説明

カード識別番号付加装置及びその方法

【課題】カードを取得の際に、取得するカード識別番号の記入ミスを回避しうるカードを製造するカード識別番号付加装置及びその方法を提供する。
【解決手段】カード識別番号付加装置は、エンコードユニットと、エンボスユニットと、印字ユニットと、コントロールユニットとを備える。エンコードユニットは、ラベル付きカードの磁気記録部分に識別番号を磁気記録する。エンボスユニットは、ラベル付きカードに識別番号をエンボス加工する。印字ユニットは、ラベル付きカードに設けられたラベルに識別番号を印字する。コントロールユニットは、エンコードユニットと、エンボスユニットと、印字ユニットとをそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード識別番号付加装置及びその方法に関し、より特定的には、ポイントカード等のカードに複数の識別番号を付加するカード識別番号付加装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費した金額に応じて、付与されるポイントを蓄積するために、例えばポイントカードが広く普及している。
【0003】
従来のポイントカードの下方表面には、識別番号(例えば、16桁)がエンボス加工されている。さらに、従来のポイントカード上方には、磁気ストライプを有しており、この磁気ストライプには、上述した識別番号が磁化されている。
【0004】
このようなポイントカードには、消費した金額に応じてポイントが付与され、蓄積される。また、蓄積されたポイントは、あらかじめ取り決められたレートに基づいて、金銭として代替え使用される。
【0005】
一方、このようなポイントカードを取得する際に、ポイントカードにエンボス加工されている識別番号を、例えば手書きで申込用紙に直接記入して、さらに必要事項を記入して、登録する必要があった(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−200262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1によれば、ポイントカードに付与されている識別番号を申込用紙に手書きで記入するため、記入ミスを起こす可能性があり、記入ミスを起こすと、申込用紙に記入された識別番号がポイントカードに付与されている識別番号と異なることになる。その結果、識別番号が間違って登録されてしまうために、ユーザが取得して、ポイントカードに蓄積されたポイントを使用する際に、ユーザはポイントを使用できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、カード(例えば、ポイントカード)を取得の際に、取得するカード識別番号の記入ミスを回避しうるカードを製造するカード識別番号付加装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、ラベル付きカードの磁気記録部分に識別番号を磁気記録するエンコードユニットと、上記ラベル付きカードに上記識別番号をエンボス加工するエンボスユニットと、上記ラベル付きカードに設けられたラベルに上記識別番号を印字する印字ユニットと、上記エンコードユニットと、上記エンボスユニットと、上記印字ユニットとをそれぞれ制御するコントロールユニットとを備えるカード識別番号付加装置を提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記エンコードユニット、上記エンボスユニット、上記印字ユニットの順番に並んで構成される、第1態様に記載のカード識別番号付加装置を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記ラベル付きカードのラベルに印字された上記識別番号と形態が異なる別の識別番号を印字する別の印字ユニットを、さらに備える、第1態様に記載のカード識別番号付加装置を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記ラベル付きカードを供給する供給装置を、さらに備える、第1態様に記載のカード識別番号付加装置を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、カードに識別番号を付加するカード識別番号付加方法であって、上記カードを用意し、上記カード表面にラベルの一方端を粘着させてラベル付きカードを形成し、上記ラベル付きカードに識別番号を磁気記録し、上記ラベル付きカードに上記識別番号をエンボス加工し、上記ラベル付きカードに設けられたラベルに上記識別番号を印字することを特徴とする、カード識別番号付加方法を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記ラベル付きカードのラベルに印字された上記識別番号と形態が異なる別の識別番号をさらに印字する、第5態様に記載のカード識別番号付加方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カード識別番号付加装置は、ラベル付きカードの磁気記録部分に識別番号を磁気記録するエンコードユニットと、ラベル付きカードに識別番号をエンボス加工するエンボスユニットと、ラベル付きカードに設けられたラベルに識別番号を印字する印字ユニットと、エンコードユニットと、エンボスユニットと、印字ユニットとをそれぞれ制御するコントロールユニットとを備える構成が採用されているので、1パスで、複数の識別番号をラベル付きカードに付加することができる。さらに、識別番号が印字されたラベルをラベル付きカードから簡単に剥離して、そのラベルをカード取得するための申込用紙の所定の位置に貼り付けることで、識別番号を誤記入することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
