説明

カーナビゲーション装置及びその地図データ更新のためのシステムとサーバ

【課題】ユーザが必要とする更新地図データのみを簡便な操作により配信してカーナビゲーション装置の地図データを更新する。
【解決手段】カーナビゲーション装置は区分地図を収納する地図データベースと計画道路リストを備える。地図情報サーバは更新地図データベースと計画道路データベースを備える。カーナビゲーション装置より更新希望の計画道路IDを指定して更新可能か否か問い合わせる。地図情報サーバは要求された計画道路IDに関する更新地図データの配信が可能か返信する。可能の場合は更新が必要な区分地図データIDも通報する。ユーザが更新を希望した場合は、カーナビゲーション装置は通報された区分地図データIDのバージョン情報を添えて更新データを要求する。地図情報サーバは要求を受けた場合、送られたバージョン情報を考慮した上で必要な更新地図データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在位置を検出して目的地まで経路案内するカーナビゲーション装置の保有する電子地図データの更新を、更新地図を配信するサーバとの通信回線を介する交信により行なう技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の現在位置を地図上に表示したり、目的地までの最適走行経路を探索して運転者を案内したりするカーナビゲーション装置が普及してきている。このような現在位置表示や経路探索、経路案内を行なうために、カーナビゲーション装置は区分分けした詳細な電子地図データを保有している。この地図データは、GPS受信機等を使用して検出した自車位置を中心とする所定範囲の地図を描画するための描画用地図データ、目的地までの最適走行経路を探索するための道路データ、各種施設の所在地を地図上に示すマークやそれら施設を紹介するための施設データ等で構成されている。
【0003】
こうした地図データは、DVD(Digital Versatile Disc)やHDD(Hard Disc Drive)等の記録媒体、記録装置により入手される他、最近では通信回線を介してHDDにダウンロードする形でも入手される。しかし、実際の道路網は道路の新規開通、閉鎖(廃止)等により絶えず変化している。従って、一旦、入手した地図データもそのような最新の道路事情を反映させるために頻繁に更新を行なう必要がある。それを怠ると新規開通の近道があるにも関わらず従来通りの遠回り経路が案内されたり、閉鎖された道路を通る経路が案内されたりする不都合が生ずる。
【0004】
このような地図データの更新は、地図データをCD(Compact Disc)やDVDに記憶させたまま利用する装置では、通常、それらの記憶媒体を交換する形で実施される。これに対して、地図データをHDDに記憶させて利用する装置では、更新を必要とする区分の地図データを通信回線を介して地図情報センターから取得して更新する方式が採られることが多い。このような通信回線を利用する地図更新技術として、例えば特許文献1には、カーナビゲーション装置が地図情報センターから更新地図データを定期的に受信して更新する技術が開示されている。しかし、このように定期的に更新地図データを受け取る方法では、地図データの量は多いため通信に時間がかかって通信コストが高くなる。その上、必要性の薄い更新データまで受け取ることになってユーザの出費が増える問題がある。
【0005】
また、特許文献2には、地図データを種類別に分類すると同時に地域別にも分割して記憶しておき、ユーザが必要とする地図データの種類、地域区分、それらの現在のバージョン情報を地図情報センターに送信し、折り返し更新地図データを送信してもらう技術が開示されている。しかし、このように地図データの種類、地域区分、現在のバージョン情報を指定して送信するのでは更新操作が複雑になる。また、新規開通した道路に関する更新地図データを入手したい場合、そもそもどの地域区分の地図データを更新したらよいかを判断することが難しい場合が多い。
【0006】
また、特許文献3には、地図データに関する最新のバージョン情報を所定のタイミング毎に地図情報センターから受け取り、ナビゲーション装置内にある地図データのバージョンと比較して新しいバージョンの地図データのみを地図情報センターから送信してもらう技術が開示されている。しかし、新たなバージョンの地図データを全て受信するのでは、通信時間が長くなり、また不必要な地図データも入手することになって出費がかさむ問題がある。
【特許文献1】特開平08−95488号公報
【特許文献2】特開平11−257975公報
【特許文献3】特開2004−108834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その課題は、簡便な操作によりユーザが必要とする更新地図データのみを配信するカーナビゲーション用の地図データ更新システム、及びそれに使用するカーナビゲーション装置と地図情報サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための請求項1に記載の発明は、カーナビゲーション装置が必要とする更新地図データを地図情報サーバから配信して更新を行なう地図データ更新システムであって、前記カーナビゲーション装置は、複数の区分地図データを収納する地図データベースと、計画道路リストと、該計画道路リストからユーザが選択した計画道路IDを添付して関連する地図データの更新可能性を前記地図情報サーバに問い合わせる更新問い合わせ手段と、前記問い合わせに対し更新可の回答を受けた場合にユーザの指示を受けて関連する更新地図データの送信を要求する更新データ要求手段と、該要求に応えて送られた更新地図データを受け取って前記地図データベースを更新する地図データ更新手段と、を備え、前記地図情報サーバは、更新地図データを収納した更新地図データベースと、各計画道路に関連する更新地図データを提供できる段階にあるか否かの情報を収納する計画道路データベースと、前記更新可能性の問い合わせに対し該計画道路データベースの前記情報に基づいて更新可能性を判定して判定結果を送信する更新可否回答手段と、前記更新地図データの送信要求に応えて関連する更新地図データを前記更新地図データベースから抽出して送信する更新地図送信手段と、を備えることを特徴とする地図データ更新システムである。
