説明

カード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラム

【課題】カード会社の収益向上を図るとともに、収益向上に貢献したカード会員にほど便宜を図ること。
【解決手段】商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置102と、店舗において支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバ101と、がネットワーク100によって接続されたカード決済システムであって、店舗端末装置102は、店舗に関する店舗情報と、カード利用による利用金額情報とをネットワーク100を介してカード会社サーバ101へ送信する。そして、カード会社サーバ101は、店舗端末装置102から送信された店舗情報および利用金額情報を受信し、受信された店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度を抽出し、抽出された収益貢献度と受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品の購入やサービス代金の支払いをカードでおこなうカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカードなどのカードを利用した決済(以下「カード決済」という)が広く普及している。カード決済に利用するカードの発行元となるカード会社は、カード決済に利用した利用金額に応じた数のポイントを付与するポイントサービスを提供するなどして、カード会員の獲得を図るようにしている。
【0003】
ポイントサービスにおいては、付与されたポイントが現金と同等の価値を発揮し、カード会員は、累計のポイント数に応じて所定の商品や所定のサービスを得ることができる。ポイントサービスシステムにおいて、付与されるポイント数は、たとえば同じ会社が発行しているなど、同じ種類のカードであれば、カードの利用金額に比例して増加し、利用金額が高額であるほど多くなる。
【0004】
ポイントサービスにおいて、1ポイントに相当する利用金額をいくらにするかといういわゆるポイントの換算率や、貯めたポイントの利用条件(たとえば300ポイント貯まったら利用できる、など)、ポイントの有効期限の有無、あるいは有効期限の長さなど、ポイントサービスにおける各種の条件は、カード会社ごとに異なっている。ポイントを獲得するためにカード決済を利用する利用者や、付与されるポイント数がより多くなるような方法でカード決済を利用する利用者も多く見受けられる。
【0005】
従来、たとえば顧客(カード会員)が指定機関(店舗)の便宜(サービスや商品など)を第三者に紹介するなどの宣伝活動への協力をした場合、および当該顧客に指定機関の便宜を紹介された第三者や当該顧客自身が指定機関の便宜を利用した場合、金融機関が指定システムを利用している指定機関の便宜を当該顧客が第三者に紹介するなどの宣伝活動への協力をした場合、および当該顧客自身や紹介された第三者が指定システムを利用している指定機関の便宜を利用した場合に、当該金融機関としての特典ポイントを当該顧客に付与加算したり、当該顧客や紹介された第三者が指定機関の便宜を利用開始してから経過した期間の長さ、利用回数、利用金額の累計などによって特典ポイントの付加算率を変えることができるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−296621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カード決済システムにおいて、手数料として加盟店がカード会社に支払う加盟店手数料は、加盟店とカード会社との契約内容によって異なり一律ではない。一方で、同じ種類のカードであれば、一律に、カードの利用金額に比例した数のポイントが付与される。付与されたポイントは、ポイントサービスシステムにおいて現金と同等の価値を発揮するため、カード会社によるポイントの付与は現金での還元に等しい。
【0008】
カード決済システムの運用にかかる事務手数料は、カードの利用があるごとに発生し、カードの利用回数の増加にともなって増加する。カード会社は、この事務手数料を見込んだ加盟店手数料を設定しているが、少額でのカードの利用回数が極端に多い場合や加盟店手数料自体が低い場合など、加盟店手数料に対する事務手数料の割合によってはカード会社の負担が大きくなってしまい、カード会社の収益に悪影響を与えかねない。
【0009】
このような場合、ポイントサービスシステムにおいて提供される商品やサービスの質を下げざるを得ない状況が想定され、これにより最終的な利用者であるカード会員の満足度を低下させてしまうことが危惧される。このため、現状、カード会社は、収益の増減を左右する高い加盟店手数料を希望する一方で、この加盟店手数料が高くなると店舗の負担が大きくなるため加盟店数の増加が見込めなくなってしまうというジレンマを抱えている。
【0010】
また、上述した特許文献1に記載された技術では、顧客(カード会員)が第三者に紹介した指定機関(店舗)での便宜(サービスや商品など)における利用促進を図ることができるが、加盟店手数料や事務手数料などを加味したカード会社の収益の向上に直結するものではない。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、カード会社の収益向上を図るとともに、収益向上に貢献したカード会員ほど便宜を図ることができるカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるカード決済システムは、商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムであって、前記店舗端末装置は、前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信手段を備え、前記カード会社サーバは、前記利用情報送信手段によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信手段と、前記利用情報受信手段によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を抽出する収益貢献度抽出手段と、前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信手段によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記利用情報送信手段は、さらに前記カードの会員情報を送信し、前記利用情報受信手段は、前記利用情報送信手段によって送信された会員情報を受信し、前記収益貢献度抽出手段は、前記利用情報受信手段によって受信された会員情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を抽出し、前記付与ポイント数算出手段は、前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記店舗情報に対応する収益貢献度と、前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記会員情報に対応する収益貢献度と、前記利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記会員情報に対応する収益貢献度に関する情報は、所定期間における当該会員の当該カードでの利用金額、利用頻度および利用方法の少なくともいずれか一つに基づいてランク分けすることによって設定されるものであることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記店舗情報に対応する収益貢献度に関する情報は、当該店舗の業種および当該店舗が当該カード会社へ支払う手数料の少なくともいずれかに基づいて設定されるものであることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、前記店舗端末装置へ前記ネットワークを介して送信する付与ポイント数情報送信手段を備え、前記店舗端末装置は、前記付与ポイント数情報送信手段によって送信された付与ポイント数情報を受信する付与ポイント数情報受信手段と、前記付与ポイント数情報受信手段によって受信された付与ポイント数情報を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記出力手段による、付与ポイント数情報の出力は、表示画面への表示または記録媒体への印刷を含むことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、前記カードの会員の携帯端末装置へ送信する付与ポイント数情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるカード決済システムは、上記の発明において、前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、所定のWebサーバに閲覧可能に登録する登録手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるカード決済方法は、商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムが用いるカード決済方法であって、前記店舗端末装置が、利用情報送信手段を備え、利用情報送信手段が、前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信工程を含み、前記カード会社サーバが、前記店舗情報と、当該店舗に対応する前記カード会社の収益貢献度とを関連付けして登録したデータベースを備え、または当該データベースと前記ネットワークによって接続され、利用情報受信手段と、収益貢献度抽出手段と、付与ポイント数算出手段と、を備え、前記利用情報受信手段が、前記利用情報送信工程によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信工程と、収益貢献度抽出手段が、前記利用情報受信工程によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