説明

カーボンナノチューブ複合材

【課題】CNTの導入量を低減して高分子材の性状を維持し、かつ、CNTによる補強効果を十分に発現する。
【解決手段】繊維状に分散した複数のカーボンナノチューブが、その表面に点在するカルボキシル基によりイソシアネート基に引き寄せられて、互いに三次元網目構造の形態に結合し、高分子材または有機溶媒が前記カーボンナノチューブの前記三次元網目構造内にマトリクスとして取り込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブと高分子材とが複合したカーボンナノチューブ複合材(以下、CNT複合材という。)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CNTを樹脂や繊維に代表される極めて分子量が大きい、一般には10000以上である高分子材に複合した複合材は、CNTが高いアスペクト比を有するので、その強度を補強する効果を期待することができるはずである。なお、高分子材は、袋、食品の容器、CD,MDのディスク、インク、接着剤、断熱材、コンタクトレンズ、自動車、家電製品、ボトル、ゴム、タイヤ、フィルム、ラップ、繊維、フライパンのコーティングなどの用途に利用される。
【0003】
しかしながら、従来のこうした複合材には、CNTによる補強の効果を発現することができていないのが現状であった。
【0004】
その原因に関して本発明者らは以下のように研究した。
【0005】
まず、第1に、CNTと高分子材との相互作用の点であるが、高分子材とCNTとの結合が不十分であるために、例えばその複合材に対して引張試験を行うと、複合材の断面にCNTが露出して、いわゆるCNTが複合材から「すっぽ抜け」する状態となり、CNTによる補強効果を得ることができない。これを図7(a)に示す。図7(a)で示すように、高分子材であるポリウレタン樹脂10にCNT11が投入されて複合されている。しかし、ポリウレタン樹脂10とCNT11との結合が不十分である。
【0006】
そして、一方、高分子材とCNTとの結合力を強くするために、図7(b)で示すように、CNT11の導入量を増やすと、高分子材であるポリウレタン樹脂10が本来有する性状、例えば柔軟性が損なわれ硬くなってしまう。
【0007】
第2には、CNT自体が、凝集し易く、束構造ないしは粒状になって見掛け上のアスペクト比が小さくなるために、CNTが有する補強効果を発現できなくなる。
【0008】
なお、CNT複合材の技術分野において以下の特許文献を示す。特許文献1には、樹脂材料本来の加工性、成形性を損なわずに、優れた引張応力を示す樹脂複合材料として、樹脂マトリクスにフラーレン類を複合した技術が記載されている。特許文献2には、CNTが樹脂内部に分散しているポリウレタンシートとその製造方法の技術が記載されている。特許文献3には、電圧に対する抵抗値依存性が低いCNT複合材料の技術が記載されている。特許文献4には、CNT等と溶媒とを含むCNT分散液の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−222939号公報
【特許文献2】特開2008−1866号公報
【特許文献3】特開2010−248383号公報
【特許文献4】WO2008/136347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明においては、CNTの導入量を低減して高分子材の性状を維持できるようにし、かつ、CNTの導入量が低減してもCNTによる補強効果を十分に発現できるCNT複合材を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるCNT複合材は、繊維状に分散した複数のカーボンナノチューブが、その表面に点在するカルボキシル基(COOH基)によりイソシアネート基に引き寄せられて、互いに三次元網目構造の形態に結合し、高分子材が前記カーボンナノチューブの前記三次元網目構造内にマトリクスとして取り込まれている、ことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の一態様として、前記複数のCNTは、いずれかのCNTのカルボキシル基が、ポリイソシアネートの一方のイソシアネート基に引き寄せられ、別のいずれかのCNTのカルボキシル基が前記ポリイソシアネートの他方のイソシアネート基に引き寄せられることで、前記三次元網目構造の形態に結合しているものと考えられる。
