説明

カード型包装体及びカレンダー型包装体

【課題】長期間にわたって服薬状況を管理することができるカード型包装体及びカレンダー型包装体を提供する。
【解決手段】表面に月毎の日付21が七曜表形式で印字されるとともに日付21の近傍に貫通孔22が形成された第一のシート20と、第一のシート20の貫通孔22が形成された領域に重ねられる領域に貫通孔32が形成された第二のシート30と、第一のシート20に重ねられた第二のシート30を第一のシート20に係止させる係止手段と、を備えるカード型包装体10である。PTPシート100を第一のシート20と第二のシート30の間に挟み込み、第一のシート20の貫通孔22からPTPシート100のポケット110を表面に露出させて日付21とポケット110とを一対一に対応させた状態で、係止手段によって第一のシート20に第二のシート30を係止させてPTPシート100を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型包装体及びカレンダー型包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬剤の包装技術の一つとして、いわゆるPTP(Press Through Package)シートが提案され、実用化されている。PTPシートは、薬剤を収容するためのポケットと、このポケットの開口部を被覆するアルミニウム薄膜と、を有しており、必要に応じてこのポケットを押圧してアルミニウム薄膜を破ることにより、ポケットに収容された薬剤を取り出すことができるようになっている。
【0003】
現在においては、PTPシートに収容された薬剤の服用状況を把握するための技術が種々提案されている。例えば、折り畳み可能な台紙に、服用日時や一日の服用数に対応させてマトリクス状に配置した開口部を設け、この台紙の内部にPTPシートを挟み込み開口部からPTPシートのポケットを露出させて服薬状況を管理する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−70404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような従来の技術においては、台紙に設けられた開口部から露出するPTPシートのポケットの変形状況等に基づいて服薬状況を把握することはできる。しかし、このような従来の技術を採用しても、長期間(例えば一ヶ月間や一年間)にわたり服薬が必要な患者に薬剤を提供するような場合には服薬状況を管理仕切れなくなり、飲み忘れが生じるおそれがあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、長期間にわたって服薬状況を管理することができるカード型包装体及びカレンダー型包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカード型包装体は、表面に月毎の日付が七曜表形式で印字されるとともに日付の近傍に貫通孔が形成された第一のシートと、第一のシートの貫通孔が形成された領域に重ねられる領域に貫通孔が形成された第二のシートと、第一のシートに重ねられた第二のシートを第一のシートに係止させる係止手段と、を備え、PTPシートを第一のシートと第二のシートの間に挟み込み、第一のシートの貫通孔からPTPシートのポケットを表面に露出させて日付とポケットとを一対一に対応させた状態で、係止手段によって第一のシートに第二のシートを係止させてPTPシートを保持するように構成されるものである。
【0008】
かかる構成を採用すると、2枚のシートの間にPTPシートを挟み込んで保持した際に、第一のシートの表面に印字された日付の近傍にPTPシートのポケットを露出させて、日付とPTPシートのポケットとを一対一に対応させることができる。従って、PTPシートに収納された薬剤を服用する患者(又は患者の服薬状況を管理する第三者)は、例えば一日一回PTPシートのポケットを押圧して第二のシートの貫通孔を介して薬剤を取り出すことにより、何月何日に薬剤を服用したかをきわめて簡単に認識することができる。第一のシートには月毎に日付が印字されているため、長期間にわたって服薬状況を管理することが可能となる。
【0009】
前記カード型包装体の第一のシートにおいて、貫通孔を複数形成することができる。例えば、第一の貫通孔と、第一の貫通孔と大きさの異なる第二の貫通孔と、を横方向に沿って配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って複数(例えば6列)配置することができる。第一の貫通孔の形状としては例えばPTPシートのポケット複数個分が収まる横長の形状(略楕円形、略長円形、略長方形等)を採用することができ、第二の貫通孔の形状としては例えばPTPシートのポケット1個分が収まる形状(略円形、略正方形、略楕円形、略長方形等)を採用することができる。また、大きさの異なる第三、第四の貫通孔を設けてもよい。貫通孔の個数や配置順は特に限定されるものではなく、例えば第一の貫通孔と、第二の貫通孔と、第一の貫通孔と、を横方向に沿ってこの順に配置することもできる。
