説明

カード発行装置

【課題】カードの裏面への印画を容易に実現することができるカード発行装置を提供する。
【解決手段】カード発行装置10は、ICチップ21を含むカード20の表面20aおよび裏面20bにそれぞれ表面印画データ22および裏面印画データ26が印画されたカード20を発行するよう構成されている。このカード発行装置10は、ICデータ32と表面印画データ22とを受信し、かつ、裏面印画データ26を生成する裏面データ生成部と、裏面印画データ生成部11に接続され、表面印画データ22をカード20の表面20aに印画するとともに、裏面印画データ26をカード20の裏面20bに印画する両面印画部13と、を備えている。ここで、裏面データ生成部11は、ICデータ32と表面印画データ22との差異に基づいて、裏面印画データ26を生成するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面および裏面にそれぞれ表面印画データおよび裏面印画データが印画されたカードを発行するカード発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社員証、銀行カード、運転免許証等のカードを発行する場合、カードの表面、および必要に応じて裏面にも所定のデータが印字される。例えば特許文献1において、カードの表面および裏面に各々表面印字データおよび裏面印字データを印字する印字装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−23906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印字装置を備えた既存のカード発行システムの中には、カードの表面にのみ所定の表面印字データを印字するよう構成されたものがある。このようなカード発行システムにおいては、カードの裏面に対して裏面印字データを印字することが想定されていないため、通常、表面印字データのみが印字装置に送信され、裏面印字データは印字装置に送信されない。この場合、カードの裏面への印字を実現するためには、印字装置だけでなくカード発行システム全体を置き換える必要がある。
【0005】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るカード発行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、ICチップを含むカードの表面および裏面にそれぞれ表面印画データおよび裏面印画データが印画されたカードを発行するカード発行装置において、ICチップに記録されるべきICデータと、カードの表面に印画されるべき表面印画データと、を受信し、かつ、カードの裏面に印画されるべき裏面印画データを生成する裏面データ生成部と、前記裏面印画データ生成部に接続され、前記表面印画データをカードの表面に印画するとともに、前記裏面データ生成部によって生成された前記裏面印画データをカードの裏面に印画する両面印画部と、を備え、前記裏面データ生成部は、前記ICデータと前記表面印画データとの差異に基づいて、前記裏面印画データを生成することを特徴とするカード発行装置である。
【0007】
第1の本発明によるカード発行装置において、前記ICデータおよび前記表面印画データは、それぞれ複数の項目のデータを含んでいてもよい。この場合、前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる項目のデータであって、前記表面印画データに含まれない項目のデータを欠落データとして抽出し、その後、前記欠落データを前記裏面印画データとして割り当ててもよい。
【0008】
第1の本発明によるカード発行装置において、前記ICデータおよび前記表面印画データに含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データからなり、前記裏面データ生成部は、前記コード対応データと前記コードとを対応付ける定義ファイルを有していてもよい。この場合、前記裏面データ生成部は、前記定義ファイルに基づいて前記ICデータの前記コード対応データおよび前記表面印画データの前記コード対応データをそれぞれ対応するコードに変換し、次に、前記ICデータに含まれるコードであって、前記表面印画データに含まれないコードを欠落コードとして抽出し、その後、前記定義ファイルに基づいて前記欠落コードをコード対応データに変換し、このコード対応データを前記裏面印画データとして割り当ててもよい。
【0009】
第1の本発明によるカード発行装置において、前記ICデータおよび前記表面印画データは、それぞれ複数の項目のデータを含んでいてもよい。この場合、前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる複数の項目のデータのうち、前記表面印画データに含まれる対応する項目のデータとの間で差異が存在するデータを不完全データとして抽出し、その後、前記不完全データを前記裏面印画データとして割り当ててもよい。
【0010】
第2の本発明は、カードの表面および裏面にそれぞれ表面印画データおよび裏面印画データが印画されたカードを発行するカード発行装置において、複数のコードを含むコード情報と、カードの表面に印画されるべき複数の項目のデータを含む表面印画データと、を受信し、かつ、カードの裏面に印画されるべき裏面印画データを生成する裏面データ生成部と、前記裏面印画データ生成部に接続され、前記表面印画データをカードの表面に印画するとともに、前記裏面データ生成部によって生成された前記裏面印画データをカードの裏面に印画する両面印画部と、を備え、前記表面印画データに含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データからなり、前記裏面データ生成部は、前記コード対応データと前記コードとを対応付ける定義ファイルを有し、前記裏面データ生成部は、前記定義ファイルに基づいて前記表面印画データの前記コード対応データを対応するコードに変換し、次に、前記コード情報に含まれるコードであって、前記表面印画データに含まれないコードを欠落コードとして抽出し、その後、前記定義ファイルに基づいて前記欠落コードをコード対応データに変換し、このコード対応データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とするカード発行装置である。
