説明

カード読み取り装置を備える飲料調製マシン

本発明は、カード(90)からユーザ識別情報を読み取る又はユーザ若しくはユーザ設定を一意的に識別するカード読み取り装置(23、24)を備える飲料調製マシン(1)、特にカプセルベースの飲料調製マシンに関する。読み取られた情報は、外部サーバに送信されることができる、あるいは飲料調製マシン(1)自体で処理されることができる。制御部(21)は、読み取られたユーザ識別情報に従って並びに/あるいは送信されたデータに応じて外部サーバ(50)から受信された情報に従って、飲料調製マシンの機能及び処理ステップを制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の属する技術分野は、カード読み取り装置を備える飲料調製マシンと、メモリ装置上に格納され、飲料調製マシンの制御部(21)によって実行可能なプログラムとに関する。
【0002】
本明細書において、「飲料」は茶、コーヒー、熱い又は冷たいチョコレート飲料、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液状食品を含むことが意図されている。「カプセル」は、封入容器内に予め小分けにされた任意の飲料原料を含むことが意図されている。ここで、封入容器は、例えばプラスチック製容器、アルミニウム製容器、再利用可能容器及び/又は生分解可能容器、特に密閉容器など、任意の材料からなり、飲料原料を含有する軟らかいポッド若しくは硬いカートリッジを含む任意の形状かつ構造からなる。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンでは、抽出又は溶解される原料を収容するカプセルが用いられる。他の飲料調製マシンの場合、原料は、飲料調製マシン内において蓄えられ、自動的に投入され、あるいは、飲料を調製する際に加えられる。
【0004】
大部分のコーヒーマシンや他の飲料調製マシンは、液体用、通常は水用のポンプを含む注入手段を備えており、そのポンプは、冷水源から、もしくは、実際には、加熱抵抗器、サーモブロック又は同様のものなどの加熱手段によって加熱される水の供給源から液体を圧送する。通常、そのような注入手段は、飲料調製マシンの制御部、典型的には制御器を伴うプリント回路基板を含む制御部によって制御される。
【0005】
そのようなマシンに動作命令を与えたり、マシンからフィードバックを得たりするために、ユーザがマシンと情報をやりとりできるように、例えば以下の参考文献、すなわち、オーストリア国特許第AT410377号明細書、スイス国特許第682798号明細書、独国特許第4429353号明細書、独国特許第20200419号明細書、独国特許出願公開第202006019039号明細書、独国特許出願公開2007008590号明細書、欧州特許第1302138号明細書、欧州特許第1448084号明細書、欧州特許第1676509号明細書、欧州特許出願公開08155851.2号明細書、仏国特許第2624844号明細書、英国特許第2397510号明細書、米国特許第4,377,049号明細書、米国特許第4,458,735号明細書、米国特許第4,554,419号明細書、米国特許第4,767,632号明細書、米国特許第4,954697号明細書、米国特許第5,312,020号明細書、米国特許第5,335,705号明細書、米国特許第5,372,061号明細書、米国特許号明細書5,375,508号明細書、米国特許第5,731,981号明細書、米国特許第5,645,230号明細書、米国特許第5,836,236号明細書、米国特許第5,959,869号明細書、米国特許第6,182,555号明細書、米国特許第6,354,341号明細書、米国特許第6,759,072号明細書、米国特許第2007/0157820号明細書、国際公開第97/25634号、国際公開第99/50172号、国際公開第2004/030435号、国際公開第2004/030438号、国際公開第2006/063645号、国際公開第2006/090183号、国際公開第2007/003062号、国際公開第2007/003990号、国際公開第2008/104751号、国際公開第2008/138710号、国際公開第2008/138820号、及び国際公開第2009/016490号で述べられているように、当分野において様々なシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在では、飲料調製マシンは、ますます増加している様々な機能を提供している。これにより、ユーザに対する多くの自由度を与えることができるが、その一方で、ユーザがユーザの要求に合う機能を見つけ出すことをより困難にもさせる。更に、増加された機能には、権限のないユーザによって使用された場合に飲料調製マシンの所有者に財政上の損害又は他の損害を与え得る機能も含まれる。
【0007】
更に、例えば飲料調製マシンが複数の様々なユーザから商業的に使用されてアクセスされるB2Bソリューションの場合、全てのユーザが飲料調製マシンを特定の方法で使用するのを可能にすることが望ましいが、その一方で、様々なユーザがユーザのそれぞれの要求を満たす方法で飲料調製マシンを動作させることもまた困難である。
【0008】
顧客向けにカスタマイズされた飲料製品を製造して提供するシステムは、当分野、例えば国際公開第01/12039A2号の文献から周知である。しかしながら、これらのシステムは、顧客を識別することに基づいて、格納された処理ステップの実行を自動化するフレキシブルかつ安全なソリューションをもたらさない。特に、格納された処理ステップの実行に遠隔リソースが関与する場合、これらの遠隔リソースに対するアクセスを安全にすることと、格納されたデータを遠隔で取り扱う効果的な方法を提供することとは特に関連性がある。当分野で周知のシステムは、これらの問題に対処する効果的なソリューションをもたらさない。
【0009】
従って、本発明の目的は先行技術を改善することにある。
【0010】
更に、本発明の目的は、カード読み取り装置を備える飲料調製マシンと、カード読み取り装置を備える飲料調製マシンを動作させる方法とを提供することであり、そのカード読み取り装置は飲料調製マシンの動作をユーザベースで制御することを可能にする。
【0011】
さらに具体的に、本発明の目的は、カード読み取り装置を備える飲料調製マシンと、カード読み取り装置を備える飲料調製マシンを動作させる方法とを提供することにあり、そのカード読み取り装置は飲料調製マシンのカスタマイズ又は飲料調製マシンの使用のカスタマイズを可能にする。更に、本発明の目的は、現ユーザによって及び/又は特定のアクセス権によってマシンを動作させることを可能にするような、かつ/あるいは遠隔サーバ及び/又は遠隔サーバによって制御される特定の機能にアクセスできるようにする手段としてカード読み取り装置を用いてネットワーク経由で遠隔サーバにアクセスすることを可能にするようなマシン並びに方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様によれば、本発明は、飲料調製マシン、特にカプセルベースのマシンであって、ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報をカードから読み取るカード読み取り装置と、認証を要する処理ステップを格納し、さらにユーザ識別情報と飲料調製マシンの処理ステップとの間の関連づけを格納するメモリと、関連づけられたユーザ識別情報と読み取られたユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、格納された処理ステップの実行を開始するように構成された制御部とを備える飲料調製マシンに関するものである。
【0013】
更なる態様によれば、本発明は、メモリ装置上に格納され、飲料調製マシン、特にカプセルベースの飲料調製マシンの制御部によって実行可能なプログラムに関し、そのプログラムが、その実行に際して、ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報をカードから読み取るステップと、認証を要する処理ステップを格納するステップと、ユーザ識別情報と飲料調製マシンの処理ステップとの間の関連づけを格納するステップと、関連づけられたユーザ識別情報と読み取られたユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、格納された処理ステップの実行を開始するステップとを行うように構成されている。
【0014】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、本発明の実例にすぎない実施形態の以下の詳細な説明と添付の図面によって明らかになるであろう。
【0015】
ここで、概略図を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図1b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2a】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図2b】本発明に係る飲料調製マシンの一斜視図を示す。
【図3】ネットワークに接続されている本発明に係る飲料調製マシンの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図4】本発明に係る飲料調製マシンを含むネットワークの機能的アーキテクチャを図式的に示すブロック図を示す。
