説明

カード

【課題】意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカードを提供する。
【解決手段】カード1は、基材110と、基材110上に配置されるレンチキュラーレンズシート120とを備える。基材110の表面上には、凹部111が形成されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の表面112上には配置されていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはカードに関し、特定的には、レンチキュラーレンズシートを備えるカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードには、レンチキュラーレンズシートを備えるものがある。レンチキュラーレンズシートは、かまぼこ形状の断面を有するレンチキュラーレンズが複数列並べられて構成されるシートである。それぞれのレンチキュラーレンズの平面上、すなわち、レンチキュラーレンズの非レンズ面上に複数種類の絵柄を印刷することによって、レンチキュラーレンズシートを見る角度によって、1つのカード上に複数の絵柄を視認させたり、1つの絵柄を立体的に視認させたりすることができるものである。
【0003】
例えば、特開平10−86568号公報(特許文献1)には、カード基材と、カード基材上の一部の領域に設けられたレンチキュラーレンズ部と、レンチキュラーレンズ部の下側に配置され、レンチキュラーレンズ部上から見たときに所定の画角ごとに異なる複数の画像が表示されるように形成された画像表示部とを備えるカードが記載されている。カード基材は透明体によって形成され、カード基材の一部にレンチキュラーレンズ部が設けられている。レンチキュラーレンズ部は、カード基材の切削加工または成型等によって形成されている。
【0004】
また、特開2008−77711号公報(特許文献2)には、薄板の片側全面に磁気記録材料が形成され、磁気記録材料が形成されていない面に蒲鉾型レンチキュラーレンズが貼り合わされたレンチキュラーレンズ付き磁気カードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−86568号公報
【特許文献2】特開2008−77711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開平10−86568号公報(特許文献1)に記載のカードでは、カード基材の一部にレンチキュラーレンズ部が設けられ、レンチキュラーレンズ部はカード基材の切削加工または成型等によって形成されており、カード基材とレンチキュラーレンズとを別々に製造することができない。そのため、カード基材はレンチキュラーレンズ部と常に同じ材料によって形成されることになり、カードの意匠性を高めることが難しい。また、1種類のカードを大量生産する場合には向くものの、様々な意匠のカードを少量ずつ生産することが難しく、少量ずつ生産する場合にカードの意匠性を高めることが難しい。
【0007】
また、特開2008−77711号公報(特許文献2)に記載のレンチキュラーレンズ付き磁気カードでも同様に、カードの意匠性を高めることが難しい。さらにまた、レンチキュラーレンズがカードの全領域に設けられており、カード上に文字等によって情報が示される場合に、情報を視認することが困難になる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従ったカードは、基材と、基材上に配置されるレンチキュラーレンズシートとを備える。基材の表面上には、凹部が形成されている。レンチキュラーレンズシートは、基材の凹部内のみに固着されている。
【0010】
レンチキュラーレンズシートを基材の凹部内に固着して基材上に配置するので、基材とレンチキュラーレンズシートとを別々に製造することができる。基材に形成する凹部の形状を変えることによって、様々な意匠のカードを製造することができる。凹部の形状が異なる複数の基材を製造し、一方、基材の凹部の形状に合わせて異なる形状のレンチキュラーレンズシートを形成し、レンチキュラーレンズシートを基材の凹部内のみに固着することによって、様々な意匠のカードを製造することができる。このようにして、カード基材とレンチキュラーレンズシートとを一体的に形成する場合と比較して、カードの意匠性を高めることができる。
【0011】
また、カード上に文字等によって情報を示す場合には、レンチキュラーレンズシートが配置されない基材の表面上に情報を示すことによって、情報を視認しやすくすることができる。
【0012】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカードを提供することができる。
【0013】
この発明に従ったカードにおいては、レンチキュラーレンズシートの表面と基材の表面とはほぼ同一平面に形成されていることが好ましい。
【0014】
このようにすることにより、カードの使用性を高めることができる。
【0015】
この発明に従ったカードにおいては、基材の表面上には、複数の凹部が形成され、レンチキュラーレンズシートは少なくとも1つの凹部内において基材に固着されていることが好ましい。
【0016】
このようにすることにより、カードの意匠性をより高めることができる。
【0017】
この発明に従ったカードにおいては、複数の凹部は、基材の一方の表面と他方の表面のそれぞれに形成されていることが好ましい。
【0018】
このようにすることにより、カードの意匠性をより高めることができる。
【0019】
この発明に従ったカードは、ICチップを備え、ICチップは凹部内に固着されていることが好ましい。
【0020】
このようにすることにより、意匠性に優れたICカードを提供することができる。
【0021】
この発明に従ったカードにおいては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報が凹部以外の表面上に配置されていることが好ましい。
【0022】
このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0023】
この発明に従ったカードは、磁気テープを備え、磁気テープは凹部以外の表面上に配置されていることが好ましい。
【0024】
このようにすることにより、意匠性に優れた磁気カードを提供することができる。
【0025】
この発明に従ったカードは、バーコードを備え、バーコードは凹部以外の表面上に配置されていることが好ましい。
【0026】
このようにすることにより、意匠性に優れたバーコード付きカードを提供することができる。
【0027】
この発明に従ったカードにおいては、凹部は、フライス加工によって形成されていることが好ましい。