本発明の実施形態に係るラベル付きカード10(ラベル11が貼り付けられていない状態)の模式斜視図を図1に示す。また、従来の一般的に用いられるポイントカードも同様の形態をしている。また、図2は、ラベル付きカード10(ラベル11が貼り付けられていない状態)の内部構造を示す模式分解図である。
【0018】
図2に示すように、ラベル付きカード10(ラベル11が貼り付けられていない状態)は、表面オーバーフィルム4、表面コアシート5、裏面コアシート6、及び裏面オーバーフィルム7の4層構造から形成されている。表面コアシート5の表面には、図1に示すようなデザイン2が印刷されている。また、図2に示すラベル付きカード10は、例えば接着剤を介して、表面オーバーフィルム4、表面コアシート5、裏面コアシート6、及び裏面オーバーフィルム7のそれぞれが接合されて、図1に示すように、一体的に形成されている。
【0019】
ここで、本発明の実施形態に係るラベル付きカード10(ラベル11が貼り付けられている状態)の模式斜視図を図3に示す。ラベル付きカード10は、図3に示すように、ラベル11、エンボス加工領域12及び磁気ストライプ(図示せず)を有している。
【0020】
ラベル11は、その一方の端部は、剥離紙が剥がされて、ラベル付きカード10の表面に粘着されている。ラベル11の表面は、無地であり、識別番号13bが印字される。
【0021】
エンボス加工領域12は、上述した従来のポイントカード1と同様に、識別番号13cがエンボス加工される。
【0022】
ラベル付きカードの磁気ストライプは、上述した従来のポイントカード1と同様に、識別番号13a(図5参照)が磁化される。
【0023】
また、識別番号13a〜13cのそれぞれは、記録される方法が異なるだけで、識別番号は同じである。以下、これら識別番号13a〜13cを総称して識別番号13と呼ぶ。
【0024】
ここで、本実施形態に係るカード識別番号付加装置20の概略図を図4に示す。図4に示すように、カード識別番号付加装置20は、エンコードユニット21、印字ユニット22、エンボスユニット23、コントロールユニット24及び表示装置25を備える。また、エンコードユニット21、印字ユニット22及びエンボスユニット23のそれぞれは、カードレール26(例えば、図5参照)で繋がっており、紙面に向かって右から左に、エンコードユニット21、印字ユニット22及びエンボスユニット23のそれぞれにラベル付きカード10が搬送される。
【0025】
また、図5は、ラベル付きカード10の磁気ストライプ18に識別番号13aを磁化するエンコードユニット21の模式概略図であり、図6は、図5の図示上面から見たエンコードユニット21の模式平面図である。また、図7は、ラベル付きカード10のラベル11に識別番号13bを印字する印字ユニット22の模式概略図であり、図8は、図7の図示上面から見た印字ユニット22の模式平面図である。さらに、図9は、ラベル付きカード10のエンボス加工領域12に識別番号13cをエンボス加工するエンボスユニット23の模式概略図であり、図10は、図9の図示上面から見たエンボスユニット23の模式平面図である。
【0026】
エンコードユニット21は、ラベル付きカード10の磁気ストライプ18(本発明の磁気録部分に相当)に識別番号13aを磁化する。図5に示すように、ラベル付きカード20がエンコードユニット21を通過する際に、ラベル付きカード10の磁気ストライプが磁気書き込みヘッド31と接触して、磁気ストライプに識別番号13aが磁化される。
【0027】
具体的には、図6に示すように、磁気書き込みヘッド31に電流を印可して磁界を発生させて、磁気書き込みヘッド31にラベル付きカード10の磁気ストライプを接触させながら、ラベル付きカード10を一定速度で走査させる。これにより、設定された識別番号13aのデータが電磁変換されて、磁気ストライプに識別番号13aを示す磁化されたビットパターンが形成される。
【0028】
印字ユニット22は、ラベル付きカード10のラベル11に識別番号13bを印字する。印字ユニット22は、例えば昇華プリント又は熱転写プリントなどで構成され、本実施形態では、図7に示すように、熱転写プリントで構成されている。
【0029】
例えば、印字ユニット22において、ラベル付きカード10が印字リボン箔41と同速でカードレール26を搬送される。図8に示されるように、ラベル付きカード10におけるラベル11は、印字リボン箔41と対向するように配置される。次に、サーマルヘッド42により印字リボン箔41を介して熱転写して、識別番号13bがラベル11に熱転写される。
【0030】
エンボスユニット23は、ラベル付きカード10のエンボス加工領域12に識別番号13cをエンボス加工する。エンボスユニット23は、図9に示すように、ラベル付きカード10のエンボス加工領域12に凸形状の識別番号13cを形成することができる。
【0031】
具体的には、図10に示すように、シール付きカード10を図示上下方向からパンチ部材前側51及びパンチ部材後側52で保持して、パンチ部材前側51及びパンチ部材後側52のそれぞれを図10に示される矢印A及びB方向から打刻する。パンチ部材前側51及びパンチ部材後側52のそれぞれは、凹凸形状に形成され、例えば、英文字、数字などを構成している。また、パンチ部材前側51、例えば円形状に形成され、英文字、数字などが、円環状に配置されている。また、このパンチ部材前側51及びパンチ部材後側52を交換することで、例えば、小文字の英文字などをラベル付きカード10にエンボス加工することができる。
【0032】
コントロールユニット24は、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを備えるCPU(Central Processing Unit)で構成されるパーソナルコンピュータである。
【0033】
また、コントロールユニット24は、エンコードユニット21、印字ユニット22、及びエンボスユニット23のそれぞれと接続されている。例えば、コントロールユニット24は、エンコードユニット21、印字ユニット22、及びエンボスユニット23のそれぞれに識別番号13の情報を出力する。
