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カード用レーザーマーキングシート
説明

カード用レーザーマーキングシート

【課題】マーキングされた文字、記号、画像等が鮮明なカード用レーザーマーキングシートを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる単層シートであり、前記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、前記黒色物質と、前記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであるカード用レーザーマーキングシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用レーザーマーキングシートに関し、更に詳しくは、レーザー光によるマーキングが可能であり、マーキングされた文字、記号、画像等が鮮明であるカード用レーザーマーキングシートに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード、銀行カード、IDカード、交通カードなどのプラスチックカードは今や世界中に広く浸透し、その数は膨大な数になってきている。更に発展途上国でのカード発行数の増加などにより更なる増加傾向にある。
【0003】
これらのプラスチックカードの製造方法は、まず、予め特定のシートにオフセット印刷等で図柄を印刷しておき、その他の複数枚のシートを重ねて真空プレス機により各シート間を加熱融着した後、打ち抜き機にてカード状に打ち抜き、カードを得る。または、何も印刷されない複数枚のシートを重ねて真空プレス機により各シート間を加熱融着した後、打ち抜き機にてカード状に打ち抜き、カードを得る。その後、このカードの最表面にカード用印刷機を用いて印刷が施される。このようにしてプラスチックカードが製造されていた。
【0004】
しかしながら、これらのプラスチックカードにおいては、セキュリィティの要求の高まりから、ヨーロッパやアメリカでは早くにレーザー光を照射して文字、画像等をマーキングするレーザーマーキング法が広範囲に採用されている。
【0005】
レーザーマーキング法によりマーキング可能なプラスチックカードは、多くはポリカーボネート樹脂を含む単層のシート(レーザーマーキングシート)を用い、上記のカード製造方法と同様の方法で製造されるものである。具体的には、まず、予め特定の白色シートにオフセット印刷等で淡彩色の背景図柄を印刷しておき、その他の複数枚のシートを重ねて真空プレス機により各シート間を加熱融着した後、打ち抜き機にてカード状に打ち抜き、カードを得る。その後、このカードの最表面にレーザー光を照射して黒色などの濃彩色の文字、画像などをマーキングする。このようにして、淡彩色の背景図柄と濃彩色の文字、画像などからなる基本的に黒/白コントラストの視認性の高いマーキングがなされる(例えば、特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−92657号公報
【特許文献2】特開2002−273832号公報
【特許文献3】特許第3889431号公報
【特許文献4】特開平6−297828号公報
【特許文献5】特開平8−127175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなプラスチックカードは、複数枚重ねて財布などに収納した場合には、その側面が全て白色などの淡彩色であるために各カードの識別をし難いなどの問題があった。また、このようなプラスチックカードと差別化したプラスチックカードを製造したいと考えても、せいぜい図柄を変更するのみに留まっていた。更に、マーキングされた文字、記号、画像等がより鮮明であることが求められ、文字、記号、画像等がより鮮明であるプラスチックカードの開発が切望されている。
【0008】
ここで、特許文献1には、カーボンブラックを配合した熱可塑性樹脂にレーザー光を照射することによりマーキングすることが開示されている。しかし、熱可塑性樹脂としては実質的にポリアセタール樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂が開示されているのみである。更には射出成形品についての記載のみである。
【0009】
特許文献2、特許文献3には、レーザーマーキング多層シートの技術が開示されている。そして、淡彩色の背景図柄と濃彩色の文字、画像などが得られる基本的に黒/白コントラストのシートについて記載されている。
【0010】
特許文献4、特許文献5には、白色または黒色以外のレーザーマーキング樹脂組成物及び成形品が開示されている。しかし、いずれもレーザー光の照射により白以外に発色する技術である。また、特許文献4には、熱可塑性樹脂として実質的にポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂を使用した射出成形品における技術が開示されているのみである。特許文献5には、熱可塑性樹脂として、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂が記載されている。しかし、射出成形品における技術が開示されているのみである。即ち、シートについての具体的な記載はない。
【0011】
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、従来のレーザーマーキングシート(淡彩色の背景図柄と濃彩色の文字、画像などが得られる基本的に黒/白コントラストのシート)とは異なるシートであり、従来のレーザーマーキングシートとは反転色であるレーザーマーキングシートを提供する。即ち、濃彩色の背景図柄と淡彩色の文字、画像などが得られる基本的に白/黒コントラストのレーザーマーキングシートを提供する。別言すれば、生地色が濃彩色でレーザー光が照射された部分の色が淡彩色であるレーザーマーキングシートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質とレーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質を含む樹脂組成物からなる単層シートまたは多層シート中の所定の層に、レーザー光が照射されると、淡彩色の背景図柄と濃彩色の文字、画像などとのコントラストに優れ、鮮明な文字・画像などが得られることを見出した。
【0013】
本発明により、以下のカード用レーザーマーキングシートが提供される。
【0014】
[1] 熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる単層シートであり、前記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、前記黒色物質と、前記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであるカード用レーザーマーキングシート。
【0015】
[2] 前記アクリル系樹脂が、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であり、前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であり、前記スチレン系樹脂が、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂である前記[1]に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0016】