【0013】
本発明の一態様として、前記マトリクスは、固体状のポリウレタン樹脂である。
【0014】
本発明の一態様として、前記マトリクスは、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ポリオールがある。このマトリクスは、ポリイソシアネートとの間でカルボキシル基よりも急速に反応が進行しないことで、カーボンナノチューブの分散を維持できるものが好ましい。
【0015】
前記ポリイソシアネートは、イソシアネート基が2つ以上有するものであり、その一例としてジイソシアネートがある。
【発明の効果】
【0016】
本発明のCNT複合材は、複数のCNTが繊維状に分散した状態で、かつ、互いにイソシアネート基を媒介して三次元網目構造の形態に結合した状態にあり、その三次元網目構造内に高分子材または有機溶媒がマトリクスとして取り込んだ構造になっているので、CNTは、その導入量が少なくても、高分子材の性状を維持しつつ高分子材の補強効果を十分に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明のCNT複合材の概念図である。
【図2】図2(a)は、CNT分散ポリオール液の概念図、図2(b)はジイソシアネート添加によるゲル状CNT複合材の概念図である。
【図3】図3は、本発明のCNT複合材の製造工程図である。
【図4】図4は、単離分散したCNTのSEM写真図である。
【図5】図5は、ポリウレタン樹脂と本発明のCNT複合ポリウレタン樹脂の基本物性評価を示す図である。
【図6】図6は、既存のポリウレタン樹脂と本発明のCNT複合ポリウレタン樹脂との伸びに対する応力の関係を示す図である。
【図7】図7(a)は、既存のCNT複合ポリウレタン樹脂の概念構成図、図7(b)は、図7(a)よりCNT複合量が増加したCNT複合ポリウレタン樹脂の概念構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係るCNT複合材を説明する。
【0019】
図1を参照して一実施形態のCNT複合材1は、表面にカルボキシル基(COOH基)を有する複数のCNT2が繊維状に分散している。この分散は、部分的に凝集している部分があっても全体として分散している場合を含む。均等ないしはほぼ均等に分散していることが好ましいが、これに限定されるものではない。CNT複合材として所期の性能を得ることができる程度にCNT2が分散しているとよい。各CNT2は、それぞれのカルボキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基とウレタン結合することにより、あるいは、ウレタン結合しなくてもイソシアネート基に引き寄せられることにより、図中○印Aで示すように、複数のCNT2が、図面では図解上は二次元的に表現されているが、三次元網目構造(三次元ネットワーク)の形態に結合している。各CNT2の三次元網目構造内に、マトリクスとして高分子材3が取り込まれる。本明細書での高分子材とは分子量が10000程度以上の分子からなる材料と定義できるものであり、実施形態で、高分子材3は、特に限定せず、炭素を骨格とする有機や、珪素を骨格とする無機を問わない。前記マトリクスは、有機溶媒であってもよい。
【0020】
本発明のCNT複合材で使用するCNTとしては、例えば特開2007−126311号公報に記載されているような熱CVD法を用いて基板上にアルミ、鉄からなる触媒膜を成膜し、CNTの成長のための触媒金属を微粒子化し、加熱雰囲気中で炭化水素ガスを触媒金属に接触させることにより製造したものを用いる。アーク放電法、レーザ蒸発法などその他の製造方法により得たCNTを使用することも可能であるが、CNT以外の不純物を極力含まないものを使用することが好ましい。この不純物についてはCNTを製造した後、不活性ガス中での高温アニールにより除去してもかまわない。この製造例で製造したCNTは、数100μmから数mmまでの長さに直線的に配向した状態で成長させたもので、通常のものよりも高いアスペクト比を保持する。CNTは単層CNT、多層CNTを問わないが、好ましくは、多層CNTである。