を前記データベースから抽出する収益貢献度抽出工程と、前記付与ポイント数算出手段が、前記収益貢献度抽出工程によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信工程によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出工程と、を含んだことを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかるカード決済プログラムは、商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムが用いるカード決済プログラムであって、前記店舗端末装置が、利用情報送信手段を備え、利用情報送信手段が、前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信工程を前記店舗端末装置に実行させ、前記カード会社サーバが、前記店舗情報と、当該店舗に対応する前記カード会社の収益貢献度とを関連付けして登録したデータベースを備え、または当該データベースと前記ネットワークによって接続され、利用情報受信手段と、収益貢献度抽出手段と、付与ポイント数算出手段と、を備え、前記利用情報受信手段が、前記利用情報送信工程によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信工程と、収益貢献度抽出手段が、前記利用情報受信工程によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を前記データベースから抽出する収益貢献度抽出工程と、前記付与ポイント数算出手段が、前記収益貢献度抽出工程によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信工程によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出工程と、を前記カード会社サーバに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかるカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムによれば、カード会社の収益向上を図るとともに、収益向上に貢献したカード会員にほど便宜を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明にかかる実施の形態のカード決済システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態のコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【図4】この発明にかかる実施の形態のカード決済システム(カード会社サーバ・店舗端末装置)の機能的構成を示す説明図である。
【図5】利用情報DBのデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【図6】収益貢献度DBのデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【図7】カード会員情報DBのデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【図8】算出テーブルのデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【図9】付与ポイント数DBのデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【図10】この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置における処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバにおける処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して発行されるレシートの一例を示す説明図である。
【図13】この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図14】この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
(カード決済システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムのシステム構成を示す説明図である。
【0026】
図1において、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムは、カード会社サーバ101、店舗端末装置102(102a、102b、・・・)、携帯端末装置103(103a、103b、・・・)、Webサーバ104、を含んで構成されている。カード決済システムにおいて、カード会社サーバ101、店舗端末装置102、携帯端末装置103およびWebサーバ104は、インターネットなどのネットワーク100に接続されている。
【0027】
カード会社サーバ101は、たとえばカード会社などカードの発行元によって管理運用され、店舗において支払いに使用されたカードの決済処理をおこなう。カード会社サーバ101は、たとえばカード会社が備えたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(図2を参照)。カード会社サーバ101は、カード決済システムの運用にかかる各種のデータベースを備えている。
【0028】
店舗端末装置102は、商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられている。店舗端末装置102は、カード決済機能を備えた決済端末装置であって、CAFISやINFOX−NETなどの決済用のネットワークを介して、インターネットなどのネットワーク100に接続されている。店舗端末装置102は、それぞれ、カード会社サーバ101との間で、ネットワーク100を介した通信が可能とされている。
【0029】
カード決済システムにおいて、店舗端末装置102は、クレジットカードなどのカードを用いた決済(以下「カード決済」という)にかかる各種の処理をおこなうことができる。店舗端末装置102は、カード決済にかかる各種の処理の実行に際して、カード会社サーバ101との間で通信をおこなう。店舗端末装置102は、利用者とカード決済システムとのインターフェースを司る。
【0030】
店舗端末装置102は、具体的には、たとえばCAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末などの決済端末装置の機能を備えたPOS端末(図3を参照)によって実現することができる。また、店舗端末装置102は、具体的には、たとえばPOS端末に代えてあるいは加えて、カードの信用照会端末単体、決済端末装置単体であってもよい。
【0031】
携帯端末装置103は、たとえば携帯型電話機など、通信機能を備えた可搬性の電子機器によって実現することができる。携帯端末装置103には、当該携帯端末装置103に対する情報の送信を可能とするメールアドレスが設定されている。携帯端末装置103は、カード会社サーバ101から自身のメールアドレス宛に送信された情報を受信し、受信した情報に基づいた表示画面を表示するディスプレイを備えている。
【0032】
Webサーバ104は、WWW(World Wide Web)システムにおいて情報送信における情報送信機能を備えており、HTTP(HyperText Transfer Protocol)にしたがって、携帯端末装置103が備えるウェブブラウザに対して、HTML(HyperText Markup Language)や画像などの各種オブジェクトを表示させるプログラムがインストールされたコンピュータ装置によって実現することができる。具体的には、Webサーバ104は、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置と同様のコンピュータ装置によって実現することができる(図2を参照)。
【0033】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、カード会社サーバ101やWebサーバ104を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態のコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【0034】
図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フロッピーディスク)207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部201〜208は、バス209によってそれぞれ接続されている。
【0035】
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0036】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0037】
ネットワークI/F208は、通信回線を通じてネットワーク100に接続され、ネットワーク100を介して、店舗端末装置102、携帯端末装置103、Webサーバ104などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F208は、ネットワーク100と内部とのインターフェースを司り、コンピュータ装置からのデータの入出力を制御する。
【0038】
(店舗端末装置102のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置102のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置102のハードウエア構成を示す説明図である。図3においては、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102のハードウエア構成を示している。
【0039】