[3] 熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる内層を有し、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる多層シートであり、前記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記多層シートが、表層と前記内層とを備えるシートであり、前記表層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の透明な熱可塑性樹脂からなり、前記内層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、前記黒色物質と、前記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、前記多層シートの総厚みが100〜300μmであり、前記多層シートの総厚みに対する前記内層の厚みの比率が30〜85%であるカード用レーザーマーキングシート。
【0017】
[4] 前記樹脂組成物中の前記アクリル系樹脂が、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であり、前記樹脂組成物中の前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であり、前記樹脂組成物中の前記スチレン系樹脂が、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂である前記[3]に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0018】
[5] 前記黒色物質の配合量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であり、前記白色物質の配合量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0019】
[6] 平均表面粗さ(Rz)が、1〜10μmである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0020】
[7] 生地色の明度測定におけるL値が、50未満である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0021】
[8] レーザーマーキングされた部分の白色度が、20以上である前記[1]〜[7]のいずれかに記載のカード用レーザーマーキングシート。
【0022】
[9] 生地色とレーザーマーキングされた部分の色とのコントラストが、2以上である前記[1]〜[8]のいずれかに記載のカード用レーザーマーキングシート。
【発明の効果】
【0023】
本発明の単層のカード用レーザーマーキングシートは、「熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなること」、「上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であること」、及び、「アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであること」を満たすため、レーザー光によるマーキングが可能であり、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。また、上記条件を満たすため、本発明の単層のカード用レーザーマーキングシートは、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性の特性に優れている。
【0024】
本発明の多層のカード用レーザーマーキングシートは、「熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる内層を有すること」、「上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であること」、「アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、総厚みが100〜300μmであること」、及び、「多層シートの総厚みに対する内層の厚みの比率が30〜85%であること」を満たすため、レーザー光によるマーキングが可能であり、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。また、上記条件を満たすため、本発明の多層のカード用レーザーマーキングシートは、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性の特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のカード用レーザーマーキングシートの一実施形態の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
【0027】
[1]単層シート:
本発明のカード用レーザーマーキングシート(単層のカード用レーザーマーキングシート)は、熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる単層シートであり、上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmのものである。
【0028】
このようなカード用レーザーマーキングシート(以下、単に「シート」と記す場合がある)は、「熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなること」、「上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であること」、及び、「アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであること」を満たすため、レーザー光によるマーキングが可能であり、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。また、上記条件を満たすため、本発明の単層のカード用レーザーマーキングシートは、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性の特性に優れている。
【0029】
なお、文字、記号、画像等が鮮明であるか否かは、レーザー照射部と生地部とのコントラストが良好であるか否かにより判断することができる。本発明の単層のカード用レーザーマーキングシートは、上記樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであるため、文字、記号、画像等が鮮明にマーキング可能であり、かつ、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性において優れた特性を兼ね備えたものである。
【0030】
