説明

カード処理端末

【課題】カード処理端末において、キズや損傷があるカード若しくは磁化が弱くなったカードなどを使用する場合、その読取エラーの発生原因に応じた形でカード読取に関する読取設定の対策を講じる必要が求められている。
【解決手段】磁気媒体に記録された磁気データを読み取る読取部と、前記磁気媒体の基準データを記憶する記憶部と、前記読取部で読み取った磁気データと前記基準データとを比較する比較部と、この比較部の比較結果に基づいて、前記磁気媒体の読取に関する設定を変更する設定変更部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、各種カードに記憶された情報を読み取るカードリーダライタを備えたカード処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の情報が記憶されたカードがスライドされるスライド溝を有し、このスライド溝内をカードがスライドされることにより、カードから情報を読み取る読取ヘッドを備えたカード処理端末が広く知られている。カード処理端末は、読取ヘッドから読み取った情報を用いて種々の情報処理を実行する。
【0003】
この種のカード処理端末は、例えば、商品の販売を行う店舗において、POS(Point of sales)端末、ECR(Electric Cash Register)端末等に組み込まれ、または接続されて商品購入時のカード決済の場面に利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−157436公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のカード処理端末において、長年カードを使用することにより、経年劣化が生じてカード情報を記憶する磁気ストライプ部分の磁化が弱くなり、これによりカード情報読取の際に得られる出力が全体的に小さくなりカード読取エラーとなってしまうおそれがある。
【0006】
また、操作者はスライド溝にカードを挿入し、スライドをさせ、読取ヘッドにてカードが有するカード情報を読み取らせる。このため、何度もカードを使用することにより、カード処理端末とカードとがこすれることで少なからずカード情報を有する磁気ストライプ等にキズや損傷が生じる。かかる場合、カード情報読取の際に、キズや損傷のある磁気ストライプ部分から得られる一部の出力が小さくなり、カード読取エラーとなってしまうおそれがある。この場合、上記した経年劣化にまつわる出力低下が原因の読取エラーとは異なるため、読み取り時の出力を全体的に増幅させたとしてもカード読取がうまくいくとは限らない。
【0007】
このように、キズや損傷があるカード若しくは磁化が弱くなったカードなどを使用する場合、その読取エラー発生原因に応じた形でカード読取に関する読取設定の対策を講じる必要が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態にかかるカード処理端末は、磁気媒体に記録された磁気データを読み取る読取部と、前記磁気媒体の基準データを記憶する記憶部と、前記読取部で読み取った磁気データと前記基準データとを比較する比較部と、この比較部の比較結果に基づいて、前記磁気媒体の読取に関する設定を変更する設定変更部と、を備えることを特徴とするカード処理端末。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るカード処理端末の外観を示す図。
【図2】本実施形態に係るカード処理端末の電気的接続を示すブロック図。
【図3(a)】本実施形態に係るカード処理端末が読み取った読取波形を示す図(正常時)。
【図3(b)】本実施形態に係るカード処理端末が読み取った読取波形を示す図。
【図4(a)】本実施形態に係るカード処理端末が読み取った読取波形を示す図(正常時)。
【図4(b)】本実施形態に係るカード処理端末が読み取った読取波形を示す図。
【図5】本実施形態に係るカード処理端末の制御部が実行する制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るカード処理端末の一実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、カードから読み取った情報を用いて商品の代金を決済するカード処理端末を一例として説明を行う。
【0011】
図1は、本実施形態に係るカード処理端末1の外観を示す図である。このカード処理端末1は、本体ユニットAと表示ユニットBとで構成される。表示ユニットBは、背面側のヒンジ部2によって本体ユニットAに対し取り付けられている。このヒンジ部2を軸として、表示ユニットBは、図1中の矢印Pの示す方向に向けて本体ユニットAから開閉する。
【0012】
