのサービスが受けられるカードを即時発行することができる。
また、ポイントのみのサービスの場合、1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つクレジット使用可であれば、その旨が伝票に印字されるので、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことを速やかに知らせることができるとともに、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことをいつまでも繰り返し知らせることがない。
【0014】
また、請求項2に記載した発明のカードシステムにおいては、クレジットの使用可否をカードにも記憶させる構成としたので、端末装置では、カードから読み取ったカードデータからクレジットの使用可否を判断することができる。
【0015】
また、請求項3に記載したこの発明のカードシステムにおいては、端末装置が入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定するので、無駄な取引データをホスト装置に送信することがなく、取引を効率的に処理することができる。
【0017】
【実施例】
図1は、この発明の実施例であるカードシステムの構成を示す図である。カードシステムは、各店舗に設けられカードが記憶しているデータの読み出し等を行うCAT等の端末装置1(1−1〜1−n)と、前記端末装置1とデータ伝送ラインで接続されたネットワークコントローラ2と、前記ネットワークコントローラ2とデータ伝送ラインで接続されたホスト装置3と、を備えている。図2は、ホスト装置の構成を示す図である。ホスト装置3は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、入力操作を行う入力部14と、顧客情報を管理する顧客情報管理部15と、ネットワークコントローラ2を介して端末装置1とのデータ通信を行う通信部16とを備えている。図3は、端末装置の構成を示す図である。端末装置1は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、入力操作を行う入力部24と、カードが記憶しているデータの読み出し等を行うカード処理部25と、取引内容を印字した伝票を発行するプリンタ26と、入力部24から入力されたデータを表示する表示部27と、ネットワークコントローラ2を介してホスト装置3とのデータ通信を行う通信部28とを備えている。
【0018】
顧客情報管理部15には、会員番号を記憶する会員番号記憶エリア31と、顧客の氏名を記憶する氏名記憶エリア32と、顧客の住所を記憶する住所記憶エリア33と、顧客の電番号を記憶する電話番号記憶エリア34と、顧客に与えたポイント数を記憶するポイント数記憶エリア35と、クレジットの使用可否を登録するクレジット使用可否記憶エリア36と、を備えた顧客レコード37が複数登録された会員ファイル38を記憶している(図4R>4参照)。また、カード40には、会員番号を記憶する会員番号記憶エリア41と、カード40の有効期限を記憶する有効期限記憶エリア42と、現在与えられているポイント数を記憶するポイント数記憶エリア43と、クレジットの使用可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリア44とを備えている(図5参照)。
【0019】
各店舗には、カード40が予め用意されている。この用意されているカード40には、会員番号および有効期限を会員番号記憶エリア41、有効期限記憶エリア42に記憶している。また、ポイント数記憶エリア43には、ポイント数として0を記憶し、クレジット使用可否記憶エリア44にはクレジット使用不可を示すデータを記憶している。さらに、会員ファイル38には、この店舗に用意されているカード40に与えられている会員番号を登録した顧客レコード37も登録されている。すなわち、会員ファイル38には、すでに顧客に発行されているカード40と店舗に用意されているカード40に与えられている会員番号の顧客レコード37が登録されている。顧客に発行されていない(店舗に用意されている)カード40に与えられている会員番号を登録した顧客レコード37には、氏名記憶エリア32と住所記憶エリア33と電話番号記憶エリア34等にはデータが登録されていない。また、ポイント数記憶エリア35にはポイント数として0、クレジット使用可否記憶エリア36にはクレジット使用不可を示すデータが登録されている。
【0020】
ここで、各店舗に用意されているカード40の発行方法について説明する。カードの発行を希望する顧客は、店舗でカード発行の申し込み用紙に必要事項を記入する。このとき、顧客はポイントサービス、クレジットサービスのどちらか一方または両方のサービスを申し込むことができる。店舗では、顧客から必要事項が記入された申し込み用紙を受け取り、店舗に予め用意しているカード40を発行する。上述したように、店舗に用意しているカード40は、会員ファイル38に登録されている(但し、顧客の氏名や住所等のデータは登録されていない。)。このため、顧客はこのカード40でポイントサービスを受けることができる。
【0021】
すなわち、店舗では顧客にポイントサービスが受けれるカードを即時発行することができる。
【0022】
