カード用コネクタ
【課題】汎用性又は拡張性に富んだカード用コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、平板状のトレイ1と平板状のハウジング2を備える。トレイ1は、カードCが挿入され、カードCを保持する部位がカードCの長さより短い略方形の第1凹部11を有している。ハウジング2は、トレイ1が進退可能な第2凹部21を有する。又、コネクタ10は、カバー板3と複数のコンタクト41・42を備える。カバー板3は、ハウジング2の第2凹部21を覆っている。複数のコンタクト41・42は、ハウジング2に配列されている。コンタクト41・42は、カードCの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続できる。トレイ1は、アダプタトレイ5をトレイ1の一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイ5は、トレイ1を引き出し容易な把持部53を有している。
【解決手段】コネクタ10は、平板状のトレイ1と平板状のハウジング2を備える。トレイ1は、カードCが挿入され、カードCを保持する部位がカードCの長さより短い略方形の第1凹部11を有している。ハウジング2は、トレイ1が進退可能な第2凹部21を有する。又、コネクタ10は、カバー板3と複数のコンタクト41・42を備える。カバー板3は、ハウジング2の第2凹部21を覆っている。複数のコンタクト41・42は、ハウジング2に配列されている。コンタクト41・42は、カードCの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続できる。トレイ1は、アダプタトレイ5をトレイ1の一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイ5は、トレイ1を引き出し容易な把持部53を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関する。特に、SIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)カードなどのメモリカードと電気的に接続するコネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
カード型の記憶装置であるメモリカードは、記憶媒体としてフラッシュメモリを採用している。メモリカードは非常に小型であり、データの読み書きにほとんど電力を消費しないため、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)に代表される携帯型情報機器用の記録メディアとして普及している。
【0003】
近年においては、携帯電話機には、情報管理用のメモリカードと記録用のメモリカードとが搭載されている。前者の情報管理用のメモリカードは、例えばSIMカードであり、後者の記録用のメモリカードは、例えばSD(Secure Digital)カードである。
【0004】
SIMカードには、携帯電話会社と契約した契約者情報が記録されている。そして、SIMカードを携帯電話機に差し込むと、利用者を識別できる。つまり、SIMカードを差し替えることにより、同じ契約者扱いで機種の異なる携帯電話機を利用できる。
【0005】
一般に、SIMカードの一方の面上には、複数の接続端子が露出している。そして、SIMカード用コネクタに備わるベローズ形のコンタクトがこれらの接続端子を付勢することにより、SIMカードとカード用コネクタとを電気的に接続している。
【0006】
前述したSIMカード用コネクタとしては、カードを着脱するために必要な、機器に設ける開口を最小にするトレイタイプのSIMカード用コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1によるSIMカード用コネクタは、カードを一体的に装着可能なトレイと、複数のコンタクトを実装し、トレイをスライド可能に案内する対向する一対のガイド溝を有する平板状のハウジングを備えている。又、トレイは、一対のガイド溝に案内される一対のガイドピンを先端部の両翼に設けている。
【0008】
又、前述したSIMカード用コネクタとしては、長手方向の寸法を小さくできると共に、高さ方向(実装高さ)の寸法も小さくでき、更に、十分な接触圧力を達成可能な開閉タイプのSIMカード用コネクタが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
特許文献2によるSIMカード用コネクタは、凹部を形成したハウジングと、このハウジングの一端部と回動可能に連結して凹部を開閉するカバーを備えている。そして、カードをカバーに収容して、このカバーを閉じた後に、凹部の底面と平行に僅かにスライドすると、カバーがハウジングにロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−87582号公報
【特許文献2】特開2000−260537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
例えば、複数のコンタクトを備えたハウジング、及びこのハウジングを覆うカバーで構成された、いわゆる、手差しタイプのSIMカード用コネクタが携帯電話機に内蔵されている。
【0012】
一般に、携帯電話機は、操作部及び表示部と反対側の背面側に設けた凹部に板状のバッテリを収容している。手差しタイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部の底面にSIMカードがスライドするように配置されている。
【0013】
手差しタイプのSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、指先でSIMカードを携帯電話機に設けた凹部側に移動することによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0014】
又、特許文献1によるトレイタイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部を構成する内壁の一部が開口され、この開口に連通する収容室にトレイ及びSIMカードの大部分が収容されている。そして、トレイがハウジングから排出されないように、トレイの端面にバッテリの端面が突き当たるように、バッテリが凹部に配置されている。
【0015】
特許文献1によるSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、トレイに指先をかけてトレイを引き出すことによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0016】
特許文献2による開閉タイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部の底面に段差が穿設され、この段差の中にカバーが閉じられた状態で収容されている。そして、このカバーを覆うように、バッテリが凹部に装着されている。
【0017】
特許文献2によるSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、カバーを開くことによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0018】
このように、従来は、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に対応して、様々なタイプのSIMカード用コネクタの中から適合するコネクタを選定する必要があった。
【0019】
上述したような、様々なタイプのカード用コネクタに変化できるように、汎用性又は拡張性に富んだカード用コネクタが実現できれば、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0020】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、様々なタイプのカード用コネクタに変化できるように、汎用性又は拡張性に富んだカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明者は、複数のコンタクトを備えたハウジング、このハウジングを覆うカバー板、及びカードを保持する部位がカードの長さより短いトレイでカード用コネクタを基本構成し、トレイにアダプタトレイを着脱自在に取り付けるように構成すると共に、このトレイとカバーが一体となって開閉可能とすることにより、上記の課題が解決できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たなカード用コネクタを発明するに至った。
