カーボンナノチューブ電界放出カソードのための硬化バインダー材料
無機ポリマーのバインダー材料がカーボンナノチューブペーストの形成のために用いられる。前記材料は200℃で硬化され、最大で500℃の温度安定性を有している。前記バインダー材料の低いガス放出は長寿命の電界放出素子に対してよい対象物となる。前記バインダー材料の優れた粘着力により、液状からの強い粘着性の剥離可能なポリマーは、表面上で均一な接触及び圧力によって一様な活性化を達成するためにカーボンナノチューブカソード上に塗布される。剥離可能なポリマーフィルムは、リソグラフィ工程を用いて電界放出素子のための高解像度でパターン化されたカーボンナノチューブカソードを製造するために、活性層及びマスク層として用いられてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に電界放出素子、より具体的には電界放出のためのカーボンナノチューブの利用に関連している。
【背景技術】
【0002】
本願は米国仮出願第60/755,978号の優先権を主張する。
【0003】
カーボンナノチューブ(CNTs)は電界放出ディスプレイ(FEDs)のためのコールドカソード材として期待できる研究の対象物である。
【0004】
カーボンナノチューブ電界放出ディスプレイ(CNT FED)は低コストな印刷技術を用いて加工されることが可能なため、液晶ディスプレイ(LCDs)やプラズマディスプレイパネル(PDPs)のような現在のフラットパネルディスプレイのタイプと競争関係になるだろう。カソード感度一様性(cathode uniformity)はカーボンナノチューブ電界放出ディスプレイの商業化に対して重大な要因となる。電界放出一様性の主な論点はカーボンナノチューブの均一分散、カーボンナノチューブの画素の物理的サイズの均一性、カソードの活性化均一性(これは印刷されたCNTカソードのほとんどが粘着性テープ、ローラー、サンドブラスト等で活性化される必要があるためである)である。活性化工程は、印加された電場への応答においてカーボンナノチューブを上に立たせるため、カーボンナノチューブを上方へ持ち上げるか、またはバインダーからカーボンナノチューブを解放することができる。
【0005】
その一方で、三極管構造における数十μmの深いキャビティに堆積されたカーボンナノチューブカソードに対して、現在の活性化工程は平坦な表面上のカーボンナノチューブカソードと同様の、均一な活性化効果を有していない。均一な活性化を有するために、一様圧力及び活性化物質からカーボンナノチューブカソードの表面への物理的に一様な接触は、一様な電界放出カソードを得るために非常に重要である。しかし、三極管の深いキャビティにより、活性化物質は一様な圧力でCNTカソードの表面に一様に触れないため、電界放出の非一様性に結びつく。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0129858A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0242344号明細書
【非特許文献1】Jae‐Hong Park,et al.Asian Display/IMID’04 Digest,468,2004
【非特許文献2】J.D.Romero,M.Khan,H.Fatemi,and J.Turlo,J,Mater.Res.,6(9),1996(1991)
【非特許文献3】R.Collazo,R.Schlesser,and Z.Sitar,Appl.Phys.Lett. 78,2058(2001)
【非特許文献4】Sola Lee,Won Bin Im,Jong Hyuk Kang,and Duk Young Jeon,J.Vac.Sci.Technol.B23(2),745(2005)
【非特許文献5】J.F.Brown,Jr.,J.Polym.Sci.1C(1963)83
【非特許文献6】K.Nishimura,et al.,J.Vac.SciTechn.B22(3),1377(2004)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
無機ポリマーの新しいバインダー材料がカーボンナノチューブペーストを形成するために用いられる。前記材料は200℃で硬化され、最大で500℃の温度安定性を有している。前記バインダー材料の低いガス放出は長寿命の電界放出素子に対してよい対象物となる。前記バインダー材料の優れた粘着力により、液状からの強い粘着性の剥離可能なポリマーは、表面上で均一な接触及び圧力によって一様な活性化を達成するためにカーボンナノチューブカソード上に塗布される。剥離可能なポリマーフィルムは、リソグラフィ工程を用いて電界放出素子のための高解像度でパターン化されたカーボンナノチューブカソードを製造するために、活性層及びマスク層として用いられてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上述の内容は本発明の特徴及び技術的利点をやや広範に概略した。これは以下の本発明の詳細な説明がより理解されるためである。本発明の付加的な特性や利点は、本発明の特許請求の範囲を形成する下文に述べられる。
【0008】
以下の詳細な説明において、本発明の理解を提供するために具体的なカソード材料等のような多くの具体的記述が説明される。しかしながら、当業者であればこのような具体的記述が無くても本発明を実施することができるということは明らかである。他の例では、本発明を不要な詳細に隠してしまわないように、周知の回路はブロック図に示されている。
そのような詳細は、本発明の完全な理解を得るために必要ではなく、従来技術を有する当業者の範囲内であるので、大部分、時期的考慮などに関わる詳細は省略されている。
【0009】
図面を参照し、描かれた要素は尺度を示すためのものではなく、同類または同様の要素は図面全体を通して同じ参照記号で示されている。
【0010】
キャビティ構造を充填し、硬化されたポリマーフィルムがカソードの表面から剥されるときカーボンナノチューブカソードを活性化するための液状のポリマー材料が提案された(特許文献1)。カーボンナノチューブペーストの噴射及びスクリーン印刷により準備された実例のように、カーボンナノチューブの粘着性が十分でない場合、液状溶液は容易に多孔質カーボンナノチューブカソード内に浸透して、カソード材料のほとんどが容易に取り除かれる。ポリマーの高い粘着性により、ポリマー材料を剥離するときのカーボンナノチューブカソードへの損傷を避けるために、無機粉末がポリマーの粘着性を調整するために使用される。しかしながら、ポリマー内に無機粉末を均一に分散することは容易ではない。なぜなら、前記粉末はポリマーの底に沈殿する傾向にあり、溶液内に浮遊しないからである。前記粉末の非均一分散はそれ故、それが硬化されたときにポリマーの非一様粘着性を導く。これはポリマーフィルムを含んでいる粉末によって活性化されたカーボンナノチューブカソードの電界放出一様性に影響を与える。しかし、カーボンナノチューブカソードの粘着性を向上することができるならば、純粋なポリマー溶液を、多くのカーボンナノチューブカソード材料を取り除くこと、またはカーボンナノチューブカソードに損傷を与えることもなく均一な活性化のために用いることができる。
