説明

カーナビゲーション方法、カーナビゲーションシステム、センタ装置およびカーナビゲーション装置

【課題】POI近隣地域における道路の個別事情を考慮した経路探索が可能になる。
【解決手段】センタ装置2は、プローブカー6の走行履歴データを蓄積した走行履歴DB212を備え、その蓄積された走行履歴データごとにプローブカーの最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、そのPOIに到達する走行履歴経路に基づき、POI進入点と、そのPOI進入点からPOIに到達する走行履歴経路に基づき、プローブか6が最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、POI進入点とPOI進入経路とをPOIに対応付けてPOI進入経路DB239に保持する。一方、カーナビゲーション装置3は、目的地のPOIに対応するPOI進入点とPOI進入経路とをセンタ装置2から取得し、現在地からPOI進入点までの最小コスト経路を求め、その最小コスト経路とセンタ装置2から取得したPOI進入経路とをつないで推奨経路とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地から目的地までの経路をドライバに提示して、車両の走行進路を誘導するカーナビゲーション方法、カーナビゲーションシステム、センタ装置およびカーナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの車両に搭載されたカーナビゲーション装置においては、内蔵の地図データベースに基づき現在地から目的地までの経路が探索され、探索された経路が表示装置に表示される。その場合、その経路の探索には、ダイクストラ法など種々のアルゴリズムが用いられるが、その経路探索においては、例えば、目的地までの距離や所要時間などが最小になるようないわゆる最小コスト経路が探索される。
【0003】
すなわち、経路探索においては、より一般的には、道路網を構成するリンク(通常、2つの交差点を結ぶ道路に相当)やノード(通常、交差点に相当)に、あらかじめ所定のコスト(例えば、リンク長、リンク走行時間、左折時間、右折時間、通行料金など)が設定され、現在地と目的地とをつなぐすべての経路について、その経路に含まれるリンクおよびノードのコストで表される所定のコスト関数(例えば、リンク長の総和など)の値が計算され、その値が最大または最小(通常は、最小)になる経路が抽出される。
【0004】
しかしながら、コスト関数を評価する方法の場合には、とくに目的地周辺における道路の個別事情(例えば、道路の幅員や見通しなどによる走行の容易性や安全性、目的地となる各種施設への入場経路など)をコスト関数に反映させようとすると、そのコスト関数の設定は容易ではない。まして、施設(例えば、ショッピングセンタ、駅前広場、駐車場など)ごとに、その周辺の地域性をも考慮してリンクやノードのコスト、さらには、コスト関数をチューニングして設定するのは、実際上困難といわざるを得ない。
【0005】
ちなみに、特許文献1には、駐車場に到る経路を求める場合、その駐車場の近隣では、その駐車場の管理装置から空きスペース数、入場待ち車列の長さ、車列末尾位置などの情報の提供を受けることにより、入場の待ち時間が小さくなるような駐車場入場のための経路探索法の例が開示されている。この経路探索方法は、駐車場周辺の道路に対してのみ適用可能であり、より精緻なコスト関数の評価を可能にするため、駐車場つまり目的地の周辺地域と、その他の地域とで、経路探索のアルゴリズムを切り替えた例になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−339094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された駐車場入場のための経路探索法は、目的地、すなわち、POI(Point of Interest)を駐車場に特定した場合の経路探索法であり、必ずしも、一般の場合に適用できるとは限らない。また、周辺の道路の走行の容易性や安全性などの個別事情については、とくには考慮されていない。さらには、駐車場ごとに管理装置を設ける必要があり、しかも、その管理装置は、入場待ち車列の長さや末尾位置などを検知する手段が必要である。従って、システム全体としてのコストが高価になるという問題がある。
【0008】
また、従来の一般のカーナビゲーション装置では、経路探索結果に基づき、その探索した経路を表示し、その経路に沿って右左折地点の交差点で進路指示などを順次案内することによって、経路誘導が行われているが、従来のカーナビゲーション装置では、経路探索上の交差点は、全て等しく取り扱われ、とくに意味上の区別はされていない。そのため、幹線道路上を走行する場合と、目的地の周辺の非幹線道路または細街路を走行する場合とで、経路探索や経路案内の方法を切り替えることはできない。
【0009】
以上の現状技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、目的地のPOIが駐車場に限定されることなく、また、POI側にとくに管理装置などを設ける必要もなく、しかも、POI近隣地域における道路の個別事情が考慮された条件での経路探索および経路案内が可能なカーナビゲーション方法、カーナビゲーションシステム、センタ装置およびカーナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明では、カーナビゲーションシステムを、プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、を含んで構成する。
【0011】
そして、前記センタ装置が、前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点(非幹線道路から幹線道路へ変化する地点)、をPOI進入点として求め、前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路DBに蓄積しておき、前記カーナビゲーション装置から送信される前記POIの識別データを受信した場合には、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得して、前記カーナビゲーション装置に送信することを、さらに、前記カーナビゲーション装置が、前記POIを指定した目的地データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POIの識別データを前記センタ装置に送信し、前記POIの識別データの送信に応答して、前記センタ装置から送信される前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを受信し、前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択することを特徴とする。
【0012】
すなわち、センタ装置は、プローブカーによってあらかじめ取得され、走行履歴DBに蓄積された走行履歴データに基づき、プローブカーの最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、そのPOIに到達する走行履歴経路を逆に辿り、道路種別が非幹線道路から幹線道路へ変化する地点をPOI進入点として求め、さらに、そのPOI進入点からPOIに到達する走行履歴経路に基づき、プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求める。そして、その求めたPOI進入点およびPOI進入経路をPOIに対応付けてPOI進入経路DBとして保持しておく。
【0013】
以上のようにして求められたPOI進入点およびPOI進入経路は、プローブカーのドライバが最も多く選択したPOI進入点を通過してPOIへ到達する経路であるといえる。プローブカーのドライバは、タクシードライバなどプロのドライバであることが多いので、その選択された経路は、単純な最小コスト経路ではないが、道路の個別事情、つまり、最も走行しやすい、あるいは、最も安全な経路であることなどを考慮した上での総合的な最小コスト経路になっていることが多い。
【0014】
一方、カーナビゲーション装置は、目的地がPOIであるときには、センタ装置から、そのPOIに対応するPOI進入点およびPOI進入経路を取得し、現在地からPOI進入点までは、一般的な最小コスト経路を求め、POI進入点から目的地までの経路としては、センタ装置から取得したPOI進入経路を採用する。その結果、現在地からPOIまでの推奨経路は、POI進入点までが最小コスト経路によって構成され、POI進入点からPOIまでがPOI進入経路によって構成される。