【図5】本発明に係る飲料調製マシンの機能的アーキテクチャを図式的に示す別のブロック図を示す。
【図6】本発明に係る飲料調製マシン及びサーバを含むシステムの機能的アーキテクチャを図式的に示す別のブロック図を示す。
【図7】本発明に係る方法の処理ステップに関する図式的な概略図を示す。
【図8】本発明に係る方法の処理ステップに関する図式的な概略図を示す。
【図9】本発明に係る方法の処理ステップに関する図式的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る飲料調製マシンは、コーヒー、茶又はスープのマシン、特に供給される飲料若しくは液状食品の原料、例えば挽かれたコーヒーなどを収容するカプセルに熱水、冷水又は他の液体を通すことによって飲料若しくは液状食品を供給するマシンとすることができる。
【0018】
例えば、飲料調製マシンは、使用のために原料カプセルを収容し使用後にカプセルを排出するように構成されている飲料調製部、液体貯蔵部、液体循環回路、加熱器、及びポンプのうちの1つ又は複数を含む原料処理装置と、飲料調製部から排出されるカプセルを座部に導く開口部を有する筺体と、容器であって、その座部に排出されるカプセルをその容器に満杯になるまで収集するための収納空間を形成する空洞部を有する容器とを備える。この容器は、カプセルを収集するために座部に挿入することが可能であり、収集済みのカプセルを出して空にするために座部から取り外されることが可能である。そのような原料処理装置の例は、国際公開第2009/074550号及び国際公開第2009/130099号に開示されており、これらの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
飲料調製マシンは、国際出願第EP09/058540号に記載されているようなインターフェースを含んでもよく及び/又は欧州特許出願公開09169800.1号明細書に記載されているようなカプセル再注文用のネットワーク内にあってもよい。
【0020】
飲料調製マシンは、ユーザに情報を提供する及び/又はユーザによる入力を受け付けるユーザインターフェーススクリーンを備えてもよい。ユーザインターフェーススクリーンは、タッチセンサ式スクリーンとすることができ及び/又はタッチセンサ式の入力部分を含むことができる。飲料調製マシンは、タッチパッド、1つ若しくは複数のボタン及び/又はスイッチあるいは当分野で周知の同様のデバイスなどのユーザ入力デバイスを有してもよい。ユーザインターフェーススクリーンはタッチペンに反応するものであり得る。
【0021】
タッチペンは、例えばユーザインターフェーススクリーン上に表示される既定のオプションを選択するのに使用されてもよいし、あるいは飲料調製マシンによって格納されて後に再アクセス可能であり得るメモ及びメッセージをユーザインターフェーススクリーン上に書くのに使用されてもよい。従って、ユーザインターフェーススクリーンはポスト・イット(登録商標)の代わりとして使用されてもよい。ここで、ユーザインターフェーススクリーン上に書くときに様々な色を選択することが可能であり得る。
【0022】
本発明によれば、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーン上に表示可能な遠隔データにアクセスするためのネットワーク及び/又はユーザインターフェーススクリーン経由で取得されるローカルデータを転送するためのネットワーク、特に、ユーザによって要求され得る液状食品若しくは飲料に関連する視覚情報及び/又は音声情報を提供するためのネットワーク、並びに/あるいはユーザインターフェーススクリーンを使用することによって液状食品、飲料原料又はこのマシンに関連するサービスなどの商品を特に遠隔サプライヤから注文するためのネットワークなどの遠隔ネットワークに接続するインターフェースを有する。
【0023】
従って、ユーザは、無くなった若しくは少量レベルの液状食品又は飲料原料を飲料調製マシンを通して直接注文する技術的可能性を与えられ得る。あるいは、ユーザは、特定品目、特にユーザが要求した又は調製若しくは遠隔サプライヤからの注文を飲料調製マシンに要求するつもりである液状食品か飲料に関する最新情報を、飲料調製マシンを通して直接要求する技術的可能性を与えられ得る。
【0024】
更に、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザの措置を要求する飲料調製マシンのパラメータに関する情報をユーザに表示する機能、ローカルに格納され及び/又は遠隔で送られるグラフィック若しくはテキスト要素を表示する機能、メモ帳機能、並びに例えば適当な写真を表示する又は色付きの形状を移動することによって視覚的な雰囲気を作る例えばスクリーンセーバ型の生成器の機能のうちから選択される少なくとも1つの機能を実行するように構成されることができる。
【0025】
視覚効果によって飲料調製マシンの周囲の雰囲気に著しく影響を与えるために、ユーザインターフェーススクリーンは、ユーザが見ることができるマシン部分の多くを占める必要がある。インターフェーススクリーンが小型であり及び/又はマシンのうちユーザが視認可能な部分が欠けていると、最適な雰囲気の効果をもたらさないであろう。
【0026】
更に、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、音響入力装置及び/又は音響出力装置を含んでもよい。その音響装置は、ユーザインターフェーススクリーンと協働するように構成されることができ、特にユーザインターフェーススクリーンと機能的に協働するように構成される音響装置、例えばユーザインターフェーススクリーン上のユーザ入力に反応して旋律的な音響フィードバックを提供する及び/又は音声信号に反応して調和的な視覚フィードバックがユーザインターフェーススクリーン上に生成されるようにユーザインターフェーススクリーンと協働する音響装置などである。その音響装置は、ユーザの口頭命令を受信することができるように及び/又は音声分析によって特定のユーザプロファイルをリンクすることができるように音声認識装置を含んでもよい。
【0027】
例えば、ユーザインターフェーススクリーンは、調製マシンが液状食品若しくは飲料を調製している間に映画、ニュース、天気予報、株式取引情報又は同様の任意のものを表示するように構成されてもよく、これにより、ユーザは、そのような行動に移るために液状食品若しくは飲料が調製されるまで待つ必要はなく、その機能が単なるデータの入力及び/又は出力を著しく越えている快適なインターフェーススクリーンを用いて、それらを最初から行うことができる。
【0028】
そのような液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、特に放送進行中のラジオ又はテレビ番組の間に液状食品若しくは飲料を調製するのに便利である。従って、ユーザは普通のテレビ又はラジオ上でそのような番組の進行を追い続ける間に液体食品若しくは飲料を自身で得て、更に飲料調製マシン上でその番組の進行を追い続けてもよい。従って、ユーザは、番組の終了又は広告による休憩を待とうとしないであろう。飲料調製マシンは、IR又は無線遠隔制御装置などの遠隔制御装置、特にラジオ又はテレビと互換性のある遠隔制御装置に反応することが可能な受信機を含んでもよく、これにより、ユーザは液状食品若しくは飲料調製マシンを遠隔から、特にユーザが自身のテレビの前又はラジオの近くに座っている間に始動することができる。当然、液状食品調製マシン若しくは飲料調製マシンは、ユーザが液状食品若しくは飲料を調製している間にユーザが自身のお気に入りの番組の進行を追い続けることができるようにDVD又は他のメディアソースに接続されてもよい。
【0029】
調製マシンは、ユーザインターフェーススクリーンによって大部分が占められている矩形表面とその表面部分よりも大きい脚部分とを有する本体によって実質的に形成されることができ、これにより本体が脚部分から表面部分まで先細りになっている。本体は、液状食品若しくは飲料で満たされる容器用の支持部材を有するドリップトレイ、カプセル収集器、及び貯水器などの液体供給貯蔵部のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0030】
更に、調製マシンは、満たされる容器を収容する部分の上方に配置される液状食品出口又は飲料出口を有してもよく、その出口はユーザインターフェーススクリーンによって隠されていることが好ましい。例えば、その出口はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置される。実際、その出口の全領域又は実質的な部分はユーザインターフェーススクリーンの後ろに垂直に配置されることができる。
【0031】
従って、ユーザの注意を自然に惹き続ける調製マシン上のユーザインターフェーススクリーン構成を提供することに加えて、調製マシンの出口と、随意的にその出口の下に配置される容器は、ユーザインターフェーススクリーンに関するもの以外で調製マシンの部分及び/又は操作によってユーザの注意をそらすのを避けるようにユーザの視界から隠されてもよい。
【0032】
既に述べたように、本発明はデータ交換ネットワークに接続可能なマシンに関するものであり、そのマシンは特にカプセル内に予め小分けにされた飲料原料から飲料を調製するように構成される。
【0033】