【0010】
かかる構成を採用すると、PTPシートの横方向におけるポケットの間隔やポケットのサイズが変更された場合においても、第一のシートの貫通孔を複数種類形状のPTPシートのポケットに対応させることができる。例えば、7個1列のポケットを有するPTPシートを採用した場合には、横方向中央の円形の貫通孔(第二の貫通孔)にPTPシートの中央の1個のポケットを位置合わせすることにより、PTPシートの横方向におけるポケットの間隔やポケットのサイズが変更された場合においても、左右に配置された長円形の貫通孔(第一の貫通孔)によってPTPシートの左右3個ずつのポケットを支障なく露出させることができる。このようにPTPシートのポケット1個に対応する形状の貫通孔を中央に配置すると、PTPシートのポケット間隔が異なる場合における左右末端の位置ずれの積算値を最小にすることができるので、好ましい。
【0011】
また、前記カード型包装体において、第二のシートに、PTPシートを収納するための収納部を設けることが好ましい。この際、7個1列のポケットが1列設けられたPTPシートを収納するような1列用の収納部を採用し、この1列用の収納部を縦方向に沿って6つ設けることができる。また、7個1列のポケットが2列設けられたPTPシートを収納するような2列用の収納部を採用し、この2列用の収納部を縦方向に沿って3つ設けてもよい。
【0012】
かかる構成を採用すると、第一のシートと第二のシートの間にPTPシートを挟み込む前に、第二のシートの収納部によってPTPシートを収納して保持することができる。また、第二のシートに収納部を設けることにより、PTPシートをより確実に保持することができ、PTPシートの内容物を取り出す際に安定して取り出すことができるので、好ましい。
【0013】
また、前記カード型包装体の第二のシートにおいて、貫通孔を複数形成することができる。例えば、円形の貫通孔を第一のシートの日付に対応するように横方向に沿って7個配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って複数(例えば6列)配置することもできる。
【0014】
かかる構成を採用すると、第二のシートの各貫通孔の位置を、所定のサイズに設定されたPTPシートのポケットに一対一に対応させることができる。
【0015】
また、前記カード型包装体の第二のシートにおいて、第一の貫通孔と、第一の貫通孔と大きさの異なる第二の貫通孔と、を横方向に沿って配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って複数(例えば6列)配置することができる。第一の貫通孔の形状としては例えばPTPシートのポケット複数個分が収まる横長の形状(略楕円形、略長円形、略長方形等)を採用することができ、第二の貫通孔の形状としては例えばPTPシートのポケット1個分が収まる形状(略円形、略正方形、略楕円形、略長方形等)を採用することができる。また、大きさの異なる第三、第四の貫通孔を設けてもよい。貫通孔の個数や配置順は特に限定されるものではなく、例えば第一の貫通孔と、第二の貫通孔と、第一の貫通孔と、を横方向に沿ってこの順に配置することもできる。
【0016】
かかる構成を採用すると、PTPシートの横方向におけるポケットの間隔やポケットのサイズが変更された場合においても、第二のシートの貫通孔を複数種類形状のPTPシートのポケットに対応させることができる。例えば、7個1列のポケットを有するPTPシートを採用した場合には、横方向中央の円形の貫通孔(第二の貫通孔)にPTPシートの中央の1個のポケットを位置合わせすることにより、PTPシートの横方向におけるポケットの間隔やポケットのサイズが変更された場合においても、左右に配置された長円形の貫通孔(第一の貫通孔)によってPTPシートの左右3個ずつのポケットの範囲をカバーすることができる。このようにPTPシートのポケット1個に対応する形状の貫通孔を中央に配置すると、PTPシートのポケット間隔が異なる場合における左右末端の位置ずれの積算値を最小にすることができるので、好ましい。
【0017】
また、前記カード型包装体において、第一のシートに形成された切込部と、第二のシートの縁部と、から係止手段を構成し、切込部に縁部を嵌め込むことにより第一のシートに第二のシートを係止させることができる。
【0018】
かかる構成を採用すると、別途部材を設けることなくきわめて簡易に係止手段を構成することができる。
【0019】
また、前記カード型包装体において、第一及び第二のシートの平面形状を矩形状とした場合には、切込部として、第一のシートの縁部近傍に形成された円弧状切込部を採用することができる。円弧状切込部は、少なくとも一つ(好ましくは二つ以上)設けられるものとする。
【0020】
