カードデータ処理装置
【目的】 カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復する。
【構成】 カード端末機12はプリペイドカードの磁気ストライプ部に記録されているカードデータとは異なる他の記録方式によってカード記録されているIRバーデータを読み取る。ホストコンピュータ13にはカード別にカードデータ(カードID、カード残金)とIRバーデータとを対応付けて記憶するカード使用履歴ファイル13−2が設けられている。カード処理実行時にカードデータが正常であれば、その処理結果がカードの他、カード使用履歴ファイル13−2に書き込まれるが、正常データでなければ、カード使用履歴ファイル13−2内のデータをカードに書き込み、カード上のデータを修復する。
【構成】 カード端末機12はプリペイドカードの磁気ストライプ部に記録されているカードデータとは異なる他の記録方式によってカード記録されているIRバーデータを読み取る。ホストコンピュータ13にはカード別にカードデータ(カードID、カード残金)とIRバーデータとを対応付けて記憶するカード使用履歴ファイル13−2が設けられている。カード処理実行時にカードデータが正常であれば、その処理結果がカードの他、カード使用履歴ファイル13−2に書き込まれるが、正常データでなければ、カード使用履歴ファイル13−2内のデータをカードに書き込み、カード上のデータを修復する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プリペイドカードシステム等のカードデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリペイドカードにはカードID、残金等を磁気的に記録する磁気ストライプ部が設けられており、カード端末装置はこの磁気ストライプ部からカードデータ(カードID、残金等)を読み取って処理すると共にその処理結果を磁気ストライプ部に書き込んでカードデータ(残金)の更新を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カードの一部破損や信号消去でデータが壊れた場合には、当該カードは使用不能となる。特に、カード残高の目安であるカード印刷やパンチ穴を形成せずに反復使用を可能としたオンバリュー方式を採用する社員食堂システムにあってはカードデータが壊れると残高返却等の後処理も不可能となってしまう。この原因はプリペイドカードの磁気ストライプ部に記録されているデータのみに依存していることにある。してみれば、カードデータをカードのみに限らず、他の記録媒体にも書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカードデータを修復することができれば、一時的にカードデータが壊れてもそのカードを反復して使用することが可能となると共に、残金返却等の後処理も確実に行い得るようになることは明らかである。この発明の課題は、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の手段は次の通りである。識別データ読み取り手段1(図1の機能ブロック図を参照、以下同じ)は、カード上の磁気ストライプ部等に記録されているカードデータとは異なる他の記録方式によって予めカード上に固定的に記録されているカード識別データ(読み取りのみ可能なデータ)をカードから読み取る光学的なバーコード読取装置等である。ここで、カード識別データとしては例えばIRバーデータ等のカード固有のコードデータで、予めカード上に印刷形成されている。管理情報記憶手段2はカード別にカードデータとカード識別データとを対応付けてカード管理情報として記憶するカード使用履歴ファイル等である。判別手段3はカードデータが読み取られて処理される際に、カードデータが正常か否かの判別を行うCPU等である。カードデータ更新手段4はこの判別手段3によって正常データであることが判別された場合には、カードデータの処理結果をカードに書き込む他に管理情報記憶手段2に書き込むことによりカードデータの更新を行う。ここで、カードデータの更新とはカードデータを新しいデータに書き換える場合の他、カードが使用される毎にその時のカードデータを順次記憶保持させてゆく場合を含む。カードデータ修復手段5は判別手段3によって正常データでないことが判別された場合には識別データ読み取り手段1によって読み取られたカード識別データに基づいて管理情報記憶手段2を検索し、該当するカードデータをカードに書き込むことによりカードデータの修復を行う。
【0005】