このため、マシンは有線又は無線接続でそのマシンをデータ交換ネットワークに接続する通信モジュールを備える。通信モジュールが接続可能なデータ交換ネットワークは、インターネット、イントラネット、GSMネットワーク、UMTSネットワーク、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)ネットワーク、赤外線(IR)ネットワーク、あるいは飲料調製マシンの通信モジュールと通信するために1つ又は複数の遠隔コンピュータ、サーバ及び端末が接続される同様のネットワークであってもよい。本明細書では、「ネットワーク」という用語は、本発明に係るマシンと少なくとも1つの他の装置とを備えるシステムであって、そのマシン及びその装置が一方向又は双方向通信用の通信リンク経由で互いに接続されるシステムを示すことが意図される。2つ以上の装置に対して接続が設けられる場合、マシンは様々な種類の通信ネットワーク経由で様々な装置に接続されることもできる。
【0034】
原料処理装置を制御せずに、あるいは原料処理装置の制御に関与せずに、通信モジュールは、飲料調製マシンのある特定の状況を監視するように及び特にそのような状況をネットワーク上の遠隔サーバに通信するように飲料調製マシン内で構成されることができる。
【0035】
飲料調製マシンは、飲料調製マシン内の全ての処理を制御する制御部を更に備える。一実施形態では、制御部は、通信モジュールとデータ通信するように構成されており、そのデータは飲料調製処理、原料処理装置、制御部及び/又は飲料調製設定のうちの少なくとも1つに関する。その場合、この情報は、遠隔サーバに通信され(又は通信されなく)てもよく、一般的な目的、特別な商業上の目的、サービスの目的、修理の目的、又はカウンセリングの目的のために処理されてもよい。
【0036】
さらにより安全な実施形態では、制御部は、通信モジュールと通信することを阻止される。この場合、通信は上述のように一方向でさえもなく存在しない。従って、制御部は、情報要求のための信号でさえも通信モジュールから一切受信しないように構成される。この実施形態では、データ通信経路は、制御部と通信モジュールとの間に必要とされない。
【0037】
典型的には、原料処理装置は、この原料処理装置の状況及び/又は飲料調製処理の状況に関するパラメータを測定する1つ又は複数のセンサを備えている。例えば、そのようなセンサは、温度センサ、圧力センサ、流量計、電力センサ、過熱センサ、湯垢センサ、水位センサ、原料認識センサなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。通常、そのようなセンサは、制御部に接続される。
【0038】
一実施形態では、通信モジュールは、それらのセンサのうちの少なくとも1つから情報を受信するように構成されることができる。通信モジュールは、センサに直接的に接続されることができ、通常、制御部と平行に接続され、あるいは制御部を通してセンサに間接的に接続されることができ、典型的には制御部による処理の後にセンサに関する情報を通信することができる。
【0039】
通常、制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて制御部を通して原料処理装置を動作させる。
【0040】
典型的には、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されている。ユーザは、このユーザインターフェースを用いて、ネットワークから情報を取り出したり、このユーザインターフェースから情報を取り出したりする。
【0041】
そのようなユーザインターフェースは、当分野で知られているように、スクリーンやタッチスクリーン、ボタン、スイッチ等を含むことができる。
【0042】
制御部は飲料調製ユーザインターフェースに接続され、通信モジュールは通信ユーザインターフェースに接続されていることが好ましい。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは並置されている。特に、飲料調製ユーザインターフェースは、通信ユーザインターフェースと同一面にあることができる。飲料調製ユーザインターフェース及び通信ユーザインターフェースは単一のユーザインターフェース画面(Canvas)に配置されることができる。従って、ユーザインターフェースをこのように配置すると、ユーザが制御部及び通信モジュールに対してあらゆるアクセスをすることが可能な単一インターフェースのようなものを実現することができる。
【0043】
制御部及び通信モジュールが、デジタル的に及び/又は物理的に、全体的に又は部分的に、飲料調製マシン内で分離されるのに対して、対応するユーザインターフェースは、明らかに単一のインターフェースとして構成されることができる。従って、ユーザは、単一型又は集中型のインターフェース構成に対面して、自身の注意が飲料調製マシンのあらゆるところに散漫しなくて済む。
【0044】
典型的には、飲料調製マシンは、原料処理装置、制御部、及び通信モジュールを収容するための筺体を含む。通常、この筺体はユーザインターフェースも有する。
【0045】
例えば、通信モジュールは、特定サービスを実行する必要性、飲料調製マシンを修理する必要性、及び飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するように構成される。飲料調製マシンの動作及び/又は構成要素を監視するように通信モジュールが構成されると、対応する情報は、評価のために及びユーザへの提案を生成するために、例えば通信モジュールを通して、ネットワークの遠隔サーバに通信されることができる。例えば、適切なセンサシステムを用いて、通信モジュールは、原料の消費量を監視してもよく、かつ、原料の在庫が少なくなったときに適時に再注文することを提案してもよく、あるいは、飲料調製マシンに表示するために、処理される原料又は飲料に関する一般的な情報を送信してもよい。原料、例えば配合された原料カプセルなどを再注文することを単に提案する代わりに、このシステムは、原料の在庫が少なくなったときに自動的に再注文するように構成されてもよい。
【0046】
通信モジュールは、例えば湯垢除去処理を行うための又は一般的な保守作業のためのサービス期間を遠隔監視するように構成されることができる。通信モジュールは、診断目的のために、及び/又は、例えば様々な原料の実際に用いられる割合などの、ユーザの好みに関する市場調査を行うために、原料処理装置及び制御部の様々なパラメータを通信することができる。従って、遠隔サーバは、ある特定の原料により供給される飲料の好適な量などを監視することができる。
【0047】
より一般的には、通信モジュールは、ユーザによるこの種のマシンの取扱い、例えばオンラインユーザマニュアル及び/又は飲料レシピの提供などと、飲料調製マシン、付属品、1つ又は複数の処理される原料、あるいは関連する製品に関する広告と、飲料を処理するための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、そのような飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果(visualization)及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報となどに関する情報をネットワークから受信し、例えばディスプレイ及び/又はスピーカなどのユーザ通信手段を通して通信するよう構成することができる。例えば、適切なユーザインターフェースを伴う通信モジュールは、ネットワークを通して原料を遠隔注文できるように構成されることができる。
【0048】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視し、その自動的な監視が顧客所在地の消耗原料カプセルが不足に達していることを示すたびにサプライヤのサーバにカプセル注文を送るように構成されることができ、このカプセルサプライヤのサーバは、このカプセル注文を受けて顧客に供給するカプセルの新しい在庫の出荷を準備するための対応する命令を生成するように構成される。
【0049】
飲料調製マシンは、カプセルの消費を自動的に監視して上記命令を生成するように構成される、サプライヤのサーバにカプセルの消費を自動的に通信するように構成されることができる。
【0050】
飲料調製マシンのカプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成されることができる。例えば、このカプセル抽出部は、家庭内又は家庭外の飲料調製マシン規格のアラビカ種のカプセル、ロブスタ種のカプセル、カネフォラ種のカプセル等、及びそれらの混合物のカプセル、例えばカプセルタイプのものであるネスプレッソ(NESPRESSO:登録商標)カプセルなどから選択される様々な種類のコーヒーカプセルを収容するよう構成される。
【0051】
一実施形態では、飲料調製マシンはカプセル自動認識装置を有する。
【0052】
例えば、カプセル認識システムは、国際公開第02/28241号に記載されている種類のものである。同文献は、センサを通してマシンにより自動的に読み取り可能なマシン解釈可能な特徴を伴うカプセルを用いるコーヒーマシンを開示する。カプセルに設けられるマシン解釈可能な特徴は、色彩、形状、グリフ、テキスト文字列、バーコード、電子透かし、記号、切込み、溝又は穴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0053】
例えば、カプセル抽出部は、様々な飲料を調製するための様々な種類の原料カプセルを収容するように構成され、カプセル自動認識装置は、使用されている原料カプセルの種類を識別するように構成される。
【0054】