表示ユニットBの上面には、ディスプレイ20、タッチパネル21、および突出部23等が設けられている。ディスプレイ20は、その表示面がカード処理端末1の正面側に向くように設けられ、商品の販売に関する情報等を選択的に表示する。タッチパネル21は、ディスプレイ20の表示面上に設けられ、ディスプレイ20に表示された表示内容へのタッチ操作を検出する。
【0013】
突出部23は、図1のカード処理端末1を正面側から見た右方に設けられている。突出部23と表示ユニットBの本体との間には、スライド溝24が形成される。表示ユニットBを閉じた際には、突出部23が設けられた側の表示ユニットB本体の側壁と、本体ユニットAの側壁とが同一平面上に位置する。したがって、表示ユニットBが閉じられた状態においては、スライド溝24の延長線と本体ユニットAの筐体面とが交わらず、スライドされる長方形状のカードCが本体ユニットAの筐体と接触することはない。
【0014】
カードリーダライタ22を構成する磁気ヘッド22aは、スライド溝24の内部に設けられている。磁気ヘッド22aは、カードCがスライド溝24に沿って図1に示す方向F1にスライド操作されることでカードCの磁気ストライプCSに記憶されている情報を読み取りあるいはカードへの情報の書き込みを行う。
【0015】
本体ユニットAの筐体には、カード処理端末1への電源供給をオン又はオフする電源スイッチ10やカード受部11,12等が設けられている。カード受部11,12は、本体ユニットAと一体形成されておらず、別部材にて形成され、接着剤等の取り付け手段によって本体ユニットAに取り付けられている。なお、接着剤に限らず、本体ユニットAにカード受部11,12を取り付けるための溝を設け、この溝にカード受部11,12を嵌め合わせること等で取り付けてもよい。
【0016】
カード受部11は、スライド溝24に対してカードCが挿入される端部側に設けられ、カード受部12は、スライド操作されたカードCがスライド溝24から抜け出る側の端部に設けられている。
【0017】
図2はカード処理端末1の電気的接続を示すブロック図である。カード処理端末1には、制御手段として機能するCPU(Central Processing Unit)100が内蔵されている。このCPU100に対し、ROM(Read Only Memory)101,RAM(Random Access Memory)102,時計回路103,通信I/F104、表示コントローラ105、入力コントローラ106、カードリーダコントローラ107、及びプリンタコントローラ108等がアドレスバスやデータバス等のバスライン110を介して接続されて、制御回路が構成されている。
【0018】
CPU100は、ROM等に記憶されたプログラムを実行してカード処理端末1を用いたカード処理等の動作を制御する。また、CPU100は、バスを介してCPU100に接続された各部を制御する。
【0019】
ROM101は、カード処理端末1に業務モード,集計モード,設定モード、及び練習モード等の動作モードを実現させる各種アプリケーションファイル及びデータベースと、が主として記憶されている。
【0020】
業務モードは、取引情報の入力を受け付け、入力された取引情報に基づいて商取引をカード決済する動作モードである。集計モードは、営業日の売上実績に基づいて規定の勘定項目を集計処理する、いわゆる日計処理を行う動作モードである。勘定項目は、例えば1日の取引件数、総取引金額、商品の部門別の取引件数及び取引金額、金券の使用金額等である。前記設定モードは、カード処理端末1の動作に関する各種設定を行う動作モードである。練習モードは、カード処理端末1の操作についてオペレータを訓練するために、各処理のシミュレーションを行う動作モードである。
【0021】
RAM102には、処理場面に応じて各種の作業用記憶領域が形成される。例えば、操作者によりカードCがスライド溝にてスライド操作されることにより得たカード情報を一時記憶するエリアが形成されている。カード情報は、デコーダーによりデコードされる前は、磁気データであり、この磁気データをデコーダーにてデコードすることで所定のカード情報を取得する。
【0022】
時計回路103は、カード処理端末1で使用するシステムの日時を計時する。通信I/F104は、本実施形態における通信手段として機能するものであり、通信ケーブル15を介して行われる前記ストアサーバや管理センタとの通信を制御する。
【0023】
表示コントローラ105は、ディスプレイ20の画面表示を制御する。タッチパネル21は、例えば抵抗膜方式のタッチパネルであり、ユーザが指先やタッチペンにて接触操作した位置に応じた電気信号を出力する。入力コントローラ106は、タッチパネル21から出力される電気信号に基づいて接触位置座標を算出し、CPU100に通知する。
【0024】
カードリーダコントローラ107は、カードリーダライタ22に設けられている磁気ヘッド22aによる磁気カードの読取タイミングを制御し、カードリーダライタ22が読み取ったカード情報をCPU100に通知する。
【0025】