【0022】
(1) カードが挿入され、このカードを保持する部位が当該カードの長さより短い略方形の第1凹部を有する平板状のトレイと、前記トレイが進退可能な第2凹部を有する平板状のハウジングと、このハウジングの第2凹部を覆うカバー板と、前記ハウジングに配列され、前記カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続する複数のコンタクトと、を備え、前記トレイは、当該トレイを引き出し容易な把持部を有するアダプタトレイを当該トレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としているカード用コネクタ。
【0023】
(1)の発明によるカード用コネクタは、平板状のトレイと平板状のハウジングを備えている。トレイは、カードが挿入され、カードを保持する部位がカードの長さより短い略方形の第1凹部を有している。ハウジングは、トレイが進退可能な第2凹部を有している。
【0024】
又、(1)の発明によるカード用コネクタは、カバー板と複数のコンタクトを備えている。カバー板は、ハウジングの第2凹部を覆っている。複数のコンタクトは、ハウジングに配列されている。そして、これらのコンタクトは、カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続できる。
【0025】
トレイは、アダプタトレイをトレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイは、トレイを引き出し容易な把持部を有している。
【0026】
トレイは、厚さ方向に曲げ変形(たわみ)が容易な弾性部材からなってもよく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、所望の形状のトレイを得てもよく、導電性を有する剛体の金属板を加工して、所望の形状のトレイを得てもよい。
【0027】
ハウジングには、トレイの両側面を囲う一対の対向する側壁を設けることが好ましく、これらの側壁で囲まれた空間をトレイが進退可能な第2凹部とすることができる。トレイの前部に当接して、トレイの進出を停止させる停止壁を第2凹部に設けてもよい。第2凹部にトレイが進退するとは、トレイにカードを載置して、このトレイをカードと共にハウジングに進出、又はハウジングから後退できることを意味している。
【0028】
カバー板は、導電性の金属板からなることが好ましく、展開された金属を成形して所望の形状の導電性のカバー板を得ることができる。カバー板は、カードを包囲して不要な電磁波か防護するシールド板として機能でき、第2凹部を覆って、カード用コネクタの外殻を構成する導電性のシェルとして機能することもできる。
【0029】
カードの一方の面とは、接続端子となる区画されたパターンが露出している面を示し、コンタクトに付勢されたカード及びトレイが板厚方向の移動をカバー板に規制されて、コンタクトに所定の接触圧を得させることができる。
【0030】
コンタクトは導電性を有しており、導電性の金属板を打ち抜き加工又は折り曲げ加工して、所望の形状の導電性のコンタクトを得ることができる。コンタクトは加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、例えば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定される訳ではない。
【0031】
コンタクトは、ベローズ形コンタクト、又はカンチレバーコンタクトと呼ばれる、片持ち状の板ばねからなっている。コンタクトは、ハウジングに固定される固定片を有し、この固定片は、ハウジングに圧入される形態を含み、この固定片は、ハウジングにモールドされる一体成形の形態を含むことができる。固定片には、プリント基板にハンダ接合されるリード部を形成することが好ましい。
【0032】
トレイはアダプタトレイを着脱自在に連結可能としているとは、アダプタトレイがカード用コネクタの付属品であり、又は、標準仕様の他に、購入者が随意に選択して取り付けられるオプショナルパーツであることを意味している。
【0033】
(1)の発明によるカード用コネクタは、トレイ、複数のコンタクトを備えたハウジング、及びカバー板で構成することにより、手差しタイプのカード用コネクタとして使用できる。この場合、ハウジングに対してトレイが移動しないように、手差しタイプのカード用コネクタを機器側に組み込むことが好ましい。
【0034】
一方、(1)の発明によるカード用コネクタは、トレイにアダプタトレイを取り付けることにより、トレイとアダプタトレイとを一体にして、移動することが可能になる。そして、アダプタトレイに設けた把持部に指先をかけて、トレイを引き出すことができる、トレイタイプのカード用コネクタを実現できる。
【0035】
(1)の発明によるカード用コネクタは、アダプタトレイの有無によって、トレイタイプのカード用コネクタと手差しタイプのカード用コネクタに変化できる。そして、機器のデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【0036】
(2) 前記ハウジングは、前記第2凹部の内部に対向するよう突出する一対の回動軸を他方の端部に有し、前記トレイは、前記カードの挿入方向に移動すると、一対の前記回動軸に嵌合して当該トレイと回動可能に連結する、切り欠かれた一対の円弧溝を他方の端部の両翼に有する(1)記載のカード用コネクタ。
【0037】
(2)の発明によるカード用コネクタは、トレイをカードの挿入方向に移動すると、円弧溝が回動軸に嵌合して、ハウジングに対してトレイを開閉できる。つまり、開閉タイプのカード用コネクタを実現できる。この場合、トレイにアダプタトレイを取り付けておくことが好ましい。
【0038】
(3) 前記ハウジングは、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝を両翼に有し、前記カバー板は、前記第2凹部の底面と対向する主面部と、この主面部の両翼が屈折して前記トレイの両側面にスライド可能な一対の側面部と、を有し、これらの側面部には、互いに内側に屈折して、前記トレイの両翼を当該トレイの底面側から保持する一対の保持片と、互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を設けている(2)記載のカード用コネクタ。
【0039】
(3)の発明によるカード用コネクタは、トレイに対してカバー板をカードの挿入方向に移動すると、係止溝と係止片との係合が解除されて、ハウジングに対してカバー板と共にトレイを開くことができる。
【0040】
一方、ハウジングに対してカバー板と共にトレイを閉じた状態から、トレイに対してカバー板をカードの挿入方向と反対方向に移動すると、係止溝と係止片が係合して、トレイをハウジングに係止(ロック)できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によるカード用コネクタは、手差しタイプ、トレイタイプ、又は開閉タイプの三タイプに変化することが可能であり、汎用性又は拡張性に富んでいる。本発明によるカード用コネクタは、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【図3】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【図4】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが連結した状態図である。
【図5】前記実施形態によるカード用コネクタに備わるハウジングの斜視図である。
【図6】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを背面側から観ている。