実際には、様々な種類のカプセルが同じ抽出部において使用される可能性が高い場合、実行される抽出処理数を数えるだけでは残りのカプセルの在庫を導き出すのに不十分である。様々なカプセルの種類に従った分化型管理システムを提供するためにカプセルの種類がマシンによって識別されるべきである。
【0055】
以下では、図1a、図1b、図2a、及び図2bを参照して本発明に係る飲料調製マシン1とその飲料調製マシンの基本的な機能を説明する。ここで、図1aは飲料調製マシン1の上面斜視図であり、図1bは底面斜視図であり、図2aは飲料調製マシン1の第1側面の側面図であり、図2bは飲料調製マシン1の第2側面の側面図である。
【0056】
以下では、飲料調製マシン1がコーヒー調製マシンとして説明されるが、本発明は、コーヒー調製マシンに限定されるものではなく、前述したような他のあらゆる種類の飲料調製マシンを含むことに留意されたい。
【0057】
飲料調製マシン1は、コーヒーなどの飲料を注出するために1つ又は複数の飲料原料を処理する装置40を有する。飲料原料を処理する装置40は、当分野で周知のように、典型的にはポンプ、加熱器及びコーヒー淹出部を伴う液体循環回路に接続される液体貯蔵部42、好ましくは水貯蔵部を含む。コーヒー淹出部は、飲料調製マシン1の筺体3に枢動可能に取り付けられたハンドル4に接続されることができる。ハンドル4は、挽かれたコーヒーを含み、特にカートリッジ又はポッドの形態のカプセルを導入、抽出及び除去することができるように構成される。抽出後、ハンドル4の再作動後にカプセルは使用済みカプセル収集部に排出される。
【0058】
それに加えて、飲料調製マシン1は予備カップを収容するのに使用され得る上部36を有する。上部36はそのような予備カップを予熱する加熱装置を含んでもよい。そのカップ加熱装置は、抵抗型、特に当分野で周知のような蒸気循環型のカップ加熱装置であってもよく、あるいは他の任意適当な加熱システムであってもよい。また、予備カプセル用の容器が、未使用カプセルを格納するために飲料調製マシン1の上部36上に配置されてもよい。
【0059】
更に、例えば図2bに示されるように、飲料調製マシン1は出口45を有しており、調製された飲料は出口45から出口45の下に配置された容器又はカップ6に注出される。ドリップトレイ装置34は出口45の下に設けられ、例えば欧州特許第1731065号明細書に開示された種類のものである。カップ6を出口45の下に配置する場合、ドリップトレイは、その表面14に位置合わせ装置を含んでもよい、及び/又は注出用の空洞の範囲を定める壁35は、出口45を基準として配置され、カップを位置合わせするための基準として機能することができる。すなわち、これによりカップ6は、壁35に単に押し付けられて出口45の下に適切に配置され得る。また、使用済みカプセル収集部(図中には示されない)が、抽出された使用済みカプセルを収集するために飲料調製マシン1の中央部分に設けられる。
【0060】
飲料調製マシンはスクリーン又はディスプレイ10を更に備える。好適には、ディスプレイ10はタッチセンサ式スクリーンであり、指で触れることよって及び/又はタッチペン15を用いて操作されてもよい。好適には、タッチペン15は、使用されていないときにディスプレイ10内の対応する凹部16又は飲料調製マシン1の他の任意部分に配置され得る。
【0061】
更に、ディスプレイ10は、例えばディスプレイ10にアクセスすることなく飲料調製マシン1を素早く操作するために、一対のボタン12と関連付けられる。その上、好適な実施形態では、ディスプレイ10は、ディスプレイ10上に表示可能なページ及びメニューをナビゲートするためのタッチセンサ面を含む。
【0062】
ディスプレイ10は、例えば上述したように飲料調製マシンがユーザネットワークに接続可能な場合にネットワーク情報を含む様々な情報及び/又は視覚効果を表示するように構成されてもよい。更に、飲料調製マシン1は、上述したようにスピーカ及び/又はマイクロホンを伴う音響生成装置を含んでもよいし、実際のマルチメディアインタラクティブ装置であってもよい。それによって、飲料調製マシン1は、その雰囲気をもたらすために使用されることができる。
【0063】
更に、ディスプレイ10及び/又は筺体3は、特に、そのような雰囲気を作り出すために様々な色の光を発する一連の穴部31をディスプレイ10及び/又は筺体3の横側部、後側部並びに/あるいは上側部上に、特にディスプレイ10内に有することができる。このために様々なLEDが穴部31内に設けられることができる。
【0064】
先行技術の飲料調製マシンとは異なり、ドリップトレイ34、カプセル用容器及び貯蔵部42をディスプレイ10から離してディスプレイ10の下に移動させて及び/又は飲料調製マシン1の脚部分2におおむね平行に移動させて飲料調製マシン1から取り外すことが可能である。同じことが、ディスプレイ1の向こう側で飲料調製マシン1の背部に好適に設けられる貯蔵部42にあてはまる。その結果として、使用中と使用後に飲料調製マシン1が保守されるとき、例えばドリップトレイ34が空になるとき、ディスプレイは、スクリーン10に対して液状食品又は飲料などの液体を吐出する恐れのある飲料調製マシン1の部分に露出されない。
【0065】
更に、飲料調製マシン1は、コーヒーなどの調製される液状食品又は飲料の原料を含有するカプセルを供給するカプセル入口機構32を有する。カプセル入口機構32は、飲料調製マシンの横側部に設けられることができ又はディスプレイ10内に設けられることができる。好適には、カプセル入口機構32は、カプセル形状又は調製される飲料に関連する他の任意の物体の形状を有し、ディスプレイ10に設けられた凹部である。
【0066】
飲料調製マシンのディスプレイ10は完全に平らな表面を有しておらず、脚部分2に近い一側部は凹部を形成する。従って、ドリップトレイ34のカップサポータ14とともにディスプレイ10の窪んでいる壁35は、出口45から注出される飲料で満たされる位置にカップ6を置くことができる空胴部16を形成する。飲料調製マシン1の液状食品若しくは飲料の外観をあまり強調しないようにするために、空胴部16内のディスプレイ10の壁35は、ディスプレイ10上に表示されるあらゆる物体及び/又は画像が空胴部の壁35に拡がるように通常のディスプレイと同様に使用されることができる。
【0067】
上部36又は飲料調製マシンの他の任意部分には、タッチセンサ22を設けることができ、ユーザは、対応するタッチ操作をタッチセンサ22上で行うことによって飲料調製マシンを制御する及び/又はメニュー機能をナビゲートすることが可能になる。ディスプレイ10が単なる表示装置でありタッチスクリーンではない場合、タッチセンサ22は、ユーザに飲料調製マシンの制御をより容易及びより直感的にさせるであろう。ディスプレイ10がタッチスクリーンである場合には、ユーザはタッチ操作を行うためにディスプレイ10を使用するかタッチセンサ22を使用するかについて選択することができる。しかしながら、タッチスクリーンを使用する代わりにタッチセンサ22を使用することがディスプレイ10のダメージ又は汚染を避けるのに有利であろう。
【0068】
飲料調製マシン1はカードリーダ/ライタ23を更に備える。カードリーダ/ライタ23は、カードに対する読み取り操作及び/又は書き込み操作を実行するためにカードが挿入され得るスロットとすることができるし、カードリーダ/ライタ23は、例えば無線自動識別RFIDカードなどのカードと無線通信可能な無線インターフェースとすることができるし、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
【0069】
カップの充填を調節可能にするために、例えば米国特許第4,458,735号明細書、国際公開第97/25634号及び国際公開第99/50172号に開示される種類の、充填レベル制御を伴う自動充填システムが飲料調製マシンに組み込まれてもよい。
【0070】
図3は、ネットワーク511に接続される本発明に係る飲料調製マシンの機能的なブロック図を示す。
【0071】
飲料調製マシン1は、双方向データ通信経路221経由でユーザインターフェース201に接続される制御部21を含む。制御部21は、原料処理装置40に接続され、飲料原料の処理を制御する。典型的には、制御部21は、加熱器及びポンプの電力供給を制御し、例えば、温度センサ、圧力センサ及び流量計などのセンサを通して測定された飲料調製処理パラメータに基づいて電力供給を調節する。さらに、原料処理装置40の構成要素の制御は、当分野で知られているようなカプセル認識システム、例えば電磁的認識システム、機械的認識システム、色認識システム又はバーコード認識システムなどを介して自動認識された原料カプセルの種類に合わせて調節されてもよい。
【0072】
従って、原料処理装置40は、原料処理装置40の状況及び飲料調製処理の状況に関する情報を制御部21に伝達するための一連のセンサを含む。制御部21と飲料調製部40との間の通信は、双方向通信経路421を通して実現される。
【0073】
更に、飲料調製マシン1は、外部ネットワーク511、例えばインターネット又はイントラネットなどと双方向通信するための通信モジュール11を有する。通信モジュール11は、双方向データ通信経路111を通して、好適には上述したディスプレイ10の形式、好適にはタッチスクリーン及び場合により1つ又は複数のボタン12の形式のユーザインターフェース110に接続される。タッチスクリーンの場合にはディスプレイ10は、指で触れることによって、あるいはタッチペン15を用いて操作されることができる。
【0074】
制御部21、通信モジュール11及び原料処理装置40の全ては、飲料調製マシン1の筺体内に収容される。
