説明

カード挿入警告システムおよび方法、ナビゲーション装置、車載機

【課題】DSRCのアプリケーションに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかをユーザが容易に判断可能な「カード挿入警告システムおよび方法、ナビゲーション装置、車載機」を提供する。
【解決手段】地図情報メモリ23に記憶されたカード種別情報とリーダライタ61により取得された車載機50に挿入されているDSRCカード100のカード種別情報とが一致するか否かを判定するカード種別判定部(CPU25)と、ユーザに対して警告を報知する報知部とを設け、カード種別情報が一致しない場合に警告を報知することにより、各施設における無線通信サービスの利用場面毎に、そのサービスに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかをユーザが容易に判断できるようにして、カードの挿入間違いによりサービスが利用できない状態を極力回避できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード挿入警告システムおよび方法、ナビゲーション装置、車載機に関し、特に、車載機に挿入されたカードを利用して路側機との間で無線通信を行う機能を備えたシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
路側機(道路側に設置された無線装置)と車載機(車両に搭載された無線装置)との間で無線通信を行う通信方式の1つに、DSRC(Dedicated Short Range Communication)と呼ばれるものがある。これは、ITS(Intelligent Transport Systems)向けに標準化が進められた狭域無線通信方式である。現在は既にETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が実用化されており、今後さらに様々なサービスの実現が期待されている。例えば、車両と周囲の施設とが連携したサービスとして、駐車場やガソリンスタンド、ファーストフードのドライブスルー等での自動料金支払いサービスが考えられている。
【0003】
国土交通省は、ETC普及推進の観点から、将来はETCやAHS(走行支援道路システム)といったアプリケーションに必要な車載機を1つに統合することを想定している。安価で統合的な機能を有する車載機が実現すれば、ETCの普及も一層進展するという訳である。ただし、複数のアプリケーションに必要な車載機が1つに統合されても、料金支払いの決済等に必要なカードは、アプリケーション毎に別々に用意されることが予想される。
【0004】
すなわち、ETC、駐車場、ガソリンスタンド、ドライブスルーなどの各アプリケーションでDSRCに用いられるカードは、それぞれの事業者が個別に発行することになると予想される。そのため、例えば1つの媒体で認証や決済に使用できる多目的のカードが考案されてはいるものの(例えば、特許文献1参照)、各アプリケーションの決済に必要な機能が1つのカードに完全に統合されるとは考えにくい。
【特許文献1】特開2004−125898号公報
【0005】
この場合、アプリケーションの利用場面毎に、車載機に挿入するカードを変える必要がある。ところが、利用したいアプリケーションとは種別の異なるカードが車載機に挿入されたままになっていたり、種別の異なるカードを間違えて挿入したりすることがある。そうすると、高速道路の料金所でETCゲートが開かずに車両がゲートに衝突したり、駐車場の料金所でゲートが開かずに立ち往生したり、カード交換に手間取り後続車に迷惑をかけたりする可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、DSRCのアプリケーションの利用場面毎に、そのアプリケーションに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかをユーザが容易に判断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明では、決済に用いられるカードの種別を示すカード種別情報を施設毎に記憶した施設情報記憶部から読み出されるカード種別情報と、車載機に挿入されているカードから取得したカード種別情報とを比較し、両者のカード種別情報が一致しないと判定されたときに警告を報知するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、例えばETC、駐車場、ドライブスルーなどの施設で無線通信によるサービスを利用しようとする際に、その施設のサービスに対して利用可能なカードが車載機に挿入されていないと、カード種別が一致しないと判定される結果としてカード交換などの警告が報知されることとなる。これにより、各施設における無線通信サービスの利用場面毎に、そのサービスに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかをユーザが容易に判断できるようになり、カードの挿入間違いによりサービスが利用できない状態を極力回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のカード挿入警告システムの構成例を示す図である。図2は、本実施形態のカード挿入警告システムに用いられるDSRCカードに記憶される情報の一例を示す図である。図3は、本実施形態のカード挿入警告システムに用いられるDVD−ROMに記憶される情報の一例を示す図である。図1に示すように、カード挿入警告システムは、互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置12とDSRC車載機50とを備えて構成されている。ナビゲーション装置12とDSRC車載機50の双方とも、車両に搭載されている。
【0010】
DSRC車載機50は、DSRC車載機50に挿入されるICカード(以下、「DSRCカード」という。)を用いて無線通信による決済がなされる施設(カード挿入警告システムの対象となる施設であって、以下、「DSRC施設」という。)に設置される図示しないDSRC路側機との間で路車間無線通信を行う。DSRC施設の一例は、有料道路の料金所、駐車場、ファーストフード店、屋外型の映画館などである。このため、DSRC車載機50を搭載した車両は、有料道路の通行料金、駐車場の駐車料金、ファーストフード店の商品代金、映画館における入場料金などを、それぞれの決済に用いられるDSRCカードをDSRC車載機50に挿入しておくことにより、自動的に決済することができる。
【0011】
DSRC車載機50の内部構成において、61はDSRCカードに記憶された情報を読み書きするリーダライタ(本発明の種別情報取得部に相当)である。リーダライタ61は、DSRCカードを挿入して装着するカード挿入口と、車両ナンバー等からなるIDコードや車種情報等の固定データを記憶した記憶回路と、DSRCカードに記憶された情報を参照したりDSRCカードに情報を書き込んだりする制御回路とを備える。ここではリードライタ61は、有料道路の通行料金、駐車場の駐車料金、ファーストフード店の商品代金、映画館における入場料金などのそれぞれの決済に用いられる種々のDSRCカード100に記憶された情報を読み書きする。
【0012】