【0021】
こうしたCNT複合材の製造に当たっては、CNTは、単離分散した状態のCNT分散液を用いる。単離分散とは、CNTが1本ずつ物理的に分離して絡み合っていない状態で溶液中に分散している状態を言う。またCNTの前記単離分散とその表面に官能基であるカルボキシル基付与のため酸液中で超音波処理すると、CNTは、数μm程度の長さに切断されるが、一般的なCNTよりも高いアスペクト比を有している。
【0022】
本発明に用いたCNTの直径は、5〜30nmであり、その超音波処理後のアスペクト比は5〜2000である。より好ましくは、50〜2000、最も好ましい状態は150〜1000である。アスペクト比が小さすぎるとCNTが網目構造を形成することが困難になり、大きすぎると絡まりあって十分な分散状態を維持できない。
【0023】
次いで、カルボキシル基付きのCNTを溶媒中で一旦、分散し、2個以上の水酸基を持つポリオールに混合し、CNTが単離分散されたCNT分散ポリオール溶液を得る。
【0024】
この状態を図2(a)に示す。図2(a)は、CNT4がポリオール5中に単離分散しているポリオール溶液6を示す。そして、このCNTポリオール溶液6に2個以上のイソシアネート基(NCO基)をもつジイソシアネート(ポリイソシアネートの一例)を添加すると、ポリオールの水酸基とジイソシアネートのイソシアネート基とがウレタン結合すると共に、CNT表面のカルボキシル基とジイソシアネートのもう1つのイソシアネート基とがウレタン結合するか、または、CNT表面のカルボキシル基とジイソシアネートのイソシアネート基とがウレタン結合すると共に、近接する他のCNT表面のカルボキシル基とジイソシアネートのもう1つのイソシアネート基とがウレタン結合るすか、ウレタン結合しないまででも、CNT表面のカルボキシル基はジイソシアネートの他方のイソシアネート基に引き寄せられる。
【0025】
その結果、図2(b)で示すように、CNT4が○印Bで示すように三次元網目構造に結合し、これにより、CNT4の三次元網目構造内にポリオールが取り込まれるために、全体はゲル状のCNT複合材7となる。なお、本発明は前記ゲル状のCNT複合材7に限定されず、固体状のCNT複合材も含む。
【実施例】
【0026】
次に、前記のようなCNT複合材の製造例を説明する。
【0027】
この製造例では、ポリウレタン樹脂シートの製造の一例としている。この製造工程は、図3で示すように、CNT単離分散液、CNT/ポリオール分散液、ウレタンプレポリマー液、ポリウレタン液、CNT複合ポリウレタン樹脂シートの5工程がある。
【0028】
(1)CNT単離分散液の工程
この工程は、CNT複合材を製造する際には、凝集しやすいCNTが前記定義した状態に単離分散した溶液を製造する工程である。CNTを通常の分散ではなく、単離分散とするのは、CNTが多くの表面積を有することで、少量でも多くの反応点を保有可能となるためによる。さらに、通常市販されているCNTは、透過型電子顕微鏡等でその1つ1つを観察すると、複雑に絡まりあった粉粒体形状であるが、本発明で用いている単離分散CNTは、繊維形状であることも特徴の1つであり、繊維形状であるために、図1とか図2で示すような架橋構造を効率的に形成することが可能となっている。
【0029】
1a.未処理のCNT80mgをビーカーに入れ、混酸240ml(硝酸60ml、硫酸180ml)を加えた後、1時間静置する。
【0030】
この1aの処理は、CNTと処理液である混酸とをよくなじませ、その後の超音波処理でCNTの分散の均一化を図るためである。この結果、CNTは、各種溶媒に対して分散性が向上する。
【0031】
1b.次いで、前記1aのビーカーをPTFE攪拌棒(羽根付き)で毎分200回転攪拌しながら、バス式超音波洗浄機(アズワン製USD−2R)を用いて2時間分散させる。
【0032】
この1bの処理により、前記混酸中のCNTは、1本1本に単離分散した状態となる。この超音波処理により、CNT表面には、官能基としてカルボキシル基が形成される。
【0033】
1c.前記1bで得られた処理液を純水500mlで希釈した後、デカンテーションによりCNT凝集物リッチの処理液を得る。
【0034】
1d.前記1cで得られた処理液をフィルタにより、ろ過する。
【0035】