また、顧客がクレジットサービスの提供も希望している場合には、端末装置1にカード40を挿入し、所定のキー操作を行う(クレジット機能付加操作を行う)。図6および図7は、この処理のフローチャートである。図6は端末装置の処理の流れを示し、図7はホスト装置の処理の流れを示す。端末装置1は挿入されたカード40をカード処理部25に受け入れるとともに(n1)、入力部24からの入力を受け付ける(n2)。端末装置1は、n2でクレジット機能付加操作が行われたと判定すると(n3)、会員番号とクレジット機能付加操作が行われたことを示すデータを含む電文をネットワークコントローラ2を介してホスト装置3に送信する(n4)。n3でクレジット機能付加操作でないと判定すると、行われた入力操作に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n9)。
【0023】
ホスト装置3は、端末装置1から電文が送信されてくると(n11)、この電文に含まれる会員番号を読み出す(n12)。ホスト装置3は、会員ファイル38を検索し(n13)、n12で読みだした会員番号に該当する顧客レコード37を獲得する(n14)。そして、ホスト装置3は、この電文がクレジット機能付加操作が行われたことを示す電文かどうかを判定する(n15)。ここで、クレジット機能付加操作が行われたことを示す電文でないと判定すると、送信されてきた電文に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n18)。
【0024】
n15でクレジット機能付加操作が行われたことを示す電文であると判定すると、n14で獲得した顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36をクレジット使用不可から審査中に書き換える(n16)。そして、クレジット機能付加操作が完了した旨を示す電文を通信部16から送信する(n17)。
【0025】
端末装置1は、クレジット機能付加操作が完了した旨を示す電文を受信すると(n5)、挿入されたカード40のクレジット使用可否記憶エリア44のデータをクレジット使用不可から審査中に書換え(n6)、このカード40を排出する(n7)。例えば、クレジット使用可否記憶エリア36、44には、0、1、2のデータが記憶されているとする。各データは、
0−クレジットの使用不可
1−審査中
2−クレジット使用可 を示す。
この場合、端末装置1はクレジット使用可否記憶エリア44を0から1に書換え、ホスト装置3が該当する顧客レコード30のクレジット使用可否記憶エリア36を0から1に書き換える。そして、端末装置1は、表示部27にクレジット機能付加操作が完了した旨を表示する(n8)。
【0026】
以上のようにして顧客にカード40を発行することで、顧客にはポイントのサービスを受けることができるカードを即時発行することができるとともに、顧客が希望する場合にはクレジットの審査も同時に申し込むことができる。なお、クレジット機能付加処理は、すでに顧客に発行されているポイントのサービスのみ受けることができるカード40でも同様にして行うことができる。すなわち、顧客はポイントとクレジットのサービスを同時に申し込まずに、ポイントのサービスのみが受けられるカード40が発行された後に、クレジットのサービスを申し込んでもよい。
【0027】
そののち、店舗では、クレジット会社に顧客が記入した申し込み用紙を送付するとともに、カード40を発行した場合にはホスト装置3の入力部14を操作して会員ファイル38に登録されている該当する顧客レコード37(発行したカードに与えられている会員番号と同じ顧客レコード)に顧客の氏名、住所、電話番号等の書き込みを行う。
【0028】
また、クレジット会社でクレジットの審査が完了すると、審査結果に基づいてホスト装置3の入力部14を操作して会員ファイル38に登録されている該当する顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36の内容を審査中から使用可または使用不可に書き換える。このとき、クレジット使用可否記憶エリア36の内容がクレジット使用可に書き換えられると、既に発行されているカード40でポイントとクレジット両方のサービスを受けることができるようになる。
【0029】
ここで、このようにして発行されたカード40を使用した取引の処理を説明する。図8、および図9は、取引処理のフローチャート図である。図8は、端末装置の処理を示し、図9R>9はホスト装置の処理を示す。オペレータは、カード40を端末装置1に挿入するとともに、取引金額等の取引データを入力部24を操作して入力する。端末装置1は、このカード40を受け入れるとともに(n21)、入力部24からデータの入力を受け付ける(n22)。端末装置1は、n22で入力されたデータが取引データであるかどうかを判定し(n23)、取引データでない場合には入力されたデータに基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n34)。n23で入力されたデータが取引データであると判定すると、n21で受け入れたカード40の会員番号と取引データを含む電文を通信部27から送信する(n24)。
【0030】
ホスト装置3は、端末装置1が送信した電文をネットワークコントローラ2を介して通信部16で受信すると(n41)、この電文に含まれる会員番号を読み出す(n42)。ホスト装置3は、会員ファイル38を検索し(n43)、n42で読みだした会員番号の顧客レコード37を獲得する(n44)。そして、ホスト装置3は送信されてきた電文が取引電文であるかどうかを判定する(n45)。n45で取引電文でないと判定すると、送信されてきた電文に基づく処理を行う(その他の処理を行う。)(n52)。