【0009】
ここで「計画道路」とは、現在建設中で近い内に開通が予定されている道路、現在は土砂崩れ等で閉鎖されているが近い内に開通が予定されている道路、反対に現在は通行可能であるが近い内に閉鎖が予定されている道路等を意味する。また、「計画道路ID」とは、計画道路を特定する番号、記号、符号等をいう。
このような地図データ更新システムによれば、更新のためにユーザに要求される操作は更新可能性を問い合わせるための計画道路IDの選択と、更新地図データの送信を要求する押し釦操作のみである。従って、ユーザは非常に簡単な操作で必要な地図の更新を終えることができる。また、更新される地図データは、ユーザが選択した計画道路の完成にともなって必要となる地図データのみであり、それと無関係な地図データの更新は行なわれない。従って、入手する地図データ量が少なくて済むため、更新に伴う地図購入費用、通信費用が少なくて済む効果がある。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の地図データ更新システムにおいて、前記更新地図データを提供できる段階とは、その計画道路が完成して利用できる状態にあり、且つ関連する更新地図データの送信準備が完了している段階であることを特徴とする。
ここで「計画道路が完成して利用できる状態」とは、その計画道路が閉鎖される道路である場合には、閉鎖され利用できない状態を指すものとする。
【0011】
カーナビゲーション装置に送信された更新地図データは、直ぐさま経路探索等に使用されるため計画道路が完成する前に更新地図データを送信することは許されない。また、計画道路は完成していても、更新地図データの準備が整っていなければ提供はできない。従って、上記のような構成とすることによって更新地図データの提供時期の適正化を図ることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の地図データ更新システムにおいて、前記計画道路データベースは、更に各計画道路の計画進捗状況に関する情報を保持し、前記更新可否回答手段は、前記判定結果を送信する際に該計画進捗状況に関する情報を基に新たな計画道路リストを作成して併せて送信することを特徴とする。
新たな道路は次々と計画されていく。従って、最新の計画道路リストをカーナビゲーション装置に送信すればユーザは新たな計画道路の情報を得ることができ、それらの完成時には更新地図データの入手も可能となる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の地図データ更新システムにおいて、前記更新可否回答手段は、前記判定結果として更新可の結果を送信する場合には併せて更新を必要とする区分地図データのIDを送信し、前記更新データ要求手段は、関連する更新地図データの送信を要求する際に該区分地図データのIDに対応する前記地図データベース内の各区分地図データのバージョン情報を併せて送信し、前記更新地図送信手段は、受信したバージョン情報に基づいて送信する各更新区分地図データのバージョンを決めることを特徴とする。
【0014】
ここで「区分地図データのID」とは、区分地図データを特定する番号、記号、符号等をいう。また「バージョン情報」とは、版数を表わす情報をいう。
区分地図データは、計画道路の完成により次々と新たなバージョンが作成されていく。また、各区分地図データは隣り合う区分地図データと強い関連性を持つ。従って、更新要求を受けた場合にいつも最新バージョンの地図データを送ればよいというものではなく、カーナビゲーション装置が保有する区分地図データの現在のバージョンを考慮して送信するバージョンを決定する必要がある。上記のような構成とすれば、地図情報サーバはカーナビゲーション装置側の関連地図の現在のバージョン情報を知ることができるので、それに基づいて送信する更新地図データのバージョンを決定することができる。これにより、正しいバージョンの更新地図データを送信することが可能となる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、ナビゲーション用の電子地図を備えたカーナビゲーション装置であって、複数の区分地図データを収納する地図データベースと、計画道路リストと、該計画道路リストからユーザが選択した計画道路IDを添付して関連する地図データの更新可能性を地図情報を配信するサーバに問い合わせる更新問い合わせ手段と、前記問い合わせに対し更新可の回答を受けた場合に、ユーザの指示を受けて関連する更新地図データの送信を要求する更新データ要求手段と、該要求に応えて送られた更新地図データを受け取って前記地図データベースを更新する地図データ更新手段と、を備えることを特徴とするカーナビゲーション装置である。
【0016】
このような構成のカーナビゲーション装置によれば、請求項1に記載の発明の場合と同様に、ユーザは非常に簡単な操作により必要とする更新地図データのみを入手することができる。従って、更新に伴う地図購入費用、通信費用も少なくて済む効果がある。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカーナビゲーション装置において、前記地図情報を配信するサーバから送られた新たな計画道路リストを受け取って、前記計画道路リストの更新を行なう計画道路リスト更新手段を更に備えることを特徴とする。