【図7】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを右側面側から観ている。
【図8】前記実施形態によるカード用コネクタの背面図である。
【図9】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、トレイ及びカバーが開いた状態図である。
【図10】前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、手差しタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図11】前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、図10の状態からカードを排出した状態図である。
【図12】前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、トレイタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図13】前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、図12の状態からカードを排出した状態図である。
【図14】前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、開閉タイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図15】前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、図14の状態からカバー板と共にトレイを開いた状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0044】
[カード用コネクタの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【0045】
図2は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。図3は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【0046】
又、図4は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが連結した状態図である。図5は、前記実施形態によるカード用コネクタに備わるハウジングの斜視図である。
【0047】
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、平板状のトレイ1、平板状のハウジング2、及びカバー板3を備えている。
【0048】
図1から図5を参照すると、トレイ1は、カードCが挿入され、カードCを保持する部位がカードCの長さより短い略方形の第1凹部11を有している。ハウジング2は、トレイ1が進退可能な第2凹部21を有している。カバー板3は、ハウジング2の第2凹部21を覆っている。
【0049】
図2又は図5を参照すると、コネクタ10は、ハウジング2の前列に配置された四つの片持ち状のコンタクト41、及びハウジング2の後列に配置された四つの片持ち状のコンタクト42を備えている。これらのコンタクト41・42は、カードCの一方の面c1に設けた接続端子(図示せず)とプリント基板1pとを電気的に接続できる(図1参照)。
【0050】
図2から図4を参照すると、トレイ1は、対向する一対の側壁1a・1bを形成している。これらの側壁1a・1bと底壁1cとで囲われた薄直方体状の空間をカードCが挿入される第1凹部11としている。トレイ1は、ハウジング2の内部に進出させたときに、複数のコンタクト41・42を逃げる逃げ部12を底壁1cに形成している。
【0051】
又、図2から図4を参照すると、トレイ1は、開口した後縁11aと、離間した一対の前縁11b・11bを有している。後縁11aは、カードCを挿入されるための開口を設けている。一対の前縁11b・11bは、カードCが第1凹部11の内部に進出したときに、カードCの前縁が当接して、カードCの移動を阻止できる。
【0052】
図2から図4を参照すると、トレイ1は、相反する向きに突出する一対の段差11c・11dを一対の側壁1a・1bの一方の端部に有している。トレイ1をハウジング2の第2凹部21に挿入すると、これらの段差11c・11dは、ハウジング2の後縁に当接して、トレイ1の挿入深さを規定している。
【0053】
図1から図4を参照すると、トレイ1は、アダプタトレイ5をトレイ1の一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイ5は、対向する一対のアーム5a・5bを有している。これらのアーム5a・5bは、対向する一対の回動軸51a・51bを突出している。一方、トレイ1は、これらの回動軸51a・51bに嵌合可能な一対の軸穴11e・11fを段差11c・11dに形成している。
【0054】
図2又は図3を参照して、一対のアーム5a・5bを互いに離反する方向に引っ張り、トレイ1の一方の端部に装着後に解放すると、一対の回動軸51a・51bが軸穴11e・11fに嵌合して、アダプタトレイ5をトレイ1に連結できる(図1又は図2参照)。
【0055】
図1を参照すると、カードCは、誤装着を防止するための切り欠き斜辺c3を後端縁側の一方の隅部に有している。一方、図2から図4を参照すると、アダプタトレイ5は、斜辺壁5cを第3凹部51の後縁側の隅部に有している。アダプタトレイ5がトレイ1に連結した状態では、斜辺壁5cは、切り欠き斜辺c3に係合しており、カードCの装着の向きを規定できる(図1参照)。
【0056】
図4を参照すると、アダプタトレイ5がトレイ1に連結した状態では、第1凹部11の底面と第3凹部51の底面とが平坦に形成され、カードCをこれらの連通した凹部に載置できる(図1参照)。
【0057】
なお、図2から図4を参照すると、アダプタトレイ5には、第1凹部11と第3凹部51が連通した凹部に載置されたカードCを指で持ち上げるための切り欠き部52を後縁側に形成している。又、アダプタトレイ5には、トレイ1をハウジング2から容易な引き出すための把持部53を有している。実体として、把持部53は、アダプタトレイ5の隅部に穿設された溝となっている。
【0058】
引き続き、実施形態によるコネクタ10の構成を説明する。図6は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを背面側から観ている。図7は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを右側面側から観ている。
【0059】
又、図8は、前記実施形態によるカード用コネクタの背面図である。図9は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、トレイ及びカバーが開いた状態図である。
【0060】
図2から図8を参照すると、ハウジング2には、トレイ1に設けた一対の側壁1a・1bに隣接する一対の対向する側壁2a・2bを設けている。これらの側壁2a・2bは、カバー板3に設けた一対の側面部31a・31bを案内できる(図8参照)。そして、これらの側壁2a・2bと底壁2cとで囲われた薄直方体状の空間をトレイ1が進退可能な第2凹部21とした。
【0061】
図2から図8を参照すると、ハウジング2は、一対の回動軸21a・21bを他方の端部に有している。これらの回動軸21a・21bは、第2凹部21の内部に対向するよう突出している。
【0062】
一方、図2又は図4を参照すると、トレイ1は、切り欠かれた一対の円弧溝11g・11hを他方の端部の両翼に有している。図2に示されるように、トレイ1をカードCの挿入方向に移動すると、一対の円弧溝11g・11hを一対の回動軸21a・21bに嵌合できる。そして、ハウジング2に対して、トレイ1を回動可能に連結できる。
【0063】
図2又は図8を参照すると、カバー板3は、主面部30と一対の側面部31a・31bを有している。主面部30は、ハウジング2の第2凹部21の底面と対向するように配置されている。一対の側面部31a・31bは、主面部30の両翼が略直角に屈折している。一対の側面部31a・31bは、トレイ1の両翼にスライドできる。
【0064】
