説明

カードスタッカを備えたカード処理装置

【課題】収納カードを退避させてカードを送り込むための機構が小型でコンパクトに構成されているカードスタッカを備えたカード処理装置を提供する。
【解決手段】カード処理装置1のカードスタッカ14では、後側搬送路面部分15aとカード押し上げ板41の間に収納カードC(14)が積層され、圧縮コイルバネ42によって後側搬送路面部分15aに押し付けられている。後側搬送路面部分15aにはプランジャ駆動式のカード押し下げ部材43、44が配置されており、カード搬送路13からカードスタッカ14にカードを送り込む際には、カード押し下げ部材43、44を突出させ、収納カードC(14)を後側搬送路面部分15aから離して、収納カードC(14)の最も上に位置する最上位カードC1と後側搬送路面部分15aの間に1枚のカードを差し込むことのできる隙間を形成し、ここにカードを送り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用台間機などに用いられるカードスタッカを備えたカード処理装置に関する。さらに詳しくは、カード搬送路から送り込まれるカードを厚さ方向に積層した状態で収納するカードスタッカを備えたカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技施設では、遊技台に隣接配置された台間機において遊技台でプレーをするために遊技媒体の貸出が行われるようになっている。近年においては現金の代わりに磁気カード、ICカードなどの記録媒体を用いて遊技媒体の貸出を行うことのできる台間機が普及している。このような台間機には、紙幣識別機などの金銭処理装置と共にカードリーダライターとカードスタッカを備えたカード処理装置が内蔵されている。例えば投入金額に応じた金額が記憶されたプリペイドカードを発行し、プリペイドカードが挿入されると、そこに担持されている金銭情報などを読み込んで遊技媒体の貸出処理を行うように構成されている。
【0003】
特許文献1には、RFアンテナからなるリードライト部とカード収納部とを備えたカード発行装置が提案されている。このカード発行置では、カード挿入排出口から挿入されたカードを、搬送ベルトからなる搬送機構によってリードライト部に送り込み、リードライト部から更に奥に送り込まれたカードを搬送方向に直交する方向に積層状態で収納するようにしている。直線状の搬送路に沿ってリードライト部およびカード収納部を縦列状態に配置することによって、カード発行装置を偏平な構成にすることができる。また、特許文献2にも同様なリードライト部およびカード収納部を備えたカード処理装置が提案されている。
【0004】
このようなカード処理装置では、カード搬送路の一方のカード搬送路面に沿ってカード収納部(以下、カードスタッカと呼ぶ。)に送り込まれるカードを、当該カード搬送路面とこれに対峙しているカード押圧板との間に積層状態に収納している。したがって、カードスタッカにカードが送り込まれる際には、積層状態に収納されている収納カードをカード搬送路面から離れる方向に退避させて、当該カード搬送路面と収納カードの間に、カード搬送路の側から送り込まれるカードを挿入可能な隙間を形成する必要がある。
【0005】
特許文献2に開示のカード処理装置では、RFアンテナを備えたリードライト部を通過してカードスタッカに収納されるカードによって、当該カードの搬送方向に対して直交する方向に押圧レバーを移動させるようにしている。押圧レバーによってカードスタッカに収納されている収納カードが押し下げられ、カードスタッカに収納されるカードに干渉することなく、リードライト後のカードをカードスタッカに収納できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3832176号公報
【特許文献2】特開2005−92454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、カード処理装置のカードスタッカにカード搬送路からカードを送り込む際には、カードスタッカ内の収納カードを退避させてカード送り込み用の隙間を形成する必要がある。カード処理装置の小型、コンパクト化のためには、収納カードを退避させるための機構を、少ない部品点数で構成して少ない設置スペースに組み込み可能にすることが望ましい。
【0008】
本発明の課題は、この点に鑑みて、収納カードを退避させるための小型でコンパクトな機構が組み込まれているカードスタッカを備えたカード処理装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のカードスタッカを備えたカード処理装置は、
カード挿入排出口と、
カードを厚さ方向に積層状態で収納可能なカードスタッカと、
前記カード挿入排出口から前記カードスタッカに至るカード搬送路と、
前記カード搬送路に沿ってカードを搬送するカード搬送機構とを有し、
前記カード搬送路は、カードを1枚ずつ搬送可能な間隔で対峙している第1搬送路面および第2搬送路面によって規定される直線状の搬送路であり、前記第1搬送路面は前記第1搬送路面の後端よりも後方に延びている後側搬送路面部分を備えており、
前記カードスタッカは、
前記第1搬送路面の前記後側搬送路面部分に対して接近および離れる方向に移動可能なカード押し上げ部材と、
このカード押し上げ部材を前記後側搬送路面部分に向けて付勢している付勢部材と、
前記後側搬送路面部分の側に後退した後退位置から、当該後側搬送路面部分から前記カード押し上げ部材の側に向けて少なくともカード1枚の厚さ分だけ突出したカード押し下げ位置までの間を移動可能な押し下げ部材とを備え、
