説明

カード処理端末及びコンピュータプログラム

【課題】対面する二者(例えば、店員と顧客)のいずれにおいても自らカード走査を行なうことができるカード処理装置を提供する。
【解決手段】基部102に水平軸を中心として回動自在に取り付けられ、基部102を挟んで対面する正面側(図4中の奥側)と背面側(図4中の手前側)とに表示面110の向きを変えるパネル状のディスプレイ103を設け、その側縁に磁気カードMCを走査自在とする読取溝112を設け、読取溝112を走査された磁気カードMCの磁気ストライプから情報を読み取りシリアルな情報列として出力する磁気カードリーダを設け、ディスプレイ103の表示面110が背面側を向いていることを判定した場合、磁気カードリーダが出力した情報列を反対方向の情報列として認識するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードの磁気ストライプから例えば決済に必要なカード情報を読み取るカード処理端末、及びこのカード処理端末にインストールされるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気カードとして、代表的にはクレジットカードがある。クレジットカードは、磁気ストライプに決済に必要な情報を記録し、この情報を読み取ることによって決済を可能とする。クレジットカードを用いた決済では、クレジット利用者である顧客が店員に自分のクレジットカードを渡し、店員は顧客から預かったクレジットカードをカード処理端末で走査する。これにより、カード処理端末ではクレジットカードの磁気ストライプから決済に必要な情報を読み取り、この読み取った情報に基づいて決済処理を実行する。店員は、カード処理端末でクレジットカードの走査をし、決済の完了を確認した後に、預かっていたクレジットカードを顧客に返却する。
【0003】
これに対して、近年、クレジットカードからその磁気ストライプに記録されている個人情報を不正に取得するスキミングと呼ばれる犯罪行為が増加している。このような犯罪行為は、一例として、顧客から預かったクレジットカードを正規の決済で使用するに際して、顧客に分からないようにスキミング装置で不正にスキミングすることにより行なわれる。より悪質なケースでは、正規の決済処理を実行するカード処理装置そのものにスキミング装置を仕掛けてしまうようなことすら行なわれることがある。
【0004】
このようなことから、クレジットカードのスキミングはいまや社会問題となっており、クレジット利用者保護という公益的観点からも、クレジット利用の消極化に歯止めをかけたいという関係業界側の私益的観点からも、有効なスキミング防止策が強く希求されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−109441公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クレジットカードのスキミング防止に有効な手段は、カード処理装置そのものにスキミング装置が仕掛けられているような場合は兎も角として、クレジット利用者が自らカード処理装置で自分のクレジットカードを走査することである。その反面、そのようなセルフ操作に慣れなかったり面倒であったりする等の理由から、今まで通り店員にカード走査をしてもらいたいと思う顧客もいるはずである。
【0007】
本出願の発明者は、このような課題に着目として先行技術文献を調査してみた。その結果、テレビの視聴者がテレビショッピングをする場合、視聴者であるクレジット利用者が自ら自分のクレジットカードを走査読み取りできるようにした決済システムを開示する特許文献1を見出した。
【0008】
しかしながら、この特許文献1に記載されている技術は、テレビショッピングという極めて限定された状況下でクレジット利用者が自ら自分のクレジットカードを走査読み取りすることを示しているに過ぎない。したがって、特許文献1は、店舗でのクレジットカードのスキミング防止策について、何がしかの示唆を与えるものではない。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、対面する二者(例えば、店員と顧客)のいずれにおいても自らカード走査を行なうことができるカード処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態のカード処理端末は、基部と、前記基部に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記基部を挟んで対面する正面側と背面側とに表示面の向きを変える表示器と、前記表示器の側縁に形成されて、前記表示器の向きが正面側である場合の磁気カードの走査方向と、前記表示器の向きが背面側である場合の磁気カードの走査方向とが反対となる読取溝と、前記読取溝内で走査された磁気カードから情報を読み取り情報列として出力する磁気カードリーダと、前記表示器の表示面が背面側を向いているかどうかを判定し、前記表示面が背面側を向いていると判定した場合には、前記表示器の表示面の表示を天地反転し、前記磁気カードリーダが出力した情報列を最後から逆順の情報列として認識し、前記情報列又は前記逆順の情報列にクレジットカードであることを示す情報が含まれている場合はクレジット決済を実行させ、前記情報列又は前記逆順の情報列にデビットカードであることを示す情報が含まれている場合はデビット決済を実行させる制御部と、を具備する。
【0011】