このような構成によれば、カーナビゲーション装置の計画道路リストを最新のものに更新することができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のカーナビゲーション装置において、前記更新問い合わせ手段が、前記関連する地図データの更新可能性の問い合わせに対して更新可の回答と同時に更新を必要とする区分地図データのIDを受け取った場合には、前記更新データ要求手段は、前記関連する更新地図データの送信を要求する際に、該区分地図データのIDに対応する前記地図データベース内の各区分地図データのバージョン情報を併せて送信することを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、カーナビゲーション装置は、自己が保有する現在の区分地図データのバージョンを考慮したバージョンの更新地図データを受け取ることができるようになり、正しい更新を行なうことができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、電子地図を有するカーナビゲーション装置に更新地図データを配信する地図情報サーバであって、更新地図データを収納した更新地図データベースと、各計画道路に関連する更新地図データを提供できる段階にあるか否かの情報を収納する計画道路データベースと、カーナビゲーション装置から計画道路IDを添付して行なわれる関連する地図データの更新可能性の問い合わせに対し該計画道路データベースの前記情報に基づいて更新可能性を判定して判定結果を送信する更新可否回答手段と、前記カーナビゲーション装置から計画道路IDを添付して行なわれる関連する更新地図データの送信要求に応えて関連する更新地図データを前記更新地図データベースから抽出して送信する更新地図送信手段と、を備えることを特徴とする地図情報サーバである。
【0021】
このような構成によれば、ユーザが必要とする更新地図データのみをユーザに送信することが可能となり、ユーザの地図購入費用、通信費用が少なくて済む効果を奏する。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の地図情報サーバにおいて、前記計画道路データベースは、更に各計画道路の計画進捗状況に関する情報を保持し、前記更新可否回答手段は、前記判定結果を送信する際に該計画進捗状況に関する情報を基に新たな計画道路リストを作成して併せて送信することを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、ユーザに対して最新の計画道路リストを提供することができる。また、これによりユーザに提供する更新地図の提供量(販売量)を増やすことができる。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の地図情報サーバにおいて、前記更新可否回答手段は、前記判定結果として更新可の結果を送信する場合には併せて更新を必要とする区分地図データのIDを送信し、前記更新地図送信手段は、関連する更新地図データの送信要求と併せて該区分地図データのIDに対応する区分地図データのバージョン情報の送信を受けた場合には、受信した該バージョン情報に基づいて送信する各更新区分地図データのバージョンを決定することを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、請求項4に記載の発明の場合と同様、地図情報サーバはカーナビゲーション装置側の関連地図の現在のバージョン情報を知ることができるので、それに基づいて送信する更新地図データのバージョンを決定することができる。これにより、正しいバージョンの更新地図データを送信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。図1は本発明に係る地図データ更新システムの全体構成を示したものである。地図データ更新システム1は、カーナビゲーション装置2と地図情報サーバ20とにより構成される。カーナビゲーション装置は図には1式しか描かれていないが通常、複数存在する。
地図情報サーバ20とカーナビゲーション装置2とは通信回線15を介して無線で通信可能に接続されている。通信回線15として、本実施形態では携帯電話網16とこれにつながるインターネット17とを利用している。
【0027】
カーナビゲーション装置2は、制御回路3、GPS受信機4、操作スイッチ群5、表示装置6、音声出力装置7、通信装置8、磁気ディスク装置(以下、HDDという。)9を備えて構成される。
制御回路2は、カーナビゲーション装置2の動作全般を制御する機能を有するものでマイクロコンピュータを主体に構成されており、内部には図示しないCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース、それらを接続するバス、電源装置などを備える。
【0028】
GPS受信機4はGPS用人工衛星からの信号を受信して制御回路3に伝達するもので、その情報に基づいて制御回路3内で必要な演算処理が行なわれ自車の現在位置が算出される。操作スイッチ群5は、制御回路3への各種情報入力のための手段で、例えばカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチやリモコンスイッチ等で構成される。
表示装置6は、道路地図、車両の現在位置、経路案内、後述する計画道路リスト等を表示するためのもので、例えばカラー液晶ディスプレイで構成される。音声出力装置7は、制御回路3からの出力情報を人工音声に変えて運転者に伝えるためのもので、例えば経路案内を音声で伝えるために使用される。
【0029】