【0011】
第2の本発明によるカード発行装置において、カードはICチップを含み、ICチップに記録されるべき複数の項目データを含むICデータが前記裏面データ生成部によってさらに受信されてもよい。この場合、前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる複数の項目のデータのうち、前記表面印画データに含まれる対応する項目のデータとの間で差異が存在するデータを不完全データとして抽出し、その後、前記不完全データを前記裏面印画データとして割り当ててもよい。
【0012】
本発明によるカード発行装置において、前記裏面データ生成部は、カードの裏面に印画可能な項目のデータに関する情報を含む印画可能項目ファイルを有していてもよい。
【0013】
本発明によるカード発行装置において、前記カード発行装置は、被写体を撮像して画像データを作成し、前記画像データを前記両面印画部に送る撮影部をさらに備えていてもよい。この場合、前記裏面データ生成部の機能は、前記撮影部に組み込まれていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるカード発行装置によれば、前記裏面データ生成部は、カード発行装置に送られてくるICデータと表面印画データとの差異に基づいて、若しくは、カード発行装置に送られてくるコード情報と表面印画データとの差異に基づいて、カードの裏面に印画されるべき裏面印画データを生成することができる。このため、既存のカード発行システムのカード発行装置のみを置き換えることによって、カードの裏面への印画を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)(b)は、カードの表面および裏面を示す図。
【図2】図2は、第1の実施の形態によるカード発行装置を備えたカード発行システムを示すブロック図。
【図3】図3は、定義ファイルを示す図。
【図4】図4は、裏面印画可能項目ファイルを示す図。
【図5】図5は、カードの発行を申請するための申請書を示す図。
【図6】図6は、ホストコンピュータに記録される情報を示す図。
【図7】図7は、第1の実施の形態において、ホストコンピュータからカード発行装置に送られるICデータを示す図。
【図8】図8は、第1の実施の形態において、ホストコンピュータからカード発行装置に送られる表面印画データを示す図。
【図9】図9は、第1の実施の形態において、ICデータと表面印画データとを比較する様子を示す図。
【図10】図10は、比較の形態におけるカード発行システムを示すブロック図。
【図11】図11(a)(b)は、第1の実施の形態によるカード発行装置によって発行されるカードの変形例を示す図。
【図12】図12は、第2の実施の形態によるカード発行装置を備えたカード発行システムを示すブロック図。
【図13】図13は、第2の実施の形態において、ホストコンピュータからカード発行装置に送られる表面印画データを示す図。
【図14】図14は、第2の実施の形態において、コード情報と表面印画データとを比較する様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態によるカード発行装置10によって発行されるカード20について説明する。なお本実施の形態においては、カード20の一例として社員証を示すが、カード発行装置10によって発行されるカードが社員証に限られることはなく、銀行カード、運転免許証等の様々なカードに対してカード発行装置10が適用され得る。
【0017】
カード
図1(a)は、カード20の表面20aを示す図であり、図1(b)は、カード20の裏面20bを示す図である。図1(a)に示すように、カード20の表面20aには、カード20の所有者を特定するための様々な表面印画データ22、および、カード20の所有者の外見に関する画像データ28が印画されている。なお本実施の形態において、「印画」とは、カード20上に顔画像などの画像データを印画することだけでなく、カード20上に文字などの活字データを印字することも含む概念である。また図1(a)において点線で示されているように、カード20は、活字データや画像データ28などの様々なデータを記録することができるICチップ21を含んでいる。
【0018】
カード20の表面に印画される表面印画データ22の具体例が特に限られることはなく、様々なデータが選択され得る。図1(a)に示す例において、表面印画データ22は、氏名データ22a、社員番号データ22b、所属会社データ22c、住所データ22d、部署データ22e、役職データ22fおよび特記事項データ(第1特記事項データ)22gを含んでいる。
【0019】
図1(b)に示すように、後述するカード発行装置10によれば、カード20の所有者を特定するためのデータの一部をカード20の裏面20bに印画することができる。例えば図1(b)に示すように、カード20の所有者に関する特記事項データのうち、スペースの都合上カード20の表面20aに印画しきれなかった特記事項データ(第2特記事項データ)26hをカード20の裏面20bに印画することができる。
【0020】
なおカード20の所有者を特定するためのデータ以外にも、図1(a)(b)に示すように、定型的なデータ29a〜29cがさらにカード20に印画されていてもよい。このような定型的なデータ29a〜29cは、本実施の形態によるカード発行装置10によって印画されてもよく、若しくは、カード発行装置10に供給されるカード20に予め印画されていてもよい。また図1(a)に示すように、カード20の裏面20bに特記事項データの一部が印画されていることを示唆する注記データ29dがさらに表面20aに印画されていてもよい。
【0021】
カード発行システム
