説明

カード処理装置

【課題】本発明の目的は、記憶機器の端子と、この記憶機器の端子と接触して情報の入出力又は電力を供給する端子と、の間の電気的な接触を確実に行うことができるカード処理装置を提供することである。
【解決手段】本発明のカード処理装置1は、メモリーカード101を出し入れ可能な開状態と、メモリーカード101の出し入れができない閉状態との2つの状態を有し、開状態において、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態となり、閉状態において、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触状態が第2の接触状態となるカード処理装置側端子17を有し、第2の接触状態において、少なくともカード処理装置側端子17と接続状態であり、開状態と閉状態間の状態変化によって、メモリーカード101又はカード処理装置側端子17を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の記憶機器にデータの入出力を行うためのカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ダブルインターフェースを有するメモリーカードの変換カード処理装置が記載されている。
また、特許文献2には、複数のスロットを有するカード処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001―166858号公報
【特許文献2】特開2001―184463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法においては、メモリーカードの端子とこの端子と接触する端子との間にゴミ等が付着して電気的な接触を阻害してしまうおそれがあるという不利益がある。
【0005】
本発明の目的は、記憶機器の端子と、この記憶機器の端子と接触して情報の入出力又は電力を供給する端子と、の間の電気的な接触を確実に行うことができるカード処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカード処理装置は、記憶機器を出し入れ可能な開状態と、前記記憶機器の出し入れができない閉状態との2つの状態を有し、前記開状態において、前記記憶機器の記憶機器側端子との接触状態が第1の接触状態となり、前記閉状態において、前記記憶機器の記憶機器側端子と接触状態が第2の接触状態となるカード処理装置側端子を有し、前記第2の接触状態において、少なくとも前記記憶機器と接続状態であり、前記開状態と前記閉状態間の状態変化によって、前記記憶機器又は前記カード処理装置側端子を移動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、記憶機器の端子と、この記憶機器の端子と接触して情報の入出力又は電力を供給する端子と、の間の電気的な接触を確実に行うことができるカード処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るカード処理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態のカード処理装置の外観を説明する説明図である。
【図3】蓋部を除去したケースの正面図である。
【図4】図3のテーブル部にメモリーカードが挿入された状態を説明する説明図である。
【図5】図4のV−Vにおける断面図である。
【図6】カード処理装置が中間状態にある状態を記載したものである。
【図7】本発明の効果の説明図である。
【図8】カード処理装置の信号処理系を示すブロック図である。
【図9】より好適なカード処理装置側端子の配置の説明図である。
【図10】カード処理装置の第2の実施形態の説明図である。
【図11】第2の実施形態におけるカード処理装置の動作の説明図である。
【図12】第2の実施形態におけるカード処理装置の動作の説明図である。
【図13】第2の実施形態の変形例の説明図である。
【図14】図13の第2の実施形態の変形例の一例を具体的に説明する図である。
【図15】カード処理装置の第3の実施形態の説明図である。
【図16】第3の実施形態におけるカード処理装置の動作の説明図である。
【図17】第3の実施形態におけるカード処理装置の動作の説明図である。
【図18】第4の実施形態の説明図である。
【図19】第5の実施形態の説明図である。
【図20】第6の実施形態の説明図である。
【図21】第7の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施形態とする)について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.カード処理装置1の第1の実施形態の説明
2.カード処理装置1の第2の実施形態の説明
3.カード処理装置1の第3の実施形態の説明
4.カード処理装置1の第4の実施形態の説明
5.カード処理装置1の第5の実施形態の説明
6.カード処理装置1の第6の実施形態の説明
7.カード処理装置1の第7の実施形態の説明
【0010】
<1.カード処理装置1の第1の実施形態の説明>
図1は、本発明の実施形態に係るカード処理装置1の外観を示す斜視図である。
【0011】
図1(a)のように、カード処理装置1は、蓋部3及びケース5から構成されている。
蓋部3とケース5は、連結部7によって連結されている。具体的には、ケース5の一側辺を回転中心として蓋部3が回転するように構成されている。
なお、蓋部3とケース5との連結方法、動作については、図6のところで詳説する。
【0012】
カード処理装置1は、蓋部3とケース5とが連結部分のみで接触している状態で有る開状態をとることが可能である。
また、カード処理装置1は、蓋部3とケース5とが面接触しており、かつ、そのまま直ちに蓋部3とケース5とが離間した開状態をとることができない、閉状態をとることが可能である。
さらに、カード処理装置1は、開状態と閉状態との間に、蓋部3とケース5とが面接触しているが、そのまま直ちに蓋部3とケース5とが離間した開状態をとることができる、中間状態をとることが可能である。
ここで、開状態とは図1(a)の状態であり、中間状態とは図1(b)の状態であり、閉状態とは図1(c)の状態が該当する。
また、開状態とは、メモリーカード101を出し入れ可能な状態をいい、この開状態では、カード処理装置1はメモリーカード101とは情報信号の入出力・電源の供給等を行わない。
他方、閉状態とは、メモリーカード101を出し入れ不可能な状態をいい、この閉状態では、カード処理装置1はメモリーカード101とは情報信号の入出力・電源の供給等を行う。
【0013】
図1(a)のように、ケース5の蓋部3とケース5とが面接触する面には、各種のメモリーカード等を収納可能な収納部11が形成されたテーブル部9を有する。
収納部11は、複数の種類のメモリーカード101に対応する為にそれぞれのメモリーカード101に対応した形状を有する。
具体的には、それぞれの収納部11が収納するべきメモリーカード101よりも摺動方向について長く、他の部分はメモリーカード101よりも僅かに大きく形成されている。