【0031】
n45で取引電文であると判定すると、クレジットの取引であるかどうかを判定する(n46)。クレジットの取引でない場合には、以下に示すn50以降の処理を行う。n46でクレジットの取引であると判定すると、n44で獲得した顧客レコード37のクレジット使用可否記憶エリア36に記憶されているデータに基づいてクレジットの使用可否を判定する(n47)。n47で、クレジット使用不可であると判定すると、取引不可を示す電文を端末装置1に送信する(n51)
n47で、クレジット使用可であると判定すると、クレジットの認証処理を行う(n48)。n48のクレジットの認証処理は、無効カードのチェックや与信残高のチェック等が行われる。ホスト装置3は、n48での認証処理の結果が取引可であると(n49)、ポイントの更新処理を行う(n50)。ポイントの更新処理は、n41で受信した電文に含まれる取引金額に応じたポイント数を算出し、この算出したポイント数とポイント数記憶エリア35に記憶しているポイント数とを加算し、ポイント数記憶エリア35のポイント数をこの加算したポイント数に更新する。そして、ホスト装置3は取引可を含む電文を端末装置1に送信する(n51)。
【0032】
n51では、上述した処理に基づいて以下に示すメッセージが含まれた電文が端末装置1に送信される。
▲1▼n47で審査中であるためにクレジット使用不可と判定した場合には、現在クレジットの審査中であり、クレジットを使用するこができない旨のメッセージが含まれる。
▲2▼n47で審査中でなくクレジット使用不可と判定した場合には、使用されたカードでは現在クレジットの使用が不可である旨のメッセージが含まれる。
▲3▼n50でポイントの更新処理を行った場合には、更新したポイント数とこのポイント数で受けれるサービスの内容等のメッセージが含まれる。
▲4▼クレジット使用可であり且つ、クレジットでの取引が1度も行われていない場合には、クレジットの審査が終了し、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージが含まれる。
▲5▼上記した▲1▼、▲2▼以外で取引を不可とした場合には、取引を不可とした理由を示すメッセージが含まれる。
【0033】
端末装置1は、n51でホスト装置3が送信した電文をネットワークコントローラ2を介して通信部27で受信すると(n25)、この電文から取引可または取引不可を判定する(n26)。取引可である場合には、カード40のポイント数記憶エリア43に記憶されているポイント数の更新を行う(n27)。また、電文にクレジットの審査が終了し、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージが含まれているかどうかを判定し(n28)、含まれている場合にはクレジット使用可否記憶エリア44のデータをクレジット使用可に変更する(n29)。そして、端末装置1はカード40を排出するとともに(n30)、プリンタ26から取引内容を印字した伝票を発行する(n31)。なお、伝票にはn51でホスト装置から受信した電文に含まれるメッセージも印字される。
【0034】
一方、n26で取引不可と判定すると、カード40を排出し(n32)、取引が不可になった理由を表示部27に表示し(n33)、オペレータに知らせる。
【0035】
以上のように、ポイントのサービスを受けることができるカード40を顧客に即時発行することができる。また、クレジットの審査を申し込んだ後に、審査が完了すると(審査でクレジット使用可と認証されると)、クレジットのサービスも同じカード40で受けることができる。すなわち、審査完了後には1枚のカードでポイントとクレジットの両方のサービスを受けることができる。よって、顧客は1枚のカードを管理するだけでよくなり、カード管理の手間を減少することができる。また、店舗では両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。
【0036】
また、審査でクレジット使用可と認証された場合には、このカードでクレジットの取引が1度行われるまで、このカードが使用された取引の伝票に、クレジットが使用可となった旨を示すメッセージを印字して発行する。したがって、顧客にクレジットの審査が完了し、クレジットが使用可となったことを知らせることができる。
【0037】
なお、クレジットの取引の場合には、端末装置1がカード40のクレジット使用可否記憶エリア44のデータを読み出し、クレジット使用可およびクレジット審査中の場合にのみホスト装置に取引データを送信し、クレジット使用不可の場合には、端末装置で取引不可と判定するようにしてもよい。このようにすることで、無駄な取引データをホスト装置3に送信することが無くなり、取引を効率的に処理することができる。
【0038】
また、上記実施例では、カード40にポイント数記憶エリア43、およびクレジット使用可否記憶エリア44を設け、このエリアに記憶させる情報を端末装置1で必要に応じて書き換えるとしたが、カード40にこれらの記憶エリアを設けずにホスト装置3でのみポイント数やクレジットの使用可否を管理するようにしてもよい。この場合には、端末装置1にカード40へのデータの書込を行う機能を備える必要がなくなり、カード処理部25がハンドスキャナ型の端末装置1を使用することもできる。
