カード用コネクタ及びその製造方法
【課題】イジェクト機構のハウジングへの取付作業性及びカード用コネクタの組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】カード用コネクタ1において、イジェクト機構30が、カード挿入向き(矢印X向き)及びカード挿入向きとは逆向きのカード排出向き(矢印Y向き)に移動可能にハウジング10内に配置されたスライダ40と、スライダ40の歯部42に回転可能に保持されると共に、スライダ40とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動する回転カム部材50と、回転カム部材50をカード排出向きに付勢するばね部材60と、ハウジング10に固定され、回転カム部材50との間でばね部材60を支持するばね抜け止め部材70とを具備する。スライダ40、回転カム部材50、ばね部材60、及びばね抜け止め部材70は、カード排出向きにハウジング10に挿入される。
【解決手段】カード用コネクタ1において、イジェクト機構30が、カード挿入向き(矢印X向き)及びカード挿入向きとは逆向きのカード排出向き(矢印Y向き)に移動可能にハウジング10内に配置されたスライダ40と、スライダ40の歯部42に回転可能に保持されると共に、スライダ40とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動する回転カム部材50と、回転カム部材50をカード排出向きに付勢するばね部材60と、ハウジング10に固定され、回転カム部材50との間でばね部材60を支持するばね抜け止め部材70とを具備する。スライダ40、回転カム部材50、ばね部材60、及びばね抜け止め部材70は、カード排出向きにハウジング10に挿入される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード等のカードに使用されるカード用コネクタ及びその製造方法に関し、特にカードを排出するためのイジェクト機構を備えたカード用コネクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メモリカード等のカードに使用されるカード用コネクタとして、そのカードを排出するためのイジェクト機構を備えたのものが知られている。
イジェクト機構は、いわゆるプッシュ・プッシュ型と呼ばれるものが主流となっており、その機能としては、カードをコネクタに挿入(プッシュ)すると、カード(スライダ)をロックする。そして、カード(スライダ)がロックされた状態でカードを押す(プッシュ)と、ロックが解除されてカードをコネクタから排出する。
【0003】
近年においては、このプッシュ・プッシュ型のイジェクト機構として、カードの係止及び排出機構の小型化を目的として、例えば、特許文献1のように、回転カム部材を用いたものが提案されている。特許文献1に記載されたカード用コネクタを図11に示す。
図11に示すカード用コネクタ100は、ハウジング110と、ハウジング110に取り付けられた複数のコンタクト120と、イジェクト機構130とを具備している。
ハウジング110は、カード(図示せず)を受容するカード受容空間111及びカード受容空間111の幅方向(図11における左右方向)の片端部に形成されたイジェクト機構収容空間112を備えている。
【0004】
イジェクト機構130は、ハウジング110に形成されたイジェクト機構収容空間112内に配置され、カード受容空間111に受容されたカードを排出するものである。カードは、図11における矢印Aで示すカード挿入向きにカード受容空間111に挿入され、カード挿入向きとは逆向きの矢印Bで示すカード排出向きにカード受容空間111から排出される。
【0005】
ここで、イジェクト機構130は、カード挿入向き及びカード排出向きに移動可能にイジェクト機構収容空間112内に配置されたスライダ131を備える。スライダ131には、回転カム部材132が回転可能に保持されている。この回転カム部材132は、スライダ131とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動するようになっている。そして、イジェクト機構130は、回転カム部材132をスライダ131とともにカード排出向きに付勢するばね部材133を備えている。ばね部材133は、ハウジング110のカード挿入向き後端(カード挿入向きの最も奥の端)にある端壁と、回転カム部材132との間に配置される。
なお、カード用コネクタ100においては、図示しない金属製のカバー部材がハウジング110の上側を覆うように取り付けられ、これによりシールド効果が付与される。
【0006】
このように構成されたカード用コネクタ100において、カードをハウジング110に挿入すると、カードがスライダ131を押圧して回転カム部材132とともにスライダ131がカード挿入向きに移動する。そして、カードをカード挿入向き最後端にまで移動し、手を離すと、ばね部材133の作用により、回転カム部材132及びスライダ131がカード排出向きに若干移動する。この際に、回転カム部材132が間欠的に一方向に回転してハウジング110に係止され、これにより、カード(スライダ131)がロックされる。そして、カードがロックされてからカードを再度押してカードをカード挿入向き最後端にまで移動し、手を離すと、回転カム部材132が間欠的に一方向に回転してカード(スライダ131)のロックが解除される。そして、ばね部材133の作用により、回転カム部材132及びスライダ131がカード排出向きに移動し、カードがハウジング110から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−123543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この図11に示したカード用コネクタ100にあっては、以下の問題点があった。
即ち、カード用コネクタ100の組立に際し、イジェクト機構130のハウジング110への取付けは次のように行われる。先ず、回転カム部材132を保持したスライダ131を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する。次いで、ばね部材133を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容し、ハウジング110のカード挿入向き後端にある端壁と、回転カム部材132との間に配置するようにばね部材133を動かす。そして、最後に、カバー部材をハウジング110の上側を覆うようにハウジング110に取り付ける。これにより、イジェクト機構130のハウジング110への取付け及びカード用コネクタ100の組立が完了する。
【0009】