1e.前記1dでフィルタ上に得られたCNTを純水中に浸漬を繰り返し、CNTを洗浄する。
【0036】
1f.前記1eで得られた処理済みのCNTを塩化カルシウムが入ったデシケータ中で減圧乾燥を24時間行う。
【0037】
1g.前記1fで得られた前処理CNT10mgをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)10mlに加え、バス式超音波洗浄機を用いて分散させ、CNT単離分散液を得る。ここで、極性溶媒N,N-ジメチルホルムアミドに変えてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を使用してもよい。
【0038】
(2)CNT/ポリオール分散液の製造工程
次に、前記(1)で得られたCNT単離分散液10mlにポリオール(保土ケ谷化学製PTG650)5gを加えて混合した後、エバポレータで溶媒を減圧留去し、CNT/ポリオール分散液を得る。
【0039】
このCNT/ポリオール分散液を図4(a)(b)のSEM写真に示す。図4(a)(b)は倍率が異なるだけで、同じCNT/ポリオール分散液においてCNTが前記定義した状態に単離分散している状態を示す。これらSEM写真に示すように、CNTは均一に単離分散されていることが判る。
【0040】
(3)ウレタンプレポリマー液の製造工程
次に、前記(2)で得られたCNT/ポリオール分散液にジイソシアネートを加えて80℃にて2.5時間攪拌し、ウレタンプレポリマー液を得る。
【0041】
(4)ポリウレタン液の製造工程
次に、前記(3)で得られたウレタンプレポリマー液に鎖延長剤である1,4ブタンジオールを加えて、ポリウレタン液を得る。
【0042】
(5)CNT複合ポリウレタン樹脂シートの製造工程
次に、前記(4)で得られたポリウレタン液を80℃にて、シート状に成型して、CNT複合のポリウレタン樹脂シートを得た。
【0043】
ここで、本実施形態では、CNTが0wt%で複合していない通常のポリウレタン樹脂シート(既存シート)と、CNTが0.1wt%で複合された本発明のポリウレタン樹脂シート(本発明シート)との基本物性を図5の基本物性比較表で比較して示し、伸びに対する応力の関係を図6で比較して示す。
【0044】
図5の基本物性比較に示すように、ポリオール種は、既存シートと本発明シートは、共に、同じPTG650である。また、組成比は、既存シートと本発明シートは、共に、ポリオール(PO):ジイソシアネート(NCO):1,4ブタンジオール(BD)は共に、1:2:1である。このときの分子量は、共に、約85000であった。
【0045】
また、既存シートはシート表面硬度89であるのに対して、本発明シートはシート表面硬度94であった。
【0046】
さらに、前記物性の変化から、図6に示す横軸の伸び(%)対縦軸の応力(MPa)については、既存シートのグラフAと、本発明シートのグラフBとを比較して明らかであるように、低伸張領域における伸びと応力の傾きから得られるヤング率が、既存シートより本発明シートの方が、大きくなることが確認できた。
【0047】
また、本発明のシートにおいては、破断直前に応力が上昇しており、最終的に既存のシートから応力が30%向上している。
【0048】
このように物性が変化することは、実用的には、既存シートよりも本発明シートの方が多少の力では変形しにくいが、継続的に力が加えられた場合は、切断されずに変形に追従して切れにくいという利点を示している。
【0049】
以上から、本実施形態では、CNTが複合されないポリウレタン樹脂シートとCNTが複合されたポリウレタン樹脂シートとを比較して本発明では、CNTを複合すると、その補強効果があることが確認された。しかし、この場合、CNTが複合されていないポリウレタン樹脂シートとの比較であった。
【0050】
これに対して、高分子材中にCNTを共に複合化した従来のCNT複合材(CNT表面には、官能基としてカルボキシル基が形成されていない)と、本発明のCNT複合材とを比較する。
【0051】
まず、従来のCNT複合材では、引張試験を行うと、複合材の断面にCNTが露出して、いわゆるCNTが複合材から「すっぽ抜け」する状態となり、CNTによる補強効果を期待することができなかった。
【0052】
これに対して、本発明では、前記引張試験から判るように、CNTが複合材から「すっぽ抜け」することがなくなり、CNTによる補強効果を得ることができる。