【0011】
カーボンナノチューブペーストは通常、有機または無機バインダー、溶媒、及び他の添加剤を含んでいる。燃焼工程がフリット材料を基板に結合させるために溶解するとき、カーボンナノチューブを基板に付着させるための無機バインダーとして、ガラスフリット粉末が一般に用いられる。残念ながら、ガラスフリットマトリクス(glass frit matrix)、基本的には金属酸化物粉末(PbO,SiO2,及びB2O3等)は、カーボンナノチューブのフリット材料との非適合性、及び燃焼後の基板上へのフリット材料の不連続被覆性に起因して基板上でカーボンナノチューブと強く結合されない。基板上のフリット材料の不連続被覆性は、活性化工程が適用されるとき、基板の広範囲にわたる非均一粘着性がカーボンナノチューブ材料の非均一除去を導くのでカーボンナノチューブの粘着均一性問題が生じる。カーボンナノチューブカソードの粘着性を向上させるために、カーボンナノチューブ及び基板の両者に対して強い結合強度を備えている物質がカーボンナノチューブペーストを形成するために必要である。スピンオンガラスバインダー(spin−on glass binder,SOG)は電界放出特性を向上させる他の有機ビヒクルを有しているカーボンナノチューブペーストを形成することが報告された(非特許文献1)。しかし、これらの研究はSOG材料が硬化後でさえガス放出問題を有しており、これが真空装置に対してよい対象とさせないことを示した(非特許文献2)。カーボンナノチューブペーストに対するもう一つの問題は、ペースト内で有機材料を燃やし尽くしてしまうための、通常用いられている高温燃焼工程である。燃焼工程は通常、カーボンナノチューブの損傷、及びカーボンナノチューブの仕事関数に影響を与えるペースト内の有機ビヒクルの残余に起因して電界放出特性を悪化させる(非特許文献3)。低温の可燃性有機バインダーが360℃というカーボンナノチューブカソードの燃焼温度を減少させるために調査されてきた(非特許文献4)。しかし、ガラスフリット材料はカーボンナノチューブカソードの粘着性を高めるために今もなお必要とされている。低濃度の有機バインダーからの残余物質が、不幸にも、燃焼の後で検出されうる。有機材料からの残余は、電界放出素子が真空密封されたとき、ガス放出を引き起こす。しかしながら、特許文献2の低温硬化バインダー材料として用いられているオルガノシロキサンポリマーは、400℃以上で燃やし尽くされる必要があり、残余物質を生成するだろう。カーボンナノチューブを悪化させることなく低温で硬化させることの出来る新しいバインダー材料は、カーボンナノチューブペースト形状である必要がある。前記バインダー材料は高温の熱安定性、低真空ガス放出、及びカーボンナノチューブの優れた分散性を備えているべきである。
【0012】
シリコンはしご形ポリマー、ポリフェニルシルセスキオキサン(PPSQ)は、図1に示されるように、シスシンジオタクチック(cis−syndiotactic)二重鎖構造を有している無機ポリマーである(非特許文献5)。それは、半導体絶縁フィルム、光ファイバ結合、スペースシャトルの外面被覆、及び防湿被覆に対する次世代物質として持ち上がっている。この物質は、SiO2の優れた物理的特性を有し、有機化学に関する化学反応官能基の優れた選択性を有して設計された。ポリフェニルシルセスキオキサン((C6H5SiO1.5)X)は特に、電子工学やフォトニクス、そして他の素材技術において一般的に用いられるシリコンベースの無機物に対する代替となり、該無機物と互換性のある潜在性のために、大きな関心が持たれている。低い真空ガス放出を有して、PPSQ材料は電界放出素子に対して基板に十分な粘着力を有する絶縁体として考慮されている(非特許文献6)。PPSQタイプからの吸着ガスは非常に低く、真空密封素子の長寿命に寄与する。PPSQは、マイクロエレクトロニクスのための十分な粘着力を有する誘電材料として、基板上に薄膜または厚膜でスピンオン被覆やスクリーン印刷されうる。この物質のタイプは低温収縮を有する。熱アニールの収縮は0.1%より低い。さらに、PPSQ材料はウェットまたはドライエッチングによってパターン化されうる。ガラスフリット粉末とは違って、PPSQ材料は溶液を形成するために溶媒内に溶解され、それによってカーボンナノチューブは、基板上に均一な粘着層を得るために粘着性バインダーマトリクス内に分散される。カーボンナノチューブ形成のためのガラスフリットに代わるか、有機バインダー材料と同等となる良好なバインダーの対象とするために、この物質は200℃で硬化され、最大で500℃の熱安定性を有している。PPSQ型ポリマーはC2H5O‐PPSQ‐C2H5及びCH3‐PPSQ‐CH3のような他の化学官能基によって結合終端(bond terminated)なされる。
【0013】
もう一つのタイプの無機ポリマー、多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、もカーボンナノチューブペーストの形成のために用いられる。POSS化学技術は唯一の特徴を有している。化学成分がシリカ(SiO2)とシリコーン(R2SiO)の間の中間体(RSiO1.5)となるハイブリッドである。
【0014】
[PPSQカーボンナノチューブペーストの形成1]
PPSQ材料は40〜50wt%のPPSQ材料と40〜50wt%のトルエンを撹拌器で15時間撹拌することで作られる。PPSQの粘度は500から5000CPの範囲となる。PPSQカーボンナノチューブペーストが以下のように形成される。
20〜30wt%のPPSQ+60〜70wt%のシンナー(テルピネオール)+3〜10wt%のSWNTs+3〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が乳鉢内で手動で混合される。3本ロールミルはこの混合物を5回加工するために用いられる。グラファイト粉末は境界を作るために加えてもよく、これによって、カーボンナノチューブはPPSQ材料によって完全に覆い隠されず、いくつかのカーボンナノチューブが活性化工程により解放されうる。
【0015】