【0039】
さらに、ネットワークコントローラ2が共同利用型のクレジットオンラインシステムであるCAFIS等に公衆回線網を介して接続されている、カードシステムにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、クレジット取引時にクレジット使用可否を判断し、クレジット使用可であればポイント数の更新とクレジット使用を有効にする。また、クレジットの取引でない場合にはポイント数の更新を有効にする。
【0041】
したがって、1枚のカードでポイントとクレジットの両方のサービスを提供することができるとともに、ポイントのみのサービスも提供することができる。よって、顧客は1枚のカードを管理するだけでよく、カード管理にかかる手間を減少させることができる。また、店舗はクレジットとポイントの両方のサービスを提供する取引を簡単に処理することができる。
【0042】
また、取引毎に価値情報がポイント数として与えられるカードを発行したときに、同時に該カードをクレジット審査中として登録し、クレジット審査終了時に該登録情報をクレジット使用可または使用不可に変更することにより、ポイントのサービスが受けられるカードを即時発行することができる。また、ポイントのみのサービスの場合、1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つクレジット使用可であれば、その旨を伝票に印字するようにしたので、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことを速やかに知らせることができるとともに、カードの所有者にクレジットの審査が完了しクレジット使用可になったことをいつまでも繰り返し知らせることがない。
【0043】
また、カードにクレジットの使用可否を記憶させたので、端末装置でクレジットの取引の可否を判定することができ、ホスト装置に無駄な取引データの送信が行われず、取引を効率的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるカードシステムの構成を示す図である。
【図2】同実施例のホスト装置の構成を示す図である。
【図3】同実施例の端末装置の構成を示す図である。
【図4】同実施例の会員ファイルの構成を示す図である。
【図5】同実施例のカードの構成を示す図である。
【図6】クレジット機能付加操作を行う端末装置の処理の流れを示す図である。
【図7】クレジット機能付加操作を行うホスト装置の処理の流れを示す図である。
【図8】取引処理時の端末装置の処理の流れを示す図である。
【図9】取引処理時のホスト装置の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1(1−1〜1−n)−端末装置
3−ホスト装置
15−顧客情報管理部
35、43−ポイント数記憶エリア
36、44−クレジット使用可否記憶エリア
40−カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードから読み取ったカードデータおよび入力された取引データに基づいてポイントサービスおよびクレジットサービスによる取引を処理する取引処理手段を備えた端末装置と、
上記端末装置に接続され、取引毎に与えられる価値情報をポイント数として記憶するポイント数記憶エリアおよびクレジット使用の可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリアを備えたホスト装置と、を有するカードシステムであって、
上記ホスト装置は、上記端末装置から上記カードデータおよび取引データを含む取引電文を受信したとき、該取引電文がクレジット取引にかかる取引電文であるかどうかを判定する判定手段と、
上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文であると判定した場合、上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容に基づくクレジット使用の可否を含めた認証処理を行い、この認証結果を含む電文を上記端末装置に送信するとともに、該認証結果がクレジット取引可であった場合に上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するクレジット処理手段と、
反対に、上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文でないと判定した場合、取引に使用されたカードが1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つ上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用可であればその旨を示す電文を上記端末装置に送信するとともに、上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するポイント処理手段と、を備え、
上記端末装置の上記取引処理手段は、取引内容とともに、上記ホスト装置からの電文の内容を印字した伝票を発行するカードシステム。
【請求項2】
上記カードには、クレジット使用の可否を記憶するカード側クレジット使用可否記憶エリアが設けられており、