かかる構成を採用すると、第一のシートの縁部(例えば左右縁部や上下縁部)近傍に少なくとも二つ形成された円弧状切込部に第二のシートの縁部(左右縁部や上下縁部)を嵌め込むことができるので、安定的な係止状態を維持することが可能となる。
【0021】
また、前記カード型包装体において、第一のシートの各円弧状切込部の近傍に配置されたスリットを設けることが好ましい。
【0022】
かかる構成を採用すると、第一のシートの各縁部における円弧状切込部の近傍部分が撓み易くなるため、第二のシートの縁部を第一のシートの円弧状切込部に嵌め込み易くなる。
【0023】
また、前記カード型包装体において、第一及び第二のシートを、折曲部を介して一体的に接合することもできる。すなわち、第一及び第二のシートは必ずしも分離していなくてもよく、一枚のシートで構成してもよい。
【0024】
本発明に係るカレンダー型包装体は、前記カード型包装体を複数(例えば12個)備えるものである。
【0025】
かかる構成を採用すると、長期間(例えば1年間)にわたって服薬状況を管理することが可能となる。
【0026】
前記カレンダー型包装体において、複数のカード型包装体を構成する第二のシートを共通化することもできる。例えば、第一のシートとして月毎の日付が印字された12枚のシートを準備する一方、第二のシートとして1枚のシートを準備し、この1枚の第二のシートを12枚の第一のシートの各々と組み合わせてカード型包装体を構成してもよい。
【0027】
かかる構成を採用すると、第二のシートを複数製作する必要がなくなるため、包装体全体の製作に要する手間や時間を大幅に削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、長期間にわたって服薬状況を管理することができるカード型包装体及びカレンダー型包装体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係るカレンダー型包装体の斜視図である。
【図2】図1のカレンダー型包装体を構成するカード型包装体のカレンダーシートの平面図である。
【図3】図1のカレンダー型包装体を構成するカード型包装体のホルダーシートの平面図である。
【図4】図3のホルダーシートの収納部にPTPシートを収納する手順を説明するための説明図である。
【図5】図3のホルダーシートをカレンダースタンドに装着する手順を説明するための説明図である。
【図6】図3のホルダーシートを図2のカレンダーシートに装着する手順を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係るカード型包装体の使用状態を説明するための説明図である。
【図8】ホルダーシートの変形例を示す平面図である。
【図9】ホルダーシートの他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0031】
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るカレンダー型包装体1の構成について説明する。
【0032】
本実施形態に係るカレンダー型包装体1は、図1に示すように、カレンダースタンド2と、カレンダースタンド2上部に取り付けられたリング部材3と、リング部材3に取り付けられる12ヶ月分のカード型包装体10と、を備えている。なお、図1においては、2011年1月分のカード型包装体10のみを図示するとともに、カード型包装体10を構成するホルダーシート30(後述)の図示を省略している。
【0033】
カレンダースタンド2は、図1に示すように、厚紙等により略三角柱状に構成された縦置き可能な部材である。カード型包装体10は、後に詳述するように、2枚のシートの間にPTPシート100(図4)を挟み込んで保持しつつPTPシート100のポケット110を露出させて服薬状況を明らかにするものである。カレンダー型包装体1を卓上等に載置することにより、一年間にわたる服薬状況を容易に認識することが可能となる。なお、カレンダースタンド2を折り畳むことにより、カレンダー型包装体1を平坦にすることもできる。
【0034】
次に、図2及び図3等を用いて、本発明の実施形態に係るカード型包装体10の構成について説明する。
【0035】
本実施形態に係るカード型包装体10は、厚紙等で構成された平面視矩形状のカレンダーシート20と、カレンダーシート20と略同じ大きさに形成され可撓性合成樹脂等で構成された平面視矩形状のホルダーシート30と、を備えている。カレンダーシート20及びホルダーシート3は、各々、本発明における第一のシート及び第二のシートに相当するものである。
【0036】
カレンダーシート20の表面には、図2に示すように、月毎の日付21が七曜表形式で印字されている。なお、図2においては、2011年1月分の日付21を印字したカレンダーシート20を例示しているが、2011年2月分〜12月分の日付を印字したカレンダーシートを別途準備することができる。
【0037】
