説明

カード用コネクタ

【課題】 コストアップを招くことなくイジェクト操作レバーの位置検出が可能なカード用コネクタを提供すること。
【解決手段】 本発明によるカード用コネクタ1は、挿入されたカードCを電子装置側に電気的に接続するカード用コネクタ1であって、挿入されたカードCを排出するイジェクト操作レバー4を含み、イジェクト操作レバー4の位置を検出する位置検出手段5を、カード用コネクタ1の本体3とは別体として含み、位置検出手段5の含む入力端子51bと出力端子52bは、本体3が実装される基板に半田接続可能な形態を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等において、例えばデータ保持、プログラム保持等の機能を有するモジュール用のカードを接続することを目的として適用されて好適なカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA、モバイルパソコンやノートパソコン、カーナビゲーションシステム等の電子機器においては、カードを挿入するカード用コネクタを備えており、挿入されたカードと電子機器を電気的に接続して、例えば、各種のアプリケーション機能の拡大等を行うことが行われている。
【0003】
このようなカード用コネクタにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、カード用コネクタが装着される電子機器側の各種信号処理回路及び電源回路と接続された複数のコンタクトを、挿入されたカードに設置されたパッドに接触させる構造を有している。さらに、このようなカード用コネクタにおいては、挿入されたカードを排出つまりイジェクトする、イジェクト操作レバー、伝達カムアーム、イジェクトバー、カード押し部材が適宜組み合わされたイジェクト機構が設けられることがある。
【0004】
このイジェクト機構においては一般的には、イジェクト操作レバーはカードの幅方向側方に位置して、カードの挿入方向に平行に延びる形態を有しており、例えば特許文献2に記載の技術を用いたプッシュロック・プッシュリターン機構が構成される。
【0005】
このようなイジェクト機構においては、カードが挿入された状態で、イジェクト操作レバーを背面側に一旦押し込むと、イジェクト操作レバーが正面側に突出し、再度イジェクト操作レバーを背面側に押し込むと、イジェクト機構によりカードが正面側に排出されてイジェクトされる機能を有している。
【0006】
これとともに、イジェクト機構は、カードが挿入されない状態においては、イジェクト操作レバーを一旦押圧しても突出しない機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−213867号公報
【特許文献2】特許第3483449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなカード用コネクタをカーナビゲーションシステム等の保安上の要請の高い車載用の電子機器に適用する場合においては、特に以下の点を考慮する必要が生じる。すなわち、カードにカーナビゲーションシステムにおける経路探索のプログラム、探索用又は表示用の地図情報等のデータを保持させて、カードをカード用コネクタに接続することにより、システムを構成する場合には、例えば、乗員が意図せずに又は悪意で前述したイジェクト操作レバーの一旦押圧と再度押圧の組み合わせを含むイジェクト操作を行ってしまい、システムの誤動作を招くおそれが生じる。
【0009】
このように、イジェクト操作レバーの一旦押圧が実行された場合には、その直後に再度押圧が実行される可能性が高いことを考慮して、一旦押圧が実行された時点でカーナビゲーションシステムを停止させシャットダウンさせて、システムの誤動作を未然に防止することが好ましい。
【0010】
このため、イジェクト操作レバーの位置を検出する接点を含むスイッチをカード用コネクタの本体が含むこととして、イジェクト操作レバーの位置を随時検出することが要請される。
【0011】
ところが、カード用コネクタの本体がスイッチを含むこととすると、本体に含まれたスイッチの入力端子と、出力端子については、カード用コネクタを電子装置側の基板に実装する段階において、スイッチの入力端子と出力端子を対応する基板側のパッドに押圧することにより接触させる必要が生じる。
【0012】
