説明

カード反転装置

【課題】湾曲することなく反転することができるカード反転装置を提供する。
【解決手段】反転機構61にカード体3を保持するカード保持部122を設ける。カード保持部122を回転する為の回転中心軸85をカード保持部122に保持されるカード体3に沿って延設するとともにカード体3の搬送方向51と直交する方向に延設する。カード保持部122の回転に伴ってカード保持部122に保持されたカード体3の表裏を反転して排出可能とする。カード保持部122に保持されたカード体3の厚み方向における回転中心軸85の位置を、カード保持部122に保持されたカード体3のカード保持位置151と一致するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード体を反転するカード反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カード体には、表面及び裏面が設定されており、複数のカードを扱う際には、表面を向いたカード体と、裏面を向いたカード体とが混在仕勝ちであった。
【0003】
このようなカードを処理する際には、カード体の向きを統一する必要があり、その反転装置としては、カード体をローラに沿って湾曲して折り返すことで当該カード体を反転する装置が考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、樹脂製のRFID等のチップを内蔵したカード体においては、ローラの沿って湾曲する際に、内蔵チップを破損する恐れがある。また、厚肉で硬質なカード体にあっては、ひび割れ等が懸念される。
【0005】
このようなカード体の場合にあっては、反転することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、湾曲することなく反転することができるカード反転装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のカード反転装置にあっては、上流側から供給されたカード体を反転させて下流へ排出する反転機構を備えたカード反転装置であって、前記反転機構は、上流側から供給されたカード体を保持するカード保持部を備え、該カード保持部を回転する為の回転中心軸を、前記カード保持部に保持される前記カード体に沿って延設するとともに該カード体の搬送方向と直交する方向に延設し、前記カード保持部の回転に伴って当該カード保持部に保持された前記カード体の表裏を反転して排出可能に構成し、前記カード保持部に保持された前記カード体の厚み方向における前記回転中心軸の位置が、前記カード保持部に保持された前記カード体の保持位置と一致するように構成した。
【0008】
すなわち、上流側からカード保持部に供給されたカード体の表裏を反転する際には、前記カード保持部を回転中心軸を中心として回転する。
【0009】
このとき、該回転中心軸は、前記カード保持部に保持された前記カード体に沿って延設されるとともに該カード体の搬送方向と直交する方向に延設されている。このため、前記カード保持部に保持された状態において、上方を向いた前記カード体の面は、下方を向いた状態に反転される。
【0010】
これにより、前記カード保持部に保持された前記カード体は、当該カード保持部に保持された状態で、表裏が反転され下流側へ排出される。
【0011】
ここで、前記カード体を保持した前記カード保持部を単純に回転すると、該カード保持部を回転せずにカード体を排出するときの高さ位置と、前記カード保持部を回転させた状態でカード体を排出するときの高さ位置とが異なってしまう。このため、排出部の高さを、反転時と非反転時とで変更する等、機構の複雑化を招いてしまう。
【0012】
そこで、本願発明においては、前記カード保持部に保持された前記カード体の厚み方向における前記回転中心軸の位置が、前記カード保持部に保持された前記カード体の保持位置と一致するように構成されている。
【0013】
このため、下流側に設定された排出部の高さを変更する等、機構の複雑化を招くことなく、同一の高さの排出部からの排出が可能となる。
【0014】
また、請求項2のカード反転装置においては、前記反転機構を、前記回転中心軸を中心として回転される表裏反転部と、該表裏反転部に回転可能に支持され前記カード保持部が設けられた前後回転部とで構成し、前記前後回転部の回転中心を前記カード保持部に保持される前記カード体に対して直交方向に延設し、前記前後回転部を回転することで前記カード保持部に保持された前記カード体の前後を反転して排出可能の構成した。
【0015】
すなわち、前記反転機構は、前記回転中心軸を中心として回転される表裏反転部と、該表裏反転部に回転可能に支持された前後回転部で構成されており、該前後回転部に前記カード保持部が設けられている。
【0016】
このため、前記表裏反転部を前記回転中心軸を中心として回転することで、該表裏反転部に支持された前記前後回転部が回転され、該前後回転部の前記カード保持部に保持されたカード体の表裏が反転される。
【0017】
一方、前記表裏反転部には、前記前後回転部が回転可能に支持されており、当該前後回転部の回転中心は、前記カード保持部に保持される前記カード体に対して直交方向に延設されている。
【0018】
このため、この前後回転部を前記表裏反転部に対して回転することで、前記カード保持部に保持された前記カード体の前後を反転して排出することができる。
【0019】