つまり、収納部11は、対応するメモリーカード101が挿入された場合に、メモリーカード101を摺動方向には移動可能としつつ他の方向には移動できないように構成されている。
なお、摺動方向とは、図4で詳説するが、連結部7が位置する方向をいう。
【0014】
ここで、テーブル部9にこのように、収納部11を複数設けなければならない理由を説明する。
現在、記憶機能を有するメモリーカード101は複数種類ユーザに提供されており、今後も、その種類は、メモリーカード101の用途等に応じるために増加する可能性が高い。
これらの複数のメモリーカード101に対応するためには、複数の種類のメモリーカード101に対応する収納部11が必要であるからである。
【0015】
ケース5の連結部7が設けられているのとは反対側の側面位置には、スロット部13が配置されている。
本来は、スロット部13に挿入されるメモリーカード101もテーブル部9の収納部11に収納されるべきものである。
しかし、厚さ等の問題で、テーブル部9に収納部11を設けることができないメモリーカード101と情報通信・電力供給するためにスロット部13が設けられている。
したがって、そのようなメモリーカード101との情報通信等を行わない場合、又は、そのようなメモリーカード101用の収納部11をテーブル部9に設ける場合には、スロット部13は不要である。
【0016】
メモリーカード101から出力された情報通信は、USBコード15によって各種の電子機器に提供される。
逆に、各種の電子機器からUSBコード15を介して与えられた情報信号が、メモリーカード101に入力される。
ここで、各種の電子機器とは、たとえば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、カメラ、テレビジョン、プリンター、PDA、携帯電話機等である。
【0017】
図1(a)の開状態から、蓋部3を、連結部7を中心に回転させてケース5と密接状態にした状態が、図1(b)の中間状態である。
この中間状態から、さらに、蓋部3を摺動方向(連結部7が位置する方向)に摺動(スライド)したことによって、図1(c)の閉状態となる。
なお、図1(c)の閉状態では、蓋部3とケース5とは完全に重畳している。
一方、中間状態では、蓋部3とケース5とずれて重畳しており、摺動方向の反対側に蓋部3が張り出した状態となっている。
【0018】
図2は、本実施形態のカード処理装置1の外観を説明する説明図である。
【0019】
図2(a)は、正面図である。また、図2(b)は、連結部7側の側面の側面図である。さらに、図2(c)は、連結部7が設けられている側とは反対側の側面の側面図である。
図2(a)のように、カード処理装置1は正面から見ると長方形形状を有している。
そして、蝶番に類する機能を有する連結部7が短手方向位置に配置されている。
この連結部7が配置されている位置とは反対側の短手方向の蓋部3の部分が大きく動いて開閉動作を行う。
図2(b)のように、ケース5にはUSBインターフェース14が設けられている。
このUSBインターフェース14にUSBコード15が連結されて、メモリーカード101と各種の電子機器が情報通信・電力供給等が行われる。
図2(c)のように、ケース5にはスロット部13が設けられている。
【0020】
図3は、蓋部3を除去したケース5の正面図である。
【0021】
図3のように、ケース5の蓋部3と接合する側の面には、テーブル部9が設けられている。
そして、このテーブル部9には、複数のメモリーカード101に対応する複数の収納部11が設けられている。
具体的には、収納部11は、対応するメモリーカード101よりも摺動方向に長く形成されている(図4参照のこと)。
また、収納部11には、メモリーカード101が収納部11に挿入され、蓋部3が摺動方向に移動した閉状態となったときに、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触可能な、カード処理装置側端子17を有する。
このカード処理装置側端子17は、収納部11における摺動方向の連結部7側の位置に配置されている。
もっとも、このカード処理装置側端子17の位置は、各収納部11が収納する各メモリーカード101のメモリーカード側端子103の位置に対応している必要がある。
さらに、収納部11の摺動方向の連結部7側の位置には、取出し溝19が配置されている。
この取出し溝19は、収納部11に収納されているメモリーカード101を取り出す為のものである。
取出し溝19は、球又は楕円体を4等分した形状を有している。もっとも、この形状に限定する趣旨ではない。
この取出し溝19にユーザは指を挿入して、メモリーカード101を外部側に引き出すことによって、メモリーカード101を収納部11から取り出す。
【0022】
図4は、図3のテーブル部9にメモリーカード101が挿入された状態を説明する説明図である。
【0023】
図4では、複数ある収納部11のうち1つにメモリーカード101が挿入されている。
もっとも、複数のメモリーカード101を同時に挿入することも可能である。
図4のように、収納部11の形状は、対応するメモリーカード101と略同一の形状を有するが、メモリーカード101を連結部7方向に摺動可能とするために、摺動方向にメモリーカード101よりも長く構成されている。
このように収納部11がメモリーカード101よりも長く構成されていることによって、メモリーカード101は、蓋部3の中間状態から閉状態へとの移動に応じて同様の方向に移動する(図5も参照のこと)。
また、メモリーカード101が摺動移動することによって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置側端子17とが接合、及び非接合状態となる。
なお、場合によっては、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置側端子17とが中間状態においても接合状態となってもよい。
【0024】
図5は、図4のV−Vにおける断面図である。
【0025】
図5(a)は、カード処理装置1の開状態の断面図である。図5(b)は、カード処理装置1の中間状態の断面図である。図5(c)は、カード処理装置1の閉状態の断面図である。
図5(a)のように、カード処理装置1の蓋部3とケース5とは連結部7によって結合されている。
そして、蓋部3とケース5とが接合する側のケース5の面には、テーブル部9が配置されている。そして、テーブル部9の内部側には、基板21が配置されている。
基板21の内部方向には、さらに、USBインターフェース14及びスロット部13が配置されている。
また、蓋部3には、メモリーカード押出部22及びメモリーカード押え部24が設けられている。
このメモリーカード押出部22は、中間状態から閉状態へ遷移する際に、メモリーカード101を押し出して、メモリーカード101を収納部11内で連結部7側に移動させる機能を有する。
また、メモリーカード押え部24は、メモリーカード101が収納部11から浮き上がるのを防ぐ機能を有する。
テーブル部9には、図3及び図4のところで説明したように、収納部11及び取出し溝19が形成されている。