前記カード押し下げ部材が突出すると、前記後側搬送路面部分と前記収納カードの間に、前記カード搬送路の側からカードを送り込むための隙間が形成されることを特徴としている。
【0010】
本発明のカード処理装置では、カードスタッカ内において積層状態で収納されている収納カードが押し付けられている後側搬送路面部分に、カード押し下げ部材を配置してある。カード搬送機構によってカード搬送路からカードスタッカにカードを送り込む際には、カード押し下げ部材を突出させる。これにより、収納カードが後側搬送路面部分から離れて、収納カードと後側搬送路面部分の間に1枚のカードを差し込むことができる隙間が形成される。カードスタッカに送り込まれるカードによって押圧レバーを移動させて、収納カードを押し付けている押圧板を移動させる機構などを用いる場合とは異なり、単に、収納カードが押し付けられている後側搬送路面部分に、ここから突出可能なカード押し下げ部材を配置しておくだけでよい。したがって、収納カードを後側搬送路面部分から離れる方向に退避させる機構を少ない部品点数で構成でき、その設置スペースも少なくて済むので、カード処理装置の小型化に極めて有利である。
【0011】
ここで、前記カードスタッカの収納カードを前記カード搬送路に送り出すカード送り出し方向に沿って見た場合に、前記カード押し上げ部材に対する前記付勢部材の付勢位置は、当該カード押し上げ部材の中央位置または当該中央位置よりも後方の位置であり、前記カード押し下げ部材による押し下げ位置は、前記付勢部材の前記付勢位置よりも前方の位置であることが望ましい。このようにすれば、収納カードを押し上げている付勢位置を中心として、収納カードの前側部分がカード押し下げ部材によって押し下げられるので、カード搬送路の側からカードを差し込むための隙間を小さな力で確実に形成できる。
【0012】
次に、RFIDチップが搭載されている非接触型のICカードなどのような情報のリードライトを行うことのできるカードを取り扱うカード処理装置では、前記カード搬送路上のリードライト位置にあるカードに対して情報のリードライトを行うリードライト部が備わっている。この場合には、前記リードライト位置を、リードライト対象のカードにおける前記カードスタッカ側の先端部分が、前記カードスタッカ内の前記収納カードと前記後側搬送路面部分の間に差し込まれた状態の位置とし、前記カード押し下げ部材を、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記リードライト位置にあるカードの先端よりも後方に位置するように配置しておけばよい。
【0013】
このように、カードスタッカに収納されている収納カードと、カード搬送路上のリードライト位置にあるカードとが部分的に重なる状態を形成するとカード搬送路を短くすることができる。一般には、カード搬送路は、カードをリードライトするためのリードライト位置を形成するために1枚分のカード搬送路長が必要であり、カードスタッカも1枚分のカード長が必要であり、カード挿入排出口からカードスタッカの後端までの搬送路長として、搬送方向のカード長さの2倍を超える長さが必要になる。本発明によれば搬送路長を搬送方向のカード長さの2倍以下の寸法に短くすることができ、カード搬送方向の長さ寸法が短い小型でコンパクトなカード処理装置を実現できる。
【0014】
また、カードスタッカ内のカード押し下げ部材は、リードライト位置にあるカードの後側に位置する。したがって、カード搬送路に沿ってリードライト位置にカードを位置決めする際にもカード押し下げ部材によって収納カードを押し下げることにより、リードライト対象のカードを、カードスタッカに一部分が差し込まれた状態でリードライト位置に送り込むことができる。
【0015】
この場合、前記カード押し下げ部材を、前記カード押し下げ位置に突出した状態において、リードライト対象のカードを前記リードライト位置に位置決めするための位置決め部材として機能させることができる。すなわち、リードライト位置に位置決めしたカードの端面がカード押し下げ部材に丁度当接するようにカード押し下げ部材を配置して、カードをリードライト位置に精度良く位置決めすることができる。
【0016】
また、この場合には、前記カード搬送機構は、前記カードスタッカの前記後側搬送路面部分に配置した搬送ローラーを備え、この搬送ローラーは、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記カード押し下げ部材よりも前方に位置していることが望ましい。この構成によれば、カードスタッカ内において収納カードが搬送ローラーにも押し付けられた状態になる。リードライト位置にカードを搬送する際には、カード押し下げ部材によって収納カードを押し下げると搬送ローラーから離れる方向に収納カードが退避させられる。したがって、搬送ローラーと収納カードの間にカードの先端部分を送り込むことができ、当該カードをリードライト位置に位置決めできる。リードライト後に、カード押し下げ部材を後退させると、リードライト位置にあるカードに搬送ローラーが押し付けられた状態になる。したがって、搬送ローラーによって、リードライト後のカードをカードスタッカに送り込む搬送動作、および、当該カードをカード挿入排出口の側に送り出す搬送動作のいずれも行うことができる。
【0017】