【0028】
このようにすることにより、凹部を正確に、容易に形成することができる。
【0029】
この発明に従ったカードにおいては、基材は、第1の基材部と第2の基材部とを含むことが好ましい。第2の基材部は、第1の基材部の表面の少なくとも一部を覆うように第1の基材部上に接着され、第1の基材部において、第2の基材部によって覆われた一部以外の部分によって凹部が形成されていることが好ましい。
【0030】
このようにすることにより、異なる形状の凹部を有する様々な基材を少量ずつ製造することが容易になる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、この発明によれば、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図1の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【図2】本発明の第1実施形態のカードの製造工程を順に示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態のカードの製造工程の別の例を順に示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態のカードの製造工程のまた別の例を順に示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図5の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【図6】本発明の第3実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図6の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【図7】本発明の第4実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図7の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【図8】本発明の第5実施形態のカードの正面を示す図(A)と、背面を示す図(B)と、図8の(A)に示すC−C線の方向から見た断面を示す図(C)である。
【図9】本発明の第6実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図9の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【図10】本発明の第7実施形態のカードの正面を示す図(A)と、背面を示す図(B)と、図10の(A)に示すC−C線の方向から見た断面を示す図(C)である。
【図11】本発明の第8実施形態のカードの正面を示す図(A)と、図11の(A)に示すB−B線の方向から見た断面を示す図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図1に示すように、この発明の第1実施形態のカード1は、基材110と、基材110上に配置されるレンチキュラーレンズシート120とを備える。図1の(A)に示すように、基材110上には、文字等によって情報を示す情報表示部130が配置されている。
【0035】
図1の(B)に示すように、カード1の基材110の表面上には、凹部111が表面112上に形成されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111内に固着されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111以外の表面112上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート120の表面と基材110の凹部111以外の表面112の表面とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート120は、凹部111とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部111に嵌めこまれている。レンチキュラーレンズシート120は、凹部111以外の表面112によって囲まれている。
【0036】
基材110は、例えば、紙や木材、石材、貝、皮革などの天然材料や、アクリル樹脂や塩化ビニルのような合成樹脂材料によって板状に形成される。基材110は他の材質によって形成されていてもよい。基材110の全体は、例えば、IDカード、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、名札、名刺、しおり、はがき、贈答用カード、掲示用カード、または、挨拶状として使用可能な大きさに形成される。基材110は、使用目的に応じて、例えば通帳の大きさなど、他の大きさに形成されていてもよい。
【0037】
基材110の凹部111上にはレンチキュラーレンズシート120が固着されている。レンチキュラーレンズシート120としては、公知のものが用いられる。レンチキュラーレンズシート120の非レンズ面には、凹部111内に固着される前に絵柄等が印刷され、レンチキュラーレンズシート120を見る角度によって、1つのカード1上に複数の絵柄を視認させたり、1つの絵柄を立体的に視認させたりすることができるように構成されている。
【0038】
一方、基材110の凹部111以外の表面112上には、レンチキュラーレンズシート120が配置されていない。凹部111以外の表面112上には情報表示部130が配置されている。情報表示部130には、カード1の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。また、情報表示部130に表示される情報は、文字のみで構成されていてもよいし、図形のみで構成されていてもよいし、文字と図形とを組み合わせて構成されていてもよく、地模様であってもよい。
【0039】
次に、カード1の製造工程について説明する。以下の図2〜図4では、図1に示すカード1を図1の(A)のB−B線の方向から見た時の断面を用いて説明する。
【0040】
カード1の第1の製造方法としては、まず、図2の(A)に示すように、基材用材10を準備する。次に、図2の(B)に示すように、基材用材10の表面上に、フライス加工によって凹部111を形成して、基材110とする。最後に、図2の(C)に示すように、凹部111内にレンチキュラーレンズシート120を固着する。レンチキュラーレンズシート120は、常温硬化型の接着剤で接着されて固着される。常温硬化型の接着剤で接着することによって、接着時に凹部111が変形することを防ぐことができる。このようにして、カード1が製造される。
【0041】