さらに、収納部11には、カード処理装置側端子17が突出している。このカード処理装置側端子17は、弾性力を有しており、外力によって、内部側方向に撓むことが可能である。
このカード処理装置側端子17、スロット部13、USBインターフェース14は、基板21に機械的・電気的に連結している。
【0026】
この図5(a)の開状態において、蓋部3を、連結部7を中心に回転させて蓋部3をケース5に当接させると図5(b)の中間状態となる。
この図5(b)の状態においては、蓋部3とケース5は当接しているが、蓋部3は連結部7とは反対側位置に張り出している。
蓋部3のメモリーカード押出部22は、収納部11において連結部7とは反対側位置に位置するメモリーカード101の後端部に当接している。
さらに、メモリーカード押え部24は、メモリーカード101が蓋部3の開方向に移動しないように押さえている。
【0027】
図5(b)の状態において、蓋部3を連結部7の方向に摺動させることによって、図5(c)の閉状態となる。
この蓋部3の摺動より、蓋部3のメモリーカード押出部22がメモリーカード101を押して、メモリーカード101を収納部11の連結部7側に摺動させる。
そして、メモリーカード101が収納部11の連結部7側に移動したことによって、メモリーカード側端子103とカード処理装置側端子17とが電気的に接合する。
そして、この状態において、メモリーカード101への情報信号の入出力・電力供給が行われる。
【0028】
図6は、連結部7を説明する説明図である。
【0029】
図6は、カード処理装置1が中間状態にある状態を記載したものである。
図6のように、連結部7は、蓋部3に設けられた蓋部連結用張出部3a、ケース5に設けられたケース連結用張出部5a、ケース側連結棒7a、蓋部側連結棒7b及びリンク7cから構成されている。
蓋部3の一部を成す蓋部連結用張出部3aとリンク7cとはケース連結用張出部5aによって、回転可能に形成されている。
また、ケース5の一部を成すケース連結用張出部5aとリンク7cとはケース連結用張出部5aによって、回転可能に形成されている。
中間状態から閉状態に移行する際には、リンク7cが図6の状態からケース側連結棒7aを中心に移動する(図5(c)の連結部7の位置も参照のこと)。
なお、この移動に伴い、蓋部3は、ケース5にケース5側の面の全てが当接した状態から、この面の連結部7側が浮いた状態(外部側方向に移動した状態)になり、再び、ケース5にケース5側の面の全てが当接した状態となる。
本実施形態における、摺動にはこのように、横方向に移動している際に一時的に当接しなくなり、再び当接することを含むものである。
さらになお、連結部7の機構は一例であり、様々なリンク機構や、構造によって同様の機能を果たすことが可能である。
つまり、この面の連結部7側が浮いた状態(外部側方向に移動した状態)にならずに、そのまま摺動(スライド)する様な機構で有っても良く、例えば、回転穴を楕円等にすることも可能である。
また、図6よりも、さらに複雑な機構であっても良い。
【0030】
図7は、本発明の効果の説明図である。
【0031】
図7(a)及び図7(b)は、従来のメモリーカード側端子103とカード処理装置側端子17との間の接合状態での問題点を説明する説明図である。
図7(a)のように、カード処理装置側端子17(又はメモリーカード側端子103)にホコリ、ゴミ、油等の絶縁性の物質が存在する場合に、単純に、メモリーカード側端子103を接合すると、図7(b)のような状態となるおそれがある。
つまり、カード処理装置側端子17とメモリーカード側端子103との接合ができない又は不完全となり、情報通信又は電力の供給ができない又は不安定となる可能性がある。
一方、図7(c)に記載した本実施形態のように、メモリーカード101をカード処理装置側端子17に対して摺動させると、絶縁性の物質を押し出して図7(d)のような状態とすることができる。つまり、セルフクリーニング効果を発揮させることができる。
本実施形態では、このように、セルフクリーニング効果を発揮させることができるので、通信・電力供給を安定的に行うことが可能となる。
【0032】
図8は、カード処理装置1の信号処理系を示すブロック図である。
【0033】
図8に示されるように、カード処理装置1は、制御・処理の中枢である制御部57と、USBインターフェース14と、各カード処理装置側端子17のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス58に共通に接続され、構成される。
なお、スロット部13もシステムバス58に接続されている。
【0034】
複数のカード処理装置側端子17は、メモリーカード101と電気的に接続されている。
ここで、カード処理装置側端子17は、メモリーカード101との情報通信信号の入出力のみならず、メモリーカード101へ電力の供給等も行っている。
【0035】
USBインターフェース14は、USBコード15を介して、各種の電子機器と電気的に接続される。
USBインターフェース14は、各種の電子機器と情報通信信号の入出力を行い、さらに、各種の電子機器から電力の供給を受ける。
具体的には、電源供給を受ける第1の端子及び第2の端子と、情報信号の入出力を行う第3の端子及び第4の端子を有する。
【0036】
制御部57は、カード処理装置側端子17へのメモリーカード101の接続の有無、USBインターフェース14が各種の電子機器に接続されているか等を検出する。
そして、制御部57は、各種の電子機器から受ける命令信号に基づいてメモリーカード101に情報の記録又は読み出しを行う。
【0037】
また、制御部57は、カード処理装置1が開状態、中間状態又は閉状態のいずれであるかを検出することが可能に構成されている。
具体的には、たとえば、スイッチ等による蓋部3の位置を検出することによって、カード処理装置1の状態(開状態、中間状態又は閉状態)を検出することができる。
そして、その状態(開状態、中間状態又は閉状態)並びに状態変化に応じて各種の処理を行う。
たとえば、開状態から中間状態への変化を検出してカード処理装置1の電源のONを行い、さらに、中間状態から閉状態に移行したことを検出して、メモリーカード101との情報通信を自動的に開始する。
また、たとえば、閉状態から中間状態への変化を検出して、情報通信及び電力供給を中止する等の処理を行っても良い。
さらに、たとえば、開状態から中間状態への変化を検出して各種の電子機器との通信を開始するようにしても良い。
【0038】
図9は、より好適なカード処理装置側端子17の配置の説明図である。
【0039】
図9(a)のように、収納部11に配置される複数のカード処理装置側端子17をメモリーカード101が摺動する方向にずらして配置する。
この配置は、図9(a)のように収納部11の短手方向(摺動方向とは直角方向)に進むに従って秩序だって摺動方向に徐々にずらして配置しても良いし、ランダムにずらして配置しても良い。
そして、この収納部11にメモリーカード101を挿入する。
なお、図9(b)は、収納部11にメモリーカード101を挿入した時の説明図である。
好適には、メモリーカード101との接地に用いられる端子、その後に、メモリーカード101への電源供給に用いられる端子、さらにその後に、メモリーカード101との情報通信に用いられる端子、がメモリーカード側端子103と接触するように構成する。