【作用】この発明の手段の作用は次の通りである。いま、プリペイドカードシステムにおいて、プリペイドカードからカードIDや残金等のカードデータが読み取られて処理される際に、判別手段3はカードデータが正常か否かを判別する。この結果、正常であれば、カードデータの処理結果をカードと共に管理情報記憶手段2に書き込んでカードデータの更新を行う。これによって、カード上のデータと管理情報記憶手段2内の対応するカードデータとの整合が図られ同一データとなる。一方、正常データでなければ、カードデータ修復手段5は識別データ読み取り手段1によって読み取られたカード識別データに基づいて管理情報記憶手段2を検索し、該当するカードデータを管理情報記憶手段2から読み出してカード上に書き込むことによってカードデータの修復を行う。したがって、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復することができる。
【0006】
【実施例】以下、図2〜図11を参照して一実施例を説明する。図2は社員食堂におけるプリペイドカードシステムを示したシステム構成図である。このシステム内のカード発券機11はプリペイドカードを新規発行する処理と追加発行する処理を行う。ここで、追加発行処理とは既に発行済のプリペイドカード上の残金に新たに支払われた金額を加算することによってカード残金の更新を行うものである。これによってプリペイドカードの反復使用が可能となり、社員食堂システムにおいて有効な仕様となっている。
【0007】カード端末機12はメニュー毎に設定されているもので、プリペイドカードが挿入されると、カードデータを読み取って処理し、その処理結果をカードに書き込むことによってカード残金から料金を自動的に支払う処理を行う。この場合、各カード端末機12はカードデータが正常か否かを判別し、その結果、正常でなければホストコンピュータ13との間でデータの授受を行ってカード上のデータを修復する処理を行う。
【0008】ホストコンピュータ13はカード発券機11における発券データ、各カード端末機12における売上データを集計して管理する管理ファイル13−1の他にカード使用履歴ファイル13−2が設けられている。このカード使用履歴ファイル13−2は図3に示す如く構成されている。即ち、カード使用履歴ファイル13−2はカード別にIRバーデータ、カードID、残金を記憶する構成で、IRバーデータはカード固有のバーコードデータで、図4に示す如く、カード上の所定領域内に印刷形成されている。また、カードID、残金は図4に示す如く、カード上の磁気ストライプ部に記録されているカードデータである。
【0009】図5はカード発券機11あるいは各カード端末機12のハードブロック図である。なお、カード発券機11、カード端末機12は略同様に構成されている為、以下、カード端末機12の構成のみ説明し、カード発券機11の構成は省略するものとする。CPU12−1は演算部AL、制御部CTを有し、ROM12−2内の各種プログラムにしたがってこのカード端末機12の全体動作を制御するもので、その周辺デバイスとしてCPU12−1には表示部12−3、光学的読み取り装置12−4、磁気的読み取り/書き込み装置12−5、ホスト通信用インターフェイス12−6が接続されている。ここで、光学的読み取り装置12−4はプリペイドカードからIRバーデータを読み取るもので、これによって読み取られたIRバーデータはCPU12−1に取り込まれたのち、RAM12−7内のワークメモリWKに格納される。磁気的読み取り/書き込み装置12−5はプリペイドカードの磁気ストライプ部からカードデータを読み取ったり、CPU12−1によって処理されたカードデータをプリペイドカードの磁気ストライプ部に書き込む。なお、図中カッコ内の符号はカード発券機11に対応するものである。
【0010】次に、本実施例の動作を説明する。先ず、カード発券機11の動作を図6、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。図6はプリペイドカードを新規に発行する場合の動作を示したもので、先ず、カード発券機11は挿入された紙幣分の金額をプリペイドカードの磁気ストライプ部に書き込む(ステップA1)。次に、磁気的読み取り/書き込み装置11−5はこのカード上の磁気ストライプ部からカードデータ(カードID、残金)を読み取り、また、光学的読み取り装置11−4はこのカード上からIRバーデータを読み取る(ステップA2)。これによって読み取られたIRバーデータ、カードID、残金はホスト通信用インターフェイス11−6からホストコンピュータ13に送信される(ステップA3)。その後、新規発行カードとしてカードの排出が行われる(ステップA4)。
【0011】図7はカード発券機11における追加発行処理を示したフローチャートである。先ず、既に発行済のカードが挿入されると、磁気的読み取り/書き込み装置11−5はそのカードからカードデータを読み取ってCPU11−1に与えると共にCPU11−1はこのカードデータが正常か否かをチェックする為にパリティビットチェックを行う(ステップB1)。この結果、正常データであればステップB2でそのことが検出されてステップB6に進み、挿入された紙幣分の金額をカード残金に加算してその結果をカードに書き込む。次いで、光学的読み取り装置11−4がIRバーデータを読み取ると(ステップB7)、CPU11−1はIRバーデータをカードID、残金と共にホスト通信用インターフェイス11−6からホストコンピュータ13に送信する(ステップB8)。その後、追加発行カードとしてカードの排出が行われる。
