説明

カード装置および当該カード装置との間でデータを入出力するホスト装置

【課題】ホスト装置へのデータの出力を高速に行うようにする。
【解決手段】ホスト装置200との間でデータを入出力するカード装置100は、各種演算処理を行う演算部112と、カード装置からホスト装置に演算部での演算処理により生成されたデータを伝送するとともに、ホスト装置からカード装置に電源電圧を伝送するPCカードインターフェース部114と、ホスト装置からカード装置に演算処理に供するパラメータを伝送するシリアルインターフェース部122とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種演算を行うカード装置、および、当該カード装置との間でデータを入出力するホスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば画像センサーなどの外部装置からデータを取り込み、取り込んだデータに対して各種演算処理を行いながら、これにより生成したデータ(以下、演算処理済データと称する)をホスト装置に出力するカード装置が存在する。このようなカード装置としては、例えば、パーソナルコンピュータにテレビ電話機能を付加するPCカードがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下に、図3を参照して、従来例に係るカード装置とホスト装置の構成について説明する。
【0004】
図3に示すように、カード装置10は、ホスト装置20とセンサー装置300とに接続される。
【0005】
カード装置10は、ホスト装置20との間でデータを入出力する装置である。ここでは、カード装置10を、センサー装置300から画像データを取り込み、取り込んだ画像データに対して各種演算処理(例えば、色変換処理や圧縮処理など)を行いながら、これにより生成したデータ(以下、演算処理済画像データと称する)をホスト装置20に出力するPCカードとして説明する。
【0006】
カード装置10は、一般に、リムーバブル媒体として使用される。カード装置10は、ホスト装置20の後述のカードソケット部216に挿入されると、ホスト装置20から電源電圧(以下、単に電源と称する場合もある)が供給される。また、カード装置10は、演算処理用パラメータの変更が必要になると、ホスト装置20から後述の登録パラメータを取得してカード装置10内部の記憶部113に格納する。これにより、カード装置10は、取得した登録パラメータを新たな演算処理用パラメータとして更新する。
【0007】
カード装置10は、演算部112と、記憶部113と、PCカードインターフェース部114と、センサーインターフェース部116とを有する。なお、以下、インターフェース部をI/F部と称する場合もある。
【0008】
演算部112は、CPUによって構成され、センサー装置300から出力された画像データに対して各種演算処理を行う。なお、演算部112により行われる演算処理としては、例えば、画像データに対する色変換処理や圧縮処理などがある。
【0009】
記憶部113は、RAMによって構成され、各種データを格納する。なお、記憶部113に格納されるデータとしては、例えば、演算処理に供するパラメータ(以下、演算処理用パラメータと称する)や、センサー装置300から出力された画像データ、演算処理済画像データなどがある。なお、以下、カード装置10の記憶部113に格納された演算処理用パラメータを格納パラメータと称する。
【0010】
PCカードインターフェース部114は、ホスト装置20のPCカードインターフェース部214に接続されて、カード装置10からホスト装置20に出力されるデータやホスト装置20からカード装置10に出力されるデータを伝送する。なお、PCカードインターフェース部114により伝送されるデータとしては、例えば、カード装置10からホスト装置20に出力される演算処理済画像データや、ホスト装置20からカード装置10に出力される演算処理用パラメータ(後述の登録パラメータ)などがある。PCカードインターフェース部114は、アドレス、データ、および制御信号をインターフェース信号として利用して、これらを伝送する。また、PCカードインターフェース部114は、ホスト装置20のPCカードインターフェース部214に接続されて、ホスト装置20からカード装置10に供給される電源電圧を伝送する。
【0011】
センサーインターフェース部116は、センサー装置300に接続されて、センサー装置300からデータ(ここでは、画像データ)を取り込む。
【0012】
ホスト装置20は、カード装置10との間でデータを入出力する装置である。ここでは、ホスト装置20を、カード装置10から画像データを取得し、取得した画像データを、遠隔地の通信装置400との間でのテレビ電話通信に用いるパーソナルコンピュータとして説明する。
【0013】
ホスト装置20は、カード装置10から出力された演算処理済画像データを遠隔地の通信装置400に転送する機能や、カード装置10を作動させる制御信号や演算処理用パラメータ(後述の登録パラメータ)をカード装置10に出力する機能などを有する。
【0014】
ホスト装置20は、電源部211と、制御部212と、記憶部213と、PCカードインターフェース部214と、カードソケット部216と、カード装着センサー部218と、ネットワークインターフェース部220とを有する。
【0015】