DSRCカード100は、図2に示すように、DSRCカード100の種別を示すカード種別情報、個々のカードを識別するカードID、カードの有効期限、料金残額等の情報を記憶している。なお、DSRCカード100は、後述する決済条件情報を記憶していてもよい。
【0013】
62は装着判定部であり、DSRCカード100がDSRC車載機50のカード挿入口に装着されているか否かを判定する。具体的には、装着判定部62は、リーダライタ61に設けられたカード挿入口の奥に設けられたメカニカルスイッチのオン/オフを検出する。そして、リーダライタ61のメカニカルスイッチがオンのときはDSRCカード100がDSRC車載機50に装着されていると判定し、メカニカルスイッチがオフのときはDSRCカード100がDSRC車載機50に装着されていないと判定する。
【0014】
63はアンテナ、64は送受信回路、65は信号処理回路である。アンテナ63は、DSRC路側機により発射される電波を受信する。送受信回路64は、アンテナ63により受信された電波を復調し、当該電波に乗せてDSRC路側機から送信されたデータ信号を得る。また、送受信回路64は、信号処理回路65などから供給されたデータ信号を変調し、アンテナ63を介してDSRC路側機に送信する。信号処理回路65は、送受信回路64などから供給されたデータ信号を用いて所定の信号処理により応答信号を生成し、送受信回路64に供給する。
【0015】
60は通信インタフェース部であり、ナビゲーション装置12との間でデータ通信を行う。具体的には、通信インタフェース部60は、リーダライタ61から供給されたDSRCカード100のカード種別情報、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報などナビゲーション装置12に送信する。
【0016】
次いで、ナビゲーション装置12の構成において、20は通信インタフェース部であり、DSRC車載機50との間でデータ通信を行う。具体的には、通信インタフェース部20は、DSRCカード100のカード種別情報、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報などをDSRC車載機50から受信する。
【0017】
30はリモコンやタッチパネル等の操作部であり、ユーザがナビゲーション装置12に対して各種の情報(例えば、経路誘導の目的地)を設定したり、各種の操作(例えば、メニュー選択操作、拡大/縮小操作、手動地図スクロール、数値入力など)を行ったりするための各種操作子(ボタンやジョイスティック等)を備えている。
【0018】
21は記憶媒体制御部であり、DVD−ROM102などの記憶媒体の読み取りを制御する。DVD−ROM102は、記憶媒体制御部21により読み取りを制御される記憶媒体であって、地図表示、経路探索等に必要な各種の地図データを記憶している。この地図データには、図3に示すように、地図表示に必要な各種のデータから成る背景レイヤおよび文字・記号レイヤと、マップマッチングや経路探索、経路案内などの各種の処理に必要なデータから成る道路レイヤと、交差点の詳細データから成る交差点レイヤと、地図上に存在する各種施設に関する施設データから成る施設レイヤとが含まれている。
【0019】
図3に示すように、施設データは、地図上に存在する各種施設を識別する施設ID、位置データ(経度・緯度)、施設名、カード種別情報、決済条件情報、各種フラグを含む。なお、施設データは、上記の情報のほか、住所、電話番号、当該施設が属するジャンル、当該施設に対応するランドマークを特定するためのシンボルコードなどを含んでいることが好ましい。
【0020】
施設データのカード種別情報は、当該施設において決済が可能なDSRCカード100の種別を示し、DSRCカード100のカード種別情報と同一の体系である。なお、DSRC施設に該当しない施設の場合、カード種別情報の値は空欄(Nullなど)、または、カード種別情報の項目自体が存在しない。すなわち、DSRC施設に該当する場合には、少なくとも1つのカード種別情報の値がセットされている。また、当該施設において決済が可能なDSRCカード100が複数ある場合には、当該施設の施設IDに対応付けて当該複数のDSRCカード100それぞれのカード種別情報の値がセットされている。
【0021】
施設データの決済条件情報は、当該施設において当該DSRCカード100を用いて決済がなされるときの条件を示し、「専用」「優先」「無条件」の何れかを示す値がセットされている。具体的には、あるDSRC施設において当該DSRC施設のハウスカードなど専用のDSRCカード100によってのみ決済がなれる場合には、当該施設の施設IDおよび当該DSRCカード100のカード種別情報に対応付けて「専用」を示す値がセットされている。
【0022】
また、あるDSRC施設において決済が可能なDSRCカード100が複数ある場合であって、あるDSRCカード100により決済がなされると利用者に特典が付与される場合には、当該施設の施設IDおよび当該DSRCカード100のカード種別情報に対応付けて「優先」を示す値がセットされている。また、あるDSRC施設において決済が可能なDSRCカード100が複数ある場合であって、あるDSRCカード100により決済がなされても利用者に特典が付与されない場合には、当該施設の施設IDおよび当該DSRCカード100のカード種別情報に対応付けて「無条件」を示す値がセットされている。
【0023】
施設データのフラグは、例えば、警告を報知するDSRC施設をユーザにより指定されたDSRC施設に限定するか否かを示す施設限定フラグ、ユーザにより指定された警告を報知するDSRC施設であるか否かを示す指定施設フラグなどである。なお、上記施設限定フラグは施設データに対して1つであり、上記指定施設フラグは施設IDに対して1つである。
【0024】
22は車両の現在位置を測定する位置測定部であり、自立航法センサ、GPS受信機、位置計算用CPU等で構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含んでいる。自立航法センサは、これらの車速センサおよび角速度センサによって車両の相対位置および方位を検出する。
【0025】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0026】
23は地図情報メモリ(本発明の地図データ記憶部および施設情報記憶部に相当)であり、記憶媒体制御部21の制御によってDVD−ROM102から読み出された地図データを一時的に格納する。
【0027】
25はプロセッサ(CPU)であり、ナビゲーション装置12を制御し、例えば、本発明の経路探索部、施設存否判定部、カード種別判定部および報知部として機能する。なお、CPU25によるこれら機能の詳細な内容については後述する。
【0028】
27はROMであり、各種プログラムを記憶する。例えば、上記CPU25を経路探索部として機能させる経路探索プログラム、施設存否判定部として機能させる施設存否判定プログラム、カード種別判定部として機能させるカード種別判定プログラム、報知部として機能させる報知プログラムなどを記憶する。28はRAMであり、各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。
【0029】