【0015】
したがって、本発明によれば、車両のドライバは、目的地の近隣では、道路の個別事情を考慮した最も走行しやすく、最も安全で、総合的に最小コストの誘導経路を得ることができる。また、本発明によれば、目的地となるPOIに、特別な管理装置などの設置が必要となることもない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、POI側に管理装置などを設ける必要もなく、しかも、POI近隣地域における道路の個別事情が考慮された条件での経路探索が可能なカーナビゲーション方法、カーナビゲーションシステム、センタ装置およびカーナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムの機能ブロックの構成の例を示した図。
【図2】走行履歴DBに蓄積されるプローブカーの走行履歴データのレコードの構成の例を示した図。
【図3】センタPOIDBおよびセンタ道路地図DBのそれぞれに蓄積されているPOIデータおよびリンクデータのレコード構成の例を示した図。
【図4】POI到達経路履歴DB、POI進入点DBおよびPOI進入経路DBのそれぞれに蓄積されるPOI到達経路履歴データ、POI進入点データおよびPOI進入経路データのレコード構成の例を示した図。
【図5】POI到達判定部におけるPOI到達判定処理の処理フローの例を示した図。
【図6】POI到達判定処理における最終到達位置近傍でのPOIの有無判定を説明するための図。
【図7】POI進入点抽出部におけるPOI進入点抽出処理の処理フローの例を示した図。
【図8】POIとPOI進入点との関係を例示した図。
【図9】POI進入経路生成部におけるPOI進入経路生成処理の処理フローの例を示した図。
【図10】POI進入経路生成処理における「プローブカーが最も多く選択した経路を抽出する」具体的な例を示した図。
【図11】経路探索部312における経路探索処理の処理フローの例を示した図。
【図12】POI進入点での進入方向を考慮した経路探索処理を補足説明するための図。
【図13】本発明の実施形態を一部変更したカーナビゲーションシステムの機能ブロックの構成の例を示した図。
【図14】従来のカーナビ装置において経路案内情報をドライバに提供する例を示した図。
【図15】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において、POI進入経路を含んだ経路案内情報をドライバに提示する例を示した図。
【図16】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において、POI進入経路が細街路である場合の経路案内情報をドライバに提示する例を示した図。
【図17】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において、POI進入経路の一部が細街路である場合の経路案内情報をドライバに提示する例を示した図。
【図18】本発明の実施形態に係るカーナビ装置において、表示画面に表示された走行中の幹線道路上に周辺のPOIへのPOI進入点を表示した例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
<カーナビゲーションシステムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムの機能ブロックの構成の例を示した図である。図1に示すように、カーナビゲーションシステム1は、管理センタなどに設けられたセンタ装置2に、通信ネットワーク7および基地局8を介して、車両4に搭載されたカーナビ装置3およびプローブカー6に搭載されたプローブカー端末5が通信可能に接続されて構成される。
【0020】
ここで、通信ネットワーク7は、IP(Internet Protocol)ネットワーク、公衆交換電話回線網、携帯電話回線網などを含んで構成され、また、基地局8は、携帯電話の基地局、IEEE802.11規格の無線LAN(Local Area Network)の基地局などによって構成される。
【0021】
プローブカー6は、一般には、走行した道路に関する様々な情報を収集するための特殊な車両であるが、しばしば、その情報収集の機能をタクシーなどに担わせ、プローブカー6とすることがある。本実施形態では、次に説明するようなプローブカー端末5を搭載した車両をプローブカー6という。
【0022】
プローブカー端末5は、図示しないGPS(Global Positioning System)受信機と携帯電話などの通信装置を少なくとも備え、所定の時間間隔(例えば、1秒)ごとに、そのGPS受信機などによりプローブカー6の現在位置を測位し、経度・緯度などの現在位置および現在時刻のデータを取得する。そして、プローブカー端末5は、その取得した現在位置および現在時刻のデータをプローブカー6の走行実績データとして、内蔵の通信装置、基地局8および通信ネットワーク7を介してセンタ装置2へ送信する。
【0023】
また、車両4は、カーナビ装置3を搭載した一般の車両であり、カーナビ装置3は、本実施形態に特有の機能を実現する機能ブロック(詳細は後記)を備えることを除き、一般市販のカーナビ装置と同様の構成を有する。
【0024】
なお、本実施形態では、説明の都合上、プローブカー端末5とカーナビ装置3は、別物として説明するが、プローブカー端末5がカーナビ装置3の機能を備えていてもよく、逆に、カーナビ装置3がプローブカー端末5の機能を備えていてもよい。
【0025】
これに対し、センタ装置2は、プローブデータ収集装置21と、プローブデータ収集装置21に接続された通信装置22と、経路生成装置23と、経路生成装置23に接続された通信装置24を含んで構成される。ここで、通信装置22,24は、ルータやモデムなどによって構成される。以下、プローブデータ収集装置21および経路生成装置23のそれぞれについて、その構成および動作の詳細について説明する。
【0026】
<プローブデータ収集装置の構成および動作>
図1に示すように、プローブデータ収集装置21は、プローブデータ取得部211と走行履歴DB212とを含んで構成される。
【0027】
プローブデータ取得部211は、プローブカー6のプローブカー端末5から送信される経度・緯度および時刻からなるプローブカー6の走行実績データを受信し、その受信したプローブカー6の走行実績の位置データをマップマッチングによりリンク列の経路データに変換し、変換したリンク列の経路データを含んだデータをプローブカー6の走行履歴データとして、走行履歴DB212に蓄積する。
【0028】
図2は、走行履歴DB212に蓄積されるプローブカー6の走行履歴データのレコードの構成の例を示した図である。図2に示すように、走行履歴DB212に蓄積される走行履歴データのレコードは、走行ID、車両ID、目的地、走行履歴経路、最終リンク内到達位置の各フィールドのデータによって構成される。
【0029】
ここで、走行IDは、当該走行履歴データのレコードを識別するための識別データ、車両IDは、プローブカー6を識別するための識別データである。また、目的地は、プローブカー6の走行に際し、設定された目的地の識別データ、すなわち、POIの識別データである。ただし、目的地が設定されていなかった場合には、「設定なし」とする。また、走行履歴経路は、当該プローブカー6が走行した道路のリンク列データ、最終リンク内到達位置は、当該プローブカー6が走行を終えたとき到達した最終リンクにおけるそのリンク始端からの距離である。
【0030】
なお、最終リンク内到達位置は、プローブカー6の1回の走行による最終の到達位置を表すものであり、ここでは、それを最終リンクにおける始端からの距離で表しているが、マップマッチング前の経度・緯度のデータで表してもよい。
【0031】
以上のような機能ブロックを有するプローブデータ収集装置21は、ハードウエア的には、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、半導体メモリやハードディスク装置などからなる記憶装置と、を含んだコンピュータによって構成される。そして、その機能ブロックの動作および機能は、前記CPUが前記記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0032】
<経路生成装置の構成および動作>
図1に示すように、経路生成装置23は、POI到達判定部231、POI進入点抽出部232、POI進入経路生成部233、経路データ配信部234、センタPOIDB235、センタ道路地図DB236、POI到達経路履歴DB237、POI進入点DB238、POI進入経路DB239を含んで構成される。