電源部211は、ホスト装置20の各部に電源電圧を供給する。また、電源部211は、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置10に電源電圧を供給する。
【0016】
制御部212は、CPUによって構成され、ホスト装置20全体の処理動作を制御する。なお、制御部212により制御される処理としては、例えば、カード装置10のカードソケット部216への装着の有無の判定処理や、カード装置10への電源の供給処理、カード装置10への各種データ(例えば、演算処理用パラメータ)の出力処理、カード装置10からの各種データ(例えば、演算処理済画像データ)の入力処理、記憶部213への各種データ(例えば、演算処理済画像データ)の格納処理、外部装置(例えば、遠隔地の通信装置400)への各種データの出力処理(例えば、演算処理済画像データ)などがある。
【0017】
記憶部213は、RAMによって構成され、各種データを格納する。なお、記憶部213に格納されるデータとしては、例えば、演算処理用パラメータや、カード装置10から出力された演算処理済画像データ、外部装置(例えば、遠隔地の通信装置400)から出力された画像データなどがある。なお、以下、ホスト装置20の記憶部213に格納された演算処理用パラメータを登録パラメータと称する。
【0018】
PCカードインターフェース部214は、カード装置10のPCカードインターフェース部114と接続されて、カード装置10からホスト装置20に出力されるデータやホスト装置20からカード装置10に出力されるデータを伝送する。なお、PCカードインターフェース部214により伝送されるデータとしては、例えば、カード装置10からホスト装置20に出力される演算処理済画像データや、ホスト装置20からカード装置10に出力される演算処理用パラメータ(すなわち、登録パラメータ)などがある。PCカードインターフェース部214は、アドレス、データ、および制御信号をインターフェース信号として利用して、これらを伝送する。また、PCカードインターフェース部214は、カード装置10のPCカードインターフェース部114に接続されて、ホスト装置20からカード装置10に供給される電源電圧を伝送する。
【0019】
カードソケット部216は、カード装置10が装着されるソケットである。
【0020】
カード装着センサー部218は、カードソケット部216の近傍に設けられたセンサーであり、カード装置10がカードソケット部216に装着されると、カード装着信号を外部(ここでは、制御部212)に出力する。なお、カード装着信号は、カード装置10がカードソケット部216に装着されたことを示す信号である。制御部212は、カード装着信号に応答して、カード装置10がカードソケット部216に装着されているか否かを判定することになる。
【0021】
ネットワークインターフェース部220は、ネットワーク(図示せず)を介して外部装置(例えば、遠隔地の通信装置400)に接続されて、外部装置からホスト装置に出力されるデータやホスト装置から外部装置に出力されるデータを伝送する。
【0022】
センサー装置300は、対象物の形や音、光、温度などを検出して、検出した対象物のデータを外部(ここでは、カード装置10)に出力する装置である。ここでは、センサー装置300を、周囲の光景を撮影して画像データを生成し、生成した画像データをカード装置10に出力する画像センサーとして説明する。
【0023】
センサー装置300は、例えばCCDセンサーやCMOSセンサーなどである。センサー装置300は、外部の光を内部に取り入れ、取り入れた光を予め定められた期間だけ貯留する。この後、センサー装置300は、貯留した光量に対応する電荷を電圧信号として取り出し、取り出した電圧信号をA/D変換して、ディジタル値の電圧信号としてカード装置10に出力する。センサー装置300は、このような動作を繰り返し行う。なお、ディジタル値の電圧信号の集合が、画像データを形成する。このようにしてセンサー装置300は、周囲の光景を撮影して画像データを生成し、生成した画像データをカード装置10に出力する。
【0024】
カード装置10とホスト装置20は、以上のように構成されている。
【0025】
なお、カード装置10は、演算部112の大きさや消費電流が制限されている。そのため、カード装置10は、演算部112の大きさや消費電流をある程度以下に抑える必要があった。このようなカード装置10は、例えば、多数の演算処理用パラメータを記憶部113に格納していて、その中から任意のパラメータを選択して演算処理に使用するような処理ができなかった。そのため、ホスト装置20は、カード装置10で演算処理用パラメータの変更が必要になる都度、更新用の演算処理用パラメータをカード装置10に出力する必要があった。
【0026】
以下に、図4を参照して、従来例に係るカード装置10とホスト装置20の動作について説明する。なお、図4中、点線枠で示す工程は、カード装置10の動作を示し、実線枠で示す工程は、ホスト装置20の動作を示している。ここでは、ホスト装置20の記憶部213は、例えば、テレビ電話通信を行うためのプログラムや、演算処理用パラメータなどを、予め格納しているものとする。また、カード装置10の記憶部113は、例えば、テレビ電話通信を行うためのプログラムや、演算処理用パラメータなどを、予め格納しているものとする。
【0027】