29は誘導経路メモリであり、CPU25が探索した誘導経路のデータを記憶する。誘導経路のデータは、現在地から目的地まで至る各ノードに対応させて、各ノードの位置と、各ノードが交差点か否かを表す交差点識別フラグとを記憶したものである。
【0030】
31はディスプレイコントローラであり、地図情報メモリ23に格納された地図データに基づいて、表示装置40への表示に必要な地図画像データを生成する。32はビデオRAMであり、ディスプレイコントローラ31によって生成された地図画像データを一時的に格納する。すなわち、ディスプレイコントローラ31によって生成された地図画像データはビデオRAM32に一時的に格納され、1画面分の地図画像データが読み出されて画像合成部37に出力される。
【0031】
33はメニュー発生部であり、操作部30を用いて各種の操作を行う際に必要なメニュー画像や、CPU25によって検索された施設のリスト画像を発生して出力する。34は誘導経路発生部であり、誘導経路メモリ29に記憶された経路探索処理の結果を使用して、誘導経路の描画データを発生する。すなわち、誘導経路メモリ29に記憶された誘導経路データの中から、その時点でビデオRAM32に描画された地図エリアに含まれるものを選択的に読み出し、地図画像に重ねて他の道路と異なる所定色で太く強調した誘導経路を描画する。
【0032】
35はマーク発生部であり、マップマッチング処理された後の自車位置に表示する車両位置マークや、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等を表示する各種ランドマーク等を発生して出力する。なお、マップマッチング処理とは、地図情報メモリ23に読み出されている地図データと、位置測定部22によって測定されたGPS受信機による自車位置および車両方位のデータと、自立航法センサによる推定車両位置および車両方位のデータとを用いて、自車の走行位置を地図データの道路上に位置修正する処理のことを言う。
【0033】
37は画像合成部であり、各種画像を合成して出力する。すなわち、ディスプレイコントローラ31により読み出された地図画像データに対して、ビデオRAM32、メニュー発生部33、誘導経路発生部34、マーク発生部35などから出力される各画像データを重ねて画像合成を行い、合成した画像データを表示装置40に出力する。
【0034】
以下、ROM27に記憶されている各プログラムに従ってCPU25が行う処理の詳細について説明する。本発明の経路探索部として機能するCPU25(以下、単に「経路探索部」という。)は、現在地から目的地に至る誘導経路を探索して設定する。すなわち、経路探索部は、地図情報メモリ23に格納された地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ経路でコストが最も小さな誘導経路を探索して設定する。
【0035】
本発明の施設存否判定部として機能するCPU25(以下、単に「施設存否判定部」という。)は、経路探索部により設定された誘導経路上にDSRC施設が存在するか否かを判定する。具体的には、施設存否判定部は、地図情報メモリ23に記憶された施設データの位置情報およびカード種別情報を参照し、位置情報の値が経路探索部により設定された誘導経路上であって、かつ、少なくとも1つのカード種別情報がセットされている施設IDを抽出する。そして、施設存否判定部は、1以上の施設IDを抽出した場合、経路探索部により設定された誘導経路上にDSRC施設が存在すると判定し、抽出しなかった場合、経路探索部により設定された誘導経路上にDSRC施設が存在しないと判定する。
【0036】
また、施設存否判定部は、車両の進行方向一定距離以内に、DSRC施設が存在するか否かを判定してもよい。具体的には、施設存否判定部は、まず、地図情報メモリ23に記憶された地図データと、位置測定部22により測定される車両の現在位置および車両方位のデータとを参照し、車両の進行方向一定距離以内である範囲を特定する。次に、施設存否判定部は、地図情報メモリ23に記憶された施設データの位置情報およびカード種別情報を参照し、位置情報の値が位置測定部22により測定される車両の現在位置および車両方位のデータとを参照し特定した範囲内であって、かつ、少なくとも1つのカード種別情報がセットされている施設IDを抽出する。そして、施設存否判定部は、1以上の施設IDを抽出した場合、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在すると判定し、抽出しなかった場合、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在しないと判定する。
【0037】
施設存否判定部は、所定のDSRC施設が、経路探索部により設定された誘導経路上または車両の進行方向一定距離以内に存在するか否かを判定してもよい。例えば、あらかじめユーザにより指定されたDSRC施設のみを対象として、当該DSRC施設が誘導経路上または車両の進行方向一定距離以内に存在するか否かを判定してもよい。具体的には、施設存否判定部は、まず、地図情報メモリ23に記憶されている施設データに含まれる施設限定フラグを参照し、警告を報知するDSRC施設をユーザにより指定されたDSRC施設に限定することが指定されているか否かを判定する。さらに、施設存否判定部は、限定することが指定されている場合には、施設データに含まれる指定施設フラグを参照し、ユーザにより指定された警告を報知するDSRC施設であるか否かを判定する。そして、施設存否判定部は、あらかじめユーザにより指定されたDSRC施設のみを対象として、当該DSRC施設が誘導経路上または車両の進行方向一定距離以内に存在するか否かを判定する。
【0038】
本発明のカード種別判定部として機能するCPU25(以下、単に「カード種別判定部」という。)は、地図情報メモリ23に記憶された施設データから読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する。
【0039】
具体的には、施設存否判定部が、誘導経路上のDSRC施設を1つ抽出して誘導経路上にDSRC施設が存在すると判定した場合には、カード種別判定部は、施設存否判定部により抽出された当該DSRC施設の施設IDに対応付けられたカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する。なお、カード種別判定部は、施設存否判定部が車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設を1つ抽出して誘導経路上にDSRC施設が存在すると判定した場合も同様に、両者のカード種別情報が一致するか否かを判定する。
【0040】
一方、施設存否判定部が、誘導経路上のDSRC施設を2以上抽出して誘導経路上にDSRC施設が存在すると判定した場合には、カード種別判定部は、抽出された2以上のDSRC施設のうち自車位置から一番近いDSRC施設を警告の報知対象とすべく、当該一番近いDSRC施設の施設IDに対応付けられたカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する。なお、カード種別判定部は、施設存否判定部が車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設を2以上抽出して誘導経路上にDSRC施設が存在すると判定した場合も同様に、上記一番近いDSRC施設の施設IDに対応付けられたカード種別情報と、上記リーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する。