ここで、カードスタッカから収納カードを1枚ずつ確実に送り出すことができるようにするためには、前記カードスタッカに、前記収納カードのうち最も上に積層されている最上位カードを前記後側搬送路面部分に沿って押し出す収納カード繰り出し機構を配置し、当該収納カード繰り出し機構を、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記最上位カードの後側の端面に対して、カード厚さ方向に直交する方向に離れた位置において係合可能な複数のカード係合爪と、前記カード係合爪のそれぞれを前記カード送り出し方向に押し出す爪スライド機構とを備えた構成とすることができる。前記カード係合爪を、前記後側搬送路面部分の後端部分において、当該後側搬送路面部分の表面から前記カード押し上げ部材の側に突出さえておけばよい。この場合、前記収納カード繰り出し機構による前記最上位カードの押し出し動作に連動して前記搬送ローラーが回転して当該最上位カードが確実に前記カード搬送路に送り出される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明を適用したカード処理装置が組み込まれた遊技台用台間機を示す斜視図であり、(b)は遊技台用台間機の台間機本体を台間機ホルダーから引き出した状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1の遊技台用台間機に組み込まれているカード処理装置を示す斜視図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図3】(a)は図2のカード処理装置の内部構造を示す断面図であり、(b)はその装置本体ユニットの側の搬送路面を示す側面図である。
【図4】(a)は図2のカード処理装置の収納カード繰り出し機構が後退位置にある状態を示す斜視図であり、(b)は収納カード繰り出し機構が前進位置にある状態を示す斜視図であり、(c)はその分解斜視図である。
【図5】図2のカード処理装置におけるカード送り出し動作を示す説明図である。
【図6】図2のカード処理装置における待機状態からカード取り込み完了までの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明を適用したカード処理装置の実施の形態を説明する。本実施の形態に係るカード処理装置は遊技台用台間機に組み込まれるものであるが、本発明は遊技台用台間機以外の機器に用いるカード処理装置に対しても同様に適用可能なことは勿論である。
【0020】
(遊技台用台間機)
図1(a)は本発明を適用したカード処理装置が組み込まれた遊技台用台間機を示す斜視図であり、図1(b)は遊技台用台間機の台間機本体を台間機ホルダーから引き出した状態を示す斜視図である。本実施の形態に係るカード処理装置1が組み込まれている遊技台用台間機100は、パチンコ店などの遊技施設において遊技島を構成している遊技台(図示せず)の間に配置されるものであり、遊技島構成枠(図示せず)に固定される台間機ホルダー101と、この台間機ホルダー101に対して前側から取り外し可能な状態で挿入されている台間機本体102とを備えている。
【0021】
台間機本体102は偏平で縦長の直方体形状の板金製のケース103と、この前面に取り付けたプラスチック製の前面パネル104とを備えており、ケース103の内部には、制御ユニット、電源ユニット、金銭処理ユニットと共に、カード処理装置1が組み込まれている。カード処理装置1の前面に位置する前面パネル104の部分にはカード挿入排出用のカードスロット105が形成されており、ここを介して、カード、本例ではRFICチップが搭載されている非接触型ICカードC(以下、単に「カードC」と呼ぶ場合もある。)の挿入、排出が行われる。なお、遊技台用台間機100の構成、動作は一般的に知られているものと同様であるので、これ以上の説明は省略する。
【0022】
(カード処理装置)
図2(a)は図1の遊技台用台間機100に組み込まれているカード処理装置1を示す斜視図であり、図2(b)はその分解斜視図である。これらの図を参照して説明すると、カード処理装置1は、全体として前後方向に長い偏平な直方体形状をしており、装置本体ユニット2と、この装置本体ユニット2に取り付けられた着脱式の開閉ユニット3とを備えている。装置本体ユニット2は装置前後方向に長い偏平な直方体形状をしたユニットであり、その一方の側面には前後方向に延びる一定幅で一定深さの凹部4が形成されている。開閉ユニット3は凹部4に丁度嵌り込む大きさの直方体形状をしており、その後端部における装置上下方向に延びる開閉中心軸線5を中心として、当該凹部4に装着された閉じ位置3Aから所定の角度開いた開き位置までの範囲内で開閉可能であり、不図示のロック機構によって閉じ位置3Aにロックされている。また、開閉ユニット3は装置本体ユニット2から取り外すことが可能である。凹部4の装置前面部分には、装置本体ユニット2に対して入口ガイドユニット6が固定ネジ7によって固定されている。
【0023】
図3(a)はカード処理装置1の内部構造を示す断面図であり、図3(b)はその装置本体ユニット2の側の搬送路面を示す側面図である。図2および図3を参照してカード処理装置1の内部構造を説明する。カード処理装置1の前端面11には、その前端面11における幅方向の中央に上下に延びる一定幅のカード挿入排出口12が形成されている。本例では、装置本体ユニット2と、ここに形成した凹部4の前端部分に取り付けた入口ガイドユニット6との間にカード挿入排出口12が形成されている。カード挿入排出口12を介して、カードCをその長手方向に沿って挿入、排出することができる。
【0024】
カード処理装置1の内部には、カード挿入排出口12から後方に直線状に延びる一定幅のカード搬送路13が形成されている。カード搬送路13はカードCをその長手方向に1枚ずつ搬送可能な幅の通路であり、入口側カード搬送路13Aと、この入口側カード搬送路13Aの後端から後方に延びるカード搬送路13Bとを備えている。カード搬送路13Bの後端13bは、装置前後方向の中程の位置において、当該カード搬送路13Bよりも広幅のカードスタッカ14に繋がっており、当該後端13bがカードスタッカ14のカード送り出し口となっている。カードスタッカ14はカード搬送路13Bから送り込まれるカードCをカード搬送路13の搬送方向に直交する装置幅方向に重ねた状態、換言するとカードCの厚さ方向に重ねた状態で収納可能である。