PPSQカーボンナノチューブペーストはメッシュスクリーンでITOガラス上にプリントされる。活性カーボンナノチューブカソードは3×3cm2となる。PPSQカーボンナノチューブカソードは燃焼工程で燃焼される(窒素内で400℃)。カソードの基板からほとんど全く物質が取り除かれていない発泡シートを有するために、カーボンナノチューブカソードは非常に良好な粘着性を有する。粘着テープ活性剤は表面からわずかな物質が表面から取り除かれた状態でPPSQカーボンナノチューブカソードのために機能し、その厚さ(〜7ミクロン)は活性化の前後で同じままである。ソフトフォームで粘着性のテープは活性化のために用いられ、適切な圧力でローラーを通してカーボンナノチューブカソードの表面上にフォームまたはテープを適用するために用いられる。PPSQカーボンナノチューブカソードは、ガラスフリットや有機ビヒクルから作られカーボンナノチューブカソードよりも非常によい粘着性を有している。ガラスフリットや他のバインダーを含むカーボンナノチューブカソードにおいて粘着テープ活性化が適用されると、50%以上の材料が取り除かれる。図2は二つのPPSQカーボンナノチューブカソードと標準のカーボンナノチューブカソードからの電流電圧曲線を示す。標準のカーボンナノチューブペーストはカーボンナノチューブ、有機ビヒクル、ガラスフリット及び溶媒を含む。
【0016】
PPSQ性のカーボンナノチューブカソードの高い粘着性により、水性ポリマー(X線フィルム(X‐film)はトランスファーデバイス社から利用できるX2020を複写する)がカーボンナノチューブカソードを活性化することが出来る。水性ポリマー溶液は、56〜78wt%の水、17〜34wt%のエチルアルコール、3〜8wt%のエタノールホモポリマー、及び1〜2wt%のブチルアルコールを含む。活性化工程は、
1)1滴の液体ポリマー(X線フィルム)溶液がカーボンナノチューブカソード上に滴下され、前記溶液がカソード全体に均一に広がる。
2)X線フィルムが空気中または炉内に60℃で乾燥される。X線フィルムの厚さは、X線フィルム溶液の体積を調節することで50ミクロン以上に制御できる。
3)X線フィルムはカーボンナノチューブカソードを活性化するために剥される。
【0017】
前記液体溶液は多孔質カーボンナノチューブカソード内に容易に浸透し、それによってカーボンナノチューブの粘着性が十分良くない場合は、噴射により作られたサンプルやいくらかの印刷されたサンプルと共にカソード材料のほとんどが取り除かれる。X線フィルム活性剤は良好な粘着性を有する印刷されたPPSQカーボンナノチューブカソードに対してよく作用するが、X線フィルムはほとんどのカーボンナノチューブカソード材料を取り除き、基板に残ったカーボンナノチューブがほとんど無いため不良な電解放出をもたらす。
【0018】
特許文献1で用いられる複雑なポリマー材料とは異なり、X線フィルムは水溶性ポリマーであり、室内温度の空気中で固まりうる。PPSQカーボンナノチューブペーストは、従来のカーボンナノチューブペーストよりも非常によい粘着性を有しているので類のないものである。
【0019】
X線フィルム活性剤を用いることの利点:
1)三極管装置における井戸構造は液体溶液により自然に満たされ、井戸内でカーボンナノチューブカソードの表面に均一な接触を提供する。
2)ラミネータを用いる活性化は通常、広くカソード全体に圧力変化を生成する。このため、均一性問題を導く。X線フィルム活性剤はラミネータを用いる必要がない。
3)硬化後にポリマーシート全体が形成されるので、活性化後にカソード上で明らかな残留物は見つけられない。粘着性プラスチック基板はテープと共に分離され、いくらかの粘着性残留物がカソード上に残る。
【0020】
図2に示すように、X線フィルムで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードは、電界放出特性を向上させる。図3は、テープで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電界放出の照明を示す(4.2V/ミクロンで30mA)。図4は、X線フィルムで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電界放出の照明を示す(3.9V/ミクロンで30mA)。
【0021】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成2]
二重壁のカーボンナノチューブ(DWNTs)がカーボンナノチューブペーストを形成するために用いられる。15〜25wt%のPPSQ(溶媒としてトルエン)、65〜80wt%のシンナー、2〜10wt%のDWNTs、そして2〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が乳鉢で手動で混合される。少なくとも5回この混合物を加工するために3本ロールミルを用いてもよい。
【0022】
PPSQカーボンナノチューブペーストはメッシュスクリーンでITOガラス基板に(3×3cm2の活性カーボンナノチューブカソード領域を有して)印刷される。PPSQカーボンナノチューブカソードは1時間のベーキング工程より硬化される(空気中で200℃)。カーボンナノチューブカソードは非常によい粘着性を有している。テープ活性剤は、表面から材料をほとんど取り除かずにPPSQカーボンナノチューブカソードに作用し、厚さは活性化前後で本質的に同じである。図5は200℃及び400℃で硬化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電流電圧曲線を示す。これは、低温での硬化工程はカーボンナノチューブを劣化から保護し、その結果低い電場を導く。
【0023】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成3]
PPSQは、粘着性を強化させるために他のカーボンナノチューブペーストに加えられる。二重壁のカーボンナノチューブ(DWNTs)は5〜15wt%のPPSQ材料を形成するためにホストペーストとして用いられる。ホストDWNTペーストは、10〜20wt%のカーボンナノチューブ、30〜65wt%の有機ビヒクル、30〜60wt%のシンナー、及び5〜20wt%のガラスフリット粉末と共に形成される。この混合物は乳棒を有する乳鉢内で混合され、さらに分散するため3本ロールミルによって挽かれる。シンナー(テルピネオール)は形成中に粘度を調節するために用いられる。ペーストの粘度は9000CPから90,000センチポアズ(CP)の範囲となる。
【0024】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成4]
10〜30wt%のPPSQ+40〜70wt%のシンナー(テルピネオール)+3〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が手動で乳鉢内でブレンドされる。有機ビヒクルはエチルセルロース(15‐20%)、ブチルカルビトールアセテート(60‐70%)、そしてブチルカルビトール(10‐20%)を含む。この混合物を5回加工するために3本ロールミルが用いられる。ペーストの粘度は10000CPから90000センチポアズ(CP)の範囲である。このペースト形成で作られたカーボンナノチューブカソードは有機ビヒクル材料を燃やし尽くすために390℃で燃焼される。この形成におけるビヒクル材料は、PPSQ性ペーストを印刷に対してより適合させるためのものである。