ここで、イジェクト機構130のハウジング110への取付けにおいては、回転カム部材132を保持したスライダ131をハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する作業の他、ばね部材133を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する作業と、ばね部材133を、ハウジング110のカード挿入向き後端にある端壁と、回転カム部材132との間に配置するように動かす作業とが必要となる。このため、イジェクト機構130のハウジング110への取付作業性が悪い。つまり、イジェクト機構130のハウジング110への取付けにおいて、イジェクト機構130を構成する各部材を移動させる方向が複雑となっており、その取付け作業性が極めて悪い。また、回転カム部材132を保持したスライダ131をイジェクト機構収容空間112内に収容する際に、回転カム部材132がスライダ131から離脱してしまうおそれもある。更に、カバー部材をハウジング110の上側を覆うようにハウジング110に取り付けてイジェクト機構130の離脱を防止する作業も更に必要となり、カード用コネクタ100の組立作業性が極めて悪い。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、イジェクト機構のハウジングへの取付作業性及びカード用コネクタの組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のうちある態様に係るカード用コネクタは、カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備えたカード用コネクタであって、前記イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備し、前記スライダ、前記回転カム部材、前記ばね部材、及び前記ばね抜け止め部材は、前記カード排出向きに前記ハウジングに挿入されることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のうちある態様に係るカード用コネクタの製造方法は、カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備え、該イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備したカード用コネクタの製造方法であって、前記スライダを、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入する工程と、前記回転カム部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記スライダの歯部に前記回転カム部材を保持する工程と、前記ばね部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記回転カム部材の支持部に前記ばね部材の一端を支持する工程と、前記ばね抜け止め部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記ばね部材の他端を支持する工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカード用コネクタ及びその製造方法によれば、スライダ、回転カム部材、ばね部材、及びばね抜け止め部材は、カード排出向きにハウジングに挿入されるので、イジェクト機構を構成する全ての部材をカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにハウジングに挿入することにより、カード用コネクタを組み立てることができる。このため、イジェクト機構を構成する各部材を移動させる方向が同一であるので、組立の自動化が容易である。従って、イジェクト機構のハウジングへの取付作業性及びカード用コネクタの組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供できる。
また、イジェクト機構のハウジングへの取付けに際し、イジェクト機構を構成する各部材がハウジングから離脱するおそれも少ない。
更に、イジェクト機構のハウジングからの離脱を防止する付加的な部材も必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るカード用コネクタの実施形態をカードとともに示す斜視図である。
【図2】図1に示すカード用コネクタにカードが挿入された状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図3】図1に示すカード用コネクタにカードが挿入された状態を示し、(A)は右側面図、(B)は背面図である。
【図4】図1に示すカード用コネクタの分解斜視図である。
【図5】図1のカード用コネクタに用いられるハウジングを示し、(A)は背面下側から見た斜視図、(B)は背面図である。
【図6】図1に示すカード用コネクタの組立方法(製造方法)を示し、(A)はハウジングにスライダを挿入する際の説明図、(B)はハウジングに回転カム部材を挿入する際の説明図、(C)はハウジングにばね部材を挿入する際の説明図、(D)はハウジングにばね抜け止め部材を挿入する際の説明図である。
【図7】カードを押圧してハウジング内に挿入している途中の状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における7B−7B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図7(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図8】カードを離してハウジング内にカード(スライダ)がロックされている状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における8B−8B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図8(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図9】カードを再度押圧している状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における9B−9B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図9(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図10】カードを離してカードがハウジングから排出された状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における9B−9B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図10(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図11】従来例のカード用コネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るカード用コネクタの実施形態を図1乃至図10を参照して説明する。
図1乃至図3(A)、(B)に示すように、カード用コネクタ1には、メモリカード等のカードCが挿入されるとともに、排出されるようになっている。カードCは、図1における矢印Xで示すカード挿入向きにカード用コネクタ1に挿入される。また、カードCは、図1における矢印Yで示す、カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにカード用コネクタ1から排出される。カード用コネクタ1は、図示しない回路基板上に実装される。
【0015】
ここで、カード用コネクタ1は、図1乃至図4に示すように、ハウジング10と、複数のコンタクト20と、イジェクト機構30とを備えている。