図3において、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102は、CPU321と、ROM322と、RAM323と、HDD324と、HD325と、ディスプレイ326と、タッチパネル327と、キーボード328と、バーコードスキャナ329と、プリンタ330と、ドロワ開放装置331と、ネットワークI/F332と、スピーカー333と、カードリーダ334と、を備えている。また、店舗端末装置102が備える各部321〜334は、バス335によってそれぞれ接続されている。
【0040】
CPU321は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102全体の制御を司る。ROM322は、カード決済時、商品の売り上げ登録時あるいは売り上げの精算時などに実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM323は、CPU321のワークエリアとして使用される。CPU321は、たとえばカード決済に際して、ネットワークI/F332を介してカード会社サーバ101との間で通信をおこなう。
【0041】
カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102は、ネットワーク100を介して、カード会社サーバ101との間で直接通信をおこなうことができる。また、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102は、店舗ごとあるいはグループごとに設けられたサーバコンピュータを介して、カード会社サーバ101との間で通信をおこなってもよい。
【0042】
HDD324は、CPU321の制御にしたがって、HD325に対するデータのリード/ライトを制御する。HDD324は、HD325の制御によって書き込まれたデータを記憶する。具体的には、HD325は、たとえば商品マスタファイルや売り上げファイルなどを記憶している。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102における商品マスタファイルや売り上げファイルについては公知であるため説明を省略する。
【0043】
ディスプレイ326は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ326は、カーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102は、店員側に情報を表示するディスプレイ326と、顧客(カード会員)側に情報を表示するディスプレイ326とのように、1台あたり複数のディスプレイ326を備えていてもよい。
【0044】
タッチパネル327は、ディスプレイ326に積層され、操作位置に応じた信号をCPU321に対して出力する。タッチパネル327は、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。キーボード328は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、操作されたキーに応じた信号をCPU321に対して出力する。
【0045】
バーコードスキャナ329は、商品に付されたバーコードや2次元コードなどを光学的に読み取ることが可能な光学式マーク認識装置(OMR:Optical Mark RecognitionもしくはOptical Mark Reader)によって実現することができる。
【0046】
バーコードスキャナ329は、LEDなどの光源、光源からの光を走査させるポリゴンミラー、読み取り対象物からの反射光を受光するセンサ、センサが受光した光信号をデコードするデコード回路などを備えている。センサとしてCCDイメージセンサを採用することにより、2次元コードを読み取ることが可能になる。デコード回路がデコードしたデータは、CPU321に出力される。
【0047】
プリンタ330は、ロール状に巻回された記録媒体に対して、決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ330は、記録媒体を保持する記録媒体保持機構、記録媒体に対して印字をおこなうプリンタヘッド、印字済みの記録媒体を任意の長さでカットするカッタ機構などを備えて構成されている。
【0048】
ドロワ開放装置331は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される店舗端末装置102に対して所定の操作がおこなわれた場合に、当該店舗端末装置102に接続されたドロワ装置を開放する。ドロワ開放装置331は、具体的には、たとえばソレノイドなどによって実現することができ、キーボード328における「預/現計」キーの操作に応じてCPU321から出力された開放信号を受信した場合に動作してドロワ装置を解錠する。
【0049】
スピーカー333は、商品をスキャンした場合の『ピッ』という音声やエラーなどの異常発生時の報知音を出力する。スピーカー333は、ボイスコイル(図示を省略する)を備えており、CPU321から出力された音声信号にしたがった電気信号をボイスコイルに印加することによって音声を出力する。カードリーダ334は、カードを用いた決済において、カードに記録されたデータを読み出す。カードは、ICチップを備えたタイプであってもよいし、磁気テープを備えたタイプであってもよい。
【0050】
つぎに、携帯端末装置103のハードウエア構成について説明する。携帯端末装置103は、携帯端末装置103全体の制御を司るCPUや、ROMやRAMなどのメモリを備えている。また、携帯端末装置103は、ディスプレイ、キーボード、通信I/F、カメラ、マイク、スピーカーなどを備えている。
【0051】
携帯端末装置103のディスプレイは、設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどに加えて、獲得したポイント数を案内する獲得ポイント数案内画面(図13を参照)を表示する。携帯端末装置103については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため、図示および説明を省略する。
【0052】
(カード決済システムの機能的構成)
つぎに、この発明にかかるカード決済システムの機能的構成について説明する。図4は、この発明にかかるカード決済システム(カード会社サーバ・店舗端末装置)の機能的構成を示す説明図である。図4において、カード決済システムは、カード会社サーバ101と、店舗端末装置102と、携帯端末装置103と、Webサーバ104と、をネットワーク100で接続することによって構成されている。
【0053】
まず、店舗端末装置102の機能的構成について説明する。図4において、店舗端末装置102は、利用情報入力部401と、利用情報送信部402と、付与ポイント数情報受信部403と、付与ポイント数出力部(出力部)404と、を備えている。
【0054】
利用情報入力部401は、利用情報の入力を受け付ける。利用情報は、たとえば利用番号、利用日時、利用者、利用店舗および利用金額を特定可能な情報を含んでおり、買い物における決済に際して、カードを利用するごとに生成される。利用情報は、カードの利用に際して、店舗端末装置102の操作者(店員)などによって入力される。この実施の形態においては、たとえば店舗端末装置102のタッチパネル327、キーボード328、ネットワークI/F332などによって、利用情報入力部401としての機能を実現することができる。
【0055】
利用情報送信部402は、店舗に関する店舗情報と、カード利用による利用金額情報とをネットワーク100を介してカード会社サーバ101へ送信する。店舗情報は、カードの利用があった店舗を特定することが可能な情報であって、たとえば店舗ごとに設定された店舗の識別情報とすることができる。カード利用による利用金額情報は、カードの1回の利用あたりの利用金額を特定することが可能な情報とすることができる。
【0056】
また、利用情報送信部402は、さらに、カードの会員情報を、ネットワーク100を介してカード会社サーバ101へ送信する。カードの会員情報は、カード会員を特定することが可能な情報であって、たとえばカード会員が利用するカードに設定されたカード番号とすることができる。また、カードの会員情報は、たとえばカード会員の氏名、住所、生年月日などに基づいて作成した情報であってもよい。
【0057】
付与ポイント数情報受信部403は、付与ポイント数情報を受信する。付与ポイント数情報は、カード会社サーバ101が備える付与ポイント数情報送信部によって送信される。付与ポイント数情報は、カードを利用したカード会員に付与されたポイント数を特定することが可能な情報とすることができる。
【0058】
付与ポイント数情報受信部403が受信する付与ポイント数情報は、たとえばカードの1回の利用にかかる付与ポイント数を特定可能な情報とすることができる。また、付与ポイント数情報受信部403が受信する付与ポイント数情報は、カードの1回の利用にかかる付与ポイント数に代えてあるいは加えて、所定の期間において累積された付与ポイント数を特定可能な情報であってもよい。
【0059】
所定の期間において累積された付与ポイント数は、たとえば前回の締め日の翌日からつぎの締め日までの間に累積された付与ポイント数であってもよいし、1月1日から同年の12月31日までの間、あるいはポイントが有効となる期間に累積されたポイント数であってもよい。
【0060】
この実施の形態においては、具体的には、たとえば店舗端末装置102のネットワークI/F332によって、利用情報送信部402および付与ポイント数情報受信部403としての機能を実現することができる。
【0061】
付与ポイント数出力部404は、付与ポイント数情報受信部403によって受信された付与ポイント数情報を出力する。付与ポイント数出力部404は、具体的には、付与ポイント数情報受信部403によって受信された付与ポイント数を案内する情報を、カード会員の携帯端末装置103のディスプレイへ表示することによって、付与ポイント数情報受信部403によって受信された付与ポイント数情報を出力する。この場合、具体的には、たとえば店舗端末装置102のディスプレイ326によって、付与ポイント数出力部404としての機能を実現することができる。