【0033】
なお、これらの機能ブロックのさらに詳細な構成やその動作については、以下、順を追って説明するが、このような機能ブロックを有する経路生成装置23は、ハードウエア的には、プローブデータ収集装置21と同様に、図示しないCPUと、半導体メモリやハードディスク装置などからなる記憶装置と、を含んだコンピュータによって構成される。そして、その機能ブロックの動作および機能は、そのCPUが記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0034】
図3は、センタPOIDB235およびセンタ道路地図DB236のそれぞれに蓄積されているPOIデータおよびリンクデータのレコード構成の例を示した図である。
【0035】
センタPOIDB235は、地図上におけるPOI、つまり、目的地になり得る各種施設や店舗についての位置データなどを登録したデータベースであり、そのPOIデータのレコードは、図3(a)に示すように、POI番号、POI名称、POI中心座標、POI形状などのフィールドデータを含んで構成される。
【0036】
ここで、POI番号は、POIを識別するための識別データ、POI名称は、当該POIに付された名称、POI中心座標は、POIが所在する位置中心の経度・緯度である。また、POI形状は、POI(例えば、店舗、駐車場、公園など)の建物や敷地の形状を矩形または多角形の頂点で表したとき、その頂点の経度・緯度のデータを列記したデータである。なお、POI形状のデータは、必須のデータではなく、なくても構わない。
【0037】
また、センタ道路地図DB236は、地図上における道路、つまり、リンクの位置および接続関係などのデータ蓄積したデータベースであり、そのリンクデータのレコードは、リンク番号、道路種別、始端ノード番号、始端座標、終端ノード番号、終端座標、リンク長、補完点座標などのフィールドデータを含んで構成される。
【0038】
ここで、リンク番号は、地図上における所定区間の道路、つまり、リンクを識別するための識別データ、道路種別は、当該リンクの道路の種別を表すデータである。本実施形態では、道路種別は、「幹線」道路または「非幹線」道路のいずれかを表す。また、始端ノード番号は、当該リンクの始端側ノードを識別する識別データ、始端座標は、当該リンクの始端側ノードの経度・緯度データ、終端ノード番号は、当該リンクの終端側ノードを識別する識別データ、終端座標は、当該リンクの終端側ノードの経度・緯度データである。また、リンク長は、当該リンクの始端から終端までの道のりの長さ、補完座標点は、当該リンク屈曲点などがある場合、その屈曲点などの位置を表した経度・緯度データである。
【0039】
図4は、POI到達経路履歴DB237、POI進入点DB238およびPOI進入経路DB239のそれぞれに蓄積されるPOI到達経路履歴データ、POI進入点データおよびPOI進入経路データのレコード構成の例を示した図である。
【0040】
POI到達経路履歴DB237に蓄積されるPOI到達経路履歴データのレコードは、図4(a)に示すように、POI番号、POI到達経路の走行IDなどのデータなどのフィールドデータを含んで構成される。
【0041】
ここで、POI番号は、センタPOIBD235に登録されたPOIのPOI番号である。また、POI到達経路の走行IDは、そのPOI番号を有するPOIへ到達したプローブカー6の走行を、走行履歴DB212において特定する走行IDを列記したデータである。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、POI進入点DB238に蓄積されるPOI進入点データのレコードは、POI進入点番号、POI番号、POI進入点ノード番号、進入方向、対応する走行IDなどのフィールドデータを含んで構成される。
【0043】
ここで、POI進入点データは、POI進入点DB238においてPOI進入点データのレコードを識別するための識別データ、POI番号は、POIを識別するための識別データである。また、POI進入点ノード番号は、プローブカー6が当該POI番号を有するPOIへ走行したときの経路に含まれ、プローブカー6が幹線道路から非幹線道路へ進入したときのノードのノード番号である。また、進入方向は、プローブカー6がそのノードで進入したときの右折、直進、左折などの進入方向を表すデータである。また、対応する走行IDは、プローブカー6が当該POI進入点ノード番号のノードで幹線道路から非幹線道路へ当該進入方向で進入し、当該POIへ到達したときの走行に対応する走行IDを列記したデータである。
【0044】
次に、図4(c)に示すように、POI進入経路DB239に蓄積されるPOI進入経路データのレコードは、POI番号、POI進入点ノード番号、POI進入点方向、POI進入経路リンク列、最終リンク到達位置などのフィールドデータを含んで構成される。
【0045】
ここで、POI番号、POI進入点ノード番号およびPOI進入点方向は、いずれも、POI進入点データ(図4(b)参照)の場合のPOI番号、POI進入点ノード番号およびPOI進入点方向と同じである。また、POI進入経路リンク列は、プローブカー6が当該POI進入点ノード番号のノードで幹線道路から非幹線道路へ当該進入方向で進入し、当該POIへ到達したとき、当該POI進入点ノード番号のノードから当該POIへ到る経路に含まれるリンクのリンクIDをその経路順に列記したデータである。また、最終リンク到達位置は、当該プローブカー6の走行において、プローブカー6が最終リンクで停止した位置を表している。従って、最終リンク到達位置は、当該POI番号を有するPOIが所在する位置に相当する。
【0046】
続いて、図1〜図4を参照しつつ、さらに、図5〜図10を用いて、経路生成装置23の詳細な動作について説明する。
【0047】
図1において、POI到達判定部231は、走行履歴DB212に蓄積された各走行履歴データからプローブカー6の最終到達位置のデータを取得し、センタPOIDB235を参照して、その最終到達位置の近傍に登録済のPOIがあるか否かを検索し、登録済のPOIがあったときには、その走行履歴データとその登録済POIとを関連付けるデータをPOI到達経路履歴DB237に蓄積する。なお、以下の説明では、センタPOIDB235に登録済のPOIを単にPOIという。
【0048】
図5は、POI到達判定部231におけるPOI到達判定処理の処理フローの例を示した図である。このPOI到達判定処理は、経路生成装置23の図示しないCPU(以下、単にCPUという)によって実行される。
【0049】
CPUは、プローブデータ収集装置21の走行履歴DB212に蓄積された走行履歴データのレコードを順次読み込み、その読み込んだ1レコードごとに、プローブカー6の最終到達位置のデータ(すなわち、走行履歴経路に含まれるリンク列の最終リンクのリンク番号、および、最終リンク内到達位置のデータ)を取得する(ステップS11)。続いて、CPUは、センタPOIDB235を参照し、その最終到達位置の近傍を対象に、POIの有無を検索する(ステップS12)。そして、その検索の結果、その最終到達位置の近傍にPOIがあったときには(ステップS13でYes)、CPUは、そのPOIのPOI番号と前記プローブカー6の走行IDとを対応付けて、POI到達経路履歴DB237に蓄積する(ステップS14)。また、その最終到達位置にPOIがなかったときには(ステップS13でNo)、CPUは、ステップS14をスキップする。
【0050】
CPUは、以上の処理を、走行履歴DB212の走行履歴データのレコードがなくなるまで、繰り返し実行する。
【0051】
図6は、POI到達判定処理における最終到達位置近傍でのPOIの有無判定を説明するための図である。センタPOIDB235に登録されているPOIは、図6(a)のような形状データを有している場合と、図6(b)のような形状データを有していない場合がある。
【0052】
POIが形状データを有している場合は、マップマッチングによりプローブカー6の最終到達位置がその形状データによって表されるPOIの形状の中に含まれるか否かを容易に判定することができる。
【0053】
一方、POIが形状データを有していない場合、または、POIが形状データを有していてもプローブカー6の最終到達位置がその形状データの中にマップマッチングできなかった場合には、図6(b)に示すように、その最終到達位置を中心とした半径R(例えば、20m)の円内にPOIがあるか否かを判定し、POIがあったときには、そのPOIをプローブカー6が最終到達したPOIと特定する。
【0054】
