説明

カーブベルトコンベヤ

【課題】ゴム粉末等の微粉末が発生するのを防止・抑制することができるカーブベルトコンベヤを提供することにある。
【解決手段】本発明に係るカーブベルトコンベヤ1では、複数のガイドローラ9a・9bと当接する平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6a・6bが熱可塑性樹脂製であり、しかも、搬送ベルト4と平ベルト状部材5とを連結する複数のバネ部材10を備えた構成をしている。そして、ガイド部材6の突条部分6a・6bが複数のガイドローラ9a・9bと当接したとしてもゴム製のものに比べて摩擦による樹脂粉末を出にくくしている。更に、複数のバネ部材10が搬送ベルト4と平ベルト状部材5との間の挙動の違いを吸収し、ガイド部材6の突条部分6a・6bと複数のガイドローラ9a・9bとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲線方向に搬送するカーブベルトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にベルトコンベヤは、各種物品(搬送物)を搬送するために広く使用されているが、搬送物を搬送するには必ずしも直線方向ばかりとは限らず、曲線方向に搬送することもある。このような曲線方向に搬送するベルトコンベヤとしては、例えば、特許文献1に記載のカーブドコンベヤが挙げられる。
【0003】
上記特許文献1に記載されたカーブドコンベヤ1は、主に搬送物Wを載置する略扇状をした搬送ベルト4と、搬送用ベルトの外周縁に沿って周回するゴム製のVベルトからなる無節エンドレス紐体9と、搬送ベルト4の外周縁と無節エンドレス紐体9との間を架け渡される複数の連結具12と、無節エンドレス紐体9をガイドするための案内ローラ10・11によって構成されている。
【0004】
ここで、搬送ベルト4を周回させると、略扇状をした搬送ベルト4は、その性質上中心方向に寄り(向心力)、搬送ベルト4の表面に皺を作ってしまう傾向にある。そこで、案内ローラ10・11を無節エンドレス紐体9に当接させて、搬送ベルト4が中心方向に寄らないようにすることで搬送ベルト4の表面に皺ができないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−83946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
もっとも、無節エンドレス紐体9がゴム製のVベルトにより構成されていることから、案内ローラ10・11が無節エンドレス紐体9に当接して回転接触を続けると摩擦力によりゴム製のVベルトが摩耗してゴム粉末を発生させてしまう問題がある。このゴム粉末が発生するという問題は、搬送物が食品に関するものである場合、より問題となる。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ゴム粉末が発生するのを防止・抑制することができるカーブベルトコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の発明に係るカーブベルトコンベアは、第1巻き掛け部材と第2巻き掛け部材と、前記第1巻き掛け部材と前記第2巻き掛け部材の間に巻き掛けられることで平面視扇形状になる搬送ベルトと、前記搬送ベルトの外周縁に沿って周回する平ベルト状部材と、前記平ベルト状部材に縫合されており、上下両面に突条部分を有する熱可塑性樹脂製のガイド部材と、前記ガイド部材が縫合された前記平ベルト状部材が巻き掛けられる駆動プーリ及び従動プーリと、前記ガイド部材の突条部分を上下各々から当接するように設けられた複数のガイドローラと、前記搬送ベルトと前記平ベルト状部材とを連結する複数のバネ部材と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記のカーブベルトコンベヤは、複数のガイドローラと当接する平ベルト状部材に縫合されたガイド部材の突条部分が熱可塑性樹脂製であり、しかも、搬送ベルトと平ベルト状部材とを連結する複数のバネ部材を備えた構成をしている。これによれば、ガイド部材の突条部分が熱可塑性樹脂製であるため、このガイド部材の突条部分が複数のガイドローラと当接したとしても摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。更に、搬送ベルトと平ベルト状部材とを連結する複数のバネ部材を備えているため、複数のバネ部材が搬送ベルトと平ベルト状部材との間の挙動の違いを吸収することにより、ガイド部材の突条部分と複数のガイドローラとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【0010】
また、第2の発明に係るカーブベルトコンベヤは、前記ガイド部材に使用される熱可塑性樹脂が、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかであることを特徴としている。