【0062】
また、付与ポイント数出力部404は、付与ポイント数情報受信部403によって受信された付与ポイント数情報を、カード決済ごとに発行されるレシートなどの記録媒体に印刷することによって出力するようにしてもよい。この場合、具体的には、たとえば店舗端末装置102のプリンタ330によって、付与ポイント数出力部404としての機能を実現することができる。
【0063】
さらに、付与ポイント数出力部404は、付与ポイント数情報受信部403によって受信された付与ポイント数情報を、カード決済に利用したカードの券面に印刷することによって出力するようにしてもよい。カードの券面に対する印刷は、たとえばサーマル印刷を利用することで、同じ券面に繰り返しおこなうことができる。
【0064】
つぎに、カード会社サーバ101について説明する。図4において、カード会社サーバ101は、利用情報受信部411と、収益貢献度抽出部412と、付与ポイント数算出部413と、付与ポイント数情報送信部414と、登録部415と、を備えている。また、カード会社サーバ101は、利用情報データベース(DB)451と、収益貢献度DB452と、カード会員情報DB453と、算出テーブル454と、付与ポイント数DB455と、を備えている。
【0065】
利用情報受信部411は、店舗端末装置102の利用情報送信部402によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信し、受信した利用情報を利用情報DB451に記憶する。また、利用情報受信部411は、利用情報送信部402によって送信された会員情報を受信する。この実施の形態においては、具体的には、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置のネットワークI/F208によって、利用情報受信部411としての機能を実現することができる。
【0066】
収益貢献度抽出部412は、利用情報受信部411によって受信された店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度に関する情報を抽出する。収益貢献度抽出部412は、収益貢献度DB452において、利用情報受信部411によって受信された店舗情報に対応づけられた、カード会社の収益貢献度に関する情報を抽出する。収益貢献度DB452については説明を後述する(図6を参照)。
【0067】
店舗情報に対応づけられた、カード会社の収益貢献度に関する情報は、各店舗がカード会社の収益向上に貢献する程度、すなわち店舗の収益貢献度を、店舗ごとに数値化した情報とすることができる。各店舗がカード会社の収益向上に貢献する程度は、たとえば当該店舗の業種および当該店舗が当該カード会社へ支払う手数料の少なくともいずれかに基づいて設定することができる。
【0068】
具体的には、店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度は、たとえば加盟店とカード会社との契約内容によって定められる加盟店手数料によって設定することができる。この場合、たとえば加盟店手数料が高額であるほど、当該加盟店に対応するカード会社の収益貢献度が高くなるように設定することができる。各店舗がカード会社の収益向上に貢献する程度は、たとえばカード会社が任意に設定することができる。
【0069】
また、収益貢献度抽出部412は、利用情報受信部411によって受信されたカードの会員情報に対応するカード会社の収益貢献度に関する情報を抽出する。収益貢献度抽出部412は、利用情報受信部411によって受信されたカードの会員情報に基づいて、カード会員情報DB453の中から該当する会員情報を抽出するとともに、抽出された会員情報に対応するカード会社の収益貢献度に関する情報を収益貢献度DB452から抽出する。収益貢献度DB452、カード会員情報DB453については説明を後述する(図6および図7を参照)。
【0070】
会員情報に対応する収益貢献度に関する情報は、たとえば所定期間における当該会員の当該カードでの利用金額、利用頻度および利用方法の少なくともいずれか一つに基づいてランク分けすることによって設定することができる。たとえば前回の締め日の翌日から次回の締め日までの利用金額が500,000円であるカード会員の収益貢献度は、同期間における利用金額が100,000円であるカード会員の収益貢献度よりも高くなるように設定することができる。
【0071】
また、たとえば前回の締め日の翌日から次回の締め日までの利用回数が20回であるカード会員の収益貢献度は、同期間における利用回数が10回であるカード会員の収益貢献度よりも高くなるように設定することができる。
【0072】
また、たとえば前回の締め日の翌日から次回の締め日までの利用金額が100,000円であり利用回数が10回であるカード会員の収益貢献度は、同期間における利用金額が100,000円であり利用回数が20回であるカード会員の収益貢献度よりも高くなるように設定してもよい。
【0073】
収益貢献度抽出部412は、店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度および会員情報に対応するカード会社の収益貢献度の双方を抽出する。収益貢献度抽出部412は、少なくとも店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度を抽出し、会員情報に対応するカード会社の収益貢献度を抽出しなくてもよい。なお、収益貢献度抽出部412は、利用情報受信部411によって受信された会員情報に対応するカード会社の収益貢献度のみを抽出してもよい。
【0074】
この実施の形態においては、具体的には、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置のRAM203をワークエリアとしながら、ROM202に記憶されたプログラムをCPU201によって実行することによって、収益貢献度抽出部412としての機能を実現することができる。
【0075】
付与ポイント数算出部413は、収益貢献度抽出部412によって抽出された収益貢献度と、利用情報受信部411によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する。付与ポイント数算出部413は、たとえば収益貢献度抽出部412によって抽出された店舗情報に対応する収益貢献度と、収益貢献度抽出部412によって抽出された会員情報に対応する収益貢献度と、利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する。
【0076】
具体的には、付与ポイント数算出部413は、たとえば利用金額と店舗の収益貢献度とカード会員の収益貢献度とを用いて、以下の算出方法によって付与ポイント数を算出する。付与ポイントの算出に際しては、算出テーブル454に記憶されたポイント倍率を用いる。算出テーブル454については説明を後述する(図8を参照)。以下の算出例においては、1円=1ポイントで算出している。ただし、付与ポイント数の算出方法はこの限りではない。
【0077】
付与ポイント数=
利用金額×(ポイント倍率(店舗)×α+カード会員の収益貢献度(会員)×β)
(ただし、α+β=1)
【0078】
上記式におけるポイント倍率(店舗)は、店舗の収益貢献度に基づいて、カード会社によって設定することができる。具体的には、ポイント倍率(店舗)は、たとえば当該店舗における所定期間のカードの利用にかかった事務手数料に対する加盟店手数料の割合に基づいて設定することができ、加盟店手数料の割合が高いほど高いポイント倍率が設定される。
【0079】
また、具体的には、ポイント倍率(店舗)は、たとえば所定期間内に、店舗が加盟店手数料としてカード会社に支払った金額の総額が所定の金額を超えたかどうかに基づいて設定してもよい。この場合、所定期間内に店舗がカード会社に支払った金額の総額が所定の金額を超えている店舗のポイント倍率が高くなるようなポイント倍率(店舗)を設定することが好ましい。これにより、事務手数料に対する加盟店手数料の割合が高くない店舗であっても、当該店舗がカード会社に支払った金額が大きければ高いポイント倍率を設定することができる。
【0080】
店舗が加盟店手数料としてカード会社に支払った金額の総額と所定の金額との比較によってポイント倍率(店舗)を設定する場合、所定の金額を複数段階設定し、所定期間内に店舗がカード会社に支払った金額の総額が、どの段階に該当するかに応じてポイント倍率(店舗)を設定してもよい。これにより、ポイント倍率を段階的に設定することができ、カード会員に対して、より多くのポイントが付与できるように付与ポイント数を算出することができる。
【0081】
また、付与ポイント数算出部413は、収益貢献度抽出部412が店舗情報に対応する収益貢献度のみを抽出した場合、抽出された店舗情報に対応する収益貢献度と利用情報受信部411によって受信された利用金額情報とに基づいて、付与ポイント数を算出してもよい。これにより、カード会員にかかわらず、同じ店舗を利用したカード会員に対して同じ割合でポイントを付与することができる。
【0082】
付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイントに関する情報は、当該付与ポイントに対応する会員情報とともに付与ポイント数DB455に出力され、付与ポイント数DB455に記憶される。付与ポイント数DB455については説明を後述する(図9を参照)また、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイントに関する情報は、付与ポイント数情報送信部414および登録部415に出力される。
【0083】
この実施の形態においては、具体的には、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置のRAM203をワークエリアとしながら、ROM202に記憶されたプログラムをCPU201によって実行することによって、付与ポイント数算出部413としての機能を実現することができる。
【0084】