ただし、このようなPOIの判定方法においては、半径Rの円内に複数のPOIが含まれる場合があり得る。そのような場合には、最終到達位置のデータ以外の付加的データを援用してPOIを特定する。例えば、走行履歴DB212から読み込んだ走行履歴データに目的地が設定されており、その目的地のPOIと同じPOIがその半径Rの円内に含まれていた場合には、そのPOIをプローブカー6が最終到達したPOIと特定する。
【0055】
また、センタ道路地図DB236を参照して、当該最終リンクに横断禁止や右折禁止などの進入方向に係る交通制限が設定されていた場合には、プローブカー6の走行方向とその交通制限との関係に基づき、POIを特定することも可能である。さらに、市街地ではPOI密度を考慮して、半径Rを小さくするなどすることで、POI特定の精度を高めるようにしてもよい。なお、到達したPOIの特定が困難な場合は、誤情報を生成しないために、当該走行履歴データを破棄する。
【0056】
再び、図1を参照して説明を続ける。POI進入点抽出部232は、POI到達判定部231のPOI到達判定処理によってデータが蓄積されたPOI到達経路履歴DB237と、センタ道路地図DB236と、を参照して、それぞれのPOIごとに、そのPOIへ到達するプローブカー6の走行経路をPOIから逆に辿り、その道路種別が非幹線道路から幹線道路へ切り替わるノードをPOI進入点として抽出し、そのPOI進入点と、そのPOI進入点を通過してPOIに到達したプローブカー6の走行履歴データの走行IDと、を対応付けたデータを、POI進入点DB238に蓄積する。
【0057】
なお、その対応付けにおいては、プローブカー6がPOI進入点で幹線道路から非幹線道路へ侵入するときの進入方向が考慮されている。従って、POI進入点DB238(図4(b)参照)におけるPOI進入点データのレコードは、POI(POI番号)と、POI進入点(POI進入点ノード番号)と、その進入方向と、プローブカー6の走行履歴(走行ID)と、が対応付けられたデータとなっている。
【0058】
図7は、POI進入点抽出部232におけるPOI進入点抽出処理の処理フローの例を示した図である。このPOI進入点抽出処理は、経路生成装置23のCPUによって実行される。
【0059】
CPUは、まず、POI到達経路履歴DB237を参照し、そのすべてのPOI到達経路データのPOI番号のフィールドに現れるすべてのPOI番号を抽出する。そして、CPUは、その抽出したPOI番号を有するすべてのPOIのそれぞれについてのループ処理を開始する(ステップS21)。CPUは、まず、POI到達経路履歴DB237と、POI到達判定処理時にプローブデータ収集装置21から読み込んだ走行履歴DB212と、を参照して、当該POIへのすべての到達経路を取得する(ステップS22)。
【0060】
次に、CPUは、その取得されたすべての到達経路のそれぞれについてのループ処理を開始する(ステップS23)。CPUは、そのループ処理において、当該POIに到る到達経路の1つについて、センタ道路地図DB236を参照しつつ、POIからその経路を逆に辿り、その道路種別が非幹線道路から幹線道路へ切り替わる点(ノード)をPOI進入点として抽出し、その進入点のノード番号と進入方向データとにより構成されるPOI進入点データを作成し(ステップS24)、作成したPOI進入点データを記憶装置に一時記憶する。なお、POIが幹線道路沿いにある場合には、道路種別が切り替わる点が抽出されないので、POI進入点データは作成されないものとする。CPUは、ステップS24をすべての到達経路について処理すると、到達経路についてのループ処理を終了する(ステップS25)。
【0061】
次に、CPUは、ステップS23〜S25で作成したPOI進入点データを、同じノード番号および同じ進入方向ごとに分類し、各分類のデータ数をカウントする(ステップS26)。そして、CPUは、各分類についてそのデータ数があらかじめ定めた所定数(閾値)以上であるか否かを判定し(ステップS27)、そのデータ数がその所定数以上であった場合には(ステップS27でYes)、その分類のPOI進入点データをPOI進入点DB238に蓄積する(ステップS28)。また、そのデータ数がその所定数以上でなかった場合には(ステップS27でNo)、ステップS28をスキップする。以上のようにして、すべての分類ついてステップS27およびステップS28の処理を終了すると、当該POIについてのステップS22以下のループ処理を終了する(ステップS29)。
【0062】
図8は、POIとPOI進入点との関係を例示した図である。図8に示すように、POIが非幹線道路沿いにある場合に、車両が遠くの出発地点からそのPOIに到達しようとすると、通常、幹線道路を経由した後、非幹線道路へ進入して、そのPOIへ到達する。その場合、車両は、出発地点の位置によって異なるPOI進入点から非幹線道路へ進入する。図8において、丸囲みAおよび丸囲みBの記号は、そのPOI進入点の例を表している。また、経路A1、経路A2のように、同じ丸囲みAのPOI進入点を経由する場合であっても、出発地点の位置によってその進入方向が異なることもある。
【0063】
再び、図1を参照して説明を続ける。POI進入経路生成部233は、POI進入点DB238からPOI進入点データを順次読み出し、その読み出したPOI進入点データについて、そのデータに含まれる走行IDによって識別されるプローブカー6の走行履歴データから、POI進入点からPOIに到達するまでの走行履歴経路を取得する。さらに、POI進入経路生成部233は、その取得されたPOI進入点からPOIに到達するまでのすべての走行履歴経路に基づき、プローブカーが最も多く選択した経路を抽出し、その抽出した経路を当該POI進入点からPOIまでのPOI進入経路としてPOI進入経路DB239に蓄積する。
【0064】
図9は、POI進入経路生成部233におけるPOI進入経路生成処理の処理フローの例を示した図である。このPOI進入経路生成処理は、経路生成装置23のCPUによって実行される。
【0065】
CPUは、まず、POI進入点DB238から1レコードのPOI進入点データを読み込む(ステップS31)。次に、CPUは、そのPOI進入点データの「対応する走行ID」のフィールドに列記されたすべての走行IDを抽出し、さらに、走行履歴DB212を参照して、前記抽出した走行IDを有するすべての走行履歴データからPOI進入点からPOIまでの走行履歴経路をすべて取得する(ステップS32)。次に、CPUは、その取得したPOI進入点からPOIまでのすべての走行履歴経路に基づき、プローブカー6が最も多く選択した経路を抽出し(ステップS33)、その抽出した経路をPOI進入点からPOIまでのPOI進入経路としてPOI進入経路DB239に蓄積する(ステップS34)。
【0066】
CPUは、以上の処理を、POI進入点DB238のPOI進入点データのレコードがなくなるまで、繰り返し実行する。
【0067】
なお、以上に示したPOI進入経路生成処理のステップS33では、POI進入経路として「プローブカー6が最も多く選択した経路」を抽出するが、ここでいう「プローブカー6が最も多く選択した経路」とは、例えば、次のような経路をいう。
【0068】
すなわち、「プローブカー6が最も多く選択した経路」とは、POI進入点側から順次リンクを辿りながらPOIに到る経路を生成するとき、その経路の分岐点となるノードにおいては、当該リンクの次につながるリンクとして、当該POI進入点から当該POIに到る走行履歴経路を有するプローブカー6のうち当該リンクを走行したプローブカー6が最も多く分岐した先のリンクを選択しながら、POIに到るまでのリンクをつないで生成された経路である。
【0069】
図10は、POI進入経路生成処理における「プローブカー6が最も多く選択した経路を抽出する」具体的な例を示した図である。図10(a)に示すように、POI進入点(黒丸印)からPOIに到達する走行履歴経路に含まれるリンクとして、A,B,C,D,E,F,Gがあった場合を考える。そして、その走行履歴経路によれば、図20(b)に示すように、リンクAを通過したプローブカー6の台数は20台であり、そのうち5台がリンクBへ分岐し、15台がリンクCへ分岐したとする。従って、プローブカー6が最も多く選択した経路は、その時点で、リンク列A−Cである。
【0070】
さらに、図20(b)によれば、リンクCを通過したプローブカー6の台数は15台であり、そのうち6台がリンクDへ、7台がリンクEへ、2台がリンクFへ分岐している。従って、プローブカー6が最も多く選択した経路は、リンク列A−C−Eである。さらに、図20(b)によれば、リンクEを通過したプローブカー6の台数は9台(ここでは、リンクBを通過後、リンクEへ分岐したプローブカー6の台数を加算している)であり、その9台全部がリンクGへ分岐している。従って、プローブカー6が最も多く選択した経路は、リンク列A−C−E−Gである。