このことに伴い、入力端子と出力端子の双方及びパッド側において金メッキ等の表面処理を行う必要性が生じてコストアップを招くという問題が生じる。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑み、コストアップを招くことなくイジェクト操作レバーの位置を検出することが可能なカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の問題を解決するため、本発明に係るカード用コネクタは、
挿入されたカードを電子装置側に電気的に接続するカード用コネクタであって、前記挿入されたカードを排出するイジェクト操作レバーを含み、
前記イジェクト操作レバーの位置を検出する位置検出手段を、前記カード用コネクタの本体とは別体として含み、
前記位置検出手段の含む入力端子と出力端子は、前記本体が実装される基板に半田接続可能な形態を有することを特徴とする。
【0015】
さらに前記カード用コネクタにおいて、
前記位置検出手段は前記本体よりも先に前記基板に実装されることが好ましい。
【0016】
加えて、前記カード用コネクタにおいて、
前記位置検出手段が、前記本体を前記基板に実装するにあたっての、前記本体の前記基板に対する位置決め手段を構成することが好ましい。
【0017】
なお、前記カード用コネクタにおいて、
前記位置検出手段がSMT方式により前記基板に実装されることとしてもよい。なお、SMT方式とはサーフェスマウント方式、つまり表面実装方式を指し、前記半田接続可能な形態が、前記基板上に形成された導体に平行な平板形状である。当該平板形状は前記入力端子及び前記出力端子の前記基板側を、例えばL字型に屈曲させた形状とすることで構成される。
【0018】
前記パッドに前記位置検出手段の有する前記平板形状と半田をセットして、前記基板全体を例えば250〜260度程度の高温室内に搬入してリフロー実装することにより、前記パッドと前記入力端子及び前記出力端子が含む前記平板形状が接続されて、前記位置検出手段が前記本体より先に前記基板に実装される。この場合においては、前記位置検出手段が実装される側の前記基板の表面側と、表面側とは反対側の裏面側は均等に加熱される。
【0019】
このため、前記カード用コネクタにおいては、
前記位置検出手段を構成する部材を、前記本体を構成する部材よりも耐熱性の高いものとすることが好ましい。なお、ここで前記位置検出手段を構成する部材とは、前記入力端子と前記出力端子とを所定の位置関係を保持して樹脂モールドする樹脂を指す。
【0020】
あるいは、前記カード用コネクタにおいて、
前記位置検出手段がDIP方式により前記基板に実装されることとしてもよい。なおDIP方式とは、前記半田接続可能な形態を、前記基板に指向する方向に突出する突出形状として、前記基板に前記入力端子及び前記出力端子が挿入可能なスルーホールを設けておき、前記突出形状を前記スルーホールに挿入した状態で、前記基板の前記位置検出手段が載置される表面と反対側の裏面を、半田槽に浸すフロー実装を行うことにより、毛細管現象により、溶融された半田が前記スルーホールの裏面側から表面側に向けて侵入して、前記突出形状を前記スルーホールに対して半田付けする方式である。
【0021】
この場合においては、前記基板は前記位置検出手段が実装される表面側と反対側である裏面側が主に加熱される。
【0022】
このため、前記カード用コネクタにおいて、
前記位置検出手段を構成する部材を、前記本体を構成する部材と同一の部材とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、表面処理に伴うコストアップを招くことなくイジェクト操作レバーの位置検出が可能なカード用コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態を示す模式斜視図である。
【図2】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態を示す模式斜視図である。
【図3】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態を示す模式斜視図である。
【図4】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態の一部を示す模式図である。