通信装置8は、前述した地図情報サーバ20と無線交信するためのもので、アンテナ10、携帯電話網の基地局18、携帯電話網16、これとつながるインターネット17を介して地図情報サーバ20と交信を行なう。
【0030】
HDD9内には地図データベース、計画道路リストが予め記憶されている。これらの詳細は後で説明する。HDD9内にはこの他に本カーナビゲーション装置2を動作させるための各種プログラムが予め格納されている。このプログラムには、後述する本発明の機能を発揮させるためのプログラムの他に一般的なカーナビゲーション機能を実行するためのプログラム、例えばGPS受信機4からの信号に基づいて現在位置を算出する機能、算出した現在位置を地図上に位置付けるマップマッチング処理機能、目的地や経由地の指定を受けて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索機能、その経路探索結果に応じた案内ルートを地図画面上に表示して案内する経路案内機能、VICS(Vehicle Information & Communication System)からの道路交通情報を受信して運転者に知らせる機能などを実行するためのプログラムが含まれる。
【0031】
以上のような装置の他にもカーナビゲーション装置2には、移動距離を検出する距離センサ、車両速度を検出する車速センサ、車両の方位を検出するジャイロスコープ等が必要により取り付けられる。
【0032】
地図情報サーバ20は、制御装置21とHDD22を備えて構成される。HDD22内には、更新地図データベースと計画道路データベースが収納されている。これらについては後に説明する。この他、HDD22にはコンピュータで構成される制御装置21を動作させるプログラムも収納されている。
【0033】
次に、カーナビゲーション装置2のHDD9内に格納されている地図データベースと計画道路リストについて説明する。地図データベースは、図2に示す区分地図データテーブルと図3に示す区分地図データファイルにより構成される。区分地図データテーブルは、「区分地図ID(インデックス)」、「バージョン番号」、「区分地図データファイ名称」の3つのフィールドを備える。区分地図IDは区分地図を特定するインデックスであり、バージョン番号は版数を表わす。区分地図データファイ名称は、区分地図IDに対応して記憶されている地図データが記録されたファイル名称を表わす。
【0034】
地図データは、全国地図を経線及び緯線に平行な直線により矩形領域に分割した多数の区分地図データの集まりとして記憶されている。分割は3種類のサイズで行なわれ、同じ全国地図が分割サイズの異なる3階層の区分地図データの集まりとして記憶されている。分割サイズの大きい方から上位区分地図データ、中位区分地図データ、下位区分地図データと呼ぶことにする。そして、各区分地図データを識別するための区分地図IDは、属する階層とその階層での通し番号の組み合わせで表現することとし、例えば上位区分地図データについては「上位01」、「上位02」のように、中位区分地図データについては「中位01」、「中位02」のように、下位区分地図データについては「下位01」、「下位02」のように表わす。
【0035】
バージョン番号は、「V」の文字とそれに続く数字で表わし、数字が小さい方が古いバージョンを表わす。区分地図データファイ名称は、区分地図IDとそのバージョン番号を含む名称としてある。例えば、名称「上位01V1.file」は、区分地図IDが「上位01」でバージョン番号が「V1」である地図データを格納しているファイルを表わしている。
【0036】
図3は、例として図2の区分地図データテーブルの最上段に記載した区分地図データファイル名称「上位01V1.file」のファイルの内容を示したものであり、地図描画データファイル名称、道路データファイル名称、施設データファイル名称の3つのファイル名称が記載されている。
【0037】
地図描画データファイルは、その区分の地図を表示装置6に描画するためのデータを記憶したファイルである。
道路データファイルは目的地までの経路探索、経路案内に使用する道路データを記憶したファイルである。道路データは、各道路の交差点、曲がり点、行き止まり等をノード、それぞれのノード間の道路をリンクと定義し、そのリンクを接続することにより道路地図を構成したものである。各リンクには前後のリンクとの接続情報、道路規制等の情報が属性として記憶されている。
施設データファイルは、ガソリンスタンド、レストラン等の各種施設の所在地を地図上に示すマークやそれら施設を紹介するデータを記憶したファイルである。これら各ファイルの内容は地図データベース内に記憶させてある。
【0038】
図4は、カーナビゲーション装置2のHDD9内に格納されている計画地図リストの例を示したものである。計画道路とは、現在建設中で近い内に開通が予定されている道路、現在は土砂崩れ等で閉鎖されているが近い内に開通が予定されている道路、反対に現在は通行可能であるが近い内に閉鎖が予定されている道路をいう。計画地図リストは、図に示すように「計画道路ID」、「計画道路名称」、「区間」、「開通予定日」、「地図更新」の有無を記載したリストである。この計画地図リストは、ユーザが最初に地図データを購入した際に一緒に添付されてくる。また、後述するように地図情報サーバ20からも更新リストが送付されるようになっている。「開通予定日」の欄中に「開通済み」とあるのは、その更新リストにより更新されたためである。また、「地図更新」の欄中に「済み」とあるのは、既に必要な区分地図データの更新が済んでいることを示している。
【0039】
