カード発行システム及びカード発行方法
【課題】ユーザのカード申込から、本人確認、カード発行までを自動化し、効率良くすることで短時間でカードを発行できるカード発行システムを提供することを課題とする。
【解決手段】申込データを入力する入力端末と、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段を有する本人確認システム及び本人確認システムから受信した真贋判定結果が真正と判断されている場合に申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する管理システムと、発行データを書込するカード発行端末、を有するカード発行システム。
【解決手段】申込データを入力する入力端末と、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段を有する本人確認システム及び本人確認システムから受信した真贋判定結果が真正と判断されている場合に申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する管理システムと、発行データを書込するカード発行端末、を有するカード発行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの発行業務に利用可能なカード発行システム及びカード発行方法に関する。特に、申込書作成、申込者本人の確認、カード発行等の一連の作業を自動化したカード発行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばクレジットカードやキャッシュカード等は、高度のセキュリティが要求されるため大規模なカード発行システムにより発行されるカード発行方法が一般的である。
【0003】
カード発行会社は、本人確認のとれているユーザが記入したクレジットカードやキャッシュカード等の申込書(申請書)に基づいて、入会審査(必要に応じ与信審査)を実行し、審査結果が容認であれば、以下のカード発行処理に移行する。
【0004】
まず、カード発行会社は、ユーザの個人データ(カードに記録すべき入力データ)を作成し、カード発行システムに提供する。カード発行システムは、一般的にはカード発行会社以外の印刷会社などにより管理されており、一度に多数枚のカードを発行できる大型カード発行機を備えている。カード発行システムは、カード認証用の署名データ(カード固有データ)と、カード発行会社から提供される個人データとを編集し、磁気テープやICチップに書き込みしたカードを発行する。発行されたカードは各ユーザ個人を特定するため、一般的にはユーザ毎に書留による郵送で配布される。
【0005】
具体的には一例としては、図2に示したような構成で、図1に示したフローのようにカードの発行を行っている。即ち、金融機関等の店舗窓口にユーザーが、口座開設等のカード申込書を本人確認資料と共に窓口に提出する。申込書は、本人用、銀行控え、通帳作成用、カード作成用など4〜5枚つづりの複写伝票になっていて、1枚目の情報が5枚目まで、うまく複写できない場合もある。
【0006】
本人確認資料としては、運転免許書等がいられている。ユーザーの本人確認、申込書の記載事項確認後、窓口により、申込データの端末入力がなされ、管理システムへ送られる。管理システムではカード用データを作成し、カード発行端末でカードを発行し、郵送によりユーザーへ郵送される。このカード用データ作成、カード発行、ユーザーへのカード送付はカード発行システムが行うことが多い。
なお、店舗の入力端末から入力された個人情報は、カード用データを作成する管理サーバーにデータを送信する前に、金融機関等のカード発行者の管理サーバー等で審査などをすることもある。
【0007】
このような従来のカード発行方法では大型の設備となり、少数枚のカード発行にはコスト面で不向きである。また、実際に発行されたカードが、各ユーザに届けられるまで、かなり時間を要する。ビジネスの観点からは、店舗などで代金決済の際に、ユーザからの要求に応じて1枚単位のカードを自動で即時に発行できることが望ましい。しかしながら、カードの発行は、本人確認が必要であったり、高度のセキュリティ機能を有した発行が要求されるため、単に店舗などに小型のカード発行機を設置するだけでは実現することが難しい。また、クレジットカードとして使用するカードの発行においては、さらに与信審査の手続も必要となる。
【0008】
その様な要望の中、ユーザの申請に応じて、ICカードの発行に必要な与信審査、及び所定の入力データをICカード規格の記録形式の記録形式データに変換してICカードに
記録する一連の手順を、高度のセキュリティを確保して実行し、1枚単位のICカードを即時発行可能なICカード発行装置が提案されている(特許文献1)。
【0009】
しかしながら、これは申込みを受けた後のカード発行に関してのものであり、店舗窓口の担当者が、ユーザが手書きで書いて提出された複写伝票形式の口座開設依頼書(申込書)と本人確認書類に基づき、本人確認と口座開設情報が作成されていたため、発行までの時間がかかるなどの問題がある。
また入力ミスや、複写伝票の複写が不十分で、印字が不鮮明となるといった問題が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−203207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ユーザのカード申込から、本人確認、カード発行までを自動化し、効率良くすることで短時間でカードを発行できるカード発行システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、本発明は、少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を有するカード発行システムであって、該入力端末が、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力手段、本人確認データ入力手段、及び申込データを管理システムに送信する申込データ送信手段と本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信手段を有し、該本人確認システムが、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段、該真贋判定手段により判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有し、該管理システムが、入力端末から申込データを受信する申込データ受信手段と、本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信手段と、該真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成手段、該発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信手段有し、該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信手段、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込手段とを有することを特徴とするカード発行システムとする。
【0013】
また、前記入力端末の本人確認データ入力手段が、本人確認資料あるいは前記本人確認資料のコピーを読取る本人確認資料読取部と、読取った本人確認資料から本人確認データを生成する本人確認データ生成部を有し、前記本人確認システムの真贋判定手段が、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関する真贋判定ロジックテンプレートデータと、本人確認データを解析し文字、画像のレイアウトを得る画像解析部と、得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを比較照合して真贋の判定をする判定処理部を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記真贋判定ロジックテンプレートデータが本人確認資料の発行者又は発行母体に対応しており、前記真贋判定手段が、本人確認データから発行者又は発行母体を認識する手段を有し、発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合することを特徴とする。
【0015】
また、前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料に記載された文字に使用するフォントデータを含み、前記画像解析部が、本人確認データの文字に使用されるフォントを認識し、前記判定処理部が、認識された本人確認データの文字に使用されるフォントと、ロジックテンプレートデータのフォントデータとを照合し判定することを特徴とする。
【0016】
また、前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料の日付の条件を含み、前記画像解析部が、本人確認データの日付を認識し、前記判定処理部が、認識された本人確認データの日付と、ロジックテンプレートデータの日付を照合することを特徴とする。
【0017】
また、少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を用いたカード発行方法であって、該入力端末に、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力ステップと、本人確認データ入力する本人確認データ入力ステップと、入力端末から申込データを管理システムに送信する申込データ送信ステップと、本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信ステップと、本人確認システムが入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信ステップと、本人確認システムで本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定ステップと、真贋判定手段により判断された真贋判定結果を本人確認システムから管理システムに送信する真贋判定結果送信ステップと、管理システムが入力端末から申込データを受信する申込データ受信ステップと、管理システムが本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信ステップと、真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成ステップと、発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信ステップと、該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信ステップと、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込ステップと、を有することを特徴とするカード発行方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカード発行システムによれば、ユーザのカード申込から、本人確認、カード発行までを自動化できるため、短時間でカードを発行できる。
また、申込データの入力ミスや、複写伝票の複写が不十分で、印字が不鮮明となるといった問題を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のカード発行システムの一例を示したフロー図である。
【図2】従来のカード発行システムの一例を示した構成図である。
【図3】本発明のカード発行システムの一例を示したフロー図である。
【図4】本発明のカード発行システムの一例を示した構成図である。
【図5】本発明のカード発行システムの一例を示したシーケンス図である。
【図6】本発明に用いる本人確認システムの一例を示した構成図である。
【図7】本発明に用いる真贋判定手段の一例を示したシーケンス図である。
【図8】本発明に用いる文字配列の真贋判定ロジックの一例を示す図である。
【図9】本発明に用いる文字配列の真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。