ハウジング10は、図1乃至図5(A)、(B)に示すように、前向き(カード排出向き)及び後向き(カード挿入向き)に延びるとともに、前向き及び後向きに直交する幅方向に延びる略矩形状に形成されている。ハウジング10は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。ハウジング10は、カードCを受容するカード受容空間11と、イジェクト機構30を収容するイジェクト機構収容空間12とを備えている。カード受容空間11は、ハウジング10の幅方向に延びるとともに、前端面(図1及び図4における下端面)に開口して後方に向けて延びている。カード受容空間11の後端部には、図5(A)、(B)に示すように、ハウジング10の後端面に開口するスライダ本体用開口11aが形成されている。イジェクト機構収容空間12は、図5(A)、(B)に示すように、ハウジング10の幅方向片端部に形成され、ハウジング10の後端面に開口して前方に向けて延びている。イジェクト機構収容空間12は、後側に位置する大径丸孔部と、前側に位置する小径丸孔部とからなり、大径丸孔部の後端部には、ばね抜け止め部材70を圧入固定するための圧入用孔12aが形成されている。また、イジェクト機構収容空間12は、図5(A),(B)及び図7(B)に示すように、カード受容空間11と通路12bによって連通している。更に、イジェクト機構収容空間12の大径丸孔部と小径丸孔部との間には、図5(B)、図7(B)、図8(B)、図9(B)、及び図10(B)に示すように、鋸歯形のロック用端面12dが形成されている。ロック用端面12dには、スライダ40及びカードCのロック時に、回転カム部材50に形成された突条52の傾斜面52aが当接して回転カム部材50及びスライダ40の前向き(カード排出向き)への移動を規制するようになっている。また、イジェクト機構収容空間12の小径丸孔部には、図5(B)、図7(B)、図8(B)、図9(B)、及び図10(B)に示すように、ロック用端面12dから前方に延びる複数のスリット12cが形成されている。スリット12cには、スライダ40及びカードCが移動可能なときに、回転カム部材50に形成された突条52が入り込む。
【0016】
また、複数のコンタクト20は、導電性金属板を打抜き及び曲げ加工することによって形成され、ハウジング10にインサートモールドすることによってハウジング10に取り付けられる。複数のコンタクト20は、ハウジング10の幅方向に沿って一列状に配置されている。各コンタクト20は、カード受容空間11内に挿入されたカードCの導電パッド(図示せず)に接触する接触部を備える。各コンタクト20は、回路基板上に半田等により接続される。
【0017】
次に、イジェクト機構30は、いわゆる、プッシュ・プッシュ型と呼ばれるものであり、カード受容空間11内に挿入されたカードCを排出する。イジェクト機構30は、図4に示すように、スライダ40と、回転カム部材50と、ばね部材60と、ばね抜け止め部材70とを備えている。
ここで、スライダ40は、後向き及び前向きに移動可能にハウジング10内に収容される。スライダ40は、カードCに連動するスライダ本体41と、スライダ本体41から連結部44を介して延びる、鋸歯状の歯43を有する歯部42とを備えている。スライダ40は、合成樹脂を成形することによって形成される。
【0018】
スライダ40のスライダ本体41は、図3(B)に示すように、カード受容空間11内に収容され、歯部42は、イジェクト機構収容空間12内に収容される。スライダ本体41には、図4に示すように、カードCの側面C1(図1参照)が対向する面41aと、カードCの角縁に形成された傾斜切欠面C2が対向する対向面41bと、カードCの端面C3が当接する当接面41cとが形成されている。また、スライダ本体41には、図4に示すように、カードCの切欠C4に入り込んでロックするロック突起41dが設けられている。また、スライダ40の歯部42は、円筒状に形成された歯部本体の後端に歯部本体の円周に沿って配置された複数の鋸歯状の歯43を備えている。
【0019】
また、回転カム部材50は、図4に示すように、円筒形のカム本体51と、カム本体51の外周面後端に設けられた複数の突条52とを備えている。回転カム部材50のカム本体51は、イジェクト機構収容空間12においてスライダ40の歯部42に後側から挿入され、回転カム部材50は歯部42に対して回転可能に保持される。回転カム部材50は、スライダ40とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動する。回転カム部材50の突条52は、歯43の側部傾斜面及び鋸歯状のロック用端面12dの側部傾斜面に当接する傾斜面52aを有する。
【0020】
更に、ばね部材60は、図4及び図7(a)に示すように、イジェクト機構収容空間12において回転カム部材50の後側に配置され、回転カム部材50をカード排出向きに付勢する圧縮ばねで構成される。ばね部材60は、回転カム部材50の後端面に突出形成された支持部(図示せず)と、ばね抜け止め部材70の前面に突出形成された支持部73とによって支持される。
【0021】
また、ばね抜け止め部材70は、図4に示すように、円盤状の圧入部71と、圧入部71の前面から前方に向けて突出する支持部73とを備えている。圧入部71の外周面には、圧入用の突起72が複数形成されている。ばね抜け止め部材70は、イジェクト機構収容空間12の圧入用孔12aに圧入部71が圧入されることにより、ハウジング10に固定される。ばね抜け止め部材70は、回転カム部材50との間でばね部材60を支持し、ばね部材60の抜け止めを行う。
【0022】
次に、カード用コネクタ1の組立(製造)方法について、図6を参照して説明する。
先ず、コンタクト20を取り付けたハウジング10を準備し、図6(A)に示すように、スライダ40を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、スライダ40の前側を先頭にして、スライダ本体41をスライダ本体用開口11a(図5参照)からカード受容空間11内に挿入するとともに、歯部42を圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12内に挿入する。
【0023】
次いで、図6(B)に示すように、回転カム部材50を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、回転カム部材50のカム本体51を、前側を先頭にして、圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12に挿入し、スライダ40の歯部42内の凹部に挿入する。これにより、回転カム部材50は歯部42に対して回転可能に保持される。
【0024】
そして、図6(C)に示すように、ばね部材60を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、ばね部材60を、圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12に挿入し、回転カム部材50の支持部でばね部材60の一端を支持する。