【図5】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態の一部を示す模式図である。
【図6】本発明に係るカード用コネクタの一実施形態の一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本実施例1のカード用コネクタ1の一実施形態を実装される基板側から見て示す模式図である。図1(a)はカード用コネクタ1にカードCを挿入した状態を示し、図1(b)はカード用コネクタ1からカードCを排出した後の状態を示す。図2は、本実施例1のカード用コネクタ1の一実施形態をカード用コネクタ1側から見て示す模式図である。
【0027】
なお、図1、図2中に示す三次元の双方向座標軸の示す、X1−X2方向は、カード用コネクタ1の幅方向に対応し、Y1−Y2方向は、カード用コネクタ1の奥行き方向に対応し、Z1−Z2方向は、カード用コネクタ1の厚み方向に対応する。
【0028】
特にY1方向はカードCのカード用コネクタ1に対する挿入方向を示し、Y2方向はカードCのカード用コネクタ1に対する排出方向を示し、Z2方向はカード用コネクタ1からカード用コネクタ1が実装される基板に向かう方向を示し、Z1方向は基板からカード用コネクタ1に向かう方向を示す。
【0029】
図1に示すように、カード用コネクタ1は、コネクタ本体2と、ガイド本体3と、イジェクト操作レバー4と、レバー位置検知スイッチ5を含んで構成される。
【0030】
コネクタ本体2は、合成樹脂モールドにより構成されたフレーム部材に多数のピン端子と、一対の同軸ケーブル端子とが配列された構成であり、プリント基板により構成される基板上に固定的に実装されて、挿入されたカードCを、基板を含む電子機器に対して電気的に接続を行う機能を有する。
【0031】
ガイド本体3は、これも合成樹脂モールドにより構成される部材であり、コネクタ本体嵌合部32とコネクタ本体嵌合部32の左右端からY2方向に延在するガイドレール3a、3bとを有し、ガイドレール3a、3bのY2方向側を橋渡しする形態を有する金属性シールド6が、ガイドレール3a、3bのZ1方向側を指向する面を外包する形態にて取り付けられる。
【0032】
X1方向側のガイドレール3aのX1方向側部位置には、Y1−Y2方向に延びるほぼ四角柱状のイジェクト操作レバー4が設けられており、イジェクト操作レバー4は、図示しない、伝達カムアーム、イジェクトバー、カード押し部材が適宜組み合わされて、イジェクト機構を構成している。つまり、X1方向は、イジェクト操作レバー4が配置される側を示す。
【0033】
このイジェクト操作レバー4を含むイジェクト機構においては、カードCが挿入された状態で、イジェクト操作レバー4を背面側つまりY1方向に一旦押し込むと、イジェクト操作レバー4が正面側つまりY2方向に突出し、再度イジェクト操作レバー4を背面側に押し込むと、イジェクト機構によりカードCが正面側に排出されてイジェクトされる機能を有している。
【0034】
これに加えて、イジェクト機構は、カードCが挿入されない状態においては、イジェクト操作レバー4を一旦押圧してもイジェクト操作レバー4が突出されない機能を有している。
【0035】
ガイド本体3は、図1中Z2方向に位置する図示しない基板にボルトやビス等の適宜の固定手段により固定されて実装されるが、この基板に、イジェクト操作レバー4のY1−Y2方向における位置を検出するレバー位置検知スイッチ5が、ガイド本体3よりも先に固定され実装される。
【0036】
このレバー位置検知スイッチ5は、カードCをイジェクトする前段階としての、カードCが挿入された状態では、イジェクト操作レバー4のいずれかの箇所、図1及び図2においては、イジェクト操作レバー4のY1方向を指向する面とX2方向を指向する面とのなす隅部、による接触に伴って接点をオンとして、導通状態を選択して出力端子にオン信号を出力する。
【0037】
イジェクト操作レバー4の一旦押圧によりイジェクト操作レバー4が突出された状態においては、レバー位置検知スイッチ5は、イジェクト操作レバー4による接触がされないこととなり、接点をオフとして、非導通状態を選択して出力端子にオフ信号を出力する。
【0038】
以下に上述したレバー位置検知スイッチ5の具体的態様について説明する。図3は、本実施例1のカード用コネクタ1が含むレバー位置検知スイッチ5の具体的態様をともに基板Pに実装された状態において示す模式図である。なお、基板Pはガイド本体3のZ2方向側にガイド本体2に平行をなす平面状に位置しているものとする。