次に図2乃至4を参照して、上述のカード20を発行するためのカード発行装置10を備えたカード発行システム1について説明する。図2は、カード発行システム1を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、カード発行システム1は、カード20の発行を申請するための申請書40に記載された情報を登録するための登録端末2と、登録端末2に接続されたホストコンピュータ3と、ホストコンピュータ3に接続されたカード発行装置10と、を備えている。なおカード発行システム1は、カード20を新規に発行する際に利用されてもよく、若しくは、カード20を更新するために利用されてもよい。
【0023】
(登録端末)
登録端末2は、申請書40に記載されている情報のうち、一部の情報を記載のとおりに登録し、その他の情報をコード化して登録するよう構成されている。例えば氏名情報や社員番号情報などカード20の保有者に固有の情報は、申請書40に記載されているとおりに登録端末2に登録される。一方、所属会社情報や部署情報など、同一の情報に複数のカード20の所有者が該当し得る情報は、後に具体的に説明するようにコードとして登録端末2に登録される。このように一部の情報をコード化することにより、登録に要する労力や、情報を保管するために必要となる記録容量を低減することができる。
【0024】
(ホストコンピュータ)
ホストコンピュータ3は、ICカード発行システム1を統合的に管理するとともに、登録端末2によって登録されるカード20の申請者に関する情報を保管する装置である。上述のように、登録端末2に登録される情報には、申請書40に記載されているとおりの文字として登録される情報(以下、文字情報と称する)と、コードとして登録される情報(以下、コード情報と称する)とが含まれている。従って、ホストコンピュータ3には、文字情報およびコード情報の両方が保管される。またホストコンピュータ3は、保管されている文字情報およびコード情報に基づいてカード20に印画されるべきデータを生成し、当該データをカード発行装置10に送信するよう構成されている。
【0025】
ここで、本実施の形態によるカード発行装置10が解決しようとする課題について説明する。従来のカード発行システムの中には、カード20の表面20aにのみデータを印画するよう構成されたものがある。例えば、カード20の裏面20bにデータが印画される確率が低い場合、コストを考慮して、カード20の表面20aにのみデータを印画するようカード発行システムが構成されることが考えられる。このようなカード発行システムにおいては、従来、カード20の裏面20bにデータを印画する必要がある場合、後に比較の形態として説明するように、例えばカード発行システムとは別個に設けられた追記システムが用いられる。若しくは、カード発行システム全体が、カード20の裏面20bへの印画が可能であるシステムに置き換えられる。
【0026】
これに対して本実施の形態によれば、後述するように、従来のカード発行システムにおけるカード発行装置を本実施の形態によるカード発行装置10に置き換えることによって、カード発行システムを、カード20の裏面20bへの印画が可能なシステムに改良することができる。
【0027】
なお本実施の形態においては、ホストコンピュータ3からカード発行装置1に送信されるデータには、カード20の表面20aに印画されるべきデータ(以下、表面印画データと称する)と、ICチップ21に記憶されるべきICデータ32とは含まれているが、カード20の裏面20bに印画されるべきデータ(以下、裏面印画データと称する)は含まれていない、という例について説明する。また、ホストコンピュータ3からカード発行装置1に送信される表面印画データおよびICデータは、活字データとして送信されるとする。なお「活字データ」とは、所定の文字コード(JIS X 0208など)に従って表現されたデータのことである。
【0028】
ところで上述のように、ホストコンピュータ3に保管されている情報には、文字情報だけでなくコード情報も含まれている。ここで、カード発行装置1に送信される表面印画データおよびICデータが、文字情報だけでなくコード情報にも基づいて生成される場合、ホストコンピュータ3においてコード情報の各コードが活字データに変換されることが好ましい。このため図2に示すように、ホストコンピュータ3には、活字データとコードとを対応付ける定義ファイル14が含まれている。
【0029】
定義ファイル14の一例を図3に示す。図3に示すように、定義ファイル14には、3桁のコードと、それに対応する活字データとがカテゴリ別に記録されている。なおコードと活字データとが1対1に対応している必要はなく、1つのコードに対して2つ以上の対応する活字データが存在していてもよい。例えば図3に示すように、「221」というコードに対して、「研究開発本部 第1システム技術開発課」という正式名称を表す活字データと、「研開本部 第1シス課」という略称を表す活字データとがそれぞれ対応していてもよい。
【0030】
(カード発行装置)
次にカード発行装置10について説明する。図2に示すように、カード発行装置10は、裏面データ生成部11と、撮影部12と、裏面データ生成部11および撮影部12に接続された両面印画部13と、を有している。
【0031】
このうち裏面データ生成部11は、ホストコンピュータ3から送信される表面印画データ22およびICデータ32を受信するよう、ホストコンピュータ3との間で通信可能となっている。また裏面データ生成部11は、ICデータ32と表面印画データ22との差異に基づいて、カード20の裏面20bに印画されるべき裏面印画データ26を生成するよう構成されている。生成された裏面印画データ26は、両面印画部13に送信される。
【0032】
撮影部12は、カード20の所有者の外見に関する画像データ28を生成するものである。生成された画像データ28は、両面印画部13に送信される。画像データ28を生成するための具体的な方法は特には限られないが、例えば、申請書40に貼付された顔写真を撮影することによって画像データ28が生成される。カード20の所有者を直接撮影することによって画像データ28が取得されてもよい。
【0033】