【0041】
なお、カード種別判定部は、一の施設IDに複数のカード種別情報が対応付けられている場合には、当該一の施設IDに対応付けられている複数のカード種別情報の何れかと、リーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する。
【0042】
本発明の報知部として機能するCPU25(以下、単に「報知部」という。)は、地図情報メモリ23に記憶された施設データから読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致しないとカード種別判定部により判定されたときに、画像合成部37を介して表示装置40に警告を表示することにより報知する。また、報知部は、表示装置40に警告を表示することに代えて、または、加えて、スピーカ41を介して警告を音声により報知してよい。
【0043】
次に、以上のように構成したカード挿入警告システムの動作について説明する。図4から図6は、図1に示すカード挿入警告システムの動作の一例を示すフローチャートである。図7は、RAM28に一時記憶されるカード種別情報等を模式的に示す図である。なお、図4、図5の左側はDSRC車載機50の動作を、右側はナビゲーション装置12の動作を示す。また、図6は、図4および図5に示す報知処理の動作を詳細に示す。なお、本フローチャートにおいて、DSRC車載機50は図示しない操作部を介して動作を開始する旨の入力を受け付けた場合、ナビゲーション装置12は操作部30を介して動作を開始する旨の入力を受け付けた場合にそれぞれの動作を開始するものとする。
【0044】
図4において、DSRC車載機50の装着判定部62は、DSRCカード100がカード挿入口に挿入、または、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出されたか否かを判定する(ステップS100)。DSRCカード100がカード挿入口に挿入されたと装着判定部62にて判定した場合(ステップS100:Yes)、DSRC車載機50の通信インタフェース部60は、ナビゲーション装置12の通信インタフェース部20に、カード挿入口に挿入されたDSRCカード100のカード種別情報を送信する(ステップS102)。
【0045】
また、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出されたと装着判定部62にて判定した場合(ステップS100:Yes)、DSRC車載機50の通信インタフェース部60は、ナビゲーション装置12の通信インタフェース部20に、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報を送信する(ステップS102)。一方、DSRCカード100がカード挿入口に挿入、および、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出されていないと装着判定部62にて判定した場合には(ステップS100:No)、図5のステップS150に進む。
【0046】
図4において、ナビゲーション装置12のCPU25は、DSRC車載機50からカード種別情報、または、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS204)。DSRC車載機50からカード種別情報を受信したとCPU25にて判断した場合(ステップS204:Yes)、CPU25は、受信したカード種別情報を、図7(a)に示すRAM28上の記憶領域281に一時記憶する(ステップS206)。なお、CPU25は、前回受信したカード種別情報をRAM28上の記憶領域281に一時記憶している場合には、今回受信したカード種別情報により上書きする。
【0047】
また、DSRC車載機50から、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報を受信したとCPU25にて判断した場合(ステップS204:Yes)、CPU25は、RAM28上の記憶領域281に記憶されているカード種別情報を消去(記憶領域281を初期化)する(ステップS206)。一方、DSRC車載機50からカード種別情報、および、カード挿入口に挿入されていたDSRCカード100が抜き出された旨を示す情報を受信していないとCPU25にて判断した場合には(ステップS204:No)、ステップS210に進む。
【0048】
ステップS204またはステップS206に続いて、経路探索部は、誘導経路の設定またはリルートによる再設定をしたか否かを判断する(ステップS210)。誘導経路の設定または再設定がされたと経路探索部にて判断した場合(ステップS210:Yes)、施設存否判定部は、誘導経路上にDSRC施設が存在するか否かを判定する(ステップS212)。誘導経路上にDSRC施設が存在すると施設存否判定部にて判定した場合(ステップS212:Yes)、施設存否判定部は、誘導経路上に存在するDSRC施設毎に、利用可能なカード種別情報および決済条件情報を、図7(b)にデータ構造を示すRAM28上の記憶領域282に一時記憶する(ステップS214)。
【0049】
なお、施設存否判定部は、前回、経路探索部が設定または再設定した誘導経路上のDSRC施設毎のカード種別情報および決済条件情報を記憶領域282に一時記憶している場合には、今回、経路探索部が設定または再設定した誘導経路上のDSRC施設毎のカード種別情報および決済条件情報により上書きする。また、施設存否判定部は、誘導経路上に存在する各DSRC施設の到着順(経路順)に、カード種別情報および決済条件情報をRAM28上の記憶領域282に一時記憶することが好ましい。すなわち、施設存否判定部は、最初に到着するDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を記憶領域282のDSRC施設1に対応付けて一時記憶し、2番目に到着するDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を記憶領域282のDSRC施設2に対応付けて一時記憶する(3番目以降も同様)。
【0050】
ステップS214に続いて、施設存否判定部は、ステップS214で記憶領域282に一時記憶された誘導経路上のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報のうち、位置測定部22により測定される自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を、図7(c)にデータ構造を示すRAM28上の記憶領域283に一時記憶する(ステップS216)。ここで、施設存否判定部は、誘導経路上の各DSRC施設の到着順に、カード種別情報および決済条件情報をRAM28上の記憶領域282に一時記憶しているときは、上記DSRC施設1のカード種別情報および決済条件情報をRAM28上の記憶領域283に一時記憶すればよい。
【0051】