付与ポイント数情報送信部414は、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、店舗端末装置102へネットワーク100を介して送信する。付与ポイント数情報は、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数を特定可能な情報とされている。
【0085】
付与ポイント数情報送信部414は、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、カードの会員の携帯端末装置103へ送信する。付与ポイント数情報は、携帯端末装置103において、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数を特定することが可能な情報とする。
【0086】
付与ポイント数情報送信部414は、たとえば付与ポイント数算出部413による今回の算出によって得られた付与ポイント数、すなわちカードの1回の利用にかかる付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を送信する。あるいは、付与ポイント数情報送信部414は、カードの1回の利用にかかる付与ポイント数に代えてあるいは加えて、所定の期間において累積された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を送信してもよい。
【0087】
また、付与ポイント数情報送信部414は、送信した付与ポイント数情報に基づいて、カードを利用することによって付与された付与ポイント数を、携帯端末装置103のディスプレイに表示させるアプリケーションをあわせて送信してもよい。このアプリケーションは、カード決済システムの利用に先立って、携帯端末装置103にあらかじめダウンロードされていてもよい。
【0088】
この実施の形態においては、具体的には、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置のネットワークI/F208によって、付与ポイント数情報送信部414としての機能を実現することができる。
【0089】
携帯端末装置103は、カード会社サーバ101から送信された付与ポイント数情報を受信すると、受信した付与ポイント数情報に基づいて、カードを利用することによって付与された付与ポイント数を、ディスプレイに表示する。これによって、カードの1回の利用にかかる付与ポイント数、あるいは当該付与ポイント数と所定の期間において累積された付与ポイント数とを、カード会員に案内することができる。
【0090】
登録部415は、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、所定のWebサーバ104に閲覧可能に登録する。具体的には、登録部415は、所定のWebサーバ104との間で通信をおこなうことによって、当該所定のWebサーバ104に、付与ポイント数算出部413によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を閲覧可能に登録する。
【0091】
この実施の形態においては、具体的には、たとえばカード会社サーバ101を実現するコンピュータ装置のHDD204およびHD205やFDD206およびFD207などのメモリおよび当該メモリに対する情報の読み書きをおこなうドライバによって、登録部415としての機能を実現することができる。
【0092】
(利用情報データベースの一例)
つぎに、利用情報DB451のデータ構成の内容の一例について説明する。図5は、利用情報DB451のデータ構成の内容の一例を示す説明図である。図5において、利用情報DB451は、利用情報を記憶する。利用情報は、たとえば買い物における決済に際して、カードを利用するごとに生成される。
【0093】
利用情報は、利用番号、利用日時、利用者、利用店舗および利用金額を特定可能な情報を含んでいる。利用情報DB451は、利用番号、利用日時、利用者、利用店舗および利用金額を特定可能な各情報を、それぞれ対応づけて記憶している。
【0094】
利用番号は、カードを利用した決済を特定可能な情報であって、決済ごとに異なる。利用番号は、たとえば店舗番号とカードを利用した決済の日時とPOS端末の識別番号とを組み合わせることによって構成することができる。このような利用番号を付与することにより、チェーン店などのように、同一名称の店舗が複数存在する場合であっても、利用番号に基づいてどの店舗でカードが利用されたかを、店員などが容易に特定することができる。また、同一店舗に複数台のPOS端末が設置されている場合、POS端末の識別番号に基づいてどの店舗でカードが利用されたかを、店員などが容易に特定することができる。
【0095】
利用日時は、カードを利用した日時を特定可能な情報であって、利用日時を特定可能な情報は、たとえば2009年4月1日の午後2時53分にカードを利用した場合、「200904011453」などのような利用日時情報を生成することができる。利用日時を特定可能な情報は、時刻を特定する情報に代えて、店舗においてカード決済をおこなった通し番号を含んでいてもよい。
【0096】
利用者はカードの利用者であって、利用者を特定可能な情報はたとえばカード会員のIDなどとすることができる。カード会員のIDは、具体的には、たとえばカード会員が利用するカードのカード番号とすることができる。
【0097】
利用店舗はカード会員がカードを利用した店舗であって、利用店舗特定可能な情報はたとえばカードの加盟店ごとに付与された店舗の識別情報(利用店舗ID)とすることができる。利用店舗IDは、たとえばカード決済システムの運用元などによって、当該カード決済システムに加盟する際にあらかじめ付与されている。
【0098】
利用金額は、カードを1回利用した場合にかかった利用金額を示す。利用金額を特定可能な情報は、カードを1回利用した場合にかかった利用金額を特定可能な情報とすることができる。具体的には、たとえば5800円の買い物にカードを利用した場合、「5,800」などのような利用金額情報が生成される。
【0099】
(収益貢献度データベースの一例)
つぎに、収益貢献度DB452のデータ構成の内容の一例について説明する。図6は、収益貢献度DB452のデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【0100】
図6において、収益貢献度DB452は、利用店舗ごとに設定された収益貢献度に関する情報や、カード会員ごとに設定された収益貢献度に関する情報を記憶している。利用店舗ごとに設定された収益貢献度は、利用店舗を特定可能な利用店舗IDに対応づけて記憶されている。カード会員ごとに設定された収益貢献度は、カード会員を特定可能な利用店舗IDに対応づけて記憶されている。
【0101】
店舗の収益貢献度は、カード会社の収益の向上に貢献する程度の高い条件ほど、数値が大きくなるように設定されている。収益貢献度DB452において、店舗の収益貢献度は、5段階評価であらわされている。店舗の収益貢献度は、5段階評価であらわすものに限らず、店舗ごとにそれぞれの収益貢献度が設定されていてもよい。
【0102】
店舗の収益貢献度は、たとえば「2」を基準とし、カード会社の収益の向上に貢献する店舗の収益貢献度は、2よりも大きな数値が設定される。たとえば取り扱う商品やサービスの質が悪く、一旦カード決済したものの返品や返金が多い店舗など、カード会社の収益を低下させるような店舗に対しては、2よりも小さい1という収益貢献度を設定してもよい。
【0103】
カード会員の収益貢献度は、カード会社の収益の向上に貢献するようなカードの利用をおこなっているカード会員ほど数値が高くなるように設定されている。収益貢献度DB452において、カード会員の収益貢献度は、5段階評価であらわされている。カード会員の収益貢献度は、「1」を基本とし、カードの利用金額が高額である、カード利用1回あたりの利用金額が高額である、毎月安定した利用金額がある、などのように、利用状態が良好であるカード会員ほど1よりも大きな数値が設定される。
【0104】
(カード会員情報データベースの一例)
つぎに、カード会員情報DB453のデータ構成の内容の一例について説明する。図7は、カード会員情報DB453のデータ構成の内容の一例を示す説明図である。図7において、カード会員情報DB453は、カード会員の識別情報、携帯端末番号、電子メールアドレス、カード会員の住所、カード会員の氏名、カード会員のランクなどの情報を、それぞれ対応づけて記憶している。
【0105】
カード会員の識別情報は、具体的には、カード会員が利用するカードの識別番号であるカード会員IDとすることができる。携帯端末番号は、各携帯端末装置103を特定可能な情報であって、携帯端末装置103ごとに異なる。携帯端末装置103が携帯型の電話機である場合、携帯端末番号は、当該電話機に設定された電話番号であってもよい。
【0106】
電子メールアドレスは、携帯端末装装置への電子メールの送信を可能とする情報であって、カード会員によって任意に設定されている。カード会員情報DB453において、電子メールアドレスは、カード会員が携帯型電話機を新規に購入した場合など、適宜更新することができる。
【0107】
カード会員の住所や、カード会員の氏名は、カードの発行(申し込み)に際して、事前にカード会員から取得され、カード会社によってカード会員情報DB453に登録されている。カード会員情報DB453において、カード会員の住所は、カード会員が引っ越して居所が変わった場合など、カード会員からの申請に応じて適宜更新することができる。
【0108】
カード会員のランクは、ゴールド、クラシック(一般)などの、カードのランクを示す。カード会員情報DB453は、さらに、カードの有効期限、カード会員の電話番号、性別、引き落とし口座番号、カード会員の年収、利用限度額、支払い方法、前回の締め日の翌日から次回の締め日までの累積の利用金額などを特定可能な情報を記憶していてもよい。
【0109】
(算出テーブル454の一例)
つぎに、算出テーブル454のデータ構成の内容の一例について説明する。図8は、算出テーブル454のデータ構成の内容の一例を示す説明図である。
【0110】
図8において、算出テーブル454は、収益貢献度とポイント倍率とを関連づけて記憶している。算出テーブル454においては、上述した収益貢献度DB452における店舗の5段階評価の各段階に対応するポイント倍率が記憶されている。具体的には、たとえば図8においては、評価が「5」である店舗のポイント倍率は「1.8」に設定されている。