【0011】
上記のカーブベルトコンベヤにおいて、ガイド部材に使用する熱可塑性樹脂を、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかとすることにより、比較的安価、且つ、加工が容易となる。
【0012】
また、第3の発明に係るカーブベルトコンベヤは、前記駆動プーリ及び従動プーリの外周面に、前記ガイド部材の突条部分が嵌合する溝が設けられていることを特徴としている。
【0013】
上記のカーブベルトコンベヤでは、駆動プーリ及び従動プーリの外周面に、ガイド部材の突条部分と嵌合する溝が設けられているため、平ベルト状部材が駆動プーリ又は従動プーリからスリップしてずれてしまうのを防ぐことができる。すなわち、平ベルト状部材が駆動プーリ又は従動プーリからスリップしてずれることを防止することにより、平ベルト状部材に縫合されたガイド部材の突条部分と複数のガイドローラとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【0014】
また、第4の発明に係るカーブベルトコンベヤは、前記駆動プーリ及び従動プーリの外周面に、スリップ防止剤が塗布されていることを特徴としている。
【0015】
上記のカーブベルトコンベヤでは、駆動プーリ及び従動プーリの外周面に、スリップ防止剤を塗布することにより、平ベルト状部材が駆動プーリ又は従動プーリからスリップしてずれてしまうのを防ぐことができる。すなわち、平ベルト状部材が駆動プーリ又は従動プーリからスリップしてずれることを防止することにより、平ベルト状部材に縫合されたガイド部材の突条部分と複数のガイドローラとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記発明によれば、カーブベルトコンベヤを使用するに際して、樹脂粉末(ゴム粉末)が発生するのを防止・抑制することができるカーブベルトコンベヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るカーブベルトコンベヤの斜視図である。
【図2】図1の斜視図に示したカーブベルトコンベヤのX―X´断面図である。
【図3】図1の斜視図に示したカーブベルトコンベヤのY―Y´断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1に示すように、本実施形態に係るカーブベルトコンベヤ1は、図示しない他のベルトコンベア等から搬入路Iにおいて搬送物Wを受け取り、受け取った搬送物Wを搬出路Oに向かって曲線方向Cに搬送して、搬送物Wを図示しない他のベルトコンベア等に受け渡すために使用される。
【0019】
(カーブベルトコンベヤ1の構成)
カーブベルトコンベヤ1は、図1、図2及び図3に示すように、搬入路I側に設けられた第1巻き掛け部材2と搬出路O側に設けられた第2巻き掛け部材3と、第1巻き掛け部材2と第2巻き掛け部材3との間に巻き掛けられることで平面視扇形状になる搬送ベルト4と、搬送ベルト4の外周縁4aに沿って周回する平ベルト状部材5と、平ベルト状部材5に縫合されており、その上下両面に突条部分6a・6bを有するガイド部材6と、ガイド部材6が縫合された平ベルト状部材5が巻き掛けられる駆動プーリ7及び従動プーリ8と、ガイド部材6の突条部分6a・6bを上下各々から当接するように設けられた複数のガイドローラ9と、搬送ベルト4と平ベルト状部材5とを連結する複数のバネ部材10とを備えている。なお、このカーブベルトコンベヤ1は、床上に設置される基台11の上に設けられている。
【0020】
第1巻き掛け部材2は、2つのフリーローラシャフト2a・2bから構成されている。また、同様に、第2巻き掛け部材3も、2つのフリーローラシャフト3a・3bから構成されている。フリーローラシャフト3aは、図1に示されるように、その中心の延長線B1がフリーローラシャフト2aの中心の延長線B2と交差することにより、フリーローラシャフト2aとは開き角度90度で開かれている。なお、開き角度は、便宜搬送経路により設計変更が可能である。
【0021】
更に、フリーローラシャフト2a・2b及びフリーローラシャフト3a・3bは、それぞれのシャフトに3つの独立したフリーローラを備えており、それぞれのフリーローラは独立して回転可能とされている。それぞれのフリーローラが独立して回転しうるように形成されているため、搬送ベルト4の外周縁4a側に位置するフリーローラと搬送ベルト4の内周縁4b側に位置するフリーローラとは異なる速度で回転することが可能となる。すなわち、搬送ベルト4が略扇形状をなすことによって、外周縁4aと内周縁4bとがその半径比に応じて異なる速度で走行する搬送ベルト4を、3つの独立したフリーローラからなるフリーローラシャフト2a・2b及びフリーローラシャフト3a・3bに巻き掛けることによって、実質的な滑りが生じることがなく、フリーローラシャフト2a・2b(第1巻き掛け部材2)とフリーローラシャフト3a・3b(第2巻き掛け部材3)との間を安定して周回走行させることができる。