なお、施設存否判定部は、記憶領域282と同様、既に、カード種別情報および決済条件情報を記憶領域283に一時記憶している場合には、上記カード種別情報および上記決済条件情報により上書きする。そして、カード種別判定部および報知部は、ステップS206でRAM28上の記憶領域281に一時記憶されたカード種別情報、並びに、ステップS216でRAM28上の記憶領域283に一時記憶されたカード種別情報および決済条件情報を用いて、報知処理を実行する(ステップS300)。
【0052】
一方、誘導経路の設定または再設定がされていないと経路探索部にて判断した場合(ステップS210:No)、または、誘導経路上にDSRC施設が存在しないと施設存否判断部にて判定した場合(ステップS212:No)、図5のステップS220に進む。
【0053】
図5において、ステップS210、ステップS212またはステップS300に続いて、ナビゲーション装置12のCPU25は、誘導経路メモリ29に誘導経路が設定されているか否かを判断する(ステップS220)。誘導経路メモリ29に誘導経路が設定されているとCPU25にて判断した場合(ステップS220:Yes)、CPU25は、位置測定部22により測定される自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が、自車から所定の距離以内に接近したか否かを判断する(ステップS222)。
【0054】
自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近したとCPU25にて判断した場合(ステップS222:Yes)、カード種別判定部および報知部は、ステップS206でRAM28上の記憶領域281に一時記憶されたカード種別情報、並びに、ステップS216またはステップS236でRAM28上の記憶領域283に一時記憶されたカード種別情報および決済条件情報を用いて、報知処理を実行する(ステップS302)。一方、自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近していないとCPU25にて判断した場合(ステップS222:No)、ステップ230に進む。
【0055】
ステップS222またはステップS302に続いて、ナビゲーション装置12のCPU25は、位置測定部22により測定される自車の現在位置に基づいて、誘導経路上の最も近いDSRC施設を通過したか否かを判断する(ステップS230)。誘導経路上の最も近いDSRC施設を通過したとCPU25にて判断した場合(ステップS230:Yes)、施設存否判定部は、ステップS214で記憶領域282に一時記憶された誘導経路上のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報のうち、位置測定部22により測定される自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を、再度、RAM28上の記憶領域283に一時記憶する(ステップS236)。ここで、施設存否判定部は、誘導経路上の各DSRC施設の到着順に、カード種別情報および決済条件情報をRAM28上の記憶領域282に一時記憶しているときは、通過したDSRC施設の次の到着順のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報をRAM28上の記憶領域283に一時記憶すればよい。
【0056】
すなわち、ステップS236では、誘導経路上のDSRC施設であって通過していない最も近いDSRC施設のカード種別情報および決済条件をRAM28上の記憶領域283に一時記憶する。これにより、到着が予想されるDSRC施設の順に逐次、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判定し、必要に応じて警告を報知することができる。一方、誘導経路上の最も近いDSRC施設を通過していないとCPU25にて判断した場合(ステップS230:No)、ステップS250に進む。
【0057】
一方、誘導経路メモリ29に誘導経路が設定されていないとCPU25にて判断した場合(ステップS220:No)、施設存否判定部は、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在するか否かを判定する(ステップS240)。車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在すると施設存否判定部にて判断した場合(ステップS240:Yes)、施設存否判定部は、位置測定部22により測定される自車の現在位置から最も近い進行方向一定距離以内のDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を、RAM28上の記憶領域283に一時記憶する(ステップS246)。
【0058】
そして、カード種別判定部および報知部は、ステップS206でRAM28上の記憶領域281に一時記憶されたカード種別情報、並びに、ステップS246でRAM28上の記憶領域283に一時記憶されたカード種別情報および決済条件情報を用いて、報知処理を実行する(ステップS304)。一方、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在していないと施設存否判定部にて判断した場合(ステップS240:No)、ステップS250に進む。
【0059】
ステップS100またはステップS102に続いて、DSRC車載機50の信号処理部65は、DSRC車載機50の図示しない操作部を介してカード挿入警告システムの動作を終了する旨の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS150)。動作を終了する旨の入力を受け付けていないとDSRC車載機50の信号処理部65にて判断した場合(ステップS150:No)、図4のステップS100に戻る。同様に、ステップS230、ステップS236、ステップS240またはステップS304に続いて、ナビゲーション装置12のCPU25は、操作部30を介してカード挿入警告システムの動作を終了する旨の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS250)。動作を終了する旨の入力を受け付けていないとナビゲーション装置12のCPU25にて判断した場合(ステップS250:No)、図4のステップS204に戻る。
【0060】
一方、動作を終了する旨の入力を受け付けたとDSRC車載機50の信号処理部65にて判断した場合(ステップS150:Yes)、DSRC車載機50のフローチャートは終了する。同様に、動作を終了する旨の入力を受け付けたとナビゲーション装置12のCPU25にて判断した場合(ステップS250:Yes)、ナビゲーション装置12のフローチャートは終了する。
【0061】
次に、ナビゲーション装置12のカード種別判定部および報知部による報知処理について説明する。図6において、カード種別判定部は、DSRC車載機50から受信したカード種別情報、つまりDSRC車載機50に挿入されたDSRCカード100のカード種別情報がRAM28上の記憶領域281に一時記憶されているか否かを判断する(ステップS310)。DSRC車載機50に挿入されたDSRCカード100のカード種別情報がRAM28上の記憶領域281に一時記憶されていないとカード種別判定部にて判断した場合には(ステップS310:No)、報知部は、DSRCカード100が挿入されていない旨の警告を報知する(ステップS320)。そして本フローチャートは終了する。