実施形態のコンピュータプログラムは、基部と、前記基部に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記基部を挟んで対面する正面側と背面側とに表示面の向きを変える表示器と、前記表示器の側縁に形成されて、前記表示器の向きが正面側である場合の磁気カードの走査方向と、前記表示器の向きが背面側である場合の磁気カードの走査方向とが反対となる読取溝と、前記読取溝内で走査された磁気カードから情報を読み取り情報列として出力する磁気カードリーダと、を備えるカード処理装置のコンピュータにインストールされ、このコンピュータに、前記表示器の表示面が背面側を向いているかどうかを判定する処理と、前記表示器の表示面が背面側を向いていることを判定した場合には前記表示器の表示面の表示を天地反転し、前記磁気カードリーダが出力した情報列を最後から逆順の情報列として認識し、前記情報列又は前記逆順の情報列にクレジットカードであることを示す情報が含まれている場合はクレジット決済を実行し、前記情報列又は前記逆順の情報列にデビットカードであることを示す情報が含まれている場合はデビット決済を実行する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示器の表示面を正面側に向けた場合でも背面側に向けた場合でも、読取溝内を走査した磁気カードの磁気ストライプから磁気カードリーダによって情報を読み取り、磁気カードリーダが出力する情報列を制御部において同じ順序の情報列として認識することができ、したがって、対面する二者(例えば、店員と顧客)のいずれにも自らカード走査を行なわせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態のカード処理端末は、クレジットカード、デビットカードとして使用されるキャッシュカード等、現金の代わりとして機能するカードでの決済に際して使用され、カード決済を可能にする。そのために、本実施の形態のカード処理端末は、通信回線を介して決済機関としての金融機関の決済機関コンピュータに接続可能である。これが、本実施の形態のカード処理端末の基本機能である。このような基本機能の他、本実施の形態のカード処理端末は、商品販売データ処理をも実行する。
【0014】
本実施の形態のカード処理端末で使用されるカードとしては、共に磁気カードであるクレジットカード及びデビットカードである。これらのカードは、決済に必要なカード情報を磁気ストライプに記録している。カード情報として、クレジットカードの場合には、そのカードの固有情報であるカード番号、キャッシュカードの場合には、そのカードの固有情報であるカード番号及び予め定められている暗証番号等がある。
【0015】
図1は、カード処理端末101を示す外観斜視図である。図1に示すように、カード処理端末101は、高さが低い平たい筐体状の基部102を有し、その上部に表示器としてのディスプレイ103が取り付けられて形成されている。ディスプレイ103は、図3及び図4に示すように、ヒンジ104(図3参照)によって基部102に回動自在に取り付けられている。したがって、ディスプレイ103は水平軸を中心として回動自在である。このような回動構造により、ディスプレイ103は、基部102を挟んで対面する正面側(店員側)と背面側(客面側)とのうち、正面側に向けられる位置と背面側に向けられる位置との間を回動する。正面側に向けられた状態のディスプレイ103は、やや正面側に傾斜した状態で上面を向く(図1及び図2参照)。これに対して、背面側に向けられた状態のディスプレイ103は、やや傾斜した状態でほぼ直立する(図3及び図4参照)。
【0016】
基部102には、その正面に電源スイッチ105とUSBスロット106とレシート発行口107とを有している。電源スイッチ105は、カード処理端末101の電源のオンオフ操作を行うためのものであり、電源スイッチ105がオンにされるとカード処理端末101の各部に電力が供給される。USBスロット106は、USB接続可能な各種の機器、例えばUSBメモリ、バーコードスキャナ、ドロワ、ピンバッド等(全て図示せず)の装着を許容する。レシート発行口107は、ディスプレイ103の直下に配置されている。
【0017】
ディスプレイ103は、液晶表示パネル108をフレーム109で保持する構造のものであり、液晶表示パネル108を表示面110として露出させる。表示面110中、液晶表示パネル108の上層にはタッチパネル111も積層配置されている。そして、ディスプレイ103のフレーム109の側縁には、磁気カードMCを挿入させて操作者側に引き抜くことができるようなスリット状の読取溝112を備えたカード読取部113が設けられている。このカード読取部113には、カードの磁気ストライプMSに記録されたデータの読み取りを行うための磁気カードリーダ114(図5参照)が設けられている。
【0018】
図2は、カード処理端末101のディスプレイ103が正面側(店員側)に向けられて店員によるカード走査がなされている状態を例示する斜視図である。読取溝112は、ディスプレイ103が正面側に向けられた状態でフレーム109の右側に配置されている。前述した磁気カードリーダ114(図5参照)は、読取溝112よりも内側、つまり表示面110の側であって、読取溝112内を走査される磁気カードMCの磁気ストライプMSに対面する位置に配置されている。そこで、図2に示すように、読取溝112に磁気カードMCを挿入して走査する場合、店員は右手RHで磁気カードMCを掴み、磁気ストライプMSを読取溝112よりも表示面110の側に向けて走査する。
【0019】