【0039】
図3におけるX1−X2方向、Y1−Y2方向、Z1−Z2方向については、図1及び図2に示したものと同様である。なお、図3においては、Z2方向は特に、レバー位置検知スイッチ5及びガイド本体3を基板Pに接近させて実装する方向を示す。また、図4は、本実施例1のカード用コネクタ1が含むレバー位置検知スイッチ5の具体的態様を示す模式図である。
【0040】
図3及び図4に示すように、本実施例1のカード用コネクタ1は、イジェクト操作レバー4のY1−Y2方向における位置を検出する位置検出手段としてのレバー位置検知スイッチ5を、カード用コネクタ1の本体を構成するガイド本体3とは別体として含む。レバー位置検知スイッチ5は、コンタクト51及びコンタクト52を含む。
【0041】
コンタクト51は、Y1方向に主に延びる可動接点部51aと、Z2方向に延びる入力端子51bとを含み、一枚の導電性を有する銅合金等の弾性部材によりプレス加工、曲げ加工等により一体的に構成される。
【0042】
コンタクト52は、Y2方向に主に延びる固定接点部52aと、Z2方向に延びる出力端子52bとを含み、一枚の導電性を有する銅合金等の弾性部材によりプレス加工、曲げ加工等により一体的に構成される。
【0043】
可動接点部51aは、Y1方向に指向するとともに、X1方向に突出する、Y2方向に向かう第一傾斜面を構成するとともに、第一傾斜面を構成した後の第一屈曲点よりもY1方向側においてはY1方向に指向するとともに、X2方向に窪む第二傾斜面を構成し、第二屈曲点よりもY1方向側においてはX1方向に突出する第三傾斜面を構成している。第一傾斜面及び第一屈曲点がイジェクト操作レバー4に当接する面を形成し、第二屈曲点が固定接点部52aに接触する面を構成する。
【0044】
レバー位置検知スイッチ5は、コンタクト51及びコンタクト52を、固定接点部52aに対して、可動接点部51aがX1方向にオーバーラップし、入力端子51bと出力端子52bが平行をなす位置関係をなすように、合成樹脂モールドされて、ほぼ直方体状をなす筐体を含んで構成される。なお、合成樹脂モールドに用いられる樹脂は、ガイド本体3に用いられる樹脂と同等の耐熱性を有する同一の部材を用いる。
【0045】
レバー位置検知スイッチ5の含む入力端子51bと出力端子52bは、ガイド本体3が実装される基板Pの含む図示しないスルーホールにDIP方式により半田接続可能な形態として、Y2方向に突出する突出形状を有する。
【0046】
これに加えて、レバー位置検知スイッチ5は、コンタクト51及びコンタクト52を上述した所定の位置関係を有するように一体的に樹脂モールドする樹脂により、Z2方向に突出するボス5bを一対形成する。基板Pにはボス5bに対応する図示しない一対の穴部を有している。
【0047】
レバー位置検知スイッチ5の入力端子51bと出力端子52bは、ガイド本体3よりも先に、ボス5bと対応する穴部とのガイドに基づいて基板Pの図示しないスルーホールに挿入されて、DIP方式により実装される。ガイド本体3よりも先に実装されたレバー位置検知スイッチ5は、ガイド本体3を基板Pに実装するにあたっての、ガイド本体3の基板Pに対する位置決め手段をも構成する。
【0048】
このようなレバー位置検知スイッチ5は、基板Pに実装されて、ガイド本体3も実装された図2に示したような状態において、イジェクト操作レバー4のY1方向への押圧操作に伴う進行に伴い、イジェクト操作レバー4のY1方向及びX2方向の隅部又はX2方向に指向する平面によりX2方向に押圧されてX2方向に変位されて、固定接点部52aに接触して接点をオンとし、イジェクト操作レバー4のY2方向への後退に伴い、X1方向に変位されて、接点をオフとする。
【0049】
以上述べたように、本実施例1のカード用コネクタ1によれば、以下のような有利な作用効果を得ることができる。
【0050】
すなわち、レバー位置検知スイッチ5をガイド本体3とは別体として構成し、コネクタ化したため、上述したように、レバー位置検知スイッチ5をガイド本体3よりも先に、上述したDIP方式により基板Pに実装することができる。このことにより、入力端子51b、出力端子52bに金メッキ処理を行う必要性をなくすことができる。
【0051】