【0012】一方、カードデータが正常でなければステップB2でそのことが検出されてステップB3に進み、IRバーデータを読み取ってホストコンピュータ13に送信し、リカバリー・データの要求を行う。これに応答してホストコンピュータ13からIRバーデータと共にカードID、カード残金が送信されて来ると(ステップB4)、これを受信してカードにカードID、カード残金を書き込んでカードデータの修復を行う(ステップB5)。その後、通常と同様の処理を続行する為にステップB6に進み、以下、ステップB7〜B9の処理が行われる。
【0013】次に、カード端末機12の動作を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図8のフローチャートは図7と略同様であるのでその説明を簡単に行うものとする。先ず、料金をカードで支払う為にプリペイドカードが挿入されると、磁気的読み取り/書き込み装置12−5はそのカードからカードデータを読み取り、CPU12−1はこのカードデータに基づいてパリティビットチェックを行う(ステップC1)。この結果、正常データであれば、ステップC6に進み、メニュー金額(料金)をカード残高から減算してその結果をカードに書き込む。次いで、光学的読み取り装置12−4がIRバーデータを読み取ると(ステップC7)、CPU12−1はこのIRバーデータをカードID、カード残高と共にホストコンピュータ13に送信し(ステップC8)、カードの排出を行う(ステップC9)。一方、カードが正常でなければ、IRバーデータをホストコンピュータ13に送信し(ステップC3)、これに応答してホストコンピュータ13からIRバーデータ、カードID、カード残高を受け取ると(ステップC4)、カードにカードID、カード残金を書き込む(ステップC5)。このようにしてカードデータの修復を行ったのち、通常の処理に進む(ステップC6〜C9)。
【0014】図9、図10はホストコンピュータ13の動作を示したフローチャートである。図9はカード発券機11あるいはカード端末機12からリカバリー要求を受け取った際に動作するリカバリー送信処理を示したフローチャートである。即ち、カード発券機11あるいはカード端末機12からリカバリー要求としてIRバーデータが送信されて来ると、ホストコンピュータ13はこれを受信してカード使用履歴ファイル13−2を検索する(ステップD1)。このカード使用履歴ファイル13−2は図3に示す如くIRバーデータに対応してカードID、カード残金をカード別に記憶するもので、受信したIRバーデータに対応するカードID、カード残高をカード使用履歴ファイル13−2から割り出し(ステップD2)、リカバリー要求元へ送信する(ステップD3)。
【0015】図10はカード発券機11あるいはカード端末機12からIRバーデータと共にカードID、カード残金が送信されて来た際にそれをカード使用履歴ファイル13−2に登録する際の動作を示したフローチャートである。先ず、カード発券機11あるいはカード端末機12から送信された来たIRバーデータを受信すると、これに基づいてカード使用履歴ファイル13−2をサーチし(ステップE1)、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2内に既に格納されているか否かをチェックする(ステップE2)。ここで、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2に有れば、そのエリアにカードID、カード残金を書き込む(ステップE3)。図11の(A)はこの場合の状態を示した図で、これによってカード残金の更新が行われる。一方、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2内に無ければ、カード使用履歴ファイル13−2の最終レコードに続く次の空エリアにIRバーデータと共にカードID、カード残金を書き込む(ステップE4)。図11の(B)はこの場合の状態を示し、これによって新規発行カードに関するデータがカード使用履歴ファイル13−2に追加登録されることになる。
【0016】なお、上記実施例は社員食堂システムについて適用したが、勿論、スタンドアローンタイプのECR等でも適用可能である。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復することができるので、一時的にカード上のデータが壊れてもそのカードを反復して使用することが可能となると共に残金返却等の後処理も確実に行い得る等、極めて実用性に富んだカードデータ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の機能ブロック図。
