説明

カード用シフト集積装置

【課題】多数種類のカードを規定枚数組み合わせたカードのセットを、セット毎に縦横の向きを順番に変更して、互い違いに積み重ねることができるカード用シフト集積装置を提供する。
【解決手段】シフト装置3と、スタック装置4と、制御装置10とによって構成され、シフト装置3は、回転部5、及び、移送部6を有し、スタック装置4は、ステージ7、リフト8、及び、スタックガイド9を有している。回転部5は、順次供給されるカードセット11を保持することができる複数組の羽根部52が、回転軸51周りに等角度間隔で放射状に配置され、制御装置10による制御下において、一回の動作毎に所定方向へ90°回転するように構成されている。移送部6は、カードセット11を挟持した状態で回動可能なように構成された一対の挟持部62と、挟持部62に回転駆動力を供給するモーターとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数種類のカードを規定枚数組み合わせたカードのセットを、セット毎に縦横の向きを順番に変更して、互い違いに積み重ねることができるカード用シフト集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スポーツ選手、アイドル歌手、タレント、アニメーションのキャラクター等を印刷した、観賞用又は卓上ゲーム用のカード(トレーディングカード)が市場に供給され、取引されている。トレーディングカードの販売形態としては、カードの種類や目的に応じて種々の形があるが、内容が異なる複数枚(例えば5〜20枚程度)の同種のカードを1セットとして、外側から視認できないように包装材(アルミパック等)に封入された状態で販売されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−106241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数枚の同種カードを1セットとして包装材に封入したトレーディングカードのパック商品を製造する場合、印刷済みの多数種類のカードをランダムに組み合わせて、規定枚数のセットを作る作業、及び、1セット毎に包装材に封入する作業が必要となる。これらの作業のうち、カードを組み合わせてセットを作る作業は、丁合機を用いることによって簡単に行うことができるが、封入作業は、通常は手作業で行われており、非常に手間がかかり、効率が悪い。
【0005】
特に、丁合機を用いたセット作業と、封入作業とが、異なる業者によって行われるような場合や、封入作業が、丁合機が設置されている場所から離れた場所で実行される場合には、丁合機から連続的に排出される多数のカードセットを、ある程度の量(例えば10〜30セット)で一纏めにして重ね、「フネ」と呼ばれる箱材に収容し、この状態で、封入作業を行う業者のもとへ、或いは、封入作業を行う場所へ搬送することになり、この場合、封入作業を行う者は、箱材からカードの束を取り出し、枚数を数えて、再び1セット毎に分け、それぞれを包装材に封入するという作業を行う必要があり、二度手間となってしまう。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決しようとするものであって、多数種類のカードを規定枚数組み合わせたカードのセットを、セット毎に縦横の向きを順番に変更して、互い違いに積み重ねることができ、その結果、数え直すことなく、カードを1セットずつ簡単に取り出せるような状態で、箱材に収容させることができるカード用シフト集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカード用シフト集積装置は、シフト装置と、スタック装置と、制御装置とによって構成され、シフト装置は、回転部、及び、移送部を有し、スタック装置は、ステージ、リフト、及び、スタックガイドを有し、シフト装置の回転部は、順次供給されるカードセットを保持することができる複数組の羽根部が、回転軸周りに等角度間隔で放射状に配置され、制御装置による制御下において、一回の動作毎に所定方向へ所定角度回転するように構成され、シフト装置の移送部は、カードセットを挟持した状態で回動可能なように構成された一対の挟持部と、挟持部に回転駆動力を供給するモーターとを有し、制御装置による制御下において、横方向へ往復移動可能なように構成され、スタック装置のステージは、上面が傾斜した状態となっており、スタック装置のリフトは、制御装置による制御下において、ステージの傾斜した上面に沿って斜め方向へ往復移動可能なように構成され、スタック装置のスタックガイドは、リフトの斜め上方に配置され、リフトによって押し上げられるカードセットを受け入れて、その両側縁及び上縁をそれぞれ押さえてガイドするように構成されるとともに、最下端側にカードセットの逆戻り防止手段を有し、シフト装置の回転部に供給されたカードセットが、当該回転部の回転によって平積み状態から縦置き並列状態にシフトされた後、シフト装置の移送部によって挟持され、横移動する移送部によってスタック装置へ搬送され、スタック装置のリフトによってスタックガイドの下端部まで押し上げられて集積されるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
