説明

カードリーダライタ

【課題】挿入されているカードが不用意に引き抜かれることを確実に防止可能な機構を備えた小型でコンパクトなカードリーダライタを提案すること。
【解決手段】ICカードリーダライタ1では、カード挿入口4からICカード10を挿入して押し込むと、当該ICカード10を受け入れたカードホルダ20がICカード10と共に押し込まれて、その後端位置まで移動する。カードホルダ20が後端位置まで移動すると、ホルダロックアーム31がロック位置に移動してカードホルダをロックする。同時に、カードホルダ20の移動に連動して、引抜防止シャッタ40が退避位置から引抜防止位置に移動し、ロック位置に移動したホルダロックアーム31のシャッタロック用突起31bによって、当該引抜防止位置にロックされる。よって、引抜防止シャッタ40はガタ付き無く引抜防止位置に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の貸し出し処理をカード型記憶媒体を用いたプリペイド方式により行う場合などに用いられるカードリーダライタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICメモリチップが内蔵されたICカードを用いてプリペイド方式により遊技媒体の貸し出し処理を行うことのできる遊技台用台間機が知られている。かかる遊技台用台間機では、ICカードに対して情報の読み書き処理を行うためのカードリーダライタが組み込まれており、例えば、利用者が紙幣などの金銭を投入すると、カードリーダライタによって投入金額がICカードに書き込まれた後に、当該ICカードが発行されるようになっている。
【0003】
特許文献1にはICカードの読み書きを行うためのICカードリーダライタが開示されており、ここでは、ICカードをカード出入口に挿入すると、駆動モータが駆動して送りローラ対によってICカードが自動挿入され、内部に挿入されたICカードを排出する場合にも送りローラ対によって指で挟んで取り出せる位置までICカードが自動排出されるようになっている。
【特許文献1】特開平8−255229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技台用台間機は、遊技台の間の狭いスペースに配置されるので、設置スペースに余裕がない。したがって、このような設置スペースに制約のある機器に組み込まれるカードリーダライタも可能な限り、小型でコンパクトなものとすることが望ましい。
【0005】
特許文献1に開示のICカードリーダライタのように、送りローラ対、駆動モータなどのカード自動搬送機構が備わっていると、小型・コンパクト化が困難である。したがって、カード自動搬送機構を省略して、手動操作によってカードを挿入する形式のカードリーダライタを用いることが望ましい。
【0006】
ここで、カード自動搬送機構が備わっていないカードリーダライタでは、挿入されたカードが、読み書き動作中にカード挿入口から不用意に引き抜かれてしまう危険性が高い。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、挿入されているカードが不用意に引き抜かれてしまうことを確実に防止可能な機構を備えた、手動操作によってカードの挿入を行う小型でコンパクトなカードリーダライタを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のカードリーダライタは、
カード型記憶媒体を挿入するためのカード挿入口と、
前記カード挿入口から挿入されるカード型記憶媒体を受け入れ、当該カード型記憶媒体によって、前記カード挿入口に接近した前端位置から、当該カード挿入口から離れた後端位置に押し込み可能なカードホルダと、
前記カードホルダを前記前端位置に向けて付勢しているホルダ付勢部材と、
前記カードホルダを前記後端位置にロックするためのホルダロック部材と、
前記ホルダロック部材をロック位置およびロック解除位置に移動させる駆動機構と、
前記後端位置まで押し込まれた前記カードホルダに保持されているカード型記憶媒体が前記カード挿入口から引き抜かれることを防止するための引抜防止シャッタと、
前記カードホルダの前記後端位置への押し込み動作に連動して前記引抜防止シャッタを引抜防止位置に向けて移動させ、前記カードホルダの前記前端位置への戻り動作に連動して前記引抜防止シャッタを前記引抜防止位置から退避した退避位置に向けて移動させる連動機構とを有し、
前記ホルダロック部材は、前記ロック位置に到ると、前記引抜防止シャッタに係合して当該引抜防止シャッタを前記引抜防止位置にロックするシャッタロック部を備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明のカードリーダライタでは、カード挿入口からカード型記憶媒体を挿入して押し込むと、当該カード型記憶媒体を受け入れたカードホルダがカード型記憶媒体と共に押し込まれて、その後端位置まで移動する。カードホルダが後端位置まで移動すると、駆動機構によってホルダロック部材がロック位置に移動してカードホルダが後端位置にロックされる。また、カードホルダの移動に連動して、引抜防止シャッタが退避位置から引抜防止位置に移動して、挿入されたカードの引き抜きが防止される。