このように、カード1においては、凹部111は、フライス加工によって形成されていることが好ましい。このようにすることにより、凹部111を正確に、容易に形成することができる。
【0042】
カード1の第2の製造方法としては、まず、図3の(A)に示すように、第1の基材部11と第2の基材部12とを準備する。第1の基材部11上には、ベタ印刷されたベタ印刷部11aが形成されている。次に、図3の(B)に示すように、第1の基材部11と第2の基材部12とを融着する。このとき、ベタ印刷部11aが第1の基材部11と第2の基材部12との間に挟まれるようにする。そして、第2の基材部12においてベタ印刷部11aと重なる部分の輪郭に沿って切り込み12aを入れてハーフカットする。次に、図3の(C)に示すように、ベタ印刷部11aと重なる第2の基材部12をプレス加工で取り除くことによって、凹部111を形成して、基材110とする。最後に、図2の(D)に示すように、凹部111内にレンチキュラーレンズシート120を固着する。レンチキュラーレンズシート120は、常温硬化型の接着剤で接着されて固着される。常温硬化型の接着剤で接着することによって、接着時に凹部111が変形することを防ぐことができる。このようにして、カード1が製造される。
【0043】
このように、カード1においては、基材110は、第1の基材部11と第2の基材部12とを含むことが好ましい。第2の基材部12は、第1の基材部11の表面の少なくとも一部を覆うように第1の基材部11上に接着され、第1の基材部11において、第2の基材部12によって覆われた一部以外の部分によって凹部111が形成されていることが好ましい。このようにすることにより、異なる形状の凹部111を有する様々な基材110を少量ずつ製造することが容易になる。
【0044】
カード1の第3の製造方法としては、まず、図4の(A)に示すように、第1の基材部11と第2の基材部12とを準備する。第2の基材部12には、プレス加工によって型抜きされた型抜き部12bが形成されている。次に、図4の(B)に示すように、第1の基材部11と第2の基材部12とをコールド接着することによって、凹部111を形成して、基材110とする。コールド接着することによって、接着時に型抜き部12bが変形することを防ぐことができる。最後に、図4の(C)に示すように、凹部111内にレンチキュラーレンズシート120を固着する。レンチキュラーレンズシート120は、常温硬化型の接着剤で接着されて固着される。常温硬化型の接着剤で接着することによって、接着時に凹部111が変形することを防ぐことができる。このようにして、カード1が製造される。
【0045】
このように、カード1においては、基材110は、第1の基材部11と第2の基材部12とを含むことが好ましい。第2の基材部12は、第1の基材部11の表面の少なくとも一部を覆うように第1の基材部11上に接着され、第1の基材部11において、第2の基材部12によって覆われた一部以外の部分によって凹部111が形成されていることが好ましい。このようにすることにより、異なる形状の凹部111を有する様々な基材110を少量ずつ製造することが容易になる。
【0046】
カード1は、上述の方法とは異なる方法によって製造されてもよい。カード1は、上述の方法の他に、例えば、成型加工によって製造されてもよい。カード1を成型加工によって製造する場合には、成型金型によって基材110上に凹部111が形成される。いずれの方法によって製造されても、カード1の基材110の凹部111内にはレンチキュラーレンズシート120が固着される。カード1の凹部111内にレンチキュラーレンズシート120が固着されることによって、基材110とレンチキュラーレンズシート120とを一体として、そのままで持ち運んだり、商品棚に陳列したり、使用したりすることができる。
【0047】
以上のように、カード1は、基材110と、基材110上に配置されるレンチキュラーレンズシート120とを備える。基材110の表面上には、凹部111が形成されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート120は、基材110の凹部111以外の表面112上には配置されていない。
【0048】
レンチキュラーレンズシート120を基材110の凹部111内に固着して基材110上に配置するので、基材110とレンチキュラーレンズシート120とを別々に製造することができる。基材110に形成する凹部111の形状を変えることによって、様々な意匠のカード1を製造することができる。凹部111の形状が異なる複数の基材110を製造し、一方、基材110の凹部111の形状に合わせて異なる形状のレンチキュラーレンズシート120を形成し、レンチキュラーレンズシート120を基材110の凹部111内に固着することによって、様々な意匠のカード1を製造することができる。このようにして、カード1基材110とレンチキュラーレンズシート120とを一体的に形成する場合と比較して、カード1の意匠性を高めることができる。
【0049】
また、カード1上に文字等によって情報を示す場合には、レンチキュラーレンズが配置されない基材110の凹部111以外の表面112上に情報を示すことによって、情報を視認しやすくすることができる。
【0050】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード1上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード1を提供することができる。
【0051】
また、カード1においては、レンチキュラーレンズシート120の表面と基材110の凹部111以外の表面112とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード1の使用性を高めることができる。
【0052】
また、カード1においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部130が凹部111以外の表面112上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0053】
(第2実施形態)
図5に示すように、この発明の第2実施形態のカード2は、基材210と、基材210上に配置されるレンチキュラーレンズシート220とを備える。図5の(A)に示すように、基材210上には、文字等によって情報を示す情報表示部230が配置されている。
【0054】