このように、前記表裏反転部の回転で前記カード保持部に保持された前記カード体は、表裏が反転される一方、前記前後回転部の回転によって前記カード保持部に保持された前記カード体は、前後が反転される。
【0020】
さらに、請求項3のカード反転装置では、前記表裏反転部を、前記前後回転部を支持した底面と、該底面の両側部に立設され前記回転中心軸が設定された側壁とで構成するとともに両側壁の上縁部を天面で連設し、前記回転中心軸を境とした前記底面側と前記天面側とのバランスを調整する為のウェイトを前記天面に取付可能に構成した。
【0021】
すなわち、前記表裏反転部は、前記前後回転部を支持した底面と、該底面の両側部に立設された側壁とを備えており、該側壁に前記回転中心軸が設定されている。
【0022】
このため、前記側壁への前記回転中心軸の設定位置によって、前記カード保持部に保持された前記カード体の厚み方向における前記回転中心軸の位置と前記カード保持部に保持された前記カード体の保持位置とを一致させることができる。
【0023】
そして、前記両側壁の上縁部は天面で連設されており、当該天面にウェイトを取付可能に構成されている。
【0024】
このため、前記回転中心軸を境とした前記底面側と前記天面側とのバランスが、前記天面に取り付けられるウェイトによって調整される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明の請求項1のカード反転装置にあっては、上流側から供給されたカード体をカード保持部に保持した状態で表裏を反転し、下流側へ排出することができる。
【0026】
このため、カード体をローラに沿って湾曲して折り返すことで表裏を反転させる場合と比較して、樹脂製のRFID等のチップが内蔵されたカード体や硬質なカード体であっても、内蔵チップの破損やカードのひび割れ等の不具合を発生すること無く、カード体の表裏を反転することができる。
【0027】
これにより、反転可能なカード体の対象を拡大することができる。
【0028】
このとき、前記カード体を保持した前記カード保持部を単純に回転すると、該カード保持部を回転せずにカード体を排出する場合と、前記カード保持部を回転してカード体を排出する場合とで、カード体が排出される高さ位置が異なり、反転時と非反転時とで排出部を変更するなど機構を複雑化が余儀なくされる。
【0029】
そこで、本願発明においては、前記カード保持部に保持された前記カード体の厚み方向における前記回転中心軸の位置が、前記カード保持部に保持された前記カード体の保持位置と一致するように構成されている。
【0030】
このため、下流側に設定された排出部の高さを変更する等、機構の複雑化を招くことなく、同一の排出部からカード体を排出することができ、装置の簡素化を図ることができる。
【0031】
また、請求項2のカード反転装置においては、表裏反転部を回転することでカード保持部に保持されたカード体の表裏を反転することができる。一方、前後回転部を回転することによってカード保持部に保持されたカード体の前後を反転することができる。
【0032】
したがって、表裏が逆さまのカード体や前後が逆さまのカード体が混在する場合であってもカード体の向きを揃えることができる。
【0033】
さらに、請求項3のカード反転装置では、前記表裏反転部の天面にウェイトを取り付けることによって、回転中心軸を境とした底面側と天面側とのバランスを調整することができる。
【0034】
このため、バランスが崩れた状態で前記表裏反転部を回転駆動する場合と比較して、スムーズな回転が可能となり、駆動機構への負担防止効果や振動発生抑制効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態の側面を示す透明図である。
【図2】同実施の形態の検査部を示す説明図である。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】同実施の形態の反転機構を示す説明図である。
【図5】(a)は、非反転状態を示す説明図であり、(b)は、反転状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の第一の実施の形態を図に従って説明する。
【0037】
図1は、本実施の形態にかかるカード反転装置1を備えたカード検査装置2を示す図であり、該カード検査装置2は、樹脂製のRFIDチップを内蔵したカード体3を検査する装置である。
【0038】
このカード検査装置2の装置本体11は、カード供給部12が設けられており、該カード供給部12には、複数のカード体3,・・・が収容されたカートリッジ13が交換可能に取り付けられるように構成されている。前記カード供給部12は、前記カートリッジ13内の前記カード体3を供給するためのローラ14,14を備えており、前記カートリッジ13内の前記カード体3を一枚ずつ下流側へ供給できるように構成されている。
【0039】
前記カード供給部12の下流側には、検査部21が設けられており、該検査部21では、前記カード供給部12より供給されたカード体3の向きや、カード体3に設けられたRFIDチップの状態を検査するように構成されている。
【0040】
ここで、このカード体3は、図2に示すように、前端左角部が斜めに切欠されており、切欠部32が設けられている。これにより、当該カード体3は、表裏と前後とが区別されている。
【0041】