【図2】実施例に係る社員食堂システムのシステム構成図。
【図3】ホストコンピュータ13に備えられているカード使用履歴ファイル13−2の構成図。
【図4】プリペイドカードの構成図。
【図5】カード端末機12(カード発券機11)の構成を示したハードブロック図。
【図6】カード発券機11において新規カード発行処理を示したフローチャート。
【図7】カード発券機11において追加発行処理を示したフローチャート。
【図8】カード端末機12においてカード支払い処理を示したフローチャート。
【図9】ホストコンピュータ13においてリカバリー送信処理を示したフローチャート。
【図10】ホストコンピュータ13においてカード使用履歴ファイル13−2への登録処理を示したフローチャート。
【図11】カード使用履歴ファイル13−2への登録例を示し、(A)はIRバーデータが存在するとき、(B)はIRバーデータが存在しないときの登録状態を示した図。
【符号の説明】
11 カード発券機
12 カード端末機
13 ホストコンピュータ
13−1 管理ファイル
13−2 カード使用履歴ファイル
11−4、12−4 光学的読み取り装置
11−5、12−5 磁気的読み取り/書き込み装置
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プリペイドカードシステム等のカードデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリペイドカードにはカードID、残金等を磁気的に記録する磁気ストライプ部が設けられており、カード端末装置はこの磁気ストライプ部からカードデータ(カードID、残金等)を読み取って処理すると共にその処理結果を磁気ストライプ部に書き込んでカードデータ(残金)の更新を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カードの一部破損や信号消去でデータが壊れた場合には、当該カードは使用不能となる。特に、カード残高の目安であるカード印刷やパンチ穴を形成せずに反復使用を可能としたオンバリュー方式を採用する社員食堂システムにあってはカードデータが壊れると残高返却等の後処理も不可能となってしまう。この原因はプリペイドカードの磁気ストライプ部に記録されているデータのみに依存していることにある。してみれば、カードデータをカードのみに限らず、他の記録媒体にも書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカードデータを修復することができれば、一時的にカードデータが壊れてもそのカードを反復して使用することが可能となると共に、残金返却等の後処理も確実に行い得るようになることは明らかである。この発明の課題は、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の手段は次の通りである。識別データ読み取り手段1(図1の機能ブロック図を参照、以下同じ)は、カード上の磁気ストライプ部等に記録されているカードデータとは異なる他の記録方式によって予めカード上に固定的に記録されているカード識別データ(読み取りのみ可能なデータ)をカードから読み取る光学的なバーコード読取装置等である。ここで、カード識別データとしては例えばIRバーデータ等のカード固有のコードデータで、予めカード上に印刷形成されている。管理情報記憶手段2はカード別にカードデータとカード識別データとを対応付けてカード管理情報として記憶するカード使用履歴ファイル等である。判別手段3はカードデータが読み取られて処理される際に、カードデータが正常か否かの判別を行うCPU等である。カードデータ更新手段4はこの判別手段3によって正常データであることが判別された場合には、カードデータの処理結果をカードに書き込む他に管理情報記憶手段2に書き込むことによりカードデータの更新を行う。ここで、カードデータの更新とはカードデータを新しいデータに書き換える場合の他、カードが使用される毎にその時のカードデータを順次記憶保持させてゆく場合を含む。カードデータ修復手段5は判別手段3によって正常データでないことが判別された場合には識別データ読み取り手段1によって読み取られたカード識別データに基づいて管理情報記憶手段2を検索し、該当するカードデータをカードに書き込むことによりカードデータの修復を行う。
【0005】