【0071】
この例の場合、POIは、リンクG上にあるので、求める「プローブカー6が最も多く選択した経路」は、リンク列A−C−E−Gとなり、その経路が当該POIまでのPOI進入経路になる。このようにして求めたPOI進入経路は、それぞれの分岐点(交差点)において、プローブカー6のドライバの経験や人間的な状況判断が加えられて選択された経路であるといえる。従って、そのPOI進入経路は、単に、最小コスト経路(最短時間経路や最短距離経路など)に近い経路であるというだけでなく、各交差点における通過し易さ、見通しのよさなどドライバの快適性や安全性が考慮されたものとなっている。
【0072】
なお、「プローブカー6が最も多く選択した経路」は、以上に説明したようにして求めた経路に限定する必要はなく、例えば、POI進入点からPOIに到達する経路のうち、プローブカー6が最も多く通過した経路であってもよい。このような経路は、POI進入経路生成処理(図9参照)のステップS32で取得したPOI進入点からPOIまでのすべての走行履歴経路について、そのリンク列で表される経路を分類し、分類された経路で最もデータ数の多い経路として求めることができる。
【0073】
ちなみに、図10の例の場合、POI進入点(黒丸印)からPOIに到達する経路は、リンク列A−B−D−G、リンク列A−B−E−G、リンク列A−B−F−G、リンク列A−C−D−G、リンク列A−C−E−G、リンク列A−C−F−Gの6通りある。このとき、POI進入点からPOIに到達したプローブカー6の走行履歴データが20あり、その走行履歴経路において、各リンクの通過台数と次リンクへの分岐数が図10(b)に示す通りであったとすれば、プローブカー6が最も多く通過した経路は、リンク列A−C−E−Gである。
【0074】
再び、図1を参照して説明を続ける。経路データ配信部234は、カーナビ装置3からのPOI番号を付したデータ送信要求を受信し、POI進入点DB238およびPOI侵入経路DB239を参照して、そのPOI番号を有するPOIについてのPOI進入点データおよびPOI進入経路データを、通信装置24、通信ネットワーク7および基地局8を介して、カーナビ装置3へ配信する。なお、POI進入点DB238およびPOI侵入経路DB239に、当該POIに対するPOI進入点データまたはPOI進入経路データが存在しない場合には、その旨を通知するデータをカーナビ装置3へ配信する。
【0075】
なお、以上に説明したセンタ装置2の構成において、プローブデータ収集装置21と経路生成装置23とは、互いに異なるコンピュータによって構成されるとしているが、1つのコンピュータによって構成されてもよい。
【0076】
<カーナビ装置の構成および動作>
さらに、図1に示すように、カーナビ装置3は、経路探索装置31、通信装置32、GPS受信機33、入力装置34、表示装置35などを含んで構成される。
【0077】
ここで、通信装置32は、携帯電話機などによって構成され、基地局8および通信ネットワーク7を介して、センタ装置2の通信装置24との間で所定のデータ通信を行うことができる。また、GPS受信機33は、GPS衛星からの電波を受信して、そのGPS受信機33の所在位置を測位して、経度・緯度などのデータを取得する。また、入力装置34は、ボタン、スイッチ、タッチパネル、赤外線リモコン装置などによって構成され、経路探索装置31に様々なデータを入力する。また、表示装置35は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって構成され、経路探索装置31から出力される道路地図や目的地までの推奨経路などを表示する。
【0078】
経路探索装置31は、データ送受信部311、経路探索部312、データ入出力制御部313、端末道路地図DB314、端末POIDB315などの機能ブロックを含んで構成される。また、経路探索装置31は、ハードウエア的には、図示しないCPUと、半導体メモリやハードディスク装置などからなる記憶装置と、を含んだコンピュータによって構成される。そして、経路探索装置31を構成する機能ブロックの動作および機能は、そのCPUが記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0079】
ここで、端末道路地図DB314は、カーナビ装置3が独自に保持している道路地図のデータベースであり、センタ道路地図DB236に相当する。また、端末POIDB315は、カーナビ装置3が独自に保持しているPOIの名称や位置データなどが登録されたデータベースであり、センタPOIDB235に相当する。
【0080】
データ入出力制御部313は、入力装置34から入力される目的地や経路探索条件などのデータ、GPS受信機33によって測位される現在位置のデータなどを読み込み、それらのデータを付して、経路探索部312に推奨経路の探索を指示するとともに、経路探索部312により探索された推奨経路などのデータを受けて、その推奨経路を道路地図やPOIなどと併せて表示装置35に表示する。また、データ送受信部311は、経路探索部312からの求めに応じて、センタ装置2へ所定のデータを送信するとともに、センタ装置2から送信されるPOI進入経路などのデータを受信して、その受信したデータを経路探索部312へ受け渡す。
【0081】
経路探索部312は、車両4のドライバが入力装置34により設定する目的地や経路探索条件、GPS受信機33により測位される現在位置などのデータを、データ入出力制御部313を介して取得し、現在位置から目的地までの推奨経路を探索し、探索した推奨経路を、データ入出力制御部313により表示装置35に表示させる。
【0082】
図11は、経路探索部312における経路探索処理の処理フローの例を示した図である。この経路探索処理は、経路探索装置31のCPUによって実行される。
【0083】
CPUは、まず、データ入出力制御部313を介して、目的地、現在位置のデータを取得し(ステップS41)、その目的地にPOIが指定されているか否かを判定する(ステップS42)。その判定の結果、目的地にPOIが指定されていたときには(ステップS42でYes)、データ送受信部311を介して、その目的地のPOI(POI番号)をセンタ装置2へ送信する(ステップS43)。
【0084】
次に、CPUは、POI(POI番号)の送信に応答してセンタ装置2から配信されるPOI進入点データとそのPOI進入点についてのPOI進入点経路データを、データ送受信部311を介して受信する(ステップS44)。
【0085】
次に、CPUは、その受信したデータにPOI進入点データが含まれているか否かを判定し(ステップS45)、受信したデータにPOI進入点データが含まれていた場合には(ステップS45でYes)、ダイクストラ法など公知の方法に従って、現在地からPOI進入点までの最小コスト経路を探索する(ステップS46)。その場合、受信したデータに複数のPOI進入点データが含まれていた場合、つまり、1つの目的地のPOIに複数のPOI進入点があったときには、そのそれぞれのPOI進入点までの最小コスト経路を探索する。さらに、CPUは、以上のようにして探索したPOI進入点までの最小コスト経路の経路コストが最小となる場合のPOI進入点を選択する(ステップS47)。
【0086】
次に、CPUは、前記受信したデータに、その選択したPOI進入点に対するPOI進入経路データが含まれているか否かを判定する(ステップS48)。そして、その判定の結果、POI進入経路データが含まれていた場合には(ステップS48でYes)、CPUは、ステップS46およびステップS46で求めた現在地からPOI進入点までの最小コスト経路に、POI進入経路データに含まれるPOI進入経路を追加し、現在地から目的地までの推奨経路とする(ステップS49)。
【0087】
一方、ステップS42の判定で、目的地にPOIが指定されていなかった場合(ステップS42でNo)、または、ステップS45の判定で、受信したデータにPOI進入点データが含まれていなかった場合には(ステップS45でNo)、CPUは、ダイクストラ法などにより、現在地からPOIまたは目的地の位置座標までの最小コスト経路を探索し、その探索した経路を推奨経路とする(ステップS50)。
【0088】
また、ステップS48の判定で、受信したデータにPOI進入経路データが含まれていなかった場合には(ステップS48でNo)、CPUは、ダイクストラ法などにより、POI進入点からPOIまでの間の最小コスト経路を探索する(ステップS51)。そして、CPUは、現在地からPOI進入点までの最小コスト経路に、POI進入点からPOIまでの間の最小コスト経路を追加し、現在地から目的地までの推奨経路とする(ステップS52)。