図5の(B)に示すように、カード2の基材210の表面上には、凹部211が形成されている。レンチキュラーレンズシート220は、基材210の凹部211内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート220は、基材210の凹部211以外の表面212上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート220の表面と基材210の凹部211以外の表面212とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート220は、凹部211とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート220は、基材210の凹部211を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部211上に固着されている。第2実施形態のカード2が第1実施形態のカード1と異なる点としては、第2実施形態のカード2のレンチキュラーレンズシート220は、凹部211以外の表面212によって囲まれていない。
【0055】
基材210の凹部211以外の表面212上には情報表示部230が配置されている。情報表示部230には、カード2の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。また、凹部211以外の表面212には、カード2の基材210を貫通する孔240が形成されている。使用者は、孔240に例えばひもを通して、カード2を携帯したり、カード2を装飾したりすることができる。
【0056】
第2実施形態のカード2は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0057】
以上のように、カード2は、基材210と、基材210上に配置されるレンチキュラーレンズシート220とを備える。基材210の表面上には、凹部211が形成されている。レンチキュラーレンズシート220は、基材210の凹部211内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート220は、基材210の凹部211以外の表面212上には配置されていない。
【0058】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード2上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード2を提供することができる。
【0059】
また、カード2においては、レンチキュラーレンズシート220の表面と基材210の表面212とはほぼ同一平面に形成されていることが好ましい。このようにすることにより、カード2の使用性を高めることができる。
【0060】
また、カード2においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部230が凹部211以外の表面212上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0061】
第2実施形態のカード2のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0062】
(第3実施形態)
図6に示すように、この発明の第3実施形態のカード3は、基材310と、基材310上に配置されるレンチキュラーレンズシート320とを備える。図6の(A)に示すように、基材310上には、文字等によって情報を示す情報表示部330が配置されている。
【0063】
図6の(B)に示すように、カード3の基材310の表面上には、凹部311が形成されている。レンチキュラーレンズシート320は、基材310の凹部311内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート320は、基材310の凹部311以外の表面312上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート320の表面と基材310の凹部311以外の表面312とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート320は、凹部311とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート320は、基材310の凹部311を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部311上に固着されている。第3実施形態のカード3が第1実施形態のカード1と異なる点としては、第3実施形態のカード3においては、レンチキュラーレンズシート320が凹部311以外の表面312を取り囲む形状に形成されている。
【0064】
基材310の凹部311以外の表面312上には情報表示部330が配置されている。情報表示部330には、カード3の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。また、凹部311上のレンチキュラーレンズシート320には、レンチキュラーレンズシート320とカード3の基材310を貫通する孔340が形成されている。使用者は、孔340に例えばひもを通して、カード3を携帯したり、カード3を装飾したりすることができる。
【0065】
第3実施形態のカード3は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0066】
以上のように、カード3は、基材310と、基材310上に配置されるレンチキュラーレンズシート320とを備える。基材310の表面上には、凹部311が形成されている。レンチキュラーレンズシート320は、基材310の凹部311内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート320は、基材310の凹部311以外の表面312上には配置されていない。
【0067】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード3上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード3を提供することができる。
【0068】
また、カード3においては、レンチキュラーレンズシート320の表面と基材310の凹部311以外の表面312とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード3の使用性を高めることができる。
【0069】
また、カード3においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部330が凹部311以外の表面312上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0070】
第3実施形態のカード3のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0071】
(第4実施形態)