図4に示すように、まず、カード装置10は、ホスト装置20のカードソケット部216に装着される(S105)。
【0028】
すると、ホスト装置20の中では、まず、カード装着センサー部218は、カード装着信号を制御部212に出力する。次に、制御部212は、カード装着センサー部218から出力されたカード装着信号に応答して、カード装置10がカードソケット部216に装着されていることを検出する(S110)。これにより、制御部212は、テレビ電話通信機能の立上処理を開始する。そして、電源部211は、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置10に電源電圧の供給を開始する(S115)。また、制御部212は、ネットワークインターフェース部220を介して、外部装置(ここでは、遠隔地の通信装置400)との通信が開始すると、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置10に制御信号を出力する(S120)。なお、制御信号は、カード装置10に、画像データの取込処理や各種演算処理などを行わせるための信号である。
【0029】
カード装置10の演算部112は、PCカードインターフェース部114を介して、ホスト装置20から電源電圧を取得するとともに、ホスト装置20から制御信号を取得する。この後、演算部112は、ホスト装置20から出力された制御信号に応答して、センサー装置300に電源電圧を供給してセンサー装置300の立上処理を行う(S125)。その結果、センサー装置300は、画像を撮影して画像データを生成し、生成した画像データをカード装置10に出力する動作を繰り返し行うようになる。
【0030】
S125の後、カード装置10の演算部112は、センサーインターフェース部116を介して、センサー装置300から出力される画像データの取込処理を行う(S130)。なお、演算部112は、このとき、取り込んだ画像データを、一旦、記憶部113に格納する。この後、演算部112は、記憶部113から、各種演算処理に供するプログラムや、演算処理用パラメータ(すなわち、格納パラメータ)、画像データなどを読み出して、画像データに対して各種演算処理(例えば、色変換処理や圧縮処理)を行う(S135)。これにより、演算部112は、演算処理済画像データを生成する。そして、演算部112は、PCカードインターフェース部114を介して、演算処理済画像データをホスト装置20に出力する(S140)。このようにして、カード装置10は、センサー装置300から画像データを取り込む都度、取り込んだ画像データに対して各種演算処理を行い、これにより生成したデータ(すなわち、演算処理済画像データ)をホスト装置20に出力する。
【0031】
ホスト装置20の制御部212は、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置10から演算処理済画像データを取得し、取得した演算処理済画像データを、ネットワークインターフェース部220を介して、外部装置に転送する(S145)。
【0032】
S145の後、カード装置10の演算部112は、記憶部113から演算処理用パラメータ(すなわち、格納パラメータ)を読み出して、PCカードインターフェース部114を介して、格納パラメータをホスト装置20に出力する(S150)。
【0033】
ホスト装置20の制御部212は、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置10から格納パラメータを取得する。この後、制御部212は、記憶部213から演算処理用パラメータ(すなわち、登録パラメータ)を読み出して、格納パラメータと登録パラメータとの比較処理を行う(S155)。これにより、制御部212は、演算処理用パラメータの変更が必要か否かを判定する(S160)。ここで、格納パラメータと登録パラメータとが一致する場合は、演算処理用パラメータの変更が不要であることを意味する。他方、格納パラメータと登録パラメータとが一致しない場合は、演算処理用パラメータの変更が必要であることを意味する。
【0034】
S160において、演算処理用パラメータの変更が不要である場合、すなわち、格納パラメータと登録パラメータとが一致する場合に、工程はS180に進む。
【0035】
他方、S160において、格納パラメータと登録パラメータとが一致しない場合に、ホスト装置20の制御部212は、PCカードインターフェース部214を介して、登録パラメータ(すなわち、記憶部213から読み出した演算処理用パラメータ)を、カード装置10に出力する(S170)。このようにして、ホスト装置20は、カード装置10で演算処理用パラメータの変更が必要になる都度、更新用の演算処理用パラメータ(すなわち、登録パラメータ)をカード装置10に出力する。
【0036】
S170の後、カード装置10の演算部112は、PCカードインターフェース部114を介して、ホスト装置20から登録パラメータを取得する。そして、演算部112は、登録パラメータを記憶部113に出力して、登録パラメータを新たな格納パラメータとして記憶部113に格納させる。これにより、記憶部113は、パラメータの更新処理を行う(S175)。
【0037】