【図10】本発明に用いる本人確認資料の一例を示す図である。
【図11】本発明に用いる真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図3は、本発明のカード発行システムの一例を示したフロー図で、図4は本発明のカード発行システムの一例を示した概念図であり、図5本発明のカード発行システムの一例を示したシーケンス図である。
以下、図3、図4を参照しながら説明する。
【0021】
銀行などの店舗には、ユーザー等がカードの申込のための申込データを入力する入力端末が設置されている。この入力端末には、本人確認資料(又はそのコピー)を読み込む機能が搭載されている。なお、申込データ入力部と本人確認読み込み部は分離して設置してあってもよい。
入力端末は、記憶部、演算部、モニター、キーボードと、外部システム等とデータの送受信可能な通信手段(ネットワークと通信可能なインタフェース等)等を備えている。
ここでカードとしては、磁気カード、接触式または非接触式ICカード、磁気及びICを備えたカード、接触及び非接触通信可能なデュアルICカードなどがあげられる。また、カードの用途としては、キャッシュカード、クレジットカード、バンクカード、デビットカード、ポイントカード、ギフトカード、会員カードなどがあげられる。
【0022】
申込データは、カードによって異なる場合があるが、例えば「氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、その他アンケート」などの項目があげられる。
申込データ入力手段としては、キーボードを用いて入力手段を用いることができる。また、複数種のカードに対応している場合、ここでカードの種類を指定入力することもできる。
さらに、申込データ入力手段として、予めユーザーの所有する携帯端末などに入力した情報をICや赤外線などの通信手段によって入力端末に送信する手段を用いてもよい。
【0023】
また、後述する本人確認資料入力時に、読込んだ本人確認情報のうち、申込データに用いることができる項目を自動入力してもよい。具体的には、入力端末にOCR機能を持たせ、読み込んだ本人確認資料からテキストデータ化して自動入力してもよいし、後述する本人確認システムに備えたOCR機能によりテキスト化したデータを送信することにより自動入力してもよい。
この場合、自動入力後、確認画面等で内容確認・修正や、足りない項目の追加入力をすることができる。
【0024】
また、入力端末には本人確認データ入力手段を備える。本人確認データ入力手段は、例えば、運転免許書、保険証、住基カード、パスポート、その他IDカード等の本人確認資料またはそのコピーを読取りすることができる本人確認資料読取部を備える。本人確認資料読取部は光学的な読取技術を用いたいわゆるスキャナーを用いることができる。読取った本人確認資料は、本人確認データ生成部で画像データ等の形式に変換し、本人確認データを生成する。
【0025】
入力された申込データ、本人確認データは、それぞれ申込データ送信手段により管理システムに送信、本人確認データ送信手段により本人確認システムに送信する。
申込データ送信手段、本人確認データ送信手段としては、有線または無線の通信回線のインターフェースを用いることができる。
【0026】
管理システムは、カードの発行データを生成や、カードのデータ管理をするシステムであり、本人確認システムは本人確認資料の真贋を判定するシステムである。この管理システム、本人確認システムは、店舗外に設置されており、各店舗の入力端末、カード発行端末とネットワークにより接続されている。管理システム、本人確認システムはネットワークと通信可能なインターフェースを備え、データの送受信が可能となっている。
管理システム、本人確認システムは例えば、カード発行業者などの外部事業者に設置してもよい。また、外部システムは、金融機関などのシステムと接続されていてもよい。
本人確認システムは、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段と、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段と、真贋判定手段により
判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有する。
真贋判定手段では、受信した本人確認データが真正なものか否かを判定する。判定は、例えば、入力端末か本人確認システムで本人確認データをテキスト化し、予め登録されている申込者のデータとの比較により行ってもよいし、後述する真贋判定ロジックテンプレートデータを用いてもよい。
なお、本人確認システムは、入力端末と一体化してもよい。一体化する場合は、内部の回路によりデータの送受信ができる。
【0027】
カード発行端末は入力端末と同じく銀行などの店舗に設置されており、ユーザー等がカードを申し込むと、一定時間後その場で発行されたカードを受け取ることができる。
カード発行端末は、ネットワークと通信可能なインターフェースを備え、管理システムから発行データの受信が可能となっており、受信した発行データをカードに書込むことができる。また、データ書込手段や必要に応じて、印刷手段、シーリング(シール貼り付け)手段、エンボス加工手段、保護フィルム貼り付け手段を有する。
【0028】
図5は、本発明のカードの申込から発行までの流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図5を参照しながら説明する。
従来は、ユーザーが事前にまたはその場で記入した申込用紙と本人確認資料を窓口に申請し、店舗担当者による本人確認がなされた後に、店舗端末に申込データを入力し、カード発行会社でカードを発行してユーザーに郵送していたが、本発明のカード発行システムを用いることにより、店舗担当者によるユーザーの記入した文字の誤読等による入力ミスがなくなり、またその場でカードを発行できるためスピーディーになる。更に複写伝票を使用する場合に、1枚目の情報が2枚目以降、うまく複写できないことに起因する文字の誤読による入力ミスもなくなる。
【0029】
図5において、まず店舗等にある入力端末によりユーザー等が申込データ、本人確認資料の入力をする。所定の項目の入力が完了すると、申込データ、本人確認資料から生成された本人確認データがそれぞれ管理システム、本人確認システムに送信される。
管理システムでは申込データのチェックをすることができる。
本人確認システムでは、後述で詳細に説明するように、本人確認データから真贋判定を行う。
【0030】
管理システムでは、本人確認システムから本人確認処理の結果として真贋判定結果を受信し、本人確認資料2が正しいと判定されており、申込データのチェックでもエラーが生じなかった場合、申込データから発行データの生成を行う。
なお、カードの種類、用途に応じては、与信チェックやブラックリスト対象か否かのチェックなどを行ってもよい。これらのチェックは管理システム内に予めチェック用のデータ、プログラムを持っていてもよいし、外部のシステムと通信することによって行ってもよい。
【0031】
データ編集処理で各券種に応じた発行データの編集を行う。また、このタイミングで店頭等にある発行端末に発行準備の指示を出してもよい。
次に、データ編集処理で発行データの編集を行い、データ生成処理でカード発行データを生成する。ここで、カードとしては、磁気カード、ICカードなどがあげられ、それぞれのカードを発行するために必要なデータを生成・付加し、カード発行データの編集を行う。なお、複数種、複数用途のカード発行に対応している場合は、指定のカードに応じた発行データの編集、発行データの生成をする。
【0032】
発行データの生成がなされると、発行端末へ発行データ送信を行う。
発行データを受信したら予め発行端末にセットされているカードに発行データを書込む
。なお、カードが複数種ある場合は、指定のカードが自動的に選択されるようにすることができる。例えば、指定のカードの選択は、セットされているカードの磁気データ又はICに記録されているデータから、所望のカードか否かを判断し選択することができる。
また、必要に応じて、磁気エンコード、ICエンコードを行ってから発行データを書き込むことができる。さらに、発行データ書込み後、必要に応じてプリント/シール貼りを行うこともできる。
磁気及びICを備えたカードの例でより詳しく説明すると、例えば、発行端末がカード発行データのイメージデータ受領し、カード発行データからカード選択する。これにより、発光端末にストックされている未発行のカードの残量を確認して、発行できるかの可否を判断する。発行可と判断された場合、順次磁気エンコード、ICエンコードを行ない、発行データを書き込む。その後、印刷(プリント)/シール貼りは、発行データのイメージデータで取得したデータをプリントします。プリントに際し、保護層も同時に形成することもできる。印刷後、シール貼りを実施することができる。
【0033】
これらの一連の作業が終わるとカードの発行が完了する。
発行が完了すると発行結果を管理システムに送信することができる。また、発行結果は、金融機関等、カードの発行者のシステムに送信することもできる。
発行が完了したカードは、発行端末のカード排出口から排出され、ユーザーが受け取ることができる。
このようにすることで、本人確認が必要なカードであっても、申込みから発行されたカード受領まで数分〜十数分程度と極短時間で行うことができる。また、カードに不良があっても、従来のようにカードを返送し、正常なカードを再送してもらうなどの手間や時間もかからず、すぐに再発行もできる。さらに、ユーザーが申し込んでからは、担当者、配送業者等の第三者を介さず、カード発行が可能であるため、第三者のミスや不正を防ぐことができる。
【0034】
次に本人確認システム3を用いた真贋判定手段について説明する。
真贋判定手段は、予め本人確認システムに登録されている真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて、解析した本人確認データと照合して真贋を判定することができる。
真贋判定ロジックテンプレートデータは、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関するデータを有する。
本人確認資料は解析手段により文字、画像のレイアウトを得ることができ、得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトは、照合手段により真贋判定ロジックテンプレートデータを照合し、一致すれば真正と判定し、一致しなければ真正でないと判定する。
また、真贋判定ロジックテンプレートデータを用いず、予め本人確認システムに氏名と固有番号などを登録しておき、本人確認データから氏名、固有番号などを読み出して照合することで判定してもよい。
【0035】
図6は、本人確認システム3を中心とした概略機能ブロック構成図である。以下図6を参照しながら詳細に説明する。
入力端末1は、スキャニングシステム等の読取部11を備える。本人確認システム3と入力端末1、発行端末6、管理システム7は、それぞれ、データの送受信可能なインターフェースを備え、ネットワーク5により接続される。ネットワーク5は、インターネットやLAN(Local Area Network)であり、有線、無線を問わない。
運転免許書等の本人確認資料2は読取部11によって、文字や画像のレイアウトや、氏名(漢字、ふり仮名、英文字)、生年月日、住所、郵便番号等の情報を取り込み、画像データ化し本人確認データとして記憶するとともに、ネットワークを介して申込データとともに本人確認システム3に送信される。
【0036】
本人確認システム3は、真贋判定手段を有する。真贋判定手段としては、例えば、真贋
判定ロジックテンプレート編集部31、真贋判定ロジックテンプレートデータ記憶部32、比較元フォント/画像記憶部33、暗号処理部34、HSM35、判定対象スキャニング画像キャッシュ部41、画像解析部42、OCRエンジン43、取得文字情報取得画像記録部44、真贋判定処理部45、真贋判定結果記録部46、真贋判定傾向分析学習AI47を備える。本人確認システム3は、コンピュータ等を用いたスタンドアロンシステムであっても良いし、ASP(Application Service Provider)などとしてネットワーク5を介して事業者等に提供されてもよい。