図7に示すように、この発明の第4実施形態のカード4は、基材410と、基材410上に配置されるレンチキュラーレンズシート421とレンチキュラーレンズシート422とを備える。図7の(A)に示すように、基材410上には、文字等によって情報を示す情報表示部430が配置されている。
【0072】
図7の(B)に示すように、カード4の基材410の表面上には、複数の凹部411と凹部412とが形成されている。レンチキュラーレンズシート421は、基材410の凹部411内のみに固着され、レンチキュラーレンズシート422は、基材410の凹部412内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート421とレンチキュラーレンズシート422は、基材410の凹部411と凹部412以外の表面413上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート421とレンチキュラーレンズシート422の表面と、基材410の表面413とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート421は、凹部411とほぼ同じ形状に形成され、レンチキュラーレンズシート422は、凹部412とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート421は、基材410の凹部411を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部411上に固着されている。レンチキュラーレンズシート422は、基材410の凹部412を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部412上に固着されている。第4実施形態のカード4が第1実施形態のカード1と異なる点としては、第4実施形態のカード4のレンチキュラーレンズシート421は凹部411に配置され、レンチキュラーレンズシート422は凹部412に配置されている。
【0073】
基材410の表面413上には情報表示部430が配置されている。情報表示部430には、カード4の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0074】
第4実施形態のカード4は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0075】
以上のように、カード4は、基材410と、基材410上に配置されるレンチキュラーレンズシート421とレンチキュラーレンズシート422とを備える。基材410の表面上には、凹部411と凹部412とが形成されている。レンチキュラーレンズシート421は、基材410の凹部411内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート422は、基材410の凹部412内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート421とレンチキュラーレンズシート422は、基材410の凹部411と凹部412以外の表面413上には配置されていない。
【0076】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード4上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード4を提供することができる。
【0077】
また、カード4においては、レンチキュラーレンズシート421の表面とレンチキュラーレンズシート422の表面と基材410の表面413とはほぼ同一平面に形成されていることが好ましい。このようにすることにより、カード4の使用性を高めることができる。
【0078】
また、カード4においては、基材410の表面上には、複数の凹部411と凹部412とが形成され、レンチキュラーレンズシート421は凹部411内において基材410に固着され、レンチキュラーレンズシート422は凹部412内において基材410に固着されている。このようにすることにより、カード4の意匠性をより高めることができる。
【0079】
また、カード4においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部430が凹部411と凹部412以外の表面412上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0080】
第4実施形態のカード4のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0081】
(第5実施形態)
図8に示すように、この発明の第5実施形態のカード5は、基材510と、基材510上に配置されるレンチキュラーレンズシート521(図8(A))と、レンチキュラーレンズシート522(図8(B))とを備える。
【0082】
図8の(A)に示すように、基材510の一方の面の上には、レンチキュラーレンズシート521と、文字等によって情報を示す情報表示部531が配置されている。レンチキュラーレンズシート521は、レンチキュラーレンズシート521が配置されていない部分の基材510によって囲まれるように配置されている。
【0083】
図8の(B)に示すように、基材510の他方の面にも、レンチキュラーレンズシート522と情報表示部532とが基材510上に配置されている。レンチキュラーレンズシート522は、レンチキュラーレンズシート522が配置されていない部分の基材510を取り囲むように配置されている。
【0084】
図8の(C)に示すように、カード5の基材510の一方の表面上には、凹部511が形成され、レンチキュラーレンズシート521は、基材510の凹部511内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート521は、基材510の凹部511以外の表面512上には配置されていない。また、レンチキュラーレンズシート521は、凹部511とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート521は、基材510の凹部511を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部511上に固着されている。レンチキュラーレンズシート521は、凹部511以外の表面512によって囲まれるように配置されている。基材510の凹部511以外の表面512上には情報表示部531が配置されている(図8(A))。情報表示部531には、カード5の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0085】