両面印画部13は、表面印画データ22をカード20の表面20aに印画するとともに、裏面データ生成部11によって生成された裏面印画データ26をカード20の裏面20bに印画するよう構成されている。なお図2においては、裏面データ生成部11を介して表面印画データ22が両面印画部13に送信される例が示されているが、これに限られることはなく、ホストコンピュータ3から両面印画部13へ直接に表面印画データ22が送信されてもよい。
【0034】
表面印画データ22および裏面印画データ26をカード20の表面20aおよび裏面20bに印画するための具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられ得る。例えば、両面印画部13は、カード20の表面20aに表面印画データ22を印画する表面用プリンタ(図示せず)と、カード20の裏面20bに裏面印画データ26を印画する裏面用プリンタ(図示せず)と、をそれぞれ有していてもよい。また、データをカード20に印画するための方式が特に限られることはなく、溶融転写方式、昇華転写方式など様々な方式が適宜用いられ得る。
【0035】
なお図2に示すように、カード20の所有者に関するデータのうちカード20の裏面20bに印画することが可能なデータの項目が記録された裏面印画可能項目ファイル15が裏面データ生成部11に含まれていてもよい。裏面印画可能項目ファイル15の一例を図4に示す。図4に示す例においては、各項目のうち氏名、所属会社、住所、部署、役職および特記事項は、裏面20bへの印画が可能な項目として記録されている。一方、社員番号は、カード20bへの印画が不可能な項目として記録されている。このような裏面印画可能項目ファイル15を考慮して裏面データ生成部11が裏面印画データ26を生成することにより、不適切なデータがカード20の裏面20bに印画されることを防ぐことができる。
【0036】
(その他の構成要素)
また図2に示すように、カード20の申請者に関するデータを保管するファイリング装置4がさらに設けられていてもよい。このファイリング装置4は、例えば図2に示すように、カード発行装置10の裏面データ生成部11および撮影部12に接続されていてもよい。これによって、ホストコンピュータ3から送信される表面印画データ22、裏面データ生成部11によって生成される裏面印画データ26、および、撮影部12によって生成される画像データ28などをファイリング装置4に保管することができる。
【0037】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、カード発行装置10を備えたカード発行システム1を用いてカード20を発行する方法について説明する。
【0038】
まず、カード20の発行を申請する人に関する情報が記載された申請書40が準備される。図5は、申請書40の一例を示す図である。図5に示すように、申請書40には、申請者の属性に関する属性情報42と、申請者の外見に関する画像情報48とが記載されている。属性情報42は、例えば、氏名情報42a、社員番号情報42b、所属会社情報42c、住所情報42d、部署情報42e、役職情報42f、第1特記事項情報42gおよび第2特記事項情報42hを含んでいる。
【0039】
(登録工程)
はじめに、申請書40に記載されている情報を登録端末2に登録する。この登録工程を実施するための具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば、オペレータ(図示せず)が申請書40に記載されている情報をコンピュータに入力してもよく、若しくは、スキャナが申請書40に記載されている情報を読み取ってもよい。
【0040】
なお上述の登録工程において、各種の情報のうちコード化が可能な情報は、コードとして登録端末2に登録される。ここで、申請書40に記載されている情報のうちコード化が可能な情報は、具体的には、所属会社情報42c、住所情報42d、部署情報42e、役職情報42f、第1特記事項情報42gおよび第2特記事項情報42hとなっている。従って、図6に示すように、情報42c〜42hは、対応するコード44c〜44h(コード情報44)として登録端末2に登録される。一方、氏名情報42aおよび社員番号情報42bは、文字情報43として登録端末2に登録される。登録端末2に登録された文字情報43およびコード情報44は、ホストコンピュータ3に保管される。
【0041】
(表面印画データおよびICデータの生成工程)
次に、ホストコンピュータ3が、保管されている文字情報43およびコード情報44に基づいて、カード20のICチップ21に記録されるべきICデータ32と、カード20の表面20aに印画されるべき表面印画データ22と、を生成する。ホストコンピュータ3によって生成されたICデータ32および表面印画データ22を図7および図8に示す。
【0042】
ICデータ32には、登録端末2に登録された文字情報43およびコード情報44に対応する全てのデータが含まれている。すなわち図7に示すように、ICデータ32は、氏名データ32aおよび社員番号データ32bを含む文字データ33と、所属会社データ32c、住所データ32d、部署データ32e、役職データ32f、第1特記事項データ32gおよび第2特記事項データ32hを含むコード対応データ34と、を有している。ここで「文字データ」とは、申請書40に記載されているとおりに登録端末2に登録された文字情報43に基づく活字データを意味している。また「コード対応データ」とは、コード化されて登録端末2に登録されたコード情報44に基づく活字データであって、ホストコンピュータ3において定義ファイル14に基づいて活字に変換された活字データを意味している。なお図7に示すように、ICデータ32のコード対応データ34は、コード情報44の各44c〜44hを、図3に示される定義ファイル14の「正式データ」に変換することにより得られるものとなっていてもよい。
【0043】
一方、表面印画データ22には、登録端末2に登録された文字情報43およびコード情報44のうちコード44hに対応するデータを除くデータが含まれている。すなわち図8に示すように、表面印画データ22は、氏名データ22aおよび社員番号データ22bを含む文字データ23と、所属会社データ22c、住所データ22d、部署データ22e、役職データ22fおよび第1特記事項データ22gを含むコード対応データ24と、を有している。コード対応データ24は、定義ファイル14に基づいてコード情報44の各コード44c〜44gが活字に変換されたものである。なお図8に示すように、表面印画データ22のコード対応データ24は、コード情報44の各44c〜44gを、図3に示される定義ファイル14の「略データ」に変換することにより得られるものとなっていてもよい。