最後に、図6(D)に示すように、ばね抜け止め部材70を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、ばね抜け止め部材70の圧入部71を、前側を先頭にして、イジェクト機構収容空間12の圧入用孔12aに圧入固定し、支持部73によりばね部材60の他端を支持する。これにより、ばね部材60がハウジング10に固定されるとともに、ばね抜け止め部材70と回転カム部材50との間でばね部材60を支持し、ばね部材60の抜け止めを行う。以上の作業により、カード用コネクタ1の組立は完了する。
【0025】
このように、本実施形態に係るカード用コネクタ及びその製造方法によれば、スライダ40、回転カム部材50、ばね部材60、及びばね抜け止め部材70は、カード排出向きにハウジング10に挿入される。このため、イジェクト機構30を構成する全ての部材40、50、60、70をカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにハウジング10に挿入することにより、カード用コネクタ1を組み立てることができる。つまり、イジェクト機構30を構成する全ての部材を同一向きでハウジング10に挿入することで、カード用コネクタ1を組み立てることができる。このため、イジェクト機構30のハウジング10への取付作業性及びカード用コネクタ1の組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供できる。
【0026】
また、イジェクト機構30のハウジング10への取付けに際し、イジェクト機構30を構成する各部材40、50、60、70がハウジング10から離脱するおそれも少ない。
更に、イジェクト機構30のハウジング10からの離脱を防止する、例えばカバー部材等の付加的な部材も必要はない。
【0027】
次に、イジェクト機構30の動作について、図7乃至図10を参照して説明する。
先ず、カード用コネクタ1にカードCが挿入されていない状態で、図7(C)に示すように、カードCを矢印Xで示すカード挿入向きに押圧してカード受容空間11内に挿入する。すると、スライダ40のロック突起41dがカードCの切欠C4に入り込んでロックする。これにより、スライダ40がカードCに連動することになる。ここで、図7(B)に示すように、回転カム部材50の各突条52は、ハウジング10のイジェクト機構収容空間12に形成された各スリット12c内に位置している。このため、カードC及びスライダ40とともに回転カム部材50は、図7(A)に示すように、ばね部材60の付勢力に抗してカード挿入向きに後退する。この際に、スライダ40の歯43の側部傾斜面が回転カム部材50の突条52の傾斜面52aに当接しており、回転カム部材52は、図7(B)で示す矢印方向に回転しようとしている。
そして、カードCの挿入を続行して回転カム部材50がカード挿入向きの最後端にまで後退すると、回転カム部材50の各突条52が各スリット12cから外れる。
【0028】
次いで、カードCを離すと、図8(A)に示すように、ばね部材60の付勢力によって回転カム部材50がカード排出向きに移動するとともに、回転カム部材50が、図8(B)に示すように、矢印方向に60°回転する。そして、回転カム部材50の各突条52がイジェクト機構収容空間12の鋸歯形のロック端面11dに当接して、回転カム部材60のカード排出向きの移動が停止すると共に、回転カム部材50の回転が停止する。これにより、図8(C)に示すように、スライダ40及びカードCのカード排出向きへの移動が停止され、スライダ40及びカードCがハウジング10内でロックされる。
【0029】
更に、カードCを排出する際には、図9(C)に示すように、カードCを矢印Xで示すカード挿入向きに再度押圧する。すると、カードC及びスライダ40とともに回転カム部材50は、図9(A)に示すように、ばね部材60の付勢力に抗してカード挿入向きに後退する。この際に、回転カム部材50の各突条52は、鋸歯形のロック端面12dに沿いつつ移動する。また、スライダ40の歯43の側部傾斜面が回転カム部材50の突条52の傾斜面52aに当接しており、回転カム部材52は、図9(B)で示す矢印方向に回転しようとしている。
そして、カードCの押圧を続行して回転カム部材50がカード挿入向きの最後端にまで後退すると、回転カム部材50の各突条52が各鋸歯形のロック端面12dから外れる。
【0030】
次いで、カードCを離すと、回転カム部材50が、図10(B)に示すように、矢印方向に60°回転し、各突条52が各スリット52cに位置する。そして、図10(A)、(C)に示すように、ばね部材60の付勢力によって回転カム部材50、スライダ40及びカードCが矢印Yで示すカード排出向きに移動する。これにより、図10(C)に示すように、カードCのカード用コネクタ1からの突出量が増大し、カードCをカード用コネクタ1から引き抜くことができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、イジェクト機構30を構成するスライダ40は、カード挿入向き及びカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能にハウジング10内に配置され、カードCに連動するスライダ本体41と、スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯43を有する歯部42を備え、そして、カード排出向きにハウジング10に挿入されるものであれば、図示された形状に限られない。
【0032】
また、回転カム部材50は、スライダ40の歯部42に回転可能に保持されると共に、スライダ40ともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動し、そして、カード排出向きにハウジング10に挿入されるものであれば、図示した形状に限られない。
さらに、ばね抜け止め部材70のハウジング10への固定は、圧入の代わりに、バヨネット係合等の他の固定手段によってなされてもよい。
また、ばね抜け止め部材は、独立した部材の代わりに、ハウジングに取り付けられるシェル等に一体的に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 ハウジング
20 コンタクト
30 イジェクト機構
40 スライダ
41 スライダ本体
42 歯部
43 歯
50 回転カム部材
60 ばね部材
70 ばね抜け止め部材
C カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード等のカードに使用されるカード用コネクタ及びその製造方法に関し、特にカードを排出するためのイジェクト機構を備えたカード用コネクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メモリカード等のカードに使用されるカード用コネクタとして、そのカードを排出するためのイジェクト機構を備えたのものが知られている。
イジェクト機構は、いわゆるプッシュ・プッシュ型と呼ばれるものが主流となっており、その機能としては、カードをコネクタに挿入(プッシュ)すると、カード(スライダ)をロックする。そして、カード(スライダ)がロックされた状態でカードを押す(プッシュ)と、ロックが解除されてカードをコネクタから排出する。
【0003】
近年においては、このプッシュ・プッシュ型のイジェクト機構として、カードの係止及び排出機構の小型化を目的として、例えば、特許文献1のように、回転カム部材を用いたものが提案されている。特許文献1に記載されたカード用コネクタを図11に示す。