【0111】
その他、評価が「4」である店舗のポイント倍率は「1.8」、評価が「3」である店舗のポイント倍率は「1.3」、評価が「2」である店舗のポイント倍率は「1.0」、評価が「1」である店舗のポイント倍率は「0.9」などのように設定することができる。
【0112】
また、算出テーブル454においては、カード会員の収益貢献度には、カード会員ごとに設定されたポイント倍率が対応づけられている。上述した収益貢献度DB452におけるカード会員の5段階評価の各段階に対応するポイント倍率が記憶されている。具体的には、たとえば図8においては、評価が「4」であるカード会員のポイント倍率は「1.5」に設定されている。
【0113】
その他、評価が「5」であるカード会員のポイント倍率は「1.8」、評価が「3」であるカード会員のポイント倍率は「1.3」、評価が「2」であるカード会員のポイント倍率は「1.1」、評価が「1」であるカード会員のポイント倍率は「1.0」などのように設定することができる。
【0114】
この実施の形態においては、収益貢献度DB452と算出テーブル454とを分け、収益貢献度DB452に記憶された収益貢献度に基づいて、該当するポイント倍率を特定し、特定されたポイント倍率を利用金額に乗算するようにしたが、これに限るものではない。たとえば、各店舗の収益貢献度やカード会員の収益貢献度をポイント倍率で示すことによって、収益貢献度DB452から付与ポイント数を直接算出できるようにしてもよい。
【0115】
(付与ポイント数DB455の一例)
つぎに、付与ポイント数DB455のデータ構成の内容の一例について説明する。図9は、付与ポイント数DB455のデータ構成の内容の一例を示す説明図である。図9において、付与ポイント数DB455は、カード決済システムの利用番号と付与ポイント数とを対応づけて記憶している。図9においては、たとえば利用番号0001によって特定されるカード決済に際しての付与ポイント数が20であり、利用番号0002によって特定されるカード決済に際しての付与ポイント数が34であることを示している。
【0116】
(店舗端末装置102における処理の手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置102における処理の手順について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態の店舗端末装置102における処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、まず、利用情報の入力があるまで待機する(ステップS1001:No)。
【0117】
ステップS1001において、利用情報の入力があった場合(ステップS1001:Yes)は、カード会社サーバ101に対して、ステップS1001:Yesにおいて入力された利用情報を送信する(ステップS1002)。
【0118】
そして、付与ポイント数情報を受信したか否かを判断する(ステップS1003)。付与ポイント数情報を受信していない場合(ステップS1003:No)は、受信するまで待機する。付与ポイント数情報を受信した場合(ステップS1003:Yes)は、所定の記録媒体に、受信した付与ポイント数情報を出力して(ステップS1004)、一連の処理を終了する。
【0119】
(カード会社サーバ101における処理の手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ101における処理の手順について説明する。図11は、この発明にかかる実施の形態のカード会社サーバ101における処理の手順を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、まず、店舗端末装置102から送信された利用情報を受信するまで待機する(ステップS1101:No)。
【0120】
ステップS1101において、店舗端末装置102から送信された利用情報を受信した場合(ステップS1101:Yes)は、受信した利用情報を利用情報DB451に登録する(ステップS1102)。そして、受信した利用情報における店舗情報およびカード会員情報の少なくとも一方に基づいて、当該店舗情報およびカード会員情報に対応する収益貢献度を、収益貢献度DB452から抽出する(ステップS1103)。
【0121】
そして、ステップS1103において抽出した収益貢献度と、ステップS1101:Yesにおいて受信した利用情報から特定される利用金額と、に基づいて付与ポイント数を算出する(ステップS1104)。
【0122】
その後、ステップS1104において算出した付与ポイント数を、付与ポイント数DB455に登録する(ステップS1105)。また、ステップS1104において算出した付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を店舗端末装置102へ送信する(ステップS1106)とともに、当該付与ポイント数情報をカード会員の携帯端末装置103へ送信する(ステップS1107)。
【0123】
店舗端末装置102は、付与ポイント数情報を受信した場合、レシート(カードの利用控え)に印刷することによって、付与ポイント数を出力する。これにより、レシート(図12を参照)を介して、カード会員に対して付与ポイント数を案内することができる。携帯端末装置103は、付与ポイント数情報を受信した場合、ディスプレイに所定の表示画面(図13を参照)を表示することによって、付与ポイント数を出力する。これにより、携帯端末装置103の表示画面を介して、カード会員に対して付与ポイント数を案内することができる。
【0124】
付与ポイント数DB455に登録された付与ポイントは、カードの利用明細書の発行に際して、当該利用明細書に、請求期間と同じ期間における付与ポイント数を印刷するなどして案内することができる。これにより、カード会員は、毎月の利用金額と付与されたポイント数とを確認することができる。
【0125】
さらに、ステップS1104において算出した付与ポイント数を、Webサーバ104に登録して(ステップS1108)、一連の処理を終了する。Webサーバ104に登録された付与ポイントは、カード会員の携帯端末装置103などからアクセスがあった場合に、当該携帯端末装置103のディスプレイにおいて閲覧することができる。Webサーバ104に登録された付与ポイント数の閲覧は、携帯端末装置103に限るものではなく、カード会員の自宅などに設置されたパーソナルコンピュータ装置であってもよい。
【0126】
ステップS1105、ステップS1106、ステップS1107およびステップS1108の各処理は、図11に示した順序でおこなうものに限らない。たとえばステップS1104において算出した付与ポイント数を店舗端末装置102およびカード会員の携帯端末装置103へ送信した後に、付与ポイント数DB455およびWebサーバ104に登録してもよい。また、たとえばステップS1104において算出した付与ポイント数を付与ポイント数DB455およびWebサーバ104に登録した後に、店舗端末装置102およびカード会員の携帯端末装置103へ送信してもよい。
【0127】
また、ステップS1106の処理とステップS1107の処理とは、必ずしも2つの処理をおこなうものに限らない。たとえばステップS1106の処理あるいはステップS1107の処理のいずれか一方の処理をおこなうようにしてもよい。またステップS1108の処理は、必ずしも必要ではなく、Webサーバ104への登録をおこなわなくてもよい。
【0128】
(レシートの一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して発行されるレシートの一例について説明する。図12は、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して発行されるレシートの一例を示す説明図である。図12において、レシート1200には、従来のカード決済に際して発行される利用控えと同じ情報に加えて、今回のカードの利用によって付与されたポイント数と、前回の締め日の翌日から今回のカード決済までの累計の付与ポイント数と、が印刷されている。
【0129】
これにより、カード会員に対して、カードの利用があるごとに、当該利用によって付与されたポイント数および当該利用日を含む所定期間において付与されたポイント数を案内することができる。
【0130】
(表示画面の一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置103のディスプレイに表示される表示画面の一例について説明する。図13は、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置103のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【0131】
図13において、携帯端末装置103のディスプレイには、カードの利用によってポイントが付与されたこと(ポイント獲得)を知らせるメッセージや、当該ポイントが付与されたカード決済の日時、および付与されたポイント数などを示す情報を表示する表示画面1300が示されている。これにより、カード会員に対して、カードの利用があるごとに、当該利用によって付与されたポイント数および当該利用日を含む所定期間において付与されたポイント数を案内することができる。
【0132】
(表示画面の一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置103のディスプレイに表示される表示画面の一例について説明する。図14は、この発明にかかる実施の形態のカード決済システムの利用に際して携帯端末装置103のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【0133】
図14において、表示画面1400は、カード会員の携帯端末装置103あるいはカード会員のパーソナルコンピュータなど、カード会社サーバ101に対して所定のアクセス操作があった場合に、カード会員の携帯端末装置103あるいはカード会員のパーソナルコンピュータが備えるディスプレイに表示される。
【0134】