尚、このカード用シフト集積装置においては、シフト装置の移送部によるカードセットの搬送の際、挟持部を回転させてカードセットの縦横の向きをいずれかに変更してスタック装置へ供給するシフト供給と、挟持部を回転させずに供給するストレート供給とが、カードセット毎に交互に実行されるように構成することが好ましい。
【0009】
また、スタックガイドの最下端側に形成されるカードセットの逆戻り防止手段として、各スタックガイドの下端部において内向きに突出し、リフト側へ向かって先端側が拡がるようなテーパ面を有する膨出係止部が形成されていることが好ましい。尚、この場合、カードセットの両側縁をそれぞれガイドするスタックガイドにおいて、その下端部が外側へ僅かに拡開可能なように構成され、カードセットの上縁をガイドするスタックガイドにおいて、その下端部が上方へ僅かに拡開可能なように構成され、これらのスタックガイドの下端部がいずれも、付勢手段により、拡開状態から元の位置へ復帰するように付勢されていることが好ましい。
【0010】
また、リフト側の面がテーパ面となっていて、リフトによってカードセットが押し上げられてきた際に、テーパ面がステージの傾斜面と一致する位置まで下がり、カードセットが通過した後、付勢力によってステージの傾斜面から上方へ突出し、スタックガイドの膨出係止部と協働してカードセットの逆戻りを防止するように構成されたストッパーが、スタック装置のステージの傾斜面に配置されていることが更に好ましい。
【0011】
尚、本発明に係るカード用シフト集積装置は、丁合機の後段側に配置されて使用されるものであるが、丁合機を含めて、丁合からシフト集積までの一連の作業を行う装置として構成することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカード用シフト集積装置は、丁合機から規定枚数のセット毎に排出されるカードをまとめて箱材に収容する場合に、カードがセット毎に、交互に向きが変更された状態で積み重ねることができるため、カードセット毎の封入作業を行う場合に、カードの束から1セット分を取り分けるべく、カードの枚数を再び数え直すという作業を行う必要がなく、封入作業を極めて効率よく、円滑に行うことができる。尚、このカード用シフト集積装置は、トレーディングカードだけでなく、その他のカード(例えばトランプなど)も適用対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係るカード用シフト集積装置1の構成図である。
【図2】図2は、図1に示したシフト装置3の斜視図である。
【図3】図3は、図2に示した移送部6の動作態様の説明図である。
【図4】図4は、図1に示したスタック装置4の斜視図である。
【図5】図5は、図2に示した移送部6、及び、図4に示したスタック装置4の動作態様の説明図である。
【図6】図6は、図2に示した回転部5の動作態様の説明図である。
【図7】図7は、本発明に係るカード用シフト集積装置1によって集積された状態のカードセット11の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に沿って、本発明「カード用シフト集積装置」の実施形態について説明する。本発明に係るカード用シフト集積装置1は、図1に示すように、シフト装置3、スタック装置4、及び、制御装置10によって構成され、丁合機2の後段側に配置される。
【0015】
シフト装置3は、丁合機2(図1参照)から「平積み状態」(各カードの表面が水平面を基準として45°未満の角度にあり、各カードが上下方向に積層された状態)(寝ている状態)で排出される複数枚一組のカードのセット(カードセット)を、集積の便宜上、「縦置き並列状態」(各カードの表面が水平面を基準として45〜90°の角度にあり、各カードが側方へ並列した状態)(起きた状態)に変更(シフト)したうえでスタック装置4へ移送するためのものであり、図2に示すように、回転部5及び移送部6を有している。尚、このシフト装置3は、カードセットをスタック装置4へ移送する際、カードセットの長手方向の向きを縦横いずれかに変更(シフト)してスタック装置4へ供給する動作と、変更せずに供給する動作を交互に実行するようになっている。
【0016】
より詳細には、回転部5は、図2に示すように、四組の羽根部52(52a〜52d)を、回転軸51の周りに90°間隔で放射状に(十字状に)配置してなるものであり、各羽根部52はそれぞれ、所定の間隔(取り扱われるカードセットの厚さ寸法よりも大きい間隔)をおいて配置された平行な二枚の羽根によって構成され、各羽根には、基端部側の位置(回転軸51に近い位置)において、一方側の側縁から、反対側の側縁付近の位置まで所定幅で延在する切欠溝53が形成されている。この回転部5は、制御装置10(図1参照)による制御下において、一回の動作毎に所定方向へ90°回転するように構成されている。