【0025】
メッシュスクリーンを用いて、カーボンナノチューブペーストで改善されたPPSQは、図6に示すような50μmの深井戸を有する三極管構造上にスクリーン印刷される。図6Aは三極管構造の井戸内に堆積されたカーボンナノチューブカソード1と共に電極3及び絶縁体2が基板4上に蒸着されパターン化された構成を示している。図6Bは、X線フィルムの液体材料で形成された剥離可能なポリマーフィルム5を示している。液体フィルム(X線フィルム水溶液)は三極管構造のキャビティ内に満たされ、カーボンナノチューブカソード1の活性化のための剥離可能薄膜(50μm超)を形成するために硬化される。
【0026】
図7に示すように、X線フィルム活性剤と共に、非常に均一なカーボンナノチューブカソードが深いキャビティを有して得られる。図7は、図6に図示されるような50μm深さの井戸を有する三極管構造上にX線フィルム活性剤を用いることで得られた非常に均一な電界放出を図示している電界放出照明のデジタル画像である。このサンプルにおいて、画素サイズは250×800μm2である。
【0027】
[PPSQカーボンナノチューブペースト及びX線フィルムを用いて高解像度にパターン化されたカーボンナノチューブカソード]
スクリーン印刷に対する解像限界は50μm以下の特性を有するパターンを有することを困難にしている。紫外線感受性ポリマーはカーボンナノチューブをパターン化するために用いられる。不幸にも、このポリマーは硬化後に残留物を有し、カーボンナノチューブカソードがパターン化された後に活性化工程が必要となる。さらに、リフトオフ工程が紫外線露光部を除去するために必要とされる。溶媒はリフトオフ工程で共通に用いられ、カーボンナノチューブカソードに影響を与える。剥離可能なX線フィルムは標準的なリソグラフィック工程によりパターン化されうることが証明されている。これによって、図8に示すように、剥離可能フィルムを用いてカーボンナノチューブカソードは比較的高解像度を有してパターン化され、剥離可能なフィルムが取り除かれるとき、カーボンナノチューブカソードは活性化される工程が開示される。PPSQ材料は比較的高いエッチング率でエッチングされうるので、PPSQカーボンナノチューブカソードは、RIE(反応性イオンエッチング)によりCF4やO2を用いてエッチングされる。図8Aでは、基板上に電極が堆積される。図8Bでは、PPSQカーボンナノチューブカソードの印刷工程が続いている。図8Cはカソードの頂部にスピンオン被覆されたX線フィルムを示している。図8DはX線フィルムの頂部にフォトレジストの被覆を示している。図8Eにおいて、所望の方法でフォトレジストのパターンング工程が続けられる。図8Fにおいて、X線フィルムはフォトレジストを有する一般的なリソグラフィ技術を用いて露光され取り除かれる。図8Gにおいて、露光されたPPSQカーボンナノチューブカソード材料はドライエッチングによって除去される。図8Hにおいて、厚いX線フィルムが堆積され、図8Iにおいて、厚いX線フィルムがパターン化されたカーボンナノチューブカソードを活性化するために剥離される。
【0028】
図9は、上で製造されたようなカソードを用いて作られた電界放出ディスプレイ938の一部を図示している。カソードが含まれた部分は導電層906である。アノードは、ガラス基板902、及びインジウムすず層903、及び発光層904を備える。電場はアノードとカソードの間に設けられる。このようなディスプレイ938は図10について図示されたようなデータプロセッシングシステム1013内で利用されうる。
【0029】
本発明を実施するための代表的なハードウェア環境は図10で表現される。図10は従来のマイクロプロセッサやシステムバス1012を経由して接続されたいくらかの他の装置のように、中央処理装置(CPU)1010を有する主な発明に従って、データプロセッシングシステム1013の典型的なハードウェア構造を図示している。データプロセッシングシステム1013はランダムアクセスメモリ(RAM)1014、リードオンリーメモリ(ROM)1016そして、ディスク装置1020及びテープデバイス1040のような周辺装置をバス1020に接続するための入力/出力(I/O)アダプタ1018、キーボード1024、マウス1026及び/またはタッチスクリーン装置(図示せず)のような他のユーザーインターフェイス装置をバス1012に接続するためのユーザーインターフェイスアダプタ1022、データプロセッシングシステム1013をデータプロセッシングネットワークに接続するためのコミュニケーションアダプタ1034、及びバス1012をディスプレイデバイス1038に接続するためのディスプレイアダプタ1036を含む。CPU1010はここに示されていないが、マイクロプロセッサ内部で共通に見出される電気回路網、例えば演算実行部、バスインターフェイス、算術論理演算ユニットなど、を含む他の電気回路網を含む。
【0030】
本発明及びその優位性を詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲により定義されたような発明の精神及び範囲から逸脱することなく多様な変化や置き換え、及び変更が可能であることが理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】PPSQはしご形無機ポリマー(HO‐PPSQ‐H)の化学構造
【図2】標準のCNT及びPPSQ CNTカソードの間の電界放出I‐Vの比較
【図3】テープによって活性化されたPPSQ CNTカソード
【図4】X線フィルムによって活性化されたPPSQ CNTカソード
【図5】PPSQ CNTカソードの硬化温度が200℃及び450℃の間の電界放出I‐Vの比較
【図6A】三極管構造のキャビティ内に満たされ、活性化に対して剥離可能な薄膜を形成するために硬化された液体ポリマー(X線フィルム水溶液)
【図6B】三極管構造のキャビティ内に満たされ、活性化に対して剥離可能な薄膜を形成するために硬化された液体ポリマー(X線フィルム水溶液)
【図7】50μmの深井戸を有している三極管構造上にX線フィルム活性剤を用いて得られた非均一電界放出像