前記検査部21には、第一から第四光センサ41〜44が設けられている。各光センサ41〜44は、コ字状に形成されており、その間に前記カード体3を挿通できるように構成されている。各光センサ41〜44は、発光部と受光部とが対向して設けられており、前記発光部からの光が受光部で受光された受光状態と、前記発光部からの光が遮られ前記受光部で受光できない非受光状態とを検出できるように構成されている。
【0042】
前記第一光センサ41は、前記カード体3の搬送方向51に対して下流左側に配置されており、当該検査部21で検査される前記カード体3の前左角部52の状態を検出できるように構成されている。また、前記第二光センサ42は、下流右側に配置されており、前記カード体3の前右角部53の状態を検出できるように構成されている。前記第三光センサ43は、上流左側に配置されており、前記カード体3の後左角部54の状態を検出できるように構成されている。前記第四光センサ44は、上流右側に配置されており、前記カード体3の後右角部55の状態を検出できるように構成されている。
【0043】
これにより、前記カード体3の前左角部52の状態を検出する前記第一センサ41で受光が検出され、かつ前記第二から第四センサ42〜44で受光が検出されない場合には、検査したカード体3が表面前向きの正常状態であることを検出できる。また、前記カード体3の後左角部54の状態を検出する前記第三センサ43で受光が検出され、かつ前記第一、第二及び第四センサ41,42,44で受光が検出されない場合には、検査したカード体3が裏面後ろ向きであることを検出でき、当該カード体3が表裏逆向きにセットされたことを検出することができる。
【0044】
また、前記カード体3の前右角部53の状態を検出する前記第二センサ42で受光が検出され、かつ前記第一、第三、第四センサ41,43,44で受光が検出されない場合には、検査したカード体3が裏面前向きであることを検出でき、前記カード体3の後右角部55の状態を検出する前記第四センサ44で受光が検出され、かつ前記第一から第三センサ41〜44で受光が検出されない場合には、検査したカード体3が表面後ろ向きであることを検出できる。
【0045】
この検査部21の下流側には、図1に示したように、前記カード反転装置1を構成する反転機構61が設けられており、該反転機構61によって上流側から供給された前記カード体3を反転させて下流へ排出できるように構成されている。
【0046】
すなわち、図3に示すように、前記装置本体11の両側部には、左支持壁71及び右支持壁72が設けられており、両支持壁71,72間には、表裏反転部73が設けられている。この表裏反転部73は、前記左支持壁71に回動自在に設けられた左回転軸74と、前記右支持壁72に回動自在に支持された右回転軸75とによって回転自在に支持されている。
【0047】
前記左支持壁71を挿通して延出した前記左回転軸74の先端部には、従動プーリ81が設けられており、該従動プーリ81は、ベルト82を介して駆動プーリ83に接続されている。該駆動プーリ83は、前記装置本体11に設けられた反転モータ84の出力軸に接続されており、該反転モータ84によって前記表裏反転部73を前記両回転軸74,75が構成する回転中心軸85を中心として回動できるよう構成されている。
【0048】
前記左回転軸74には、反転角検出板91が設けられており、該反転角検出板91は、回転センサ92によって回転位置が検出されるように構成されている。これにより、前記回転センサ92での検出状態から前記表裏反転部73の回転角度を検出できるように構成されている。
【0049】
前記表裏反転部73は、前記左回転軸74に支持された左側壁101と、前記右回転軸75に支持された右側壁102と、両側壁101,102の下縁を連設する底面103と、前記両側壁101,102の上縁を連設する天面104とによってロ字状に形成されている。前記天面104の前縁及び後縁には、図1及び図3に示しように、上方へ向けて折曲されたフランジ105,105が形成されており、両フランジ105,105間には、前記回転中心軸85を境とした前記底面103側と前記天面104側とのバランスを調整する為のウェイト106が取り付けられるウェイト取付部107が設定されている。該ウェイト取付部107は、ボルト挿通穴で構成されており、このウェイト取付部107には、板状の前記ウェイト106が前記ボルト挿通穴に挿通されたボルトによって固定され、前記回転中心軸85を境とした前記底面103側と前記天面104側とのバランスが均衡するように設定されている。
【0050】
前記底面103の中央部には、図3に示すように、前後回転部111が設けられている。該前後回転部111は、前後回転モータ112で駆動される回転ステージ113を備えており、該回転ステージ113のベース114は、前記底面103に固定されている。前記回転ステージ113のステージ115には、回転角検出板116が設けられており、該回転角検出板116は、前記ベース114に設けられた角度センサ117によって、その回転位置が検出されるように構成されている。これにより、前記角度センサ117での検出状態から前記ステージ115の回転角度を検出できるように構成されている。
【0051】
前記ステージ115には、図3及び図4に示すように、円板状の回転板121が固定されており、該回転板121には、前記カード体3を保持する前記カード保持部122が設けられている。
【0052】