本発明のカード用レーザーマーキングシートの厚みは、上述したように100〜300μmであることが必要であり、100〜200μmであることが好ましい。本発明のカード用レーザーマーキングシートは、カードのオーバーシートとして使用されることが好ましく、シート厚みが上記範囲であることによって、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。ここで、オーバーシートとして使用される場合には、上記範囲外とすることは下記理由により困難である。シート厚みが100μm未満であると、鮮明にマーキングされ難い。シート厚みが300μmを超えると、カード全体の厚みにおけるカード用レーザーマーキングシートの厚みの比率が高くなりすぎる。即ち、カード用レーザーマーキングシート以外の他のシートの厚み比率が小さくなる。例えば非接触式プラスチックICカードの場合では、ICチップとアンテナとを配設したインレットシートの厚みは、通常300〜400μmであり、また、300μmを超えたカード用レーザーマーキングシートは、オーバーシートとしてカードの表面及び裏面に1枚づつ(合計2枚)使用される。そのため、カード用レーザーマーキングシート/インレットシートカード用レーザーマーキングシートの構成だけで既に900μmを超えてしまう。従って、カード全体の厚みが厚くなりすぎてしまい、実用的に使用することは困難である。
【0031】
カードの構成と製造方法を以下に説明する。プラスチックICカードでは、例えば、非接触ICカードの場合、オーバーシート/コアシート/インレットシート/コアシート/オーバーシートが基本構成である。そして、通常、コアシートとインレットシートは不透明なシートであり、オーバーシートは透明なシートである。
【0032】
カード全体の厚みは、760〜820μm程度が一般的であり、コアシートとインレットシートとの合計厚みは500μm程度が一般的である。通常、オーバーシートの厚みは50〜200μm、コアシートの厚みは100〜250μm、インレットシートの厚みは200〜400μmである。コアシートとインレットシートとの合計の厚みが500μm程度であれば、隠蔽性は十分に得られる(即ち、光の透過は生じない)。従って、コアシートとインレットシートとにより隠蔽性が確保できれば、オーバーシートは薄くてもカードの隠蔽性は確保可能である。即ち、隠蔽性を確保するという観点からは、オーバーシートを薄くすることができるが、「鮮明な文字、記号、画像等がマーキング可能」というレーザーマーキング性能の観点からは、ある程度の厚み(100μm以上)とすることが必要である。
【0033】
カードの製造方法としては、例えば、オーバーシート、コアシート、インレットシート、コアシート、及びオーバーシートの原料シートを所定の寸法に裁断し、得られた5枚のシートを上記記載順に重ねて真空プレス機により加熱積層した後、打ち抜き刃で打ち抜く。このようにしてカードを得ることができる。
【0034】
以上のことから、(i)カード全体の厚み規定がISOで規定されているので(ISOでは760μmと規定されているが、通常760〜820μmの厚みのカードが多い)、各シートは、ある程度薄い必要がある。(ii)シートを所定の寸法に裁断するので、シート厚みが薄くないと裁断が困難であるという問題がある。例えば、裁断した際にバリやクラックなどの不具合が生じる。そして、上記(i)を満たし、上記(ii)の問題を回避するという観点から、カード用レーザーマーキングシートの厚みは、300μm以下であることが必要である。従って、本発明のカード用レーザーマーキングシートの厚みは、上記各シートの機能(レーザーマーキング性能)とカードの製造方法の観点から、100〜300μmであることが必要となる。
【0035】
[1−1]熱可塑性樹脂:
熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。これらの特定の樹脂を用いることによって、厚みが薄い(100〜300μm)シートとした場合にも鮮明な文字、記号、画像等がマーキング可能なレーザーマーキングシートを得ることができる。
【0036】
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等のアクリル樹脂及びゴム強化アクリル樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、耐衝撃性、表面硬度、表面光沢、及び透明性が良好なシートが得られるという観点から、アクリルゴムとアクリルエラストマー強化アクリル樹脂とからなるものが更に好ましい。
【0037】
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂共重合体などを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性、耐衝撃性、及び透明性が良好なシートが得られるという観点、及び、コストが高くならないという観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であることが好ましい。
【0038】
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、耐衝撃性及び透明性が良好なシートが得られるという観点から、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂であることが好ましい。
【0039】
[1−2]黒色物質:
黒色物質は、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種である。これらの中でも、カーボンブラックまたはカーボンブラックを主成分とするものが好ましい。
【0040】
カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等を挙げることができる。カーボンブラックの平均粒子径(1次粒子径)は0.1〜1000nmであることが好ましく、1〜500nmであることが更に好ましく、5〜100nmであることが特に好ましい。更に、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、1〜10000m/gであることが好ましく、5〜5000m/gであることが更に好ましく、10〜2000m/gであることが特に好ましい。
【0041】
レーザー光の照射により、シート中のカーボンブラックが、レーザー光エネルギーを吸収して気化する。そのため、レーザー光が照射された部分(レーザー光照射部)は、カーボンブラック由来の色(黒色又は暗色)の影響が小さく又は無くなり、カーボンブラック以外の成分(特に白色物質)に由来する色を発色することになる。
【0042】
チタンブラックは、一般に、二酸化チタンを還元して得られるものである。本発明においては、レーザー光照射により、チタンブラックが、白色の二酸化チタンに変化する。そのため、レーザー光照射部は、チタンブラックに由来する黒色の度合いが小さく又は無くなり、白色を発色することになる。チタンブラックの平均粒子径は、0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1.5μmであることが更に好ましく、0.1〜1μmであることが特に好ましい。
【0043】
黒色酸化鉄は、一般に、FeまたはFeO・Feで表されるものであり、本発明においては、レーザー光照射により黒色酸化鉄が赤みがかった白色に変化する。そのため、レーザー光照射部は、黒色の度合いが小さく又は無くなり、白色を発色することになる。黒色酸化鉄の平均粒子径は、0.01〜2μmであることが好ましく、0.05〜1.5μmであることが更に好ましく、0.1μm〜1μmであることが特に好ましい。
【0044】
黒色物質の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であることが好ましく、0.03〜1.0質量部であることが更に好ましく、0.05〜0.8質量部であることが特に好ましい。黒色物質の含有量が0.01質量部未満であると、本発明のカード用レーザーマーキングシートの生地部の色が薄くなり(即ち、黒色系の