【0010】
さらに、引抜防止位置に移動した引抜防止シャッタは、ロック位置に移動したホルダロック部材のシャッタロック部によって、当該引抜防止位置にロックされる。よって、引抜防止シャッタはガタ付き無く引抜防止位置に保持されるので、強引にカード型記憶媒体が引き抜かれようとした場合においても、そのようなカード型記憶媒体の引き抜きを確実に阻止できる。
【0011】
さらには、引抜防止シャッタを引抜防止位置にロックするための機構を、カードホルダを後端位置にロックするためのホルダロック部材を用いて構成してあるので、カードリーダライタの小型・コンパクト化に有利である。
【0012】
ここで、前記引抜防止シャッタとしては、前記カード挿入口に挿入されているカード型記憶媒体の後端面に後側から当接可能な前記引抜防止位置と、前記退避位置との間を旋回可能なものを採用することができる。この場合には、前記連動機構として、前記カードホルダの移動を前記引抜防止シャッタの旋回運動に変換するためのカム機構を採用することができる。
【0013】
また、前記ホルダロック部材の前記シャッタロック部は、前記ロック位置に到る手前の時点から前記引抜防止シャッタに係合し、当該ホルダロック部材の移動に伴って前記引抜防止シャッタを前記引抜防止位置に押し込むための押圧面を備えていることが望ましい。このようにすると、シャッタロック部と引抜防止シャッタが確実に当接した状態が形成されるので、引抜防止シャッタがガタ付き無く引抜防止位置にロックされる。この結果、挿入されたカードが不用意に引き抜かれてしまうことを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のカードリーダライタでは、挿入されるカード型記憶媒体によって押し込まれるカードホルダの移動に連動させて引抜防止シャッタを引抜防止位置に移動させ、完全に挿入されたカードが引き抜かれることを防止している。また、押し込まれたカードホルダをロックするためのホルダロック部材を用いて、引抜防止シャッタを引抜防止位置にロックするようにしている。したがって、本発明によれば、少ない部品点数で、挿入されたカードが不用意に引き抜かれてしまうことを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るICカードリーダライタの実施の形態を説明する。なお、ICカード以外の磁気カードなどのカード型記憶媒体のカードリーダライタに対しても本発明を同様に適用可能なことは勿論である。
【0016】
(構成の説明)
図1はICカードリーダライタ1を示す縦断面図、そのb−b線で切断した部分の横断面図および、矢印cの方向から見た場合の側面図である。ICカードリーダライタ1は扁平な矩形のケース2を備え、この内部に各構成部品が組み付けられている。ケース2の前端面3にはカード挿入口4が形成されている。前端面3は、その上端部分および下端部分が前方に突出した段状の面とされており、この面に沿って一定幅のカード挿入口4が開いている。すなわち、ICカード10の挿入を確実に行うことができるように、カード挿入口4が形成されている前端面3における上下方向の中央部分がカード挿入方向に凹状となっている。
【0017】
ケース2の内部には、カード挿入口4から挿入されるICカード10を受け入れ可能なカードホルダ20が配置されている。このカードホルダ20は、ケース2内を、前端位置から後端位置までの間で、前後方向にスライド可能である。カードホルダ20は、ICカード10を受け入れる本体板部分21と、この本体板部分21の後端に形成された直角に折れ曲がっているカード係合用の端板部分22と、本体板部分21の上端の前後に形成されたスライド突起23および24と、本体板部分21の下端に形成したスライド突起25を備えている。ケース2には、スライド突起23、24をガイドするガイド溝5、6および7が形成されている。
【0018】
カードホルダ20とケース2の間には、前後方向に水平に延びる引張りコイルばね26が架け渡されている。カード挿入口4からICカード10を挿入すると、引張りコイルばね26を伸長させながらカードホルダ20を後方に押し込むことができる。
【0019】
カードホルダ20の後方には、カードホルダ20をケース後端側の位置にロックするためのホルダロック機構30が組み込まれている。ホルダロック機構30は、後端の支軸30aを中心として上下方向に旋回可能なホルダロックアーム31(ホルダロック部材)と、このホルダロックアーム31を上下に旋回させるためのソレノイド32(駆動機構)と、カードホルダ20の側に形成されたアーム係合爪27を備えている。
【0020】