【0025】
入口側カード搬送路13Aは装置本体ユニット2と入口ガイドユニット6の間に形成されており、後側のカード搬送路13Bは装置本体ユニット2と開閉ユニット3の間に形成されている。すなわち、入口側カード搬送路13Aは、装置本体ユニット2の凹部4の底面を規定している全体として平坦な第1搬送路面15の前側部分と、これに装置幅方向において一定の間隔で対峙している入口ガイドユニット6の内側側面によって規定される平坦な第2搬送路面部分16との間に形成されている。カード搬送路13Bは、装置本体ユニット2の側の第1搬送路面15と、これに対峙している開閉ユニット3の内側側面によって規定される平坦な第2搬送路面部分17との間に形成されている。第1搬送路面15の後側部分は第2搬送路面部分17の後端13b(カードスタッカ14のカード送り出し口)よりも後方に延びている後側搬送路面部分15aとなっている。この後側搬送路面部分15aには、開閉ユニット3の側に形成されているカードスタッカ14の矩形輪郭のスタッカ開口部14aが対峙している。
【0026】
カード搬送路13Bおよびカードスタッカ14にはカードCを搬送するためのカード搬送機構20が配置されている。カード搬送機構20は、第1搬送ローラー21および第2搬送ローラー22と、第1搬送ローラー21に押し付け可能なアイドラローラー23と、第1、第2搬送ローラー21、22を駆動するための駆動モーター24と、駆動モーター24の駆動力を第1、第2搬送ローラー21、22に伝達するための歯車列25とを備えている。駆動モーター24によって第1、第2搬送ローラー21、22が同期して回転駆動されるようになっている。また、第1搬送ローラー21はカード搬送路13B上に配置されているが、第2搬送ローラー22は、カードスタッカ14に対峙している後側搬送路面部分15aにおいて、カード搬送路13Bの後端13bの後側近傍位置に配置されている。また、第1、第2搬送ローラー21、22の間隔はカードCの搬送方向の長さよりも短い寸法に設定されている。カード搬送機構20の構成部品のうち、アイドラローラー23は開閉ユニット3の側に搭載されているが、それ以外は装置本体ユニット2の側に搭載されている。
【0027】
装置本体ユニット2において、入口側カード搬送路13Aにおけるカード挿入排出口12と第1搬送ローラー21の間には、ソレノイド駆動式の入口シャッター26が配置されている。入口シャッター26が開くとカードCの挿入が可能になり、挿入されたカードCにおける搬送路搬入方向の先端側の端面Caが第1搬送ローラー21およびアイドラローラー23のニップ部に押し込まれると、カード搬送機構20によるカード搬送が可能になる。
【0028】
装置本体ユニット2における第1搬送路面15の背面側には、これと平行に回路基板27が配置されている。回路基板27には、カード処理装置1の駆動制御を司る制御回路が搭載されていると共に、カードCに対して非接触状態で情報のリードライトを行うためのRFアンテナ28(リードライト部)が搭載されている。このRFアンテナ28は、図3(b)において想像線で示すように、カード搬送路13Bにおける第1、第2搬送ローラー21、22の間の部位に対峙している回路基板27の表面に搭載されているループ状のアンテナである。
【0029】
ここで、回路基板27にはカードCの搬送制御を行うために用いる複数のカード検出器が搭載されている。主に図3(b)を参照して、これらのカード検出器によるカード検出位置を説明する。まず、入口側カード搬送路13Aにおけるカード挿入排出口12の近傍位置には、フォトインタラプタ方式のカード検出器の入口レバー31が配置されている。入口レバー31は入口側カード搬送路13A内に突出した状態に付勢されており、カード挿入排出口12に挿入されるカードCによって装置幅方向に押されて入口側カード搬送路13Aから退避する方向に押し込み可能となっている。入口レバー31の動きによって、回路基板27に実装されているフォトインタラプタは、入口側カード搬送路13AにカードCが挿入されたこと、および、当該カード挿入排出口12からカードCが完全に引き抜かれたことを検出できる。
【0030】
入口側カード搬送路13Aにおける入口シャッター26と第1搬送ローラー21の間の部位には、入口側カード搬送路13Aにおける上端および下端に、一対のフォトセンサ32、33(第1検出器)が配置されている。これらのフォトセンサ32、33は、カードCがRFアンテナ28によるカードリードライト位置に位置したことを検出するためのものである。本例では、カードCがカードリードライト位置に位置決めされると、リードライト対象のカードC(28)における搬送路搬入方向の後端縁部分が、上側のフォトセンサ32の検出位置に位置し、下側のフォトセンサ33の検出位置からは搬入方向に外れた位置になる。これら双方のフォトセンサ32、33の検出信号に基づき、カードCがカードリードライト位置に位置決めされたことを検出できる。
【0031】
次に、カード搬送路13Bにおける第1搬送ローラー21およびアイドラローラー23のニップ位置に対応するカード搬送路13Bの下端の部位には、1個のフォトセンサ34(第2検出器)が配置されている。このフォトセンサ34の検出信号に基づき、カード挿入排出口12から挿入されたカードCの先端が第1搬送ローラー21、アイドラローラー23のニップ部にくわえ込まれたこと(搬送開始時点)、および、排出されるカードCが当該ニップ部を通過し終えたこと(搬送終了時点)を検出できる。