【作用】この発明の手段の作用は次の通りである。いま、プリペイドカードシステムにおいて、プリペイドカードからカードIDや残金等のカードデータが読み取られて処理される際に、判別手段3はカードデータが正常か否かを判別する。この結果、正常であれば、カードデータの処理結果をカードと共に管理情報記憶手段2に書き込んでカードデータの更新を行う。これによって、カード上のデータと管理情報記憶手段2内の対応するカードデータとの整合が図られ同一データとなる。一方、正常データでなければ、カードデータ修復手段5は識別データ読み取り手段1によって読み取られたカード識別データに基づいて管理情報記憶手段2を検索し、該当するカードデータを管理情報記憶手段2から読み出してカード上に書き込むことによってカードデータの修復を行う。したがって、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復することができる。
【0006】
【実施例】以下、図2〜図11を参照して一実施例を説明する。図2は社員食堂におけるプリペイドカードシステムを示したシステム構成図である。このシステム内のカード発券機11はプリペイドカードを新規発行する処理と追加発行する処理を行う。ここで、追加発行処理とは既に発行済のプリペイドカード上の残金に新たに支払われた金額を加算することによってカード残金の更新を行うものである。これによってプリペイドカードの反復使用が可能となり、社員食堂システムにおいて有効な仕様となっている。
【0007】カード端末機12はメニュー毎に設定されているもので、プリペイドカードが挿入されると、カードデータを読み取って処理し、その処理結果をカードに書き込むことによってカード残金から料金を自動的に支払う処理を行う。この場合、各カード端末機12はカードデータが正常か否かを判別し、その結果、正常でなければホストコンピュータ13との間でデータの授受を行ってカード上のデータを修復する処理を行う。
【0008】ホストコンピュータ13はカード発券機11における発券データ、各カード端末機12における売上データを集計して管理する管理ファイル13−1の他にカード使用履歴ファイル13−2が設けられている。このカード使用履歴ファイル13−2は図3に示す如く構成されている。即ち、カード使用履歴ファイル13−2はカード別にIRバーデータ、カードID、残金を記憶する構成で、IRバーデータはカード固有のバーコードデータで、図4に示す如く、カード上の所定領域内に印刷形成されている。また、カードID、残金は図4に示す如く、カード上の磁気ストライプ部に記録されているカードデータである。
【0009】図5はカード発券機11あるいは各カード端末機12のハードブロック図である。なお、カード発券機11、カード端末機12は略同様に構成されている為、以下、カード端末機12の構成のみ説明し、カード発券機11の構成は省略するものとする。CPU12−1は演算部AL、制御部CTを有し、ROM12−2内の各種プログラムにしたがってこのカード端末機12の全体動作を制御するもので、その周辺デバイスとしてCPU12−1には表示部12−3、光学的読み取り装置12−4、磁気的読み取り/書き込み装置12−5、ホスト通信用インターフェイス12−6が接続されている。ここで、光学的読み取り装置12−4はプリペイドカードからIRバーデータを読み取るもので、これによって読み取られたIRバーデータはCPU12−1に取り込まれたのち、RAM12−7内のワークメモリWKに格納される。磁気的読み取り/書き込み装置12−5はプリペイドカードの磁気ストライプ部からカードデータを読み取ったり、CPU12−1によって処理されたカードデータをプリペイドカードの磁気ストライプ部に書き込む。なお、図中カッコ内の符号はカード発券機11に対応するものである。
【0010】次に、本実施例の動作を説明する。先ず、カード発券機11の動作を図6、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。図6はプリペイドカードを新規に発行する場合の動作を示したもので、先ず、カード発券機11は挿入された紙幣分の金額をプリペイドカードの磁気ストライプ部に書き込む(ステップA1)。次に、磁気的読み取り/書き込み装置11−5はこのカード上の磁気ストライプ部からカードデータ(カードID、残金)を読み取り、また、光学的読み取り装置11−4はこのカード上からIRバーデータを読み取る(ステップA2)。これによって読み取られたIRバーデータ、カードID、残金はホスト通信用インターフェイス11−6からホストコンピュータ13に送信される(ステップA3)。その後、新規発行カードとしてカードの排出が行われる(ステップA4)。