図3は、カード処理端末101のディスプレイ103が背面側(客面側)に向けられて顧客によるカード走査がなされている状態を例示するカード処理端末101の正面側から見た斜視図である。ディスプレイ103を背面側に向けて回動させると、基部102の上部が露出する。基部102の上部には、その左側に位置させてプリンタカバー115が取り付けられている。プリンタカバー115は、基部102の後方側、つまりヒンジ104の側を回動支点として回動し、開閉自在となる。前述したレシート発行口107は、プリンタカバー115の先端側に形成される。基部102は、プリンタカバー115を開いた内部にプリンタ116(図5参照)を内蔵している。プリンタ116は、レシートや各種の伝票等(いずれも図示せず)を印字発行する。
【0020】
図4は、カード処理端末101のディスプレイ103が背面側(客面側)に向けられて顧客によるカード走査がなされている状態を例示するカード処理端末101の背面側から見た斜視図である。読取溝112は、ディスプレイ103が正面側に向けられた状態でフレーム109の右側に配置されているので、背面側に向けられた状態ではフレーム109の左側に配置されることになる。前述したように、磁気カードリーダ114(図5参照)は、読取溝112よりも内側、つまり表示面110の側に配置されている。したがって、読取溝112に磁気カードMCを挿入して走査する場合、顧客は左手LHで磁気カードMCを掴み、磁気ストライプMSを読取溝112よりも表示面110の側に向けて走査する。
【0021】
図5は、カード処理端末101の各部の電気的接続を示すブロック図である。カード処理端末101は、制御ボード201に制御部としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)202を搭載する。マイコン202は、前述した液晶表示パネル108、タッチパネル111、磁気カードリーダ114、及びプリンタ116等の各部をバスライン203と各種の制御回路や入力回路(図示せず)とを介して駆動制御したり、それらのデバイスからデータ入力したりする。このようなマイコン202は、プロセッサであるCPU204に、バスライン203を介して、BIOS等の固定的データを格納するROM205と、各種可変データを書き換え自在に格納してワークエリアを提供するRAM206とを接続することにより構成されている。
【0022】
マイコン202には、更に、バスライン203を介して、HDD207、メモリーカードスロット208、通信I/F209、ネットワークカード210、及びUSB(Universal Serial Bus)211が接続されている。
【0023】
HDD207については図6に基づいて後述する。
【0024】
メモリーカードスロット208は、メモリーカード(図示せず)を抜き差し自在とし、メモリーカードに記録されているデータをマイコン202に入力する。
【0025】
通信I/F209は、CAFIS(Credit And Finance Information Switching System)や公衆回線網等の外部通信網(図示せず)を介して、クレジット会社や銀行等が備える決済機関コンピュータ(図示せず)にカード処理端末101を接続し、決済機関コンピュータとの間でデータ通信を可能とする。
【0026】
ネットワークカード210は、カード処理端末101をLAN等のネットワーク(図示せず)に接続させる。ネットワークには、例えばストアコントローラや各種サーバ等の上位機(図示せず)を接続することができる。したがって、カード処理端末101は上位機とネットワークを介して通信可能である。
【0027】
USB211は、カード処理端末101に、各種の機器との接続を提供する。つまり、これらの機器、例えばUSBメモリ、バーコードスキャナ、ドロワ、ピンバッド等(全て図示せず)をUSBスロット106(図1〜図3参照)に接続することで、それらの機器をUSB211に接続することができる。これらの機器のうち、ピンパットは、磁気カードリーダ114によってデビットカードを読み取り、デビット決済を実行するに際して、デビットカードの所持者である顧客に暗証番号を入力してもらうに際して使用される。
【0028】
図6は、アプリケーションプログラムAP及びオペレーティングシステムOSによるデバイス制御構造を例示する模式図である。HDD207には、オペレーティングシステムOS、アプリケーションプログラムAP等が格納されている。電源スイッチ105の投入によって制御ボード201に電力供給がなされると、ROM205に記録されているBIOSが読み込まれ、このBIOSのテーブルに順位第1位で定義されているHDD207からオペレーティングシステムOSが読み取られてその全部又は一部がRAM206にコピーされる。その後、カード処理端末101を商品販売データ処理装置として動作させるためのアプリケーションプログラムAPの一部もRAM206にコピーされる。これにより、カード処理端末101は商品販売データ処理装置として機能する。
【0029】
アプリケーションプログラムAPには、商品販売データ処理モジュールM1が含まれている。この商品販売データ処理モジュールM1は、前述したカード処理端末101を商品販売データ処理装置として動作させるためのアプリケーションプログラムAPである。そして、商品販売データ処理モジュールM1には、磁気カードリーダ114を用いたカード決済を可能とするためのカード取引モジュールM1−1が含まれている。
【0030】
アプリケーションプログラムAPには、反転処理モジュールM2が含まれている。反転処理モジュールM2は、ディスプレイ103の表示面110を背面側(顧客側)に向けた場合における磁気カードリーダ114の出力した情報列を反対方向の情報列として認識処理するためのプログラムコードを記録している。この処理については、図9ないし図12に基づいて後に詳述する。