【0075】
通信モジュール11は、飲料原料の処理を制御することを持続的に阻止される。換言すると、飲料マシン1の通信モジュール11は、制御部21を通して原料処理装置40に直接的又は間接的に作用することができない、あるいは、飲料調製処理、又は原料処理装置40によって実行される他の処理に影響を及ぼすことができない。
【0076】
制御部21は、飲料調製に関する制御データを通信モジュール11から受け取ることを阻止される。
【0077】
図3のアーキテクチャでは、制御部21は、一方向データ通信経路211を通して通信モジュール11にデータ通信するように構成される。適切な通信を確保するために必要な情報や信号のための要求、例えばデータ送信制御信号などが無い状態では、制御部21は、通信モジュール11からいずれのデータも受信しないことになる。逆に、制御部21から通信モジュール11に転送されるデータは、飲料調製処理、原料処理装置40、制御部21内に格納される飲料調製設定、及び/又は、例えばネットワーク511に遠隔接続されるステーション50であらゆる故障を確認するための制御部21の状況のうちの少なくとも1つに関連することができる。
【0078】
また、通信モジュール11は、飲料調製モジュール40内のセンサに直接接続されることも可能である。同様に、飲料調製モジュール40と通信モジュール11との間の通信は、バス411を通る一方向のものである。しかしながら、制御部21を通して飲料調製モジュール40に関するデータを通信モジュール11に伝えることができる場合、この通信経路は、不要となる可能性がある。通信経路411は、通信経路211が無い場合、例えば、制御部21がネットワーク511に対して強化された保護の恩恵を受けるべき場合に、特に役に立つ。
【0079】
通信モジュール11は、例えば湯垢除去などの特定のサービスを実行する要求、上述の飲料調製マシンを修理する要求、及び、上述の飲料調製マシンで処理される特定原料に関する情報のうちの少なくとも1つに関する情報を前述のネットワークから受信し、ユーザ通信インターフェース、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどを通して通信するように構成される。そのような情報を通信モジュール11に送信するために、対応する情報は、通信モジュール11によって制御部21及び/又は原料処理装置40からまず集められ、適切な警告に際して伝達前に、その情報、あるいは、通信モジュール11に対するネットワーク511経由の他の情報を処理及び解析する遠隔サーバ50に送信される。
【0080】
別の実施形態では、制御部21は、通信モジュール11と通信することを一方向でさえも一切阻止される。制御部21と通信モジュール11との間には、データ通信経路は存在しない。
【0081】
安全性は、通信モジュール11が制御部21にも飲料調製モジュール40にも接続されないときに最高レベルに到達する。保護の質は、通信モジュール11が一方向の経路を通じて飲料調製モジュール40のセンサを読み取り可能であるときに少し劣ることになる。安全性は、通信モジュールが制御部21から情報を得ることができるときにより低くなる。ネットワーク511を通して原料処理装置40及び制御部21の機能を乱すことに対する耐性(immunity)を確保するために、通信モジュール11が制御部21又は飲料調製部40のパラメータを変える可能性、特に物理的な可能性は、回避されるべきである。
【0082】
図1a及び図1bに示されるように、飲料調製ユーザインターフェース201は、通信ユーザインターフェース101と同一面にあり、ディスプレイ10、ボタン12、LED若しくは同様のものを含む穴部31、スピーカ、マイクロホン又は同様のものの組み合わせとして組み込まれる。
【0083】
また、飲料調製マシン1用のマスタースイッチも設けられる(図中には示されない)。マスタースイッチは、同じ電源、典型的には主電源によって全て電力が供給される通信モジュール11、制御部21、及び原料処理装置40を含む飲料調製マシンの様々な構成要素に対する電源を接続したり切断したりするように構成される。
【0084】
一般的には、通信モジュール11は、そのような飲料調製マシン1のユーザによる取扱いと、そのような飲料調製マシン1若しくは関連するマシン、付属品、及び/あるいは飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する広告と、飲料処理のための1つ又は複数の原料に関する一般的な情報と、前述の飲料若しくは飲料の調製若しくは飲料の消費に関する雰囲気を作るための視覚効果及び/又は音楽と、ニュース及び/又は天気予報とに関する情報をネットワーク511から受信し、例えばディスプレイ10及び/又はスピーカなどのユーザ通信インターフェースを通して通信するように構成されることができる。
【0085】
筺体3は、飲料調製装置40及び制御部21を含んでいる。カード読み取り装置23は、制御部21に接続されており、筺体3の内側又は外側に配置され得る。
【0086】
図4は、ネットワーク機能を有する本発明に係るマシン1を含むネットワークを示す。
【0087】
通信ネットワーク501にはサーバ50も接続され、サーバは例えばカプセルサプライヤ及び/又は飲料調製マシン1用のサービスセンタと関連付けられることができる。サーバ50は、ユーザ、カプセル、マシン、カプセル消費又は同様の事項に関するデータを含むデータベース51に更に接続されることができる。これによって、飲料調製マシン1は、サーバ50が配置されるベンダ所在地550の遠隔にある顧客所在地又はユーザ所在地150に配置される。
【0088】
ユーザ装置70は通信ネットワーク501に接続されることが更にできる。そのようなユーザ装置70は、例えばノートパソコン、PC、携帯電話、PDA、又はネットワーク通信機能を有する他の任意のユーザ装置とすることができる。
【0089】
ユーザは、ユーザ装置70によって例えばデータ、プログラム又は情報を飲料調製マシン1に送信することができる。例えばユーザは新しい若しくは更新されたソフトウェア又はデータを飲料調製マシン1にロードすることができる。また、ユーザは飲料調製マシンの設定を遠隔で変更することもできる。制御モジュール21と通信モジュール11との間で通信する可能性の程度に応じて、ユーザは飲料調製処理を遠隔で開始する、停止する又は変更することもできる。ユーザは、ユーザの個人的なユーザ設定を変更するために、カプセル注文を送信するために、サポート要求又は情報要求を送るために、あるいは同様のことをするために、ユーザ装置70を通してサーバ50にログインすることもできる。
【0090】
図4ではネットワーク501が飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70を接続する単一のネットワークとして図示されているが、様々な装置が1つ又は複数の別々のネットワークを経由して通信することも可能である。あらゆる種類のネットワークが、例えばブルートゥース、赤外線、GSM、UMTS、インターネット又は他の任意の種類の有線若しくは無線通信ネットワークを経由する、公衆又は私的ネットワークを含んでいることが可能である。特に、遠隔測定装置などの中間装置が、送信される対応データを変換するために飲料調製マシン1とネットワーク501との間に設けられることができる。複数の装置、すなわち飲料調製マシン1、サーバ50及びユーザ装置70のうちの2つのそれぞれの間における通信は、一方向又は双方向とすることができる。
【0091】
本発明に係る飲料調製マシンは、カードから情報を読み取るカード読み取り装置を備える。従って、そのようなカードを所有するユーザ又は顧客は、そのカード上に様々な種類の情報を格納させることができるので、飲料調製マシンがカードから格納された情報を読み取る場合、飲料調製マシンと飲料調製マシンの機能をカスタマイズすることが可能である。換言すれば、飲料調製マシンの処理に関する情報、例えば飲料調製処理又は同様のことに関する情報は、カード上に格納され得る及び/又はカード上に格納されたデータから導き出され得る。
【0092】
本発明に係る飲料調製マシンは安全面に関するものでもある。カード上に格納された情報は、飲料調製マシンの特定の処理ステップの認証の際に使用されてもよい。すなわち、対応する権限が付与されている場合にのみ飲料調製マシンが既定の処理ステップを実行するであろう。このことは、処理ステップが権限を付与されていない人によって遂行されたときに飲料調製マシンの所有者に損害を与え得る場合に役立つ。
【0093】
本発明に係るカード読み取り装置を備える飲料調製マシン1を図5に示す。ここで、本発明の様々な態様を理解するために必要な構成要素のみを示して、図5では見やすいように他の構成要素を省略している。
【0094】
飲料調製マシン1は、先の図面に関して既に説明されている制御部21を備える。好適な実施形態では、対応するネットワーク501、502、511を経由して外部サーバ50などの1つ又は複数の外部装置と通信することを可能にする通信モジュール11が設けられる。また前述したように、サーバ50は、データベース51を含むことができる、あるいはデータベース51に接続されることができる。
【0095】
しかしながら、通信モジュール11は省略されるか非作動状態であることも可能であり、本発明は、いずれの種類のネットワークにも接続されていない飲料調製マシン1に適用されることもできる。
【0096】