【0011】図7はカード発券機11における追加発行処理を示したフローチャートである。先ず、既に発行済のカードが挿入されると、磁気的読み取り/書き込み装置11−5はそのカードからカードデータを読み取ってCPU11−1に与えると共にCPU11−1はこのカードデータが正常か否かをチェックする為にパリティビットチェックを行う(ステップB1)。この結果、正常データであればステップB2でそのことが検出されてステップB6に進み、挿入された紙幣分の金額をカード残金に加算してその結果をカードに書き込む。次いで、光学的読み取り装置11−4がIRバーデータを読み取ると(ステップB7)、CPU11−1はIRバーデータをカードID、残金と共にホスト通信用インターフェイス11−6からホストコンピュータ13に送信する(ステップB8)。その後、追加発行カードとしてカードの排出が行われる。
【0012】一方、カードデータが正常でなければステップB2でそのことが検出されてステップB3に進み、IRバーデータを読み取ってホストコンピュータ13に送信し、リカバリー・データの要求を行う。これに応答してホストコンピュータ13からIRバーデータと共にカードID、カード残金が送信されて来ると(ステップB4)、これを受信してカードにカードID、カード残金を書き込んでカードデータの修復を行う(ステップB5)。その後、通常と同様の処理を続行する為にステップB6に進み、以下、ステップB7〜B9の処理が行われる。
【0013】次に、カード端末機12の動作を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図8のフローチャートは図7と略同様であるのでその説明を簡単に行うものとする。先ず、料金をカードで支払う為にプリペイドカードが挿入されると、磁気的読み取り/書き込み装置12−5はそのカードからカードデータを読み取り、CPU12−1はこのカードデータに基づいてパリティビットチェックを行う(ステップC1)。この結果、正常データであれば、ステップC6に進み、メニュー金額(料金)をカード残高から減算してその結果をカードに書き込む。次いで、光学的読み取り装置12−4がIRバーデータを読み取ると(ステップC7)、CPU12−1はこのIRバーデータをカードID、カード残高と共にホストコンピュータ13に送信し(ステップC8)、カードの排出を行う(ステップC9)。一方、カードが正常でなければ、IRバーデータをホストコンピュータ13に送信し(ステップC3)、これに応答してホストコンピュータ13からIRバーデータ、カードID、カード残高を受け取ると(ステップC4)、カードにカードID、カード残金を書き込む(ステップC5)。このようにしてカードデータの修復を行ったのち、通常の処理に進む(ステップC6〜C9)。
【0014】図9、図10はホストコンピュータ13の動作を示したフローチャートである。図9はカード発券機11あるいはカード端末機12からリカバリー要求を受け取った際に動作するリカバリー送信処理を示したフローチャートである。即ち、カード発券機11あるいはカード端末機12からリカバリー要求としてIRバーデータが送信されて来ると、ホストコンピュータ13はこれを受信してカード使用履歴ファイル13−2を検索する(ステップD1)。このカード使用履歴ファイル13−2は図3に示す如くIRバーデータに対応してカードID、カード残金をカード別に記憶するもので、受信したIRバーデータに対応するカードID、カード残高をカード使用履歴ファイル13−2から割り出し(ステップD2)、リカバリー要求元へ送信する(ステップD3)。
【0015】図10はカード発券機11あるいはカード端末機12からIRバーデータと共にカードID、カード残金が送信されて来た際にそれをカード使用履歴ファイル13−2に登録する際の動作を示したフローチャートである。先ず、カード発券機11あるいはカード端末機12から送信された来たIRバーデータを受信すると、これに基づいてカード使用履歴ファイル13−2をサーチし(ステップE1)、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2内に既に格納されているか否かをチェックする(ステップE2)。ここで、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2に有れば、そのエリアにカードID、カード残金を書き込む(ステップE3)。図11の(A)はこの場合の状態を示した図で、これによってカード残金の更新が行われる。一方、該当するIRバーデータがカード使用履歴ファイル13−2内に無ければ、カード使用履歴ファイル13−2の最終レコードに続く次の空エリアにIRバーデータと共にカードID、カード残金を書き込む(ステップE4)。図11の(B)はこの場合の状態を示し、これによって新規発行カードに関するデータがカード使用履歴ファイル13−2に追加登録されることになる。