図11に示すカード用コネクタ100は、ハウジング110と、ハウジング110に取り付けられた複数のコンタクト120と、イジェクト機構130とを具備している。
ハウジング110は、カード(図示せず)を受容するカード受容空間111及びカード受容空間111の幅方向(図11における左右方向)の片端部に形成されたイジェクト機構収容空間112を備えている。
【0004】
イジェクト機構130は、ハウジング110に形成されたイジェクト機構収容空間112内に配置され、カード受容空間111に受容されたカードを排出するものである。カードは、図11における矢印Aで示すカード挿入向きにカード受容空間111に挿入され、カード挿入向きとは逆向きの矢印Bで示すカード排出向きにカード受容空間111から排出される。
【0005】
ここで、イジェクト機構130は、カード挿入向き及びカード排出向きに移動可能にイジェクト機構収容空間112内に配置されたスライダ131を備える。スライダ131には、回転カム部材132が回転可能に保持されている。この回転カム部材132は、スライダ131とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動するようになっている。そして、イジェクト機構130は、回転カム部材132をスライダ131とともにカード排出向きに付勢するばね部材133を備えている。ばね部材133は、ハウジング110のカード挿入向き後端(カード挿入向きの最も奥の端)にある端壁と、回転カム部材132との間に配置される。
なお、カード用コネクタ100においては、図示しない金属製のカバー部材がハウジング110の上側を覆うように取り付けられ、これによりシールド効果が付与される。
【0006】
このように構成されたカード用コネクタ100において、カードをハウジング110に挿入すると、カードがスライダ131を押圧して回転カム部材132とともにスライダ131がカード挿入向きに移動する。そして、カードをカード挿入向き最後端にまで移動し、手を離すと、ばね部材133の作用により、回転カム部材132及びスライダ131がカード排出向きに若干移動する。この際に、回転カム部材132が間欠的に一方向に回転してハウジング110に係止され、これにより、カード(スライダ131)がロックされる。そして、カードがロックされてからカードを再度押してカードをカード挿入向き最後端にまで移動し、手を離すと、回転カム部材132が間欠的に一方向に回転してカード(スライダ131)のロックが解除される。そして、ばね部材133の作用により、回転カム部材132及びスライダ131がカード排出向きに移動し、カードがハウジング110から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−123543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この図11に示したカード用コネクタ100にあっては、以下の問題点があった。
即ち、カード用コネクタ100の組立に際し、イジェクト機構130のハウジング110への取付けは次のように行われる。先ず、回転カム部材132を保持したスライダ131を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する。次いで、ばね部材133を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容し、ハウジング110のカード挿入向き後端にある端壁と、回転カム部材132との間に配置するようにばね部材133を動かす。そして、最後に、カバー部材をハウジング110の上側を覆うようにハウジング110に取り付ける。これにより、イジェクト機構130のハウジング110への取付け及びカード用コネクタ100の組立が完了する。
【0009】
ここで、イジェクト機構130のハウジング110への取付けにおいては、回転カム部材132を保持したスライダ131をハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する作業の他、ばね部材133を、ハウジング110の上方からイジェクト機構収容空間112内に収容する作業と、ばね部材133を、ハウジング110のカード挿入向き後端にある端壁と、回転カム部材132との間に配置するように動かす作業とが必要となる。このため、イジェクト機構130のハウジング110への取付作業性が悪い。つまり、イジェクト機構130のハウジング110への取付けにおいて、イジェクト機構130を構成する各部材を移動させる方向が複雑となっており、その取付け作業性が極めて悪い。また、回転カム部材132を保持したスライダ131をイジェクト機構収容空間112内に収容する際に、回転カム部材132がスライダ131から離脱してしまうおそれもある。更に、カバー部材をハウジング110の上側を覆うようにハウジング110に取り付けてイジェクト機構130の離脱を防止する作業も更に必要となり、カード用コネクタ100の組立作業性が極めて悪い。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、イジェクト機構のハウジングへの取付作業性及びカード用コネクタの組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のうちある態様に係るカード用コネクタは、カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備えたカード用コネクタであって、前記イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備し、前記スライダ、前記回転カム部材、前記ばね部材、及び前記ばね抜け止め部材は、前記カード排出向きに前記ハウジングに挿入されることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のうちある態様に係るカード用コネクタの製造方法は、カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備え、該イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備したカード用コネクタの製造方法であって、前記スライダを、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入する工程と、前記回転カム部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記スライダの歯部に前記回転カム部材を保持する工程と、前記ばね部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記回転カム部材の支持部に前記ばね部材の一端を支持する工程と、前記ばね抜け止め部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記ばね部材の他端を支持する工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカード用コネクタ及びその製造方法によれば、スライダ、回転カム部材、ばね部材、及びばね抜け止め部材は、カード排出向きにハウジングに挿入されるので、イジェクト機構を構成する全ての部材をカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにハウジングに挿入することにより、カード用コネクタを組み立てることができる。このため、イジェクト機構を構成する各部材を移動させる方向が同一であるので、組立の自動化が容易である。従って、イジェクト機構のハウジングへの取付作業性及びカード用コネクタの組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供できる。