ホルダロックアーム31はソレノイド32の復帰ばね力によって、アーム係合爪27の上端面27aに押し付けられた状態にある。カードホルダ20が後方に押し込まれると、ホルダロックアーム31に形成されているフック31aがアーム係合爪27の上端面27aから前側に落ち込み、当該アーム係合爪27に前方から係合した状態になり、カードホルダ20の前方への移動が阻止されたロック状態になる。ソレノイド32を励磁すると、ホルダロックアーム31が上方に旋回して、ロック状態が解除される。この結果、カードホルダ20は引張りコイルばね26のばね力によって前方位置に復帰する。
【0021】
カード挿入口4が形成されているケース前端面3の下端部分には、引抜防止シャッタ40が配置されている。引抜防止シャッタ40は、挿入されたICカード10が不用意に引き抜かれてしまうことを防止するためのものである。
【0022】
図6にはホルダロック機構30および引抜防止シャッタ40の部分を示す部分斜視図であり、(a)はICカード10が挿入される前の状態であり、(b)はICカード10が完全に挿入された後のロック状態である。図1および図6を参照して説明すると、引抜防止シャッタ40は、ケース2に垂直に取り付けた支軸41を中心として左右に旋回可能な状態で支持されている。引抜防止シャッタ40の前端部分はカード挿入口4の側に湾曲している引抜防止爪42となっている。また、引抜防止シャッタ40における支軸41の後側の部位43には、その内側面に、ホルダロックアーム31に係合可能な係合面43aが形成されており、その下端部に、カムフォロワであるスライドピン43bが形成されている。
【0023】
スライドピン43bは、スライド可能な状態でカードホルダ20の側に形成されているカム溝44にスライド可能な状態で差し込まれている。カム溝44は、全体として前後方向に延びているが、その前端側の部分がカード挿入口4から離れる方向に折れ曲がっている。カードホルダ20が後端位置の近傍まで押し込まれる間は、シャッタ40のスライドピン43bがカム溝44の前後方向に延びる直線状の溝部分をスライドする。
【0024】
しかるに、カードホルダ20が後端位置の近傍から後端位置に至る間においては、スライドピン43bがカム溝44の前端側の折れ曲がっている溝部分をスライドする。この結果、シャッタ40の後端部分がカード挿入口4から離れる方向に移動させられるので、シャッタ40は支軸41を中心として、その前端側の引き抜き防止爪42が内側に旋回して、カード挿入口4の下端部分の内側位置において、その幅方向に跨った引き抜き防止位置に位置決めされる。完全に挿入されたICカード10の後端面の下端部分に、引き抜き防止位置に位置決めされた引き抜き防止爪42が後側から当接した状態になる。この結果、ICカード10が不用意に引き抜かれてしまうことが防止される。
【0025】
このように、カードホルダ20に形成したカム溝44と、引抜防止シャッタ40に形成したスライドピン43bからなるカム機構によって、カードホルダ20のスライドに連動して引抜防止シャッタ40が、引抜防止位置および、そこから側方に退避した退避位置の間を旋回するようになっている。
【0026】
ここで、ホルダロックアーム31の先端部には、引抜防止シャッタ40を引抜防止位置にロックするためのシャッタロック用突起31b(シャッタロック部)が形成されている。シャッタロック用突起31bは、引抜防止シャッタ40の係合面43aと、これに対峙しているケース2の側面部分2bの隙間を通って旋回するように設定されている。すなわち、ホルダロックアーム31が、カードホルダ20をロックするロック位置に到る手前の旋回位置において、シャッタロック用突起31bが隙間に入り始め、ロック位置に到ると、シャッタロック用突起31bは、隙間に完全に差し込まれた状態になるように、その旋回軌跡が設定されている。
【0027】
また、シャッタロック用突起31bの外側面には、引き抜き防止シャッタ40の係合面43aと相補的な形状をしたシャッタ押圧面31cが形成されており、当該シャッタ押圧面31cによって引き抜き防止シャッタ40の係合面43aが外方に押し出されて、当該引き抜き防止シャッタ40がガタ付き無く、その引抜防止位置に位置決めされるるようになっている。
【0028】
このように、本例では、後端位置においてカードホルダ20がホルダロックアーム31によってロックされると、当該ホルダロックアーム31に形成されているシャッタロック用突起31bが、引き抜き防止シャッタ40の後側の部位の係合面43aとケース側面部分2bの間に嵌り込む。この結果、引抜防止シャッタ40がその引抜防止位置に位置決めされ、そこにロックされた状態が形成される。
【0029】
一方、カードホルダ20の上端部分は、前後のスライド突起23、24の間が開放状態となっており、この部分に、カードストッパ50が配置されている。カードストッパ50は上下方向にスライド可能な状態でケース2に取り付けられており、ケース2と当該カードストッパ50の間に上下方向に架け渡した引張りコイルばね51によって常に下方に付勢されている。本例では、ケース2に前後一対の傾斜ガイド溝8、9が形成され、カードストッパ50の前後の部位に形成されたスライドピン52、53がこれらの傾斜ガイド溝8、9に沿ってスライド可能な状態で差し込まれている。