レシートプリンタ25は、カード処理端末1の本体A側に設けられている。熱転写により感熱紙等のレシート用紙に文字又は図形からなるパターンを形成させる、いわゆるサーマルプリンタである。プリンタコントローラ108は、RAM102に作成される印字データに基づいてレシートプリンタ25を駆動し、レシート用紙やジャーナル用紙に印字する。
【0026】
電源回路26は、電源スイッチ10がオンされたことに応じて商用交流電源等の外部電源またはバッテリから電力を取り込み、本体ユニットAおよび表示ユニットBの各部に供給する。
【0027】
アンプ部27は、スライド操作されることにより得たカード情報である磁気情報の磁化波形を必要に応じて増幅させるための回路である。アンプ部25は、CPU100の制御により駆動する。
【0028】
デコード部28は、スライド操作されることにより得たカード情報である磁気情報をデコードする。
【0029】
次に、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)を用いて、所定の情報を記録したカードCがスライド操作されることにより得られる磁気データ(波形)について説明する。
【0030】
図3(a)は、カードCの磁気ストライプCSに記録されている磁化の状態が正常である場合の一例であり、このカードCがスライド溝24でスライド操作されることで得られる磁気データ(波形)を示した図である。
【0031】
図3(b)は、経年劣化の影響を受けてカードCの磁気ストライプに記録されている磁化の状態が弱まり、これにより得られる磁気データの出力が弱まった状態を示した図である。図3(a)と図3(b)とを比較すると図3(b)から得られる振幅値が振幅値A(ピーク値Pとピーク値P´の差分)の分だけ全体的に小さくなっていることがわかる。
【0032】
次に、図4(a)は、カードCの磁気ストライプCSに記録されている磁化の状態が正常である場合の一例であり、このカードCがスライド操作されることにより得られる磁気データ(波形)を示した図である。なお、図4(a)は、磁気ストライブの一部がキズを受けていない状態とキズを受けている状態とを説明するために、図3(a)に示す波形とは異なる波形の例を用いて表現している。図4(b)は、磁気ストライプの一部がキズを受けたカードCから得られる磁気データの出力を示した図である。図4(a)と図4(b)とを比較すると図4(b)から得られる出力の一部(図4(b)の破線丸括弧箇所S)が正常時の磁気データと比べて小さくなっていることがわかる。
【0033】
図5は、CPU100が実行する処理を示すフローチャートである。カード処理端末1のCPU100は、電源スイッチ10がオンされたことを検出すると、システムを起動し、ネットワークに接続されたPOS端末から決済処理に関する情報が送信されることを待機する。決済処理に関する情報とは、例えば、購入商品の合計金額に関する情報、カード情報取得命令、クレジット決済命令、デビット決済命令等がある。
【0034】
CPU100は、POS端末から通信I/F104を介して決済処理に関する情報を受信すると、操作者によりカードCがスライド溝24に沿ってスライドされ、カードリーダライタ22を構成する磁気ヘッド22aにてカードCの磁気ストライプCSに記憶されているカード情報の読み取りあるいは書き込みが行われたかを検出する(Act501)。
【0035】
次に、カードCがスライド溝24に沿ってスライド方向F1に向けてスライドされ、磁気ヘッド22aによりカード情報の読み取りが正常に実行されたことを検出すると(Act502のYes)、通常処理を実行する。ここで、通常処理とは、例えば、CPU100がプリンタユニットの印字部を駆動させて、領収書を印字発行させる。そして、領収書の印字発行が終了すると、POS端末に対して領収書を発行した旨の通知及びカードCは第1方向F1にてスライドされた旨の情報を送信する等の処理を意味する。
【0036】
一方、Act502にて、カードCがスライド溝24に沿ってスライド操作されたが、磁気ヘッド22aによりカード情報の読み取りが出来なかったことを検出すると(Act502のNo)、CPU100は、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データと比較して小さいか否かを判断する(Act503)。ここで、CPU100にて、カードCから得られた磁気データの振幅値が小さいか大きいか否かの判断は、予めROM101等に記憶されている磁気媒体の読取が正常であるか否かの基準となる基準データに基づいて行なわれる。基準データは、例えば、正常な状態の磁気データの振幅値、波形データ、若しくは正常か否かの判断に用いる閾値(値)等である。
【0037】
Act503にて、CPU100は、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも大きいと判断した場合(Act503のNo)、CPU100は、磁気データ読取のための閾値を変更するか否かの判断を行う(Act504)。
【0038】