また、イジェクト機構のハウジングへの取付けに際し、イジェクト機構を構成する各部材がハウジングから離脱するおそれも少ない。
更に、イジェクト機構のハウジングからの離脱を防止する付加的な部材も必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るカード用コネクタの実施形態をカードとともに示す斜視図である。
【図2】図1に示すカード用コネクタにカードが挿入された状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図3】図1に示すカード用コネクタにカードが挿入された状態を示し、(A)は右側面図、(B)は背面図である。
【図4】図1に示すカード用コネクタの分解斜視図である。
【図5】図1のカード用コネクタに用いられるハウジングを示し、(A)は背面下側から見た斜視図、(B)は背面図である。
【図6】図1に示すカード用コネクタの組立方法(製造方法)を示し、(A)はハウジングにスライダを挿入する際の説明図、(B)はハウジングに回転カム部材を挿入する際の説明図、(C)はハウジングにばね部材を挿入する際の説明図、(D)はハウジングにばね抜け止め部材を挿入する際の説明図である。
【図7】カードを押圧してハウジング内に挿入している途中の状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における7B−7B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図7(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図8】カードを離してハウジング内にカード(スライダ)がロックされている状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における8B−8B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図8(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図9】カードを再度押圧している状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における9B−9B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図9(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図10】カードを離してカードがハウジングから排出された状態のイジェクト機構、ハウジングと回転カム部材との関係、及びカードとカード用コネクタとの位置関係を示し、(A)はイジェクト機構の部分斜視図、(B)は(A)における9B−9B線に沿ったハウジングと回転カム部材との関係を示す断面図、(C)はカードとカード用コネクタとの位置関係を示す平面図である。但し、図10(A)においては、ハウジングは図示されていない。
【図11】従来例のカード用コネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るカード用コネクタの実施形態を図1乃至図10を参照して説明する。
図1乃至図3(A)、(B)に示すように、カード用コネクタ1には、メモリカード等のカードCが挿入されるとともに、排出されるようになっている。カードCは、図1における矢印Xで示すカード挿入向きにカード用コネクタ1に挿入される。また、カードCは、図1における矢印Yで示す、カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにカード用コネクタ1から排出される。カード用コネクタ1は、図示しない回路基板上に実装される。
【0015】
ここで、カード用コネクタ1は、図1乃至図4に示すように、ハウジング10と、複数のコンタクト20と、イジェクト機構30とを備えている。
ハウジング10は、図1乃至図5(A)、(B)に示すように、前向き(カード排出向き)及び後向き(カード挿入向き)に延びるとともに、前向き及び後向きに直交する幅方向に延びる略矩形状に形成されている。ハウジング10は、絶縁性の樹脂を成形することによって形成される。ハウジング10は、カードCを受容するカード受容空間11と、イジェクト機構30を収容するイジェクト機構収容空間12とを備えている。カード受容空間11は、ハウジング10の幅方向に延びるとともに、前端面(図1及び図4における下端面)に開口して後方に向けて延びている。カード受容空間11の後端部には、図5(A)、(B)に示すように、ハウジング10の後端面に開口するスライダ本体用開口11aが形成されている。イジェクト機構収容空間12は、図5(A)、(B)に示すように、ハウジング10の幅方向片端部に形成され、ハウジング10の後端面に開口して前方に向けて延びている。イジェクト機構収容空間12は、後側に位置する大径丸孔部と、前側に位置する小径丸孔部とからなり、大径丸孔部の後端部には、ばね抜け止め部材70を圧入固定するための圧入用孔12aが形成されている。また、イジェクト機構収容空間12は、図5(A),(B)及び図7(B)に示すように、カード受容空間11と通路12bによって連通している。更に、イジェクト機構収容空間12の大径丸孔部と小径丸孔部との間には、図5(B)、図7(B)、図8(B)、図9(B)、及び図10(B)に示すように、鋸歯形のロック用端面12dが形成されている。ロック用端面12dには、スライダ40及びカードCのロック時に、回転カム部材50に形成された突条52の傾斜面52aが当接して回転カム部材50及びスライダ40の前向き(カード排出向き)への移動を規制するようになっている。また、イジェクト機構収容空間12の小径丸孔部には、図5(B)、図7(B)、図8(B)、図9(B)、及び図10(B)に示すように、ロック用端面12dから前方に延びる複数のスリット12cが形成されている。スリット12cには、スライダ40及びカードCが移動可能なときに、回転カム部材50に形成された突条52が入り込む。
【0016】
また、複数のコンタクト20は、導電性金属板を打抜き及び曲げ加工することによって形成され、ハウジング10にインサートモールドすることによってハウジング10に取り付けられる。複数のコンタクト20は、ハウジング10の幅方向に沿って一列状に配置されている。各コンタクト20は、カード受容空間11内に挿入されたカードCの導電パッド(図示せず)に接触する接触部を備える。各コンタクト20は、回路基板上に半田等により接続される。
【0017】
次に、イジェクト機構30は、いわゆる、プッシュ・プッシュ型と呼ばれるものであり、カード受容空間11内に挿入されたカードCを排出する。イジェクト機構30は、図4に示すように、スライダ40と、回転カム部材50と、ばね部材60と、ばね抜け止め部材70とを備えている。