【0031】
オペレーティングシステムOSは、バスライン203を介してマイコン202に接続されているデバイス、つまり液晶表示パネル108やプリンタ116を制御したり、タッチパネル111や磁気カードリーダ114から信号を取り込んだりするためのデバイスドライバDDを含んでいる。アプリケーションプログラムAPからデバイスを制御するには、オペレーティングシステムOSに含まれているIOマネージャIOMを介してデバイスドライバDDに司令を送り、デバイスの制御等を実行する。
【0032】
デバイスドライバDDには、表示反転モジュールM3が含まれている。表示反転モジュールM3は、液晶表示パネル108を制御するデバイスドライバDDに組み込まれ、ディスプレイ103の表示面110を背面側(顧客側)に向けた場合に、液晶表示パネル108の表示を天地反転するためのプログラムコードである。この処理について、図9ないし図12に基づいて後に詳述する。
【0033】
図7は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、HDD207からRAM206にコピーされるアプリケーションプログラムAPに含まれている商品販売データ処理モジュールM1に従った処理をCPU204が実行することによってなされる。その処理内容として、まず、CPU204は、商品指定の有無に待機している(ステップS101)。商品指定は、表示面110に表示させた登録画面A(図8、図11参照)上でのタッチパネル111によるタッチ指定によってなされることを基本とし、USB211にバーコードスキャナ(図示せず)が接続されている場合にはバーコードスキャナによっても可能である。
【0034】
図8は、正面側(店員側)に向けられたディスプレイ103の表示面110に表示される登録画面Aの一例を示す模式図である。登録画面Aは、登録画面である旨のモード表示と年月日とサインオンした責任者とを表示するタイトル欄A1を最上位に配置している。
【0035】
登録画面Aは、タイトル欄A1の下に、左側には取引情報欄A2を、右側にはファンクションキー欄A3をそれぞれ配置している。取引情報欄A2には、取引履歴A2−1と売上合計情報A2−2とが表示されている。売上合計情報A2−2は、売上合計金額及び売上合計点数を含んでいる。
【0036】
登録画面Aは、取引情報欄A2の下に、商品欄A4を表示している。商品欄A4には、個々の商品のカテゴリ表示A4−1がスクロール可能に表示され(図8中、××で示す)、その下方に選択されているカテゴリに含まれている個々の商品表示A4−2がなされている(図8中、…で示す)。
【0037】
登録画面Aは、更に、ファンクションキー欄A3の下に、決済ツール欄A5を表示している。決済ツール欄A5には、テンキーA5−1、小計キーA5−2、現計キーA5−3、カードキーA5−4等が表示されている。現計キーA5−3は現金による決済を指定するキーで、締めキーとして機能する。カードキーA5−4は、クレジットカード又はデビットカードである決済を指定するキーで、締めキーとして機能する。
【0038】
アプリケーションプログラムAPに含まれている商品販売データ処理モジュールM1は、登録画面A上の表示のうち、ファンクションキー欄A3、商品欄A4、決済ツール欄A5での表示をタッチパネル111でのタッチ指定可能なオブジェクトとして扱う。したがって、カード取引モジュールM1は、登録画面A上でタッチパネル111でのタッチ指定が発生すると、その座標位置からどのオブジェクト、換言するとどのボタンがタッチ指定されたのかをCPU204に認識させる。
【0039】
図7のフローチャートに示す処理の説明に戻る。登録画面Aの商品欄A4において、その商品表示A4−2中から選択された一の商品がタッチパネル111によってタッチ指定されると、CPU204は商品指定を判定し(ステップS101のY)、対応する商品コードを取得する。そして、取得した商品コードに基づいてPLUファイル(図示せず)を検索し、当該商品コードによって特定される商品の品名及び単価を取得し、これらの情報を商品コードと共にRAM206に記憶するという処理を実行する(ステップS102)。CPU204は、取得した単価に基づいて合計金額を算出し(ステップS103)、ステップS102で取得した品名及びステップS103で算出した合計金額に基づいて、登録画面A中の取引情報欄A2の表示を更新する(ステップS104)。その後、CPU204は締め指定の有無に待機し(ステップS105)、締め指定がない(ステップS105のN)まま商品指定がなされると(ステップS101のY)、ステップS102〜ステップS105の処理を繰り返す。
【0040】
CPU204は、締め指定を判定すると(ステップS105のY)、その種類を判定する。この判定処理は、現金決済なのか(ステップS106のY)、クレジット決済(ステップS107のY)又はデビット決済(ステップS107のN)なのかを判定する処理である。登録画面A中、決済ツール欄A5における小計キーA5−2のタッチ指定後にテンキーA5−1による預かり金額のタッチ入力がなされ、現計キーA5−3のタッチ指定があれば、現金決済である(ステップS106のY)。登録画面A中、決済ツール欄A5における小計キーA5−2のタッチ指定後にカードキーA5−4のタッチ指定があり、その後に磁気カードリーダ114から送信された磁気カードMCの読み取りデータにクレジットカードであることを示す特定情報が含まれていれば、クレジット決済である(ステップS107のY)。登録画面A中、決済ツール欄A5における小計キーA5−2のタッチ指定後にカードキーA5−4のタッチ指定があり、その後に磁気カードリーダ114から送信された磁気カードMCの読み取りデータにデビットカードであることを示す特定情報が含まれていれば、デビット決済である(ステップS107のN)。