つまり、接地に用いられる端子、電源供給に用いられる端子、情報通信に用いられる端子の順に連結部7とは反対側の位置から順に配置される。
このように構成することによって、接地、電源、信号の接続の順で行われ、メモリーカード101との接続を安定して行うことが可能となる。
つまり、接地電位をまずは確定し、その後、電源から電力を供給して回路を安定させ、その後、情報信号を通信するという順序を守ることを物理的に行うことが可能となる。
そして、これらの処理を行った後に、カード処理装置1はメモリーカード101というメディアの検出を行う。
【0040】
<2.カード処理装置1の第2の実施形態の説明>
図10は、カード処理装置1の第2の実施形態の説明図である。
【0041】
第1の実施形態と図10で示されている第2の実施形態との違いは、第1の実施形態ではテーブル部9は摺動移動せず固定されていたが、第2の実施形態ではテーブル部9が摺動移動する点である。
つまり、図10のテーブル部9とメモリーカード101とは摺動移動せず、メモリーカード101と一体化したテーブル部9全体が摺動移動して、ケースに固定されたカード処理装置側端子17に対して相対移動する。
なお、カード処理装置側端子17は基板21に固定されており、基板21はケース5に固定されている。
そして、カード処理装置側端子17は、収納部11に形成された端子溝部18から収納部11に突出している。
また、基板21にUSBインターフェース14及びスロット部13も固定されている。
カード処理装置1が中間状態及び開状態にある時に、テーブル部9を連結部7とは反対側位置に移動させるためのバネ部23が配置されている。
【0042】
図10のように、蓋部3には押出用溝部3bが形成されており、テーブル部9には押出用突起部9aが形成されている。
そして、カード処理装置1が閉状態及び中間状態となった場合には、この押出用溝部3bに押出用突起部9aが挿入された状態となる。
中間状態から閉状態への移行時には、押出用溝部3bの側壁が押出用突起部9aの側壁を押すことによって、テーブル部9が連結部7方向に摺動する。
【0043】
図11は、第2の実施形態におけるカード処理装置1の動作の説明図である。
【0044】
図11は基本的には図5と同一であるので、同一の点は説明を省略する。
図11(a)のように、開状態(蓋部3が開いた状態)では、バネ部23の弾性力により、テーブル部9は連結部7とは反対側に移動している。
この開状態から図11(b)の中間状態となると、押出用溝部3bに押出用突起部9aが収納される。
そして、この中間状態から図11(c)の閉状態となる際に、蓋部3を連結部7方向に摺動移動すると、押出用溝部3bの側壁が押出用突起部9aの側壁を押して、テーブル部9を連結部7側に摺動移動させる。
【0045】
図12は、第2の実施形態におけるカード処理装置1の動作の説明図である。
図12(a)のようにテーブル部9には、収納部11が配置されている。なお、この第2の実施形態では、メモリーカード101はテーブル部9に対しては相対移動しないため、収納部11の形状は、対応するメモリーカード101とほぼ同一の形状を有している。
閉状態とするとテーブル部9は図12(b)のように、連結部7の方向に移動する。これによって、バネ部23は圧縮される。
【0046】
<第2の実施形態の変形例>
図13は、第2の実施形態の変形例の説明図である。
【0047】
前述した第2の実施形態と異なる点は、テーブル部9にカード処理装置側端子収納部25を設けている点である。
このカード処理装置側端子収納部25は、テーブル部9の内部側(基板21側)に、空間として設けられている。
また、カード処理装置側端子収納部25は収納部11の連結部7方向に設けられており、カード処理装置側端子収納部25の一部が収納部11と連通している。
このカード処理装置側端子収納部25に収納されるカード処理装置側端子17は、テーブル部9が連結部7方向に移動する(閉状態となる)ことによって、収納部11内に露出することになる。
【0048】
図14は、図13の第2の実施形態の変形例の一例を具体的に説明する図である。
【0049】
図14のように、テーブル部9には収納部11が形成されている。
この収納部11の内部側には、テーブル部9が連結部7側に移動してカード処理装置側端子17が収納部11内に移動して来た場合に、カード処理装置側端子17を受け入れる端子溝部18が形成されている。
端子溝部18は、収納部11の内部側で、かつ、収納部11の連結部7側に設けられる。
また、カード処理装置側端子収納部25は、収納部11の連結部7側で、かつ、内部側位置に設けられている。
そして、テーブル部9が開状態又は中間状態においては図14(a)のように、カード処理装置側端子17は、カード処理装置側端子収納部25内に収納される。
他方、テーブル部9が閉状態においては図14(b)のように、カード処理装置側端子17は、カード処理装置側端子収納部25から出て端子溝部18に存在する。
このように、閉状態となると、カード処理装置側端子17は収納部11に露出する。
そして、カード処理装置側端子17は収納部11に露出した場合に、メモリーカード101が収納部11に存在しているときには、カード処理装置側端子17はメモリーカード101のメモリーカード側端子103と電気的に接続される。
なお、第2の実施形態ではテーブル部9が移動する場合であったが、後述するように、カード処理装置側端子17とメモリーカード側端子103とが相対的に移動する場合であれば、どのような場合であっても、この方法を利用することができる。
このように構成したことによって、開状態である時にカード処理装置側端子17が、毀損することを防ぐことができる。
つまり、メモリーカード101を収納部11に挿入する際にカード処理装置側端子17を毀損すること、開状態においてユーザ等が触れてカード処理装置側端子17を毀損すること、カード処理装置側端子17にホコリ等が付着することを防ぐことが可能となる。
【0050】
<3.カード処理装置1の第3の実施形態の説明>
図15は、カード処理装置1の第3の実施形態の説明図である。
【0051】
第1の実施形態及び第2の実施形態と図15で示されている第3の実施形態との違いは、テーブル部9にスライドトレー部29が設けられている点である。
つまり、第3の実施形態ではテーブル部9は摺動移動せず固定されておいり、メモリーカード101をカード処理装置側端子17に対して摺動させるのは、メモリーカード101を収納したスライドトレー部29が摺動することによる。
なお、カード処理装置側端子17は基板21に固定されており、基板21はケース5に固定されている。
また、基板21にUSBインターフェース14及びスロット部13も固定されている。
カード処理装置1が中間状態及び開状態にある時に、テーブル部9を連結部7とは反対側位置に移動させるためのバネ部23が配置されている。
【0052】
図15のように、蓋部3には押出用溝部3bが形成されており、スライドトレー部29には押出用板29aが形成されている。
そして、カード処理装置1が閉状態及び中間状態となった場合には、この押出用溝部3bに押出用板29aが挿入された状態となる。