【図8A】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8B】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8C】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8D】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8E】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8F】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8G】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8H】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8I】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図9】本発明に従って構成された電界放出素子
【図10】本発明の実施形態に従って構成されたデータ処理システム
【符号の説明】
【0032】
1 カーボンナノチューブカソード
2 絶縁体
3 電極
4 基板
5 ポリマーフィルム
902 ガラス基板
903 インジウムすず層
904 発光層
906 導電層
1010 中央処理装置(CPU)
1012 システムバス
1013 データプロセッシングシステム
1014 ランダムアクセスメモリ(RAM)
1016 リードオンリーメモリ(ROM)
1018 入力/出力(I/O)アダプタ
1020 ディスク装置
1022 ユーザーインターフェイスアダプタ
1024 キーボード
1026 マウス
1034 コミュニケーションアダプタ
1036 ディスプレイアダプタ
1038 ディスプレイデバイス
1040 テープデバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に電界放出素子、より具体的には電界放出のためのカーボンナノチューブの利用に関連している。
【背景技術】
【0002】
本願は米国仮出願第60/755,978号の優先権を主張する。
【0003】
カーボンナノチューブ(CNTs)は電界放出ディスプレイ(FEDs)のためのコールドカソード材として期待できる研究の対象物である。
【0004】
カーボンナノチューブ電界放出ディスプレイ(CNT FED)は低コストな印刷技術を用いて加工されることが可能なため、液晶ディスプレイ(LCDs)やプラズマディスプレイパネル(PDPs)のような現在のフラットパネルディスプレイのタイプと競争関係になるだろう。カソード感度一様性(cathode uniformity)はカーボンナノチューブ電界放出ディスプレイの商業化に対して重大な要因となる。電界放出一様性の主な論点はカーボンナノチューブの均一分散、カーボンナノチューブの画素の物理的サイズの均一性、カソードの活性化均一性(これは印刷されたCNTカソードのほとんどが粘着性テープ、ローラー、サンドブラスト等で活性化される必要があるためである)である。活性化工程は、印加された電場への応答においてカーボンナノチューブを上に立たせるため、カーボンナノチューブを上方へ持ち上げるか、またはバインダーからカーボンナノチューブを解放することができる。
【0005】
その一方で、三極管構造における数十μmの深いキャビティに堆積されたカーボンナノチューブカソードに対して、現在の活性化工程は平坦な表面上のカーボンナノチューブカソードと同様の、均一な活性化効果を有していない。均一な活性化を有するために、一様圧力及び活性化物質からカーボンナノチューブカソードの表面への物理的に一様な接触は、一様な電界放出カソードを得るために非常に重要である。しかし、三極管の深いキャビティにより、活性化物質は一様な圧力でCNTカソードの表面に一様に触れないため、電界放出の非一様性に結びつく。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0129858A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0242344号明細書
【非特許文献1】Jae‐Hong Park,et al.Asian Display/IMID’04 Digest,468,2004
【非特許文献2】J.D.Romero,M.Khan,H.Fatemi,and J.Turlo,J,Mater.Res.,6(9),1996(1991)
【非特許文献3】R.Collazo,R.Schlesser,and Z.Sitar,Appl.Phys.Lett. 78,2058(2001)
【非特許文献4】Sola Lee,Won Bin Im,Jong Hyuk Kang,and Duk Young Jeon,J.Vac.Sci.Technol.B23(2),745(2005)
【非特許文献5】J.F.Brown,Jr.,J.Polym.Sci.1C(1963)83
【非特許文献6】K.Nishimura,et al.,J.Vac.SciTechn.B22(3),1377(2004)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
無機ポリマーの新しいバインダー材料がカーボンナノチューブペーストを形成するために用いられる。前記材料は200℃で硬化され、最大で500℃の温度安定性を有している。前記バインダー材料の低いガス放出は長寿命の電界放出素子に対してよい対象物となる。前記バインダー材料の優れた粘着力により、液状からの強い粘着性の剥離可能なポリマーは、表面上で均一な接触及び圧力によって一様な活性化を達成するためにカーボンナノチューブカソード上に塗布される。剥離可能なポリマーフィルムは、リソグラフィ工程を用いて電界放出素子のための高解像度でパターン化されたカーボンナノチューブカソードを製造するために、活性層及びマスク層として用いられてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上述の内容は本発明の特徴及び技術的利点をやや広範に概略した。これは以下の本発明の詳細な説明がより理解されるためである。本発明の付加的な特性や利点は、本発明の特許請求の範囲を形成する下文に述べられる。
【0008】
以下の詳細な説明において、本発明の理解を提供するために具体的なカソード材料等のような多くの具体的記述が説明される。しかしながら、当業者であればこのような具体的記述が無くても本発明を実施することができるということは明らかである。他の例では、本発明を不要な詳細に隠してしまわないように、周知の回路はブロック図に示されている。
そのような詳細は、本発明の完全な理解を得るために必要ではなく、従来技術を有する当業者の範囲内であるので、大部分、時期的考慮などに関わる詳細は省略されている。
【0009】
図面を参照し、描かれた要素は尺度を示すためのものではなく、同類または同様の要素は図面全体を通して同じ参照記号で示されている。
【0010】