カード5の基材510の他方の表面上には、凹部513が形成され、レンチキュラーレンズシート522は、基材510の凹部513内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート522の表面と基材510の凹部513以外の表面514とはほぼ同一平面に形成されている。レンチキュラーレンズシート522は、基材510の凹部513以外の表面514上には配置されていない。また、レンチキュラーレンズシート522は、凹部513とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート522は、基材510の凹部513を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部513上に固着されている。レンチキュラーレンズシート522は、凹部513以外の表面514を囲むように配置されている。基材510の凹部513以外の表面514上には情報表示部532が配置されている(図8(B))。情報表示部532には、カード5の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0086】
第5実施形態のカード5は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0087】
以上のように、カード5は、基材510と、基材510上に配置されるレンチキュラーレンズシート521とレンチキュラーレンズシート522とを備える。基材510の一方の表面上には、凹部511が形成されている。レンチキュラーレンズシート521は、基材510の凹部511内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート521は、基材510の凹部511以外の表面512上には配置されていない。基材510の他方の表面上には凹部513が形成されている。レンチキュラーレンズシート522は、基材510の凹部513内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート522は、基材510の凹部513以外の表面514上には配置されていない。
【0088】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード5上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード5を提供することができる。
【0089】
また、カード5においては、レンチキュラーレンズシート521の表面と基材510の凹部511以外の表面512とはほぼ同一平面に形成され、レンチキュラーレンズシート522の表面と基材510の凹部513以外の表面514の表面とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード5の使用性を高めることができる。
【0090】
また、カード5においては、基材510の表面上には、複数の凹部511と凹部513が形成され、レンチキュラーレンズシート521は凹部511内において基材510に固着され、レンチキュラーレンズシート522は凹部513内において基材510に固着されている。このようにすることにより、カード5の意匠性をより高めることができる。
【0091】
また、カード5においては、複数の凹部511と凹部513とは、基材510の一方の表面と他方の表面のそれぞれに形成されている。このようにすることにより、カード5の意匠性をより高めることができる。
【0092】
また、カード5においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部531が凹部511以外の表面512上に配置され、情報表示部532が凹部512以外の表面514上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0093】
第5実施形態のカード5のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0094】
(第6実施形態)
図9に示すように、この発明の第6実施形態のカード6は、基材610と、基材610上に配置されるレンチキュラーレンズシート620と、ICチップ640とを備える。図9の(A)に示すように、基材610上には、文字等によって情報を示す情報表示部630が配置されている。
【0095】
図9の(B)に示すように、カード6の基材610の表面上には、凹部611と、ICチップ収容部613が形成されている。ICチップ収容部613は、凹部611の一部にさらに凹部として形成されている。
【0096】
レンチキュラーレンズシート620は、基材610の凹部611内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート620は、基材610の凹部611以外の表面612上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート620の表面と基材610の凹部611以外の表面612とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート620は、凹部611とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート620は、凹部611以外の表面612によって囲まれるように、基材610の凹部611を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部611上に固着されている。
【0097】
基材610の凹部611以外の表面612上には情報表示部630が配置されている。情報表示部630には、カード6の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0098】
ICチップ収容部613内には、ICチップ640が収容されている。ICチップ640の表面は、レンチキュラーレンズシート620の表面と基材610の表面612とほぼ同一平面に形成されている。なお、ICチップ収容部613は、凹部611から離れた位置に、凹部611とは別個に形成されてもよい。
【0099】
第6実施形態のカード6は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0100】
以上のように、カード6は、基材610と、基材610上に配置されるレンチキュラーレンズシート620とを備える。基材610の表面上には、凹部611が形成されている。レンチキュラーレンズシート620は、基材610の凹部611内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート620は、基材610の凹部611以外の表面612上には配置されていない。