中間状態から閉状態への移行時には、押出用溝部3bの側壁が押出用板29aを押すことによって、スライドトレー部29が連結部7方向に摺動する。
【0053】
図16は、第3の実施形態におけるカード処理装置1の動作の説明図である。
【0054】
図16は基本的には図5及び図11と同一であるので、同一の点は説明を省略する。
図16(a)のように、開状態(蓋部3が開いた状態)では、バネ部23の弾性力により、スライドトレー部29は連結部7とは反対側に移動している。
この開状態から図16(b)の中間状態となると、押出用溝部3bに押出用板29aが収納される。
そして、この中間状態から図16(c)の閉状態となる際に、蓋部3を連結部7方向に摺動移動すると、押出用溝部3bの側壁が押出用板29aを押して、スライドトレー部29を連結部7側に摺動移動させる。
【0055】
図17は、第3の実施形態におけるカード処理装置1の動作の説明図である。
図17(a)のようにテーブル部9には、収納部11が配置されている。なお、この第3の実施形態では、メモリーカード101は収納部11内を移動しないため、収納部11の形状は、対応するメモリーカード101とほぼ同一の形状を有している。
閉状態とするとスライドトレー部29は図17(b)のように、連結部7の方向に移動する。これによって、バネ部23は圧縮される。
なお、この第3の実施形態に図13のように、カード処理装置側端子収納部25を設けることも当然に可能である。
【0056】
<4.カード処理装置1の第4の実施形態の説明>
図18は、第4の実施形態の説明図である。
【0057】
図18のように、メモリーカード101を衝動移動するのではなく、カード処理装置側端子17を摺動移動することも可能である。
その方法は、図18のように、蓋部3に蓋部押出用突起部3cによってカード処理装置側端子17を摺動させる。
なお、図18の方法はあくまで一例であり、カード処理装置側端子17摺動移動させることができるものであればどのようなものであっても良い。
なお、この第4の実施形態に図13のように、カード処理装置側端子収納部25を設けることも当然に可能である。
【0058】
<5.カード処理装置1の第5の実施形態の説明>
図19は、第5の実施形態の説明図である。
【0059】
テーブル部9の移動は、図19のように、蓋部3に第1蓋部押出部3d及び第2蓋部押出部3eを設けて、図19(a)及び図19(b)のような方法によって行うことも可能である。
【0060】
<6.カード処理装置1の第6の実施形態の説明>
図20は、第6の実施形態の説明図である。
【0061】
以上の方法では蓋部3を有していたが、本発明の本質は、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に摺動移動させることであるから、図20の方法を用いることも可能である。
つまり、テーブル部9を引き出し式にすることも可能である。
【0062】
<7.カード処理装置1の第7の実施形態の説明>
図21は、第7の実施形態の説明図である。
【0063】
また、蓋部3を有していても蓋部3の開閉方向は必ずしも図1のように上方向である必要はなく、たとえば、図21のように、横方向に開いてもよい。
【0064】
以上の実施形態によれば、本発明のカード処理装置1は、メモリーカード101を出し入れ可能な開状態と、メモリーカード101の出し入れができない閉状態との2つの状態を有している。
また、開状態において、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態となり、閉状態において、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触状態が第2の接触状態となるカード処理装置側端子17を有している。
そして、第2の接触状態において、少なくともメモリーカード101と接続状態である。
さらに、開状態と閉状態間の状態変化によって、メモリーカード101又はカード処理装置側端子17を移動させる。
以上のような構成を有していることによって、メモリーカード101を保護することが可能となる。
つまり、開状態においてのみユーザはメモリーカード101を抜き差し可能となる。
そして、このことによって、閉状態(データ通信を行っている場合が多い)においてメモリーカード101が不用意に抜き差しされることや、衝撃等が加わりデータ通信に不都合や、メモリーカード101のデータの毀損を防ぐことが可能となる。
さらに、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とが、相対的に移動することになるので、セルフクリーニングを可能とすることができる。
そして、セルフクリーニングが行われたことによって、データ通信の安定性が向上するという効果もある。
【0065】
ケース5と、ケース5に設けられた蓋部3と、を有している。
そして、蓋部3がケース5と離間してメモリーカード101を出し入れ可能な開位置をとることによって開状態となり、ケース5と密着してメモリーカード101を出し入れ不可能な閉位置をとることによって閉状態となる。
このような構成、つまり、蓋部3を開閉してメモリーカード101を出し入れする構成としたことによって、メモリーカード101を保護することができる。
つまり、蓋部3を閉めることによって、メモリーカード101に対してユーザが直接アクセスすることが出来なくなり、これによって、メモリーカード101を保護することが可能となる。
さらに、蓋部3を開け閉めと情報通信の可否を対応させることによって、人間の直感に合致した操作性を持たせることが可能となる。
【0066】
ケース5は、メモリーカード101を載置可能な収納部11を含むテーブル部9を有している。
また、テーブル部9の収納部11には、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触するカード処理装置側端子17が挿入される端子溝部18が形成されている。
そして、収納部11は、メモリーカード101を一定方向に摺動して往復動可能とするためにメモリーカード101よりも摺動方向に長く形成されている。
また、蓋部3が開状態から閉状態へと遷移することによって、メモリーカード101を第1の方向(連結部7の方向)に摺動させ、蓋部3が閉状態から開状態へと遷移することによって、メモリーカード101を第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させる。
そして、カード処理装置側端子17は、メモリーカード101が摺動によって移動することによって、端子溝部18を相対的に摺動する。
また、メモリーカード101が第1の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
さらに、カード処理装置側端子17は、メモリーカード101が第2の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第1の接触状態(情報通信を行わない状態)となる。
このように構成したことによって、容易な構成によって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