【0016】なお、上記実施例は社員食堂システムについて適用したが、勿論、スタンドアローンタイプのECR等でも適用可能である。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、カードに限らず他の記録媒体にもカードデータを書き込んでおき、カードから読み取ったデータが正常でない場合にはこの記録媒体内のデータに基づいてカード上のデータを修復することができるので、一時的にカード上のデータが壊れてもそのカードを反復して使用することが可能となると共に残金返却等の後処理も確実に行い得る等、極めて実用性に富んだカードデータ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の機能ブロック図。
【図2】実施例に係る社員食堂システムのシステム構成図。
【図3】ホストコンピュータ13に備えられているカード使用履歴ファイル13−2の構成図。
【図4】プリペイドカードの構成図。
【図5】カード端末機12(カード発券機11)の構成を示したハードブロック図。
【図6】カード発券機11において新規カード発行処理を示したフローチャート。
【図7】カード発券機11において追加発行処理を示したフローチャート。
【図8】カード端末機12においてカード支払い処理を示したフローチャート。
【図9】ホストコンピュータ13においてリカバリー送信処理を示したフローチャート。
【図10】ホストコンピュータ13においてカード使用履歴ファイル13−2への登録処理を示したフローチャート。
【図11】カード使用履歴ファイル13−2への登録例を示し、(A)はIRバーデータが存在するとき、(B)はIRバーデータが存在しないときの登録状態を示した図。
【符号の説明】
11 カード発券機
12 カード端末機
13 ホストコンピュータ
13−1 管理ファイル
13−2 カード使用履歴ファイル
11−4、12−4 光学的読み取り装置
11−5、12−5 磁気的読み取り/書き込み装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】カードデータを読み取って処理すると共にその処理結果をカードに書き込んでカードデータの更新を行うカードデータ処理装置において、前記カードデータとは異なる他の記録方式によって予めカード上に固定的に記録されているカード識別データをカードから読み取る識別データ読み取り手段と、カード別に前記カードデータとカード識別データとを対応付けてカード管理情報として記憶する管理情報記憶手段と、前記カードデータが読み取られて処理される際に、カードデータが正常か否かを判別する判別手段と、この判別手段によって正常データであることが判別された場合には、カードデータの処理結果をカードに書き込む他に前記管理情報記憶手段に書き込むことによりカードデータの更新を行うカードデータ更新手段と、前記判別手段によって正常データでないことが判別された場合には前記識別データ読み取り手段によって読み取られたカード識別データに基づいて前記管理情報記憶手段を検索し、該当するカードデータをカードに書き込むことによりカードデータの修復を行うカードデータ修復手段と、を具備したことを特徴とするカードデータ処理装置。
【請求項1】カードデータを読み取って処理すると共にその処理結果をカードに書き込んでカードデータの更新を行うカードデータ処理装置において、前記カードデータとは異なる他の記録方式によって予めカード上に固定的に記録されているカード識別データをカードから読み取る識別データ読み取り手段と、カード別に前記カードデータとカード識別データとを対応付けてカード管理情報として記憶する管理情報記憶手段と、前記カードデータが読み取られて処理される際に、カードデータが正常か否かを判別する判別手段と、この判別手段によって正常データであることが判別された場合には、カードデータの処理結果をカードに書き込む他に前記管理情報記憶手段に書き込むことによりカードデータの更新を行うカードデータ更新手段と、前記判別手段によって正常データでないことが判別された場合には前記識別データ読み取り手段によって読み取られたカード識別データに基づいて前記管理情報記憶手段を検索し、該当するカードデータをカードに書き込むことによりカードデータの修復を行うカードデータ修復手段と、を具備したことを特徴とするカードデータ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開平5−166013
【公開日】平成5年(1993)7月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−361563
【出願日】平成3年(1991)12月18日
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【公開日】平成5年(1993)7月2日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)12月18日
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
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