表示画面1400は、たとえばカードの利用明細情報とともに、付与されたポイント数を示す情報を示す。表示画面1400において、付与されたポイント数は、たとえば請求をおこなう月におけるカードの利用したによって付与された「今月の獲得ポイント」1402と、当該月を含む所定期間(たとえばポイント有効期間など)内におけるカードの利用したによって付与された「今月までの累計ポイント」1403と、のように複数パターンで案内されている。
【0135】
表示画面1400の内容は、たとえば1ヶ月に1回、カードの利用明細の発行にあわせて更新されるものであってもよいし、カード会員がカードを利用するごとに更新されるものであってもよい。また、表示画面1400の内容は、カード会員が任意のタイミングで、携帯端末装置103やパーソナルコンピュータなどに対して所定の操作をおこなうことによって、いつでも閲覧できるようにすることができる。
【0136】
カード会員は、カードを利用した日や、ポイント数を確認したくなった場合など、任意のタイミングでWebサーバ104にアクセスすることによって、表示画面1400を表示させ、利用明細情報とともにポイント数を確認することができる。表示画面1400の表示内容を確認したカード会員は、「OK」キー1401を操作することによって、表示画面1400を閉じることができる。
【0137】
以上説明したように、この実施の形態のカード決済システムは、商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置102と、店舗において支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバ101と、がネットワーク100によって接続されたカード決済システムであって、店舗端末装置102は、店舗に関する店舗情報と、カード利用による利用金額情報とをネットワークを介してカード会社サーバ101へ送信する。そして、カード会社サーバ101は、店舗端末装置102から送信された店舗情報および利用金額情報を受信し、受信された店舗情報に対応するカード会社の収益貢献度を抽出し、抽出された収益貢献度と受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出することを特徴としている。
【0138】
この実施の形態のカード決済システムによれば、カードの利用金額と、店舗ごとに定められた収益貢献度とに基づいて付与ポイント数を算出することにより、カード会社側の収益向上に貢献するカード会員に対してより多くのポイント数を付与することができる。このように、同じ利用金額であっても、カードを利用する店舗に応じて、より多くのポイントを付与することができるので、カード決済システムにおけるポイントサービスに対する利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0139】
また、この実施の形態のカード決済システムによれば、利用金額のみならずカード決済を利用した店舗によって付与されるポイント数が変動するため、カード会員に対して、カード会社側の収益向上に貢献する店舗でのカードの利用促進を図ることができる。これによって、カード会社側の収益向上に貢献する店舗における収益の向上、およびカード会社における収益の向上を図ることができる。
【0140】
カード決済システムにおいては、運用上、店舗とカード会社との間に、店舗からカード会社に対してカードの利用にかかる加盟店手数料を支払う契約が締結されている。この加盟店手数料が低いほど加盟店の収益が増大し、当該加盟店手数料が高いほどカード会社の収益が増大する。このため、加盟店側は低い加盟店手数料での契約を希望し、カード会社は高い加盟店手数料での契約を希望する傾向にあり、加盟店とカード会社とでは加盟店手数料に対する希望額が相反している。
【0141】
この実施の形態のカード決済システムによれば、店舗が定額の加盟店手数料で契約をおこなった場合にも、当該店舗でカードを利用するほどカード会員に付与されるポイント数が多くなるため、利用者の増加が期待でき、利用者の増加によって店舗の収益向上を図ることができる。これにより、カード決済システムに加盟する店舗(加盟店)数の増加を期待することができ、加盟店が増えることによって利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0142】
また、この実施の形態のカード決済システムによれば、定額の加盟店手数料で契約をおこなう店舗の増加が期待できるので、加盟店手数料によるカード会社の収益の向上を図ることができる。そして、カード会社の収益の向上を図ることによって、ポイントサービスにおいて提供する商品やサービスの質の向上を図り、利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0143】
カード決済は、たとえば1ヶ月分など、所定期間の利用金額の総額をまとめて支払うことから、現金や電子マネーによる決済と比較して、1回の引き落としにかかる金額が高額になることも少なくない。また、カード決済は、現金や電子マネーによる決済と比較して、1回あたりの利用金額が高額になることも少なくない。現金や、料金を前払いで徴収している電子マネーとは異なり、引き落とし日になってもカード会員が現金の準備をできなかった場合、未回収となった金額はすべてカード会社が負担しなくてはならない。
【0144】
このような背景から、この実施の形態のカード決済システムのように、加盟店手数料や事務手数料などの各種の手数料を考慮して収益の向上を図ることは、カード会社にとって有用であるといえる。そして、カード会社の収益の向上を図ることにより、当該カード会社が発行するカードを利用するカード会員に対して供される各種のサービスの向上を図ることができるので、最終的な利用者であるカード会員の満足度の向上を図ることができる。
【0145】
また、この実施の形態のカード決済システムのように、加盟店手数料などに応じた収益貢献度によって各店舗を分類し、ポイントが付与される率を異ならせることにより、各店舗に対するカード会員の利用状況が変化することが想定される。すなわち、同種類の商品を同程度の価格で同じような立地条件で販売している店舗が複数ある場合は、より多くのポイントが付与される店舗でのカード決済すなわち利用客が集まると考えられる。これにより、店舗どうしの競争により、店舗あるいは当該店舗が扱う商品やサービスの質の向上を促進して、カード会員の満足度の向上を図ることができる。
【0146】
また、この実施の形態のカード決済システムは、カード会社サーバが、さらにカードの会員情報とを受信し、受信された会員情報に対応するカード会社の収益貢献度を抽出し、抽出された店舗情報に対応する収益貢献度と会員情報に対応する収益貢献度と利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出することを特徴としている。
【0147】
この実施の形態のカード決済システムによれば、カードの利用金額と店舗ごとに定められた収益貢献度と会員ごとの収益貢献度とに基づいて付与ポイントを算出することにより、カード会社側の収益向上に貢献するカード会員に対してより多くのポイント数を付与することができる。このように、同じ利用金額であっても、カード会員に応じて、より多くのポイントを付与することができるので、カード決済システムにおけるポイントサービスに対する利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0148】
また、この実施の形態のカード決済システムは、会員情報に対応する収益貢献度に関する情報が、所定期間における当該会員の当該カードでの利用金額、利用頻度および利用方法の少なくともいずれか一つに基づいてランク分けすることによって設定されるものであることを特徴としている。
【0149】
この実施の形態のカード決済システムによれば、カード会員のカードの利用状況に応じて付与ポイント数を算出することにより、カード会員のカードの利用状況に応じて、より多くのポイントを付与することができるので、カード決済システムにおけるポイントサービスに対する利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0150】
また、この実施の形態のカード決済システムは、店舗情報に対応する収益貢献度に関する情報が、当該店舗の業種および当該店舗が当該カード会社へ支払う手数料(加盟店手数料)の少なくともいずれかに基づいて設定されるものであることを特徴としている。
【0151】
この実施の形態のカード決済システムによれば、たとえばカードの1回あたりの利用金額が高いことがあらかじめ想定される業種に該当する店舗や、加盟店手数料が高い店舗の収益貢献度を高く設定することにより、カード会社および店舗の双方の収益向上を図ることができる。そして、カード会社および店舗の双方の収益向上を図ることによって、カード会社および店舗が提供する商品やサービスの質のさらなる向上を図り、利用者の満足度の向上を図ることができる。
【0152】
また、この実施の形態のカード決済システムは、カード会社サーバ101が、算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、店舗端末装置102へネットワークを介して送信し、店舗端末装置102が、カード会社サーバ101から送信された付与ポイント数情報を受信し、受信された付与ポイント数情報を出力することを特徴としている。
【0153】
この実施の形態のカード決済システムによれば、カード会員に対して、店舗端末装置102を介して付与ポイント数を案内することができる。これによって、カードの利用時に携帯端末装置103を携帯していない、あるいは、携帯端末装置103を所有していないカード会員に対して、付与ポイント数を確実に案内することができる。
【0154】
また、この実施の形態のカード決済システムは、店舗端末装置102における付与ポイント数情報の出力を、表示画面への表示によって実現することを特徴としている。この実施の形態のカード決済システムによれば、付与ポイント数を可視化することによって、カード会員に付与ポイント数を視認させ、ポイントが付与されたことおよび当該ポイント数を確実に案内することができる。
【0155】