つまり、このような構成としたことによって、カード処理装置1内のテーブル部9を摺動させる必要がないことから、より簡単な構成とすることが可能である。
【0067】
開状態と閉状態との間に中間状態とを有し、中間状態は、蓋部3がケース5に密着しているが、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態である。
そして、蓋部3を摺動させて第1の方向に摺動させることによって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態から第2の接触状態に遷移する。
このような構成としたことによって、より確実に、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0068】
蓋部3には、メモリーカード101を押し出す蓋部押出用突起部が設けられている。
そして、蓋部押出用突起部3cは、蓋部3が中間状態から閉状態への摺動移動によって、メモリーカード101に当接して摺動方向に押し出す。
このような構成を有することから、メモリーカード101を収納部11内に位置させつつ、移動させることができる。
【0069】
ケース5は、メモリーカード101を載置可能な収納部11を含むテーブル部9を有している。
また、テーブル部9の収納部11には、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触するカード処理装置側端子17が挿入される端子溝部18が形成されている。
そして、テーブル部9は、一定方向に摺動して往復動可能に形成され、蓋部3が開状態から閉状態へと遷移することによって第1の方向に摺動し、蓋部3が閉状態から開状態へと遷移することによって第1の方向とは反対である第2の方向に摺動する。
さらに、カード処理装置側端子17は、テーブル部9が摺動によって移動することによって、端子溝部18を相対的に摺動する。
そして、テーブル部9が第1の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
また、テーブル部9が第2の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第1の接触状態(情報通信を行わない状態)となる。
このように構成したことによって、容易な構成によって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0070】
開状態と閉状態との間に中間状態とを有している。
また、中間状態は、蓋部3がケース5に密着しているが、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態である。
そして、蓋部3を摺動させて第1の方向に摺動させることによって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態から第2の接触状態に遷移する。
このような構成としたことによって、より確実に、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0071】
テーブル部9は、収納部11に隣接して設けられたカード処理装置側端子収納部25を有している。
また、カード処理装置側端子17は、開状態では、収納部11に隣接して設けられたカード処理装置側端子収納部25内に位置している。
そして、カード処理装置側端子17は、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態(情報通通信を行わない状態)となる。
また、カード処理装置側端子17は開状態から閉状態に遷移するとカード処理装置側端子収納部25内から摺動移動して収納部11内に移動して、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
このように構成したことによって、開状態である時にカード処理装置側端子17が、毀損することを防ぐことができる。
つまり、メモリーカード101を収納部11に挿入する際にカード処理装置側端子17を毀損すること、開状態においてユーザ等が触れてカード処理装置側端子17を毀損すること、カード処理装置側端子17にホコリ等が付着することを防ぐことが可能となる。
【0072】
ケース5は、メモリーカード101を載置可能な収納部11を含むスライドトレー部29を摺動可能に保持するテーブル部9を有している。
また、スライドトレー部29の収納部11には、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触するカード処理装置側端子17が挿入される端子溝部18が形成されている。
そして、スライドトレー部29は、一定方向に摺動して往復動可能に形成されており、蓋部3が開状態から閉状態へと遷移することによって、スライドトレー部29を第1の方向に摺動させる。
また、スライドトレー部29は、蓋部3が閉状態から開状態へと遷移することによって、スライドトレー部29を第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させる。
そして、カード処理装置側端子17は、スライドトレー部29が摺動によって移動することによって、端子溝部18を相対的に摺動する。
その結果、カード処理装置側端子17は、スライドトレー部29が第1の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
また、カード処理装置側端子17は、スライドトレー部29が第2の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第1の接触状態(情報通信を行わない状態)となる。
このように構成したことによって、容易な構成によって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0073】
開状態と閉状態との間に中間状態とを有し、中間状態は、蓋部3がケース5に密着しているが、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態である。
また、蓋部3を摺動させて第1の方向に摺動させることによって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態から第2の接触状態に遷移する。
このような構成としたことによって、より確実に、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0074】
テーブル部9は、収納部11に隣接して設けられたカード処理装置側端子収納部25を有している。
また、カード処理装置側端子17は、開状態では、収納部11に隣接して設けられたカード処理装置側端子収納部25内に位置して、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第1の接触状態(情報通信を行わない状態)となる。
カード処理装置側端子17は開状態から閉状態に遷移すると、カード処理装置側端子収納部25内から摺動移動して収納部11内に移動し、メモリーカード101のメモリーカード側端子103との接触状態が第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