濃彩色にならず)、生地部とレーザー光照射部とのコントラストが小さく視認性に劣るおそれがある。一方、2.0質量部超であると、レーザー光照射部における白色が黒ずみ、生地部とレーザー光照射部とのコントラストが低下し、視認性が低下するおそれがある。
【0045】
[1−3]白色物質:
白色物質は、レーザー光の受光により影響をうけにくいものであり、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種である。このような白色物質を含有させることにより、カード用レーザーマーキングシートの地色の明度を調節することができるとともに、レーザーマーキングによって発色した色の白色度を向上させることができる。
【0046】
白色染料、白色顔料としては、レーザーマーキングによる発色を妨げるものでなければ特に制限はなく、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
白色物質の平均粒径は、0.05〜3.0μmであることが好ましく、0.1〜2.0μmであることが更に好ましい。白色物質の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部であることが好ましく、0.01〜0.5質量部であることが更に好ましく、0.02〜0.1質量部であることが特に好ましい。白色物質の含有量が0.001質量部未満であると、白色物質を配合したことによる効果が得られないおそれがある。一方、1.0質量部超であると、生地部とレーザー光照射部とのコントラストが良好に得られないおそれがある。
【0048】
[1−4]添加剤:
樹脂組成物には、目的や用途に応じて、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤等の親水性付与剤、滑剤等の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤のうち、帯電防止剤や、界面活性剤等の親水性付与剤を配合すると、カード用レーザーマーキングシートの搬送時における帯電を抑制して上記シートのハンドリング性を向上させることができる。また、オフセット印刷時の帯電防止や印刷インクとのなじみが向上されることにより印刷性を向上させることができる。
【0049】
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましい。
【0050】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合物等を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。
【0051】
帯電防止剤としては、例えば、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤等を挙げることができる。これらはイオン伝導型でもよいし電子伝導型でもよい。
【0052】
低分子型帯電防止剤としては、例えば、アニオン系帯電防止剤;カチオン系帯電防止剤;非イオン系帯電防止剤;両性系帯電防止剤;錯化合物;アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム等の金属アルコキシド、その誘導体;コーテッドシリカ、リン酸塩、リン酸エステル等を挙げることができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
高分子型帯電防止剤としては、例えば、分子内にスルホン酸金属塩を有するビニル共重合体、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ベタイン等を挙げることができる。更に、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等を用いることもできる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
帯電防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。
【0055】
滑剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、金属石鹸、シリコーン、変性シリコーン等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。滑剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜5.0質量部であることが好ましく、0.03〜1.0質量部であることが更に好ましく、0.05〜0.3質量部であることが特に好ましい。
【0056】
[2]多層シート:
本発明のカード用レーザーマーキングシート(多層のカード用レーザーマーキングシート)は、熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる内層を有し、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる多層シートであり、上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記多層シートが、表層と上記内層とを備えるシートであり、表層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の透明な熱可塑性樹脂からなり、内層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、上記多層シートの総厚みが100〜300μmであり、上記多層シートの総厚みに対する内層の厚みの比率が30〜85%のものである。
【0057】
このようなカード用レーザーマーキングシートは、「熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる内層を有すること」、「上記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であること」、「アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、上記黒色物質と、上記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、総厚みが100〜300μmであること」、及び、「多層シートの総厚みに対する内層の厚みの比率が30〜85%であること」を満たすため、レーザー光によるマーキングが可能であり、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。また、上記条件を満たすため、本発明の多層のカード用レーザーマーキングシートは、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性の特性に優れている。
【0058】
なお、本発明の多層のカード用レーザーマーキングシートは、上記樹脂組成物からなり、総厚みが100〜300μmであり、多層シートの総厚みに対する内層の厚みの比率が30〜85%であるため、文字、記号、画像等が鮮明にマーキング可能であり、かつ、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性において優れた特性を兼ね備えたものである。
【0059】
表層または内層を構成するアクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等のアクリル樹脂及びゴム強化アクリル樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリルゴムとアクリルエラストマー強化アクリル樹脂とからなるものが更に好ましい。