【0017】
移送部6は、所定の間隔をおいて対向配置された一対のアーム61(第一アーム61a,第二アーム61b)と、各アーム61の先端にそれぞれ配置された一対の挟持部62(第一挟持部62a,第二挟持部62b)と、モーター(図示せず)とを有し、第二アーム61bは、制御装置10(図1参照)による制御下において、対向する第一アーム61aの方向へ(図2において実線で示す位置から一点鎖線で示す位置まで)移動することにより、その先端に配置されている第二挟持部62bと、第一アーム61aの先端に配置されている第一挟持部62aとの間隔を狭めて、移送対象物(即ち、カードセット)を挟持し、また、反対方向へ(図2において一点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで)移動することにより、第二挟持部62bと第一挟持部62aとの間隔を拡げて、挟持していたカードセットを開放できるように構成されている。
【0018】
また、移送部6は、挟持部62の間隔が拡がった開放状態を維持したまま、或いは、間隔が狭められた挟持状態を維持したまま、制御装置10(図1参照)による制御下において、横方向へ(図2において実線で示す位置から破線で示す位置までの範囲内で)往復移動可能なように構成されている。尚、移送部6が移動する際、回転部5の羽根部52と重なる範囲においては、挟持部62は、羽根部52の切欠溝53内に進入するようにアレンジされており、この状態においても、挟持部62の開閉動作を行うことができるようになっている。
【0019】
また、移送部6の第一挟持部62a、及び、第二挟持部62bは、いずれも回転可能なように構成されるとともに、いずれか一方が(或いは、双方ともに)、図示しないモーターの駆動力を受けて所定方向へ回転するように構成されており、図3に示すように、挟持部62によって挟持されているカードセット11を回転させて、長手方向が横向きとなる姿勢から縦向きとなる姿勢へ(或いは、縦向きから横向きへ姿勢を)変更できる(図3において破線で示す姿勢から一点鎖線で示す姿勢へ(或いは、その反対に)シフトさせることができる)ようになっている。
【0020】
そして、上述の通り、カードセット11を移送する際、挟持部62を回転させて縦横の向きをいずれかに変更してスタック装置4へ供給(シフト供給)したら、次に移送するカードセット11については、挟持部62を回転させずに、つまり、縦横の向きを変更せずに供給(ストレート供給)し、更にその次に移送するカードセット11についてはシフト供給を行う、というように、シフト供給動作とストレート供給動作を交互に実行するようになっている。
【0021】
スタック装置4は、シフト装置3の移送部6(図2参照)によって順次移送されてくるカードセット11を、下側から順番に積み上げていくためのものであり、図4に示すように、ステージ7、リフト8、及び、スタックガイド9(9a〜9c)を有している。
【0022】
ステージ7は、図示されているように、上面が傾斜した状態となっている。リフト8は、ベース8aと、ベース8aから側方へ向かって突出するように保持されたリフトバー8bとを有しており、制御装置10(図1参照)による制御下において、ステージ7の傾斜面(上面)に沿って斜め方向へ(図4において実線で示す位置から破線で示す位置までの範囲内で)往復移動可能なように構成されている。リフト8は、シフト装置3の移送部6(図2参照)によって、リフトバー8bの斜め上方側に供給されるカードセット11を、リフトバー8bの斜め上方に配置されているスタックガイド9a〜9cの下端部まで押し上げるように動作する。
【0023】
尚、本実施形態においては、リフトバー8bが、上下方向へ所定の間隔をおいて二本配置されており、図5に示すように、カードセット11を移送する移送部6の挟持部62が、二本のリフトバー8bの間の領域に進入できるようになっている。但し、必ずしもリフトバー8bが二本配置されなければならない訳ではなく、例えば、一本のリフトバー8bに、挟持部62の進入を許容する切欠溝を形成するようにしてもよい。
【0024】
スタックガイド9a〜9cは、図4に示すように、積み重ねられたカードセットの両側縁及び上縁を押さえてガイドする位置にそれぞれ配置されている。また、スタックガイド9a〜9cの最下端側には、内向きに突出する膨出係止部91がそれぞれ形成されている。これらの膨出係止部91は、スタックガイド9内に進入したカードセットの逆戻りを防止するためのもの(逆戻り防止手段)であり、リフトバー8b側の面が、各スタックガイド9の長手方向に対して鋭角(好ましくは30°以下)に接するテーパ面(リフト8側へ向かって先端が拡がるようなテーパ面)となっており、反対側の面が、長手方向と直交する垂直面となっている。