また、カレンダーシート20の各日付21の下部近傍には、貫通孔22(22a、22b)が形成されている。貫通孔22は、カレンダーシート20とホルダーシート30の間にPTPシート100(図4)を挟み込んで保持する際に、PTPシート100のポケット110を露出させるためのものである。本実施形態においては、横方向に長い長円形の貫通孔22a(第一の貫通孔)と、円形の貫通孔22b(第二の貫通孔)と、長円形の貫通孔22a(第一の貫通孔)と、を横方向に沿ってこの順に配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って6つ配置している。なお、貫通孔の列数は6列に限られるものではなく、日数の少ない月(例えば2月)においては5列だけ設けることもできる。また、該当する日付が存在しない曜日(例えば、2011年1月の場合には、第1列目の日曜日から金曜日と第6列目の火曜日から土曜日)に対応する位置には貫通孔を設けないでおくこともできる。
【0038】
カレンダーシート20の左右縁部20L・20R近傍及び下縁部20B近傍には、各縁部に沿って円弧状切込部23が形成されている。円弧状切込部23は、本発明における係止手段を構成するものであり、ホルダーシート30の左右縁部30L・30R及び下縁部30Bに形成された凹部33を嵌め込ませることにより、カレンダーシート20にホルダーシート30を係止させるように機能する。また、カレンダーシート20の各円弧状切込部23の両側には、各縁部に対して直角に延在する短いスリット24が形成されている。このようなスリット24を形成することにより、カレンダーシート20の各縁部におけるスリット間部分(円弧状切込部23の周囲部分)が撓み易くなる。なお、カレンダーシート20の上縁部20U近傍には、カレンダースタンド2上部に取り付けられたリング部材3を挿通させるリング孔25が複数設けられている。
【0039】
ホルダーシート30には、PTPシート100を収納するためのポケット(収納部)31が設けられている。本実施形態においては、7個1列のポケット110が1列設けられたPTPシート100(図4)を収納するような1列用の収納部31を採用しており、この1列用の収納部31を縦方向に沿って6個配置している。なお、収納部31の個数は6個に限られるものではなく、貫通孔32(後述)の列数が5列である場合には収納部31の個数を5個とすることもできる。本実施形態においては、可撓性合成樹脂等で構成された横長のフィルム部材を準備し、このフィルム部材の左右縁部の下半分と下縁部とをホルダーシート30に接着剤等で貼着することにより、上半分に開口部を有する収納部31を形成している。なお、収納部31を形成するフィルム部材には、後述する貫通孔32に対応する位置に貫通孔を設けておくこととする。
【0040】
また、ホルダーシート30には、カレンダーシート20の貫通孔22が形成された領域に重ねられる領域に貫通孔32が形成されている。貫通孔32は、カレンダーシート20とホルダーシート30の間に挟み込んで保持したPTPシート100(図4)のポケット110から薬剤を取り出す際に使用されるものである。PTPシート100のポケット110を押圧することにより薄膜を破って露出した薬剤は、ホルダーシート30の貫通孔32を介して外部に取り出されることとなる。本実施形態においては、カレンダーシート20の日付21に対応するように円形の貫通孔32を横方向に沿って7個配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って6つ配置している。なお、貫通孔32の列数は6列に限られるものではなく、日数の少ない月(例えば2月)においては5列だけ設けることもできる。
【0041】
また、ホルダーシート30の左右縁部30L・30R及び下縁部30Bには、カレンダーシート20の円弧状切込部23の位置に対応するように凹部33が設けられている。凹部33は本発明における係止手段を構成するものであり、カレンダーシート20の円弧状切込部23に嵌め込まれるように機能する。なお、ホルダーシート30の上縁部30U近傍には、カレンダースタンド2上部に取り付けられたリング部材3に係止されるリング係止部35が設けられている。
【0042】
続いて、図4〜図7を用いて、本発明の実施形態に係るカレンダー型包装体1及びカード型包装体10の使用方法について説明する。なお、以下の説明においては、カード型包装体10を構成するカレンダーシート20が予めカレンダースタンド2上部のリング部材3に取り付けられているものとする。
【0043】
まず、使用者は、図4に示すように、カード型包装体10を構成するホルダーシート30の収納部31に、7個1列のポケット110が1列設けられた横長のPTPシート100を収納する。この際、PTPシート100の薄膜をホルダーシート30の貫通孔32側に配置し、PTPシート100のポケット110を収納部31の貫通孔から露出させるようにする。
【0044】