【0022】
搬送ベルト4は、円錘面状に巻き上げることにより平面視扇形状になるように形成される。搬送ベルト4は、均等な厚さを有するシートであり、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等からなる芯体帆布に、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を含浸させて補強されている。なお、搬送ベルト4の外周縁4a近傍には、後述するバネ部材10を係合する係止孔31が外周縁4aに沿って複数設けられている。
【0023】
また、図1及び図3に示されるように、第1巻き掛け部材2及び第2巻き掛け部材3の軸方向外側にそれぞれ駆動プーリ7及び従動プーリ8が設けられている。駆動プーリ7は、外の枠材21に固定された軸受体22によって支持されかつ第1巻き掛け部材2のフリーローラシャフト2a・2bと同じ向きに向く軸23に装着されている。この軸23と、モーター等の回転駆動機24の出力軸との間には、Vベルト伝導機構などの伝動具25が設けられている。これにより、回転駆動機24を駆動することによって、駆動プーリ7を回転させることができる。また、駆動プーリ7の外周面には、凹状の溝7aが周設されている。
【0024】
従動プーリ8も駆動プーリ7と同様に、第2巻き掛け部材3のフリーローラシャフト3a・3bと同じ向きに向く軸に外嵌されている。この軸は伝動具25とは係合せず自由に回転できる。また、従動プーリ8の外周面にも、凹状の溝8aが周設されている。また、これらの駆動プーリ7及び従動プーリ8は、搬送ベルト4の外周縁4aとは距離を隔てて配されている。
【0025】
なお、駆動プーリ7及び従動プーリ8の外周面に、ポリウレタン樹脂等からなるスリップ防止剤を塗布してもよい。
【0026】
平ベルト状部材5は、平ベルトであり、本実施形態では搬送ベルト4と同じ材料が使用されている。即ち、平ベルト状部材5は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等からなる芯体帆布に、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を含浸させて補強されている。なお、平ベルト状部材5の内周縁5b近傍には、後述するバネ部材10を係合する係止孔32が内周縁5bに沿って複数設けられている。
【0027】
また、図2に示すように、平ベルト状部材5には、ガイド部材6が平ベルト状部材5の外周縁5aに全周にわたって糸によって縫合されることにより取付けられている。そして、ガイド部材6は、平ベルト状部材5の上下両面に断面突条に形成された一対の突条部分6a・6bを有しており、全体が略断面U字状を呈するように形成されている。なお、突条部分6a・6bの内側の傾斜面は後述するガイドローラ9a・9bの外周面と当接した際に、ガイドローラ9a・9bの外周面に対応するような傾斜面と角度をもつように形成されている。更に、ガイド部材6の材料としては、熱可塑性樹脂が使用される。とりわけ、ガイド部材6の材料としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0028】
このようにガイド部材6が取り付けられた平ベルト状部材5が、駆動プーリ7及び従動プーリ8に巻き掛けられる。その際、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6bが駆動プーリ7及び従動プーリ8の外周面にそれぞれ周設された溝7a・8aに嵌合するように、平ベルト状部材5が駆動プーリ7及び従動プーリ8に巻き掛けられる。
【0029】
ガイドローラ9は、図2に示すように、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6aと当接してガイドするガイドローラ9aと、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6bと当接してガイドするガイドローラ9bとを含んでいる。また、図1に示されるように、ガイドローラ9は平ベルト状部材5が搬送ベルト4と距離を隔てて周回できるよう位置決めされ、かつ搬送方向に所定のピッチを隔てて並置される。従って、平ベルト状部材5は、ガイドローラ9の案内によって、搬送ベルト4の外周縁4aから外方に離れた位置でかつ外周縁4aに沿って湾曲しつつ周回する。
【0030】