【0034】
表示装置25は、例えば液晶やEL(Electroluminescence)等を用いたディスプレイで構成され、情報を表示する。具体的には、表示装置25は、カード識別番号付加装置20の稼働状況などを表示する。
【0035】
このように、カード識別番号付加装置20は、ラベル付きカード10の磁気記録部分18に識別番号13aを磁気記録するエンコードユニット21と、ラベル付きカード10に識別番号13cをエンボス加工するエンボスユニット23と、ラベル付きカード10に設けられたラベル11に識別番号13bを印字する印字ユニット22と、エンコードユニット21と、エンボスユニット23と、印字ユニット22とをそれぞれ制御するコントロールユニット24とを備える構成が採用されているので、1パスで、複数の識別番号13a〜13cをラベル付きカード10に付加することができる。さらに、識別番号13bが印字されたラベル11をラベル付きカード10から簡単に剥離して、そのラベル11をカード取得するための申込用紙の所定の位置に貼り付けることで、識別番号13bを誤記入することを防ぐことができる。
【0036】
また、ラベル付きカード10は、図示しない供給装置を用いて、カード識別番号付加装置20に供給されても良い。これにより、自動的に、ラベル付きカード10をカード識別番号付加装置20に供給することができる。
【0037】
また、カード識別番号付加装置20は、エンコードユニット21、エンボスユニット22及び印字ユニット23の組み合わせで説明してきたが、どのような組み合わせであっても構わない。さらに、別の印字ユニットを組み合わせて、例えばバーコードなど構成される識別情報がラベル付きカード10又はラベル11に印字されてもよい。なお、この識別情報は、識別番号13と形態が異なるだけである。
【0038】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0039】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るカード識別番号付加装置及びその方法は、1パスの製造工程にて、ラベル付きカードに複数の種類の識別番号を加工して付加する効果を有し、ポイントカードなど識別番号を加工して付加するカード識別番号付加装置及びその方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ラベル貼付前のカードの模式斜視図
【図2】本実施形態に係るラベル付きカードのラベルがない状態のカードの模式分解図
【図3】本実施形態に係るラベル付きカードの模式斜視図
【図4】本実施形態に係るカード識別番号付加装置の模式概略図
【図5】ラベル付きカードの磁気ストライプに識別番号を磁化するエンコードユニットの模式概略図
【図6】図5の図示上面から見たエンコードユニットの模式平面図
【図7】ラベル付きカードのラベルに識別番号を印字する印字ユニットの模式概略図
【図8】図7の図示上面から見た印字ユニットの模式平面図
【図9】ラベル付きカードのエンボス加工領域に識別番号をエンボス加工するエンボスユニットの模式概略図
【図10】図9の図示上面から見たエンボスユニットの模式平面図
【符号の説明】
【0042】
2 デザイン
4 表面オーバーフィルム
5 表面コアシート
6 裏面コアシート
7 裏面オーバーフィルム
8 磁気ストライプ
10 ラベル付きカード
11 ラベル
12 エンボス加工領域
13 識別番号
20 カード識別番号付加装置
21 エンコードユニット
22 エンボスユニット
23 印字ユニット
24 コントロールユニット
25 表示装置
26 カードレール
31 磁気書き込みヘッド
41 印字リボン箔
42 サーマルヘッド
51 パンチ前側
52 パンチ後側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル付きカードに識別番号を磁気記録するエンコードユニットと、
上記ラベル付きカードに上記識別番号をエンボス加工するエンボスユニットと、
上記ラベル付きカードに設けられたラベルに上記識別番号を印字する印字ユニットと、
上記エンコードユニットと、上記エンボスユニットと、上記印字ユニットとをそれぞれ制御するコントロールユニットとを備えるカード識別番号付加装置。
【請求項2】
上記エンコードユニット装置、上記エンボスユニット装置、上記印字ユニットの順番に並んで構成される、請求項1に記載のカード識別番号付加装置。
【請求項3】
上記ラベル付きカードのラベルに印字された上記識別番号と形態が異なる別の識別番号を印字する別の印字ユニットを、さらに備える、請求項1に記載のカード識別番号付加装置。
【請求項4】
上記ラベル付きカードを供給する供給装置を、さらに備える、請求項1に記載のカード識別番号付加装置。
【請求項5】
カードに識別番号を付加するカード識別番号付加方法であって、
上記カードを用意し、
上記カード表面にラベルの一方端を粘着させてラベル付きカードを形成し、
上記ラベル付きカードに識別番号を磁気記録し、
上記ラベル付きカードに上記識別番号をエンボス加工し、
上記ラベル付きカードに設けられたラベルに上記識別番号を印字することを特徴とする、カード識別番号付加方法。
【請求項6】
上記ラベル付きカードのラベルに印字された上記識別番号と形態が異なる別の識別番号をさらに印字する、請求項5に記載のカード識別番号付加方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−72815(P2010−72815A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237977(P2008−237977)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(392011286)株式会社ナテック (1)
【Fターム(参考)】