次いで、使用者は、図5に示すように、カード型包装体10を構成するカレンダーシート20の背面側に、PTPシート100を収納したホルダーシート30を配置した状態で、ホルダーシート30のリング係止部35をカレンダースタンド2上部のリング部材3に係止させる。これにより、PTPシート100を収納したホルダーシート30は、カレンダーシート20の背面側に配置された状態でカレンダースタンド2に吊り下げられることとなる。
【0045】
続いて、使用者は、図6に示すように、カレンダーシート20の円弧状切込部23にホルダーシート30の左右縁部30L・30R及び下縁部30Bに形成された凹部33を嵌め込ませることにより、カレンダーシート20にホルダーシート30を係止させる。これにより、PTPシート100がカレンダーシート20とホルダーシート30の間に挟み込まれた状態で保持されることとなる。この際、カレンダーシート20の貫通孔22からPTPシート100のポケット110を露出させて、カレンダーシート20表面に印字された日付21とポケット110とを一対一に対応させるようにする。
【0046】
この後、使用者は、図7に示すように、例えば2011年1月14日において、カード型包装体10を把持しつつカレンダーシート20表面の日付(「14」)の下方の貫通孔22から露出したPTPシート100のポケット110を押圧して、薬剤を取り出す。薬剤を取り出した後は、取り出した日付(「14」)の下方に露出したPTPシート100のポケット110が変形することとなるため、この日付に服薬したことを使用者は認識することができる。
【0047】
以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、2枚のシート20・30の間にPTPシート100を挟み込んで保持した際に、カレンダーシート20の表面に印字された各日付21の近傍にPTPシート100のポケット110を露出させて、各日付21とPTPシート100のポケット110とを一対一に対応させることができる。従って、PTPシート100に収納された薬剤を服用する患者(又は患者の服薬状況を管理する第三者)は、一日一回PTPシート100のポケット110を押圧してホルダーシート30の貫通孔32を介して薬剤を取り出すことにより、何月何日に薬剤を服用したかをきわめて簡単に認識することができる。カレンダーシート20には月毎に日付が印字されているため、長期間にわたって服薬状況を管理することが可能となる。
【0048】
また、以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、PTPシート100の横方向におけるポケット110の間隔やポケット110のサイズが変更された場合においても、カレンダーシート20の貫通孔22(22a、22b)をPTPシート100のポケット110に対応させることができる。例えば、7個1列のポケット110を有するPTPシート100を採用した場合には、横方向中央の円形の貫通孔20bにPTPシート100の中央の1個のポケット110を位置合わせすることにより、PTPシート100の横方向におけるポケット110の間隔やポケット110のサイズが変更された場合においても、左右に配置された長円形の貫通孔20aによってPTPシート100の左右3個ずつのポケット110を支障なく露出させることができる。
【0049】
また、以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、ホルダーシート30に収納部31を設けているため、カレンダーシート20とホルダーシート30の間にPTPシート100を挟み込む前に、ホルダーシート30の収納部31によってPTPシート100を収納して保持することができる。
【0050】
また、以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、ホルダーシート30において、円形の貫通孔32をカレンダーシート20の日付に対応するように横方向に沿って7個配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って複数配置している。このため、ホルダーシート30の各貫通孔32の位置を、PTPシート100のポケット110に一対一に対応させることができる。
【0051】
また、以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、カレンダーシート20に形成された円弧状切込部23と、ホルダーシート30の縁部に形成された凹部33と、から係止手段を構成し、円弧状切込部23に凹部33を嵌め込むことによりカレンダーシート20にホルダーシート30を係止させている。従って、別途部材を設けることなくきわめて簡易に係止手段を構成することができる。また、カレンダーシート20の左右縁部20L・20R近傍及び下縁部20B近傍に形成された円弧状切込部23にホルダーシート30の左右縁部30L・30R及び下縁部30Bの凹部33を嵌め込んでいるので、安定的な係止状態を維持することが可能となる。
【0052】