【0089】
以上の経路探索処理により、CPUは、現在地から目的地(POI)までの推奨経路を求めることができる。こうして求められた推奨経路は、POI近隣の道路については、最小コスト経路に従うものではなく、POI進入点の選択も含め、プローブカー6のドライバがより多く選択した経路に従っている。
【0090】
プローブカー6のドライバは、例えば、タクシーのドライバなどプロのドライバであることが多く、そのようなプロのドライバは、通常、目的地近隣の道路の個別事情を熟知している。従って、本実施形態のカーナビ装置3によって提供される推奨経路は、そのようなプロのドライバが数多く選択する経路、すなわち、道路の個別事情などが考慮された上で、総合的に最も近い、最も時間が掛からない、最も通り易い、かつ、最も安全な経路になっているといえる。
【0091】
以上のように、図11に示した経路探索処理では、目的地近隣において、最短時間経路などの最小コスト経路よりも、プローブカー6の走行履歴経路を優先したものとなっているが、幹線道路におけるPOI進入点の位置や非幹線道路への進入方向などとの関係により、場合によっては、走行履歴経路から得られる経路(POI侵入経路)のほうが最小コスト経路よりもはるかに大きくなる場合があるとも考えられる。そのような場合には、POI侵入経路を選択すると大きな不利益となる。
【0092】
そこで、その不利益を避けるために、図11の経路探索処理の最後、例えば、ステップS49の後に、現在地からPOIまでを通した最小コスト経路を探索するようにし、さらに、その経路コスト(例えば、所要時間)と、ステップS49で求めた推奨経路の経路コストとを比較して、ステップS49で求めた推奨経路の経路コストの方が、最小コスト経路の経路コストよりもはるかに大きい(例えば、1.5倍以上大きい)場合には、推奨経路として最小コスト経路を選択するようにしてもよい。
【0093】
なお、図11の経路探索処理の説明においては、説明を分かりやすくするために、POI進入点における進入方向を考慮していない。そこで、POI進入点で進入方向を考慮した経路探索について、以下、補足説明しておく。
【0094】
図12は、POI進入点での進入方向を考慮した経路探索処理を補足説明するための図である。図11のステップS46では、現在地からPOI進入点までの最小コスト経路をダイクストラ法などで直接求めているが、幹線道路から非幹線道路への進入方向が指定されている場合には、それでは不都合な場合がある。すなわち、最小コスト経路は、POI進入点へ向かう方向は1つしか選択できないので、指定された進入方向がその方向と矛盾しないか保障できないからである。
【0095】
ちなみに、図12において、POI進入点(黒丸印のノード)において、進入方向として左折が指定されていた場合には、その1つ前のノード(POI進入点を終端ノードとするリンクの始端ノード)は、丸囲みBのノードになり、最小コスト経路が、例えば、丸囲みAのノードを経由する経路であったとすれば、単純な最小コスト経路を探索する方法では、丸囲みBのノードを経由する経路を探索することができない。
【0096】
そこで、本実施形態では、POI進入点に進入方向が指定されている場合には、現在地から、その進入方向に応じたPOI進入点の1つ前のノード(図11では、丸囲みAまたは丸囲みBのノード)までの最小コストを探索し、その探索した経路に1つ前のノードとPOI進入点をつなぐリンクを追加する。こうすることにより、POI進入点で進入方向を考慮した最小コスト経路の探索ができるようになる。
【0097】
<実施形態の変形例>
図13は、本発明の実施形態を一部変更したカーナビゲーションシステムの機能ブロックの構成の例を示した図である。図13に示すように、カーナビゲーションシステム1aは、図1に示したカーナビゲーションシステム1の構成を一部変更したものである。以下、その変更部分について説明する。
【0098】
本実施形態の変形例が元の実施形態と大きく異なる点は、経路生成装置23とカーナビ装置3との間のデータ転送方法にある。すなわち、元の実施形態では、経路生成装置23とカーナビ装置3とが通信ネットワーク7を介して接続されていたが、本実施形態の変形例では、経路生成装置23aとカーナビ装置3aとは、通信ネットワーク7を介して接続されず、両者間でのデータ転送は、可搬型記録メディア9を介して行われる。ここで、可搬型記録メディア9としては、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。
【0099】
従って、カーナビ装置3aの経路探索装置31aは、経路探索処理(図11参照)を実行するとき、POI進入点データおよびPOI進入経路データを、通信ネットワーク7を介して経路生成装置23aから取得することができない。そこで、本実施形態の変形例では、経路探索装置31aは、経路生成装置23aで生成されたPOI進入経路DB239を、可搬型記録メディア9を介して事前に取得し、POI進入経路DB317として保持しておくものとする。
【0100】
なお、図4(c)に示すように、POI進入経路DB239は、経路探索処理に必要なPOI進入点データおよびPOI進入経路データを含んでいるので、経路探索装置31aは、POI進入点DB238を併せて取得する必要はない。
【0101】
以上の変更を実現するために、経路生成装置23aには、通信装置24(図1参照)に代えて、可搬型記録メディア9に対するデータの書き込みまたは読み出しを行うメディアドライブ25が接続される。また、経路生成装置23aは、経路データ配信部234(図1参照)に代えて、メディアドライブ25に対するデータの入出力を制御するデータ入出力制御234aを備える。本実施形態の変形例の場合、データ入出力制御234aは、POI進入経路DB239に保持されているPOI進入経路データを可搬型記録メディア9に記録する機能を有する。
【0102】
一方、カーナビ装置3aは、通信装置32(図1参照)に代えて、経路探索装置31aに接続されたメディアドライブ36を備え、また、経路探索装置31aは、データ送受信部311(図1参照)に代えて、POI進入経路DB317を備える。また、データ入出力制御部313aは、メディアドライブ36に対するデータ入出力制御機能が追加され、本実施形態の変形例の場合、データ入出力制御部313aは、可搬型記録メディア9に記録されているPOI進入経路データを読み出し、POI進入経路DB317を生成する機能を有する。
【0103】
また、経路探索部312aにおける経路探索処理の処理フローは、ステップS43およびステップS44を除き、元の実施形態の処理フロー(図11参照)と同じでよい。すなわち、本実施形態の変形例では、ステップS43を削除し、ステップS44では、CPUは、POI進入経路DB317を参照することによって、指定されたPOIに対するPOI進入点データおよびPOI進入経路データを取得すればよい。
【0104】
以上の構成により、カーナビ装置3aは、元の実施形態と同様の機能を実現することができ、その結果、同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態の変形例の場合には、通信ネットワーク7を介してPOI進入点データおよびPOI進入経路データを取得しないので、カーナビ装置3aのユーザは、通信費用を負担せずに済む。
【0105】
<第2の変形例>
なお、以上の実施形態の変形例をさらに変形した第2の変形例もある。その第2の変形例では、経路生成装置23aから経路探索装置31aへのPOI進入経路DB239の転送を、可搬型記録メディア9ではなく、通信ネットワーク7を介して行う。
【0106】
従って、この場合、センタ装置2b(図示せず)の構成は、メディアドライブ25を付加したものではなく、元の実施形態(最初の実施形態)の構成の通信装置24を残した構成となる。また、同様に、カーナビ装置3b(図示せず)においても、元の実施形態の構成の通信装置32を残し、さらに、経路探索装置312b(図示せず)においても、元の実施形態の構成のデータ送受信部311を残した構成となる。
【0107】
なお、この第2の変形例と元の実施形態との相違は、通信ネットワーク7を介してセンタ装置2(1b)とカーナビ装置3(3b)との間で送受信されるデータにある。すなわち、通信ネットワーク7は、第2の変形例では、POI進入経路DB317がセンタ装置2bからカーナビ装置3bへバッチ処理で転送されるとき使用される。一方、元の実施形態では、経路探索装置31のリアルタイムの経路探索処理の中で、カーナビ装置3が経路生成装置23からPOIを指定したPOI進入点データおよびPOI進入経路データの送信を受けるときに使用される。