【0041】
CPU204は、ステップS105で判定した締めの種類が現金決済である場合(ステップS106のY)には現金処理を実行し(ステップS108)、クレジット決済である場合(ステップS107のY)にはクレジット処理を実行し(ステップS109)、デビット決済である場合(ステップS107のN)にはデビット処理を実行する(ステップS110)。
【0042】
CPU204は、現金処理(ステップS108)として、USB211にドロワ(図示せず)が接続されている場合にドロワ開放を実行する。
【0043】
CPU204は、アプリケーションプログラムAPのカード取引モジュールM1に含まれているカード取引モジュールM1−1に従い、クレジット処理(ステップS109)を実行する。こうして実行するクレジット処理(ステップS109)として、CPU204は、磁気カードリーダ114によるクレジットカードである磁気カードMCの走査に待機する。そして、CPU204は、磁気カードリーダ114によってクレジットカードである磁気カードMCの磁気ストライプMSから読み取ったカード情報(カード番号)とRAM206に記録した取引金額データとに基づいてクレジットデータ(認証依頼データ)を作成し、作成したクレジットデータを通信I/F209のCAFISを介して決済機関コンピュータ(図示せず)へ送信する。決済機関コンピュータでは、送信されたクレジットデータに対して信用チェックや金額承認等の信用照会処理を行った後に、その照会結果データをカード処理端末101に送信する。照会結果が決済を承認する旨である場合には、CPU204は、ステップS111の処理に進む。
【0044】
CPU204は、アプリケーションプログラムAPのカード取引モジュールM1に含まれているカード取引モジュールM1−1に従い、デビット処理(ステップS110)を実行する。こうして実行するデビット処理(ステップS110)として、CPU204は、磁気カードリーダ114によるデビットカードである磁気カードMCの走査と暗証番号の入力とに待機する。暗証番号の入力は、一例として、USB211にピンパッド(図示せず)が接続されている場合にはそのピンパッドによって実行可能である。別の一例として、背面側(顧客側)に向けたディスプレイ103の表示面110にテンキー(図示せず)を表示し、このテンキーによって顧客による暗証番号の入力を可能とするようにしても良い。CPU204は、磁気カードリーダ114によってデビットカードである磁気カードMCの磁気ストライプMSから読み取ったカード情報(暗証番号)と入力された暗証番号とを照合し、合致した場合には、そのカード情報(カード番号)とRAM206に記録した取引金額データとに基づいてデビットデータ(認証振替依頼データ)を作成し、作成したデビットデータを通信I/F209を介して決済機関コンピュータ(図示せず)へ送信する。決済機関コンピュータでは、送信されたデビットデータに対して認証振替処理等を行った後に、その認証振替結果データをカード処理端末101に送信する。認証振替結果が認証振替の旨である場合には、CPU204は、ステップS111の処理に進む。
【0045】
CPU204は、現金処理(ステップS108)、クレジット処理(ステップS109)、又はデビット処理(ステップS110)を実行したならば、ステップS102でRAM206に記憶した商品コード等の情報を用いて売上があった商品登録の処理を実行する(ステップS111)。そして、プリンタ116によるレシートや必要な伝票等の印字発行処理を実行し(ステップS112)、処理を終了する。この際、現金処理(ステップS108)がなされた場合には、レシートの印字発行のみが行なわれる。これに対して、クレジット処理(ステップS109)又はデビット処理(ステップS110)がなされた場合には、レシートに加えて取引伝票の印字発行もなされる。とりわけ、クレジット処理(ステップS109)がなされた場合、店員は、プリンタ116から印字発行されたクレジット用の伝票に対して、サインの記入を顧客に求める。
【0046】
図9は、ディスプレイ103の表示面110の向きが変更された場合の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、HDD207からRAM206にコピーされるアプリケーションプログラムAP中の商品販売データ処理モジュールM1に含まれているカード取引モジュールM1−1に従った処理をCPU204が実行することによってなされる(図6参照)。この際、カード取引モジュールM1−1は、アプリケーションプログラムAPに含まれている反転処理モジュールM2を起動させ、反転処理モジュールM2による処理を利用する。
【0047】
カード取引モジュールM1−1は、クレジットカード又はデビットカードでの決済の実行をカード処理端末101に提供する。したがって、カード取引モジュールM1−1は、図7のフローチャート中のクレジット決済判定(ステップS107のY)又はデビット決済判定(ステップS107のN)をトリガとして起動し、ステップS109でのクレジット処理又はステップS110でのデビット処理の実行時にのみCPU204にカード取引機能を提供する。カード取引モジュールM1−1の起動後、CPU204は、ディスプレイ103の表示面110の向きに変化があったかどうかの判定に待機している(ステップS201)。ディスプレイ103の表示面110の向きを変更させるトリガについては、図10(a)、(b)、(c)にそれぞれ示す。