次に、地図情報サーバ20のHDD22内に格納されている更新地図データベースと計画道路データベースについて説明する。まず更新地図データベースは、図5に示す更新区分地図データテーブルと図6に示す区分地図データファイルにより構成される。更新区分地図データテーブルは、図2に示した区分地図データテーブルと同じテーブル構成となっている。異なる点は、図2の区分地図データテーブルでは、一つの区分地図IDに対しては一つのバージョン番号の区分地図データファイル名称しか記載されていないのに対して、図5の更新区分地図データテーブルでは一つの区分地図IDに対して1ないし複数のバージョン番号とそれに対応する区分地図データファイル名称が記載されている点である。
【0040】
例えば、区分地図IDが「上位01」の区分地図データについては、バージョン番号が「V1」、「V2」、「V3」の3つのバージョンに対応する区分地図データファイル名称が記載されており、それらに対応する3つのバージョンの区分地図データが保存されている。
カーナビゲーション装置2側では、現在使用中のバージョン番号に対応する区分地図データを保持していれば十分であるので、古いバージョン番号の区分地図データは更新により削除される。従って、一つの区分地図IDに対しては保有するバージョン番号の一つの区分地図データファイル名称しか記載されていない。これに対して地図情報サーバ20側では、カーナビゲーション装置2から要求があった場合には、カーナビゲーション装置2が現在保有するバージョン番号を考慮して送信する更新地図データのバージョンを決める必要がある。このため、各区分地図IDについて全てのバージョンの区分地図データファイル名称が記載されている。
【0041】
図6は、区分地図データファイルの内容を示したものであり、これはカーナビゲーション装置2側についての図3に示したものと同じ構成、同じ内容となっている。この区分地図データファイルは、更新区分地図データテーブルに記載された区分地図データファイル名称の数だけ存在する。それらのファイルの内容は、更新地図データベース内に収納されている。
【0042】
次の計画道路データベースは、図7に示す計画道路テーブルと、図8に示す更新地図テーブルと、図9に示す関連地図IDファイルと、図10に示す更新地図データファイルを備えて構成される。図7の計画道路テーブルは、「計画道路ID」、「計画道路名称」、「区間」、「開通予定日」の4個のフィールドを持ち、これらはカーナビゲーション装置2側の図4に示した計画道路リストの項目と同じである。この計画道路テーブルには、新たな道路が計画される度にデータが追加されていく。
【0043】
図8に示す更新地図テーブルは、「計画道路ID」、「開通日」、「更新データ有無」、「関連地図IDファイル名称」、「更新地図データファイル名称」の5個のフィールドを持つ。この更新地図テーブルは、「計画道路ID」フィールドにより図7の計画道路テーブルと関連付けられている。「開通日」のフィールドには、実際に開通した年月日が登録される。「更新データ有無」のフィールドは、更新地図データの有無を登録するフィールドである。
【0044】
「関連地図IDファイル名称」のフィールドには、更新を必要とする区分地図データのIDを納めたファイルの名称が登録される。図9は、例として計画道路ID「A01」の関連地図IDファイル「A01.id」の内容を示したものであり、計画道路ID「A01」が開通した時には、区分地図IDが「中位01」、「下位01」、「下位02」の3つの区分地図データを更新する必要があることを表わしている。
【0045】
「更新地図データファイル名称」のフィールドは、更新を必要とする各区分地図IDについて、更新前のバージョン番号と、更新後のバージョン番号との対応関係を納めたファイルの名称が登録される。図10は、例として計画道路ID「A01」についての更新地図データファイル「A01.file」の内容を示したものである。この更新地図データファイル「A01.file」は、図11の(1)に示すような地図が、図中に示した計画道路ID「A01」の開通により図11の(2)のように変った場合に、更新を必要とする区分地図IDの更新前バージョン番号と更新後バージョン番号との関係を示している。
【0046】
図11の(1)の地図は、道路28と道路29との間に、計画道路ID「A01」のバイパス道路が計画されている状態を示している。この計画道路ID「A01」のバイパス道路は、区分地図ID「下位01」でバージョン番号「V2」の地図31と、区分地図ID「下位02」でバージョン番号「V1」の地図32の双方を結ぶように計画されている。そして、この区分地図ID「下位01」と「下位02」の区分地図データは、区分地図ID「中位01」でバージョン番号「V1」の中位の区分地図データに含まれており、その区分地図データの中にも計画道路ID「A01」のバイパス道路が計画道路として記載されている。但し、計画道路ID「A01」のバイパス道路は、ローカルな道路であるため、その上位の区分地図データには計画道路として記載されていないとする。
【0047】
計画道路ID「A01」のバイパス道路が開通した暁には、図11の(1)の地図を図11の(2)のように更新する必要がある。区分地図ID「下位01」でバージョン番号「V2」の地図31は、バージョン番号「V3」の地図34に更新する必要があり、区分地図ID「下位02」でバージョン番号「V1」の地図32は、バージョン番号「V2」の地図35に更新する必要がある。更に、区分地図ID「中位01」でバージョン番号「V1」の地図30は、バージョン番号「V2」の地図33に更新する必要がある。その上位の区分地図データには、計画道路ID「A01」のバイパス道路は記載されていないので上位地図データの更新は必要としない。
【0048】