【0108】
従って、実施形態の第2の変形例では、通信ネットワーク7を使用する通信費用は、システム構築時、または、POI進入経路DB317が年に1〜2回更新されるときに発生するが、カーナビ装置3aの通常の稼動時には発生することはない。
【0109】
なお、以上に示した実施形態では、変形例も含め,道路種別が幹線道路から非幹線道路へ変わる地点(POI進入点)からPOIまでの経路について、プローブカーによって取得され、蓄積された走行履歴に基づき、その経路を選択する方法を示したが、同様の手法は、現在地から、道路種別が非幹線道路から非幹線道路へ変わる地点までの経路選択にも適用することができる。
【0110】
<カーナビ装置における表示例>
以上に説明した実施形態およびその変形例におけるカーナビ装置3,3a,3bでは、POI進入点およびPOI進入経路の情報を利用することができるので、ドライバに対してPOIまでの経路情報を提示するだけではなく、よりきめ細かな経路案内情報(進路指示など)を提示することができる。
【0111】
図14は、従来のカーナビ装置において経路案内情報をドライバに提供する例を示した図、図15は、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bにおいて、POI進入経路を含んだ経路案内情報をドライバに提示する例を示した図である。なお、図14以降の図において、センタライン付きの道は、幹線道路であることを表す。
【0112】
図14に示すように、従来の一般的なカーナビ装置では、自車が右左折地点にさしかかったとき、右左折の進路指示が表示画面に表示されたり、音声で出力されたりする。しかしながら、従来カーナビ装置では、POI進入点などの概念が含まれていないので、誘導経路上の右左折地点でPOI進入点がとくに区別されることはない。従って、どのような交差点であっても、単に、右折または左折の指示が提示されるに止まる。
【0113】
それに対し、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bでは、POI進入経路と幹線道路における誘導経路とを識別することができる。そこで、カーナビ装置3,3a,3bは、幹線道路からPOI進入経路へ進入する交差点における経路案内の音声出力または画面表示を、通常の交差点における経路案内の音声出力または画面表示と異なったものにすることができる。
【0114】
例えば、図15に示すように「次の交差点を左折し、店舗Aへの最終進入経路になります。注意して走行してください。」といったような音声出力を行うことで、POI進入経路へ進入する交差点であることをドライバに知らせることができる。これにより、ドライバは、目的地までの走行が最終段階に入ったことを認識することができ、また、POIの存在に注意して運転することでPOIの見落としを避けることが可能となる。
【0115】
さらに、画面表示においては、地図表示画面上でPOI進入点までの経路と、POI進入点以降の経路(POI進入経路)とで、表示色や経路線の太さを変えて表示する。ちなみに、図15では、POI進入点までの経路は、灰色で示されているが、POI進入点から目的地の店舗AまでのPOI進入経路は、斜線の網掛けで示されている。また、POI進入点を目立つアイコンなどを用いて強調表示する。こうすることで、ドライバにPOI進入点やPOI進入経路の存在をアピールすることができる。
【0116】
図16は、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bにおいて、POI進入経路が細街路である場合の経路案内情報をドライバに提示する例を示した図、図17は、POI進入経路の一部が細街路である場合の経路案内情報をドライバに提示する例を示した図である。また、図18は、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bにおいて、表示画面に表示された走行中の幹線道路上に周辺のPOIへのPOI進入点を表示した例を示した図である。
【0117】
POI進入経路に含まれることの多い細街路では、しばしば、安全上の配慮のために、その細街路上での経路誘導を実施できないことがある。そのような場合には、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bでは、例えば、図16や図17に示すように、POI進入点において事前にPOI進入経路の概略案内および細街路(図16、図17で破線で示された道路)の存在をドライバに警告する。従って、ドライバは、これから進入するPOI進入路が細街路または細街路を含む道路であり、細街路では経路誘導が打ち切られる可能性のあることを認識することができる。
【0118】
さらに、本発明の実施形態に係るカーナビ装置3,3a,3bは、例えば、図18に示すように、走行中の幹線道路の経路上にPOI進入点の位置を、画面表示または音声出力してもよい。図18の例では、現在走行中の幹線道路上のPOI進入点情報を用いて、幹線道路から離れた店舗A〜店舗Cを案内している。従って、ドライバは、その表示または音声出力により、幹線道路の走行経路上にない店舗A〜店舗Cの存在、および、店舗A〜店舗Cに到達するための進入交差点を知ることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 カーナビゲーションシステム
2 センタ装置
3 カーナビ装置
4 車両
5 プローブカー端末
6 プローブカー
7 通信ネットワーク
8 基地局
9 可搬型記録メディア
21 プローブデータ収集装置
22 通信装置
23 経路生成装置
24 通信装置
25 メディアドライブ
31 経路探索装置
32 通信装置
33 GPS受信機
34 入力装置
35 表示装置
36 メディアドライブ
211 プローブデータ取得部
212 走行履歴DB
231 POI到達判定部
232 POI進入点抽出部
233 POI進入経路生成部
234 経路データ配信部
235 センタPOIBD
236 センタ道路地図DB
237 POI到達経路履歴DB
238 POI進入点DB
239 POI進入経路DB
311 データ送受信部
312 経路探索部
313 データ入出力制御部
314 端末道路地図DB
315 端末POIDB
317 POI進入経路DB


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムにおいて実行されるカーナビゲーション方法であって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路DBに蓄積しておき、
前記カーナビゲーション装置から送信される前記POIの識別データを受信した場合には、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得して、前記カーナビゲーション装置に送信し、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POIを指定した目的地データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POIの識別データを前記センタ装置に送信し、
前記POIの識別データの送信に応答して、前記センタ装置から送信される前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを受信し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーション方法。
【請求項2】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムにおいて実行されるカーナビゲーション方法であって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路データとして可搬型記録メディアに記録し、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POI進入経路データが記録された前記可搬型記録メディアから前記POI進入経路データを読み込み、前記読み込んだPOI進入経路データをPOI進入経路DBとして記憶装置に保持しておき、
前記POIを指定した目的データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーション方法。
【請求項3】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムであって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路DBに蓄積しておき、