【0032】
カード搬送路13Bの後端13bには、その下端部分に1個のフォトセンサ35(第3検出器)が配置されている。このフォトセンサ35の検出信号に基づき、カード搬送路13Bに沿ってカードスタッカ14に送り込まれるカードCが当該カードスタッカ14内に収納され終わったことを検出できる。
【0033】
次に、主に図3(a)を参照してカードスタッカ14の構造を説明する。開閉ユニット3に形成されているカードスタッカ14は、その第2搬送路面部分17の後側に形成されており、1枚のカードCを厚さ方向に挿入して積層状態で収納可能な矩形形状をした一定深さの凹部である。このカードスタッカ14のスタッカ開口部14aが装置本体ユニット2の側の第1搬送路面15の後側搬送路面部分15aに対峙している。カードスタッカ14には、後側搬送路面部分15aに対峙する状態で、カードスタッカ14の底面を規定している矩形のカード押し上げ板41(カード押し上げ部材)が配置されている。カード押し上げ板41は背面側から円錐台状の圧縮コイルバネ42(付勢部材)によって後側搬送路面部分15aに向けて押し上げられている。圧縮コイルバネ42による押し上げ位置42A(付勢位置)は、カード搬送方向に沿って見た場合に、カード押し上げ板41の中心位置あるいは当該中心位置よりも後方側の位置とされ、本例では中心位置に一致している。
【0034】
これに対して、後側搬送路面部分15aにおいては、カード搬送路13Bの後端13b(カード送り出し口)の近傍位置に第2搬送ローラー22が露出しており、この第2搬送ローラー22よりも後側の位置には、装置幅方向に沿ってカードスタッカ14内に突入可能な一対のソレノイド駆動式の押し下げ部材43、44(カード押し下げ機構)が配置されている。押し下げ部材43、44はカードスタッカ14の上下方向(収納されているICカードCの短辺方向)において対称の位置に配置されている。
【0035】
これらの押し下げ部材43、44は、非励磁状態では、図3(a)に示すように、後側搬送路面部分15aの背面側に後退した退避位置にあり、励磁されると後側搬送路面部分15aからカードスタッカ14内に向けて、少なくともカードCの1枚分以上の厚さ寸法だけ突入したカード押し下げ位置に切り替わる。また、これらの押し下げ部材43、44によるカード押し下げ位置43Aは、カード搬送方向に沿って見た場合に、圧縮コイルバネ42の押し上げ位置42Aよりも装置前方側にオフセットした位置であり、第2搬送ローラー22の収納カードC(14)に対する当接位置22Aよりも装置後方側の位置となっている。
【0036】
カード押し下げ部材43、44をカードスタッカ14内に突出させると、押し上げ板41の押し上げ力に逆らって収納カードC(14)が押し下げられる。本例では、圧縮コイルバネ42による押し上げ板41の押し上げ位置42Aよりも装置前側にオフセットしたカード押し下げ位置43Aにおいて、カード押し下げ部材43、44によって収納カードC(14)が押し下げられる。この結果、収納カードC(14)における装置前側の部分が圧縮コイルバネ42による押し上げ位置42Aを支点にして押し下げられる。よって、収納カードC(14)の全体を押し下げる場合に比べて、小さな押し下げ力で確実に、後側搬送路面部分15aと収納カードC(14)の最上位カードC1との間に、カード搬送路13BからカードCを送り込むための隙間を形成できる。
【0037】
次に、カードスタッカ14における装置前後方向の後端部には、カードスタッカ14に収納されている収納カードC(14)のうち最も上に積層されている最上位カードC1を、そのカード厚さ方向に直交する押し出し方向、本例では後側搬送路面部分15aに沿ったカード搬送方向に押し出してカード搬送路13Bに送り出す収納カード繰り出し機構90が配置されている。収納カード繰り出し機構90は、後側搬送路面部分15aの後端部分から突出している一対のカード係合爪91、92と、これらのカード係合爪91、92を圧縮コイルバネ93、94を介して支持している爪スライド機構95とを備えている。
【0038】
カード係合爪91、92は、後側搬送路面部分15aにおいて上下方向の対称位置に配置されており、最上位カードC1の後側の端面に対して後側から係合可能である。また、カード係合爪91、92は、爪スライド機構95によって、装置前後方向に一定の範囲内で往復移動可能となっている。この構成の収納カード繰り出し機構90と、カード搬送機構20の第2搬送ローラー22とによって、カードスタッカ14に積層状態で収納されている収納カードC(14)から、その最上位カードC1を確実に分離し、当該カードC1をカード搬送路13Bに向けて送り出すことが可能である。
【0039】
(カード搬送路の長さ寸法)
上記構成のカード処理装置1において、RFアンテナ28によるカードリードライト位置に位置決めされたリードライト対象のICカードC(28)は、図3に示すように、その搬送路搬入方向の先端部分がカードスタッカ14のカード送り出し口(カード搬送路13Bの後端13b)から所定の距離だけ奥に入り込んだ状態になる。このカードリードライト位置では、ICカードC(28)の搬送路搬入方向の先端側の端面Caが一対の押し下げ部材43、44の直前に位置し、その後端側の端面Cbが一対のフォトセンサ32、33の間に位置している。したがって、カードリードライト位置にあるICカードC(28)の搬送路搬入方向における先端部分は、カードスタッカ14に収納されている収納カードC(14)の最上位カードC1の搬送路搬入方向における後端部分に所定長さ分だけ重なった状態になる。また、リードライト位置にあるカードC(28)には双方の第1、第2搬送ローラー21、22が当接した状態となる。