本発明に係る飲料調製マシン1はカード読み取り装置を備え、カード読み取り装置は無線式カードリーダ24及び/又はカードスロット23を含む。図5にはカードリーダの両方の種類が図示されているが、飲料調製マシン1が図示されたカードリーダの種類のうちの一種類だけを備えること、すなわち記載されたカードスロット23及び無線式カードリーダ24の組み合わせである単一のカードリーダを飲料調製マシンが含むことももちろん可能である。
【0097】
更に、カード読み取り装置23、24は読み書き併用装置とすることができ、読み書き併用装置は、カードから情報を読み取るだけではなく、カード上に情報を書き込むことも可能である。
【0098】
図5に図式的に示されているように、様々な種類の情報がその上に格納されているカード90は、飲料調製マシン1のカード読み取り装置23、24によって読み取られることができる。
【0099】
カード90として、任意の種類のカードが使用され得る。その最も簡単な形態では、カード90は、カード読み取り装置23、24によって読み取られ得る固有の識別番号がその上に格納されているトランスポンダとすることができる。好適な実施形態では、この識別番号は、ただ一人のユーザを一意的に識別するユーザ識別情報として役立つ。それに代えて又はそれに加えてユーザ設定は、カード上に格納されることができ、飲料調製マシンの特定の機能を示している。ユーザ設定には、例えば飲料の調製に関する設定、例えば飲料の種類、水の分量、温度、付加的な原料、すなわち牛乳若しくは同様のものの分量、及び/又は任意の種類の他の設定情報などが含まれ得る。
【0100】
カード90がトランスポンダである場合、トランスポンダは、例えばその上にユーザ識別情報を格納するメモリを有する無線自動識別(RFID)チップ又はカード90とすることができる。
【0101】
無線式カードリーダ24は、カード90が飲料調製マシン1の付近にある場合にカード90からユーザ識別情報及び/又はユーザ設定を無線で読み取るように構成されている。ここで、付近とは数メートルを意味する。無線式カードリーダ24は、例えばRFID、ブルートゥース、赤外線(IR)又は任意の他の種類の無線通信を経由してカード90を読み取ることができる。また、カード90は、無線式カードリーダ24内に実装されたスキャナによって無線で読み取られ得るバーコード又は同様のものを含むこともできる。
【0102】
カードスロット23は、その中にカード90の少なくとも一部を収容するように構成されている。対応するチップ、メモリ若しくは同様のものから、ユーザ識別情報及び/又はユーザ設定が読み取られる。ここで、カード90はマシンに関連するカードとすることができ、そのマシンに関連するカードは、飲料調製マシンを購入する際又は飲料調製マシン1を使用し始める際にユーザ若しくは顧客に引き渡される。従って、カード90は、例えば飲料調製マシン1でユーザを識別するのに役立つ及び/又は飲料調製マシン1に関連するユーザ設定を格納するのに役立つことだけを目的とすることができる。
【0103】
別の実施形態では、既存のカード、例えばユーザのクレジットカード、携帯電話のSIM(加入者識別モジュール)カード又は同様のものが使用されることができる。ここで、このカード上に格納されたデータはユーザ識別データとして使用されることができ、例えばSIMカード上に格納された携帯電話番号は飲料調製マシン1で識別する際に使用されることもできる。あるいは、可能であれば、飲料調製マシン1と共に使用されることだけが可能なユーザ識別情報として役立つ付加的な情報が、カード上に格納されることができる。
【0104】
更に、飲料調製マシン1は、任意の種類のデータ及び/又は情報を格納するメモリ80を備える。好適には、メモリ80は、無線式カードリーダ24、制御部21及びカードスロット23に接続されており、無線式カードリーダ24、制御部21及びカードスロット23とデータ通信する。
【0105】
図6を参照しながら本発明に係る飲料調製マシンを備えるシステム100、そのシステムの構成要素及び機能を説明する。図6は飲料調製マシン1及びサーバ50を含むシステム100の機能的なアーキテクチャを示す。図4を参照して既に説明したように、飲料調製マシン1は、サーバ50と随意的にデータベース51とが配置されるベンダ所在地550から遠く離れた顧客所在地150に設けられる。
【0106】
随意的に、サーバ50に接続されるユーザ装置70が設けられることもできる。
【0107】
図5に示されるようなシステム100では、飲料調製マシン1は、遠隔測定装置60と第1のネットワーク502を経由してサーバ50とデータ通信する。好適な実施形態では第1のネットワーク502がGSMネットワークである。飲料調製マシン1とサーバ50との間の一方向若しくは双方向データ通信を可能にするために他の任意の種類の有線又は無線ネットワークを使用することも可能である。本実施形態では外部遠隔測定装置60が設けられているが、通信用の全機能は飲料調製マシン1の通信モジュール11に組み込まれることができるので、外部装置は一切不要であり、飲料調製マシン1は第1のネットワーク502に直接接続される。
【0108】
ユーザ装置70がある場合には、ユーザ装置70も第2のネットワーク503経由でサーバ50とデータ通信する。好適な実施形態では、第2のネットワーク503は、インターネット又は他の任意の公衆若しくは私的ネットワークであるが、他の任意の種類の有線又は無線ネットワーク経由でユーザ装置70とサーバ50との間の通信を可能にすることもできる。
【0109】
更なる代案では、飲料調製マシンとサーバ50との間の通信用ネットワークを一方で設けて、ユーザ装置70とサーバ50との間の通信用ネットワークを他方で設ける代わりに、例えば図4に示されているように全ての装置が接続される単一の通信ネットワークを設けることもできる。
【0110】
図5に示されているアーキテクチャに加えて、ユーザ装置70は対応する通信ネットワーク経由で飲料調製マシン1とデータ通信することもできる。
【0111】
サーバ50は、例えばユーザアカウント情報、顧客情報、マシン情報若しくは同様のものなどの任意の種類のデータ又は情報を格納するデータベース51を更に含むか、あるいはそのデータベース51に接続される。
【0112】
以下ではシステム100のアーキテクチャを図5に示されている非限定的な実施形態を参照して更に説明する。図5では、第1のネットワーク502がGSMネットワークであり、第2のネットワーク503がインターネットである。
【0113】
この実施形態では飲料調製マシン1とGSMネットワーク502との間に遠隔測定装置60が設けられる。遠隔測定装置は第1のネットワーク502に接続するGSM送受信機62を含む。遠隔測定装置60内には、遠隔測定装置60の機能を制御するコア部60の他に、任意の種類のデータ又は情報を格納するメモリ64も含まれる。
【0114】
随意的に、遠隔測定装置60を飲料調製マシン1又は他の任意の装置に接続したり、遠隔測定装置60からデータを読み出すあるいは遠隔測定装置60のメモリ64内にデータを格納したりするUSBインターフェース63が設けられることもできる。好適な実施形態では、飲料調製マシン1とサーバ50との間の通信が暗号化された通信である。
【0115】
サーバ50は、サーバGSM送受信機52、好適にはデータベース51と接続するアプリケーションサーバ54及び第2の通信ネットワーク503と接続するウェブサーバ53を含み、本実施形態では第2の通信ネットワーク503がインターネットである。
【0116】
ユーザ装置70は、例えば第2の通信ネットワーク503と接続するためのブラウザ71及びウェブサーバ72がその中に組み込まれているラップトップ型コンピュータとすることができる。
【0117】
本発明に係る飲料調製マシン1は、飲料調製処理に関連するパラメータを監視する1つ又は複数のセンサ、例えば温度センサ、圧力センサ、流量計、電力センサ、過熱センサ、湯垢センサ、水位センサ、原料認識センサ又は同様のものを備える。具体的には、本発明の好適な実施形態では、飲料調製マシン1は、消費されたカプセルの数及び/又は種類を認識するカプセル認識センサを備えるカプセルベースの飲料調製マシン1である。随意的に、飲料調製マシン1はこれらのパラメータを格納部内に格納することができる。
【0118】
飲料調製マシン1は、これらのパラメータ又はこれらのパラメータから導出された他の任意の情報を第1の通信ネットワーク502経由でサーバ50に送信する。ここで、送信は自動的に、すなわち既定の時間間隔で、消費されたカプセル数又は同様のものに応じて行われることができる。あるいは、送信はサーバ50による要求に基づいてのみ行われることができる。この後者の場合、パラメータは、飲料調製マシン1の格納部内に格納されて、サーバ50によってポーリングされた後に送られる。
【0119】
次いで、サーバ50は受信された情報に基づいてサービス機能を始動することができる。そのようなサービス機能は、例えば来たるべき保守を顧客に指示すること及び/又は飲料を調製するのに必要とされる飲料調製マシン内での原料の不足を顧客に指示することができる。その指示とともにサーバは、飲料調製マシン1のいかなる故障若しくは乱れを除去する又は防止する処理を自動的に始動することもできる。
【0120】
以下に本発明の様々な実施形態をより詳細に説明する。
【0121】
第1の実施形態では、飲料調製処理を制御するためにカード90が使用され得る。この場合、ユーザを一意的に識別するユーザ識別(ID)がカード90上に格納される、かつ/あるいは飲料調製のパラメータを示すユーザ設定がカード上に格納され得る。
【0122】