また、この実施の形態のカード決済システムは、店舗端末装置102における付与ポイント数情報の出力を、レシートやカードの利用明細の控えなどの記録媒体への印刷によって実現することを特徴としている。この実施の形態のカード決済システムによれば、周囲に知られることなく、付与ポイント数を可視化することによって、カード会員に対してポイントが付与されたことおよび当該ポイント数を確実に案内するとともに、これらの情報をカード会員のみに案内することができる。
【0156】
また、この実施の形態のカード決済システムは、カード会社サーバが、算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、カードの会員の携帯端末装置103へ送信することを特徴としている。この実施の形態のカード決済システムによれば、付与ポイント数情報の送信先となるカード会員のみに対して、ポイントが付与されたことおよび当該ポイント数を確実に案内することができる。また、この実施の形態のカード決済システムによれば、カード会員が希望する任意のタイミングで、付与されたポイント数を確認することができる。
【0157】
また、この実施の形態のカード決済システムは、カード会社サーバが、算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、所定のWebサーバ104に閲覧可能に登録することを特徴としている。この実施の形態のカード決済システムによれば、カード会員が希望する任意のタイミングで、付与されたポイント数を確認することができる。
【0158】
なお、この実施の形態で説明したカード決済方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0159】
以上のように、この発明にかかるカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムは、商品の購入やサービス代金の支払いをカードでおこなうカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムに有用であり、特に、カードを利用することによって利用金額に応じてカード会員に対してポイントが付与されるカード決済システム、カード決済方法、およびカード決済プログラムに適している。
【符号の説明】
【0160】
100 ネットワーク
101 カード会社サーバ
102 店舗端末装置
103 携帯端末装置
104 Webサーバ
401 利用情報入力部
402 利用情報送信部
403 付与ポイント数受信部
404 付与ポイント数付与ポイント数出力部
411 利用情報受信部
412 収益貢献度抽出部
413 付与ポイント数算出部
414 付与ポイント数情報送信部
415 登録部
451 利用情報DB
452 収益貢献度DB
453 カード会員情報DB
454 算出テーブル
455 付与ポイント数DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムであって、
前記店舗端末装置は、
前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信手段を備え、
前記カード会社サーバは、
前記利用情報送信手段によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信手段と、
前記利用情報受信手段によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を抽出する収益貢献度抽出手段と、
前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信手段によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出手段と、
を備えたことを特徴とするカード決済システム。
【請求項2】
前記利用情報送信手段は、さらに前記カードの会員情報を送信し、
前記利用情報受信手段は、前記利用情報送信手段によって送信された会員情報を受信し、
前記収益貢献度抽出手段は、前記利用情報受信手段によって受信された会員情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を抽出し、
前記付与ポイント数算出手段は、前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記店舗情報に対応する収益貢献度と、前記収益貢献度抽出手段によって抽出された前記会員情報に対応する収益貢献度と、前記利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出することを特徴とする請求項1に記載のカード決済システム。
【請求項3】
前記会員情報に対応する収益貢献度に関する情報は、所定期間における当該会員の当該カードでの利用金額、利用頻度および利用方法の少なくともいずれか一つに基づいてランク分けすることによって設定されるものであることを特徴とする請求項2に記載のカード決済システム。
【請求項4】
前記店舗情報に対応する収益貢献度に関する情報は、当該店舗の業種および当該店舗が当該カード会社へ支払う手数料の少なくともいずれかに基づいて設定されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカード決済システム。
【請求項5】
前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、前記店舗端末装置へ前記ネットワークを介して送信する付与ポイント数情報送信手段を備え、
前記店舗端末装置は、
前記付与ポイント数情報送信手段によって送信された付与ポイント数情報を受信する付与ポイント数情報受信手段と、
前記付与ポイント数情報受信手段によって受信された付与ポイント数情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカード決済システム。
【請求項6】
前記出力手段による、付与ポイント数情報の出力は、表示画面への表示または記録媒体への印刷を含むことを特徴とする請求項5に記載のカード決済システム。
【請求項7】
前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、前記カードの会員の携帯端末装置へ送信する付与ポイント数情報送信手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のカード決済システム。
【請求項8】
前記カード会社サーバは、前記付与ポイント数算出手段によって算出された付与ポイント数に関する付与ポイント数情報を、所定のWebサーバに閲覧可能に登録する登録手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のカード決済システム。
【請求項9】
商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムが用いるカード決済方法であって、
前記店舗端末装置が、利用情報送信手段を備え、
利用情報送信手段が、前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信工程を含み、
前記カード会社サーバが、前記店舗情報と、当該店舗に対応する前記カード会社の収益貢献度とを関連付けして登録したデータベースを備え、または当該データベースと前記ネットワークによって接続され、利用情報受信手段と、収益貢献度抽出手段と、付与ポイント数算出手段と、を備え、
前記利用情報受信手段が、前記利用情報送信工程によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信工程と、
収益貢献度抽出手段が、前記利用情報受信工程によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を前記データベースから抽出する収益貢献度抽出工程と、
前記付与ポイント数算出手段が、前記収益貢献度抽出工程によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信工程によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出工程と、
を含んだことを特徴とするカード決済方法。
【請求項10】
商品またはサービスの提供の対価をカードにて支払いが可能な店舗に備えられた店舗端末装置と、前記店舗において前記支払いに使用されたカードの決済処理をおこなうカード会社に備えられたカード会社サーバと、がネットワークによって接続されたカード決済システムが用いるカード決済プログラムであって、
前記店舗端末装置が、利用情報送信手段を備え、
利用情報送信手段が、前記店舗に関する店舗情報と、前記カード利用による利用金額情報とを前記ネットワークを介してカード会社サーバへ送信する利用情報送信工程を前記店舗端末装置に実行させ、
前記カード会社サーバが、前記店舗情報と、当該店舗に対応する前記カード会社の収益貢献度とを関連付けして登録したデータベースを備え、または当該データベースと前記ネットワークによって接続され、利用情報受信手段と、収益貢献度抽出手段と、付与ポイント数算出手段と、を備え、
前記利用情報受信手段が、前記利用情報送信工程によって送信された店舗情報および利用金額情報を受信する利用情報受信工程と、
収益貢献度抽出手段が、前記利用情報受信工程によって受信された店舗情報に対応する前記カード会社の収益貢献度を前記データベースから抽出する収益貢献度抽出工程と、
前記付与ポイント数算出手段が、前記収益貢献度抽出工程によって抽出された前記収益貢献度と、前記利用情報受信工程によって受信された利用金額情報とに基づいて付与ポイント数を算出する付与ポイント数算出工程と、
を前記カード会社サーバに実行させることを特徴とするカード決済プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−238065(P2010−238065A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86660(P2009−86660)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】