【0101】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード6上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード6を提供することができる。
【0102】
また、カード6においては、レンチキュラーレンズシート620の表面と基材610の凹部611以外の表面612とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード6の使用性を高めることができる。
【0103】
また、カード6は、ICチップ640を備え、ICチップ640はICチップ収容部613内に固着されている。このようにすることにより、意匠性に優れたICカード6を提供することができる。
【0104】
また、カード6においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部630が凹部611以外の表面612上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0105】
第6実施形態のカード6のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0106】
(第7実施形態)
図10に示すように、この発明の第7実施形態のカード7は、基材710と、基材710上に配置されるレンチキュラーレンズシート720と、磁気テープ741と、バーコード742とを備える。図10の(A)に示すように、基材710の一方の表面上には、レンチキュラーレンズシート720と、文字等によって情報を示す情報表示部730とが配置されている。図10の(B)に示すように、基材710の他方の表面上には、磁気テープ741とバーコード742とが配置されている。
【0107】
図10の(C)に示すように、カード7の基材710の一方の表面上には、凹部711とが形成されている。レンチキュラーレンズシート720は、基材710の凹部711内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート720は、基材710の凹部711以外の表面712上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート720の表面と基材710の凹部711以外の表面712とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート720は、凹部711とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート720は、凹部711以外の表面712によって囲まれるように、基材710の凹部711を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部711上に固着されている。
【0108】
基材710の凹部711以外の表面712上には情報表示部730が配置されている。情報表示部730には、カード7の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0109】
磁気テープ741やバーコード742には、情報表示部730に表示される情報以外の情報が収納されていてもよいし、情報表示部730に表示される情報と同じ内容の情報が収納されていてもよい。磁気テープ741とバーコード742に収納されている情報は、公知の方法によって読み取られる。なお、この実施形態においては、磁気テープ741とバーコード742は、レンチキュラーレンズシート720が配置されている側の表面712の裏面上に配置されいるが、レンチキュラーレンズシート720が配置されている側の凹部711以外の表面712上に配置されててもよい。
【0110】
第7実施形態のカード7は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0111】
以上のように、カード7は、基材710と、基材710上に配置されるレンチキュラーレンズシート720とを備える。基材710の表面上には、凹部711が形成されている。レンチキュラーレンズシート720は、基材710の凹部711内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート720は、基材710の凹部711以外の表面712上には配置されていない。
【0112】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード7上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード7を提供することができる。
【0113】
また、カード7においては、レンチキュラーレンズシート720の表面と基材710の凹部711以外の表面712とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード7の使用性を高めることができる。
【0114】
また、カード7においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部730が凹部711以外の表面として、表面712の裏面上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0115】
また、カード7は、磁気テープ741とバーコード742とを備える。磁気テープ741とバーコード742とは、凹部711以外の表面712上に配置されている。このようにすることにより、意匠性に優れたバーコード付き磁気カード7を提供することができる。なお、カード7は磁気テープ741とバーコード742との両方を備えるが、使用目的によって、磁気テープ741とバーコード742のいずれか一方のみを備えるように構成されていてもよい。
【0116】
第7実施形態のカード7のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0117】
(第8実施形態)
図11に示すように、この発明の第8実施形態のカード8は、基材810と、基材810上に配置されるレンチキュラーレンズシート820と、非接触型ICチップ841と、ホログラム箔842とを備える。図11の(A)に示すように、基材810の表面上には、文字等によって情報を示す情報表示部830と、ホログラム箔842とが配置されている。一方、非接触型ICチップ841は、基材810の外側からは見えないように配置されている。
【0118】
図11の(B)に示すように、カード8の基材810の表面上には、凹部811と、ICチップ収容部813が形成されている。ICチップ収容部813は、凹部811の一部にさらに凹部として形成されている。