具体的に説明すると、図4に示したように、前記回転板121には、左L字ブラケット131と右L字ブラケット132とが対向して設けられており、両L字ブラケット131,132は、前記カード体3の搬送方向51に沿って延設されている。両L字ブラケット131,132間には、一対の軸部133,133が両端部に架橋されており、各軸部133,133の中央部には、ゴム製の上部ローラ134,134が設けられている。
【0053】
前記右L字ブラケット132の側部には、図3に示したように、搬送モータ145が配設されており、該搬送モータ145の出力軸は、前記右L字ブラケット132より延出した上流側の前記軸部133に接続されている。
【0054】
前記回転板121の中央部には、矩形用の開口部141が開設されており、該開口部141にも、ゴム製の下部ローラ142を備えた軸部143が架橋している。これにより、上流より前記両L字ブラケット131,132間に供給されるとともに前記回転板121に沿って搬送される前記カード体3は、前記両L字ブラケット131,132に設けられた前記両上部ローラ134,134と前記回転板121に設けられた前記下部ローラ142とによって上下から挟持された状態で保持できるように構成されており、前記搬送モータ145で前記上部ローラ134を回動することで、両ローラ134,134,142間に保持された前記カード体3を下流に搬送できるように構成されている。
【0055】
前記カード保持部122を回転して該カード保持部122に保持されたカード体3の表裏を反転する為の前記回転中心軸85の延在方向は、図3及び図4に示すように、当該カード保持部122に保持される前記カード体3に沿って延設するとともに該カード体3の搬送方向51と直交する方向に設定されており、図5の(a)から(b)に示すように、前記カード保持部122を前記表裏反転部73と共に回動することで、前記カード保持部122の回転に伴って当該カード保持部122に保持された前記カード体3の表裏を反転して下流側へ排出できるように構成されている。
【0056】
また、前記カード保持部122に保持されたカード保持位置151での前記カード体3の厚み方向における前記回転中心軸85の位置は、図3及び図5に示したように、前記カード保持部122に保持された前記カード体3のカード保持位置151、つまり前記カード保持部122に保持されたカード体3の中心152と一致するように構成されており、前記表裏反転部73を回転させない非反転状態153と前記表裏反転部73を回転させた反転状態154とにおいて、前記カード保持部122から排出されるカード体3を同じ高さ位置から排出できるように構成されている。
【0057】
さらに、図4に示したように、前記前後回転部111の回転中心161は、前記カード保持部122に保持される前記カード体3に対して直交方向に延在するように構成されており、前記前後回転部111を回転することで、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の前後を反転して排出できるように構成されている。
【0058】
そして、前記反転機構61の下流側には、図1に示したように、該反転機構61から供給されたカード体3をカードストッカ171に排出する排出部172が設けられており、該排出部172は、前記カード体3を上下から挟持する挟持ローラ173,173と、該挟持ローラ173,173を回動する図外の排出モータとによって構成されている。
【0059】
以上の構成にかかる本実施の形態において、検査部21での検査結果に基づいて、該検査部21からカード保持部122に供給されたカード体3の表裏を反転する際には、表裏反転部73を180度回転することで前記カード保持部122を回転中心軸85を中心として180度回転する。
【0060】
このとき、この回転中心軸85は、前記カード保持部122に保持された前記カード体3に沿って延設されるとともに、該カード体3の搬送方向51と直交する方向に延設されている。このため、前記カード保持部122に保持された状態において、上方を向いた前記カード体3の面は下方を向くとと共に、下流側に配置された端部は上流側を向いた状態に反転される。
【0061】
このように、前記カード体3を前記カード保持部122に保持した状態で表裏を反転し、下流側へ排出することができる。
【0062】
このため、カード体3をローラに沿って湾曲して折り返すことで表裏を反転させる場合と比較して、樹脂製のRFIDチップが内蔵されたカード体3であっても、前記RFIDチップの破損等の不具合を発生すること無く、カード体3の表裏を反転することができる。
【0063】
これにより、反転可能なカード体3の対象を拡大することができる。
【0064】
このとき、前記カード体3を保持した前記カード保持部122を単純に回転すると、該カード保持部122を回転せずにカード体3を排出する場合と、前記カード保持部122を回転してカード体3を排出する場合とで、カード体3が排出される高さ位置が異なり、反転時と非反転時とで排出部172の入口を変更するなど機構を複雑化が余儀なくされる。
【0065】
そこで、本実施の形態においては、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の厚み方向における前記回転中心軸85の位置が、前記カード保持部122に保持された前記カード体3のカード保持位置151と一致するように構成されている。
【0066】
このため、下流側に設定された排出部172の入口の高さを変更する等、機構の複雑化を招くことなく、同一の排出部172からカード体3を排出することができ、装置の簡素化を図ることができる。