【0048】
図10(a)に示す一例は、登録画面A(図8参照)に表示されている反転ボタンRBのタッチパネル111によるタッチ指定である(図8には図示していない)。つまり、登録画面A中、ファンクションキー欄A3に反転ボタンRBをタッチパネル111によるタッチ指定可能なオブジェクトとして用意しておく。そこで、オペレータである店員は、正面側(店員側)に向けられている表示面110を回動させて背面側(顧客側)に向ける場合、あるいは、背面側に向けていた表示面110を回動させて正面側に向けた場合に、タッチパネル111によって反転ボタンRBをタッチ指定する。CPU204は、反転ボタンRBのタッチ指定に応じて、ディスプレイ103の表示面110の向きに変化があったと判定する(ステップS201のY)。
【0049】
図10(b)に示す一例は、マイクロスイッチMSWによる検知である。マイクロスイッチMSW(図10(b)中、仮想線で示す)は、その可動片MSW−1をディスプレイ103の正面側に向けた状態でディスプレイ103の内部に配置されている。可動片MSW−1は、マイクロスイッチMSWのスイッチ本体MSW−2に対して回動自在に取り付けられ、通常は、スイッチ本体MSW−2から離反する方向に回動するよう付勢されている。この状態で、マイクロスイッチMSWはオフ(OFF)となる。これに対して、可動片MSW−1がスイッチ本体MSW−2に近接する方向に回動すると、マイクロスイッチMSWはオン(ON)となる。
【0050】
ディスプレイ103には、マイクロスイッチMSWの可動片MSW−1を外部と連通させるための連通孔(図示せず)が形成されている。カード処理端末101の基部102の上面には、その連通孔の位置に対応させて突起PJが突出形成されている。突起PJは、ディスプレイ103が基部102に近接する方向に回動して正面側(店員側)を向くと、連通孔を介して可動片MSW−1を押圧回動させ、マイクロスイッチMSWをオン(ON)にする(図10(b)の左側参照)。これに対して、ディスプレイ103が基部102から離反する方向に回動して背面側(顧客側)を向くと、突起PJから可動片MSW−1が離反する。すると、可動片MSW−1はスイッチ本体MSW−2から離反する方向に回動し、マイクロスイッチMSWをオフ(OFF)にする(図10(b)の右側参照)。
【0051】
したがって、マイクロスイッチMSWは、ディスプレイ103の表示面110が正面側(店員側)を向いている場合と背面側(顧客側)を向いている場合とで物理的変化を生じさせてその変化に応じた信号を出力するセンサとして機能する。CPU204は、マイクロスイッチMSWのオンオフに応じて、ディスプレイ103の表示面110の向きに変化があったと判定する(ステップS201のY)。
【0052】
図10(c)に示す一例は、重力センサGSによる検知である。つまり、カード処理端末101のディスプレイ103には、重力センサGSを内蔵しておく。重力センサGSは、ディスプレイ103の回動角度を検知することができる。したがって、重力センサGSは、ディスプレイ103の表示面110が正面側(店員側)を向いている場合と背面側(顧客側)を向いている場合とで物理的変化を生じさせてその変化に応じた信号を出力するセンサとして機能する。CPU204は、重力センサGSの出力信号に応じて、ディスプレイ103の表示面110の向きに変化があったと判定する(ステップS201のY)。
【0053】
図9のフローチャートに示す処理の説明に戻る。CPU204は、ディスプレイ103の表示面110の向きに変化があったと判定すると(ステップS201のY)、変化後のディスプレイ103の向きが背面向きかどうかを判定する(ステップS202)。CPU204は、ディスプレイ103が背面向き、より詳しくは正面向きから背面向きにされたと判定した場合(ステップS202のY)、デバイスドライバDDに含まれている表示反転モジュールM3に表示反転司令を出力する(ステップS203)。これに対して、CPU204は、ディスプレイ103が正面向き、より詳しくは背面向きから正面向きにされたと判定した場合(ステップS202のN)、デバイスドライバDDに含まれている表示反転モジュールM3に表示正転司令を出力する(ステップS204)。これらのステップS203、ステップS204の処理に際して、アプリケーションプログラムAPであるカード取引モジュールM1−1がオペレーティングシステムOSに組み込まれているデバイスドライバDDに直接アクセスすることはできないので、IOマネージャIOMを介して司令を伝達する。表示反転モジュールM3は、表示反転司令に応じてディスプレイ103の表示面110をなす液晶表示パネル108の表示を天地反転し、表示正転司令に応じて液晶表示パネル108の表示を元に戻す。
【0054】
図11は、背面側(客面側)に向けられたディスプレイ103の表示面110に表示される登録画面Aの一例を示す模式図である。図11を参照することで、ディスプレイ103に、図8に示す登録画面Aが天地反転して表示されていることが分かる。また、転地反転して表示される登録画面Aは、背面側を向けられて顧客の利用に供せられる画面である。このため、ファンクションキー欄A3、商品欄A4及び決済ツール欄A5は、顧客の利用に不要である。そこで、これらの各欄については、例えばグレーアウト表示し、タッチパネル111でのタッチ操作も受け付けないようにすることが好適である。
【0055】