S175の後またはS160において演算処理用パラメータの変更が不要である場合に、ホスト装置20の制御部212は、外部装置との通信状態に基づいて、終了判定処理を行う(S180)。ここで、外部装置が予め定めた時間以内に何らかの信号(例えば、画像データやホスト装置20から出力した信号に対する応答信号)を送信する場合は、ホスト装置20と外部装置との間の通信が継続していることを意味する。他方、外部装置が予め定めた時間以内に何らかの信号を送信しない場合または外部装置が通信の終了を指示する信号を送信した場合は、ホスト装置20と外部装置との間の通信が終了したことを意味する。これにより、制御部212は、外部装置との間の通信が終了したか否かを判定する(S185)。
【0038】
S185において、ホスト装置20と外部装置との間の通信が終了している場合に、カード装置10とホスト装置20の動作は、終了する。
【0039】
他方、S185において、ホスト装置20と外部装置との間の通信が終了していない場合に、制御部212は、PCカードインターフェース部214を介して、次回の画像データの取込処理や各種演算処理などを行わせるための制御信号を、カード装置10に出力する(S190)。この後、工程はS130に戻る。
【0040】
カード装置10とホスト装置20は、以上のように動作する。
【0041】
なお、S130〜S145は、カード装置10からホスト装置20への演算処理済画像データの出力動作(以下、第1の動作と称する)となる。また、S150〜S175は、カード装置10でのパラメータの更新動作(以下、第2の動作と称する)となる。カード装置10とホスト装置20は、第1の動作を複数回繰り返した後、第2の動作を行う場合もある。
【特許文献1】特開平8−153175号公報(段落18〜段落38、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
従来のカード装置とホスト装置は、以下の理由により、データの入出力を高速に行うことができないときがあるという課題があった。
【0043】
すなわち、カード装置とホスト装置は、1系統のインターフェース部しか有していない。そのため、カード装置とホスト装置は、第1の動作(すなわち、カード装置からホスト装置への演算処理済画像データの出力動作)と第2の動作(すなわち、カード装置でのパラメータの更新動作)とを並行して行うことができず、これら第1と第2の動作を交互に繰り返し行っていた。
【0044】
しかしながら、カード装置とホスト装置は、第1と第2の動作を並行して行うことができないため、一方の動作時には、他方の動作を中断する必要があった。そして、カード装置とホスト装置は、演算処理用パラメータの量が増えたり、演算処理用のパラメータの伝送回数が増えたりすると、その分だけ、第1の動作の中断時間が、増大していた。そのため、このとき、カード装置は、ホスト装置へのデータの出力速度が低下していた。同様に、このとき、ホスト装置は、カード装置からのデータの入力速度が低下していた。
【0045】
したがって、従来のカード装置とホスト装置は、前述の通り、データの入出力を高速に行うことができないときがあるという課題があった。
【0046】
また、従来のカード装置とホスト装置は、以下の理由により、カード装置の演算部の演算処理能力を下げる必要があるという課題があった。そして、カード装置とホスト装置は、これによっても、データの入出力を高速に行うことができないという課題があった。
【0047】
すなわち、カード装置とホスト装置は、1系統のインターフェース部しか有していない。ホスト装置は、その1系統のインターフェース部によって電源電圧をカード装置に供給しているため、大容量の電源電圧をカード装置に供給することができなかった。したがって、ホスト装置は、小容量の電源電圧しかカード装置に供給することができず、カード装置は、小容量の電源電圧で稼働する必要があった。そこで、カード装置は、クロック周波数を低い値に設定し、その低いクロック周波数に基づいて演算部を稼働させていた。しかしながら、クロック周波数を低い値に設定すると、カード装置の演算部の演算処理能力が下がる。
【0048】
したがって、従来のカード装置とホスト装置は、前述の通り、カード装置の演算部の演算処理能力を下げる必要があるという課題があった。そして、カード装置とホスト装置は、これによっても、データの入出力を高速に行うことができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0049】
前述の課題を解決するために、この発明に係るカード装置は、各種演算処理を行う演算部と、2系統のインターフェース部とを有する。なお、2系統のインターフェース部は、PCカードインターフェース部とシリアルインターフェース部とからなる。PCカードインターフェース部は、カード装置からホスト装置に、演算処理済データを伝送するとともに、ホスト装置からカード装置に、電源電圧を伝送する。以下、PCカードインターフェース部によって伝送される電源電圧を、第1電源電圧と称する。他方、シリアルインターフェース部は、ホスト装置からカード装置に、演算処理用パラメータを伝送する。
【0050】
このようなカード装置は、PCカードインターフェース部を介して、ホスト装置からカード装置に供給された第1電源電圧を取得することにより、作動する。そして、カード装置は、PCカードインターフェース部を介して、ホスト装置に演算処理済データを出力する一方で、シリアルインターフェース部を介して、ホスト装置から演算処理用パラメータを取得する。
【0051】