従来技術のように、カード用コネクタ1のガイド本体3がレバー位置検知スイッチ5を含むこととすると、位置検知スイッチ5の入力端子51bと、出力端子52bについては、カード用コネクタ1を電子装置側の基板Pに実装する段階において、入力端子51bと出力端子52bを対応する基板P側のパッドに押圧することにより接触させる必要が生じる。これに伴って、入力端子51bと出力端子52bの双方及びパッド側において金メッキ等の表面処理を行う必要性が生じてコストアップを招くこととなるが、本実施例1のカード用コネクタ1においては、このコストアップを招くことを防止することができる。
【0052】
さらに、本実施例1においては、レバー位置検知スイッチ5をDIP方式により基板Pに実装するため、半田槽により加熱される面は基板Pのレバー位置検知スイッチ5が実装される表面と反対側の裏面が主となり、ガイド本体3と別体とするレバー位置検知スイッチ5を構成する樹脂については特段耐熱性の高い部材とする必要がない。
【0053】
このため、レバー位置検知スイッチ5を構成する樹脂を、ガイド本体3と同一の部材とすることができ、これによってもコストダウンを図ることができる。加えて、先に実装した、レバー位置検知スイッチ5にガイド本体3を基板Pに実装するにあたっての位置決め機能を具備させているので、ガイド本体3を基板Pに実装するにあたっての作業性を高めて、これによってもコストダウンを図ることができる。
【0054】
上述したように金メッキ等の表面処理に伴うコストアップを招くことのないレバー位置検知スイッチ5を具備することにより、本実施例1のカード用コネクタ1を用いた、例えばカーナビゲーションシステムにおいては、例えばカーナビゲーションECU(Electronic Control Unit)がレバー位置検知スイッチ5の出力に基づいてイジェクト操作レバー4の位置検知を正確に行うことができる。
【0055】
これにより、カーナビゲーションECUは、イジェクト操作レバー4が一旦押圧された場合には、直ちにカーナビゲーションシステムをシャットダウンして、再度押圧がなされてカードCが排出される前段階において、シャットダウンを行うこととし、カードCの不用意な排出にともないシステムの誤動作を招くことを未然に防止することができる。
【0056】
なお、可動接点部51aが突出する方向は、図3及び図4に示したように、X1方向とすること以外にも、図5に示すようにZ1方向に突出させることもできる。この場合においては、基板Pに、レバー位置検知スイッチ5の樹脂モールドにより構成される筐体を収納可能な凹部を設けて、レバー位置検知位置スイッチ5を、Y1方向に進入するイジェクト操作レバー4のY1方向及びZ2方向の隅部及びZ2方向に指向する面が可動接点部51aに接触可能とするように、レバー位置検知位置スイッチ5を基板Pに固定する。
【0057】
上述したレバー位置検知スイッチ5は、DIP方式に対応した形態を示したが、SMT方式に対応した形態とすることもできる。以下それについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0058】
図6は、本実施例2のカード用コネクタ1のレバー位置検知スイッチ5を示す模式図である。
【0059】
本実施例2のカード用コネクタ1のレバー位置検知スイッチ5は、SMT方式により基板Pに実装される。これに伴い、図6に示すように、レバー位置検知スイッチ5の含む入力端子51b、出力端子52bが含む半田接続可能な形態は、基板P上に形成されたパッドに平行な平板形状であり、この平板形状は入力端子51b及び出力端子52bの基板P側をL字型形状に屈曲させることで構成される。
【0060】
前述したようにSMT方式においては、基板P全体を例えば250〜260度程度の高温室内に搬入してリフローすることにより、パッドと入力端子51b及び出力端子52bが含む平板形状がプリセットされた半田により接続されて、レバー位置検知スイッチ5がガイド本体3より先に基板Pに実装される。
【0061】
SMT方式においては、レバー位置検知スイッチ5が実装される側の基板Pの表面側と、表面側とは反対側の裏面側は均等に加熱される。このため、本実施例2のカード用コネクタ1においては、レバー位置検知スイッチ5を構成する樹脂の部材を、ガイド本体3を構成する部材よりも耐熱性の高い、例えば280程度の耐熱性を有するものとする。
【0062】