図9のフローチャートに示す処理の説明に戻る。CPU204は、オペレーティングシステムOSに組み込まれている表示反転モジュールM3に表示反転司令を出力した場合(ステップS203)、ステップS205及びステップS206の処理を経て処理を終了する。これに対して、CPU204は、表示反転モジュールM3に表示正転司令を出力した場合には(ステップS204)、そのまま処理を終了する。以下、ステップS205及びステップS206の処理について説明する。
【0056】
CPU204は、ステップS203の処理に続いて、登録画面Aにインストラクションをポップアップ表示する(ステップS205)。これにより、図11に示すように、登録画面Aにはインストラクションを表示するダイアログA6がポップアップ表示される。ダイアログA6には、一例として、「カードの磁気ストライプを内側に向けて溝に挿入し、上から下に引きおろして下さい。」というメッセージが表示される。
【0057】
CPU204は、ステップS205の処理に続いて、図7に示すステップS109でのクレジット処理又はステップS110でのデビット処理に含まれている磁気カードMCの磁気ストライプMSから読み取ったカードデータの認識に際して、反転処理モジュールM2を利用する。つまり、CPU204は、図7のフローチャート中のステップS109でのクレジット処理及びステップS110でのデビット処理に際して、磁気カードリーダ114が磁気カードMCであるクレジットカード又はデビットカードの磁気ストライプMSから読み取ったカード情報(クレジットカードの場合にはカード番号、デビットカードの場合にはカード番号及び暗証番号)を取得する。この場合、磁気カードリーダ114は、磁気ヘッド(図示せず)に対して磁気カードMCの磁気ストライプMSが一方向に移動することで磁気ストライプMSに記録されているデータを読み取る構造上、磁気ストライプMSの移動方向の先頭から末尾という順番でシリアルに記録データを読み取る。ところが、ディスプレイ103が正面側(店員側)を向いている状態(図1、図2及び図8参照)と背面側(顧客側)を向いている状態(図3、図4及び図11参照)とでは、読取溝112の内部における磁気カードMCの移動方向が反対方向となるため、読み取った磁気ストライプMSの読み取りデータ列が逆方向となる。そこで、CPU204は、ディスプレイ103が背面側(顧客側)を向いている場合、磁気カードMCの磁気ストライプMSから読み取ったカードデータのデータ列を反対方向のデータ列として認識する。これをCPU204に実行させるのが、反転処理モジュールM2である。
【0058】
図12は、反転処理モジュールM2での処理内容を説明するための模式図である。図12に示すように、磁気カードリーダ114の磁気ヘッド(図示せず)が出力した信号は増幅器(AMP)で増幅される。この間、信号は全てアナログ信号である。そこで、増幅器によって増幅された信号はアナログデジタルコンバータ(AD/C)によってデジタル信号に変換され、マイコン202での扱いを可能とする。アナログデジタルコンバータによってデジタル変換された磁気カードリーダ114の出力信号は、一例としてシフトレジスタ(図示せず)にシリアルにレジストされ、別の一例としてRAM206のレジスト領域にシリアルにレジストされる。いずれにしても、ここでシフトレジスタ又はRAM206のレジスト領域にレジストされるデータは、磁気カードMCが有する磁気ストライプMSの移動方向の先頭から末尾の順番で磁気ヘッドが読み取った順である。
【0059】
CPU204は、図7のフローチャート中、ステップS109で実行するクレジットデータ(認証依頼データ)の作成に際して、あるいはステップS110で実行するデビットデータ(認証振替依頼データ)の作成に際して、シフトレジスタ又はRAM206のレジスト領域にレジストしたデータを磁気カードMCから取得したデータとして用いる。そこで、CPU204は、シフトレジスタ又はRAM206のレジスト領域にレジストしたデータをRAM206に展開し、クレジットデータ(認証依頼データ)又はデビットデータ(認証振替依頼データ)に組み込む。この際、CPU204は、ディスプレイ103が背面側(顧客側)を向けられることで反転処理モジュールM2の利用が指定されている場合(図9のフローチャート中のステップS206)、シフトレジスタ又はRAM206のレジスト領域にレジストしたデータ列を反対方向からRAM206に展開し、クレジットデータ(認証依頼データ)又はデビットデータ(認証振替依頼データ)を作成する。
【0060】
以上の処理によって、ディスプレイ103が正面側(店員側)を向いている場合(図1、図2及び図8参照)でも背面側(顧客側)を向いている場合(図3、図4及び図11参照)でも、磁気カードMCの磁気ストライプMSに記録されているデータを正しく取得することができる。したがって、カード処理端末101を間に対面する店員と顧客とのうち、店員ばかりでなく顧客自らによるカード走査の機会を提供することができ、スキミング防止を図ることができる。
【0061】
また、本実施の形態のカード処理端末101では、背面側に位置する顧客から正面側を向いているディスプレイの表示面110を視認可能な角度でディスプレイ103が取り付けられている。このための、店員が顧客から預かって磁気カードMCを走査する場合であっても、顧客から店員の手元が良く見え、この面からもスキミング等の不正行為の防止に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の一形態として、カード処理端末を示す外観斜視図である。
【図2】カード処理端末のディスプレイ(表示器)が正面側(店員側)に向けられて店員によるカード走査がなされている状態を例示する斜視図である。