ここで、スライダ40は、後向き及び前向きに移動可能にハウジング10内に収容される。スライダ40は、カードCに連動するスライダ本体41と、スライダ本体41から連結部44を介して延びる、鋸歯状の歯43を有する歯部42とを備えている。スライダ40は、合成樹脂を成形することによって形成される。
【0018】
スライダ40のスライダ本体41は、図3(B)に示すように、カード受容空間11内に収容され、歯部42は、イジェクト機構収容空間12内に収容される。スライダ本体41には、図4に示すように、カードCの側面C1(図1参照)が対向する面41aと、カードCの角縁に形成された傾斜切欠面C2が対向する対向面41bと、カードCの端面C3が当接する当接面41cとが形成されている。また、スライダ本体41には、図4に示すように、カードCの切欠C4に入り込んでロックするロック突起41dが設けられている。また、スライダ40の歯部42は、円筒状に形成された歯部本体の後端に歯部本体の円周に沿って配置された複数の鋸歯状の歯43を備えている。
【0019】
また、回転カム部材50は、図4に示すように、円筒形のカム本体51と、カム本体51の外周面後端に設けられた複数の突条52とを備えている。回転カム部材50のカム本体51は、イジェクト機構収容空間12においてスライダ40の歯部42に後側から挿入され、回転カム部材50は歯部42に対して回転可能に保持される。回転カム部材50は、スライダ40とともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動する。回転カム部材50の突条52は、歯43の側部傾斜面及び鋸歯状のロック用端面12dの側部傾斜面に当接する傾斜面52aを有する。
【0020】
更に、ばね部材60は、図4及び図7(a)に示すように、イジェクト機構収容空間12において回転カム部材50の後側に配置され、回転カム部材50をカード排出向きに付勢する圧縮ばねで構成される。ばね部材60は、回転カム部材50の後端面に突出形成された支持部(図示せず)と、ばね抜け止め部材70の前面に突出形成された支持部73とによって支持される。
【0021】
また、ばね抜け止め部材70は、図4に示すように、円盤状の圧入部71と、圧入部71の前面から前方に向けて突出する支持部73とを備えている。圧入部71の外周面には、圧入用の突起72が複数形成されている。ばね抜け止め部材70は、イジェクト機構収容空間12の圧入用孔12aに圧入部71が圧入されることにより、ハウジング10に固定される。ばね抜け止め部材70は、回転カム部材50との間でばね部材60を支持し、ばね部材60の抜け止めを行う。
【0022】
次に、カード用コネクタ1の組立(製造)方法について、図6を参照して説明する。
先ず、コンタクト20を取り付けたハウジング10を準備し、図6(A)に示すように、スライダ40を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、スライダ40の前側を先頭にして、スライダ本体41をスライダ本体用開口11a(図5参照)からカード受容空間11内に挿入するとともに、歯部42を圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12内に挿入する。
【0023】
次いで、図6(B)に示すように、回転カム部材50を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、回転カム部材50のカム本体51を、前側を先頭にして、圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12に挿入し、スライダ40の歯部42内の凹部に挿入する。これにより、回転カム部材50は歯部42に対して回転可能に保持される。
【0024】
そして、図6(C)に示すように、ばね部材60を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、ばね部材60を、圧入用孔12aからイジェクト機構収容空間12に挿入し、回転カム部材50の支持部でばね部材60の一端を支持する。
最後に、図6(D)に示すように、ばね抜け止め部材70を、矢印Yで示すカード排出向きにハウジング10に挿入する。この際に、ばね抜け止め部材70の圧入部71を、前側を先頭にして、イジェクト機構収容空間12の圧入用孔12aに圧入固定し、支持部73によりばね部材60の他端を支持する。これにより、ばね部材60がハウジング10に固定されるとともに、ばね抜け止め部材70と回転カム部材50との間でばね部材60を支持し、ばね部材60の抜け止めを行う。以上の作業により、カード用コネクタ1の組立は完了する。
【0025】
このように、本実施形態に係るカード用コネクタ及びその製造方法によれば、スライダ40、回転カム部材50、ばね部材60、及びばね抜け止め部材70は、カード排出向きにハウジング10に挿入される。このため、イジェクト機構30を構成する全ての部材40、50、60、70をカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きにハウジング10に挿入することにより、カード用コネクタ1を組み立てることができる。つまり、イジェクト機構30を構成する全ての部材を同一向きでハウジング10に挿入することで、カード用コネクタ1を組み立てることができる。このため、イジェクト機構30のハウジング10への取付作業性及びカード用コネクタ1の組立作業性に優れた、カード用コネクタ及びその製造方法を提供できる。
【0026】
また、イジェクト機構30のハウジング10への取付けに際し、イジェクト機構30を構成する各部材40、50、60、70がハウジング10から離脱するおそれも少ない。
更に、イジェクト機構30のハウジング10からの離脱を防止する、例えばカバー部材等の付加的な部材も必要はない。
【0027】
次に、イジェクト機構30の動作について、図7乃至図10を参照して説明する。
先ず、カード用コネクタ1にカードCが挿入されていない状態で、図7(C)に示すように、カードCを矢印Xで示すカード挿入向きに押圧してカード受容空間11内に挿入する。すると、スライダ40のロック突起41dがカードCの切欠C4に入り込んでロックする。これにより、スライダ40がカードCに連動することになる。ここで、図7(B)に示すように、回転カム部材50の各突条52は、ハウジング10のイジェクト機構収容空間12に形成された各スリット12c内に位置している。このため、カードC及びスライダ40とともに回転カム部材50は、図7(A)に示すように、ばね部材60の付勢力に抗してカード挿入向きに後退する。この際に、スライダ40の歯43の側部傾斜面が回転カム部材50の突条52の傾斜面52aに当接しており、回転カム部材52は、図7(B)で示す矢印方向に回転しようとしている。
そして、カードCの挿入を続行して回転カム部材50がカード挿入向きの最後端にまで後退すると、回転カム部材50の各突条52が各スリット12cから外れる。
【0028】