【0044】
このように、ホストコンピュータ3において生成される表面印画データ22には、申請書40に記載された第2特記事項情報42hに対応するデータが含まれていない。これは、スペースの都合上カード20の表面20aに第2特記事項情報42hに対応するデータを印画することができないとホストコンピュータ3が判断したためである。
【0045】
ホストコンピュータ3によって生成されたICデータ32および表面印画データ22は、カード発行装置10の裏面データ生成部11に送信される。
【0046】
(裏面印画データの生成工程)
次に、裏面データ生成部11は、ホストコンピュータ3から送信されるICデータ32および表面印画データ22に基づいて、カード20の裏面20bに印画されるべき裏面印画データ26を生成する。例えば、裏面データ生成部11は、はじめに、ICデータ32に含まれる項目のデータであって、表面印画データ22に含まれない項目のデータを欠落データとして抽出する。ここでは、ICデータ32の第2特記事項データ32hが欠落データとして抽出される。次に、裏面データ生成部11は、欠落データである第2特記事項データ32hを、裏面印画データ26として割り当てる。これによって、「第一級陸上無線技術士」という第2特記事項データ26hを含む裏面印画データ26が生成される。生成された裏面印画データ26は、表面印画データ22とともに両面印画部13に送信される。
【0047】
なお、ICデータ32に含まれる項目のデータであって、表面印画データ22に含まれない項目のデータを欠落データとして抽出する際の具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられ得る。
例えば、ICデータ32に含まれる各データ32a〜32hと表面印画データ22に含まれる各データ22a〜22gとを項目ごとに比較し、比較結果に基づいて欠落データを抽出してもよい。この際、各データ22a〜22g,32a〜32hのうちコードに対応しているデータ22c〜22g,32c〜32hについては、図9に示すように、裏面データ生成部11が有する定義ファイル14に基づいてコード22c’〜22g’,32c’〜32h ’に変換された状態で比較されてもよい。
若しくは、図示はしないが、コードに対応していないデータ22a〜22b,32a〜32bの場合と同様に、コード対応データ22c〜22g,32c〜32hについても、活字の状態で比較されてもよい。この時、部署データ32eの「研究開発本部 第1システム技術開発課」と、部署データ22eの「研開本部 第1シス課」との間の差異は、表現上の微差であるとして無視されてもよい。なお、活字の状態で比較される場合、裏面データ生成部11に定義ファイル14が含まれている必要はない。
【0048】
また、裏面印画データ26を生成する際、上述の裏面印画可能項目ファイル15が考慮されてもよい。例えば、欠落データとして抽出されたデータが、裏面印画可能項目ファイル15において裏面への印画が不可能な項目として記録されているデータに該当する場合、当該欠落データを裏面印画データ26として割り当てることが中止されてもよい。
【0049】
(画像データの生成工程)
撮影部12においては、カード20の所有者の外見に関する画像データ28が生成される。画像データ28を生成するための具体的な方法は特には限られないが、例えば、申請書40に貼付された顔写真を撮影することによって画像データ28が生成される。カード20の所有者を直接撮影することによって画像データ28が取得されてもよい。生成された画像データ28は、両面印画部13に送信される。
【0050】
(印画工程)
両面印画部13は、裏面データ生成部11から送信される表面印画データ22および裏面印画データ26、並びに、撮影部12から送信される画像データ28をカード20の表面20aおよび裏面20bに印画する。これによって、表面20aおよび裏面20bに所定のデータが印画されたカード20が得られる。
【0051】
なお図示はしないが、カードライタがカード発行システム1に設けられており、このカードライタによって、カード20のICチップ21にICデータ32が書き込まれてもよい。
【0052】
本実施の形態によれば、カード発行システム1のカード発行装置10は、ICデータ32と表面印画データ22との差異に基づいて裏面印画データ26を生成する裏面データ生成部11を有している。このため、既存のカード発行システムのカード発行装置を本実施の形態によるカード発行装置10に置き換えることによって、カード20の裏面20bへの印画を実現することができる。
【0053】
また本実施の形態によれば、裏面データ生成部11は、ICデータ32に含まれる項目のデータであって、裏面印画データ26に含まれない項目のデータを欠落データとして抽出し、その後、欠落データを裏面印画データ26として割り当てるよう構成されている。このように項目単位でデータを比較し、これによって欠落データを抽出することにより、確実かつ効率的に裏面印画データ26を生成することができる。
【0054】
また本実施の形態によれば、表面印画データ22およびICデータ32に含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データ24,34からなっている。また、裏面データ生成部11は、コード対応データ24,34とコードとを対応付ける定義ファイル14を有している。そして裏面データ生成部11は、定義ファイル14に基づいてICデータ32のコード対応データ34および表面印画データ22のコード対応データ24をそれぞれ対応するコードに変換し、次に、ICデータ32に含まれるコードであって、表面印画データ22に含まれないコードを欠落コードとして抽出し、その後、定義ファイルに基づいて欠落コードをコード対応データに変換し、このコード対応データを裏面印画データ26として割り当てるよう構成されている。このようにICデータ32と表面印画データ22とをコードに変換された状態で比較し、これによって欠落コードを抽出することにより、より効率的に裏面印画データ26を生成することができる。