【0060】
表層または内層を構成するポリカーボネート系樹脂としては、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂共重合体などを挙げることができる。これらの中でも、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であることが好ましい。
【0061】
表層または内層を構成するスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂であることが好ましい。
【0062】
多層のカード用レーザーマーキングシートにおいて使用される、黒色物質、白色物質、及び、添加剤は、単層のカード用レーザーマーキングシートにおいて使用される、黒色物質、白色物質、添加剤と同様のものを用いることができる。
【0063】
多層のカード用レーザーマーキングシートの厚みは、上述したように100〜300μmであることが必要であり、100〜200μmであることが好ましい。シート厚みが上記範囲であることによって、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。一方、シート厚みが100μm未満であると、鮮明なマーキングが得られ難い。また、シート成形性が十分でなく、均一な厚みの層(シート)が得られない。シート厚みが300μmを超えると、カード全体の厚みにおけるカード用レーザーマーキングシートの厚みの比率が高くなりすぎる。即ち、カード用レーザーマーキングシート以外の他のシートの厚み比率が小さくなる。例えば非接触式プラスチックICカードの場合では、ICチップとアンテナとを配設したインレットシートの厚みは、通常300〜400μmであり、また、300μmを超えたカード用レーザーマーキングシートは、オーバーシートとしてカードの表面及び裏面に1枚づつ(合計2枚)使用される。そのため、カード用レーザーマーキングシート/インレットシートカード用レーザーマーキングシートの構成だけで既に900μmを超えてしまう。従って、カード全体の厚みが厚くなりすぎてしまい、実用的に使用することは困難である。
【0064】
多層シート(多層のカード用レーザーマーキングシート)の総厚みに対する上記内層(コア層)の厚みの比率は、上述したように、30〜85%であることが必要であり、50〜85%であることが好ましく、60〜80%であることが更に好ましい。上記厚みの比率が上記範囲であることによって、文字、記号、画像等が鮮明にマーキングされる。コア層の厚み比率が30%未満であると、鮮明な文字・画像が得られない。85%を超えると、表層(スキン層(3層シートの両外層))の厚みが薄くなりすぎる。そのため、各スキン層の厚みの制御が困難となり、各スキン層の厚みが均一な3層シートが得られない。即ち、シート成形性が十分でなく、均一な厚みの層(シート)が得られない。
【0065】
本発明のカード用レーザーマーキングシートの平均表面粗さ(Rz)は、1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmであることが更に好ましく、3〜6μmであることが特に好ましい。上記平均表面粗さ(Rz)を上記範囲とすることによって、カード積層体の製造時における、プレス機による加熱積層工程において層間の気泡抜け性が良好となる。更に、上記工程における加熱プレスにより平滑面が得られ、この平滑面により良好な表面光沢が得られる。従って、文字、記号、画像等の鮮明性に優れたシートが得られる。また、シートの搬送性が良好となる。平均表面粗さ(Rz)が1μm未満であると、シートの搬送性が十分に得られないおそれがある。一方、10μm超であると、良好な表面光沢が得られないおそれがある。即ち、文字、記号、画像等の鮮明性に優れたシートが得られないおそれがある。平均表面粗さ(Rz)は種々の表面粗さ測定機にて測定可能であるが、本明細書においては、平均表面粗さ(Rz)は、接触式表面粗さ計(TAYLOR HOBSON社製の「FORM TALYSURF SERIES II」)によって測定した値である。
【0066】
本発明のカード用レーザーマーキングシートの生地色(生地部の色)の明度測定におけるL値は、50未満であるであることが好ましく、30未満であることが更に好ましい。上記L値を上記範囲であると、本発明のシートにおいてはレーザー光照射部が淡彩色であるため、このレーザー照射部と生地部とのコントラストが良好となる。そして、このようにコントラストが良好であると、文字、記号、画像等が更に鮮明にマーキングされる。ここで、本明細書において「生地色の明度測定におけるL値」は、測色計により測定した値である。
【0067】
本発明のカード用レーザーマーキングシートのレーザーマーキングされた部分(レーザー光照射部)の白色度は、20以上であることが好ましく、30以上であることが更に好ましい。上記白色度が上記範囲であると、生地色とレーザー光照射部とのコントラストが優れるために、文字、記号、画像等が更に鮮明にマーキングされる。「レーザーマーキングされた部分」は、レーザー光の照射により黒色物質の変化が生じ、白色物質の色が現れた部分のことをいう。ここで、本明細書において「白色度」は、JIS K7105に準拠して測定した値である。
【0068】
本発明のカード用レーザーマーキングシートの生地色とレーザーマーキングされた部分の色とのコントラストは、2以上であることが好ましく、3以上であることが更に好ましい。上記コントラストが上記範囲であることにより、文字、記号、画像等が更に鮮明にマーキングされるため、視認性が更に良好となる。ここで、本明細書において「生地色とレーザーマーキングされた部分の色とのコントラスト」は、輝度計により測定した値である。
【0069】
[3]レーザーマーキング方法:
本発明のカード用レーザーマーキングシートにレーザー光を照射することにより所望の文字、画像等をマーキングすることができる。即ち、本発明のカード用レーザーマーキングシートは、レーザー光が照射されると、黒色物質の変化(消滅、変色等)が生じ、黒色物質以外の物質の色(即ち、白色物質の色)が強く現れるため、白色の文字、画像等をマーキングすることができる。
【0070】
本明細書において「白色」は、純白に限らず、他の色が混じった白系の色も含まれる。例えば、チタンブラックがレーザー光の照射により二酸化チタンに変化した後の色(即ち、二酸化チタンに由来の色)を含み、また、黒色酸化鉄がレーザー光照射により変化した色(赤みがかった白色)を含む。
【0071】
レーザー光は、気体、固体、半導体、色素、エキシマー、自由電子のいずれのレーザーでもよいが、波長が100〜2000nmの範囲内にあるものが好ましい。
【0072】
気体レーザーとしては、ヘリウム・ネオンレーザー、希ガスイオンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、金属蒸気レーザー、炭酸ガスレーザー等を挙げることができる。固体レーザーとしては、ルビーレーザー、ネオジウムレーザー、波長可変固体レーザー等を挙げることができる。半導体レーザーは、無機でも有機でもよく、無機の半導体レーザーとしては、GaAs/GaAlAs系、InGaAs系、InP系等を挙げることができる。また、Nd:YAG、Nd:YVO、Nd:YLF等の半導体レーザー励起固体レーザーを用いることもできる。上記レーザー光は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0073】