上記端末装置は、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアを更新するカードデータ更新手段を備えた請求項1に記載のカードシステム。
【請求項3】
上記端末装置の取引処理手段は、入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定する請求項2に記載のカードシステム。
【請求項1】
カードから読み取ったカードデータおよび入力された取引データに基づいてポイントサービスおよびクレジットサービスによる取引を処理する取引処理手段を備えた端末装置と、
上記端末装置に接続され、取引毎に与えられる価値情報をポイント数として記憶するポイント数記憶エリアおよびクレジット使用の可否を記憶するクレジット使用可否記憶エリアを備えたホスト装置と、を有するカードシステムであって、
上記ホスト装置は、上記端末装置から上記カードデータおよび取引データを含む取引電文を受信したとき、該取引電文がクレジット取引にかかる取引電文であるかどうかを判定する判定手段と、
上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文であると判定した場合、上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容に基づくクレジット使用の可否を含めた認証処理を行い、この認証結果を含む電文を上記端末装置に送信するとともに、該認証結果がクレジット取引可であった場合に上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するクレジット処理手段と、
反対に、上記判定手段がクレジット取引にかかる取引電文でないと判定した場合、取引に使用されたカードが1度もクレジット取引を行っていないカードであって、且つ上記クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用可であればその旨を示す電文を上記端末装置に送信するとともに、上記端末装置から受信した取引電文に基づいて上記ポイント数記憶エリアを更新するポイント処理手段と、を備え、
上記端末装置の上記取引処理手段は、取引内容とともに、上記ホスト装置からの電文の内容を印字した伝票を発行するカードシステム。
【請求項2】
上記カードには、クレジット使用の可否を記憶するカード側クレジット使用可否記憶エリアが設けられており、
上記端末装置は、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアを更新するカードデータ更新手段を備えた請求項1に記載のカードシステム。
【請求項3】
上記端末装置の取引処理手段は、入力された取引データがクレジット取引にかかる取引データである場合、上記カード側クレジット使用可否記憶エリアの記憶内容がクレジット使用否であれば、上記ホスト装置に取引電文を送信することなく、取引不可と判定する請求項2に記載のカードシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【特許番号】特許第3589707号(P3589707)
【登録日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【発行日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−218816
【出願日】平成6年9月13日(1994.9.13)
【公開番号】特開平8−83309
【公開日】平成8年3月26日(1996.3.26)
【審査請求日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【審判番号】不服2002−8723(P2002−8723/J1)
【審判請求日】平成14年5月16日(2002.5.16)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開平4−70992(JP,A)
【文献】特開昭63−15395(JP,A)
【文献】特開平4−10098(JP,A)
【文献】「Card Wave 第4巻 第11号」株式会社シーメディア(1991.10.10)p.32〜35
【登録日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【発行日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成6年9月13日(1994.9.13)
【公開番号】特開平8−83309
【公開日】平成8年3月26日(1996.3.26)
【審査請求日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【審判番号】不服2002−8723(P2002−8723/J1)
【審判請求日】平成14年5月16日(2002.5.16)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開平4−70992(JP,A)
【文献】特開昭63−15395(JP,A)
【文献】特開平4−10098(JP,A)
【文献】「Card Wave 第4巻 第11号」株式会社シーメディア(1991.10.10)p.32〜35
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