なお、カード装置は、好ましくは、シリアルインターフェース部に、第2電源電圧を伝送する機能を備え、さらに、PCカードインターフェース部を介してホスト装置からカード装置に伝送された第1電源電圧とシリアルインターフェース部を介してホスト装置からカード装置に伝送された第2電源電圧とを合成する電圧合成部を有する構成にするとよい。
【0052】
このようなカード装置は、2系統のインターフェース部を介してホスト装置から第1と第2の電源電圧を取得する。そして、カード装置は、第1と第2の電源電圧を合成することにより、電流容量を増した合成電源電圧を生成する。
【0053】
他方、この発明に係るホスト装置は、ホスト装置全体の処理動作を制御する制御部と、2系統のインターフェース部とを有する。なお、2系統のインターフェース部は、PCカードインターフェース部とシリアルインターフェース部とからなる。PCカードインターフェース部は、カード装置からホスト装置に、カード装置での演算処理により生成されたデータを伝送するとともに、ホスト装置からカード装置に、第1電源電圧を伝送する。他方、シリアルインターフェース部は、ホスト装置からカード装置に、演算処理用パラメータを伝送する。
【0054】
このようなホスト装置は、PCカードインターフェース部を介して、カード装置に第1電源電圧を供給して、カード装置を作動させる。そして、ホスト装置は、PCカードインターフェース部を介して、カード装置からカード装置での演算処理により生成されたデータを取得する一方で、シリアルインターフェース部を介して、カード装置に演算処理用パラメータを出力する。
【0055】
なお、ホスト装置は、好ましくは、シリアルインターフェース部に、第2電源電圧を伝送する機能を備える構成にするとよい。
【0056】
このようなホスト装置は、2系統のインターフェース部を介してカード装置に第1と第2の電源電圧を供給する。これにより、ホスト装置は、カード装置に、第1と第2の電源電圧を合成させて、電流容量を増した合成電源電圧を生成させることができる。
【発明の効果】
【0057】
この発明に係るカード装置は、PCカードインターフェース部とシリアルインターフェース部とからなる2系統のインターフェース部を有している。そして、カード装置は、PCカードインターフェース部を介して、ホスト装置に演算処理済データを出力する一方で、シリアルインターフェース部を介して、ホスト装置から演算処理用パラメータを取得する。
【0058】
このようなカード装置は、ホスト装置との間でデータを入出力する際に、PCカードインターフェース部を演算処理済データの出力にのみ使用することができる。そのため、カード装置は、常に、ホスト装置へのデータの出力を従来よりも高速に行うことができる。
【0059】
他方、この発明に係るホスト装置は、PCカードインターフェース部とシリアルインターフェース部とからなる2系統のインターフェース部を有している。そして、ホスト装置は、PCカードインターフェース部を介して、カード装置から演算処理済データを取得する一方で、シリアルインターフェース部を介して、ホスト装置に演算処理用パラメータを出力する。
【0060】
このようなホスト装置は、カード装置との間でデータを入出力する際に、PCカードインターフェース部を演算処理済データの入力にのみ使用することができる。そのため、ホスト装置は、常に、カード装置からのデータの入力を従来よりも高速に行うことができる。
【0061】
なお、カード装置は、シリアルインターフェース部に、電源電圧を伝送する機能を備え、さらに、電圧合成部を有する場合に、2系統のインターフェース部を介してホスト装置から第1と第2の電源電圧を取得する。そして、カード装置は、第1と第2の電源電圧を合成することにより、電流容量を増した合成電源電圧を生成する。
【0062】
このようなカード装置は、従来よりも大容量の電源電圧をホスト装置から取得することができる。そのため、カード装置は、従来よりも大容量の電源電圧を演算部に供給することができ、その結果、演算部の演算処理能力を従来よりも上げることができる。そして、カード装置は、これにより、ホスト装置へのデータの出力をさらに高速に行うことができる。
【0063】
他方、ホスト装置は、シリアルインターフェース部に、電源電圧を伝送する機能を備える場合に、2系統のインターフェース部を介してカード装置に第1と第2の電源電圧を供給する。これにより、ホスト装置は、カード装置に、第1と第2の電源電圧を合成させて、電流容量を増した合成電源電圧を生成させることができる。
【0064】
このようなホスト装置は、従来よりも大容量の電源電圧をカード装置に供給することができる。そのため、ホスト装置は、カード装置の演算部の演算処理能力を従来よりも上げさせることができる。その結果、ホスト装置は、カード装置からのデータの入力をさらに高速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下に、図を参照してこの発明の実施の形態を説明する。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【実施例】
【0066】
<カード装置とホスト装置の構成>
以下に、図1を参照して、実施例に係るカード装置とホスト装置の構成について説明する。なお、図1中、従来例と同様の構成要素(図3参照)については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0067】