キャビティ構造を充填し、硬化されたポリマーフィルムがカソードの表面から剥されるときカーボンナノチューブカソードを活性化するための液状のポリマー材料が提案された(特許文献1)。カーボンナノチューブペーストの噴射及びスクリーン印刷により準備された実例のように、カーボンナノチューブの粘着性が十分でない場合、液状溶液は容易に多孔質カーボンナノチューブカソード内に浸透して、カソード材料のほとんどが容易に取り除かれる。ポリマーの高い粘着性により、ポリマー材料を剥離するときのカーボンナノチューブカソードへの損傷を避けるために、無機粉末がポリマーの粘着性を調整するために使用される。しかしながら、ポリマー内に無機粉末を均一に分散することは容易ではない。なぜなら、前記粉末はポリマーの底に沈殿する傾向にあり、溶液内に浮遊しないからである。前記粉末の非均一分散はそれ故、それが硬化されたときにポリマーの非一様粘着性を導く。これはポリマーフィルムを含んでいる粉末によって活性化されたカーボンナノチューブカソードの電界放出一様性に影響を与える。しかし、カーボンナノチューブカソードの粘着性を向上することができるならば、純粋なポリマー溶液を、多くのカーボンナノチューブカソード材料を取り除くこと、またはカーボンナノチューブカソードに損傷を与えることもなく均一な活性化のために用いることができる。
【0011】
カーボンナノチューブペーストは通常、有機または無機バインダー、溶媒、及び他の添加剤を含んでいる。燃焼工程がフリット材料を基板に結合させるために溶解するとき、カーボンナノチューブを基板に付着させるための無機バインダーとして、ガラスフリット粉末が一般に用いられる。残念ながら、ガラスフリットマトリクス(glass frit matrix)、基本的には金属酸化物粉末(PbO,SiO2,及びB2O3等)は、カーボンナノチューブのフリット材料との非適合性、及び燃焼後の基板上へのフリット材料の不連続被覆性に起因して基板上でカーボンナノチューブと強く結合されない。基板上のフリット材料の不連続被覆性は、活性化工程が適用されるとき、基板の広範囲にわたる非均一粘着性がカーボンナノチューブ材料の非均一除去を導くのでカーボンナノチューブの粘着均一性問題が生じる。カーボンナノチューブカソードの粘着性を向上させるために、カーボンナノチューブ及び基板の両者に対して強い結合強度を備えている物質がカーボンナノチューブペーストを形成するために必要である。スピンオンガラスバインダー(spin−on glass binder,SOG)は電界放出特性を向上させる他の有機ビヒクルを有しているカーボンナノチューブペーストを形成することが報告された(非特許文献1)。しかし、これらの研究はSOG材料が硬化後でさえガス放出問題を有しており、これが真空装置に対してよい対象とさせないことを示した(非特許文献2)。カーボンナノチューブペーストに対するもう一つの問題は、ペースト内で有機材料を燃やし尽くしてしまうための、通常用いられている高温燃焼工程である。燃焼工程は通常、カーボンナノチューブの損傷、及びカーボンナノチューブの仕事関数に影響を与えるペースト内の有機ビヒクルの残余に起因して電界放出特性を悪化させる(非特許文献3)。低温の可燃性有機バインダーが360℃というカーボンナノチューブカソードの燃焼温度を減少させるために調査されてきた(非特許文献4)。しかし、ガラスフリット材料はカーボンナノチューブカソードの粘着性を高めるために今もなお必要とされている。低濃度の有機バインダーからの残余物質が、不幸にも、燃焼の後で検出されうる。有機材料からの残余は、電界放出素子が真空密封されたとき、ガス放出を引き起こす。しかしながら、特許文献2の低温硬化バインダー材料として用いられているオルガノシロキサンポリマーは、400℃以上で燃やし尽くされる必要があり、残余物質を生成するだろう。カーボンナノチューブを悪化させることなく低温で硬化させることの出来る新しいバインダー材料は、カーボンナノチューブペースト形状である必要がある。前記バインダー材料は高温の熱安定性、低真空ガス放出、及びカーボンナノチューブの優れた分散性を備えているべきである。
【0012】
シリコンはしご形ポリマー、ポリフェニルシルセスキオキサン(PPSQ)は、図1に示されるように、シスシンジオタクチック(cis−syndiotactic)二重鎖構造を有している無機ポリマーである(非特許文献5)。それは、半導体絶縁フィルム、光ファイバ結合、スペースシャトルの外面被覆、及び防湿被覆に対する次世代物質として持ち上がっている。この物質は、SiO2の優れた物理的特性を有し、有機化学に関する化学反応官能基の優れた選択性を有して設計された。ポリフェニルシルセスキオキサン((C6H5SiO1.5)X)は特に、電子工学やフォトニクス、そして他の素材技術において一般的に用いられるシリコンベースの無機物に対する代替となり、該無機物と互換性のある潜在性のために、大きな関心が持たれている。低い真空ガス放出を有して、PPSQ材料は電界放出素子に対して基板に十分な粘着力を有する絶縁体として考慮されている(非特許文献6)。PPSQタイプからの吸着ガスは非常に低く、真空密封素子の長寿命に寄与する。PPSQは、マイクロエレクトロニクスのための十分な粘着力を有する誘電材料として、基板上に薄膜または厚膜でスピンオン被覆やスクリーン印刷されうる。この物質のタイプは低温収縮を有する。熱アニールの収縮は0.1%より低い。さらに、PPSQ材料はウェットまたはドライエッチングによってパターン化されうる。ガラスフリット粉末とは違って、PPSQ材料は溶液を形成するために溶媒内に溶解され、それによってカーボンナノチューブは、基板上に均一な粘着層を得るために粘着性バインダーマトリクス内に分散される。カーボンナノチューブ形成のためのガラスフリットに代わるか、有機バインダー材料と同等となる良好なバインダーの対象とするために、この物質は200℃で硬化され、最大で500℃の熱安定性を有している。PPSQ型ポリマーはC2H5O‐PPSQ‐C2H5及びCH3‐PPSQ‐CH3のような他の化学官能基によって結合終端(bond terminated)なされる。
【0013】
もう一つのタイプの無機ポリマー、多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、もカーボンナノチューブペーストの形成のために用いられる。POSS化学技術は唯一の特徴を有している。化学成分がシリカ(SiO2)とシリコーン(R2SiO)の間の中間体(RSiO1.5)となるハイブリッドである。
【0014】
[PPSQカーボンナノチューブペーストの形成1]
PPSQ材料は40〜50wt%のPPSQ材料と40〜50wt%のトルエンを撹拌器で15時間撹拌することで作られる。PPSQの粘度は500から5000CPの範囲となる。PPSQカーボンナノチューブペーストが以下のように形成される。