【0040】
これらのカードの重なり寸法ΔLは、カードリードライト位置にあるカードC(28)をRFアンテナ28によってリードライトする際に、収納カードC(14)との間でコリジョンが発生しない最大寸法に設定されている。本例では、重なり寸法ΔLは、フォトセンサ32、33からカード挿入排出口12までの長さ寸法L(12)よりも大きい。したがって、カード搬送路13(13A、13B)の全長L(13)は、カードCの長手方向の長さ寸法L(C)よりも短い。また、カード挿入排出口12からカードスタッカ14の後端までの長さ寸法L(14)はカードCの長さ寸法L(C)の2倍よりも短く、装置前後方向の全長L(1)もカードCの長さ寸法L(C)の2倍あるいは、それよりも短い。
【0041】
このように、カード搬送路13(13A、13B)が短くて済むので、カード処理装置1の前後方向の長さ寸法を小さくすることができる。また、短いカード搬送路13に沿ってカードCを搬送すればよいので、搬送ベルトの代わりに、一対の搬送ローラー21、22を用いてカードCを搬送することができる。すなわち、一対の搬送ローラー21、22をカードCの搬送方向の長さL(C)よりも狭い間隔に配置してカード搬送を確実に行うことができる。搬送ベルトを使用する場合には長期使用によってベルトの伸びなどに起因して搬送不良、カード詰まりなどが発生するおそれが高いが、搬送ローラーを用いることにより搬送機構の耐久性を高めることができる。
【0042】
さらに、第2搬送ローラー22はカードスタッカ14に対峙している後側搬送路面部分15aに配置されている。したがって、第2搬送ローラー22は、図3に示すように、リードライト位置にあるカードC(28)における後側の部分に当接する。また、リードライト位置にカードC(28)が無い場合には、収納カードC(14)の最も上に位置している最上位カードC1の前側の部分に当接する。したがって、第2搬送ローラー22を用いて、リードライト位置にあるカードC(28)をカードスタッカ14内に送り込むことができ、また、カードスタッカ14内のカードC1をカード搬送路13に向けて送り出すことができる(図5、図6参照)。
【0043】
(収納カード繰り出し機構)
図4(a)は収納カード繰り出し機構90が後退位置にある状態を示す斜視図であり、図4(b)は収納カード繰り出し機構90が前進位置にある状態を示す斜視図であり、図4(c)はその分解斜視図である。先に述べたように、収納カード繰り出し機構90は、収納カードC(14)の最も上に積層されている最上位のカードC1の後端面(カード搬送路搬入方向の先端面)に対して、その上下方向に離れた対称位置(カード短辺方向に離れた対称位置)において後側から係合可能な複数のカード係合爪、本例では、上下一対のカード係合爪91、92を備えている。カード係合爪91、92は、それぞれ、圧縮コイルバネ93、94を介して爪スライド機構95に搭載されている。
【0044】
爪スライド機構95は、カード係合爪91、92を支持している共通のスライダ96と、このスライダ96をカード押し出し方向(カード搬送方向)に沿って、図4(a)に示す後退位置から、図4(b)に示す前進位置までの間をスライドさせるためのDCモーター97(共通の駆動源)と、DCモーター97の駆動力をスライダ96のスライド運動に変換する動力伝達機構98とを備えている。動力伝達機構98は、DCモーター97の回転を減速するギアボックス98aを介して駆動されるカムギア98bと、カムギア98bによって装置前後方向に一定の旋回角度範囲で揺動する揺動リンク98cとを備えており、揺動リンク98cの先端にスライダ96が連結されており、スライダ96は装置本体ユニット2に対して前後方向にスライド可能な状態で取り付けられている。
【0045】
一対のカード係合爪91、92は、圧縮コイルバネ93、94を介して、スライダ96に形成されている爪取り付け部96a、96bに対して装置幅方向(カード積層方向)に移動可能な状態で取り付けられている。カード係合爪91、92は、図3から分かるように、装置本体ユニット2の後側搬送路面部分15aの後端部分に形成した開口を介して、カードスタッカ内に突出している。各カード係合爪91、92の先端面には、収納カードC(14)の最上位カードC1のカード表面の後端縁側の部分にバネ力によって押し付けられる当接面部分91a、92aが形成されている。
【0046】
この構成の収納カード繰り出し機構90は、カードC1の後端面に対して異なる位置で係合可能な一対のカード係合爪91、92を備えている。カードC1に反りなどの変形がある場合に、カード係合爪91、92の一方がカード後端面における変形している部分に係合できなくても、他方のカード係合爪をカード後端面における変形していない部分に係合させることができる。したがって、1枚ずつカードC1を押し出す動作を確実に行うことができる。
【0047】
また、一対のカード係合爪91、92は共通のスライダ96に搭載され、共通の駆動機構(DCモーター97、動力伝達機構98)によって同期駆動される。個別にスライダおよび駆動機構を配置する場合に比べて、スライド機構をシンプルで廉価な構成にすることができる。また、一対のカード係合爪91、92を同期させてスライドさせることにより、カードC1が傾いた状態に押し出されて、カードC1の搬送を円滑に行うことができなくなるという不具合も回避できる。
【0048】
さらに、各カード係合爪91、92はカードC1のカード表面に対して接近および離れる方向に移動可能な状態でスライダ96に取り付けられ、圧縮コイルバネ93、94によってカード表面に押し付けられている。したがって、各カード係合爪91、92は常にカード表面に当接して、カード係合爪91、92とカードC1との相対位置が当該カードC1の変形の有無に拘わりなく常に一定に保持される。これにより、カード係合爪91、92を常にカード後端面に係合した状態に保持でき、カードC1の押し出し動作を確実に行うことができる。