タッチパネルを介して操作者から閾値変更の入力を待機し、閾値変更の入力があった場合は(Act504のYes)、磁気データ読取のための閾値を下げる処理を実行する(Act505)。
【0039】
なお、Act503にて、CPU100は、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも大きいと判断した場合とは、図4(b)に示すような全体の振幅値は小さくなってはいないが、局所的に一部の振幅値が小さくなった波形が得られた場合である。すなわち、この場合、磁気ストライプの一部がキズを受けたカードCが読取に使用されていると考えられる。かかる場合、出力(振幅値)の一部が正常時の磁気データと比べて小さくなっているため、読取のための閾値を現在設定されている閾値より引き下げることで、この小さくなっている出力(振幅値)の一部を読み取ることが出来る。
【0040】
Act505の処理の後、再度、操作者によりカードCがスライド溝にてスライド操作されることを待機し、スライド操作されたことをきっかけにCPU100はカードリーダライタ22を介して再読取を実行する(Act506)。ここで、CPU100は読取が出来たか否かを判断し(Act507)、カード情報の読取が出来た場合は(Act507のYes)、読取時の設定をRAM102などの記憶部に記憶する(Act508)。これにより、Act502のカードC読み取り時に一度読み取りエラーとなっており、Act505の処理にて閾値の設定が変更されていた場合は、閾値変更後の値に更新される。その後、通常の決済処理を実行する(Act509)。一方、Act507にて、カード情報の読取ができなかった場合(Act507のNo)は、そのまま読取不能として終了する(Act511)。
【0041】
なお、Act504にて読取のための閾値を変更することなく再度読取を実行させることも可能である(Act504のNoの処理)。すなわち、この場合、閾値の設定変更を行わずカード情報の再読取が実行される。つまり、カード情報読取の際に読み取りエラーとなった場合、すぐに閾値の設定が変更されるわけではなく、例えば操作者から閾値設定変更の入力がされたことを検知して閾値を変更するように構成されている。
【0042】
一方、Act503にて、CPU100は、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも小さいと判断したならば(Act503のYes)、読取部であるカードリーダライタ22の磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げる指令を待機する(Act512)。「磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げる指令を待機する」とは、例えば、操作者から磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げる設定変更がなされることを意味する。読取部であるカードリーダライタ22の磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げる指令があった場合(Act512のYes)、CPU100は読取部であるカードリーダライタ22の磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げる(Act513)。
【0043】
なお、Act503にて、CPU100が、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも小さいと判断した場合とは、図3(a)の、経年劣化の影響を受けてカードCの磁気ストライプCSに記録されている磁化の状態が弱まり、これにより得られる磁気データの出力(振幅値)が全体的に小さくなった磁気データが得られた場合であると考えられる。かかる場合、出力が全体的に正常時の磁気データと比べて小さくなっているため、カードリーダライタのヘッド感度を引き上げる、若しくはアンプ部で振幅を増幅させることで、この小さくなっている出力を読み取ることが出来る。
【0044】
なお、CPU100は、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも小さいと判断したならば(Act503のYes)、ヘッド感度を上げる指令を待機することなく、読取部であるカードリーダライタ22の磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げてもよい(Act513)。すなわち、カードCから得られた磁気データである波形の振幅値が基準データよりも小さいと判断したならば、Act512の処理を省略して自動的にヘッド感度を上げてもよい。
【0045】
Act513にて、CPU100は、カードリーダライタ22の磁気ヘッド22aのヘッド感度を上げた後、再度、操作者によりカードCがスライド溝24にてスライド操作されることを待機し、スライド操作されたことをきっかけに再読取が実行される(Act514)。