図10に示した更新地図データファイルは、計画道路ID「A01」のバイパス道路開通に伴うこのような更新の関係を表わしている。図中、上から順に「更新地図数:3」は更新を必要とする区分地図データの数が3であることを、「更新中位地図数:1」は更新を必要とする中位地図データの数が1であることを示している。「更新前中位01−V1」は更新を必要とする中位区分地図データのIDが「中位01」でバージョン番号が「V1」であることを示しており、「更新後中位01−V2」はその更新前のデータを区分地図ID「中位01」でバージョン番号「V2」に更新する必要があることを示している。同様に、「更新下位地図数:2」は更新を必要とする下位地図データの数が2であることを示して降り、その下の4個の欄は、更新を必要とする2つの下位区分地図IDの更新前のバージョン番号と更新後のバージョン番号の関係を示している。
【0049】
次に、これまでに述べたような装置構成と、各データベースを使用してカーナビゲーション装置2が保有する地図データの更新を行なうための操作と、それに伴い制御回路3、制御装置21が行なう処理について図12、図13のフローを参照して説明する。
最初に、ユーザは操作スイッチ群5を操作してカーナビゲーション装置2のメニュー画面から計画道路リスト表示のメニューを選択する(ステップS1)。ステップS1の枠外の指差しマークは、ユーザの操作であることを表わしている。
【0050】
これにより図4に示した計画道路リストが表示装置6に表示される(ステップS2)。ユーザは、リストの中から希望する計画道路IDを選択する(ステップS3)。本実施形態では、最初から更新地図データの送信を依頼するのではなく、まず、更新できるか否かの判断を更新地図サーバ20に求めた上で、その後に更新地図データの送信を依頼する2段階方式を採用している。従って、このステップS3の選択は、その更新可能性の判断を求める計画道路を選択するものである。選択は、表示された計画道路リストの中の希望する計画道路IDを操作スイッチ群5にて選択した後に、同じく操作スイッチ群5の中の送信釦を操作して行なう。
【0051】
計画道路IDが選択されて送信操作がされるとステップS4に移り、制御回路3は選択された計画道路IDを更新地図サーバ20に送信する。それと同時に、図4の計画道路リストの中で、「地図更新」が「済み」となっている計画道路IDも送信する。これは、後に更新地図サーバ20が計画道路リストの更新データをカーナビゲーション装置2に送信する際に、既に更新済みの計画道路を再び計画道路として送信するのを防止するための措置である。
【0052】
これらの送信情報が更新地図サーバ20に受信されると制御装置21が動作を開始する。制御装置21は、最初に計画道路リストの更新データを準備する(ステップT1)。この更新データは、新たな計画道路と以前の計画道路の開通、未開通をカーナビゲーション装置2に知らせるためのデータである。更新データは、更新地図サーバ20の更新地図データベース内に収納されている図7に示した計画道路テーブルと、これに図8の更新地図テーブル中の開通日を加えたものである。但し、上記したようにカーナビゲーション装置2から更新済みと報告された計画道路IDのデータは除かれる。
【0053】
続くステップT2では、送信されてきた計画道路IDに対する更新区分地図データの準備ができているか否かの判定を行なう。この判定は、図8の更新地図テーブルを参照して行なわれる。更新地図データを送信するためには、選択された計画道路IDに対応する更新地図データの準備が整っていることが必要である。これは、「更新データ有無」のフィールドのデータで確認できる。これに加えてその計画道路が既に開通している必要がある。更新地図データとしてカーナビゲーション装置2に送られたデータは、直ぐさま経路探索等に使用される。従って、開通する前に更新地図データを送ることは許されないからである。開通しているか否かは、「開通日」のフィールドのデータで確認できる。
【0054】
この2つの何れかの条件が満足されていない場合には、更新不可と判定される。その場合には、更新できない旨の回答とステップT1で準備した計画道路リストの更新データがカーナビゲーション装置2に送られる(ステップT3)。その情報がカーナビゲーション装置2で受信されると、表示装置6に更新できない旨の表示がされる(ステップS5)。この場合、まだ未開通であるとか、開通済みであるが更新地図データの準備ができていないとかの理由を同時に表示するとよい。
【0055】
その後で、受信した計画道路リストの更新データにより図4の計画道路リトスの更新を行なう(ステップS6)。以前から存在した計画道路IDに対する「開通予定日」のデータは、更新データにより更新される。また、新たな計画道路については、全フィールドのデータが追加される。
ステップT2において、指定された計画道路IDの道路が既に開通しており、且つ更新地図データの準備もできている場合にはステップT4に移る。ステップT4では、更新地図データを提供できる旨の回答と、計画道路リストの更新データとがカーナビゲーション装置2に送信される。この時、図9に示した関連地図IDファイルの内容も併せて送信される。関連地図IDファイルは、前述したようにその道路が開通した場合に更新する必要のある区分地図データのIDを納めたファイルである。
【0056】
カーナビゲーション装置2側では送られたデータを受け取って、まず関連地図IDファイルをHDD9内に一時記憶する(ステップS7)。続いて、必要な区分地図データの更新が可能であることを表示する(ステップS8)。その後にステップS6と同じようにして計画道路リストの更新を行なう(ステップS9)。
続くステップS10では、更新可能と通知を受けた計画道路IDに対する更新地図データの送信を依頼するか否かをユーザが判断する。依頼しない場合は、その旨を操作スイッチ群5から入力することにより更新をしないでそのまま終了する。依頼する場合には、その旨を操作スイッチ群5を使用して入力する。
【0057】