図8を参照すると、一対の側面部31a・31bは、互いに内側に屈折した一対の保持片31c・31dを有している。これらの保持片31c・31dは、トレイ1の両翼をトレイ1の底面側から保持している。
【0065】
図5を参照すると、ハウジング2は、離間した一組の係止溝21e・21eを側壁2aに設けている。又、ハウジング2は、離間した一組の係止溝21f・21fを側壁2bに設けている。これらの係止溝21e・21fは、鉤状(L字状)に切り欠かれている。
【0066】
一方、図2を参照すると、カバー板3は、離間した一組の係止片31e・31eを側面部31aに設けている。又、カバー板3は、離間した一組の係止片31f・31fを側面部31bに設けている。これらの係止片31e・31fは、一対の側面部31a・31bから互いに外側に屈折している。そして、一対の係止片31e・31fは、一対の係止溝21e・21fに係止できる(図3又は図6参照)。
【0067】
図7を参照して、トレイ1に対してカバー板3をカードCの挿入方向に移動すると、一対の係止溝21e・21fと一対の係止片31e・31fとの係合が解除されて、ハウジング2に対してカバー板3と共にトレイ1を開くことができる(図9参照)。
【0068】
一方、ハウジング2に対して、カバー板3と共にトレイ1を閉じた状態から、トレイ1に対して、カバー板3をカードCの挿入方向と反対方向に移動すると、一対の係止溝21e・21fに一対の係止片31e・31fが係合して、トレイ1をハウジング2に係止(ロック)できる(図3又は図6参照)。
【0069】
[カード用コネクタの作用]
次に、実施形態によるコネクタ10による第1から第3実施例を説明しながら、コネクタ10の作用及び効果を説明する。
【0070】
(第1実施例)
図10は、前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、手差しタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図11は、前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、図10の状態からカードを排出した状態図である。
【0071】
図10及び図11を参照すると、第1実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部91の底面91aにカードCがスライドするように配置している。第1実施例によるコネクタ10を設けた携帯電話機9は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、指先でカードCの他方の面(表面)c2を当接し、凹部91側に移動することによって、カードCを取り出すことができる。
【0072】
図2から図5を参照して、第1実施例によるコネクタ10は、トレイ1、複数のコンタクト41・42を備えたハウジング2、及びカバー板3で構成することにより、手差しタイプのカード用コネクタとして使用できる。
【0073】
図10及び図11を参照すると、第1実施例によるコネクタ10は、ハウジング2に対してトレイ1が移動しないように、携帯電話機9の背面側に組み込まれている。図10に示された状態では、バッテリ(図示せず)を凹部91に装着すると、バッテリによって、カードCの飛び出しが規制される。
【0074】
(第2実施例)
図12は、前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、トレイタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図13は、前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、図12の状態からカードを排出した状態図である。
【0075】
図12及び図13を参照すると、第2実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部92を構成する内壁の一部が開口され、この開口に連通する収容室にトレイ1及びカードCの大部分が収容されている。そして、トレイ1及びアダプタトレイ5がハウジング2から排出されないように、アダプタトレイ5の端面にバッテリ(図示せず)の端面が突き当たるように、バッテリが凹部92に配置されている。
【0076】
図12及び図13を参照すると、第2実施例によるコネクタ10は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、アダプタトレイ5の把持部53に指先をかけて、トレイ1及びアダプタトレイ5を凹部92の底面92aにスライドする(引き出す)ことによって、カードCを取り出すことができる。
【0077】
図2から図5を参照して、第2実施例によるコネクタ10は、トレイ1にアダプタトレイ5を取り付けることにより、トレイ1とアダプタトレイ5とを一体にして、移動することが可能になる。そして、アダプタトレイ5に設けた把持部53に指先をかけて、トレイ1を引き出すことができる、トレイタイプのカード用コネクタを実現できる。
【0078】
(第3実施例)
図14は、前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、開閉タイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図15は、前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、図14の状態からカバー板と共にトレイを開いた状態図である。
【0079】
図14を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部93の底面93aに段差94が穿設され、段差94の中にカバー板3が閉じられた状態で収容されている。そして、このカバー板3を覆うように、図示しないバッテリが凹部93に装着される。
【0080】
図15を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、カバー板3を開くことによって、カードCを取り出すことができる。
【0081】
図1から図9を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、トレイ1をカードCの挿入方向に移動すると、一対の円弧溝11g・11hが一対の回動軸21a・21bに嵌合して、ハウジング2に対してトレイ1を開閉できる。つまり、開閉タイプのカード用コネクタを実現できる。第3実施例によるコネクタ10は、トレイ1にアダプタトレイ5を取り付けておくことが好ましい。
【0082】
このように、実施形態によるコネクタ10は、アダプタトレイ5の有無によって、トレイタイプのカード用コネクタと手差しタイプのカード用コネクタに変化できる。そして、機器のデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【0083】
実施形態によるコネクタ10は、手差しタイプ、トレイタイプ、又は開閉タイプの三タイプに変化することが可能であり、汎用性又は拡張性に富んでいる。実施形態によるコネクタ10は、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【符号の説明】
【0084】
1 トレイ
2 ハウジング
3 カバー板
5 アダプタトレイ
10 コネクタ(カード用コネクタ)
11 第1凹部
21 第2凹部
41・42 コンタクト
53 把持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関する。特に、SIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)カードなどのメモリカードと電気的に接続するコネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
カード型の記憶装置であるメモリカードは、記憶媒体としてフラッシュメモリを採用している。メモリカードは非常に小型であり、データの読み書きにほとんど電力を消費しないため、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)に代表される携帯型情報機器用の記録メディアとして普及している。