バネ部材10は、その両端に引っ掛け用のフック10a・10bが設けられた引張りコイルばねからなり、その一端側のフック10aは、搬送ベルト4の外周縁4a近傍に設けられた係止孔31に遊嵌状態で係止される。また、バネ部材10の他端側のフック10bは、平ベルト状部材5の内周縁5b近傍に設けられた係止孔32に遊嵌状態で係止される。また、係止孔31及び係止孔32の損傷を防止するために、係止孔31及び係止孔32には、金属製の保護リングが内挿されている。これにより、搬送ベルト4の外周縁4aと平ベルト状部材5の内周縁5bとの間には、多数のバネ部材10が架け渡されることになり、搬送ベルト4は、周回走行する平ベルト状部材5に牽引されて第1巻き掛け部材2と第2巻き掛け部材3との間を周回することができるようになる。なお、図2に示すように、搬送ベルト4と平ベルト状部材5とが平面視で同一平面上にはなく、平ベルト状部材5は搬送ベルト4に比べて内側に寄った配置をしている。このため、バネ部材10は搬送ベルト4の係止孔31から平ベルト状部材5の係止孔32に向けて傾いた構造をしている。こうすることにより、搬送ベルト4を第1巻き掛け部材2と第2巻き掛け部材3に密着させて、安定して周回走行をさせることができる。
【0031】
基台11は、図1に示されるように、主にカーブベルトコンベヤ1を支える4本の脚片11a・11b・11c・11dを有し、この4本の脚片11a・11b・11c・11dを継ぐ5本の中間材11e・11f・11g・11h・11iが配設されることにより補強されている。なお、脚片11cには、スイッチ装置28が設けられている。このスイッチ装置28がONされた場合に、外部から電力を回転駆動機24に供給する。
【0032】
(カーブベルトコンベヤ1の動作)
次に、カーブベルトコンベヤ1の動作について説明する。
まず、スイッチ装置28がONにされると、回転駆動機24が回転し、伝動具25を介して、駆動プーリ7が回転する。
【0033】
駆動プーリ7が回転すると、駆動プーリ7及び従動プーリ8に巻き掛けられた平ベルト状部材5が周回走行を始める。その際、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6a・6bが、ガイドローラ9a・9bにそれぞれ当接して案内されることによって、ガイド部材6が縫合された平ベルト状部材5が、駆動プーリ7及び従動プーリ8間を湾曲しつつ周回走行する。
【0034】
駆動プーリ7及び従動プーリ8に巻き掛けられた平ベルト状部材5が周回走行を始めると、搬送ベルト4の外周縁4aに設けられた係止孔31と平ベルト状部材5の内周縁5bに設けられた係止孔32との間に多数のバネ部材10が架け渡されているため、搬送ベルト4は、周回走行する平ベルト状部材5に牽引されて第1巻き掛け部材2と第2巻き掛け部材3との間を周回走行する。なお、搬送ベルト4が略扇形状をなすことによって、外周縁4aと内周縁4bとがその半径比に応じて異なる速度で周回走行する搬送ベルト4を、3つの独立したフリーローラからなるフリーローラシャフト2a・2b(第1巻き掛け部材2)及びフリーローラシャフト3a・3b(第2巻き掛け部材3)に巻き掛けているため、実質的な滑りが生じることがなく、フリーローラシャフト2a・2b(第1巻き掛け部材2)とフリーローラシャフト3a・3b(第2巻き掛け部材3)との間を安定して周回走行させることができる。
【0035】
そして、上記のように動作するカーブベルトコンベヤ1を使用して、図示しない他のベルトコンベア等から搬入路Iにおいて搬送物Wを搬送ベルト4上で受け取り、受け取った搬送物Wを搬出路Oに向かって曲線方向Cに搬送して、搬送物Wを図示しない他のベルトコンベア等に受け渡すことができる。
【0036】
上記で説明したカーブベルトコンベヤ1は、複数のガイドローラ9a・9bと当接する平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6a・6bが熱可塑性樹脂製であり、しかも、搬送ベルト4と平ベルト状部材5とを連結する複数のバネ部材10を備えた構成をしている。これによれば、ガイド部材6の突条部分6a・6bが熱可塑性樹脂製であるため、ガイド部材6の突条部分6a・6bが複数のガイドローラ9a・9bと当接したとしてもゴム製のものに比べて摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。更に、搬送ベルト4と平ベルト状部材5とを連結する複数のバネ部材10を備えているため、複数のバネ部材10が搬送ベルト4と平ベルト状部材5との間の挙動の違いを吸収することにより、ガイド部材6の突条部分6a・6bと複数のガイドローラ9a・9bとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【0037】
また、ガイド部材6に使用する熱可塑性樹脂を、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかとすることにより、比較的安価、且つ、加工が容易となる。
【0038】