図1は、本発明のカード用レーザーマーキングシートの一実施形態の断面を示す模式図であり、カード用レーザーマーキングシート100は、レーザー光20が照射されると、黒色物質の変化が生じ、レーザー光20が照射された部分(レーザー光照射部11)が白色を呈する。即ち、濃彩色の生地部12の一部が白色に発色する。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の各種評価の評価方法は以下の方法を採用した。
【0075】
[1]カード生地色:
作製したカードのレーザーマーキングシートの生地色は、測色計により明度測定を行い、測色計のL値を算出した後、以下の判定基準により評価した。L値が30未満の場合を「A」とし、L値が30以上で50未満の場合を「B」とし、L値が50以上の場合を「C」とした。なお、明度測定は、Gretag Machbeth社製の商品名「Color−Eye 7000A」により行った。
【0076】
[2]レーザー発色部の白色度:
発色部(レーザー光の照射により発色させた部分)の白色度は、JIS K7105に準拠して測定し、測定結果を下記の判定基準により評価した。白色度が30以上の場合を「A」とし、白色度が20以上で30未満の場合を「B」とし、白色度が20未満の場合を「C」とした。なお、レーザー光の照射は、ロフィンシナール社製の「Nd:YVOレーザー RMS103D レーザーマーカー」を使用して行った。白色度は、Gretag Machbeth社製の商品名「Color−Eye 7000A」により行った。
【0077】
[3]コントラスト:
生地色と発色部とのコントラストについて、ミノルタ社製の輝度計「LS100」を用いて測定し、測定結果を以下の判定基準により評価した。「コントラスト3以上」の場合を「A」とし、「コントラスト2以上で3未満」の場合を「B」とし、「コントラスト2未満」の場合を「C」とした。
【0078】
[4]加熱融着性:
カード状積層体について、真空プレス機を用いて160〜180℃にて加熱し加圧(0.1〜1.0MPa)する。その後、オーバーシートとコアシートとの間の接着性を以下の判定基準により評価した。「剥離が観察されない」場合を「A」とし、「わずかに剥離が見られる」場合を「B」とし、「剥離した」場合を「C」とした。
【0079】
[5]シート裁断性:
シートを所定の寸法に切断した後、切断されたシートを観察し、断裁性を以下の判定基準により評価した。「問題ない(バリやクラックなどの不具合が観察されない)」場合を「A」とし、「断裁端面にバリが発生する」場合を「B」とし、「切断面にクラック発生したか、斜めに切断される等の不具合が発生して実用できない」場合を「C」とした。
【0080】
[6]シート成形性:
所定の厚みのシートを成形し観察し、均一の厚みのシートが成形された否かについて、以下の判定基準により評価した。「問題ない(均一の厚みのシートがえられた)」場合を「A」とし、「厚み変動がわずかに大きい」場合を「B」とし、「厚み変動が大きいか、または平滑なシートが得られず実用できない」場合を「C」とした。
【0081】
[7]シート搬送性:
シートを所定の寸法に切断した後、200〜300枚積み重ねて梱包して保管する。その後、カード状積層体を加熱積層する工程において、この梱包を解き、積み重ねたシートを1枚ずつ真空プレス機に搬送する。この場合におけるシートの搬送性を下記判定基準にて評価した。「A」「シートの取り出し、搬送に問題ない」場合を「A」とし、「わずかにシートが取り出し難いが実用可能である」場合を「B」とし、「シート同士が互いに貼りつき1枚ずつ取り出すことが困難である」場合を「C」とした。
【0082】
[8]加熱積層後のカード状積層体の表面光沢:
カード状積層体を構成する各シートを積層し、真空プレス機を用いて160〜180℃にて加熱し加圧(0.1〜1.0MPa)してカード状積層体を製造する。その後、製造したカード状積層体の表面光沢を目視にて観察し、下記判定基準にて評価した。「表面光沢は良好である」場合を「A」とし、「わずかに光沢に劣るが、カードとして実用可能である」場合を「B」とし、「表面光沢が劣り、光沢を必要とする一般的なカードとして実用困難である」場合を「C」とした。表1〜表4中、「積層体の表面光沢」と示す。
【0083】
(実施例1)
まず、商品名「アクリペットMF(標準グレード、三菱レイヨン社製)」30質量%と商品名「アクリペットVRL40(耐衝撃グレード、三菱レイヨン社製)」70質量%とからなるアクリル樹脂100質量部、カーボンブラック「モナーク#1000(キャボット社製)」0.1質量部、酸化チタン「CR−60−2(石原産業社製)」0.05質量部を配合し、Tダイ付押出機によりマット加工をしつつ単層シートA(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートAは、シートの厚さ150μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.5μmであった。
【0084】
次に、非結晶性ポリエステル樹脂(商品名「EASTAR コポリエステル6763」、イーストマンケミカル社製)40質量部、芳香族ポリカーボネート樹脂(商品名「タフロンA2200(出光興産社製)」60質量部に、酸化チタン「CR−60−2(石原産業社製)」20質量部、滑剤として脂肪酸モノグリセライド0.2部を配合し、Tダイ付押出機によりマット加工をしつつシート(白色単層シートK)を作製した。白色単層シートKは、シート厚さ250μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.6μmであった。
【0085】
次に、単層シートA、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートAの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm;以下、「カード」と記す場合がある)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0086】
作製したカードについて、上記各評価(カード生地色、レーザー発色部の白色度、コントラスト、加熱融着性、シート裁断性、シート成形性)を行った。評価結果を表1に示す。
【0087】
なお、表1〜表4中、「カードの層構成」の欄において、例えば「A/K/K/A」は単層シートA、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートAの積層順にカードが構成されていることを示す。
【0088】
【表1】

【0089】
(実施例2)
アクリル樹脂に代えて、透明ABS樹脂(透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)(商品名「テクノABS810」、テクノポリマー社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、単層シートB(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートBは、シート厚さが150μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.8μmであった。
【0090】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートB、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートBの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0091】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0092】