【0037】
真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、真贋判定用のロジックを生成するため
複数の本人確認資料2の外観(印刷面)を読み出して、本人確認資料2の表面に印刷された文字、画像、印章、記号等の配列、位置、文字フォントといったレイアウトを解析してレイアウトに関する真贋判定情報を取得する。また、本人確認システム3の管理者等が、本人確認資料2のレイアウトに関する既知の真贋判定情報、本人確認資料2に記載された情報の論理条件や数式計算条件等を収集し取得して、真贋判定ロジックテンプレート編集部31に入力し、真贋判定ロジックテンプレート編集部31はレイアウトに関する真贋判定情報として受付けることもできる。真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、取得した真贋判定情報を基に真贋判定ロジックを生成し、XML(Extensible Markup Language)などによって、本人確認資料2の種類、発行母体、発行事業所、発行世代、発行時期などの最小カテゴリー毎に真贋判定ロジックをテンプレート化する。
【0038】
真贋判定ロジックテンプレート記憶部32は、真贋判定ロジックテンプレート編集部31によって生成された真贋判定ロジックテンプレートを記憶する。比較元フォント/画像記憶部33は、比較元となる、本人確認資料2のフォントや画像に関する情報を記憶する。例えば、比較元フォント/画像記憶部33は、本人確認資料2に記載されたフォントの種類、色、サイズに関する情報、画像の色、コントラスト、明度に関する情報等を記憶する。
【0039】
暗号処理部34は、HSM(Hardware Security Module)35を用いて、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32、比較元フォント/画像記憶部33に記憶された情報を暗号化する。HSM35は、秘密鍵などの暗号化に必要な秘密情報を生成し、管理するモジュールである。HSM35は市販品でもよく、例えばFIPS(Federal Information Processing Standardization)140−2 Level3以上の規格を満たすHSM35を適用することができる。
【0040】
判定対象スキャニング画像キャッシュ部41は、スキャニングシステム24から送信される、真贋判定の対象となる本人確認データ21を一時的に記憶し、画像解析部42に送信する。ここでは、上述の様にスキャニングシステム24がスキャニングし画像化した本人確認データ21が本人確認システム3に送信されて記憶される例を説明するが、スキャニングされCD(Compact disk)等の記憶媒体に記憶された本人確認データ21が、本人確認システム3によって読み込まれて判定対象スキャニング画像キャッシュ部41に記憶される様にしても良い。
【0041】
画像解析部42は、判定対象スキャニング画像キャッシュ部41に記憶されている画像データ5を解析し、文字、画像、印章、記号等の配列や位置といった外観的特徴(レイアウト)を真贋判定対象情報として検出し、OCRエンジン43、真贋判定処理部45に送信する。OCRエンジン43は、画像解析部42によって検出された文字配列や画像等の認識処理を行い、取得文字情報取得画像記録部44、真贋判定処理部45に認識結果を送信する。このように、画像解析部42とOCRエンジン43とが画像化した本人確認デー
タ21を解析する。
【0042】
取得文字情報取得画像記録部44は、OCRエンジン43によって認識された文字や画像に関する認識結果を管理システム7に通知し、記憶させる。真贋判処理定部45は、画像解析部42によって解析された、文字、画像、印章、記号等の配列や位置といったレイアウトに関する真贋判定対象情報と、OCRエンジン43によって認識した文字や画像等の認識結果を基に対象となる本人確認資料2の真贋判定に適用する真贋判定ロジックテンプレートを真贋判定ロジックテンプレート記憶部32から読み出し、真贋判定処理、即ち、スキャニングされた本人確認資料2が本物であるか偽造されたものであるかの判定を行う。
【0043】
また、真贋判定処理部45は、対象となる本人確認資料2の比較元フォントあるいは比較元画像を、比較元フォント/画像記憶部33から読み出して、OCRエンジン43で読み取った認識結果と比較照合し、本人確認データ21の真贋判定、即ち、スキャニングされた本人確認資料2が本物であるか偽造されたものであるかの判定を行う。
【0044】
真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果を自身の記憶領域に記憶する。また、真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果をスキャニングシステム24(事業者)に通知する。また、真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果を管理システム7に通知、記憶させる。
【0045】
真贋判定傾向分析学習AI47は、真贋判定処理部45の真贋判定結果を基に、真贋判定対象情報の傾向分析を行う。真贋判定傾向分析学習AI47は、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶された真贋判定ロジックテンプレートのうち真贋判定エラー頻度が多い真贋判定ロジックを検出し、修正が必要な場合は修正を行い、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に再記憶する。
【0046】
次に、本人確認システム3の動作について説明する。図7は、本人確認システム3の真贋判定ロジックテンプレートの登録処理、真贋判定処理の流れの一例を示す図である。図7において、本人確認資料2の真贋判定サービスの提供者は、様々な種類の本人確認資料2の真贋判定ロジックを収集し、本人確認システム3に入力する(ST101)。本人確認システム3の真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、真贋判定ロジックの入力を受付、発行母体、発行時期などの最小カテゴリー毎に真贋判定ロジックをテンプレート化し(ST102)、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶する(ST103)。ここで、真贋判定ロジックテンプレートは暗号処理部34によってHSM35を用いて暗号化され、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶される。
【0047】
ST101における真贋判定ロジックの収集は、真贋判定サービス提供者が様々な本人確認資料2のサンプルを収集して解析し入力する。また、真贋判定サービス提供者が収集した本人確認資料2のサンプルのOCR等を含むスキャニング処理を行い、解析して入力することも可能である。真贋判定サービス提供者としては、カード発行業者などの外部事業者があげられる。また、本人確認資料2の種類によっては、その本人確認資料2の発行母体が、真贋判定サービス提供者として真贋判定ロジックを公開、提供している場合もあり、それらをそのまま真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に対して入力することも可能である。
【0048】
図8は、真贋判定ロジックの一例を示す図である。図9は、図8に示す真贋判定ロジックをテンプレート化した真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。図8に示す真贋判定ロジックは、例えば、本人確認資料2である保険証の氏名記載欄に記載された姓名の文字配列を判定するための真贋判定ロジックである。
【0049】
ここで、図8に示す真贋ロジックは、本保険証を発行した発行母体は「××健康保険組合」であること、氏名文字列において、「姓」が「2文字」、「名」が「2文字」の場合は、姓名の文字配列が「スペース、文字、スペース2つ、文字、スペース3つ、文字、スペース2つ、文字、スペース(図9では白丸がスペースを、黒丸が文字を示す)」となり、文字間のスペースの数は左端から数えて「1・2・3・2」であることを示す。また、「姓」が「2文字」、「名」が「3文字」の場合は、姓名の文字配列が「スペース、文字、スペース、文字、スペース3つ、文字、スペース、文字、スペース、文字、スペース」となり、文字間のスペースの数は左端から数えて「1・1・3・1・1」であることを示す。本人確認資料2の発行母体により文字配列が決まっている場合は、図8に示す様に発行母体に対応させて真贋判定ロジックを入力する。
【0050】
図9に示す真贋判定ロジックテンプレートデータ8は、図8に示す文字配列に関する真贋判定ロジックをXMLでテンプレート化した真贋判定ロジックテンプレートである。真贋判定ロジックテンプレート8において、符号81は、保険証の発行母体が「××健康保険組合」であることを示し、符号81は、氏名記入欄の文字列で「姓」が「2文字」、「名」が「2文字」の場合は「×○××○×××○××○×」(×はスペース、○は文字を示す)という文字配列になることを示し、符号82は、氏名記入欄の文字列で「姓」が「2文字」、「名」が「3文字」の場合は「×○×○×××○×○×○×」という文字配列になることを示す。
【0051】
次に、本人確認システム3による本人確認資料2の判定処理について説明する。図7において、入力端末の読取部11で真贋判定の対象となる本人確認資料2をスキャニングし(ST201)、画像化された本人確認データ21を本人確認システム3に送信する。本人確認システム3の判定対象スキャニング画像キャッシュ部41は、本人確認データ21を取り込み(ST202)、画像解析部42に送信する。画像解析部42は、本人確認データ21の外観的特徴(レイアウト)の解析を行い、OCRエンジ43は本人確認データ21の文字や画像を識別する(ST203)。
【0052】
ST203では、例えば、画像解析部42が、本人確認データ21の画像の特徴点を検出し、その特徴点を基点として本人確認データ21における画像や文字列の位置や大きさ等を検出し、OCRエンジン43は、検出された画像や文字列の位置や大きさ等を参照して、文字列の文字認識、フォントの書体、色、サイズの認識、画像の色(本人確認資料2に使用されている色を含めて)等を認識する。
【0053】
ST203の解析結果(真贋判定対象情報)は真贋判定処理部45に通知される。真贋判定処理部45は、通知された本人確認データ21の解析結果と、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータとを用いて本人確認データ21、即ち本人確認資料2の真贋の判定を行う(ST204)。判定方法としては、文字列や画像の位置、配列等の真贋判定ロジックテンプレートとその解析結果のマッチングを調べて、真贋の判定を行う方法がある。
【0054】
更に、判定情報が不足する場合は、真贋判定処理部45は、解析結果から得られた本人確認資料2に記載された文字情報を読み出し、管理システム7から本人確認資料2を発行する際に記憶された本人確認資料2の所有者の情報を読み出し、両者を比較して判定することも可能である。また、本人確認システム3又は管理システム7に、本人確認資料2の所有者に関する過去の判定履歴やブラックリストデータベースの情報を記憶させておき、真贋判定処理部45は、解析結果から得られた本人確認資料2に記載された文字情報を読み出し、過去の判定履歴やブラックリストデータベースの情報を参照して判定することも可能である。
【0055】
図7に戻り、ST204で真贋判定処理部45が本人確認データ21を「真(本物である)」と判断した場合、真贋判定処理部25は、管理システム7に判定結果を通知する。このとき管理システムでは判定結果を確認することができる(ST205)。管理システム7では、本人確認資料2が正しい場合、申込データから発行データの生成処理に入る。
【0056】
ST204で真贋判定処理部45が本人確認データ21を「贋(偽造品である)」と判断した場合、管理システムでは、発行データの生成を行わないものとする。なお、エラーの通知を入力端末、発行端末に送信してもよい。
また、判定結果を本人確認システムや管理システムに記憶してもよい(ST207)。
【0057】