また、以上説明した実施形態に係るカード型包装体10においては、カレンダーシート20の各円弧状切込部23の両側に、各縁部に対して直角に形成されたスリット24を設けているため、カレンダーシート20の各縁部におけるスリット間部分(円弧状切込部23の周囲部分)が撓み易くなる。このため、ホルダーシート30の縁部をカレンダーシート20の円弧状切込部23に嵌め込み易くなる。
【0053】
また、以上説明した実施形態に係るカレンダー型包装体1は、カード型包装体10を12個備えるものであるため、長期間(1年間)にわたって服薬状況を管理することが可能となる。
【0054】
なお、以上の実施形態においては、7個1列のポケット110が1列設けられた横長のPTPシート100をカード型包装体10に収納する例を示したが、カード型包装体10に収納するPTPシートの形態はこれに限られるものではない。例えば、1個のポケットが設けられたPTPシートと、6個1列のポケットが1列設けられた横長のPTPシートと、を組み合わせて計7個としてもよく、2個と5個、3個と4個の組み合わせを採用することもできる。
【0055】
また、以上の実施形態においては、7個1列のポケット110が1列設けられたPTPシート100を横方向(水平方向)に延在させた状態で収納するカード型包装体10を例示したが、このようなPTPシート100を縦方向(鉛直方向)に延在させた状態で収納するカード型包装体を採用することもできる。
【0056】
また、以上の実施形態においては、円形の貫通孔32が42個設けられたホルダーシート30を採用した例を示したが、貫通孔の形状や個数はこれに限られるものではない。例えば、図8に示すように、横方向に長い長円形の貫通孔32a(第一の貫通孔)と、円形の貫通孔32b(第二の貫通孔)と、長円形の貫通孔32a(第一の貫通孔)と、を横方向に沿ってこの順に配置することにより列を形成し、この列を縦方向に沿って複数(例えば6列)配置したホルダーシート30Aを採用することもできる。
【0057】
かかる構成を採用すると、PTPシート100の横方向におけるポケット110の間隔やポケット110のサイズが変更された場合においても、ホルダーシート30Aの貫通孔32a・32bをPTPシート100のポケットに対応させることができる。例えば、7個1列のポケット110を有するPTPシート100を採用した場合には、横方向中央の円形の貫通孔32bにPTPシート100の中央の1個のポケット110を位置合わせすることにより、PTPシート100の横方向におけるポケット110の間隔やポケット110のサイズが変更された場合においても、左右に配置された長円形の貫通孔32aによってPTPシート100の左右3個ずつのポケット110の範囲をカバーすることができる。
【0058】
また、以上の実施形態においては、7個1列のポケット110が1列設けられたPTPシート100(図4)を収納するような1列用の収納部31を設けたホルダーシート30を採用した例を示したが、収納部の態様はこれに限られるものではない。例えば、図9に示すように、7個1列のポケットが2列設けられたPTPシートを収納するような2列用の収納部31Bを縦方向に沿って3つ設けたホルダーシート30Bを採用することもできる。
【0059】
また、以上の実施形態においては、PTPシートを収納するための収納部31が設けられたホルダーシート30を採用した例を示したが、収納部は必ずしも設けられていなくてもよい。すなわち、カレンダーシート20の背面とホルダーシート30の前面との間にPTPシートを挟み込み、PTPシートのポケットをカレンダーシート20の貫通孔22から露出させた状態で、係止手段によってカレンダーシート20にホルダーシート30を係止させることにより、PTPシートを保持することもできる。
【0060】
また、以上の実施形態においては、カレンダーシート20及びホルダーシート30の上縁部をカレンダースタンド2上縁部に取り付けた例を示したが、カレンダーシート20及びホルダーシート30をカレンダースタンド2に取り付ける態様はこれに限られるものではない。例えば、カレンダーシート20及びホルダーシート30の左縁部(又は右縁部)をカレンダースタンド2の左縁部(又は右縁部)に取り付けることもできる。
【0061】
また、以上の実施形態においては、平面視矩形状のカレンダーシート20及びホルダーシート30を採用した例を示したが、これらシートの平面形状はこれに限られるものではなく、楕円形状、台形形状、多角形状等を採用することもできる。
【0062】
また、以上の実施形態においては、カレンダーシート20の円弧状切込部23とホルダーシート30の縁部(凹部33)とによって係止手段を構成した例を示したが、係止手段の構成は、カレンダーシート20に重ねられたホルダーシート30をカレンダーシート20に係止させることができるものであればいかなる構成を採用してもよい。例えば、マジックテープ(登録商標)、両面テープ、ボタン、クリップ等を係止手段として採用することもできる。