【0062】
一方、DSRC車載機50に挿入されたDSRCカード100のカード種別情報がRAM28上の記憶領域281に一時記憶されているとカード種別判定部にて判断した場合には(ステップS310:Yes)、カード種別判定部は、地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報、すなわち自車の現在位置から最も近いDSRC施設のカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS312)。具体的には、カード種別判定部は、RAM28上の記憶領域283に一時記憶されているカード種別情報と、RAM28上の記憶領域281に一時記憶されているカード種別情報とが一致するか否かを判定する。ここでカード種別判定部は、複数のカード種別情報がRAM28上の記憶領域283に一時記憶されている場合、その何れかのカード種別情報と、RAM28上の記憶領域281に一時記憶されているカード種別情報とが一致するか否かを判定する。
【0063】
地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致していないとカード種別判定部にて判定した場合(ステップS312:No)、報知部は、DSRC車載機50に挿入されているDSRCカード100が、当該DSRC施設において利用可能でない旨の警告を報知する(ステップS322)。すなわち、カードの挿入間違いによりサービスが利用できない状態である旨の警告を報知する。そして本フローチャートは終了する。
【0064】
一方、地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機50のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致しているとカード種別判定部にて判定した場合(ステップS312:Yes)、カード種別判定部は、当該DSRC施設における当該DSRCカード100の決済条件情報は「優先」である旨を示すものであるか否かを判断する(ステップS314)。具体的には、カード種別判定部は、RAM28上の記憶領域281に一時記憶されているカード種別情報に対応付けてRAM28上の記憶領域283に一時記憶されている決済条件情報は「優先」である旨を示すものであるか否かを判断する。
【0065】
当該DSRC施設における当該DSRCカード100の決済条件情報は「優先」である旨を示すものでないとカード種別判定部にて判断した場合(ステップS314:No)、報知部は、当該DSRCカード100が優先カードでない旨の警告を報知する(ステップS324)。そして本フローチャートは終了する。一方、当該DSRC施設における当該DSRCカード100の決済条件情報は「優先」である旨を示すものであるとカード種別判定部にて判断した場合(ステップS314:Yes)、本フローチャートは終了する。
【0066】
なお、ステップS320、S322、S324における警告の報知は、表示装置40へのメッセージ出力、スピーカ41への音声出力のいずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。また、ステップS320において報知部は、DSRCカード100が挿入されていない旨の警告に加えて、挿入すべきDSRCカード100の種別、または、挿入すべきDSRCカード100の種別に基づいてDSRCカード100をユーザに示す情報(例えば、DSRCカード100の名称)を表示してもよい。ステップS322およびステップS324における警告についても同様である。
【0067】
図8は、本実施形態のカード挿入警告システムに関する他の構成例を示す図である。図8に示すように、カード挿入警告システムは、互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置10とDSRC車載機52とを備えて構成されている。図1に示す符号と同一の符号は、同一の機能を示すので説明を省略する。
【0068】
上述の図1に示すカード挿入警告システムにおいては、ナビゲーション装置12のCPU25が、本発明のカード種別判定部および報知部として機能したが、図8に示すカード挿入警告システムにおいては、DSRC車載機52の信号処理部69が、カード種別判定部および報知部として機能する。また、図1に示すカード挿入警告システムにおいては、ナビゲーション装置12がスピーカ41を備えたが、図8に示すカード挿入警告システムにおいては、DSRC車載機52がスピーカ71を備える。なお、DSRC車載機52の表示装置70は、LEDなどのランプであってもよい。
【0069】
図8に示すカード挿入警告システムにおいては、ナビゲーション装置10の通信インタフェース部20は、DSRC車載機52の通信インタフェース部60に、地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報、すなわち自車の現在位置から最も近いDSRC施設のカード種別情報および決済条件情報を送信する。
【0070】
DSRC車載機52のカード種別判定部は、ナビゲーション装置10の地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機52のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致しているか否かを判断する。また、DSRC車載機52のカード種別判定部は、両者のカード種別情報が一致していると判断した場合には、さらに、ナビゲーション装置10の地図情報メモリ23から読み出された一の決済条件情報を参照することにより、当該DSRC施設における当該DSRCカード100の決済条件情報は「優先」である旨を示すものであるか否かを判断する。
【0071】
DSRC車載機52の報知部は、ナビゲーション装置10の地図情報メモリ23から読み出された一のカード種別情報と、DSRC車載機52のリーダライタ61により取得されたカード種別情報とが一致しないとDSRC車載機52のカード種別判定部により判定されたときに、表示装置70に警告を表示することにより報知する。また、DSRC車載機52の報知部は、表示装置70に警告を表示することに代えて、または、加えて、スピーカ71を介して警告を音声により報知してよい。
【0072】