【0049】
これに加えて、一対のカード係合爪91、92は、カード押し出し方向に直交する方向(上下方向)において対称の位置に配置されている。したがって、カードC1が上側あるいは下側に傾くことなく前方に向けて正しい姿勢で押し出されるので、カードを円滑に繰り出すことができる。
【0050】
(カード処理動作)
次に、図5はカード処理装置1におけるカード送り出し動作を示す説明図であり、図6はカード処理装置1における待機状態からカード取り込み完了までの動作を示す説明図である。これらの図を参照して、カード処理装置1によるカード処理動作を説明する。まず、図5(a1)〜(a3)に示すように、電源オフ状態においてカードスタッカ14内に複数枚の収納カードC(14)が収納された状態にあるものとする。この状態では、カードスタッカ14内の収納カードC(14)はカード押し上げ板41によって第1搬送路面15の後側搬送路面部分15aの側に押し上げられており、その最も上側に位置する最上位のカードC1が後側搬送路面部分15aと、ここからカードスタッカ14内に僅かに外周面が露出している第2搬送ローラー22に押し付けられている。また、最上位のカードC1の搬送路搬入方向の先端側の端面Caには一対のカード係合爪91、92が付勢され、これらが、カード先端側の端面Caに後側から係合している。
【0051】
電源がオンされると、図5(b1)、(b2)に示すように、収納カード繰り出し機構90の一対のカード係合爪91、92が前方にスライドを開始し、これらが係合しているカードスタッカ14内の最上位のカードC1が前方に押し出される。これと同時に、カード搬送機構20が駆動され、第1、第2搬送ローラー21、22が反時計回りに回転を開始する。この結果、カードC1が、それ以外のカードC(14)から分離されてカードスタッカ14からカード搬送路13に送り出される。カードC1が所定距離だけ送り出された後はスライダ96が後退して元の位置に戻る。これに対して、搬送ローラー21、22の回転は継続され、カードC1が継続して送り出される。
【0052】
送り出されたカードC1の送り出し側の端面Cbが一対のフォトセンサ32、33の間に位置する状態にまで前進すると、当該カードC1の搬送が止まる。これにより、カードC1はカードリードライト位置に位置決めされる。この結果、図6(a1)、(a2)に示す待機状態が形成される。この状態では、第1、第2搬送ローラー21、22の双方が、カードリードライト位置にあるカードC1に当接している。
【0053】
待機状態にあるカード処理装置1において、図6(b1)、(b2)に示すように、カード挿入排出口12からカードC2が挿入されると、当該カードC2の挿入が入口レバー31によって検知される。カード挿入が検知されると、カード搬送機構20が駆動され、カード搬送路13上のカードリードライト位置に保留されているカードC1を第1、第2搬送ローラー21、22によってカードスタッカ14の収納位置まで戻す。
【0054】
フォトセンサ35によってカードC1がカードスタッカ14内に戻ったことが検知されると、図6(c1)、(c2)に示すように、入口シャッター26が開き、カードC2を第1搬送ローラー21のニップ位置まで挿入可能になる。カードC2を押し込むと、回転している第1搬送ローラー21によってカードC2が取り込まれ、カード搬送路13に沿って後側に向けて搬送される。
【0055】
ここで、第1搬送ローラー21のニップ部に配置されているフォトセンサ34によってカードC2の取り込みが検知されると、カードスタッカ14においてはカード押し下げ部材43、44がカードスタッカ14内に突出して、収納カードCを第1搬送路面15から離れる方向に押し込む。この結果、図6(d1)、(d2)に示すように、カードスタッカ14において、後側搬送路面部分15aの側には、取り込まれたカードC2を挿入可能な隙間が形成される。取り込まれたカードC2の送り込み側の先端部分がカードスタッカ14内に挿入され、その送り込み方向の後側の端面Cbが一対のフォトセンサ32、33の間に至ると、カード搬送が止まり、カード取り込みが完了する。
【0056】
このようにしてカードリードライト位置に取り込まれたカードC2に対する情報のリードライトが行われる。取り込まれたカードC2の搬送路搬入方向の先端側の端面Caは、カード押し下げ位置に突出している一対のカード押し下げ部材43、44に当たり、カードリードライト位置に位置決めされる。したがって、カード押し下げ部材43、44は、取り込まれたカードC2をカードリードライト位置に位置決めするためのストッパとしても機能する。
【符号の説明】
【0057】
1 カード処理装置
2 装置本体ユニット
3 開閉ユニット
3a 上面部分
3b 下面部分
3c 側面
3d 前端面
3e 切り欠き部
4 凹部
4a 下面部分
4b 上面部分
5 開閉中心軸線
6 入口ガイドユニット
7 固定ネジ

11 前端面
12 カード挿入排出口
13 カード搬送路
13A 入口側カード搬送路
13B カード搬送路
13b 後端
14 カードスタッカ
14a スタッカ開口部
15 第1搬送路面
15a 後側搬送路面部分
16、17 第2搬送路面部分

20 カード搬送機構
21 第1搬送ローラー
22 第2搬送ローラー
22A 当接位置
23 アイドラローラー
24 駆動モーター
25 歯車列
26 入口シャッター
27 回路基板
28 RFアンテナ

31 入口レバー
32、33 フォトセンサ
34 フォトセンサ