【0025】
更に、スタックガイド9a〜9cのうち、カードセットの両側縁をそれぞれガイドするスタックガイド9a,9bは、下端部が外側へ僅かに拡開可能なように、また、カードセットの上縁をガイドするスタックガイド9cは、下端部が上方へ僅かに拡開可能なように構成されており、かつ、いずれも、図示しない付勢手段(板バネ材等)により、図4に示す位置へ復帰するように付勢されている。
【0026】
従って、リフト8がスタックガイド9に向かって上昇し、リフトバー8bによって押し上げられたカードセット11がスタックガイド9の最下端側の部分に達した時点から、更にスタックガイド9内へ向かって押し上げられると、膨出係止部91のテーパ面によって各スタックガイド9が外側或いは上方へ押し開かれて、カードセット11がスタックガイド9内へ受け入れられることになり、膨出係止部91のテーパ面よりも上方へ進入した時点で、各スタックガイド9が元の位置に復帰し、カードセット11の両側縁又は上縁が、膨出係止部91の垂直面によって係止され、逆戻りが防止される。
【0027】
尚、ステージ7の傾斜面における、スタックガイド9cの膨出係止部91と対向する位置には、膨出係止部91と同様に機能するストッパー12が配置されている。このストッパー12も、リフトバー8b側の面がテーパ状に形成されるとともに、反対側の面がステージ7の傾斜面と直交する形状となっていて、カードセット11が押し上げられてきた際には、テーパ面がステージ7の傾斜面と一致する位置まで下がるが、カードセット11が通過すると、図示しない付勢手段による付勢力により、ステージ7の傾斜面から上方へ突出し、スタックガイド9の膨出係止部91と協働してカードセット11の逆戻りを防止する。
【0028】
ここで、本発明に係るカード用シフト集積装置1の一連の動作態様について説明する。まず、図6に示すように、丁合機2の搬送レーン21の終端部から、回転部5の羽根部52の一つにカードセット11が供給される。尚、各カードセット11は、丁合機2の搬送レーン21上を移動する搬送ピン22により、搬送レーン21の終端部へ向かって連続的に搬送され、回転部5は、丁合機2からカードセット11が供給される際、四組の羽根部52のうち、いずれか一つの羽根部52の下方側の羽根の表面が、搬送レーン21の終端部の延長方向側の位置において、搬送レーン21の上面と同一の高さ位置、かつ、同一の傾斜角度で停止するようになっている。
【0029】
従って、搬送ピン22によってカードセット11が搬送レーン21の終端部から押し出されると、そのカードセット11は、羽根部52を構成する一対の平行な羽根の間のスペースに進入することになる。尚、このとき、カードセット11を適正な位置で停止させるためのストッパーピン54が、丁合機2とは反対の方向から、羽根部52の切欠溝53内へ、適切なタイミングで進入するようになっている。
【0030】
切欠溝53内に進入したストッパーピン54により、羽根部52内においてカードセット11が停止すると、ストッパーピン54は直ちに切欠溝53内から後退して外側へ退避し、回転部5が所定方向(カードセット11が供給された羽根部52が上方へ向かって回動する方向)へ90°回転して停止する。
【0031】
回転部5が90°回転して停止すると、羽根部52内に保持されているカードセット11は、「平積み状態」から「縦置き並列状態」にシフトされる。そして、移送部6(図2、図3参照)によって挟持されて羽根部52内から排出され、図4に示すスタック装置4へ移送される。そして、これと同時に、カードセット11が排出された羽根部52に対し回転方向後方側に隣接する羽根部52内へ、次のカードセット11が、丁合機2の搬送レーン21(図6参照)から供給される。これらの動作が、回転部5が90°回転する毎に、繰り返し実行される。
【0032】
移送部6によるカードセット11の排出(羽根部52からの排出)、及び、スタック装置4への移送は、次のような態様で行われる。まず、回転部5が90°回転して停止すると、移送部6が、スタック装置4側の位置(図2において実線で示す位置)から回転部5の方向へ移動し、カードセット11が保持されている羽根部52(図2においては羽根部52b)の切欠溝53内に、移送部6の第一挟持部62a、及び、第二挟持部62bが進入する。そして、カードセット11を挟み込める位置において、第二アーム61bが第一アーム61a側へ移動し、その先端に配置されている第二挟持部62bと、第一アーム61aの先端に配置されている第一挟持部62aとの間隔が狭まり、羽根部52内のカードセット11が挟持される。
【0033】