【0055】
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、比較の形態と比較することにより説明する。図10は、比較の形態におけるカード発行システム100を示すブロック図である。図10に示すように、カード発行システム100においては、カード発行装置110に裏面データ生成部が設けられていない。またカード発行システム100においては、カード20の裏面20bにデータを印画するための追記システム120がさらに設けられている。図10に示す比較の形態において、図1乃至9に示す本実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0056】
上述のように、比較の形態においては、カード発行装置110に裏面データ生成部が設けられておらず、このため、カード発行装置110によって作製されるカード20’の裏面20bにはデータが印画されていない。従って、比較の形態において裏面20bにデータを印画するためには、カード発行装置110によって作製されるカード20’をさらに追記システム120に投入する必要がある。追記システム120においては、例えば、はじめに、申請書40に記載された情報のうちカード20’の表面20aにまだ印画されていないデータに対応する情報を、オペレータが追記登録端末121に登録する。その後、追記登録端末121に登録された情報に対応するデータが、裏面印画部122によってカード20’の裏面20bに印画される。このように比較の形態によれば、カード20の裏面20bへの印画を実現するため、カード発行装置110の他に追記システム120が必要となる。このため、カード発行システム100全体のコストが高くなることや、カード20の発行に要する時間が長くなることが考えられる。
【0057】
これに対して本実施の形態によれば、カード発行システム1のカード発行装置10は、ICデータ32と表面印画データ22との差異に基づいて裏面印画データ26を生成する裏面データ生成部11を有している。このため、既存のカード発行システムのカード発行装置を本実施の形態によるカード発行装置10に置き換えることによって、カード20の裏面20bへの印画を実現することができる。このことにより、カード20の裏面20bへの印画を実現するためのコストを低くすることができ、また、カード20の発行に要する時間を短くすることができる。
【0058】
変形例
なお本実施の形態において、表面印画データ22およびICデータ32のコード対応データ22c〜22g,32c〜32hが活字の状態で比較される場合に、部署データ32eの「研究開発本部 第1システム技術開発課」と、部署データ22eの「研開本部 第1シス課」との間の差異のような、同一項目内における表現上の微差と言える程度の差異が無視される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、裏面データ生成部11は、このような差異が存在する項目のデータを不完全データとして抽出し、その後、この不完全データを裏面印画データ26として割り当ててもよい。例えば、裏面データ生成部11は、データ22e,32eのうち定義ファイル14において正式データとして記録されている方のデータ、すなわちICデータ32の部署データ32eを裏面印画データ26として割り当ててもよい。この場合、図11(a)(b)に示すように、第2特記事項データ26hに加えて部署データ26eも裏面印画データ26としてカード20の裏面20bに印画される。これによって、より詳細なデータをカード20の裏面20bから得ることが可能となる。
【0059】
なお図11(a)(b)に示す変形例においては、表面印画データ22のコード対応データ24の各項目のデータ内容と、ICデータ32のコード対応データ34の各項目のデータ内容との間に差異が存在する場合に、差異が存在する項目のデータが不完全データとして抽出される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、表面印画データ22の文字データ23の各項目のデータ内容と、ICデータ32の文字データ33の各項目のデータ内容との間に差異が存在する場合に、差異が存在する項目のデータを不完全データとして抽出してもよい。例えば、図5で括弧内に表されているように申請書40の氏名欄には旧姓も記載されている場合であって、ICデータ32の氏名データ32aには旧姓も含まれているが(図7の氏名データ32aの括弧内参照)、表面印画データ22の氏名データ22aにはスペースの都合上旧姓が省略されている場合が考えられる。この場合、裏面データ生成部11は、ICデータ32の氏名データ32aを不完全データとして抽出し、その後、この不完全データを裏面印画データ26として割り当ててもよい。
【0060】
第2の実施の形態
次に図12乃至14を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0061】
図12は、カード発行システム1を示すブロック図である。本実施の形態においては、図12に示すように、ホストコンピュータ3からカード発行装置1に送信されるデータには、複数のコードを含むコード情報44と、カード20の表面20aに印画されるべき複数の項目の表面印画データ22とが含まれているが、カード20の裏面20bに印画されるべき裏面印画データ26は含まれていない、という例について説明する。ここでコード情報44は、例えば、ファイリング装置4やカード20のICチップ21への記録のためにホストコンピュータ3から送信されている。図12乃至14に示す第2の実施の形態において、図1乃至図9および図11(a)(b)に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0062】