【0067】
また、前記反転機構61は、前記回転中心軸85を中心として回転される表裏反転部73と、該表裏反転部73に回転可能に支持された前後回転部111で構成されており、該前後回転部111に前記カード保持部122が設けられている。
【0068】
このため、前記表裏反転部73を前記回転中心軸85を中心として回転することで、該表裏反転部73に支持された前記前後回転部111も回転され、該前後回転部111の前記カード保持部122に保持されたカード体3の表裏が反転される。
【0069】
一方、前記表裏反転部73には、前記前後回転部111が回転可能に支持されており、当該前後回転部111の回転中心161は、前記カード保持部122に保持される前記カード体3に対して直交方向に延設されている。
【0070】
このため、この前後回転部111を前記表裏反転部73に対して回転することで、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の前端と後端とを反転して排出することができる。
【0071】
このように、前記表裏反転部73を回転することで、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の表裏を反転できる。また、前記前後回転部111を回転することで、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の前後を反転することができる。
【0072】
したがって、表裏が逆さまのカード体3や前後が逆さまのカード体3が混在する場合であっても、検査部21での検査結果に基づいて、前記表裏反転部73と前記前後回転部111とを選択的に又は同時に回転することで、カード体3の向きを一定方向に揃えることができる。
【0073】
そして、前記表裏反転部73は、前記前後回転部111を支持した底面103と、該底面103の両側部に立設された各側壁101,102とを備えており、両側壁101,102に前記回転中心軸85が設定されている。
【0074】
このため、前記両側壁101,102への前記回転中心軸85の設定位置によって、前記カード保持部122に保持された前記カード体3の厚み方向における前記回転中心軸85の位置と前記カード保持部122に保持された前記カード体3のカード保持位置151とを一致させることができる。
【0075】
そして、前記両側壁101,102の上縁部は天面104で連設されており、当該天面104にウェイト106を取付可能に構成されている。
【0076】
このため、前記天面104に前記ウェイト106を取り付けることによって、前記回転中心軸85を境とした底面103側と天面104側とのバランスを調整することができる。
【0077】
このため、バランスが崩れた状態で前記表裏反転部73を回転駆動する場合と比較して、スムーズな回転が可能となり、駆動機構への負担防止効果や振動発生抑制効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 カード反転装置
3 カード体
51 搬送方向
61 反転機構
73 表裏反転部
85 回転中心軸
101 左側壁
102 右側壁
103 底面
104 天面
106 ウェイト
107 ウェイト取付部
111 前後回転部
122 カード保持部
151 カード保持位置
161 回転中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から供給されたカード体を反転させて下流へ排出する反転機構を備えたカード反転装置であって、
前記反転機構は、上流側から供給されたカード体を保持するカード保持部を備え、
該カード保持部を回転する為の回転中心軸を、前記カード保持部に保持される前記カード体に沿って延設するとともに該カード体の搬送方向と直交する方向に延設し、前記カード保持部の回転に伴って当該カード保持部に保持された前記カード体の表裏を反転して排出可能に構成し、
前記カード保持部に保持された前記カード体の厚み方向における前記回転中心軸の位置が、前記カード保持部に保持された前記カード体の保持位置と一致するように構成したことを特徴とするカード反転装置。
【請求項2】
前記反転機構を、前記回転中心軸を中心として回転される表裏反転部と、該表裏反転部に回転可能に支持され前記カード保持部が設けられた前後回転部とで構成し、
前記前後回転部の回転中心を前記カード保持部に保持される前記カード体に対して直交方向に延設し、前記前後回転部を回転することで前記カード保持部に保持された前記カード体の前後を反転して排出可能の構成したことを特徴とする請求項1記載のカード反転装置。
【請求項3】
前記表裏反転部を、前記前後回転部を支持した底面と、該底面の両側部に立設され前記回転中心軸が設定された側壁とで構成するとともに両側壁の上縁部を天面で連設し、前記回転中心軸を境とした前記底面側と前記天面側とのバランスを調整する為のウェイトを前記天面に取付可能に構成したことを特徴とする請求項2記載のカード反転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−236664(P2012−236664A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105824(P2011−105824)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】