カードセット11を挟持した移送部6は、スタック装置4へ向かって横移動し、図5に示すように、リフトバー8bの斜め上方側の規定位置までカードセット11を移送した後、アーム61、及び、挟持部62を開いてカードセット11を開放し、スタック装置4へ供給する。移送部6は、カードセット11を開放した後、次のカードセット11を移送すべく、直ちに回転部5へ向かって移動を開始する。このようにして、移送部6は、回転部5が90°回転する毎に上記のような一連の動作を繰り返し実行する。
【0034】
但し、上述の通り、回転部5からスタック装置4へカードセット11が移送される際、挟持部62を回転させて縦横の向きをいずれかに変更してスタック装置4へ供給する「シフト供給」と、挟持部62を回転させずに(縦横の向きを変更せずに)カードセット11を供給する「ストレート供給」とが、カードセット11毎に交互に実行される。
【0035】
移送部6によってカードセット11が供給されたスタック装置4においては、移送部6がカードセット11を開放して回転部5側へ移動した直後に、リフト8が、ステージ7の傾斜面に沿って斜め上方へ(図4において破線で示す位置へ)向かって移動し、リフトバー8bの斜め上方側に供給されたカードセット11を、スタックガイド9(9a〜9c)の下端部まで押し上げる。移送部6によるカードセット11の供給が行われる度に、スタック装置4においてこの動作が繰り返されることにより、順次供給されるカードセット11が、スタックガイド9内に積み込まれていくことになる。
【0036】
尚、上述の通り、移送部6によってカードセット11が移送される際、シフト供給とストレート供給が交互に実行されるため、スタック装置4には、縦向きのカードセット11と、横向きのカードセット11が、交互に供給されることになり、それらが順次スタックガイド9内に積み込まれていく結果、図4及び図5に示すように、スタックガイド9内においては、カードが、規定枚数のセット毎に交互に向きが変更された状態で積み重ねられていくことになる。そして、スタックガイド9の終端側にセットされた箱材(フネ)(図示せず)の中へ向かって、それらのカードの束が次第に進入していくことになり、箱材がカードによって満たされたら、カードが収容された状態の箱材をスタックガイド9の終端側からとり外す。
【0037】
このような状態でカードを箱材内に収容すれば、カードセット毎の封入作業を行う場合に、カードの束から1セット分を簡単に取り出すことができ、その際、カードの枚数を再び数え直すという作業を行う必要がなく、封入作業を効率よく、円滑に行うことができる。
【0038】
尚、本実施形態においては、スタックガイド9内において積み重ねられるカードセット11が、縦向きのものも、横向きのものも、すべて右側の側縁が一致するように、リフトバー8bの上方側において移送部6がカードセット11を開放する位置が調整されているが(図4及び図5参照)、縦向きのカードセット11のうちの一部が、左側の側縁において、横向きのカードセット11の左側縁と一致するように、移送部6によるカードセット11の開放位置を調整することもできる。
【0039】
この場合、例えば、図7に示すように、左側の側縁を横向きのカードセット11の左側縁と一致させるカードセット11’,11’の間隔Pを、スタックガイド9(図4及び図5参照)の終端側にセットされる箱材(図示せず)の内寸と対応させることにより、箱材がトレーディングカードによって満たされたことを視認しやすくなり、カードが収容された状態の箱材をスタックガイド9の終端側からとり外すタイミングを決定する目安とすることができる。
【0040】
また、本実施形態に係るカード用シフト集積装置1は、図1に示したように、シフト装置3、スタック装置4、及び、制御装置10によって構成され、丁合機2の後段側に配置されているが、丁合機2を含めて、丁合からシフト集積までを行う装置として構成することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1:カード用シフト集積装置、
2:丁合機、
3:シフト装置、
4:スタック装置、
5:回転部、
6:移送部、
7:ステージ、
8:リフト、
8a:ベース、
8b:リフトバー、
9,9a〜9c:スタックガイド、
10:制御装置、
11:カードセット、
12:ストッパー、
21:搬送レーン、
22:搬送ピン、
51:回転軸、
52,52a〜52d:羽根部、
53:切欠溝、
54:ストッパーピン、
61:アーム、
61a:第一アーム、
61b:第二アーム、
62:挟持部、
62a:第一挟持部、
62b:第二挟持部、
91:膨出係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフト装置と、スタック装置と、制御装置とによって構成され、
シフト装置は、回転部、及び、移送部を有し、
スタック装置は、ステージ、リフト、及び、スタックガイドを有し、
シフト装置の回転部は、順次供給されるカードセットを保持することができる複数組の羽根部が、回転軸周りに等角度間隔で放射状に配置され、制御装置による制御下において、一回の動作毎に所定方向へ所定角度回転するように構成され、