以下、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、カード発行装置10を備えたカード発行システム1を用いてカード20を発行する方法について説明する。
【0063】
はじめに、カード20の発行を申請する人に関する情報が記載された申請書40が準備される。次に、申請書40に記載されている情報を登録端末2に登録する。これらの工程は、上述の第1の実施の形態の場合と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
(表面印画データの生成工程)
次に、ホストコンピュータ3が、保管されている文字情報43およびコード情報44に基づいて、カード20の表面20aに印画されるべき表面印画データ22を生成する。その後、ホストコンピュータ3は、生成された表面印画データ22と、ホストコンピュータ3に保管されているコード情報44とをカード発行装置10の裏面データ生成部11に送信する。カード発行装置10の裏面データ生成部11に向けて送信される表面印画データ22およびコード情報44の詳細を図13に示す。図13に示すように、表面印画データ22に含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データ24からなっている。
【0065】
(裏面印画データの生成工程)
次に、裏面データ生成部11は、ホストコンピュータ3から送信されるコード情報44および表面印画データ22に基づいて、カード20の裏面20bに印画されるべき裏面印画データ26を生成する。例えば、裏面データ生成部11は、はじめに、定義ファイル14に基づいて、表面印画データ22に含まれるコード対応データ24(データ22c〜22g)を、対応するコード22c’〜22g’に変換する。次に、コード情報44に含まれるコードであって、表面印画データ22の各データに対応するコードに含まれないコードを、欠落コードとして抽出する。例えば図14に示すように、コード情報44に含まれるコードと、表面印画データ22の各データに対応するコードとを項目ごとに比較し、比較結果に基づいて、コード44hを欠落コードとして抽出する。その後、定義ファイル14に基づいて、コード44hを活字データ(コード対応データ)に変換する。これによって、第2特記事項データ26hを含む裏面印画データ26が生成される。生成された裏面印画データ26は、表面印画データ22とともに両面印画部13に送信される。
【0066】
このように本実施の形態によれば、カード発行システム1のカード発行装置10は、コード情報44と、表面印画データ22のコード対応データ24に対応するコードと、の差異に基づいて裏面印画データ26を生成する裏面データ生成部11を有している。このため、既存のカード発行システムのカード発行装置を本実施の形態によるカード発行装置10に置き換えることによって、カード20の裏面20bへの印画を実現することができる。
【0067】
なお本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、カード20にICチップ21が含まれており、またホストコンピュータ3からカード発行装置10の裏面データ生成部11に、ICチップ21に記録されるべき複数の項目のデータを含むICデータ32が送信されてもよい。この場合、裏面データ生成部11は、上述の第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、ICデータ32に含まれる複数の項目のデータのうち、表面印画データ22に含まれる対応する項目のデータとの間で差異が存在するデータを不完全データとして抽出し、その後、不完全データを裏面印画データ26として割り当ててもよい。これによって、より詳細なデータをカード20の裏面20bから得ることが可能となる。
【0068】
なお上述の各実施の形態において、カード発行装置10の裏面データ生成部11が撮影部12や両面印画部13とは別個に設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、裏面データ生成部11が撮影部12や両面印画部13と一体に構成されていてもよい。すなわち、裏面データ生成部11の機能が撮影部12や両面印画部13に組み込まれていてもよい。
【0069】
また上述の各実施の形態において、カード発行装置10に撮影部12が設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、カード発行装置10に撮影部12が設けられていなくてもよい。この場合、カード20に印画される画像データ28として、スキャナによって読み取られた申請書40の画像情報48に基づくデータが用いられてもよい。若しくは、カード20に画像データ28が印画されなくてもよい。
【0070】
また上述の各実施の形態において、ホストコンピュータ3から送信されるデータや情報に基づいて、カード発行装置10の裏面データ生成部11が裏面印画データ26を生成する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、その他の構成要素から送信されるデータや情報に基づいて、裏面データ生成部11が裏面印画データ26を生成してもよい。例えば、カード発行システム1がカード20を更新するために用いられる場合、以前のカードに関する情報やデータがICチップ21に記録されていることが考えられる。この場合、ICチップ21内の記録を図2および図12において点線鎖線で示されるカードリーダ5で読み取ることにより得られる情報やデータに基づいて、裏面データ生成部11が裏面印画データ26を生成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 カード発行システム
2 登録端末
3 ホストコンピュータ
4 ファイリング装置
5 カードリーダ
10 カード発行装置
11 裏面データ生成部
12 撮影部
13 両面印画部
14 定義ファイル
15 裏面印画可能項目ファイル
20 カード
20a 表面
20b 裏面
21 ICチップ
22 表面印画データ
22a〜22g データ
23 文字データ
24 コード対応データ
26 裏面印画データ
26h 第2特記事項データ