真贋判定傾向分析学習AI47は、判定結果後も判定結果のエラーに関する情報の入力を受付(ST206)、必要であれば、真贋判定ロジックテンプレートデータを更新して記憶する(ST207)。真贋判定傾向分析学習AI47は、例えば、同じ種類の本人確認資料2において、同じ文字列の真贋判定におけるエラーが多数あった場合に、真贋判定ロジックの見直しを管理者等に通知してもよい。また、同じ発行母体の本人確認資料2において判定エラーが多数あった場合は、本人確認資料2のレイアウトが変更された可能性もあるため、本人確認システム3はその旨を管理者等に通知し、管理者は真贋判定ロジックを発行母体に確認することも可能である。
【0058】
次に、図7のST204における真贋判定処理部45による真贋判定ロジックテンプレートデータと本人確認データ21の解析結果のマッチングによる判定について説明する。
図10は、判定対象となる本人確認資料2の一例を示す図である。図10に示す本人確認資料2の一例は、写真付の社員証9である。社員証9には、事業所名91、氏名92、社員番号93、顔画像94、有効期限95等が印刷されている。
【0059】
社員証9が入力端末の読取部11でスキャンされると、画像化された本人確認データ21は本人確認システム3に送信され、画像解析部42によって解析され、OCRエンジン43によって文字や画像の認識が行われる。その解析結果、認識結果は真贋判定処理部45に通知される。
【0060】
真贋判定処理部45は、OCRエンジン43による事業所名91の認識結果から、発行母体が事業所名91である真贋判定ロジックテンプレートを真贋判定ロジックテンプレート記憶部12から読み出す。図11は、図10に示す本人確認資料2用の真贋判定ロジックテンプレートの一例を示す図である。図11に示す真贋判定ロジックテンプレートにおける符号101は事業所名91と一致する。これは、図11に示す真贋判定ロジックテンプレートが事業所名91に属する社員の社員証9の真贋判定を行うための真贋判定ロジックテンプレートであることを意味する。
【0061】
真贋判定処理部45は、社員証9の本人確認データ21の解析認識結果と、図11に示す真贋判定ロジックテンプレートとのマッチングを行う。真贋判定処理部45は、図10に示す氏名92の位置、文字配列の認識結果が、真贋判定ロジックテンプレートの符号102と一致するかどうかを調べる。真贋判定ロジックテンプレートの符号102は、図9で説明したものと同様の文字配列の真贋判定ロジックテンプレートである。
【0062】
次に、真贋判定処理部45は、図10に示す社員番号93の本人確認データ21の認識結果が図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号103に一致するかどうかを判定する。真贋判定ロジックテンプレートの符号103は、社員番号に関する「AA事業所(事業所名91)」の特有の計算ロジックであり、真贋判定処理部45は、認識された社員番号93がその計算ロジックに適合した番号かどうかを調べる。また、図9に示す真贋
判定ロジックテンプレートの符号94は、数字フォントの画像が格納されている比較元フォント/画像記憶部33のパスを示す。真贋判定処理部45は、図10に示す社員番号93の本人確認データ21の認識結果から社員番号93の数字のフォントと、真贋判定ロジックテンプレートの符号104に記載されたパスに格納されたフォントと一致するかどうかを判定する。
【0063】
図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号105は、顔画像94の位置座標を示す真贋判定ロジックであり、例えば、社員証9の本人確認データ21における特徴点を基準点としたときの顔画像の左下x座標と左下y座標を示す。画像解析部42は、本人確認データ21の特徴点を抽出し、社員証9における顔画像94の位置座標を求め、真贋判定処理部45に通知する。真贋判定処理部45は、画像解析部42が求めた顔画像94の位置座標と、真贋判定ロジックテンプレートの符号105とが一致するかどうかを判定する。なお、ここでは顔画像94の位置を例に説明したが、その他の文字列や印章等の位置に関して同様に真贋判定することが可能である。
【0064】
図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号106は、社員証の有効期限に関する真贋判定ロジックを示し、例えば、「読み取った有効期限は、現在の日付以降でなくてはならない」という日付に関する条件を示すものである。真贋判定処理部45は、社員証9の本人確認データ21の認識結果から読み出した有効期限95が、真贋判定ロジックテンプレートの符号106の条件を満足するかどうかを判定する。
【0065】
以上述べた様に、真贋判定処理部45は、本人確認資料2の本人確認データ21の解析結果、認識結果と真贋判定ロジックテンプレートとをマッチングして、全ての真贋判定ロジックテンプレートに対して正しいと判定された本人確認資料2を本物であると判定する。なお、真贋判定処理部45による真贋判定ロジックの他の例として、チェックディジットを用いてもよい。また、色の明度に関する情報等を真贋判定に用いてもよい。また、本実施の形態では社員証を例に真贋判定処理を説明したが、本人確認資料2としては、保険証、運転免許証、会員証、本人確認資料2のコピーなどにおいても、その外観的特徴(レイアウト)を抽出し、真贋判定ロジックテンプレートとをマッチングして真贋判定を行うことが可能である。
【0066】
また、真贋判定ロジックテンプレートデータが、発行者又は発行母体毎に登録されており、真贋判定手段は、最初に本人確認データから発行者又は発行母体を認識し、発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを選択し、本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合してもよい。
【0067】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより真贋判定を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置の事をいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)の様に、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシス
テムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)の様に情報を伝送する機能を有する媒体の事をいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0068】
1・・・入力端末
11・・読取部
2・・・本人確認資料(本人確認資料のコピー)
21・・本人確認データ
3・・・本人確認システム
31・・真贋判定ロジックテンプレート編集部
32・・真贋判定ロジックテンプレート記憶部
33・・比較元フォント/画像記憶部
34・・暗号処理部
35・・HSM
41・・判定対象スキャニング画像キャッシュ部
42・・画像解析部
43・・OCRエンジン
44・・取得文字情報取得画像記録部
45・・真贋判定処理部
46・・真贋判定結果記録部
47・・真贋判定傾向分析学習AI
6・・・発行端末
7・・・管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの発行業務に利用可能なカード発行システム及びカード発行方法に関する。特に、申込書作成、申込者本人の確認、カード発行等の一連の作業を自動化したカード発行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばクレジットカードやキャッシュカード等は、高度のセキュリティが要求されるため大規模なカード発行システムにより発行されるカード発行方法が一般的である。
【0003】
カード発行会社は、本人確認のとれているユーザが記入したクレジットカードやキャッシュカード等の申込書(申請書)に基づいて、入会審査(必要に応じ与信審査)を実行し、審査結果が容認であれば、以下のカード発行処理に移行する。
【0004】
まず、カード発行会社は、ユーザの個人データ(カードに記録すべき入力データ)を作成し、カード発行システムに提供する。カード発行システムは、一般的にはカード発行会社以外の印刷会社などにより管理されており、一度に多数枚のカードを発行できる大型カード発行機を備えている。カード発行システムは、カード認証用の署名データ(カード固有データ)と、カード発行会社から提供される個人データとを編集し、磁気テープやICチップに書き込みしたカードを発行する。発行されたカードは各ユーザ個人を特定するため、一般的にはユーザ毎に書留による郵送で配布される。
【0005】
具体的には一例としては、図2に示したような構成で、図1に示したフローのようにカードの発行を行っている。即ち、金融機関等の店舗窓口にユーザーが、口座開設等のカード申込書を本人確認資料と共に窓口に提出する。申込書は、本人用、銀行控え、通帳作成用、カード作成用など4〜5枚つづりの複写伝票になっていて、1枚目の情報が5枚目まで、うまく複写できない場合もある。
【0006】
本人確認資料としては、運転免許書等がいられている。ユーザーの本人確認、申込書の記載事項確認後、窓口により、申込データの端末入力がなされ、管理システムへ送られる。管理システムではカード用データを作成し、カード発行端末でカードを発行し、郵送によりユーザーへ郵送される。このカード用データ作成、カード発行、ユーザーへのカード送付はカード発行システムが行うことが多い。
なお、店舗の入力端末から入力された個人情報は、カード用データを作成する管理サーバーにデータを送信する前に、金融機関等のカード発行者の管理サーバー等で審査などをすることもある。
【0007】
このような従来のカード発行方法では大型の設備となり、少数枚のカード発行にはコスト面で不向きである。また、実際に発行されたカードが、各ユーザに届けられるまで、かなり時間を要する。ビジネスの観点からは、店舗などで代金決済の際に、ユーザからの要求に応じて1枚単位のカードを自動で即時に発行できることが望ましい。しかしながら、カードの発行は、本人確認が必要であったり、高度のセキュリティ機能を有した発行が要求されるため、単に店舗などに小型のカード発行機を設置するだけでは実現することが難しい。また、クレジットカードとして使用するカードの発行においては、さらに与信審査の手続も必要となる。
【0008】
その様な要望の中、ユーザの申請に応じて、ICカードの発行に必要な与信審査、及び所定の入力データをICカード規格の記録形式の記録形式データに変換してICカードに
記録する一連の手順を、高度のセキュリティを確保して実行し、1枚単位のICカードを即時発行可能なICカード発行装置が提案されている(特許文献1)。
【0009】
しかしながら、これは申込みを受けた後のカード発行に関してのものであり、店舗窓口の担当者が、ユーザが手書きで書いて提出された複写伝票形式の口座開設依頼書(申込書)と本人確認書類に基づき、本人確認と口座開設情報が作成されていたため、発行までの時間がかかるなどの問題がある。