35 フォトセンサ

41 カード押し上げ板(カード押し上げ部材)
42 圧縮コイルバネ(付勢部材)
42A カード押し上げ位置
43、44 カード押し下げ部材
43A カード押し下げ位置

90 収納カード繰り出し機構
91、92 カード係合爪
91a、92a 当接面部分
93、94 圧縮コイルバネ
95 爪スライド機構
96 スライダ
97 DCモーター
98 動力伝達機構
98a ギアボックス
98b カムギア
98c 揺動リンク

C カード
C(28) リードライト対象のカード
C(14) 収納カード
C1 最も上に収納されているカード
C2 挿入されたカード
Ca、C1a カードの端面
Cb カードの端面
ΔL カードの重なり寸法
L(1) 装置前後方向の長さ寸法
L(12) カード挿入排出口からの長さ寸法
L(13) カード搬送路の長さ寸法
L(14) カード挿入排出口からカードスタッカ後端までの長さ寸法
L(C) カードの搬送方向の長さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード挿入排出口と、
カードを厚さ方向に積層状態で収納可能なカードスタッカと、
前記カード挿入排出口から前記カードスタッカに至るカード搬送路と、
前記カード搬送路に沿ってカードを搬送するカード搬送機構とを有し、
前記カード搬送路は、カードを1枚ずつ搬送可能な間隔で対峙している第1搬送路面および第2搬送路面によって規定される直線状の搬送路であり、前記第1搬送路面は前記第1搬送路面の後端よりも後方に延びている後側搬送路面部分を備えており、
前記カードスタッカは、
前記第1搬送路面の前記後側搬送路面部分に対して接近および離れる方向に移動可能なカード押し上げ部材と、
このカード押し上げ部材を前記後側搬送路面部分に向けて付勢している付勢部材と、
前記後側搬送路面部分の側に後退した後退位置から、当該後側搬送路面部分から前記カード押し上げ部材の側に向けて少なくともカード1枚の厚さ分だけ突出したカード押し下げ位置までの間を移動可能なカード押し下げ部材とを備え、
前記カード押し下げ部材を突出させることにより、前記後側搬送路面部分と前記収納カードの間に、前記カード搬送路の側からカードを送り込むための隙間が形成されることを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記カードスタッカの収納カードを前記カード搬送路に送り出すカード送り出し方向に沿って見た場合に、
前記カード押し上げ部材に対する前記付勢部材の付勢位置は、当該カード押し上げ部材の中央位置または当該中央位置よりも後方の位置であり、
前記カード押し下げ部材による押し下げ位置は、前記付勢部材の前記付勢位置よりも前方の位置であることを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記カード搬送路上のリードライト位置にあるカードに対して情報のリードライトを行うリードライト部を有しており、
前記リードライト位置は、リードライト対象のカードにおける前記カードスタッカ側の先端部分が、前記カードスタッカ内の前記収納カードと前記後側搬送路面部分の間に差し込まれた状態の位置であり、
前記カード押し下げ部材は、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記リードライト位置にあるカードの先端よりも後方に配置されていることを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記カード押し下げ部材は、前記カード押し下げ位置に突出した状態において、リードライト対象のカードを前記リードライト位置に位置決めするための位置決め部材として機能することを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。
【請求項5】
請求項3または4において、
前記カード搬送機構は、前記カードスタッカの前記後側搬送路面部分に配置した搬送ローラーを備えており、
前記搬送ローラーは、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記カード押し下げ部材よりも前方に位置していることを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記カードスタッカは、前記収納カードのうち最も上に積層されている最上位カードを、前記後側搬送路面部分に沿って前記カード搬送路に押し出す収納カード繰り出し機構を有し、
前記収納カード繰り出し機構は、前記カード送り出し方向に沿って見た場合に、前記最上位カードの後側の端面に対して、カード厚さ方向に直交する方向に離れた位置において係合可能な複数のカード係合爪と、前記カード係合爪のそれぞれを前記カード送り出し方向に押し出す爪スライド機構とを備えており、
前記カード係合爪は、前記後側搬送路面部分の後端部分において、当該後側搬送路面部分の表面から前記カード押し上げ部材の側に突出しており、
前記収納カード繰り出し機構による前記最上位カードの押し出し動作に連動して前記搬送ローラーが回転して当該最上位カードが前記カード搬送路に送り出されることを特徴とするカードスタッカを備えたカード処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−230485(P2012−230485A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97278(P2011−97278)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】