ユーザ設定がカード90上に容易に格納される場合、カード読み取り装置23、24がユーザ設定を制御部21に送信し、更に制御部21は、飲料調製マシン1の構成要素、特に飲料調製装置40をユーザ設定に従って制御するように適合される。このユーザ設定は、調製される飲料の種類、例えば水、牛乳若しくは同様のものなどの使用される液体の分量、圧力、温度、淹出期間又は任意の他のパラメータを含み得る。この実施形態では、メモリ80及び通信モジュール11は、一切不要であるが、この処理を実行するためには必ずしも必要とされないが飲料調製マシン1内に存在してもよい。
【0123】
ユーザ識別情報がカード90上に格納される場合、好適な実施形態では、制御部21がユーザ識別情報を読み取って、読み取られたそれぞれのユーザ識別情報とともに格納されたユーザ設定があるかどうかについてメモリ80内を検索する。この場合には、制御部21はそれに応じて飲料調製処理を再び制御する。
【0124】
ユーザ設定をそのメモリ内に格納するために、ユーザ装置70を飲料調製マシン1に接続することによってユーザ設定のメモリ80内への格納を遂行することができ、その格納は、例えばタッチスクリーン又は同様のものを経由して飲料調製マシン1にユーザ設定を入力することによって遂行することができる。あるいは、通信モジュール11が存在する場合、サーバ50からネットワーク501を経由してユーザ設定を送信することができる。
【0125】
この実施形態は図7の概略図に図示されている。
【0126】
ステップS0では、例えばカードを無線式カードリーダ24に近づけることによって又はカード90をカードスロット23に挿入することによって、処理が開始する。
【0127】
次のステップS1ではカードが読み取られ、次のステップS2ではユーザ設定が取得される。これらのステップは、ユーザ設定をカードから読み取ることによって、あるいはカードから読み取られたユーザ識別情報とともにユーザ設定を格納しているメモリ80においてユーザ設定を検索することによって遂行され得る。
【0128】
次のステップS3では、飲料調製が、それに従って適合されて、制御部21によって制御される。
【0129】
処理はステップS4で終了する。
【0130】
この第1の実施形態は、飲料調製マシン1が例えば複数の様々なユーザによって使用される場合に有益であり、すべてのユーザは飲料調製のために好適なユーザ設定を決めることができ、ユーザは飲料調製マシンを使用するたびにユーザ設定を毎回入力する必要がない。ユーザは、ユーザ設定を一度だけ決定すればよく、さらにユーザのカードを使用するだけでユーザの好みに適した飲料を製造させることができる。
【0131】
第2の実施形態では、ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報がカードから読み取られる。メモリ80には、ユーザ識別情報と飲料調製マシンの特定の処理ステップとの間の関連づけが格納される。次いで、制御部21が、格納されたユーザ識別情報とカード90から読み取られたユーザ識別情報との一致状況に応じた処理ステップの実行を開始する又は抑制することになる。
【0132】
前述したように、ユーザ識別情報をトランスポンダ内又はユーザ識別情報がその中に格納されているメモリ内に用意することができる。
【0133】
あるいは、例えばSIMカード、クレジットカード又は同様のものなどのユーザの既存のカードが使用され得る。
【0134】
カード90から読み取られたデータは、マシンのセットアップでユーザを識別するのに役立つことができる。安全性に関連する処理ステップは、格納されたユーザ識別(ID)に読み取られたユーザ識別情報が対応する場合にのみ遂行され、格納されたそのユーザ識別(ID)は特定の処理ステップに更に関係づけられる。
【0135】
そのようなステップは、例えば通信モジュール11による外部サーバ50に対する通信のセットアップとすることができる。そのような通信は、安全性に敏感であり得る及び/又は飲料調製マシン1の所有者に対する費用の累積をもたらし得る。従って、そのような通信のセットアップは、認証が必要な処理ステップとして規定される。
【0136】
更なる処理ステップは、例えば外部サーバ50内のユーザ関連情報又はサービスにアクセスすることである。例えばユーザアカウントにアクセスすることは制限されるべきであり、対応するユーザに対してだけ可能であるべきである。また、飲料調製マシンのベンダ及び/又は飲料調製マシン用の付属品のベンダに接続することも制限されることが好ましい。更なる可能性は、新しい飲料製品、飲料調製マシン用の保守部品及び/又は任意の他の種類の付属品のための購入要求がベンダに送られる場合、認証が必要とされることである。
【0137】
飲料調製マシン1経由でのユーザによる商品のいかなる遠隔購入でも、購入者を明確に識別するべきである。このためにカード90は、購入するユーザの識別子として用いられ得る。カードは、遠隔サービスに対する又はユーザに請求される費用を伴うようなサービスのみに対する全般的なアクセスを許可するか拒否するために用いられてもよい。他のサービス、例えば調製されている飲料、飲料調製法若しくはオンラインユーザマニュアルに関する最新情報などの全般的な又は部分的な情報を遠隔サーバから得ることなどの無料サービスは、特定の識別されたユーザに制限される必要はない。例えば、飲料調製マシン1がオフィスで用いられる場合、誰もが遠隔サーバ50から飲料調製マシン1を経由して利用可能な情報に自由にアクセスできて、選択されたユーザだけがカプセルサプライヤによって課金される原料カプセル又は他の商品の注文を許されることが妥当であるだろう。従って、これらの選択されたユーザには、サーバ50経由で遠隔注文システムにアクセスできるようになる識別カード90が提供される。
【0138】
メモリ80には、認証を要する処理ステップが格納される。また、メモリ80にはユーザ識別情報が格納される。これらのユーザ識別(ID)は、1つ又は複数の処理ステップに関連づけられることができ、これにより対応するユーザ識別情報が飲料調製マシンに提供される場合にのみ、対応する処理ステップが実行されることが許可されることが示される。
【0139】
この処理に関する概略図は図8を参照して示されている。処理はステップS10で開始して、次のステップS11ではユーザ識別情報がカード90から読み取られる。次のステップS12では、読み取られたユーザ識別情報が、メモリ80内に格納されたユーザ識別情報と制御部21によって比較される。次のステップS13では、カードから読み取られたユーザIDと格納部に格納されたユーザIDとの間に一致が見られない処理ステップの全てが、実行を阻止される。
【0140】
ここで、関連づけられたユーザIDを全ての処理ステップが有することを規定することが可能であり、これにより飲料調製マシンにおける全ての処理ステップに対して認証が必要とされる。一方で、認証が必要とされるいくつかの特定の処理ステップのみが格納されることができ、ユーザIDがメモリ80内に格納されないこれらの処理ステップは、対応するユーザIDによるいかなる種類の認証をも必要とせずにいつでも遂行されることができる。
【0141】
更なる実施形態では、飲料調製マシン1は通信ネットワーク501、502、511を経由して外部サーバ50に接続される。
【0142】
この実施形態では、カード90上に格納されたユーザIDは飲料調製マシン1における認証の際に使用されて、更に飲料調製マシンは、データベース51内に格納されたユーザ設定を通信モジュール11経由で外部サーバ50から要求する。
【0143】
再び図6に戻ると、例えばユーザがユーザ装置70によってサーバ50にログインすることが可能である。次いで、ユーザは特定のユーザプロファイル又はユーザアカウントを規定することができ、ユーザプロファイル又はユーザアカウントはデータベース51内に格納される。従って、ユーザはユーザプロファイルにアクセスして特定のユーザ設定を規定することができる。これらのユーザ設定は、飲料の調製又は飲料調製マシンの任意の他の機能に関連することができる。また、ユーザは有価情報の金額を含むアカウントを持つことも可能であり、飲料が製造されるとそのアカウントから特定の金額が必ず引かれる。従って、ユーザは、サーバ50にアクセスして支払い情報又はクレジットカード情報を送信することによってユーザのアカウント用に有価情報の金額を増やすことができる。
【0144】
ユーザがユーザのカード90を用いて飲料調製マシン1に近づく場合、ユーザ識別情報がカードから読み取られて通信モジュール11経由でサーバ50に送信される。サーバ50は、データベース内の対応するユーザ設定を検索して、ユーザ設定を飲料調製マシン1に送り返すことになる。これによって、制御部21はユーザ設定に従って機能を制御することができる。ここで、この処理は、ユーザがユーザのカード90を用いて飲料調製マシンに近づくときにいつでも遂行されることができる。あるいは、この処理は初回にのみ遂行されることができて、この最初の使用からユーザ設定がメモリ80内に直接格納されることもできる。
【0145】
飲料調製マシンが特定の飲料を調製するための全ての原料を容易に備える場合、ユーザ設定は、調製された飲料の種類に関する情報を含むこともできる。
【0146】
好適には、本発明に係る飲料調製マシンは、カプセルベースのマシンであり、挿入されたカプセルの種類を認識するように構成されたカプセル認識装置を備える。ユーザがカプセルを飲料調製マシンに挿入しなければならない場合又は飲料調製マシン内のカプセルを選択しなければならない場合、飲料調製マシン1が、認識されたカプセルの種類とともにユーザ識別情報をサーバ50に送信するように構成されることもできる。更に、サーバ50は、このユーザ用及びこの特定の種類のカプセル用に格納されたユーザ設定を検索して、認識されたカプセル用のユーザ設定を飲料調製マシン1に送信する。