【0003】
近年においては、携帯電話機には、情報管理用のメモリカードと記録用のメモリカードとが搭載されている。前者の情報管理用のメモリカードは、例えばSIMカードであり、後者の記録用のメモリカードは、例えばSD(Secure Digital)カードである。
【0004】
SIMカードには、携帯電話会社と契約した契約者情報が記録されている。そして、SIMカードを携帯電話機に差し込むと、利用者を識別できる。つまり、SIMカードを差し替えることにより、同じ契約者扱いで機種の異なる携帯電話機を利用できる。
【0005】
一般に、SIMカードの一方の面上には、複数の接続端子が露出している。そして、SIMカード用コネクタに備わるベローズ形のコンタクトがこれらの接続端子を付勢することにより、SIMカードとカード用コネクタとを電気的に接続している。
【0006】
前述したSIMカード用コネクタとしては、カードを着脱するために必要な、機器に設ける開口を最小にするトレイタイプのSIMカード用コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
特許文献1によるSIMカード用コネクタは、カードを一体的に装着可能なトレイと、複数のコンタクトを実装し、トレイをスライド可能に案内する対向する一対のガイド溝を有する平板状のハウジングを備えている。又、トレイは、一対のガイド溝に案内される一対のガイドピンを先端部の両翼に設けている。
【0008】
又、前述したSIMカード用コネクタとしては、長手方向の寸法を小さくできると共に、高さ方向(実装高さ)の寸法も小さくでき、更に、十分な接触圧力を達成可能な開閉タイプのSIMカード用コネクタが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
特許文献2によるSIMカード用コネクタは、凹部を形成したハウジングと、このハウジングの一端部と回動可能に連結して凹部を開閉するカバーを備えている。そして、カードをカバーに収容して、このカバーを閉じた後に、凹部の底面と平行に僅かにスライドすると、カバーがハウジングにロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−87582号公報
【特許文献2】特開2000−260537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
例えば、複数のコンタクトを備えたハウジング、及びこのハウジングを覆うカバーで構成された、いわゆる、手差しタイプのSIMカード用コネクタが携帯電話機に内蔵されている。
【0012】
一般に、携帯電話機は、操作部及び表示部と反対側の背面側に設けた凹部に板状のバッテリを収容している。手差しタイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部の底面にSIMカードがスライドするように配置されている。
【0013】
手差しタイプのSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、指先でSIMカードを携帯電話機に設けた凹部側に移動することによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0014】
又、特許文献1によるトレイタイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部を構成する内壁の一部が開口され、この開口に連通する収容室にトレイ及びSIMカードの大部分が収容されている。そして、トレイがハウジングから排出されないように、トレイの端面にバッテリの端面が突き当たるように、バッテリが凹部に配置されている。
【0015】
特許文献1によるSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、トレイに指先をかけてトレイを引き出すことによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0016】
特許文献2による開閉タイプのSIMカード用コネクタは、携帯電話機に設けた凹部の底面に段差が穿設され、この段差の中にカバーが閉じられた状態で収容されている。そして、このカバーを覆うように、バッテリが凹部に装着されている。
【0017】
特許文献2によるSIMカード用コネクタを設けた携帯電話機は、背面カバー及びバッテリを携帯電話機本体から取り外し、カバーを開くことによって、SIMカードを取り出すことができる。
【0018】
このように、従来は、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に対応して、様々なタイプのSIMカード用コネクタの中から適合するコネクタを選定する必要があった。
【0019】
上述したような、様々なタイプのカード用コネクタに変化できるように、汎用性又は拡張性に富んだカード用コネクタが実現できれば、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0020】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、様々なタイプのカード用コネクタに変化できるように、汎用性又は拡張性に富んだカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明者は、複数のコンタクトを備えたハウジング、このハウジングを覆うカバー板、及びカードを保持する部位がカードの長さより短いトレイでカード用コネクタを基本構成し、トレイにアダプタトレイを着脱自在に取り付けるように構成すると共に、このトレイとカバーが一体となって開閉可能とすることにより、上記の課題が解決できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たなカード用コネクタを発明するに至った。
【0022】
(1) カードが挿入され、このカードを保持する部位が当該カードの長さより短い略方形の第1凹部を有する平板状のトレイと、前記トレイが進退可能な第2凹部を有する平板状のハウジングと、このハウジングの第2凹部を覆うカバー板と、前記ハウジングに配列され、前記カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続する複数のコンタクトと、を備え、前記トレイは、当該トレイを引き出し容易な把持部を有するアダプタトレイを当該トレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としているカード用コネクタ。
【0023】
(1)の発明によるカード用コネクタは、平板状のトレイと平板状のハウジングを備えている。トレイは、カードが挿入され、カードを保持する部位がカードの長さより短い略方形の第1凹部を有している。ハウジングは、トレイが進退可能な第2凹部を有している。
【0024】
又、(1)の発明によるカード用コネクタは、カバー板と複数のコンタクトを備えている。カバー板は、ハウジングの第2凹部を覆っている。複数のコンタクトは、ハウジングに配列されている。そして、これらのコンタクトは、カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続できる。
【0025】
トレイは、アダプタトレイをトレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイは、トレイを引き出し容易な把持部を有している。
【0026】
トレイは、厚さ方向に曲げ変形(たわみ)が容易な弾性部材からなってもよく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、所望の形状のトレイを得てもよく、導電性を有する剛体の金属板を加工して、所望の形状のトレイを得てもよい。
【0027】
ハウジングには、トレイの両側面を囲う一対の対向する側壁を設けることが好ましく、これらの側壁で囲まれた空間をトレイが進退可能な第2凹部とすることができる。トレイの前部に当接して、トレイの進出を停止させる停止壁を第2凹部に設けてもよい。第2凹部にトレイが進退するとは、トレイにカードを載置して、このトレイをカードと共にハウジングに進出、又はハウジングから後退できることを意味している。
【0028】