(実施例3)
アクリル樹脂に代えて、芳香族ポリカーボネート樹脂(商品名「タフロンA2200」、出光興産社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、単層シートC(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートCは、シート厚さが150μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.4μmであった。
【0093】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートC、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートCの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0094】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0095】
(実施例4)
まず、非結晶性ポリエステル樹脂(商品名「Eastman Tritan Copolyester FX100」、イーストマンケミカル社製)100質量部、カーボンブラック(「モナーク#1000(キャボット社製)」)0.1質量部、酸化チタン「CR−60−2(石原産業社製)」0.05質量部、滑剤としてステアリン酸カルシウム0.1部を配合し、Tダイ付押出機によりマット加工をしつつ単層シートD(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートDは、シートの厚さ150μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.8μmであった。
【0096】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートD、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートDの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0097】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0098】
(実施例5)
2種3層Tダイ付押出機により、表層(スキン層)、内層(コア層)、表層(スキン層)の積層順の多層シートからなるカード用レーザーマーキングシート(以下、「多層シートE」と記す場合がある)を作製した。作製した多層シートは、シート総厚さ150μm、シート総厚さにおけるコア層厚さ(内層の厚さ)の比率(内層厚み比率)が73.3%、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.8μmであった。コア層は黒色の層であった。
【0099】
スキン層は、非結晶性ポリエステル樹脂(商品名「Eastman Tritan Copolyester FX100」、イーストマンケミカル社製)100質量部、滑剤としてステアリン酸カルシウム0.1部を配合したものを原料とした。コア層は、商品名「アクリペットMF(標準グレード、三菱レイヨン社製)」30質量%と商品名「アクリペットVRL40(耐衝撃グレード、三菱レイヨン社製)」70質量%とからなるアクリル樹脂100質量部、カーボンブラック「モナーク#1000(キャボット社製)」0.1質量部、酸化チタン「CR−60−2(石原産業社製)」0.05質量部を配合したものを原料とした。
【0100】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、多層シートE、白色単層シートK、白色単層シートK、多層シートEの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0101】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0102】
(実施例6〜27)
表1〜表3に示す配合量などを満たすように適宜変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカード(カード状積層体)を作製した。作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表1〜表3に示す。
【0103】
【表2】

【0104】
【表3】

【0105】
(比較例1)
酸化チタン「CR−60−2(石原産業社製)」を配合しないこと以外は、実施例1と同様にして単層シートF(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートFは、シートの厚さ150μm、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.5μmであった。
【0106】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートF、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートFの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み800μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、150μm、250μm、250μm、150μmであった。
【0107】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0108】
【表4】

【0109】
(比較例2)
単層シートの厚さを95μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして単層シートq(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートqは、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.4μmであった。
【0110】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートq、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートqの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み790μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、95μm、300μm、300μm、95μmであった。
【0111】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0112】
(比較例3)
単層シートの厚さを305μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして単層シートr(カード用レーザーマーキングシート)を作製した。単層シートrは、シート両面の平均表面粗さ(Rz)が3.8μmであった。
【0113】
次に、実施例1と同様にして白色単層シートKを作製し、単層シートr、白色単層シートK、白色単層シートK、単層シートrの積層順となるように各シートを積層させ、真空プレス機により加熱・加圧してカード状積層体(厚み820μm)を作製した。なお、各シートの厚みは、上記積層順で、305μm、105μm、105μm、305μmであった。
【0114】