また入力ミスや、複写伝票の複写が不十分で、印字が不鮮明となるといった問題が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−203207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ユーザのカード申込から、本人確認、カード発行までを自動化し、効率良くすることで短時間でカードを発行できるカード発行システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、本発明は、少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を有するカード発行システムであって、該入力端末が、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力手段、本人確認データ入力手段、及び申込データを管理システムに送信する申込データ送信手段と本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信手段を有し、該本人確認システムが、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段、該真贋判定手段により判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有し、該管理システムが、入力端末から申込データを受信する申込データ受信手段と、本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信手段と、該真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成手段、該発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信手段有し、該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信手段、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込手段とを有することを特徴とするカード発行システムとする。
【0013】
また、前記入力端末の本人確認データ入力手段が、本人確認資料あるいは前記本人確認資料のコピーを読取る本人確認資料読取部と、読取った本人確認資料から本人確認データを生成する本人確認データ生成部を有し、前記本人確認システムの真贋判定手段が、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関する真贋判定ロジックテンプレートデータと、本人確認データを解析し文字、画像のレイアウトを得る画像解析部と、得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを比較照合して真贋の判定をする判定処理部を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記真贋判定ロジックテンプレートデータが本人確認資料の発行者又は発行母体に対応しており、前記真贋判定手段が、本人確認データから発行者又は発行母体を認識する手段を有し、発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合することを特徴とする。
【0015】
また、前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料に記載された文字に使用するフォントデータを含み、前記画像解析部が、本人確認データの文字に使用されるフォントを認識し、前記判定処理部が、認識された本人確認データの文字に使用されるフォントと、ロジックテンプレートデータのフォントデータとを照合し判定することを特徴とする。
【0016】
また、前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料の日付の条件を含み、前記画像解析部が、本人確認データの日付を認識し、前記判定処理部が、認識された本人確認データの日付と、ロジックテンプレートデータの日付を照合することを特徴とする。
【0017】
また、少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を用いたカード発行方法であって、該入力端末に、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力ステップと、本人確認データ入力する本人確認データ入力ステップと、入力端末から申込データを管理システムに送信する申込データ送信ステップと、本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信ステップと、本人確認システムが入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信ステップと、本人確認システムで本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定ステップと、真贋判定手段により判断された真贋判定結果を本人確認システムから管理システムに送信する真贋判定結果送信ステップと、管理システムが入力端末から申込データを受信する申込データ受信ステップと、管理システムが本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信ステップと、真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成ステップと、発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信ステップと、該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信ステップと、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込ステップと、を有することを特徴とするカード発行方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカード発行システムによれば、ユーザのカード申込から、本人確認、カード発行までを自動化できるため、短時間でカードを発行できる。
また、申込データの入力ミスや、複写伝票の複写が不十分で、印字が不鮮明となるといった問題を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のカード発行システムの一例を示したフロー図である。
【図2】従来のカード発行システムの一例を示した構成図である。
【図3】本発明のカード発行システムの一例を示したフロー図である。
【図4】本発明のカード発行システムの一例を示した構成図である。
【図5】本発明のカード発行システムの一例を示したシーケンス図である。
【図6】本発明に用いる本人確認システムの一例を示した構成図である。
【図7】本発明に用いる真贋判定手段の一例を示したシーケンス図である。
【図8】本発明に用いる文字配列の真贋判定ロジックの一例を示す図である。
【図9】本発明に用いる文字配列の真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。
【図10】本発明に用いる本人確認資料の一例を示す図である。
【図11】本発明に用いる真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図3は、本発明のカード発行システムの一例を示したフロー図で、図4は本発明のカード発行システムの一例を示した概念図であり、図5本発明のカード発行システムの一例を示したシーケンス図である。
以下、図3、図4を参照しながら説明する。
【0021】
銀行などの店舗には、ユーザー等がカードの申込のための申込データを入力する入力端末が設置されている。この入力端末には、本人確認資料(又はそのコピー)を読み込む機能が搭載されている。なお、申込データ入力部と本人確認読み込み部は分離して設置してあってもよい。
入力端末は、記憶部、演算部、モニター、キーボードと、外部システム等とデータの送受信可能な通信手段(ネットワークと通信可能なインタフェース等)等を備えている。
ここでカードとしては、磁気カード、接触式または非接触式ICカード、磁気及びICを備えたカード、接触及び非接触通信可能なデュアルICカードなどがあげられる。また、カードの用途としては、キャッシュカード、クレジットカード、バンクカード、デビットカード、ポイントカード、ギフトカード、会員カードなどがあげられる。
【0022】
申込データは、カードによって異なる場合があるが、例えば「氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、その他アンケート」などの項目があげられる。
申込データ入力手段としては、キーボードを用いて入力手段を用いることができる。また、複数種のカードに対応している場合、ここでカードの種類を指定入力することもできる。
さらに、申込データ入力手段として、予めユーザーの所有する携帯端末などに入力した情報をICや赤外線などの通信手段によって入力端末に送信する手段を用いてもよい。
【0023】
また、後述する本人確認資料入力時に、読込んだ本人確認情報のうち、申込データに用いることができる項目を自動入力してもよい。具体的には、入力端末にOCR機能を持たせ、読み込んだ本人確認資料からテキストデータ化して自動入力してもよいし、後述する本人確認システムに備えたOCR機能によりテキスト化したデータを送信することにより自動入力してもよい。
この場合、自動入力後、確認画面等で内容確認・修正や、足りない項目の追加入力をすることができる。
【0024】
また、入力端末には本人確認データ入力手段を備える。本人確認データ入力手段は、例えば、運転免許書、保険証、住基カード、パスポート、その他IDカード等の本人確認資料またはそのコピーを読取りすることができる本人確認資料読取部を備える。本人確認資料読取部は光学的な読取技術を用いたいわゆるスキャナーを用いることができる。読取った本人確認資料は、本人確認データ生成部で画像データ等の形式に変換し、本人確認データを生成する。
【0025】
入力された申込データ、本人確認データは、それぞれ申込データ送信手段により管理システムに送信、本人確認データ送信手段により本人確認システムに送信する。
申込データ送信手段、本人確認データ送信手段としては、有線または無線の通信回線のインターフェースを用いることができる。
【0026】
管理システムは、カードの発行データを生成や、カードのデータ管理をするシステムであり、本人確認システムは本人確認資料の真贋を判定するシステムである。この管理システム、本人確認システムは、店舗外に設置されており、各店舗の入力端末、カード発行端末とネットワークにより接続されている。管理システム、本人確認システムはネットワークと通信可能なインターフェースを備え、データの送受信が可能となっている。
管理システム、本人確認システムは例えば、カード発行業者などの外部事業者に設置してもよい。また、外部システムは、金融機関などのシステムと接続されていてもよい。
本人確認システムは、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段と、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段と、真贋判定手段により
判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有する。
真贋判定手段では、受信した本人確認データが真正なものか否かを判定する。判定は、例えば、入力端末か本人確認システムで本人確認データをテキスト化し、予め登録されている申込者のデータとの比較により行ってもよいし、後述する真贋判定ロジックテンプレートデータを用いてもよい。
なお、本人確認システムは、入力端末と一体化してもよい。一体化する場合は、内部の回路によりデータの送受信ができる。
【0027】
カード発行端末は入力端末と同じく銀行などの店舗に設置されており、ユーザー等がカードを申し込むと、一定時間後その場で発行されたカードを受け取ることができる。
カード発行端末は、ネットワークと通信可能なインターフェースを備え、管理システムから発行データの受信が可能となっており、受信した発行データをカードに書込むことができる。また、データ書込手段や必要に応じて、印刷手段、シーリング(シール貼り付け)手段、エンボス加工手段、保護フィルム貼り付け手段を有する。
【0028】
図5は、本発明のカードの申込から発行までの流れの一例を示すシーケンス図である。以下、図5を参照しながら説明する。
従来は、ユーザーが事前にまたはその場で記入した申込用紙と本人確認資料を窓口に申請し、店舗担当者による本人確認がなされた後に、店舗端末に申込データを入力し、カード発行会社でカードを発行してユーザーに郵送していたが、本発明のカード発行システムを用いることにより、店舗担当者によるユーザーの記入した文字の誤読等による入力ミスがなくなり、またその場でカードを発行できるためスピーディーになる。更に複写伝票を使用する場合に、1枚目の情報が2枚目以降、うまく複写できないことに起因する文字の誤読による入力ミスもなくなる。
【0029】