このように構成したことによって、開状態である時にカード処理装置側端子17が、毀損することを防ぐことができる。
つまり、メモリーカード101を収納部11に挿入する際にカード処理装置側端子17を毀損すること、開状態においてユーザ等が触れてカード処理装置側端子17を毀損すること、カード処理装置側端子17にホコリ等が付着することを防ぐことが可能となる。
【0075】
ケース5は、メモリーカード101を載置可能な収納部11を含むテーブル部9を有している。
また、テーブル部9の収納部11には、メモリーカード101のメモリーカード側端子103と接触するカード処理装置側端子17が挿入される端子溝部18が形成されている。
そして、カード処理装置側端子17は、一定方向に摺動して往復動可能に形成されており、蓋部3が開状態から閉状態へと遷移することによって、カード処理装置側端子17を第1の方向に摺動させる。
さらに、カード処理装置側端子17は、蓋部3が閉状態から開状態へと遷移することによって、カード処理装置側端子17を第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させる。
また、カード処理装置側端子17は、カード処理装置側端子17が摺動によって移動することによって、端子溝部18を相対的に摺動する。
そして、カード処理装置側端子17は、カード処理装置側端子17が第1の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第2の接触状態(情報通信を行う状態)となる。
さらに、カード処理装置側端子17は、カード処理装置側端子17が第2の方向に摺動したことによって、メモリーカード側端子103と第1の接触状態(情報通信を行わない状態)となる。
このように構成したことによって、容易な構成によって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0076】
カード処理装置1は、ケース5と、ケース5に設けられ、ケース5から引き出し可能に形成されたテーブル部9と、を有している。
また、テーブル部9がケース5から引き出されてメモリーカード101を出し入れ可能な開位置をとることによって開状態となり、ケース5内に押し込まれてメモリーカード101を出し入れ不可能な閉位置をとることによって閉状態となる。
このように構成したことによって、容易な構成によって、メモリーカード101のメモリーカード側端子103とカード処理装置1のカード処理装置側端子17とを相対的に移動することが可能になる。
【0077】
メモリーカード側端子103又はカード処理装置側端子17の複数の端子は、第1の方向にずれて配置されている。
このように構成することによって、接地、電源、信号の接続この順で行われ、メモリーカード101との接続を安定して行うことが可能となる。
つまり、接地電位をまずは確定し、その後、電源から電力を供給して回路を安定させ、その後、情報信号を通信するという順序を守ることを物理的に行うことが可能となる。
【0078】
本発明において、メモリーカード101は記憶機器の一例である。つまり、記憶機能を有するものであればどのようなものであっても良く、記憶機能以外の機能が主たる機能である装置も記憶機器に該当する。また、記憶機器は、平板形状(カード形状)を想定して実施形態を記載しているが、必ずしもカード形状でなくても良い。
また、開状態においては本発明の第1の接触状態の一例であり、閉状態は本発明の第2の接触状態の一例である。
さらに、ケース5の連結部7がある方向が本発明の第1の方向に該当し、その反対方向が本発明の第2の方向に該当する。
【0079】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【符号の説明】
【0080】
1…カード処理装置、3…蓋部、3a…蓋部連結用張出部、3b…押出用溝部、3c…蓋部押出用突起部、3d…第1蓋部押出部、3e…第2蓋部押出部、5…ケース、5a…ケース連結用張出部、7…連結部、7a…ケース側連結棒、7b…蓋部側連結棒、7c…リンク、9…テーブル部、9a…押出用突起部、11…収納部、13…スロット部、14…USBインターフェース、15…USBコード、17…カード処理装置側端子、18…端子溝部、19…取出し溝、21…基板、22…メモリーカード押出部、23…バネ部、24…メモリーカード押え部、25…カード処理装置側端子収納部、29…スライドトレー部、29a…押出用板…制御部、58…システムバス、101…メモリーカード(記憶機器)、103…メモリーカード側端子(記憶機器側端子)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶機器を出し入れ可能な開状態と、前記記憶機器の出し入れができない閉状態との2つの状態を有し、
前記開状態において、前記記憶機器の記憶機器側端子との接触状態が第1の接触状態となり、前記閉状態において、前記記憶機器の記憶機器側端子と接触状態が第2の接触状態となるカード処理装置側端子を有し、
前記第2の接触状態において、少なくとも前記記憶機器と接続状態であり、
前記開状態と前記閉状態間の状態変化によって、前記記憶機器又は前記カード処理装置側端子を移動させる
カード処理装置。
【請求項2】
ケースと、
前記ケースに設けられた蓋部と、を有し、
前記蓋部が前記ケースと離間して記憶機器を出し入れ可能な開位置をとることによって前記開状態となり、前記ケースと密着して前記記憶機器を出し入れ不可能な閉位置をとることによって前記閉状態となる
請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記記憶機器を載置可能な収納部を含むテーブル部を有し、
前記テーブル部の前記収納部には、前記記憶機器の前記記憶機器側端子と接触するカード処理装置側端子が挿入される端子溝部が形成され、
前記収納部は、
前記記憶機器を一定方向に摺動して往復動可能とするために前記記憶機器よりも摺動方向に長く形成されており、
前記蓋部が前記開状態から前記閉状態へと遷移することによって、前記記憶機器を第1の方向に摺動させ、
前記蓋部が前記閉状態から前記開状態へと遷移することによって、前記記憶機器を前記第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させ、
前記カード処理装置側端子は、
前記記憶機器が摺動によって移動することによって、前記端子溝部を相対的に摺動し、
前記記憶機器が前記第1の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第2の接触状態となり、
前記記憶機器が前記第2の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第1の接触状態となる
請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項4】
前記開状態と前記閉状態との間に中間状態とを有し、
前記中間状態は、前記蓋部が前記ケースに密着しているが、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態であり、