前記カーナビゲーション装置から送信される前記POIの識別データを受信した場合には、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得して、前記カーナビゲーション装置に送信し、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POIを指定した目的地データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POIの識別データを前記センタ装置に送信し、
前記POIの識別データの送信に応答して、前記センタ装置から送信される前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを受信し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項4】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムであって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路データとして可搬型記録メディアに記録し、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POI進入経路データが記録された前記可搬型記録メディアから前記POI進入経路データを読み込み、前記読み込んだPOI進入経路データをPOI進入経路DBとして記憶装置に保持しておき、
前記POIを指定した目的データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項5】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムで用いられるセンタ装置であって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路DBに蓄積しておき、
前記カーナビゲーション装置から送信される前記POIの識別データを受信した場合には、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得して、前記カーナビゲーション装置に送信すること
を特徴とするセンタ装置。
【請求項6】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備えたセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムで用いられるセンタ装置であって、
前記センタ装置は、
前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、
前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、
前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路データとして可搬型記録メディアに記録すること
を特徴とするセンタ装置。
【請求項7】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備え、前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路DBに蓄積したセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムで用いられるカーナビゲーション装置であって、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POIを指定した目的地データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POIの識別データを前記センタ装置に送信し、
前記POIの識別データの送信に応答して、前記センタ装置から送信される前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを受信し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項8】
プローブカーの走行履歴データを蓄積した走行履歴DB、道路の位置および接続関係を表した道路地図データを蓄積したセンタ道路地図DB、ならびに、POIの識別データおよび位置データを蓄積したセンタPOIDBを少なくとも備え、前記走行履歴DBに蓄積された走行履歴データのそれぞれについて、前記センタPOIDBを参照して、前記走行履歴データが表す最終到達位置近傍に所在するPOIを求め、前記走行履歴データのそれぞれについて、前記求めたPOIから前記走行履歴データが表す走行履歴経路を逆に辿り、前記センタ道路地図DBを参照して、前記走行履歴経路において道路種別が変化する地点をPOI進入点として求め、前記走行履歴経路に含まれる前記POI進入点から前記POIに到達するすべての経路に基づき、前記プローブカーが最も多く選択した経路をPOI進入経路として求め、前記求めたPOI進入経路を前記POIと前記POI進入点とに対応付けたデータをPOI進入経路データとして可搬型記録メディアに記録するセンタ装置と、
前記センタ道路地図DBに含まれる道路地図データの少なくとも一部を含んでなる端末道路地図DBを保持し、ドライバが入力する目的地データを取得し、前記端末道路地図DBを参照して、現在地から前記目的地データにより指定される目的地までの推奨経路を探索し、当該探索した推奨経路を前記ドライバに提供するカーナビゲーション装置と、
を含んで構成されたカーナビゲーションシステムで用いられるカーナビゲーション装置であって、
前記カーナビゲーション装置は、
前記POI進入経路データが記録された前記可搬型記録メディアから前記POI進入経路データを読み込み、前記読み込んだPOI進入経路データをPOI進入経路DBとして記憶装置に保持しておき、
前記POIを指定した目的データが入力され、現在地から前記POIまでの推奨経路を探索するときには、前記POI進入経路DBを参照して、前記POIに対応付けられた前記POI進入点および前記POI進入経路のデータを取得し、
前記現在地から前記POI進入点までの最小コスト経路を探索し、前記探索した最小コスト経路に前記POI進入経路を追加した経路のうちの1つを前記推奨経路として選択すること
を特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項9】
前記カーナビゲーション装置は、
前記POI進入点までの推奨経路と、前記POI進入経路と、を識別可能なように表示装置に表示すること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項10】
前記カーナビゲーション装置は、
前記推奨経路に基づく経路誘導実施中に、自車が前記誘導経路上のPOI進入点に接近したときには、前記POI進入点の接近を知らせる情報と、前記POI進入点における進路指示案内情報と、をドライバに提示すること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項11】
前記カーナビゲーション装置は、
前記推奨経路に基づく経路誘導実施中に、自車が前記誘導経路上のPOI進入点に接近したときには、さらに、前記POI進入点より先のPOI進入経路に細街路が含まれている否かを判定し、前記POI進入経路に細街路が含まれている場合には、前記POI進入経路に細街路が含まれている旨を含む前記POI進入経路の概略情報をドライバに提示すること
を特徴とする請求項10に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項12】
前記カーナビゲーション装置は、
自車が走行中の幹線道路の推奨経路上にPOI進入点があった場合には、前記POI進入点と、前記POI進入点に関連付けられたPOI情報と、をドライバに提示すること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載のカーナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−237158(P2010−237158A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87784(P2009−87784)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】