【0030】
カードストッパ50は、水平なカード押し付け面54を備え、このカード押し付け面54の前端からは前方に向けて上方に傾斜した傾斜ガイド面55が連続している。この傾斜ガイド面55にカード挿入口4から挿入されたICカード10の上端角部が当たるようになっている。挿入されたICカード10によってカードストッパ50が押し上げられると、そのカード押し付け面54がICカード10の上側の側面に押し付けられた状態が形成される。これにより、挿入されたICカード10がガタ付きなく固定された状態が形成される。
【0031】
なお、ホルダロックアーム31の近傍位置にはロック状態になったことを検出するためのロックセンサ33が配置されている。カードストッパ50の近傍にはICカード10が挿入されているか否かを検出するためのカードセンサ56が配置されている。
【0032】
(動作の説明)
次に、図2ないし図6を参照して、このように構成した本例のカードリーダライタ1におけるカード挿入時の各部の動作を説明する。
【0033】
まず、図2に示すように、カード挿入口4にICカード10を挿入していくと、ICカード10の挿入側の先端上側の角がカードストッパ50の傾斜ガイド面55に当たる。この後は、カードストッパ50を押し上げながらICカード10が挿入される。
【0034】
カードストッパ50が押し上げられ、そのカード押し付け面54によってICカード10の上側の側面が押し付けられた状態が形成され、更にICカード10を挿入すると、図3に示すように、ICカード10の前端がカードホルダ20の端板部分22に当たる。図3において斜線で示す部分がカードホルダ20である。この後は、ICカード10を押し込むと、当該ICカード10がカードホルダ20と共に後方に押し込まれる。
【0035】
ICカード10と共にカードホルダ20が後方に押し込まれて、その後端位置の近傍に至ると、図4に示す状態になる。すなわち、ホルダロックアーム31がカードホルダ20の係合爪27に前側から係合する状態になる。また、カード挿入口4の側では、引き抜き防止シャッタ40の旋回が始まり、その先端の引き抜き防止爪42がカード挿入口4の側に移動し始める。さらに、ホルダロックアーム31の先端のシャッタロック用突起31bが、引き抜き防止シャッタ40の後側の部位43とケース側面部分2bの間の隙間に入り始める状態になる。
【0036】
ICカード10を完全に押し込むと、図5および図6(b)に示すように、ホルダロックアーム31がカードホルダ20の係合爪27に前側から係合して、カードホルダ20のロック状態が形成され、ICカード10は挿入された位置に保持される。また、ICカード10はカードストッパ50によって押し付けられているのでガタ付きなく定まった位置に保持される。
【0037】
さらに、引き抜き防止シャッタ40が引抜防止位置に至り、ICカード10の後端面の下端部分に後側から当接した状態で、カード挿入口4を遮蔽する。ここで、引抜防止シャッタ40は、その係合面43aが隙間45に嵌り込んだホルダロックアーム31のシャッタロック用突起31bのシャッタ押圧面31cによって外側に押し出された状態が形成される。よって、ICカード10の挿入が不完全な場合においては、ホルダロックアーム31によって押圧される引抜防止シャッタ40の引抜防止爪42によってICカード10の後端面が押されて、ICカード10が完全に挿入された状態が形成される。また、引抜防止シャッタ40は、ガタ付き無く、その引抜防止位置に位置決めされ、当該位置にロックされた状態が形成されるので、ICカード10が不用意に引き抜かれてしまう事態を、確実に防止できる。
【0038】
このようにしてICカード10が挿入された状態で、ICカード10に埋め込まれている非接触型ICチップに対する記憶情報の読み出し、および情報の書き込みが行われる。カード返却指令があると、ソレノイド32が励磁され、ホルダロックアーム31が上方に押し上げられ、カードホルダ20のロックが解除される。ホルダロックアーム31が押し上げられると、その先端のシャッタロック用突起31bが引き抜き防止シャッタ40から外れて、当該引き抜き防止シャッタ40のロックも同時に解除される。
【0039】
この結果、引張りコイルばね26のばね力によって、ICカード10が保持されているカードホルダ20が前方位置に向けて押し出される。また、カードホルダ20の移動によって、引き抜き防止シャッタ40が退避位置に向けて旋回する。このように、カード挿入時とは逆の動作が行われて、すなわち、図5から図4、図3の状態を経て、図2に示す状態に戻り、ICカード10の後端部がカード挿入口4から突出した状態に戻る。
【0040】