続くステップS11では、制御回路3は先に送信した計画道路IDに関連する更新地図データの送信を依頼する旨を更新地図サーバ20に送信する。同時に、更新を必要とする区分地図データのバージョン番号も送信する。更新を必要とする区分地図データのIDは、ステップT4で送られてきた関連地図IDファイルに記載されている。制御回路3はその区分地図IDに対応する区分地図データのバージョン番号を図2の区分地図データテーブルから読み取って送信する。
【0058】
更新地図サーバ20側では送られてきたバージョン番号をチェックする。そして、それらのバージョン番号に基づいて更新が可能か否かを判断する(ステップT5)。これは、図10の更新地図データファイルで説明したように、更新する区分地図データについては、更新する前のバージョン番号と更新後のバージョン番号とが図10の更新地図データファイルに規定された関係になくてはならないからである。
【0059】
例えば、計画道路IDが「A01」で、その開通により図11の(1)の地図を図11の(2)の地図に更新する場合は、図10の更新地図データファイルに示すように、更新前の区分地図ID「中位01」の地図データのバージョン番号は「V1」、区分地図ID「下位01」の地図データのバージョン番号は「V2」、区分地図ID「下位02」の地図データのバージョン番号は「V1」でなければならない。制御装置21は、カーナビゲーション装置2から送られてきた各区分地図IDのバージョン番号がそのようになっているか否かをチェックする。
【0060】
何れかの区分地図IDのバージョン番号が一致しなかった場合には更新ができないので、その旨を送信する(ステップT6)。このようにバージョン番号が一致しないケースは、例えば、最初に購入した地図データの全体を表わすバージョン番号が、更新地図サーバ20側が考えている全体のバージョン番号と異なっているような場合に生ずる。カーナビゲーション装置2側では、更新できない旨を表示して(ステップS12)終了する。
【0061】
バージョン番号が全て一致して更新可能と判断された場合には、ステップT7に移る。
ステップT7では、図10に示した更新地図データファイルを参照し、更新後の各区分地図のバージョン番号を決める。そして、それらのバージョン番号に対応する区分地図データが納められている区分地図データファイル名称を図5に示した更新区分地図データテーブルから読み取り、そのファイルを更新地図データベースから読み出す。そして、カーナビゲーション装置2に送信する。
【0062】
カーナビゲーション装置2側では、送られてきた更新地図データを受け取り、区分地図データの更新を行なう(ステップS13)。更新は、以前のバージョン番号の区分地図データを新たなバージョン番号の区分地図データで置き換えることで行なう。それと同時に、図2に示す区分地図データテーブル中の該当するバージョン番号の更新を行なっておく。
続いて、図4の計画道路リスト中の更新した計画道路IDに対応する「地図更新」フィールドのデータを「済み」に更新する(ステップS14)。以上により必要な区分地図データの更新が終了するので、更新完了を表示装置6に表示して(ステップS15)終了する。
【0063】
このように本発明に係る地図データ更新システムによれば、ユーザは計画道路リスト表示メニューの選択操作(ステップS1)、計画道路IDの選択操作(ステップS3)、更新データ送信を要求する釦操作(ステップS10)といった僅か3つの簡単な操作で必要とする更新地図データの配信を受け更新を済ますことができる。また、配信を受ける更新地図データは、ユーザが必要とする計画道路に関連するデータのみで余分なデータを含まないため、更新地図データ入手のための費用、通信費用が少なくて済む効果がある。
【0064】
なお、特許請求範囲に記載した更新問い合わせ手段、更新データ要求手段、地図データ更新手段、計画道路リスト更新手段は、上述した実施形態では制御回路3、操作スイッチ群5、表示装置7、通信手段8、及び地図データベース、計画道路リストと図12、図13中のカーナビゲーション装置2側のフローを実行するプログラムにより実現されている。また、更新可否回答手段、更新地図送信手段は、制御装置21、更新地図データベース、計画道路データベース及び図12、図13中の地図情報サーバ3側のフローを実行するプログラムにより実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】地図データ更新システムの全体構成の例である。
【図2】カーナビゲーション装置内の区分地図データテーブルの例である。
【図3】カーナビゲーション装置内の区分地図データファイルの例である。
【図4】カーナビゲーション装置内の計画道路リストの例である。
【図5】地図情報サーバ内の更新区分地図データテーブルの例である。
【図6】地図情報サーバ内の区分地図データファイルの例である。
【図7】地図情報サーバ内の計画道路テーブルの例である。
【図8】地図情報サーバ内の更新地図テーブルの例である。
【図9】地図情報サーバ内の関連地図IDファイルの例である。
【図10】地図情報サーバ内の更新地図データファイルの例である。
【図11】更新前と更新後の区分地図IDのバージョン番号の関係を説明する図である。
【図12】区分地図データ更新の操作と制御のフローである。
【図13】図12のフローの続き部分である。
【符号の説明】
【0066】
図面中、1は地図データ更新システム、2はカーナビゲーション装置、3は制御回路、4はGPS受信機、5は操作スイッチ群、6は表示装置、7は音声出力装置、8は通信装置、9はHDD、15は通信回線、21は制御装置、22はHDD、20は地図情報サーバを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーナビゲーション装置が必要とする更新地図データを地図情報サーバから配信して更新を行なう地図データ更新システムであって、