カバー板は、導電性の金属板からなることが好ましく、展開された金属を成形して所望の形状の導電性のカバー板を得ることができる。カバー板は、カードを包囲して不要な電磁波か防護するシールド板として機能でき、第2凹部を覆って、カード用コネクタの外殻を構成する導電性のシェルとして機能することもできる。
【0029】
カードの一方の面とは、接続端子となる区画されたパターンが露出している面を示し、コンタクトに付勢されたカード及びトレイが板厚方向の移動をカバー板に規制されて、コンタクトに所定の接触圧を得させることができる。
【0030】
コンタクトは導電性を有しており、導電性の金属板を打ち抜き加工又は折り曲げ加工して、所望の形状の導電性のコンタクトを得ることができる。コンタクトは加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、例えば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定される訳ではない。
【0031】
コンタクトは、ベローズ形コンタクト、又はカンチレバーコンタクトと呼ばれる、片持ち状の板ばねからなっている。コンタクトは、ハウジングに固定される固定片を有し、この固定片は、ハウジングに圧入される形態を含み、この固定片は、ハウジングにモールドされる一体成形の形態を含むことができる。固定片には、プリント基板にハンダ接合されるリード部を形成することが好ましい。
【0032】
トレイはアダプタトレイを着脱自在に連結可能としているとは、アダプタトレイがカード用コネクタの付属品であり、又は、標準仕様の他に、購入者が随意に選択して取り付けられるオプショナルパーツであることを意味している。
【0033】
(1)の発明によるカード用コネクタは、トレイ、複数のコンタクトを備えたハウジング、及びカバー板で構成することにより、手差しタイプのカード用コネクタとして使用できる。この場合、ハウジングに対してトレイが移動しないように、手差しタイプのカード用コネクタを機器側に組み込むことが好ましい。
【0034】
一方、(1)の発明によるカード用コネクタは、トレイにアダプタトレイを取り付けることにより、トレイとアダプタトレイとを一体にして、移動することが可能になる。そして、アダプタトレイに設けた把持部に指先をかけて、トレイを引き出すことができる、トレイタイプのカード用コネクタを実現できる。
【0035】
(1)の発明によるカード用コネクタは、アダプタトレイの有無によって、トレイタイプのカード用コネクタと手差しタイプのカード用コネクタに変化できる。そして、機器のデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【0036】
(2) 前記ハウジングは、前記第2凹部の内部に対向するよう突出する一対の回動軸を他方の端部に有し、前記トレイは、前記カードの挿入方向に移動すると、一対の前記回動軸に嵌合して当該トレイと回動可能に連結する、切り欠かれた一対の円弧溝を他方の端部の両翼に有する(1)記載のカード用コネクタ。
【0037】
(2)の発明によるカード用コネクタは、トレイをカードの挿入方向に移動すると、円弧溝が回動軸に嵌合して、ハウジングに対してトレイを開閉できる。つまり、開閉タイプのカード用コネクタを実現できる。この場合、トレイにアダプタトレイを取り付けておくことが好ましい。
【0038】
(3) 前記ハウジングは、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝を両翼に有し、前記カバー板は、前記第2凹部の底面と対向する主面部と、この主面部の両翼が屈折して前記トレイの両側面にスライド可能な一対の側面部と、を有し、これらの側面部には、互いに内側に屈折して、前記トレイの両翼を当該トレイの底面側から保持する一対の保持片と、互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を設けている(2)記載のカード用コネクタ。
【0039】
(3)の発明によるカード用コネクタは、トレイに対してカバー板をカードの挿入方向に移動すると、係止溝と係止片との係合が解除されて、ハウジングに対してカバー板と共にトレイを開くことができる。
【0040】
一方、ハウジングに対してカバー板と共にトレイを閉じた状態から、トレイに対してカバー板をカードの挿入方向と反対方向に移動すると、係止溝と係止片が係合して、トレイをハウジングに係止(ロック)できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によるカード用コネクタは、手差しタイプ、トレイタイプ、又は開閉タイプの三タイプに変化することが可能であり、汎用性又は拡張性に富んでいる。本発明によるカード用コネクタは、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【図3】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【図4】前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが連結した状態図である。
【図5】前記実施形態によるカード用コネクタに備わるハウジングの斜視図である。
【図6】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを背面側から観ている。
【図7】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを右側面側から観ている。
【図8】前記実施形態によるカード用コネクタの背面図である。
【図9】前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、トレイ及びカバーが開いた状態図である。
【図10】前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、手差しタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図11】前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、図10の状態からカードを排出した状態図である。
【図12】前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、トレイタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図13】前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、図12の状態からカードを排出した状態図である。
【図14】前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、開閉タイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。
【図15】前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、図14の状態からカバー板と共にトレイを開いた状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0044】
[カード用コネクタの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【0045】
図2は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。図3は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが分離した状態図である。
【0046】
又、図4は、前記実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視分解組立図であり、トレイとアダプタトレイが連結した状態図である。図5は、前記実施形態によるカード用コネクタに備わるハウジングの斜視図である。
【0047】
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、平板状のトレイ1、平板状のハウジング2、及びカバー板3を備えている。
【0048】