【0053】
さらに、従来のCNT複合材では、高分子材とCNTとの結合力を強くするために、CNTの導入量を増やす必要があり、そのため高分子材が本来有する性状、例えばポリウレタン樹脂であればその基本物性である柔軟性が損なわれ硬くなってしまう。
【0054】
これに対して本発明では、CNTの導入量は0.1wt%と少なくて済み、高分子材が本来有する性状が損なわれずに済む。
【0055】
これは、本発明では、CNT自体が、従来のように凝集し、束構造ないしは粒状になって見掛け上のアスペクト比が小さくならず、繊維状に分散した状態で、互いの点在するカルボキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に引き寄せられ、これにより複数のCNTがイソシアネート基を媒介して三次元網目構造の形態に結合し、その三次元網目構造内に高分子材がマトリクスとして取り込まれて、高分子材は本来有する性状を発現できるからである。結果として、本発明では、CNTが有する補強効果を十分に発現することができるようになった。
【0056】
なお、本発明のCNT複合材では、マトリクスとして高分子材であったが、有機溶媒をマトリクスとして取り込んだ場合、ゲル状であるため、組成物を塗布や印刷の工程に適用することが可能となる。
【0057】
また、特開2004−142972号公報の段落[0025]で述べられているゲルでは、マトリクスが完全に乾燥した際に、CNTが空中に飛散してしまうおそれがある。これに対して本発明のように有機溶媒をマトリクスとして取り込んだ場合では、ゲル状であるために、CNTが空中に飛散するようなおそれはない。
【符号の説明】
【0058】
1、7 CNT複合材
2、4 CNT
3 高分子材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状に分散した複数のカーボンナノチューブ(CNT)が、その表面に点在するカルボキシル基によりイソシアネート基に引き寄せられて、互いに三次元網目構造の形態に結合し、高分子材または有機溶媒が前記CNTの前記三次元網目構造内にマトリクスとして取り込まれている、ことを特徴とするCNT複合材。
【請求項2】
前記複数のCNTは、いずれかのCNTのカルボキシル基が、ポリイソシアネートの一方のイソシアネート基に引き寄せられ、別のいずれかのCNTのカルボキシル基が前記ポリイソシアネートの他方のイソシアネート基に引き寄せられることで、前記三次元網目構造の形態に結合している、請求項1に記載のCNT複合材。
【請求項3】
前記高分子材が、ポリウレタン樹脂である、請求項1または2に記載のCNT複合材。
【請求項4】
前記有機溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ポリオールの少なくとも何れか一つである、請求項1に記載のCNT複合材。
【請求項5】
前記ポリイソシアネートは、イソシアネート基を複数有するジイソシアネートである、請求項1ないし4のいずれかに記載のCNT複合材。
【請求項6】
前記CNTのアスペクト比が、5〜2000である、請求項1ないし5のいずれかに記載のCNT複合材。
【請求項7】
CNTが単離分散したCNT単離分散液を製造する第1工程と、
前記第1工程で得られたCNT単離分散液にポリオールを加えて混合して、CNT/ポリオール分散液を得る第2工程と、
前記第2工程で得られたCNT/ポリオール分散液にジイソシアネートを加えて、ウレタンプレポリマー液を得る第3工程と、
前記第3工程で得られたウレタンプレポリマー液に鎖延長剤を加えて、ポリウレタン液を得る第4工程と、
前記第4工程で得られたポリウレタン液から、CNTが複合したポリウレタン樹脂シートを得る第5工程と、
を含むことを特徴とするCNT複合材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−95867(P2013−95867A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240908(P2011−240908)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】