28 画像データ
29a〜29c 定型データ
29d 注記データ
32 ICデータ
32a〜32h データ
33 文字データ
34 コード対応データ
40 申請書
42 属性情報
42a〜42h 情報
43 文字情報
44 コード情報
44c〜44h コード
48 画像情報
100 カード発行システム
110 カード発行装置
111 表面印画部
112 撮影部
120 追記システム
121 追記登録端末
122 裏面印画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを含むカードの表面および裏面にそれぞれ表面印画データおよび裏面印画データが印画されたカードを発行するカード発行装置において、
ICチップに記録されるべきICデータと、カードの表面に印画されるべき表面印画データと、を受信し、かつ、カードの裏面に印画されるべき裏面印画データを生成する裏面データ生成部と、
前記裏面印画データ生成部に接続され、前記表面印画データをカードの表面に印画するとともに、前記裏面データ生成部によって生成された前記裏面印画データをカードの裏面に印画する両面印画部と、を備え、
前記裏面データ生成部は、前記ICデータと前記表面印画データとの差異に基づいて、前記裏面印画データを生成することを特徴とするカード発行装置。
【請求項2】
前記ICデータおよび前記表面印画データは、それぞれ複数の項目のデータを含み、
前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる項目のデータであって、前記表面印画データに含まれない項目のデータを欠落データとして抽出し、その後、前記欠落データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項3】
前記ICデータおよび前記表面印画データに含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データからなり、
前記裏面データ生成部は、前記コード対応データと前記コードとを対応付ける定義ファイルを有し、
前記裏面データ生成部は、前記定義ファイルに基づいて前記ICデータの前記コード対応データおよび前記表面印画データの前記コード対応データをそれぞれ対応するコードに変換し、次に、前記ICデータに含まれるコードであって、前記表面印画データに含まれないコードを欠落コードとして抽出し、その後、前記定義ファイルに基づいて前記欠落コードをコード対応データに変換し、このコード対応データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とする請求項2に記載のカード発行装置。
【請求項4】
前記ICデータおよび前記表面印画データは、それぞれ複数の項目のデータを含み、
前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる複数の項目のデータのうち、前記表面印画データに含まれる対応する項目のデータとの間で差異が存在するデータを不完全データとして抽出し、その後、前記不完全データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカード発行装置。
【請求項5】
カードの表面および裏面にそれぞれ表面印画データおよび裏面印画データが印画されたカードを発行するカード発行装置において、
複数のコードを含むコード情報と、カードの表面に印画されるべき複数の項目のデータを含む表面印画データと、を受信し、かつ、カードの裏面に印画されるべき裏面印画データを生成する裏面データ生成部と、
前記裏面印画データ生成部に接続され、前記表面印画データをカードの表面に印画するとともに、前記裏面データ生成部によって生成された前記裏面印画データをカードの裏面に印画する両面印画部と、を備え、
前記表面印画データに含まれる複数の項目のデータの少なくとも一部は、所定の規則に従ってコードに変換され得るコード対応データからなり、
前記裏面データ生成部は、前記コード対応データと前記コードとを対応付ける定義ファイルを有し、
前記裏面データ生成部は、前記定義ファイルに基づいて前記表面印画データの前記コード対応データを対応するコードに変換し、次に、前記コード情報に含まれるコードであって、前記表面印画データに含まれないコードを欠落コードとして抽出し、その後、前記定義ファイルに基づいて前記欠落コードをコード対応データに変換し、このコード対応データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とするカード発行装置。
【請求項6】
カードはICチップを含み、
ICチップに記録されるべき複数の項目のデータを含むICデータが前記裏面データ生成部によってさらに受信され、
前記裏面データ生成部は、前記ICデータに含まれる複数の項目のデータのうち、前記表面印画データに含まれる対応する項目のデータとの間で差異が存在するデータを不完全データとして抽出し、その後、前記不完全データを前記裏面印画データとして割り当てることを特徴とする請求項5に記載のカード発行装置。
【請求項7】
前記裏面データ生成部は、カードの裏面に印画可能な項目のデータに関する情報を含む印画可能項目ファイルを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカード発行装置。
【請求項8】
前記カード発行装置は、被写体を撮像して画像データを作成し、前記画像データを前記両面印画部に送る撮影部をさらに備え、
前記裏面データ生成部の機能は、前記撮影部に組み込まれていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカード発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−73463(P2013−73463A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212742(P2011−212742)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】