【0147】
更なる実施形態では、前述したように、カード読み取り装置23、24は読み書き併用装置である。この場合、例えばユーザ設定がサーバ50から受信された後に、これらのユーザ設定がカード90上に直接書き込まれることが可能である。このことは、飲料調製マシン1を更に使用するために通信がセットアップされる必要はないという利点を有する。更に、その場合、カード90は、外部装置に対する通信をセットアップできない他の飲料調製マシンで飲料を調製するために使用されることもできる。
【0148】
図9を参照してこの処理を再び説明する。
【0149】
処理はステップ20で開始する。次のステップS21では、ユーザが、ユーザ装置70若しくは任意の他の手段を経由してサーバ50にアクセスして、データベース51内に格納された自身のユーザ設定を作成する又は変更する。
【0150】
ステップS22では、カード90を用いて飲料調製マシン1に近づくと、ユーザIDが飲料調製マシン1によってカード90から読み取られる。ステップS23では、ユーザIDが通信モジュール11経由でサーバ50に送信される。ステップS24では、飲料調製マシンはサーバ50からユーザ設定を受信して、ステップS25では、飲料調製マシンの機能がそれに対応して適合される。
【0151】
随意的に、ステップS26ではユーザ設定がメモリ80内に格納される。また、随意的に、ステップS27ではユーザ設定がカード90上に書き込まれる。
【0152】
処理はステップS28で終了する。
【0153】
従って、本発明によれば、簡単で快適な方法で飲料調製マシンの機能をカスタマイズすることが可能な飲料調製マシンが提供される。更に、本発明によれば、危険な処理ステップに対して認証が要求されるので、飲料調製マシン1の安全性が向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製マシン(1)、特にカプセルベースの飲料調製マシンであって、
ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報をカード(90)から読み取るカード読み取り装置(23、24)と、
認証を要する処理ステップを格納するとともに、前記ユーザ識別情報と当該飲料調製マシン(1)の前記処理ステップとの間の関連づけを格納するメモリ(80)と、
関連づけられた前記ユーザ識別情報と読み取られた前記ユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、格納された前記処理ステップの実行を開始するように構成されている制御部(21)と
を備える、飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
通信ネットワーク(501、502、511)経由で外部サーバ(50)と通信する通信モジュール(11)を更に備え、
前記外部サーバ(50)との通信ステップであり識別された前記ユーザに関連する通信ステップが、前記ユーザ識別情報に関連づけられて前記メモリ(80)内に格納されており、
前記制御部(21)が、読み取られた前記ユーザ識別情報と前記通信ステップに関連づけられた前記ユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、識別された前記ユーザに関連する前記通信ステップを実行するように構成されている、請求項1に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項3】
識別された前記ユーザに関連する前記通信ステップの実行には、識別された前記ユーザに課金される商品の遠隔注文が含まれている、請求項2に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項4】
前記制御部(21)が、読み取られた前記ユーザ識別情報と前記通信ステップに関連づけられた前記ユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、前記外部サーバ(50)との通信ステップに適合される、請求項2又は3に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項5】
前記制御部(21)が、識別された又は識別されていない任意のユーザによる要求に際して、特にユーザセレクタ、ボタン、スイッチ、タッチパッド及びタッチスクリーンのうちの1つ又は複数などのユーザインターフェースを経由して当該飲料調製マシンに通信される要求に際して、識別された前記ユーザに関連しない1つ又は複数の通信ステップを実行するように更に構成されている、請求項2又は3に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項6】
ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報をカード(90)から読み取るカード読み取り装置(23、24)と、
読み取られた前記ユーザ識別情報を前記遠隔サーバ(50)に送信して前記ユーザ識別情報に関連づけられたユーザ設定を前記遠隔サーバ(50)から受信するように、通信ネットワーク(501、502、511)を経由して前記遠隔サーバ(50)と通信する通信モジュール(11)と、
受信された前記ユーザ設定に従って当該飲料調製マシン(1)の機能を制御するように構成されている制御部(21)と
を備える、特に請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項7】
受信された前記ユーザ設定を対応する前記ユーザ識別情報とともに格納するメモリ(80)、及び/又は
前記遠隔サーバ(50)から受信された前記ユーザ設定を前記カード(90)上に書き込むように構成されているカード書き込み装置を更に備える、請求項6に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項8】
当該飲料調製マシン(1)がカプセルベースの飲料調製マシンであり、カプセル認識装置を更に備え、
前記通信モジュール(11)が、読み取られた前記ユーザ識別情報を認識されたカプセルの種類とともに前記サーバ(50)に送信するように更に構成されている、請求項2〜7のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項9】
飲料調製処理に関連するユーザ設定をカード(90)から読み取るカード読み取り装置(23、24)と、
飲料を調製する飲料調製装置(40)と、
読み取られた前記ユーザ設定に従って前記飲料調製装置(40)を制御するように構成されている制御部(21)と
を備える、特に請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項10】
前記カード読み取り装置が無線式カードリーダ(24)を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項11】
前記カード読み取り装置がカードスロット(23)を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項12】
前記カード読み取り装置(24)が無線自動識別RFIDリーダを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項13】
飲料調製装置と制御部とを含む筺体を備え、
前記カード読み取り装置が、前記制御部に接続されており、前記筺体の内側又は外側に配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項14】
メモリ装置上に格納され、飲料調製マシン(1)、特にカプセルベースの飲料調製マシン(1)の制御部(21)によって実行可能なプログラムであって、
当該プログラムが実行に際して、
ユーザを一意的に識別するユーザ識別情報をカード(90)から読み取るステップと、
認証を要する処理ステップを格納するステップと、
前記ユーザ識別情報と前記飲料調製マシン(1)の前記処理ステップとの間の関連づけを格納するステップと、
関連づけられた前記ユーザ識別情報と読み取られた前記ユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、格納された前記処理ステップの実行を開始するステップと
を行うように構成されている、プログラム。
【請求項15】
通信ネットワーク(501、502、511)を経由して外部サーバ(50)と通信するステップと、
前記外部サーバ(50)との通信ステップであり識別された前記ユーザに関連する通信ステップを前記ユーザ識別情報に関連づけて格納するステップと、
読み取られた前記ユーザ識別情報と前記通信ステップに関連づけられた前記ユーザ識別情報とが一致する場合にのみ、識別された前記ユーザに関連する前記通信ステップを実行するステップと
を更に含む、請求項14に記載のプログラム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−512697(P2013−512697A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541412(P2012−541412)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068180
【国際公開番号】WO2011/067156
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】