図5において、まず店舗等にある入力端末によりユーザー等が申込データ、本人確認資料の入力をする。所定の項目の入力が完了すると、申込データ、本人確認資料から生成された本人確認データがそれぞれ管理システム、本人確認システムに送信される。
管理システムでは申込データのチェックをすることができる。
本人確認システムでは、後述で詳細に説明するように、本人確認データから真贋判定を行う。
【0030】
管理システムでは、本人確認システムから本人確認処理の結果として真贋判定結果を受信し、本人確認資料2が正しいと判定されており、申込データのチェックでもエラーが生じなかった場合、申込データから発行データの生成を行う。
なお、カードの種類、用途に応じては、与信チェックやブラックリスト対象か否かのチェックなどを行ってもよい。これらのチェックは管理システム内に予めチェック用のデータ、プログラムを持っていてもよいし、外部のシステムと通信することによって行ってもよい。
【0031】
データ編集処理で各券種に応じた発行データの編集を行う。また、このタイミングで店頭等にある発行端末に発行準備の指示を出してもよい。
次に、データ編集処理で発行データの編集を行い、データ生成処理でカード発行データを生成する。ここで、カードとしては、磁気カード、ICカードなどがあげられ、それぞれのカードを発行するために必要なデータを生成・付加し、カード発行データの編集を行う。なお、複数種、複数用途のカード発行に対応している場合は、指定のカードに応じた発行データの編集、発行データの生成をする。
【0032】
発行データの生成がなされると、発行端末へ発行データ送信を行う。
発行データを受信したら予め発行端末にセットされているカードに発行データを書込む
。なお、カードが複数種ある場合は、指定のカードが自動的に選択されるようにすることができる。例えば、指定のカードの選択は、セットされているカードの磁気データ又はICに記録されているデータから、所望のカードか否かを判断し選択することができる。
また、必要に応じて、磁気エンコード、ICエンコードを行ってから発行データを書き込むことができる。さらに、発行データ書込み後、必要に応じてプリント/シール貼りを行うこともできる。
磁気及びICを備えたカードの例でより詳しく説明すると、例えば、発行端末がカード発行データのイメージデータ受領し、カード発行データからカード選択する。これにより、発光端末にストックされている未発行のカードの残量を確認して、発行できるかの可否を判断する。発行可と判断された場合、順次磁気エンコード、ICエンコードを行ない、発行データを書き込む。その後、印刷(プリント)/シール貼りは、発行データのイメージデータで取得したデータをプリントします。プリントに際し、保護層も同時に形成することもできる。印刷後、シール貼りを実施することができる。
【0033】
これらの一連の作業が終わるとカードの発行が完了する。
発行が完了すると発行結果を管理システムに送信することができる。また、発行結果は、金融機関等、カードの発行者のシステムに送信することもできる。
発行が完了したカードは、発行端末のカード排出口から排出され、ユーザーが受け取ることができる。
このようにすることで、本人確認が必要なカードであっても、申込みから発行されたカード受領まで数分〜十数分程度と極短時間で行うことができる。また、カードに不良があっても、従来のようにカードを返送し、正常なカードを再送してもらうなどの手間や時間もかからず、すぐに再発行もできる。さらに、ユーザーが申し込んでからは、担当者、配送業者等の第三者を介さず、カード発行が可能であるため、第三者のミスや不正を防ぐことができる。
【0034】
次に本人確認システム3を用いた真贋判定手段について説明する。
真贋判定手段は、予め本人確認システムに登録されている真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて、解析した本人確認データと照合して真贋を判定することができる。
真贋判定ロジックテンプレートデータは、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関するデータを有する。
本人確認資料は解析手段により文字、画像のレイアウトを得ることができ、得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトは、照合手段により真贋判定ロジックテンプレートデータを照合し、一致すれば真正と判定し、一致しなければ真正でないと判定する。
また、真贋判定ロジックテンプレートデータを用いず、予め本人確認システムに氏名と固有番号などを登録しておき、本人確認データから氏名、固有番号などを読み出して照合することで判定してもよい。
【0035】
図6は、本人確認システム3を中心とした概略機能ブロック構成図である。以下図6を参照しながら詳細に説明する。
入力端末1は、スキャニングシステム等の読取部11を備える。本人確認システム3と入力端末1、発行端末6、管理システム7は、それぞれ、データの送受信可能なインターフェースを備え、ネットワーク5により接続される。ネットワーク5は、インターネットやLAN(Local Area Network)であり、有線、無線を問わない。
運転免許書等の本人確認資料2は読取部11によって、文字や画像のレイアウトや、氏名(漢字、ふり仮名、英文字)、生年月日、住所、郵便番号等の情報を取り込み、画像データ化し本人確認データとして記憶するとともに、ネットワークを介して申込データとともに本人確認システム3に送信される。
【0036】
本人確認システム3は、真贋判定手段を有する。真贋判定手段としては、例えば、真贋
判定ロジックテンプレート編集部31、真贋判定ロジックテンプレートデータ記憶部32、比較元フォント/画像記憶部33、暗号処理部34、HSM35、判定対象スキャニング画像キャッシュ部41、画像解析部42、OCRエンジン43、取得文字情報取得画像記録部44、真贋判定処理部45、真贋判定結果記録部46、真贋判定傾向分析学習AI47を備える。本人確認システム3は、コンピュータ等を用いたスタンドアロンシステムであっても良いし、ASP(Application Service Provider)などとしてネットワーク5を介して事業者等に提供されてもよい。
【0037】
真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、真贋判定用のロジックを生成するため
複数の本人確認資料2の外観(印刷面)を読み出して、本人確認資料2の表面に印刷された文字、画像、印章、記号等の配列、位置、文字フォントといったレイアウトを解析してレイアウトに関する真贋判定情報を取得する。また、本人確認システム3の管理者等が、本人確認資料2のレイアウトに関する既知の真贋判定情報、本人確認資料2に記載された情報の論理条件や数式計算条件等を収集し取得して、真贋判定ロジックテンプレート編集部31に入力し、真贋判定ロジックテンプレート編集部31はレイアウトに関する真贋判定情報として受付けることもできる。真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、取得した真贋判定情報を基に真贋判定ロジックを生成し、XML(Extensible Markup Language)などによって、本人確認資料2の種類、発行母体、発行事業所、発行世代、発行時期などの最小カテゴリー毎に真贋判定ロジックをテンプレート化する。
【0038】
真贋判定ロジックテンプレート記憶部32は、真贋判定ロジックテンプレート編集部31によって生成された真贋判定ロジックテンプレートを記憶する。比較元フォント/画像記憶部33は、比較元となる、本人確認資料2のフォントや画像に関する情報を記憶する。例えば、比較元フォント/画像記憶部33は、本人確認資料2に記載されたフォントの種類、色、サイズに関する情報、画像の色、コントラスト、明度に関する情報等を記憶する。
【0039】
暗号処理部34は、HSM(Hardware Security Module)35を用いて、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32、比較元フォント/画像記憶部33に記憶された情報を暗号化する。HSM35は、秘密鍵などの暗号化に必要な秘密情報を生成し、管理するモジュールである。HSM35は市販品でもよく、例えばFIPS(Federal Information Processing Standardization)140−2 Level3以上の規格を満たすHSM35を適用することができる。
【0040】
判定対象スキャニング画像キャッシュ部41は、スキャニングシステム24から送信される、真贋判定の対象となる本人確認データ21を一時的に記憶し、画像解析部42に送信する。ここでは、上述の様にスキャニングシステム24がスキャニングし画像化した本人確認データ21が本人確認システム3に送信されて記憶される例を説明するが、スキャニングされCD(Compact disk)等の記憶媒体に記憶された本人確認データ21が、本人確認システム3によって読み込まれて判定対象スキャニング画像キャッシュ部41に記憶される様にしても良い。
【0041】
画像解析部42は、判定対象スキャニング画像キャッシュ部41に記憶されている画像データ5を解析し、文字、画像、印章、記号等の配列や位置といった外観的特徴(レイアウト)を真贋判定対象情報として検出し、OCRエンジン43、真贋判定処理部45に送信する。OCRエンジン43は、画像解析部42によって検出された文字配列や画像等の認識処理を行い、取得文字情報取得画像記録部44、真贋判定処理部45に認識結果を送信する。このように、画像解析部42とOCRエンジン43とが画像化した本人確認デー
タ21を解析する。
【0042】
取得文字情報取得画像記録部44は、OCRエンジン43によって認識された文字や画像に関する認識結果を管理システム7に通知し、記憶させる。真贋判処理定部45は、画像解析部42によって解析された、文字、画像、印章、記号等の配列や位置といったレイアウトに関する真贋判定対象情報と、OCRエンジン43によって認識した文字や画像等の認識結果を基に対象となる本人確認資料2の真贋判定に適用する真贋判定ロジックテンプレートを真贋判定ロジックテンプレート記憶部32から読み出し、真贋判定処理、即ち、スキャニングされた本人確認資料2が本物であるか偽造されたものであるかの判定を行う。
【0043】
また、真贋判定処理部45は、対象となる本人確認資料2の比較元フォントあるいは比較元画像を、比較元フォント/画像記憶部33から読み出して、OCRエンジン43で読み取った認識結果と比較照合し、本人確認データ21の真贋判定、即ち、スキャニングされた本人確認資料2が本物であるか偽造されたものであるかの判定を行う。
【0044】
真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果を自身の記憶領域に記憶する。また、真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果をスキャニングシステム24(事業者)に通知する。また、真贋判定結果記録部46は、真贋判定処理部45の判定結果を管理システム7に通知、記憶させる。
【0045】
真贋判定傾向分析学習AI47は、真贋判定処理部45の真贋判定結果を基に、真贋判定対象情報の傾向分析を行う。真贋判定傾向分析学習AI47は、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶された真贋判定ロジックテンプレートのうち真贋判定エラー頻度が多い真贋判定ロジックを検出し、修正が必要な場合は修正を行い、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に再記憶する。
【0046】
次に、本人確認システム3の動作について説明する。図7は、本人確認システム3の真贋判定ロジックテンプレートの登録処理、真贋判定処理の流れの一例を示す図である。図7において、本人確認資料2の真贋判定サービスの提供者は、様々な種類の本人確認資料2の真贋判定ロジックを収集し、本人確認システム3に入力する(ST101)。本人確認システム3の真贋判定ロジックテンプレート編集部31は、真贋判定ロジックの入力を受付、発行母体、発行時期などの最小カテゴリー毎に真贋判定ロジックをテンプレート化し(ST102)、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶する(ST103)。ここで、真贋判定ロジックテンプレートは暗号処理部34によってHSM35を用いて暗号化され、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶される。