また、上記のカーブベルトコンベヤ1では、駆動プーリ7及び従動プーリ8の外周面に、ガイド部材6の突条部分6bと嵌合する溝7a・8aが設けられているため、平ベルト状部材5が駆動プーリ7又は従動プーリ8からスリップしてずれてしまうのを防ぐことができる。すなわち、平ベルト状部材5が駆動プーリ7又は従動プーリ8からスリップしてずれることを防止することにより、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6a・6bと複数のガイドローラ9a・9bとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【0039】
また、上記のカーブベルトコンベヤ1では、駆動プーリ7及び従動プーリ8の外周面に、スリップ防止剤を塗布することにより、平ベルト状部材5が駆動プーリ7又は従動プーリ8からスリップしてずれてしまうのを防ぐことができる。すなわち、平ベルト状部材5が駆動プーリ7又は従動プーリ8からスリップしてずれることを防止することにより、平ベルト状部材5に縫合されたガイド部材6の突条部分6a・6bと複数のガイドローラ9a・9bとが当接した際の摩擦力が過度に上がるのを防止して、摩擦による樹脂粉末を出にくくすることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【0041】
例えば、本実施形態では、ガイド部材6に使用する材料を、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかとしているが、これに限らず、摩擦抵抗が比較的小さい超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を使用してもよい。
【0042】
また、ガイドローラ9a・9bの表面を、たとえばフッ素系樹脂などによる比較的硬度の低い材質でコーティングしてもよい。この場合、ガイド部材6を縫合した平ベルト状部材5に対する傷つきを効果的に防止することができる。
【0043】
また、本実施形態では、搬送ベルト4、平ベルト状部材5、ガイド部材6の材料として、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の樹脂を挙げているが、この中から一つの材料を選択して、それを搬送ベルト4、平ベルト状部材5、ガイド部材6の共通の材料として使用してもよい。この場合、使用する材料を統一しているためコスト削減が可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 カーブベルトコンベヤ
2 第1巻き掛け部材
3 第2巻き掛け部材
4 搬送ベルト
4a 外周縁
5 平ベルト状部材
6 ガイド部材
6a・6b 突条部分
7 駆動プーリ
7a 溝
8 従動プーリ
8a 溝
9a・9b ガイドローラ
10 バネ部材
C 曲線方向
I 搬入路
O 搬出路
W 搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1巻き掛け部材と第2巻き掛け部材と、
前記第1巻き掛け部材と前記第2巻き掛け部材の間に巻き掛けられることで平面視扇形状になる搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの外周縁に沿って周回する平ベルト状部材と、
前記平ベルト状部材に縫合されており、上下両面に突条部分を有する熱可塑性樹脂製のガイド部材と、
前記ガイド部材が縫合された前記平ベルト状部材が巻き掛けられる駆動プーリ及び従動プーリと、
前記ガイド部材の突条部分を上下各々から当接するように設けられた複数のガイドローラと、
前記搬送ベルトと前記平ベルト状部材とを連結する複数のバネ部材と、
を備えたことを特徴とするカーブベルトコンベヤ。
【請求項2】
前記ガイド部材に使用される熱可塑性樹脂は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のカーブベルトコンベヤ。
【請求項3】
前記駆動プーリ及び従動プーリの外周面には、前記ガイド部材の突条部分が嵌合する溝が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーブベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記駆動プーリ及び従動プーリの外周面には、スリップ防止剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のカーブベルトコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−251779(P2011−251779A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124519(P2010−124519)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】