作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0115】
(比較例4〜10)
表4に示す配合量などを満たすように適宜変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカード(カード状積層体)を作製した。作製したカードについて、上記各評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0116】
表1〜表4から明らかなように、実施例1〜27のカード用レーザーマーキングシートは、レーザー光によるマーキングが可能であり、比較例1〜10のカード用レーザーマーキングシートに比べて、マーキングされた文字、記号、画像等が鮮明であった。また、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性の特性に優れていた。即ち、実施例1〜27のカード用レーザーマーキングシートは、マーキングされた文字、記号、画像等が鮮明であり、かつ、加熱融着性、シート裁断性、及び、シート成形性において優れた特性を兼ね備えていた。
【0117】
なお、比較例4〜6では、樹脂組成物に含まれる樹脂として、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、または、ポリウレタン樹脂を使用しているが、均一なシートを成形することは困難であり、更にはコアシートとの加熱融着性が非常に悪く、剥離が発生した。また、比較例8では、3層シートのコア層の厚み比率が88%であり、85%を超えている。そのため、相対的にスキン層が薄く均一なスキン層を形成することができなかった(シート成形性の評価が「C」であった)。即ち、このような3層シートは極端に各スキン層の厚みが薄くなるので、安定的に3層シートを生産できない。なお、比較例8においては、作製した3層シートの中から、薄く均一なスキン層が形成された3層シートを選択してサンプルシートとし、このサンプルシートについて上記各評価(シート成形性以外の評価)を行った。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明のカード用レーザーマーキングシートは、各種カードを構成するシートとして使用することができる。
【符号の説明】
【0119】
100:カード用レーザーマーキングシート、20:レーザー光、11:レーザー光照射部、12:生地部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる単層シートであり、
前記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、及び、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、前記黒色物質と、前記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、厚みが100〜300μmであるカード用レーザーマーキングシート。
【請求項2】
前記アクリル系樹脂が、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であり、
前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であり、
前記スチレン系樹脂が、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂である請求項1に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項3】
熱可塑性樹脂にレーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質と、レーザー光の受光により影響をうけにくい白色物質と、を含む樹脂組成物からなる内層を有し、レーザー光照射により鮮明な文字・画像が得られる多層シートであり、
前記黒色物質が、カーボンブラック、チタンブラック、及び、黒色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記白色物質が、白色染料及び白色顔料からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記多層シートが、表層と前記内層とを備えるシートであり、
前記表層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の透明な熱可塑性樹脂からなり、
前記内層が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、前記黒色物質と、前記白色物質と、を含む樹脂組成物からなり、
前記多層シートの総厚みが100〜300μmであり、前記多層シートの総厚みに対する前記内層の厚みの比率が30〜85%であるカード用レーザーマーキングシート。
【請求項4】
前記樹脂組成物中の前記アクリル系樹脂が、アクリルゴム及びアクリルエラストマー強化アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であり、
前記樹脂組成物中の前記ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂または芳香族ポリカーボネート樹脂と非結晶性芳香族ポリエステル系樹脂とからなるポリマーアロイ樹脂であり、
前記樹脂組成物中の前記スチレン系樹脂が、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂である請求項3に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項5】
前記黒色物質の配合量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であり、前記白色物質の配合量が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001〜1.0質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項6】
平均表面粗さ(Rz)が、1〜10μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項7】
生地色の明度測定におけるL値が、50未満である請求項1〜6のいずれか一項に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項8】
レーザーマーキングされた部分の白色度が、20以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載のカード用レーザーマーキングシート。
【請求項9】
生地色とレーザーマーキングされた部分の色とのコントラストが、2以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載のカード用レーザーマーキングシート。

【図1】
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【公開番号】特開2013−52579(P2013−52579A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192006(P2011−192006)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(591258587)日本カラリング株式会社 (36)
【Fターム(参考)】