以上説明したように、本例のカードリーダライタ1では、挿入されるICカード10と共に押し込まれるカードホルダ20を後端位置にロックするためのホルダロックアーム31にシャッタロック用突起31bを形成し、カードホルダ20に連動して引き抜き防止位置に移動した引き抜き防止シャッタ40を、当該シャッタロック用突起31bによって引き抜き防止位置にガタ付き無く位置決めして、ロックするようにしている。したがって、引き抜き防止シャッタ40がガタ付いて、ICカード10が不用意に引き抜かれてしまう事態を確実に防止できる。
【0041】
また、引き抜き防止シャッタ40をカム機構を用いて、カードホルダ20に連動させて移動させ、そのロック状態をカードホルダロック用のホルダロックアーム31を利用して形成するようにしている。したがって、引き抜き防止シャッタ40およびそのロック機構を少ない部品数で小型・コンパクトに構成でき、カードリーダライタの小型化に極めて有効である。
【0042】
さらに、カードストッパ50が上下方向に平行移動し、その水平なカード押し付け面54によってICカード10の上側に面している外周端面部分を押し付けるようになっている。したがって、挿入されたICカード10をガタ付きなく固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を適用したICカードリーダライタを示す縦断面図、横断面図および側面図である。
【図2】図1のカードリーダライタにおけるカード挿入開始状態を示す説明図である。
【図3】図1のカードリーダライタにおけるカード挿入途中の状態を示す説明図である。
【図4】図1のカードリーダライタにおけるカードを挿入し終える手前の状態を示す説明図である。
【図5】図1のカードリーダライタにおけるカードを挿入し終えた後の状態を示す説明図である。
【図6】図1のカードリーダライタにおける引抜防止シャッタがロックされる動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 カードリーダライタ
2 ケース
4 カード挿入口
5、6、7 ガイド溝
8、9 傾斜ガイド溝
10 ICカード
20 カードホルダ
21 本体板部分
22 端板部分
23、24、25 スライド突起
26 引張りコイルばね
27 係合爪
30 ホルダロック機構
31 ホルダロックアーム
31a フック
31b シャッタロック用突起
31c シャッタ押圧面
32 ソレノイド
40 シャッタ
41 支軸
42 引抜防止爪
43a 係合面
43b スライドピン(カムフォロワ)
44 カム溝
45 隙間
50 カードストッパ
51 引張りコイルばね
52、53 スライドピン
54 カード押し付け面
55 傾斜ガイド面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード型記憶媒体を挿入するためのカード挿入口と、
前記カード挿入口から挿入されるカード型記憶媒体を受け入れ、当該カード型記憶媒体によって、前記カード挿入口に接近した前端位置から、当該カード挿入口から離れた後端位置に押し込み可能なカードホルダと、
前記カードホルダを前記前端位置に向けて付勢しているホルダ付勢部材と、
前記カードホルダを前記後端位置にロックするためのホルダロック部材と、
前記ホルダロック部材をロック位置およびロック解除位置に移動させる駆動機構と、
前記後端位置まで押し込まれた前記カードホルダに保持されているカード型記憶媒体が前記カード挿入口から引き抜かれることを防止するための引抜防止シャッタと、
前記カードホルダの前記後端位置への押し込み動作に連動して前記引抜防止シャッタを引抜防止位置に向けて移動させ、前記カードホルダの前記前端位置への戻り動作に連動して前記引抜防止シャッタを前記引抜防止位置から退避した退避位置に向けて移動させる連動機構とを有し、
前記ホルダロック部材は、前記ロック位置に到ると、前記引抜防止シャッタに係合して当該引抜防止シャッタを前記引抜防止位置にロックするシャッタロック部を備えていることを特徴とするカードリーダライタ。
【請求項2】
請求項1において、
前記引抜防止シャッタは、前記カード挿入口の一部を封鎖して、挿入されているカード型記憶媒体の後端面に後ろ側から当接可能な前記引き抜き防止位置と、前記退避位置との間を旋回可能であり、
前記連動機構は、前記カードホルダの移動を前記引抜防止シャッタの旋回運動に変換するためのカム機構であることを特徴とするカードリーダライタ。
【請求項3】
請求項2において、
前記ホルダロック部材の前記シャッタロック部は、前記ロック位置に到る手前の時点から前記引抜防止シャッタに係合し、当該ホルダロック部材の移動に伴って前記引抜防止シャッタを前記引抜防止位置に押し込むための押圧面を備えていることを特徴とするカードリーダライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−172033(P2007−172033A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364715(P2005−364715)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】