前記蓋部を摺動させて前記第1の方向に摺動させることによって、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態から前記第2の接触状態に遷移する
請求項3に記載のカード処理装置。
【請求項5】
前記蓋部には、前記記憶機器を押し出す蓋部押出用突起部が設けられ、
前記蓋部押出用突起部は、前記蓋部が前記中間状態から前記閉状態への摺動移動によって、前記記憶機器に当接して摺動方向に押し出す
請求項4に記載のカード処理装置。
【請求項6】
前記ケースは、前記記憶機器を載置可能な収納部を含むテーブル部を有し、
前記テーブル部の前記収納部には、前記記憶機器の前記記憶機器側端子と接触するカード処理装置側端子が挿入される端子溝部が形成され、
前記テーブル部は、
一定方向に摺動して往復動可能に形成され、
前記蓋部が前記開状態から前記閉状態へと遷移することによって第1の方向に摺動し、
前記蓋部が前記閉状態から前記開状態へと遷移することによって前記第1の方向とは反対である第2の方向に摺動し、
前記カード処理装置側端子は、
前記テーブル部が摺動によって移動することによって、前記端子溝部を相対的に摺動し、
前記テーブル部が前記第1の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第2の接触状態となり、
前記テーブル部が前記第2の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第1の接触状態となる
請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項7】
前記開状態と前記閉状態との間に中間状態とを有し、
前記中間状態は、前記蓋部が前記ケースに密着しているが、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態であり、
前記蓋部を摺動させて前記第1の方向に摺動させることによって、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態から前記第2の接触状態に遷移する
請求項6に記載のカード処理装置。
【請求項8】
前記テーブル部は、前記収納部に隣接して設けられたカード処理装置側端子収容部を有し、
前記カード処理装置側端子は、
前記開状態では、前記収納部に隣接して設けられたカード処理装置側端子収容部内に位置して、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態となり、
前記開状態から閉状態に遷移すると、カード処理装置側端子収容部内から摺動移動して前記収納部内に移動して、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第2の接触状態となる
請求項7に記載のカード処理装置。
【請求項9】
前記ケースは、前記記憶機器を載置可能な収納部を含むスライドトレー部を摺動可能に保持するテーブル部を有し、
前記スライドトレー部の前記収納部には、前記記憶機器の前記記憶機器側端子と接触するカード処理装置側端子が挿入される端子溝部が形成され、
前記スライドトレー部は、
一定方向に摺動して往復動可能に形成されており、
前記蓋部が前記開状態から前記閉状態へと遷移することによって、前記スライドトレー部を第1の方向に摺動させ、
前記蓋部が前記閉状態から前記開状態へと遷移することによって、前記スライドトレー部を前記第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させ、
前記カード処理装置側端子は、
前記スライドトレー部が摺動によって移動することによって、前記端子溝部を相対的に摺動し、
前記スライドトレー部が前記第1の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第2の接触状態となり、
前記スライドトレー部が前記第2の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第1の接触状態となる
請求項8に記載のカード処理装置。
【請求項10】
前記開状態と前記閉状態との間に中間状態とを有し、
前記中間状態は、前記蓋部が前記ケースに密着しているが、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態であり、
前記蓋部を摺動させて前記第1の方向に摺動させることによって、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態から前記第2の接触状態に遷移する
請求項9に記載のカード処理装置。
【請求項11】
前記テーブル部は、前記収納部に隣接して設けられたカード処理装置側端子収容部を有し、
前記カード処理装置側端子は、
前記開状態では、前記収納部に隣接して設けられたカード処理装置側端子収容部内に位置して、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第1の接触状態となり、
前記開状態から閉状態に遷移すると、カード処理装置側端子収容部内から摺動移動して前記収納部内に移動して、前記記憶機器の前記記憶機器側端子との接触状態が前記第2の接触状態となる
請求項10に記載のカード処理装置。
【請求項12】
前記ケースは、前記記憶機器を載置可能な収納部を含むテーブル部を有し、
前記テーブル部の前記収納部には、前記記憶機器の前記記憶機器側端子と接触するカード処理装置側端子が挿入される端子溝部が形成され、
前記カード処理装置側端子は、
一定方向に摺動して往復動可能に形成されており、
前記蓋部が前記開状態から前記閉状態へと遷移することによって、前記カード処理装置側端子を第1の方向に摺動させ、
前記蓋部が前記閉状態から前記開状態へと遷移することによって、前記カード処理装置側端子を前記第1の方向とは反対である第2の方向に摺動させ、
前記カード処理装置側端子は、
前記カード処理装置側端子が摺動によって移動することによって、前記端子溝部を相対的に摺動し、
前記カード処理装置側端子が前記第1の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第2の接触状態となり、
前記カード処理装置側端子が前記第2の方向に摺動したことによって、前記記憶機器側端子と前記第1の接触状態となる
請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項13】
ケースと、
前記ケースに設けられ、前記ケースから引き出し可能に形成されたテーブル部と、を有し、
前記テーブル部が前記ケースから引き出されて記憶機器を出し入れ可能な開位置をとることによって前記開状態となり、前記ケース内に押し込まれて前記記憶機器を出し入れ不可能な閉位置をとることによって前記閉状態となる
請求項1に記載のカード処理装置。
【請求項14】
前記記憶機器側端子又は前記カード処理装置側端子の複数の端子は、前記第1の方向にずれて配置されている
請求項3〜13に記載のカード処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate