説明

カード認証システム

【課題】 コスト的にも抑えつつ、悪用を防止することが可能な、カード認証システムを提供する。
【解決手段】 利用者が、キャッシュカード10を端末装置20に挿入し、暗証番号を入力すると、端末装置20は、キャッシュカード10から公開二次元バーコードを光学的に読み取る一方、暗証番号に基づいて鍵コードを生成し、公開二次元バーコードと鍵コードに基づいて、二次元バーコードを復元し、この二次元バーコードを口座番号に変換し、口座番号をホストコンピュータ30に送信する。ホストコンピュータ30では、受信した口座番号の認証を行い、正当である場合には、端末装置20に使用許可を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッシュカード等のカード媒体の認証を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、金融機関から預金の引き出し等を行うために、キャッシュカードが用いられている。このようなキャッシュカードには、磁気により情報が記録されており、ATM等の機械により、磁気に記録された情報が読み取られるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、最近では、技術の進歩により、小型化された磁気読み取り装置により、磁気情報が読み取られ、悪用されるケースが増えてきている。このような悪用を防止するため、ICカードを用いることも行われているが、コストがかかるという問題がある。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、コスト的にも抑えつつ、悪用を防止することが可能な、カード認証システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明では、公開二次元バーコードが印刷されたキャッシュカードから公開二次元バーコードを読み取る光学的読取手段と、暗証番号を入力する暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号に対応する鍵コードを生成する鍵コード生成手段と、前記読み取った公開二次元バーコードと、前記生成された鍵コードに基づいて、二次元バーコードを復元する二次元バーコード生成手段と、前記復元された二次元バーコードを口座特定情報に変換する情報変換手段と、前記変換により得られた口座特定情報を用いて正当性の認証を行う認証手段を有するカード認証システムを用いる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャッシュカードから公開二次元バーコードを光学的に読み取る一方、入力された暗証番号に基づいて鍵コードを生成し、公開二次元バーコードと鍵コードに基づいて、二次元バーコードを復元し、この二次元バーコードを口座特定情報に変換し、この口座特定情報を用いて正当性の認証を行うようにしたので、キャシュカード製造のコストを抑えつつ、悪用を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(カードの構造)
まず、本発明に係るカード認証システムにおいて利用するキャッシュカード10の構造について説明する。図1は、本発明のカード認証システムで用いるカードの平面図である。図1において、1はカード基材、2は公開二次元バーコードである。本発明において用いるキャッシュカードは、カード基材1には特徴はなく、カード基材上に公開二次元バーコードが印刷されている点が異なっている。また、カード基材1上には、従来の磁気カードと同様、保有者の氏名や口座番号等が印刷されているが、本発明の特徴とは直接関係がないので、図1においては省略してある。
【0008】
ここで、キャッシュカードの表面に印刷される公開二次元バーコードの作成手法について説明する。公開コードの作成は、国際公開第04/090804号(以下特許文献1とする)に開示されているような公知の技術により作成することができる。具体的には、まず、氏名、口座番号等の情報を、規格化された手法により二次元バーコード化して原文二次元バーコードを得る。この原文二次元バーコードとしては、QRコードなどが良く知られている。そして、この口座についての暗証番号を、同様に、規格化された手法により二次元バーコード化して鍵コードを得る。その後、原文二次元バーコードに、鍵コードを作用させて、公開二次元バーコードを得る。
【0009】
上記のような、公開二次元バーコードは、各口座ごとに作成され、この公開二次元バーコードは、キャッシュカードに印刷される。公開二次元バーコードは、そのままでは情報の復元が不可能なものとなっているので、キャッシュカードに印刷された公開二次元バーコードを撮影して、それから情報を得ようとしても情報を得ることはできない。
【0010】
(システム構成)
次に、本発明に係るカード認証システムについて説明する。図2は、本発明のカード認証システムの構成図である。図2において、20は端末装置、30はホストコンピュータ、40は通信回線である。端末装置20は、いわゆるATMであり、キャッシュカードを利用して預金の出し入れ等が可能なものである。本発明における端末装置20は、通常のATMが備えている口座に対する手続を行うための手段、暗証番号入力手段等に加え、キャッシュカードに印刷された公開コードを読み取るための光学的読取手段を備えている。ホストコンピュータ30は、銀行等の金融機関が管理するコンピュータであり、端末装置20からの情報に基づいて、口座番号データベースにアクセスし、キャッシュカードの認証処理等を行う機能を有する。
【0011】
(システムの処理動作)
続いて、図2に示したシステムの処理動作について説明する。まず、利用者は、従来のATMにおけるキャッシュカードの利用と同様に、図1に示したキャッシュカード10を、端末装置20に設けられたカード挿入口に入れ、読み込ませる。端末装置20では、キャッシュカード10が挿入されたことを認識すると、光学的読取手段により、キャッシュカード10上の所定の位置に印刷された公開二次元バーコードを光学的に読み取る。これにより、公開二次元バーコードの画像が端末装置20内に取り込まれる。
【0012】
利用者は、端末装置20にキャッシュカード10を挿入した後、暗証番号を入力する。暗証番号の入力は、従来のATMと同様、キーボードやタッチパネルにより番号を直接指定することにより行う。端末装置20は、暗証番号が入力されると、その暗証番号を二次元バーコード化することにより鍵コードを生成する。
【0013】
続いて、端末装置20は、取り込んだ公開二次元バーコードと、暗証番号を基に生成した鍵コードを利用して、原文二次元バーコードを生成する。具体的には、上記特許文献1に開示されているような手法により行われることになる。
【0014】
原文二次元バーコードを生成したら、端末装置20は、この原文二次元バーコードから基の情報、すなわち口座名義人の氏名および口座番号を復元する。これは、規格化された二次元バーコードから情報を復元する手法により実現することができる。そして、これらの情報をホストコンピュータ30に送信する。
【0015】
ホストコンピュータ30では、端末装置20から受信した口座名義人の氏名および口座番号が、口座番号データベースに存在するかどうかを確認し、存在する場合には、その口座が正当なものである旨の情報を端末装置20に送信する。端末装置20は、ホストコンピュータ30から、正当である旨の情報を受信すると、利用者が、その口座に対して手続可能な状態に移行する。
【0016】
このようにして、手続可能な状態になったら、利用者は、そのキャッシュカードに対応した銀行口座に対して、従来と同様、端末装置20から手続を行うことが可能となる。
【0017】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、図1に示したキャッシュカード10のカード基材1上に印刷される公開二次元バーコード2は、人間の目に見えるインキで印刷したものであるが、透明インキを用いて公開二次元バーコード2を印刷するようにしても良い。透明インキとは、通常のインキと異なり、可視光以外の赤外線吸収もしくは発散特性を有するインキである。端末装置20(ATM)が備えるCCDカメラ等の光学的読取手段は、通常、可視光以外のものも読み取ることができるため、このような透明インキであっても公開二次元バーコード2の読み取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明で利用するキャッシュカードの平面図である。
【図2】本発明に係るカード認証システムの構成図である。
【符号の説明】
【0019】
1・・・カード基材
2・・・公開二次元バーコード
10・・・キャッシュカード
20・・・端末装置(ATM)
30・・・ホストコンピュータ
40・・・通信回線



【特許請求の範囲】
【請求項1】
公開二次元バーコードが印刷されたキャッシュカードから公開二次元バーコードを読み取る光学的読取手段と、
暗証番号を入力する暗証番号入力手段と、
前記入力された暗証番号に対応する鍵コードを生成する鍵コード生成手段と、
前記読み取った公開二次元バーコードと、前記生成された鍵コードに基づいて、原文二次元バーコードを復元する二次元バーコード生成手段と、
前記復元された原文二次元バーコードを口座特定情報に変換する情報変換手段と、
前記変換により得られた口座特定情報を用いて正当性の認証を行う認証手段と、
を有することを特徴とするカード認証システム。
【請求項2】
前記カード認証システムは、端末装置とホストコンピュータが通信回線を介して接続された構成であり、
前記端末装置は、前記光学的読取手段、前記暗証番号入力手段、前記二次元バーコード生成手段、前記情報変換手段を備えており、
前記ホストコンピュータは、前記認証手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカード認証システム。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−128134(P2007−128134A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318099(P2005−318099)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】