シフト装置の移送部は、カードセットを挟持した状態で回動可能なように構成された一対の挟持部と、挟持部に回転駆動力を供給するモーターとを有し、制御装置による制御下において、横方向へ往復移動可能なように構成され、
スタック装置のステージは、上面が傾斜した状態となっており、
スタック装置のリフトは、制御装置による制御下において、ステージの傾斜した上面に沿って斜め方向へ往復移動可能なように構成され、
スタック装置のスタックガイドは、リフトの斜め上方に配置され、リフトによって押し上げられるカードセットを受け入れて、その両側縁及び上縁をそれぞれ押さえてガイドするように構成されるとともに、最下端側にカードセットの逆戻り防止手段を有し、
シフト装置の回転部に供給されたカードセットが、当該回転部の回転によって平積み状態から縦置き並列状態にシフトされた後、シフト装置の移送部によって挟持され、横移動する移送部によってスタック装置へ搬送され、スタック装置のリフトによってスタックガイドの下端部まで押し上げられて集積されるように構成されていることを特徴とするカード用シフト集積装置。
【請求項2】
シフト装置の移送部によるカードセットの搬送の際、挟持部を回転させてカードセットの縦横の向きをいずれかに変更してスタック装置へ供給するシフト供給と、挟持部を回転させずに供給するストレート供給とが、カードセット毎に交互に実行されるように構成したことを特徴とする、請求項1に記載のカード用シフト集積装置。
【請求項3】
スタックガイドの最下端側に形成されるカードセットの逆戻り防止手段として、各スタックガイドの下端部において内向きに突出し、リフト側へ向かって先端側が拡がるようなテーパ面を有する膨出係止部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカード用シフト集積装置。
【請求項4】
カードセットの両側縁をそれぞれガイドするスタックガイドにおいて、その下端部が外側へ僅かに拡開可能なように構成され、カードセットの上縁をガイドするスタックガイドにおいて、その下端部が上方へ僅かに拡開可能なように構成され、これらのスタックガイドの下端部がいずれも、付勢手段により、拡開状態から元の位置へ復帰するように付勢されていることを特徴とする、請求項3に記載のカード用シフト集積装置。
【請求項5】
リフト側の面がテーパ面となっていて、リフトによってカードセットが押し上げられてきた際に、テーパ面がステージの傾斜面と一致する位置まで下がり、カードセットが通過した後、付勢力によってステージの傾斜面から上方へ突出し、スタックガイドの膨出係止部と協働してカードセットの逆戻りを防止するように構成されたストッパーが、スタック装置のステージの傾斜面に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のカード用シフト集積装置。
【請求項6】
シフト装置と、スタック装置と、制御装置と、丁合機とによって構成され、
シフト装置は、回転部、及び、移送部を有し、
スタック装置は、ステージ、リフト、及び、スタックガイドを有し、
シフト装置の回転部は、丁合機の搬送レールの終端部から順次供給されるカードセットを保持することができる複数組の羽根部が、回転軸周りに等角度間隔で放射状に配置され、制御装置による制御下において、一回の動作毎に所定方向へ所定角度回転するように構成され、
シフト装置の移送部は、カードセットを挟持した状態で回動可能なように構成された一対の挟持部と、挟持部に回転駆動力を供給するモーターとを有し、制御装置による制御下において、横方向へ往復移動可能なように構成され、
スタック装置のステージは、上面が傾斜した状態となっており、
スタック装置のリフトは、制御装置による制御下において、ステージの傾斜した上面に沿って斜め方向へ往復移動可能なように構成され、
スタック装置のスタックガイドは、リフトの斜め上方に配置され、リフトによって押し上げられるカードセットを受け入れて、その両側縁及び上縁をそれぞれ押さえてガイドするように構成されるとともに、最下端側にカードセットの逆戻り防止手段を有し、
シフト装置の回転部に供給されたカードセットが、当該回転部の回転によって平積み状態から縦置き並列状態にシフトされた後、シフト装置の移送部によって挟持され、横移動する移送部によってスタック装置へ搬送され、スタック装置のリフトによってスタックガイドの下端部まで押し上げられて集積されるように構成されていることを特徴とするカード用シフト集積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−86444(P2013−86444A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231353(P2011−231353)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(593207293)渡辺通商株式会社 (8)