図1に示すように、カード装置100は、ホスト装置200とセンサー装置300とに接続される。
【0068】
カード装置100は、演算部112と、記憶部113と、PCカードインターフェース部114と、センサーインターフェース部116と、シリアルインターフェース部122と、電圧合成部124とを有する。
【0069】
演算部112と記憶部113とPCカードインターフェース部114とセンサーインターフェース部116は、従来例と同様の構成要素であるので、ここでは説明を省略する。ただし、この実施例では、演算部112は、シリアルインターフェース部122からの電圧を監視して、自身の動作クロックを高い値または低い値に設定する機能を備えている。
【0070】
演算部112は、シリアルインターフェース部122からの電源供給がある場合に、自身の動作クロックを高い値に設定する。他方、演算部112は、シリアルインターフェース部122からの電源供給がない場合に、自身の動作クロックを低い値に設定する。なお、ここでは、演算部112の動作クロックは、通常、低い値に設定されているものとする。
【0071】
シリアルインターフェース部122は、シリアルケーブル150によってホスト装置200のシリアルインターフェース部222に接続されて、カード装置100からホスト装置200に出力されるデータやホスト装置200からカード装置100に出力されるデータを伝送する。なお、シリアルインターフェース部122により伝送されるデータとしては、例えば、ホスト装置200からカード装置100に出力される演算処理用パラメータ(すなわち、登録パラメータ)などがある。
【0072】
シリアルインターフェース部122は、電源電圧を伝送する機能を備えることが好ましい。電源電圧を伝送する機能を備えるシリアルインターフェースとしては、例えば、USBシリアルインターフェースやIEEE1394インターフェースなどがある。シリアルインターフェース部122は、電源電圧を伝送する機能を備える場合に、ホスト装置200のシリアルインターフェース部222に接続されて、ホスト装置200からカード装置100に供給される電源電圧を伝送する。なお、以下、PCカードインターフェース部114,214によって伝送される電源電圧とシリアルインターフェース部122,222によって伝送される電源電圧とを区別する場合に、前者の電源電圧を第1電源電圧と称し、後者の電源電圧を第2電源電圧と称する。
【0073】
電圧合成部124は、シリアルインターフェース部122が電源電圧を伝送する機能を備える場合に、PCカードインターフェース部114を介してホスト装置200からカード装置100に供給された第1電源電圧とシリアルインターフェース部122を介してホスト装置200からカード装置100に供給された第2電源電圧とを合成して合成電源電圧を生成する。なお、ここで、電源電圧の合成とは、第1電源電圧と第2電源電圧との電流容量を加算することを意味する。電圧合成部124は、生成した合成電源電圧を、演算部112と記憶部113およびセンサー装置300に供給する。以下、電圧合成部124を、合成電源部と称する場合もある。この合成電源電圧は、演算部112と記憶部113およびセンサー装置300の駆動に使用される。
【0074】
ホスト装置200は、電源部211と、制御部212と、記憶部213と、PCカードインターフェース部214と、カードソケット部216と、カード装着センサー部218と、ネットワークインターフェース部220と、シリアルインターフェース部222とを有する。
【0075】
電源部211と制御部212と記憶部213とPCカードインターフェース部214とカードソケット部216とカード装着センサー部218とネットワークインターフェース部220は、従来例と同様の構成要素であるので、ここでは説明を省略する。
【0076】
シリアルインターフェース部222は、シリアルケーブル150によってカード装置100のシリアルインターフェース部122に接続されて、カード装置100からホスト装置200に出力されるデータやホスト装置200からカード装置100に出力されるデータを伝送する。なお、シリアルインターフェース部222により伝送されるデータとしては、例えば、ホスト装置200からカード装置100に出力される演算処理用パラメータ(すなわち、登録パラメータ)などがある。
【0077】
シリアルインターフェース部222は、カード装置100のシリアルインターフェース部122と同様に、電源電圧を伝送する機能を備えることが好ましい。シリアルインターフェース部222は、電源電圧を伝送する機能を備える場合に、カード装置100のシリアルインターフェース部122に接続されて、ホスト装置200からカード装置100に供給される電源電圧(すなわち、第2電源電圧)を伝送する。
【0078】
以上の通り、カード装置100とホスト装置200は、互いの間に、2系統のインターフェース部を備えている。2系統のインターフェース部は、PCカードインターフェース部114,214とシリアルインターフェース部122,222とからなる。PCカードインターフェース部114,214は、カード装置100からホスト装置200に出力されるデータ(例えば、演算処理済データ)を伝送する。また、PCカードインターフェース部114,214は、ホスト装置200からカード装置100に供給される第1電源電圧を伝送する。他方、シリアルインターフェース部122,222は、ホスト装置200からカード装置100に出力されるデータ(例えば、演算処理用パラメータ)を伝送する。また、シリアルインターフェース部122,222は、ホスト装置200からカード装置100に供給される第2電源電圧を伝送する。
【0079】
また、カード装置100は、電圧合成部124を有しており、この電圧合成部124によって、PCカードインターフェース部114を介してホスト装置200から供給された第1電源電圧とシリアルインターフェース部122を介してホスト装置から供給された第2電源電圧とを合成して合成電源電圧を生成する。
【0080】
<カード装置とホスト装置の動作>
以下に、図2を参照して、実施例に係るカード装置とホスト装置の動作について説明する。なお、図2中、従来例と同様の工程(図4参照)については、同一の符号を付し、従来例のカード装置10とホスト装置20とを実施例のカード装置100とホスト装置200とに読み替えて説明する。
【0081】
図2−1に示すように、まず、カード装置100とホスト装置200は、シリアルケーブル150によって、シリアルインターフェース部122と222とが接続される(S101)。
【0082】
この後、カード装置100は、ホスト装置200のカードソケット部216に装着される(S105)。
【0083】
すると、ホスト装置200の中では、まず、従来例と同様に、カード装着センサー部218は、カード装着信号を制御部212に出力する。次に、制御部212は、カード装着センサー部218から出力されたカード装着信号に応答して、カード装置100がカードソケット部216に装着されていることを検出する(S110)。この検出に応答して、制御部212は、テレビ電話通信機能の立上処理を開始する。そして、この立上処理に応答して、電源部211は、PCカードインターフェース部214を介して、カード装置100に第1電源電圧の供給を開始する(S115)。なお、このとき、シリアルインターフェース部222が電源電圧を伝送する機能を備える場合に、電源部211は、PCカードインターフェース部214だけでなく、シリアルインターフェース部222によっても、カード装置100に電源電圧(すなわち、第2電源電圧)を供給する。また、制御部212は、ネットワークインターフェース部220を介して、外部装置(ここでは、遠隔地の通信装置400)との通信が開始すると、この通信開始に応答して、シリアルインターフェース部222を介して、カード装置100に制御信号を出力する(S120)。
【0084】
カード装置100は、PCカードインターフェース部114を介して、ホスト装置200から第1電源電圧を取得する。この第1電源電圧は、PCカードインターフェース部114から電圧合成部124に出力される。また、カード装置100は、ホスト装置200の電源部211がシリアルインターフェース部222を介してカード装置100に電源電圧(すなわち、第2電源電圧)を供給している場合に、シリアルインターフェース部122を介してホスト装置200から第2電源電圧を取得する。この第2電源電圧は、シリアルインターフェース部122から電圧合成部124に出力される。また、カード装置100は、シリアルインターフェース部122を介して、ホスト装置200から制御信号を取得する。すると、カード装置100の電圧合成部124は、第1と第2の電源電圧の合成処理を行う(S121)。これによって、電圧合成部124は、合成電源電圧を生成する。この後、電圧合成部124で生成された合成電源電圧は、演算部112と記憶部113およびセンサー装置300に出力される。
【0085】
演算部112は、電圧合成部124から合成電源電圧を取得する。この後、演算部112は、シリアルインターフェース部122からの電源供給があるか否かを判定する(S122)。
【0086】
S122において、シリアルインターフェース部122からの電源供給がある場合に、演算部112は、演算部112の消費電流が予め定められた値以下に収まる範囲内で、クロック周波数のアップ処理を行う(S123)。これにより、演算部112は、演算速度をアップすることができる。
【0087】
他方、S122において、シリアルインターフェース部122からの電源供給がない場合に、工程は図2−2のS125に進む。
【0088】
次に、演算部112は、ホスト装置200から出力された制御信号に応答して、センサー装置300に電源電圧を供給してセンサー装置300の立上処理を行う(S125)。その結果、センサー装置300は、画像を撮影して画像データを生成し、生成した画像データをカード装置100に出力する動作を繰り返し行うようになる。
【0089】
S125以降の工程では、カード装置100とホスト装置200は、従来例(図4参照)と同様の動作を行う。ただし、S150では、カード装置100の演算部112は、PCカードインターフェース部114の代わりに、シリアルインターフェース部122を介して、格納パラメータをホスト装置200に出力する。また、S170では、ホスト装置200の制御部212は、PCカードインターフェース部214の代わりに、シリアルインターフェース部222を介して、登録パラメータをカード装置100に出力する。また、S190では、ホスト装置200の制御部212は、PCカードインターフェース部214の代わりに、シリアルインターフェース部222を介して、制御信号をカード装置100に出力する。
【0090】