20〜30wt%のPPSQ+60〜70wt%のシンナー(テルピネオール)+3〜10wt%のSWNTs+3〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が乳鉢内で手動で混合される。3本ロールミルはこの混合物を5回加工するために用いられる。グラファイト粉末は境界を作るために加えてもよく、これによって、カーボンナノチューブはPPSQ材料によって完全に覆い隠されず、いくつかのカーボンナノチューブが活性化工程により解放されうる。
【0015】
PPSQカーボンナノチューブペーストはメッシュスクリーンでITOガラス上にプリントされる。活性カーボンナノチューブカソードは3×3cm2となる。PPSQカーボンナノチューブカソードは燃焼工程で燃焼される(窒素内で400℃)。カソードの基板からほとんど全く物質が取り除かれていない発泡シートを有するために、カーボンナノチューブカソードは非常に良好な粘着性を有する。粘着テープ活性剤は表面からわずかな物質が表面から取り除かれた状態でPPSQカーボンナノチューブカソードのために機能し、その厚さ(〜7ミクロン)は活性化の前後で同じままである。ソフトフォームで粘着性のテープは活性化のために用いられ、適切な圧力でローラーを通してカーボンナノチューブカソードの表面上にフォームまたはテープを適用するために用いられる。PPSQカーボンナノチューブカソードは、ガラスフリットや有機ビヒクルから作られカーボンナノチューブカソードよりも非常によい粘着性を有している。ガラスフリットや他のバインダーを含むカーボンナノチューブカソードにおいて粘着テープ活性化が適用されると、50%以上の材料が取り除かれる。図2は二つのPPSQカーボンナノチューブカソードと標準のカーボンナノチューブカソードからの電流電圧曲線を示す。標準のカーボンナノチューブペーストはカーボンナノチューブ、有機ビヒクル、ガラスフリット及び溶媒を含む。
【0016】
PPSQ性のカーボンナノチューブカソードの高い粘着性により、水性ポリマー(X線フィルム(X‐film)はトランスファーデバイス社から利用できるX2020を複写する)がカーボンナノチューブカソードを活性化することが出来る。水性ポリマー溶液は、56〜78wt%の水、17〜34wt%のエチルアルコール、3〜8wt%のエタノールホモポリマー、及び1〜2wt%のブチルアルコールを含む。活性化工程は、
1)1滴の液体ポリマー(X線フィルム)溶液がカーボンナノチューブカソード上に滴下され、前記溶液がカソード全体に均一に広がる。
2)X線フィルムが空気中または炉内に60℃で乾燥される。X線フィルムの厚さは、X線フィルム溶液の体積を調節することで50ミクロン以上に制御できる。
3)X線フィルムはカーボンナノチューブカソードを活性化するために剥される。
【0017】
前記液体溶液は多孔質カーボンナノチューブカソード内に容易に浸透し、それによってカーボンナノチューブの粘着性が十分良くない場合は、噴射により作られたサンプルやいくらかの印刷されたサンプルと共にカソード材料のほとんどが取り除かれる。X線フィルム活性剤は良好な粘着性を有する印刷されたPPSQカーボンナノチューブカソードに対してよく作用するが、X線フィルムはほとんどのカーボンナノチューブカソード材料を取り除き、基板に残ったカーボンナノチューブがほとんど無いため不良な電解放出をもたらす。
【0018】
特許文献1で用いられる複雑なポリマー材料とは異なり、X線フィルムは水溶性ポリマーであり、室内温度の空気中で固まりうる。PPSQカーボンナノチューブペーストは、従来のカーボンナノチューブペーストよりも非常によい粘着性を有しているので類のないものである。
【0019】
X線フィルム活性剤を用いることの利点:
1)三極管装置における井戸構造は液体溶液により自然に満たされ、井戸内でカーボンナノチューブカソードの表面に均一な接触を提供する。
2)ラミネータを用いる活性化は通常、広くカソード全体に圧力変化を生成する。このため、均一性問題を導く。X線フィルム活性剤はラミネータを用いる必要がない。
3)硬化後にポリマーシート全体が形成されるので、活性化後にカソード上で明らかな残留物は見つけられない。粘着性プラスチック基板はテープと共に分離され、いくらかの粘着性残留物がカソード上に残る。
【0020】
図2に示すように、X線フィルムで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードは、電界放出特性を向上させる。図3は、テープで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電界放出の照明を示す(4.2V/ミクロンで30mA)。図4は、X線フィルムで活性化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電界放出の照明を示す(3.9V/ミクロンで30mA)。
【0021】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成2]
二重壁のカーボンナノチューブ(DWNTs)がカーボンナノチューブペーストを形成するために用いられる。15〜25wt%のPPSQ(溶媒としてトルエン)、65〜80wt%のシンナー、2〜10wt%のDWNTs、そして2〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が乳鉢で手動で混合される。少なくとも5回この混合物を加工するために3本ロールミルを用いてもよい。
【0022】
PPSQカーボンナノチューブペーストはメッシュスクリーンでITOガラス基板に(3×3cm2の活性カーボンナノチューブカソード領域を有して)印刷される。PPSQカーボンナノチューブカソードは1時間のベーキング工程より硬化される(空気中で200℃)。カーボンナノチューブカソードは非常によい粘着性を有している。テープ活性剤は、表面から材料をほとんど取り除かずにPPSQカーボンナノチューブカソードに作用し、厚さは活性化前後で本質的に同じである。図5は200℃及び400℃で硬化されたPPSQカーボンナノチューブカソードによる電流電圧曲線を示す。これは、低温での硬化工程はカーボンナノチューブを劣化から保護し、その結果低い電場を導く。
【0023】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成3]
PPSQは、粘着性を強化させるために他のカーボンナノチューブペーストに加えられる。二重壁のカーボンナノチューブ(DWNTs)は5〜15wt%のPPSQ材料を形成するためにホストペーストとして用いられる。ホストDWNTペーストは、10〜20wt%のカーボンナノチューブ、30〜65wt%の有機ビヒクル、30〜60wt%のシンナー、及び5〜20wt%のガラスフリット粉末と共に形成される。この混合物は乳棒を有する乳鉢内で混合され、さらに分散するため3本ロールミルによって挽かれる。シンナー(テルピネオール)は形成中に粘度を調節するために用いられる。ペーストの粘度は9000CPから90,000センチポアズ(CP)の範囲となる。