図1から図5を参照すると、トレイ1は、カードCが挿入され、カードCを保持する部位がカードCの長さより短い略方形の第1凹部11を有している。ハウジング2は、トレイ1が進退可能な第2凹部21を有している。カバー板3は、ハウジング2の第2凹部21を覆っている。
【0049】
図2又は図5を参照すると、コネクタ10は、ハウジング2の前列に配置された四つの片持ち状のコンタクト41、及びハウジング2の後列に配置された四つの片持ち状のコンタクト42を備えている。これらのコンタクト41・42は、カードCの一方の面c1に設けた接続端子(図示せず)とプリント基板1pとを電気的に接続できる(図1参照)。
【0050】
図2から図4を参照すると、トレイ1は、対向する一対の側壁1a・1bを形成している。これらの側壁1a・1bと底壁1cとで囲われた薄直方体状の空間をカードCが挿入される第1凹部11としている。トレイ1は、ハウジング2の内部に進出させたときに、複数のコンタクト41・42を逃げる逃げ部12を底壁1cに形成している。
【0051】
又、図2から図4を参照すると、トレイ1は、開口した後縁11aと、離間した一対の前縁11b・11bを有している。後縁11aは、カードCを挿入されるための開口を設けている。一対の前縁11b・11bは、カードCが第1凹部11の内部に進出したときに、カードCの前縁が当接して、カードCの移動を阻止できる。
【0052】
図2から図4を参照すると、トレイ1は、相反する向きに突出する一対の段差11c・11dを一対の側壁1a・1bの一方の端部に有している。トレイ1をハウジング2の第2凹部21に挿入すると、これらの段差11c・11dは、ハウジング2の後縁に当接して、トレイ1の挿入深さを規定している。
【0053】
図1から図4を参照すると、トレイ1は、アダプタトレイ5をトレイ1の一方の端部に着脱自在に連結可能としている。アダプタトレイ5は、対向する一対のアーム5a・5bを有している。これらのアーム5a・5bは、対向する一対の回動軸51a・51bを突出している。一方、トレイ1は、これらの回動軸51a・51bに嵌合可能な一対の軸穴11e・11fを段差11c・11dに形成している。
【0054】
図2又は図3を参照して、一対のアーム5a・5bを互いに離反する方向に引っ張り、トレイ1の一方の端部に装着後に解放すると、一対の回動軸51a・51bが軸穴11e・11fに嵌合して、アダプタトレイ5をトレイ1に連結できる(図1又は図2参照)。
【0055】
図1を参照すると、カードCは、誤装着を防止するための切り欠き斜辺c3を後端縁側の一方の隅部に有している。一方、図2から図4を参照すると、アダプタトレイ5は、斜辺壁5cを第3凹部51の後縁側の隅部に有している。アダプタトレイ5がトレイ1に連結した状態では、斜辺壁5cは、切り欠き斜辺c3に係合しており、カードCの装着の向きを規定できる(図1参照)。
【0056】
図4を参照すると、アダプタトレイ5がトレイ1に連結した状態では、第1凹部11の底面と第3凹部51の底面とが平坦に形成され、カードCをこれらの連通した凹部に載置できる(図1参照)。
【0057】
なお、図2から図4を参照すると、アダプタトレイ5には、第1凹部11と第3凹部51が連通した凹部に載置されたカードCを指で持ち上げるための切り欠き部52を後縁側に形成している。又、アダプタトレイ5には、トレイ1をハウジング2から容易な引き出すための把持部53を有している。実体として、把持部53は、アダプタトレイ5の隅部に穿設された溝となっている。
【0058】
引き続き、実施形態によるコネクタ10の構成を説明する。図6は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを背面側から観ている。図7は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、カード用コネクタを右側面側から観ている。
【0059】
又、図8は、前記実施形態によるカード用コネクタの背面図である。図9は、前記実施形態によるカード用コネクタの斜視図であり、トレイ及びカバーが開いた状態図である。
【0060】
図2から図8を参照すると、ハウジング2には、トレイ1に設けた一対の側壁1a・1bに隣接する一対の対向する側壁2a・2bを設けている。これらの側壁2a・2bは、カバー板3に設けた一対の側面部31a・31bを案内できる(図8参照)。そして、これらの側壁2a・2bと底壁2cとで囲われた薄直方体状の空間をトレイ1が進退可能な第2凹部21とした。
【0061】
図2から図8を参照すると、ハウジング2は、一対の回動軸21a・21bを他方の端部に有している。これらの回動軸21a・21bは、第2凹部21の内部に対向するよう突出している。
【0062】
一方、図2又は図4を参照すると、トレイ1は、切り欠かれた一対の円弧溝11g・11hを他方の端部の両翼に有している。図2に示されるように、トレイ1をカードCの挿入方向に移動すると、一対の円弧溝11g・11hを一対の回動軸21a・21bに嵌合できる。そして、ハウジング2に対して、トレイ1を回動可能に連結できる。
【0063】
図2又は図8を参照すると、カバー板3は、主面部30と一対の側面部31a・31bを有している。主面部30は、ハウジング2の第2凹部21の底面と対向するように配置されている。一対の側面部31a・31bは、主面部30の両翼が略直角に屈折している。一対の側面部31a・31bは、トレイ1の両翼にスライドできる。
【0064】
図8を参照すると、一対の側面部31a・31bは、互いに内側に屈折した一対の保持片31c・31dを有している。これらの保持片31c・31dは、トレイ1の両翼をトレイ1の底面側から保持している。
【0065】
図5を参照すると、ハウジング2は、離間した一組の係止溝21e・21eを側壁2aに設けている。又、ハウジング2は、離間した一組の係止溝21f・21fを側壁2bに設けている。これらの係止溝21e・21fは、鉤状(L字状)に切り欠かれている。
【0066】
一方、図2を参照すると、カバー板3は、離間した一組の係止片31e・31eを側面部31aに設けている。又、カバー板3は、離間した一組の係止片31f・31fを側面部31bに設けている。これらの係止片31e・31fは、一対の側面部31a・31bから互いに外側に屈折している。そして、一対の係止片31e・31fは、一対の係止溝21e・21fに係止できる(図3又は図6参照)。
【0067】
図7を参照して、トレイ1に対してカバー板3をカードCの挿入方向に移動すると、一対の係止溝21e・21fと一対の係止片31e・31fとの係合が解除されて、ハウジング2に対してカバー板3と共にトレイ1を開くことができる(図9参照)。
【0068】
一方、ハウジング2に対して、カバー板3と共にトレイ1を閉じた状態から、トレイ1に対して、カバー板3をカードCの挿入方向と反対方向に移動すると、一対の係止溝21e・21fに一対の係止片31e・31fが係合して、トレイ1をハウジング2に係止(ロック)できる(図3又は図6参照)。
【0069】
[カード用コネクタの作用]
次に、実施形態によるコネクタ10による第1から第3実施例を説明しながら、コネクタ10の作用及び効果を説明する。
【0070】
(第1実施例)
図10は、前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、手差しタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図11は、前記実施形態によるカード用コネクタの第1実施例を示す斜視図であり、図10の状態からカードを排出した状態図である。
【0071】
図10及び図11を参照すると、第1実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部91の底面91aにカードCがスライドするように配置している。第1実施例によるコネクタ10を設けた携帯電話機9は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、指先でカードCの他方の面(表面)c2を当接し、凹部91側に移動することによって、カードCを取り出すことができる。
【0072】
図2から図5を参照して、第1実施例によるコネクタ10は、トレイ1、複数のコンタクト41・42を備えたハウジング2、及びカバー板3で構成することにより、手差しタイプのカード用コネクタとして使用できる。