【0047】
ST101における真贋判定ロジックの収集は、真贋判定サービス提供者が様々な本人確認資料2のサンプルを収集して解析し入力する。また、真贋判定サービス提供者が収集した本人確認資料2のサンプルのOCR等を含むスキャニング処理を行い、解析して入力することも可能である。真贋判定サービス提供者としては、カード発行業者などの外部事業者があげられる。また、本人確認資料2の種類によっては、その本人確認資料2の発行母体が、真贋判定サービス提供者として真贋判定ロジックを公開、提供している場合もあり、それらをそのまま真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に対して入力することも可能である。
【0048】
図8は、真贋判定ロジックの一例を示す図である。図9は、図8に示す真贋判定ロジックをテンプレート化した真贋判定ロジックテンプレートデータの一例を示す図である。図8に示す真贋判定ロジックは、例えば、本人確認資料2である保険証の氏名記載欄に記載された姓名の文字配列を判定するための真贋判定ロジックである。
【0049】
ここで、図8に示す真贋ロジックは、本保険証を発行した発行母体は「××健康保険組合」であること、氏名文字列において、「姓」が「2文字」、「名」が「2文字」の場合は、姓名の文字配列が「スペース、文字、スペース2つ、文字、スペース3つ、文字、スペース2つ、文字、スペース(図9では白丸がスペースを、黒丸が文字を示す)」となり、文字間のスペースの数は左端から数えて「1・2・3・2」であることを示す。また、「姓」が「2文字」、「名」が「3文字」の場合は、姓名の文字配列が「スペース、文字、スペース、文字、スペース3つ、文字、スペース、文字、スペース、文字、スペース」となり、文字間のスペースの数は左端から数えて「1・1・3・1・1」であることを示す。本人確認資料2の発行母体により文字配列が決まっている場合は、図8に示す様に発行母体に対応させて真贋判定ロジックを入力する。
【0050】
図9に示す真贋判定ロジックテンプレートデータ8は、図8に示す文字配列に関する真贋判定ロジックをXMLでテンプレート化した真贋判定ロジックテンプレートである。真贋判定ロジックテンプレート8において、符号81は、保険証の発行母体が「××健康保険組合」であることを示し、符号81は、氏名記入欄の文字列で「姓」が「2文字」、「名」が「2文字」の場合は「×○××○×××○××○×」(×はスペース、○は文字を示す)という文字配列になることを示し、符号82は、氏名記入欄の文字列で「姓」が「2文字」、「名」が「3文字」の場合は「×○×○×××○×○×○×」という文字配列になることを示す。
【0051】
次に、本人確認システム3による本人確認資料2の判定処理について説明する。図7において、入力端末の読取部11で真贋判定の対象となる本人確認資料2をスキャニングし(ST201)、画像化された本人確認データ21を本人確認システム3に送信する。本人確認システム3の判定対象スキャニング画像キャッシュ部41は、本人確認データ21を取り込み(ST202)、画像解析部42に送信する。画像解析部42は、本人確認データ21の外観的特徴(レイアウト)の解析を行い、OCRエンジ43は本人確認データ21の文字や画像を識別する(ST203)。
【0052】
ST203では、例えば、画像解析部42が、本人確認データ21の画像の特徴点を検出し、その特徴点を基点として本人確認データ21における画像や文字列の位置や大きさ等を検出し、OCRエンジン43は、検出された画像や文字列の位置や大きさ等を参照して、文字列の文字認識、フォントの書体、色、サイズの認識、画像の色(本人確認資料2に使用されている色を含めて)等を認識する。
【0053】
ST203の解析結果(真贋判定対象情報)は真贋判定処理部45に通知される。真贋判定処理部45は、通知された本人確認データ21の解析結果と、真贋判定ロジックテンプレート記憶部32に記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータとを用いて本人確認データ21、即ち本人確認資料2の真贋の判定を行う(ST204)。判定方法としては、文字列や画像の位置、配列等の真贋判定ロジックテンプレートとその解析結果のマッチングを調べて、真贋の判定を行う方法がある。
【0054】
更に、判定情報が不足する場合は、真贋判定処理部45は、解析結果から得られた本人確認資料2に記載された文字情報を読み出し、管理システム7から本人確認資料2を発行する際に記憶された本人確認資料2の所有者の情報を読み出し、両者を比較して判定することも可能である。また、本人確認システム3又は管理システム7に、本人確認資料2の所有者に関する過去の判定履歴やブラックリストデータベースの情報を記憶させておき、真贋判定処理部45は、解析結果から得られた本人確認資料2に記載された文字情報を読み出し、過去の判定履歴やブラックリストデータベースの情報を参照して判定することも可能である。
【0055】
図7に戻り、ST204で真贋判定処理部45が本人確認データ21を「真(本物である)」と判断した場合、真贋判定処理部25は、管理システム7に判定結果を通知する。このとき管理システムでは判定結果を確認することができる(ST205)。管理システム7では、本人確認資料2が正しい場合、申込データから発行データの生成処理に入る。
【0056】
ST204で真贋判定処理部45が本人確認データ21を「贋(偽造品である)」と判断した場合、管理システムでは、発行データの生成を行わないものとする。なお、エラーの通知を入力端末、発行端末に送信してもよい。
また、判定結果を本人確認システムや管理システムに記憶してもよい(ST207)。
【0057】
真贋判定傾向分析学習AI47は、判定結果後も判定結果のエラーに関する情報の入力を受付(ST206)、必要であれば、真贋判定ロジックテンプレートデータを更新して記憶する(ST207)。真贋判定傾向分析学習AI47は、例えば、同じ種類の本人確認資料2において、同じ文字列の真贋判定におけるエラーが多数あった場合に、真贋判定ロジックの見直しを管理者等に通知してもよい。また、同じ発行母体の本人確認資料2において判定エラーが多数あった場合は、本人確認資料2のレイアウトが変更された可能性もあるため、本人確認システム3はその旨を管理者等に通知し、管理者は真贋判定ロジックを発行母体に確認することも可能である。
【0058】
次に、図7のST204における真贋判定処理部45による真贋判定ロジックテンプレートデータと本人確認データ21の解析結果のマッチングによる判定について説明する。
図10は、判定対象となる本人確認資料2の一例を示す図である。図10に示す本人確認資料2の一例は、写真付の社員証9である。社員証9には、事業所名91、氏名92、社員番号93、顔画像94、有効期限95等が印刷されている。
【0059】
社員証9が入力端末の読取部11でスキャンされると、画像化された本人確認データ21は本人確認システム3に送信され、画像解析部42によって解析され、OCRエンジン43によって文字や画像の認識が行われる。その解析結果、認識結果は真贋判定処理部45に通知される。
【0060】
真贋判定処理部45は、OCRエンジン43による事業所名91の認識結果から、発行母体が事業所名91である真贋判定ロジックテンプレートを真贋判定ロジックテンプレート記憶部12から読み出す。図11は、図10に示す本人確認資料2用の真贋判定ロジックテンプレートの一例を示す図である。図11に示す真贋判定ロジックテンプレートにおける符号101は事業所名91と一致する。これは、図11に示す真贋判定ロジックテンプレートが事業所名91に属する社員の社員証9の真贋判定を行うための真贋判定ロジックテンプレートであることを意味する。
【0061】
真贋判定処理部45は、社員証9の本人確認データ21の解析認識結果と、図11に示す真贋判定ロジックテンプレートとのマッチングを行う。真贋判定処理部45は、図10に示す氏名92の位置、文字配列の認識結果が、真贋判定ロジックテンプレートの符号102と一致するかどうかを調べる。真贋判定ロジックテンプレートの符号102は、図9で説明したものと同様の文字配列の真贋判定ロジックテンプレートである。
【0062】
次に、真贋判定処理部45は、図10に示す社員番号93の本人確認データ21の認識結果が図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号103に一致するかどうかを判定する。真贋判定ロジックテンプレートの符号103は、社員番号に関する「AA事業所(事業所名91)」の特有の計算ロジックであり、真贋判定処理部45は、認識された社員番号93がその計算ロジックに適合した番号かどうかを調べる。また、図9に示す真贋
判定ロジックテンプレートの符号94は、数字フォントの画像が格納されている比較元フォント/画像記憶部33のパスを示す。真贋判定処理部45は、図10に示す社員番号93の本人確認データ21の認識結果から社員番号93の数字のフォントと、真贋判定ロジックテンプレートの符号104に記載されたパスに格納されたフォントと一致するかどうかを判定する。
【0063】
図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号105は、顔画像94の位置座標を示す真贋判定ロジックであり、例えば、社員証9の本人確認データ21における特徴点を基準点としたときの顔画像の左下x座標と左下y座標を示す。画像解析部42は、本人確認データ21の特徴点を抽出し、社員証9における顔画像94の位置座標を求め、真贋判定処理部45に通知する。真贋判定処理部45は、画像解析部42が求めた顔画像94の位置座標と、真贋判定ロジックテンプレートの符号105とが一致するかどうかを判定する。なお、ここでは顔画像94の位置を例に説明したが、その他の文字列や印章等の位置に関して同様に真贋判定することが可能である。
【0064】
図11に示す真贋判定ロジックテンプレートの符号106は、社員証の有効期限に関する真贋判定ロジックを示し、例えば、「読み取った有効期限は、現在の日付以降でなくてはならない」という日付に関する条件を示すものである。真贋判定処理部45は、社員証9の本人確認データ21の認識結果から読み出した有効期限95が、真贋判定ロジックテンプレートの符号106の条件を満足するかどうかを判定する。
【0065】
以上述べた様に、真贋判定処理部45は、本人確認資料2の本人確認データ21の解析結果、認識結果と真贋判定ロジックテンプレートとをマッチングして、全ての真贋判定ロジックテンプレートに対して正しいと判定された本人確認資料2を本物であると判定する。なお、真贋判定処理部45による真贋判定ロジックの他の例として、チェックディジットを用いてもよい。また、色の明度に関する情報等を真贋判定に用いてもよい。また、本実施の形態では社員証を例に真贋判定処理を説明したが、本人確認資料2としては、保険証、運転免許証、会員証、本人確認資料2のコピーなどにおいても、その外観的特徴(レイアウト)を抽出し、真贋判定ロジックテンプレートとをマッチングして真贋判定を行うことが可能である。
【0066】
また、真贋判定ロジックテンプレートデータが、発行者又は発行母体毎に登録されており、真贋判定手段は、最初に本人確認データから発行者又は発行母体を認識し、発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを選択し、本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合してもよい。
【0067】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより真贋判定を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置の事をいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)の様に、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシス
テムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)の様に情報を伝送する機能を有する媒体の事をいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0068】
1・・・入力端末
11・・読取部
2・・・本人確認資料(本人確認資料のコピー)
21・・本人確認データ
3・・・本人確認システム
31・・真贋判定ロジックテンプレート編集部
32・・真贋判定ロジックテンプレート記憶部
33・・比較元フォント/画像記憶部
34・・暗号処理部
35・・HSM
41・・判定対象スキャニング画像キャッシュ部
42・・画像解析部
43・・OCRエンジン
44・・取得文字情報取得画像記録部
45・・真贋判定処理部
46・・真贋判定結果記録部
47・・真贋判定傾向分析学習AI
6・・・発行端末
7・・・管理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を有するカード発行システムであって、
該入力端末が、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力手段、本人確認データ入力手段、及び申込データを管理システムに送信する申込データ送信手段と本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信手段を有し、
該本人確認システムが、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段、該真贋判定手段により判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有し、
該管理システムが、入力端末から申込データを受信する申込データ受信手段と、本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信手段と、該真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成手段、該発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信手段有し、
該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信手段、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込手段とを有することを特徴とするカード発行システム。
【請求項2】
前記入力端末の本人確認データ入力手段が、本人確認資料あるいは前記本人確認資料のコピーを読取る本人確認資料読取部と、読取った本人確認資料から本人確認データを生成する本人確認データ生成部を有し、
前記本人確認システムの真贋判定手段が、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関する真贋判定ロジックテンプレートデータと、
本人確認データを解析し文字、画像のレイアウトを得る画像解析部と、
得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを比較照合して真贋の判定をする判定処理部を有することを特徴とする請求項1記載のカード発行システム。
【請求項3】
前記真贋判定ロジックテンプレートデータが本人確認資料の発行者又は発行母体に対応しており、
前記真贋判定手段が、本人確認データから発行者又は発行母体を認識する手段を有し、
発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合することを特徴とする請求項2に記載のカード発行システム。
【請求項4】
前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料に記載された文字に使用するフォントデータを含み、
前記画像解析部が、本人確認データの文字に使用されるフォントを認識し、
前記判定処理部が、認識された本人確認データの文字に使用されるフォントと、ロジックテンプレートデータのフォントデータとを照合し判定することを特徴とする請求項2または3に記載のカード発行システム。
【請求項5】
前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料の日付の条件を含み、
前記画像解析部が、本人確認データの日付を認識し、
前記判定処理部が、認識された本人確認データの日付と、ロジックテンプレートデータの日付を照合することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカード発行システム。
【請求項6】
少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を用いた
カード発行方法であって、
該入力端末に、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力ステップと、本人確認データ入力する本人確認データ入力ステップと、
入力端末から申込データを管理システムに送信する申込データ送信ステップと、本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信ステップと、
本人確認システムが入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信ステップと、
本人確認システムで本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定ステップと、
真贋判定手段により判断された真贋判定結果を本人確認システムから管理システムに送信する真贋判定結果送信ステップと、
管理システムが入力端末から申込データを受信する申込データ受信ステップと、
管理システムが本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信ステップと、
真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成ステップと、
発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信ステップと、
該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信ステップと、
発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込ステップと、
を有することを特徴とするカード発行方法。
【請求項1】
少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を有するカード発行システムであって、
該入力端末が、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力手段、本人確認データ入力手段、及び申込データを管理システムに送信する申込データ送信手段と本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信手段を有し、
該本人確認システムが、入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信手段、本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定手段、該真贋判定手段により判断された真贋判定結果を管理システムに送信する真贋判定結果送信手段を有し、
該管理システムが、入力端末から申込データを受信する申込データ受信手段と、本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信手段と、該真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成手段、該発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信手段有し、
該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信手段、発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込手段とを有することを特徴とするカード発行システム。
【請求項2】
前記入力端末の本人確認データ入力手段が、本人確認資料あるいは前記本人確認資料のコピーを読取る本人確認資料読取部と、読取った本人確認資料から本人確認データを生成する本人確認データ生成部を有し、
前記本人確認システムの真贋判定手段が、本人確認資料の文字、画像のレイアウトに関する真贋判定ロジックテンプレートデータと、
本人確認データを解析し文字、画像のレイアウトを得る画像解析部と、
得られた本人確認資料の文字、画像のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを比較照合して真贋の判定をする判定処理部を有することを特徴とする請求項1記載のカード発行システム。
【請求項3】
前記真贋判定ロジックテンプレートデータが本人確認資料の発行者又は発行母体に対応しており、
前記真贋判定手段が、本人確認データから発行者又は発行母体を認識する手段を有し、
発行者又は発行母体に対応させて記憶された真贋判定ロジックテンプレートデータを用いて本人確認資料のレイアウトと真贋判定ロジックテンプレートデータを照合することを特徴とする請求項2に記載のカード発行システム。
【請求項4】
前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料に記載された文字に使用するフォントデータを含み、
前記画像解析部が、本人確認データの文字に使用されるフォントを認識し、
前記判定処理部が、認識された本人確認データの文字に使用されるフォントと、ロジックテンプレートデータのフォントデータとを照合し判定することを特徴とする請求項2または3に記載のカード発行システム。
【請求項5】
前記ロジックテンプレートデータが、本人確認資料の日付の条件を含み、
前記画像解析部が、本人確認データの日付を認識し、
前記判定処理部が、認識された本人確認データの日付と、ロジックテンプレートデータの日付を照合することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカード発行システム。
【請求項6】
少なくとも入力端末と、管理システムと本人確認システムと、カード発行端末を用いた
カード発行方法であって、
該入力端末に、カード発行に必要なデータを入力する申込データ入力ステップと、本人確認データ入力する本人確認データ入力ステップと、
入力端末から申込データを管理システムに送信する申込データ送信ステップと、本人確認データを本人確認システムに送信する本人確認データ送信ステップと、
本人確認システムが入力端末から本人確認データを受信する本人確認データ受信ステップと、
本人確認システムで本人確認データが真正か否かの真贋を判定する真贋判定ステップと、
真贋判定手段により判断された真贋判定結果を本人確認システムから管理システムに送信する真贋判定結果送信ステップと、
管理システムが入力端末から申込データを受信する申込データ受信ステップと、
管理システムが本人確認システムから真贋判定結果を受信する真贋判定結果受信ステップと、
真贋判定結果が真正と判断されている場合に、申込データをカード規格の記録形式の記録形式データに変換して発行データを生成する発行データ生成ステップと、
発行データを該カード発行端末に送信する発行データ送信ステップと、
該カード発行端末が、該管理システムから発行データを受信する発行データ受信ステップと、
発行対象のカードに発行データを書込む発行データ書込ステップと、
を有することを特徴とするカード発行方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−25571(P2013−25571A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159878(P2011−159878)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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