前記カーナビゲーション装置は、複数の区分地図データを収納する地図データベースと、計画道路リストと、該計画道路リストからユーザが選択した計画道路IDを添付して関連する地図データの更新可能性を前記地図情報サーバに問い合わせる更新問い合わせ手段と、前記問い合わせに対し更新可の回答を受けた場合にユーザの指示を受けて関連する更新地図データの送信を要求する更新データ要求手段と、該要求に応えて送られた更新地図データを受け取って前記地図データベースを更新する地図データ更新手段と、を備え、
前記地図情報サーバは、更新地図データを収納した更新地図データベースと、各計画道路に関連する更新地図データを提供できる段階にあるか否かの情報を収納する計画道路データベースと、前記更新可能性の問い合わせに対し該計画道路データベースの前記情報に基づいて更新可能性を判定して判定結果を送信する更新可否回答手段と、前記更新地図データの送信要求に応えて関連する更新地図データを前記更新地図データベースから抽出して送信する更新地図送信手段と、
を備えることを特徴とする地図データ更新システム。
【請求項2】
前記更新地図データを提供できる段階とは、その計画道路が完成して利用できる状態にあり、且つ関連する更新地図データの送信準備が完了している段階であることを特徴とする請求項1に記載の地図データ更新システム。
【請求項3】
前記計画道路データベースは、更に各計画道路の計画進捗状況に関する情報を保持し、前記更新可否回答手段は、前記判定結果を送信する際に該計画進捗状況に関する情報を基に新たな計画道路リストを作成して併せて送信することを特徴とする請求項1に記載の地図データ更新システム。
【請求項4】
前記更新可否回答手段は、前記判定結果として更新可の結果を送信する場合には併せて更新を必要とする区分地図データのIDを送信し、前記更新データ要求手段は、関連する更新地図データの送信を要求する際に該区分地図データのIDに対応する前記地図データベース内の各区分地図データのバージョン情報を併せて送信し、前記更新地図送信手段は、受信したバージョン情報に基づいて送信する各更新区分地図データのバージョンを決めることを特徴とする請求項1に記載の地図データ更新システム。
【請求項5】
ナビゲーション用の電子地図を備えたカーナビゲーション装置であって、複数の区分地図データを収納する地図データベースと、計画道路リストと、該計画道路リストからユーザが選択した計画道路IDを添付して関連する地図データの更新可能性を地図情報を配信するサーバに問い合わせる更新問い合わせ手段と、前記問い合わせに対し更新可の回答を受けた場合に、ユーザの指示を受けて関連する更新地図データの送信を要求する更新データ要求手段と、該要求に応えて送られた更新地図データを受け取って前記地図データベースを更新する地図データ更新手段と、を備えることを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項6】
前記地図情報を配信するサーバから送られた新たな計画道路リストを受け取って、前記計画道路リストの更新を行なう計画道路リスト更新手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項7】
前記更新問い合わせ手段が、前記関連する地図データの更新可能性の問い合わせに対して更新可の回答と同時に更新を必要とする区分地図データのIDを受け取った場合には、前記更新データ要求手段は、前記関連する更新地図データの送信を要求する際に、該区分地図データのIDに対応する前記地図データベース内の各区分地図データのバージョン情報を併せて送信することを特徴とする請求項5に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項8】
電子地図を有するカーナビゲーション装置に更新地図データを配信する地図情報サーバであって、更新地図データを収納した更新地図データベースと、各計画道路に関連する更新地図データを提供できる段階にあるか否かの情報を収納する計画道路データベースと、カーナビゲーション装置から計画道路IDを添付して行なわれる関連する地図データの更新可能性の問い合わせに対し該計画道路データベースの前記情報に基づいて更新可能性を判定して判定結果を送信する更新可否回答手段と、前記カーナビゲーション装置から計画道路IDを添付して行なわれる関連する更新地図データの送信要求に応えて関連する更新地図データを前記更新地図データベースから抽出して送信する更新地図送信手段と、を備えることを特徴とする地図情報サーバ。
【請求項9】
前記計画道路データベースは、更に各計画道路の計画進捗状況に関する情報を保持し、前記更新可否回答手段は、前記判定結果を送信する際に該計画進捗状況に関する情報を基に新たな計画道路リストを作成して併せて送信することを特徴とする請求項8に記載の地図情報サーバ。
【請求項10】
前記更新可否回答手段は、前記判定結果として更新可の結果を送信する場合には併せて更新を必要とする区分地図データのIDを送信し、前記更新地図送信手段は、関連する更新地図データの送信要求と併せて該区分地図データのIDに対応する区分地図データのバージョン情報の送信を受けた場合には、受信した該バージョン情報に基づいて送信する各更新区分地図データのバージョンを決定することを特徴とする請求項8に記載の地図情報サーバ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−18086(P2006−18086A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196772(P2004−196772)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】