次いで、カードCを離すと、図8(A)に示すように、ばね部材60の付勢力によって回転カム部材50がカード排出向きに移動するとともに、回転カム部材50が、図8(B)に示すように、矢印方向に60°回転する。そして、回転カム部材50の各突条52がイジェクト機構収容空間12の鋸歯形のロック端面11dに当接して、回転カム部材60のカード排出向きの移動が停止すると共に、回転カム部材50の回転が停止する。これにより、図8(C)に示すように、スライダ40及びカードCのカード排出向きへの移動が停止され、スライダ40及びカードCがハウジング10内でロックされる。
【0029】
更に、カードCを排出する際には、図9(C)に示すように、カードCを矢印Xで示すカード挿入向きに再度押圧する。すると、カードC及びスライダ40とともに回転カム部材50は、図9(A)に示すように、ばね部材60の付勢力に抗してカード挿入向きに後退する。この際に、回転カム部材50の各突条52は、鋸歯形のロック端面12dに沿いつつ移動する。また、スライダ40の歯43の側部傾斜面が回転カム部材50の突条52の傾斜面52aに当接しており、回転カム部材52は、図9(B)で示す矢印方向に回転しようとしている。
そして、カードCの押圧を続行して回転カム部材50がカード挿入向きの最後端にまで後退すると、回転カム部材50の各突条52が各鋸歯形のロック端面12dから外れる。
【0030】
次いで、カードCを離すと、回転カム部材50が、図10(B)に示すように、矢印方向に60°回転し、各突条52が各スリット52cに位置する。そして、図10(A)、(C)に示すように、ばね部材60の付勢力によって回転カム部材50、スライダ40及びカードCが矢印Yで示すカード排出向きに移動する。これにより、図10(C)に示すように、カードCのカード用コネクタ1からの突出量が増大し、カードCをカード用コネクタ1から引き抜くことができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、イジェクト機構30を構成するスライダ40は、カード挿入向き及びカード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能にハウジング10内に配置され、カードCに連動するスライダ本体41と、スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯43を有する歯部42を備え、そして、カード排出向きにハウジング10に挿入されるものであれば、図示された形状に限られない。
【0032】
また、回転カム部材50は、スライダ40の歯部42に回転可能に保持されると共に、スライダ40ともにカード挿入向き及びカード排出向きに移動し、そして、カード排出向きにハウジング10に挿入されるものであれば、図示した形状に限られない。
さらに、ばね抜け止め部材70のハウジング10への固定は、圧入の代わりに、バヨネット係合等の他の固定手段によってなされてもよい。
また、ばね抜け止め部材は、独立した部材の代わりに、ハウジングに取り付けられるシェル等に一体的に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 ハウジング
20 コンタクト
30 イジェクト機構
40 スライダ
41 スライダ本体
42 歯部
43 歯
50 回転カム部材
60 ばね部材
70 ばね抜け止め部材
C カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備えたカード用コネクタであって、
前記イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備し、
前記スライダ、前記回転カム部材、前記ばね部材、及び前記ばね抜け止め部材は、前記カード排出向きに前記ハウジングに挿入されることを特徴とするカード用コネクタ。
【請求項2】
カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備え、該イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備したカード用コネクタの製造方法であって、
前記スライダを、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入する工程と、
前記回転カム部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記スライダの歯部に前記回転カム部材を保持する工程と、
前記ばね部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記回転カム部材の支持部に前記ばね部材の一端を支持する工程と、
前記ばね抜け止め部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記ばね部材の他端を支持する工程とを含むことを特徴とするカード用コネクタの製造方法。
【請求項1】
カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備えたカード用コネクタであって、
前記イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備し、
前記スライダ、前記回転カム部材、前記ばね部材、及び前記ばね抜け止め部材は、前記カード排出向きに前記ハウジングに挿入されることを特徴とするカード用コネクタ。
【請求項2】
カードを受容するハウジングと、該ハウジングに取り付けられたコンタクトと、前記ハウジングの幅方向片端部に配置され、前記ハウジングに受容されたカードを排出するイジェクト機構とを備え、該イジェクト機構が、カード挿入向き及び前記カード挿入向きとは逆向きのカード排出向きに移動可能に前記ハウジング内に配置されたスライダであって、前記カードに連動するスライダ本体と、該スライダ本体から延びる、鋸歯状の歯を有する歯部とを備えたスライダと、該スライダの前記歯部に回転可能に保持されると共に、前記スライダとともに前記カード挿入向き及び前記カード排出向きに移動する回転カム部材と、該回転カム部材を前記カード排出向きに付勢するばね部材と、前記ハウジングに固定され、前記回転カム部材との間で前記ばね部材を支持するばね抜け止め部材とを具備したカード用コネクタの製造方法であって、
前記スライダを、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入する工程と、
前記回転カム部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記スライダの歯部に前記回転カム部材を保持する工程と、
前記ばね部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記回転カム部材の支持部に前記ばね部材の一端を支持する工程と、
前記ばね抜け止め部材を、前記ハウジングに前記カード排出向きに挿入し、前記ハウジングに挿入された前記ばね部材の他端を支持する工程とを含むことを特徴とするカード用コネクタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−73672(P2013−73672A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209409(P2011−209409)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】
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