以上の通り、この実施例によれば、カード装置100は、ホスト装置200との間でデータを入出力する際に、PCカードインターフェース部114を演算処理済データの出力にのみ使用することができる。そのため、カード装置100は、常に、ホスト装置200へのデータの出力を従来よりも高速に行うことができる。同様に、ホスト装置200は、カード装置100との間でデータを入出力する際に、PCカードインターフェース部214を演算処理済データの入力にのみ使用することができる。そのため、ホスト装置200は、常に、カード装置100からのデータの入力を従来よりも高速に行うことができる。
【0091】
また、カード装置100は、従来よりも大容量の電源電圧をホスト装置200から取得することができる。そのため、カード装置100は、従来よりも大容量の電源電圧を演算部112に供給することができ、その結果、演算部112の演算処理能力を従来よりも上げることができる。そして、カード装置100は、これにより、ホスト装置200へのデータの出力をさらに高速に行うことができる。
【0092】
同様に、ホスト装置200は、従来よりも大容量の電源電圧をカード装置100に供給することができる。そのため、ホスト装置200は、カード装置100の演算部112の演算処理能力を従来よりも上げさせることができる。その結果、ホスト装置200は、カード装置100からのデータの入力をさらに高速に行うことができる。
【0093】
なお、この発明は、前述の実施例に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用や変形が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
実施例では、カード装置として、コンピュータにテレビ電話機能を付加するPCカードを例にして説明したが、この発明は、ホスト装置との間でデータを入出力するカード装置であれば、これ以外の用途のものであっても適用することができる。
【0095】
また、ホスト装置は、演算機能を有する装置であれば、パーソナルコンピュータ以外の形態の装置であっても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施例に係るカード装置とホスト装置の構成を示す図である。
【図2−1】実施例に係るカード装置とホスト装置の動作を示すフローチャート(1)である。
【図2−2】実施例に係るカード装置とホスト装置の動作を示すフローチャート(2)である。
【図3】従来例に係るカード装置とホスト装置の構成を示す図である。
【図4】従来例に係るカード装置とホスト装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
10,100 …カード装置
112 …演算部(CPU)
113,213 …記憶部
114,214 …PCカードインターフェース部
116 …センサーインターフェース部
122,222 …シリアルインターフェース部
124 …電圧合成部
150 …シリアルケーブル
20,200 …ホスト装置
211 …電源部
212 …制御部(CPU)
216 …カードソケット部
218 …カード装着センサー部
220 …ネットワークインターフェース部
300 …センサー装置(画像センサー)
400 …通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置との間でデータを入出力するカード装置において、
各種演算処理を行う演算部と、
当該カード装置から前記ホスト装置に、前記演算部での演算処理により生成されたデータを伝送するとともに、前記ホスト装置から当該カード装置に、第1電源電圧を伝送するPCカードインターフェース部と、
前記ホスト装置から当該カード装置に、演算処理に供するパラメータを伝送するシリアルインターフェース部とを有することを特徴とするカード装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカード装置において、
前記シリアルインターフェース部は、前記ホスト装置から当該カード装置に、第2電源電圧を伝送する機能を備え、
当該カード装置は、さらに、前記PCカードインターフェース部を介して前記ホスト装置から当該カード装置に伝送された前記第1電源電圧と前記シリアルインターフェース部を介して前記ホスト装置から当該カード装置に伝送された前記第2電源電圧とを合成する電圧合成部を有することを特徴とするカード装置。
【請求項3】
カード装置との間でデータを入出力するホスト装置において、
当該ホスト装置全体の処理動作を制御する制御部と、
前記カード装置から当該ホスト装置に、前記カード装置での演算処理により生成されたデータを伝送するとともに、当該ホスト装置から前記カード装置に、第1電源電圧を伝送するPCカードインターフェース部と、
当該ホスト装置から前記カード装置に、演算処理に供するパラメータを伝送するシリアルインターフェース部とを有することを特徴とするホスト装置。
【請求項4】
請求項3に記載のホスト装置において、
前記シリアルインターフェース部は、当該ホスト装置から前記カード装置に、第2電源電圧を伝送する機能を備えることを特徴とするホスト装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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