【符号の説明】
【0063】
1…カレンダー型包装体、10…カード型包装体、20…カレンダーシート(第一のシート)、20B…下縁部、20L…左縁部、20R…右縁部、21…日付、22…貫通孔、22a…長円形の貫通孔(第一の貫通孔)、22b…円形の貫通孔(第二の貫通孔)、23…円弧状切込部(係止手段)、24…スリット、30…ホルダーシート(第二のシート)、30B…下縁部、30L…左縁部、30R…右縁部、31・31B…収納部、32…円形の貫通孔、32a…長円形の貫通孔(第一の貫通孔)、32b…円形の貫通孔(第二の貫通孔)、33…凹部(係止手段)、100…PTPシート、110…ポケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に月毎の日付が七曜表形式で印字されるとともに前記日付の近傍に貫通孔が形成された第一のシートと、前記第一のシートの前記貫通孔が形成された領域に重ねられる領域に貫通孔が形成された第二のシートと、前記第一のシートに重ねられた前記第二のシートを前記第一のシートに係止させる係止手段と、を備え、
PTPシートを前記第一のシートと前記第二のシートの間に挟み込み、前記第一のシートの前記貫通孔から前記PTPシートのポケットを表面に露出させて前記日付と前記ポケットとを一対一に対応させた状態で、前記係止手段によって前記第一のシートに前記第二のシートを係止させて前記PTPシートを保持するように構成される、
カード型包装体。
【請求項2】
前記第一のシートにおいて、前記貫通孔が複数形成される、
請求項1に記載のカード型包装体。
【請求項3】
前記第一のシートにおいて、少なくとも、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔と大きさの異なる第二の貫通孔と、が横方向に沿って配置されることにより列が形成され、前記列が縦方向に沿って複数配置されてなる、
請求項2に記載のカード型包装体。
【請求項4】
前記第一のシートにおいて、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔と大きさの異なる第二の貫通孔と、前記第一の貫通孔と、が横方向に沿ってこの順に配置されることにより列が形成され、前記列が縦方向に沿って複数配置されてなる、
請求項3に記載のカード型包装体。
【請求項5】
前記第二のシートには、前記PTPシートを収納するための収納部が設けられる、
請求項1から4の何れか一項に記載のカード型包装体。
【請求項6】
前記第二のシートには、前記収納部が縦方向に沿って6つ設けられる、
請求項5に記載のカード型包装体。
【請求項7】
前記第二のシートには、前記収納部が縦方向に沿って3つ設けられる、
請求項5に記載のカード型包装体。
【請求項8】
前記第二のシートにおいて、前記貫通孔が複数形成される、
請求項1から7の何れか一項に記載のカード型包装体。
【請求項9】
前記第二のシートにおいて、円形の貫通孔が前記第一のシートの前記日付に対応するように横方向に沿って7個配置されることにより列が形成され、前記列が縦方向に沿って複数配置されてなる、
請求項8に記載のカード型包装体。
【請求項10】
前記第二のシートにおいて、少なくとも、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔と大きさの異なる第二の貫通孔と、が横方向に沿って配置されることにより列が形成され、前記列が縦方向に沿って複数配置されてなる、
請求項8に記載のカード型包装体。
【請求項11】
前記係止手段は、前記第一のシートに形成された切込部と、前記第二のシートの縁部と、から構成され、前記切込部に前記縁部を嵌め込むことにより前記第一のシートに前記第二のシートを係止させる、
請求項1から10の何れか一項に記載のカード型包装体。
【請求項12】
前記切込部は、前記第一のシートの縁部近傍に形成された円弧状切込部である、
請求項11に記載のカード型包装体。
【請求項13】
前記第一のシートは、前記各円弧状切込部の近傍に配置されたスリットを有する、
請求項12に記載のカード型包装体。
【請求項14】
前記第一及び第二のシートは、折曲部を介して一体的に接合されてなる、
請求項1から13の何れか一項に記載のカード型包装体。
【請求項15】
請求項1から14の何れか一項に記載のカード型包装体を複数備える、
カレンダー型包装体。
【請求項16】
複数の前記カード型包装体を構成する前記第二のシートは、共通化されてなる、
請求項15に記載のカレンダー型包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−131564(P2012−131564A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287615(P2010−287615)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】