【0119】
レンチキュラーレンズシート820は、基材810の凹部811内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート820は、基材810の凹部811以外の表面812上には配置されていない。レンチキュラーレンズシート820の表面と基材810の凹部811以外の表面812とはほぼ同一平面に形成されている。また、レンチキュラーレンズシート820は、凹部811とほぼ同じ形状に形成されている。レンチキュラーレンズシート820は、凹部811以外の表面812によって囲まれるように、基材810の凹部811を形成する壁との間に隙間ができないように、凹部811上に固着されている。
【0120】
基材810の凹部811以外の表面812上には情報表示部830とホログラム箔842とが配置されている。情報表示部830には、カード8の発行者の名称や商標等を表示してもよいし、他の情報を表示してもよい。
【0121】
ICチップ収容部813内には、非接触型ICチップ841が収容されている。非接触型ICチップ841は、ICチップ収容部813内に固着されている。非接触型ICチップ841の表面は、レンチキュラーレンズシート820によって覆われている。なお、ICチップ収容部813は、凹部811から離れた位置に、凹部811とは別個に形成されてもよい。ICチップ収容部813が凹部811から離れた位置に形成される場合には、非接触型ICチップ841は基材上に埋め込まれる。
【0122】
第8実施形態のカード8は、第1実施形態のカード1と同様に製造される。
【0123】
以上のように、カード8は、基材810と、基材810上に配置されるレンチキュラーレンズシート820とを備える。基材810の表面上には、凹部811が形成されている。レンチキュラーレンズシート820は、基材810の凹部811内のみに固着されている。レンチキュラーレンズシート820は、基材810の凹部811以外の表面812上には配置されていない。
【0124】
このようにすることにより、意匠性を高めることが可能であり、かつ、カード8上に文字等によって示される情報を視認しやすくすることが可能なカード8を提供することができる。
【0125】
また、カード8においては、レンチキュラーレンズシート820の表面と基材810の凹部811以外の表面812とはほぼ同一平面に形成されている。このようにすることにより、カード8の使用性を高めることができる。
【0126】
また、カード8は、非接触型ICチップ841を備え、非接触型ICチップ841はICチップ収容部813内に固着されている。このようにすることにより、意匠性に優れたICカード8を提供することができる。
【0127】
また、カード8においては、視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報表示部830が凹部811以外の表面812上に配置されている。このようにすることにより、文字および/または図形を含む情報を視認しやすくなる。
【0128】
第8実施形態のカード8のその他の構成と効果は、第1実施形態のカード1と同様である。
【0129】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
【符号の説明】
【0130】
1,2,3,4,5,6,7,8:カード、110,210,310,410,510,610,710,810:基材、111,211,311,411,412,511,513,611,711,811:凹部、112,212,312,413,512,514,612,712,812:表面、120,220,320,421,422,521,532,620,720,820:レンチキュラーレンズシート、130,230,330,430,531,532,630,730,830:情報表示部、640:ICチップ、741:磁気テープ、742:バーコード、841:非接触型ICチップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に配置されるレンチキュラーレンズシートとを備え、
前記基材の表面上には、凹部が形成され、
前記レンチキュラーレンズシートは、前記基材の凹部内のみに固着されている、カード。
【請求項2】
前記レンチキュラーレンズシートの表面と前記基材の前記凹部以外の表面とはほぼ同一平面に形成されている、請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記基材の表面上には、複数の凹部が形成され、前記レンチキュラーレンズシートは少なくとも1つの前記凹部内において基材に固着されている、請求項1または請求項2に記載のカード。
【請求項4】
前記複数の凹部は、前記基材の一方の表面と他方の表面のそれぞれに形成されている、請求項3に記載のカード。
【請求項5】
ICチップを備え、
前記ICチップは前記凹部内に固着されている、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカード。
【請求項6】
視覚によって認識される文字および/または図形を含む情報が凹部以外の表面上に配置されている、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のカード。
【請求項7】
磁気テープを備え、
前記磁気テープは前記凹部以外の表面上に配置されている、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のカード。
【請求項8】
バーコードを備え、
前記バーコードは前記凹部以外の表面上に配置されている、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のカード。
【請求項9】
前記凹部は、フライス加工によって形成されている、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のカード。
【請求項10】
前記基材は、第1の基材部と第2の基材部とを含み、
前記第1の基材部は、前記第2の基材部の表面の少なくとも一部を覆うように前記第2の基材部上に接着され、
前記第2の基材部において、前記第1の基材部によって覆われた一部以外の部分によって前記凹部が形成されている、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−131189(P2012−131189A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287023(P2010−287023)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(591064379)昌栄印刷株式会社 (15)
【Fターム(参考)】