以上、本実施形態によれば、誘導経路が設定または再設定がされた場合であって、誘導経路上にDSRC施設が存在する場合に、カード種別判定部および報知部は報知処理を実行する(図4のステップS300)。これにより、走行前に誘導経路が設定されたタイミングおよび走行中においてリルートが発生したタイミングで、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判断するので、立ち寄る可能性のあるDSRC施設に接近する前の比較的に時間的余裕があるタイミングで、DSRCカード100の挿入間違いによりサービスが利用できない状態をユーザに極力回避させることができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、誘導経路を設定して走行している場合であって、自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近した場合に、カード種別判定部および報知部は報知処理を実行する(図5のステップS302)。これにより、立ち寄る可能性のあるDSRC施設に実際に接近したタイミングで、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判断するので、例えば、ユーザが走行中にDSRCカード100を交換した場合であっても、DSRCカード100の挿入間違いによりサービスが利用できない状態をユーザに極力回避させることができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、誘導経路が設定されていない場合であって、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在する場合に、カード種別判定部および報知部は、報知処理を実行する(図5のステップS304)。これにより、誘導経路を設定しない場合であっても、車両の進行方向一定距離以内のDSRC施設に接近したタイミングで、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判断するので、カードの挿入間違いによりサービスが利用できない状態をさらに回避することができる。
【0075】
なお、カード種別判定部および報知部は、上記のタイミングに加えて、DSRC車載機50からカード種別情報を受信したタイミングで(図4のステップS204:Yes)、報知処理を実行してもよい。これにより、DSRCカード100がDSRC車載機50に挿入(交換も含む)されたタイミングで、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判断するので、カードの挿入間違いによりサービスが利用できない状態をさらに回避することができる。
【0076】
また、本実施形態において、カード種別判定部および報知部は、誘導経路上の最も近いDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近した場合、または、車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在する場合に、報知処理を実行するが(ステップS302、ステップS304)、他の条件に基づいて報知処理を実行してもよい。例えば、カード種別判定部および報知部は、誘導経路上の最も近いDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近した場合であって、かつ、位置測定部22の車速センサにより検出される車速情報に基づいて車速が所定の速度以下であるとCPU25にて判断した場合に、報知処理を実行してもよい。これにより、例えば、DSRC施設の手前で徐行する動作を伴ったときなど、走行中においてDSRC施設に立ち寄る可能性が高い場合に限定して、サービスに適合した正しい種別のDSRCカード100がDSRC車載機50に挿入されているかどうかを判断するので、ユーザに有益なタイミングで警告を発することができる。
【0077】
また、本実施形態のカード挿入警告システムは、位置測定部22から取得される情報に加えて、車両の駆動に関する情報に基づいて報知処理を実行するように動作してもよい。以下、車両の駆動に関する情報に基づいて動作するカード挿入警告システムについて説明する。図9は、本実施形態のカード挿入警告システムに関する他の構成の例を示す図である。なお、図9において、図1に示したブロックと同様の機能を有するブロックには同一の符号を付している。図9に示すように、カード挿入警告システムは、互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置12とDSRC車載機50の他に、駆動制御部80を備えて構成されている。
【0078】
駆動制御部80の内部構成において、92はステアリングの駆動情報を取得するステアリング情報取得部、96は通信インタフェース部である。図9に示すカード挿入警告システムにおいては、カード種別判定部および報知部は、例えば、自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近したとCPU25にて判断した場合であって、かつ、位置測定部22の車速センサにより検出される車速情報に基づいて車速が所定の速度以下であるとCPU25にて判断するとともに、ステアリング情報取得部92により取得されるステアリング情報に基づいてハンドルの操作角度が所定値以上であるとCPU25にて判断した場合に、報知処理を実行してもよい。これにより、例えば、DSRC施設の手前で徐行しハンドルを切る動作を伴ったときなど、走行中においてDSRC施設に立ち寄る可能性が高い場合に限定して、サービスに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかを判断するので、ユーザに有益なタイミングで警告を発することができる。
【0079】
なお、駆動制御部80は、ステアリング情報取得部92に代えて、または加えて、ウィンカーの表示制御情報を取得するウィンカー情報取得部など、車両の他の動作の情報を取得するそれぞれの取得部を備えていてもよい。そして、これらの動作情報に基づいて所定の条件を満たすか否かを判断し、満たす場合に報知処理を実行してもよい。これにより、走行中においてDSRC施設に立ち寄る可能性がより高い場合に限定して、サービスに適合した正しい種別のカードが車載機に挿入されているかどうかを判断するので、ユーザにより有益なタイミングで警告を発することができる。
【0080】
なお、誘導経路が設定または再設定がされた場合であって誘導経路上にDSRC施設が存在する場合、誘導経路を設定して走行している場合であって自車の現在位置から最も近い誘導経路上のDSRC施設が自車から所定の距離以内に接近した場合、または、誘導経路が設定されていない場合であって車両の進行方向一定距離以内にDSRC施設が存在する場合の何れか1つの場合、または、2つの場合に、カード種別判定部および報知部は報知処理を実行してもよい。
【0081】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施形態のカード挿入警告システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態のカード挿入警告システムに用いられるDSRCカードに記憶される情報の一例を示す図である。
【図3】本実施形態のカード挿入警告システムに用いられるDVD−ROMに記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示すカード挿入警告システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すフローチャートに続くフローチャートである。
【図6】報知処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】RAMに一時記憶されるカード種別情報等を模式的に示す図である。
【図8】本実施形態のカード挿入警告システムに関する他の構成例を示す図である。