【図3】カード処理端末のディスプレイ(表示器)が背面側(客面側)に向けられて顧客によるカード走査がなされている状態を例示する正面側から見た斜視図である。
【図4】カード処理端末のディスプレイ(表示器)が背面側(客面側)に向けられて顧客によるカード走査がなされている状態を例示する背面側から見た斜視図である。
【図5】カード処理端末の各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図6】アプリケーションプログラム及びオペレーティングシステムによるデバイス制御構造を例示する模式図である。
【図7】商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】正面側(店員側)に向けられたディスプレイ(表示器)の表示面に表示される登録画面の一例を示す模式図である。
【図9】ディスプレイ(表示器)の表示面の向きが変更された場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】ディスプレイ(表示器)の表示面の向きを変更させるトリガの例として、(a)はタッチパネルでのタッチ指定、(b)はマイクロスイッチによる検知、(c)は重力センサによる検知をそれぞれ示す模式図である。
【図11】背面側(客面側)に向けられたディスプレイ(表示器)の表示面に表示される登録画面の一例を示す模式図である。
【図12】反転処理モジュールでの処理内容を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0063】
102…基部、103…ディスプレイ(表示器)、110…表示面、111…タッチパネル(操作部)、112…読取溝、114…磁気カードリーダ、202…マイコン(制御部)、GS…重力センサ(センサ)、MC…磁気カード、MS…磁気ストライプ、MSW…マイクロスイッチ(センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記基部を挟んで対面する正面側と背面側とに表示面の向きを変える表示器と、
前記表示器の側縁に形成されて、前記表示器の向きが正面側である場合の磁気カードの走査方向と、前記表示器の向きが背面側である場合の磁気カードの走査方向とが反対となる読取溝と、
前記読取溝内で走査された磁気カードから情報を読み取り情報列として出力する磁気カードリーダと、
前記表示器の表示面が背面側を向いているかどうかを判定し、前記表示面が背面側を向いていると判定した場合には、前記表示器の表示面の表示を天地反転し、前記磁気カードリーダが出力した情報列を最後から逆順の情報列として認識し、前記情報列又は前記逆順の情報列にクレジットカードであることを示す情報が含まれている場合はクレジット決済を実行し、前記情報列又は前記逆順の情報列にデビットカードであることを示す情報が含まれている場合はデビット決済を実行する制御部と、
を具備するカード処理端末。
【請求項2】
前記表示器は、背面側に位置する者から正面側を向いている前記表示面が視認可能な角度で取り付けられている、
請求項1記載のカード処理端末。
【請求項3】
前記表示器の表示面の向きが背面側であることを操作入力するための操作部を具備し、
前記制御部は、前記操作部での操作入力に応じて前記表示器の表示面が背面側を向いていることを判定する、
請求項1又は2記載のカード処理端末。
【請求項4】
前記操作部は、前記表示器の表示面に積層配置されるタッチパネルである、
請求項3記載のカード処理端末。
【請求項5】
前記表示器の表示面が正面側を向いている場合と背面側を向いている場合とで物理的変化を生じさせてその変化に応じた信号を出力するセンサを具備し、
前記制御部は、前記センサの出力信号に基づいて前記表示器の表示面が背面側を向いていることを判定する、
請求項1又は2記載のカード処理端末。
【請求項6】
基部と、
前記基部に回動自在に取り付けられ、回動することによって前記基部を挟んで対面する正面側と背面側とに表示面の向きを変える表示器と、
前記表示器の側縁に形成されて、前記表示器の向きが正面側である場合の磁気カードの走査方向と、前記表示器の向きが背面側である場合の磁気カードの走査方向とが反対となる読取溝と、
前記読取溝内で走査された磁気カードから情報を読み取り情報列として出力する磁気カードリーダと、を備えるカード処理装置のコンピュータにインストールされ、このコンピュータに、
前記表示器の表示面が背面側を向いているかどうかを判定する処理と、
前記表示器の表示面が背面側を向いていることを判定した場合には前記表示器の表示面の表示を天地反転し、前記磁気カードリーダが出力した情報列を最後から逆順の情報列として認識し、前記情報列又は前記逆順の情報列にクレジットカードであることを示す情報が含まれている場合はクレジット決済を実行し、前記情報列又は前記逆順の情報列にデビットカードであることを示す情報が含まれている場合はデビット決済を実行する処理と、を実行させる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−256367(P2012−256367A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−195449(P2012−195449)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2008−212246(P2008−212246)の分割
【原出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】