【0046】
ここで、CPU100は読取が出来たか否かを判断し(Act515)、カード情報の読取が出来た場合は(Act515のYes)、読取時の設定をRAM102などの記憶部に記憶する(Act516)。これにより、一度読み取りエラーとなってヘッド感度の設定が変更されていた場合は、変更後のヘッド感度の値に更新される。その後、通常の決済処理を実行する(Act517)。一方で、カード情報の読取ができなかった場合は、そのまま読取不能として終了する(Act518)。
【0047】
なお、CPU100は、磁気ヘッド22aのヘッド感度を変更することなく、再読取を待機して再読取の操作がなされたことを検知した場合に読み取りが出来たか否かを判断することも可能である。すなわちAct512のNoの処理にて、その後のフローチャートの処理を継続することもできる。
【0048】
以上、本実施形態のカード処理端末によると、カードリーダライタが読み取った磁気データと基準データとを比較し、この比較結果に応じてその後の磁気データの読取に関する設定を変更するので、経年劣化により磁気ストライプの磁化が弱まったことによる振幅値の減少による読取エラー又は磁気ストライプの一部欠けによる読取エラーのそれぞれに対応することが可能となる。
【0049】
また、タッチパネルなどを介して読取に関する設定の変更入力があった場合に、読取に関する設定を変更するように構成したので、操作者によるスライド操作が不十分であったことに起因する読取エラーの場合において、読取に関する設定を変更することなく対応することが出来る。
【0050】
また、本実施形態のカード処理端末によると、カード情報読取のための閾値を変更した場合やカード情報読取のためのカードリーダライタのヘッド感度を変更した場合は、この変更後の設定を記憶して更新する。このため、その後の読取の際に再度、読取設定の調整を要することなく変更後の読取に関する設定でカード情報読取を実行することが可能となる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 カード処理端末
20 ディスプレイ
21 タッチパネル
22 カードリーダライタ
22a 磁気ヘッド
24 スライド溝
100 CPU
101 ROM
102 RAM
104 通信I/F
F1 スライド方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気媒体に記録された磁気データを読み取る読取部と、
前記磁気媒体の基準データを記憶する記憶部と、
前記読取部で読み取った磁気データと前記基準データとを比較する比較部と、
この比較部の比較結果に基づいて、前記磁気媒体の読取に関する設定を変更する設定変更部と、
を備えることを特徴とするカード処理端末。
【請求項2】
前記記憶部が記憶する基準データは磁気データに関する振幅値であり、
前記比較部は、前記読取部が読み取った磁気データと前記基準データである前記振幅値とを比較し、
前記設定変更部は、前記比較部で前記読取部にて読み取られた磁気データが前記基準データである前記振幅値よりも小さいと判定された場合、前記読取部の読取感度を変更することを特徴とする請求項1に記載のカード処理端末
【請求項3】
前記記憶部が記憶する基準データは磁気データに関する振幅値であり、
前記比較部は、前記読取部が読み取った磁気データと前記基準データである前記振幅値とを比較し、
前記設定変更部は、前記比較部で前記読取部にて読み取られた磁気データが前記基準データである前記振幅値よりも大きいと判定された場合、前記磁気データ読取のための閾値を変更することを特徴とする請求項1に記載のカード処理端末
【請求項4】
操作入力を受け付ける受付部と、をさらに備え、
前記設定変更部は、前記受付部からの操作入力があった場合に、前記磁気媒体の読取に関する設定を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のカード処理端末。
【請求項5】
前記記憶部は、前記設定変更部で前前記読取部の読取感度が変更された場合に、この変更後の前記読取部の読取感度を記憶することを特徴とする請求項2又は4に記載のカード処理端末。
【請求項6】
前記記憶部は、前記設定変更部で前記磁気データ読取のための閾値が変更された場合に、この変更後の前記磁気データ読取のための閾値を記憶することを特徴とする請求項3又は4に記載のカード処理端末。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73293(P2013−73293A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210116(P2011−210116)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】