【0073】
図10及び図11を参照すると、第1実施例によるコネクタ10は、ハウジング2に対してトレイ1が移動しないように、携帯電話機9の背面側に組み込まれている。図10に示された状態では、バッテリ(図示せず)を凹部91に装着すると、バッテリによって、カードCの飛び出しが規制される。
【0074】
(第2実施例)
図12は、前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、トレイタイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図13は、前記実施形態によるカード用コネクタの第2実施例を示す斜視図であり、図12の状態からカードを排出した状態図である。
【0075】
図12及び図13を参照すると、第2実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部92を構成する内壁の一部が開口され、この開口に連通する収容室にトレイ1及びカードCの大部分が収容されている。そして、トレイ1及びアダプタトレイ5がハウジング2から排出されないように、アダプタトレイ5の端面にバッテリ(図示せず)の端面が突き当たるように、バッテリが凹部92に配置されている。
【0076】
図12及び図13を参照すると、第2実施例によるコネクタ10は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、アダプタトレイ5の把持部53に指先をかけて、トレイ1及びアダプタトレイ5を凹部92の底面92aにスライドする(引き出す)ことによって、カードCを取り出すことができる。
【0077】
図2から図5を参照して、第2実施例によるコネクタ10は、トレイ1にアダプタトレイ5を取り付けることにより、トレイ1とアダプタトレイ5とを一体にして、移動することが可能になる。そして、アダプタトレイ5に設けた把持部53に指先をかけて、トレイ1を引き出すことができる、トレイタイプのカード用コネクタを実現できる。
【0078】
(第3実施例)
図14は、前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、開閉タイプのカード用コネクタを携帯電話機の背面側に組み込んだ状態図である。図15は、前記実施形態によるカード用コネクタの第3実施例を示す斜視図であり、図14の状態からカバー板と共にトレイを開いた状態図である。
【0079】
図14を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、携帯電話機9に設けた凹部93の底面93aに段差94が穿設され、段差94の中にカバー板3が閉じられた状態で収容されている。そして、このカバー板3を覆うように、図示しないバッテリが凹部93に装着される。
【0080】
図15を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、図示しない背面カバー及びバッテリを携帯電話機9から取り外し、カバー板3を開くことによって、カードCを取り出すことができる。
【0081】
図1から図9を参照すると、第3実施例によるコネクタ10は、トレイ1をカードCの挿入方向に移動すると、一対の円弧溝11g・11hが一対の回動軸21a・21bに嵌合して、ハウジング2に対してトレイ1を開閉できる。つまり、開閉タイプのカード用コネクタを実現できる。第3実施例によるコネクタ10は、トレイ1にアダプタトレイ5を取り付けておくことが好ましい。
【0082】
このように、実施形態によるコネクタ10は、アダプタトレイ5の有無によって、トレイタイプのカード用コネクタと手差しタイプのカード用コネクタに変化できる。そして、機器のデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【0083】
実施形態によるコネクタ10は、手差しタイプ、トレイタイプ、又は開閉タイプの三タイプに変化することが可能であり、汎用性又は拡張性に富んでいる。実施形態によるコネクタ10は、例えば、携帯電話機又はバッテリのデザイン(又は仕様)に係らず、カード用コネクタを共用することも可能になり、製造原価の低減に貢献できる。
【符号の説明】
【0084】
1 トレイ
2 ハウジング
3 カバー板
5 アダプタトレイ
10 コネクタ(カード用コネクタ)
11 第1凹部
21 第2凹部
41・42 コンタクト
53 把持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが挿入され、このカードを保持する部位が当該カードの長さより短い略方形の第1凹部を有する平板状のトレイと、
前記トレイが進退可能な第2凹部を有する平板状のハウジングと、
このハウジングの第2凹部を覆うカバー板と、
前記ハウジングに配列され、前記カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続する複数のコンタクトと、を備え、
前記トレイは、当該トレイを引き出し容易な把持部を有するアダプタトレイを当該トレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としているカード用コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第2凹部の内部に対向するよう突出する一対の回動軸を他方の端部に有し、
前記トレイは、前記カードの挿入方向に移動すると、一対の前記回動軸に嵌合して当該トレイと回動可能に連結する、切り欠かれた一対の円弧溝を他方の端部の両翼に有する請求項1記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝を両翼に有し、
前記カバー板は、
前記第2凹部の底面と対向する主面部と、
この主面部の両翼が屈折して前記トレイの両側面にスライド可能な一対の側面部と、を有し、
これらの側面部には、
互いに内側に屈折して、前記トレイの両翼を当該トレイの底面側から保持する一対の保持片と、
互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を設けている請求項2記載のカード用コネクタ。
【請求項1】
カードが挿入され、このカードを保持する部位が当該カードの長さより短い略方形の第1凹部を有する平板状のトレイと、
前記トレイが進退可能な第2凹部を有する平板状のハウジングと、
このハウジングの第2凹部を覆うカバー板と、
前記ハウジングに配列され、前記カードの一方の面に配列された接続端子と電気的に接続する複数のコンタクトと、を備え、
前記トレイは、当該トレイを引き出し容易な把持部を有するアダプタトレイを当該トレイの一方の端部に着脱自在に連結可能としているカード用コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第2凹部の内部に対向するよう突出する一対の回動軸を他方の端部に有し、
前記トレイは、前記カードの挿入方向に移動すると、一対の前記回動軸に嵌合して当該トレイと回動可能に連結する、切り欠かれた一対の円弧溝を他方の端部の両翼に有する請求項1記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは、鉤状に切り欠かれた一対の係止溝を両翼に有し、
前記カバー板は、
前記第2凹部の底面と対向する主面部と、
この主面部の両翼が屈折して前記トレイの両側面にスライド可能な一対の側面部と、を有し、
これらの側面部には、
互いに内側に屈折して、前記トレイの両翼を当該トレイの底面側から保持する一対の保持片と、
互いに外側に屈折して、一対の前記係止溝に係止可能な一対の係止片と、を設けている請求項2記載のカード用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−3920(P2012−3920A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137123(P2010−137123)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
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