【図9】本実施形態のカード挿入警告システムに関する他の構成の例を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
10 ナビゲーション装置
12 ナビゲーション装置
23 地図情報メモリ
25 CPU
26 CPU
40 表示装置
41 スピーカ
50 DSRC車載機
52 DSRC車載機
65 信号処理部
69 信号処理部
70 表示部
71 スピーカ
100 DSRCカード
281 記憶領域
282 記憶領域
283 記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側機との間で無線通信を行う車載機に挿入されるカードを用いて無線通信による決済がなされる施設毎の上記決済に用いられる上記カードの種別を示すカード種別情報を記憶した施設情報記憶部と、
上記車載機に挿入されている上記カードから上記カード種別情報を取得する種別情報取得部と、
上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定するカード種別判定部と、
上記カード種別判定部により上記カード種別情報が一致しないと判定されたときに警告を報知する報知部とを備えたことを特徴とするカード挿入警告システム。
【請求項2】
上記車載機と、上記車載機と互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置とを備えるカード挿入警告システムであって、
上記ナビゲーション装置が上記施設情報記憶部、上記カード種別判定部および上記報知部を備えるとともに、上記車載機が上記種別情報取得部を備え、
上記カード種別判定部は、上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、無線通信によって上記車載機から取得される上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のカード挿入警告システム。
【請求項3】
上記車載機と、上記車載機と互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置とを備えるカード挿入警告システムであって、
上記ナビゲーション装置が上記施設情報記憶部を備えるとともに、上記車載機が上記種別情報取得部、上記カード種別判定部および上記報知部を備え、
上記カード種別判定部は、無線通信によって上記ナビゲーション装置から取得される上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のカード挿入警告システム。
【請求項4】
経路探索部と、施設存否判定部とをさらに備えるカード挿入警告システムであって、
上記施設情報記憶部は、上記無線通信により決済がなされる施設毎の位置情報をさらに記憶し、
上記経路探索部は、現在地から目的地に至る誘導経路を探索して設定し、
上記施設存否判定部は、上記経路探索部により設定された誘導経路の情報および上記施設情報記憶部に記憶された上記位置情報に基づいて、上記経路探索部により設定された誘導経路上に上記無線通信により決済がなされる施設が存在するか否かを判定し、
上記カード種別判定部は、上記施設存否判定部により上記誘導経路上に上記無線通信により決済がなされる施設が存在すると判定されたときに、上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のカード挿入警告システム。
【請求項5】
地図データを記憶する地図データ記憶部と、車両の現在位置を測定する位置測定部と、施設存否判定部とをさらに備えるカード挿入警告システムであって、
上記施設情報記憶部は、上記無線通信により決済がなされる施設毎の位置情報をさらに記憶し、
上記施設存否判定部は、上記地図データ記憶部に記憶された上記地図データ、上記位置測定部により測定される車両の現在位置および上記施設情報記憶部に記憶された上記位置情報に基づいて、上記車両の進行方向一定距離以内に、上記無線通信により決済がなされる施設が存在するか否かを判定し、
上記カード種別判定部は、上記施設存否判定部により上記車両の進行方向一定距離以内に上記無線通信により決済がなされる施設が存在すると判定されたときに、上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のカード挿入警告システム。
【請求項6】
路側機との間で無線通信を行う車載機と互いに通信可能に接続されたナビゲーション装置であって、
上記車載機に挿入されるカードを用いて無線通信による決済がなされる施設毎の上記決済に用いられる上記カードの種別を示すカード種別情報を記憶した施設情報記憶部と、
上記施設情報記憶部から読み出された上記カード種別情報と、上記車載機に挿入されているカードの上記カード種別情報であって上記車載機との無線通信により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定するカード種別判定部と、
上記カード種別判定部により上記カード種別情報が一致しないと判定されたときに警告を報知する報知部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
カードを用いて無線通信による決済がなされる施設毎の上記決済に用いられる上記カードの種別を示すカード種別情報を記憶したナビゲーション装置と互いに通信可能に接続され、挿入されている上記カードを用いて上記施設に設置される路側機との間で無線通信を行う車載機であって、
上記挿入されている上記カードから上記カード種別情報を取得する種別情報取得部と、
上記ナビゲーション装置に記憶されている上記カード種別情報であって上記ナビゲーション装置との無線通信により取得された上記カード種別情報と、上記種別情報取得部により取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定するカード種別判定部と、
上記カード種別判定部により上記カード種別情報が一致しないと判定されたときに警告を報知する報知部とを備えたことを特徴とする車載機。
【請求項8】
路側機との間で無線通信を行う車載機に挿入されるカードを用いて無線通信による決済がなされる施設毎の上記決済に用いられる上記カードの種別を示すカード種別情報を記憶した施設情報記憶部から、上記カード種別情報を取得する第1の取得ステップと、
上記車載機に挿入されている上記カードから上記カード種別情報を取得する第2の取得ステップと、
上記第1の取得ステップにより取得された上記カード種別情報と、上記第2の取得ステップにより取得された上記カード種別情報とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップにより上記カード種別情報が一致しないと判定されたときに警告を報知する報知ステップとを有することを特徴とするカード挿入警告方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−269321(P2008−269321A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111868(P2007−111868)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】