以上述べたように、本実施例2のカード用コネクタ1によれば、以下のような有利な作用効果を得ることができる。実施例1と同様に、レバー位置検知スイッチ5をガイド本体3とは別体として、コネクタ化して構成したため、上述したように、レバー位置検知スイッチ5をガイド本体3よりも先に、上述したSMT方式により基板Pに実装することができる。このことにより、入力端子51b、出力端子52bに金メッキ処理を行う必要性をなくすことができ、これによりコストダウンを図ることができる。
【0063】
本実施例2のカード用コネクタ1を用いた、カーナビゲーションシステムにおいても、実施例1と同様に、カーナビゲーションECUは、レバー位置検知スイッチ5の出力に基づいてイジェクト操作レバー4の位置検知を正確に行うことができる。これにより、カーナビゲーションECUは、イジェクト操作レバー4が一旦押圧された場合には、直ちにカーナビゲーションシステムをシャットダウンして、再度押圧がなされてカードCが排出される前段階において、シャットダウンを行うこととして、カードCの不用意な排出にともなうシステムの誤動作を未然に防止することができる。
【0064】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【0065】
例えば、実施例1に示したDIP方式、実施例2に示したSMT方式のいずれを選択するかは、ガイド本体3が実装される基板Pの他の実装部品がいずれの方式を主として実装されるかにより、適宜選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、カード用コネクタに関するものであり、コストアップを招くことなくイジェクト操作レバーの位置検出を可能とすることができるので、家庭用、オフィス用、車両用の電子機器に適用して有益なものである。
【符号の説明】
【0067】
1 カード用コネクタ
2 コネクタ本体
3 ガイド本体(本体)
32 コネクタ本体嵌合部
3a ガイドレール
3b ガイドレール
4 イジェクト操作レバー
5 レバー位置検知スイッチ(位置検知手段)
5b ボス
51a 可動接点部
51b 入力端子
52a 固定接点部
52b 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入されたカードを電子装置側に電気的に接続するカード用コネクタであって、前記挿入されたカードを排出するイジェクト操作レバーを含み、
前記イジェクト操作レバーの位置を検出する位置検出手段を、前記カード用コネクタの本体とは別体として含み、
前記位置検出手段の含む入力端子と出力端子は、前記本体が実装される基板に半田接続可能な形態を有することを特徴とするカード用コネクタ。
【請求項2】
前記位置検出手段は前記本体よりも先に前記基板に実装されることを特徴とする請求項1に記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記位置検出手段が、前記本体を前記基板に実装するにあたっての、前記本体の前記基板に対する位置決め手段を構成することを特徴とする請求項2に記載のカード用コネクタ。
【請求項4】
前記位置検出手段がSMT方式により前記基板に実装されることを特徴とする請求項2又は3に記載のカード用コネクタ。
【請求項5】
前記半田接続可能な形態が、前記基板上に形成された導体に平行な平板形状であることを特徴とする請求項4に記載のカード用コネクタ。
【請求項6】
前記位置検出手段を構成する部材を、前記本体を構成する部材よりも耐熱性の高いものとすることを特徴とする請求項5に記載のカード用コネクタ。
【請求項7】
前記位置検出手段がDIP方式により前記基板に実装されることを特徴とする請求項2又は3に記載のカード用コネクタ。
【請求項8】
前記半田接続可能が、前記基板に指向する方向に突出する突出形状であることを特徴とする請求項7に記載のカード用コネクタ。
【請求項9】
前記位置検出手段を構成する部材を、前記本体を構成する部材と同一の部材とすることを特徴とする請求項8に記載のカード用コネクタ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−146416(P2012−146416A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2179(P2011−2179)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】