【0024】
[PPSQカーボンナノチューブペースト形成4]
10〜30wt%のPPSQ+40〜70wt%のシンナー(テルピネオール)+3〜10wt%のグラファイト(2〜15ミクロン)が手動で乳鉢内でブレンドされる。有機ビヒクルはエチルセルロース(15‐20%)、ブチルカルビトールアセテート(60‐70%)、そしてブチルカルビトール(10‐20%)を含む。この混合物を5回加工するために3本ロールミルが用いられる。ペーストの粘度は10000CPから90000センチポアズ(CP)の範囲である。このペースト形成で作られたカーボンナノチューブカソードは有機ビヒクル材料を燃やし尽くすために390℃で燃焼される。この形成におけるビヒクル材料は、PPSQ性ペーストを印刷に対してより適合させるためのものである。
【0025】
メッシュスクリーンを用いて、カーボンナノチューブペーストで改善されたPPSQは、図6に示すような50μmの深井戸を有する三極管構造上にスクリーン印刷される。図6Aは三極管構造の井戸内に堆積されたカーボンナノチューブカソード1と共に電極3及び絶縁体2が基板4上に蒸着されパターン化された構成を示している。図6Bは、X線フィルムの液体材料で形成された剥離可能なポリマーフィルム5を示している。液体フィルム(X線フィルム水溶液)は三極管構造のキャビティ内に満たされ、カーボンナノチューブカソード1の活性化のための剥離可能薄膜(50μm超)を形成するために硬化される。
【0026】
図7に示すように、X線フィルム活性剤と共に、非常に均一なカーボンナノチューブカソードが深いキャビティを有して得られる。図7は、図6に図示されるような50μm深さの井戸を有する三極管構造上にX線フィルム活性剤を用いることで得られた非常に均一な電界放出を図示している電界放出照明のデジタル画像である。このサンプルにおいて、画素サイズは250×800μm2である。
【0027】
[PPSQカーボンナノチューブペースト及びX線フィルムを用いて高解像度にパターン化されたカーボンナノチューブカソード]
スクリーン印刷に対する解像限界は50μm以下の特性を有するパターンを有することを困難にしている。紫外線感受性ポリマーはカーボンナノチューブをパターン化するために用いられる。不幸にも、このポリマーは硬化後に残留物を有し、カーボンナノチューブカソードがパターン化された後に活性化工程が必要となる。さらに、リフトオフ工程が紫外線露光部を除去するために必要とされる。溶媒はリフトオフ工程で共通に用いられ、カーボンナノチューブカソードに影響を与える。剥離可能なX線フィルムは標準的なリソグラフィック工程によりパターン化されうることが証明されている。これによって、図8に示すように、剥離可能フィルムを用いてカーボンナノチューブカソードは比較的高解像度を有してパターン化され、剥離可能なフィルムが取り除かれるとき、カーボンナノチューブカソードは活性化される工程が開示される。PPSQ材料は比較的高いエッチング率でエッチングされうるので、PPSQカーボンナノチューブカソードは、RIE(反応性イオンエッチング)によりCF4やO2を用いてエッチングされる。図8Aでは、基板上に電極が堆積される。図8Bでは、PPSQカーボンナノチューブカソードの印刷工程が続いている。図8Cはカソードの頂部にスピンオン被覆されたX線フィルムを示している。図8DはX線フィルムの頂部にフォトレジストの被覆を示している。図8Eにおいて、所望の方法でフォトレジストのパターンング工程が続けられる。図8Fにおいて、X線フィルムはフォトレジストを有する一般的なリソグラフィ技術を用いて露光され取り除かれる。図8Gにおいて、露光されたPPSQカーボンナノチューブカソード材料はドライエッチングによって除去される。図8Hにおいて、厚いX線フィルムが堆積され、図8Iにおいて、厚いX線フィルムがパターン化されたカーボンナノチューブカソードを活性化するために剥離される。
【0028】
図9は、上で製造されたようなカソードを用いて作られた電界放出ディスプレイ938の一部を図示している。カソードが含まれた部分は導電層906である。アノードは、ガラス基板902、及びインジウムすず層903、及び発光層904を備える。電場はアノードとカソードの間に設けられる。このようなディスプレイ938は図10について図示されたようなデータプロセッシングシステム1013内で利用されうる。
【0029】
本発明を実施するための代表的なハードウェア環境は図10で表現される。図10は従来のマイクロプロセッサやシステムバス1012を経由して接続されたいくらかの他の装置のように、中央処理装置(CPU)1010を有する主な発明に従って、データプロセッシングシステム1013の典型的なハードウェア構造を図示している。データプロセッシングシステム1013はランダムアクセスメモリ(RAM)1014、リードオンリーメモリ(ROM)1016そして、ディスク装置1020及びテープデバイス1040のような周辺装置をバス1020に接続するための入力/出力(I/O)アダプタ1018、キーボード1024、マウス1026及び/またはタッチスクリーン装置(図示せず)のような他のユーザーインターフェイス装置をバス1012に接続するためのユーザーインターフェイスアダプタ1022、データプロセッシングシステム1013をデータプロセッシングネットワークに接続するためのコミュニケーションアダプタ1034、及びバス1012をディスプレイデバイス1038に接続するためのディスプレイアダプタ1036を含む。CPU1010はここに示されていないが、マイクロプロセッサ内部で共通に見出される電気回路網、例えば演算実行部、バスインターフェイス、算術論理演算ユニットなど、を含む他の電気回路網を含む。
【0030】
本発明及びその優位性を詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲により定義されたような発明の精神及び範囲から逸脱することなく多様な変化や置き換え、及び変更が可能であることが理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】PPSQはしご形無機ポリマー(HO‐PPSQ‐H)の化学構造
【図2】標準のCNT及びPPSQ CNTカソードの間の電界放出I‐Vの比較
【図3】テープによって活性化されたPPSQ CNTカソード
【図4】X線フィルムによって活性化されたPPSQ CNTカソード
【図5】PPSQ CNTカソードの硬化温度が200℃及び450℃の間の電界放出I‐Vの比較
【図6A】三極管構造のキャビティ内に満たされ、活性化に対して剥離可能な薄膜を形成するために硬化された液体ポリマー(X線フィルム水溶液)
【図6B】三極管構造のキャビティ内に満たされ、活性化に対して剥離可能な薄膜を形成するために硬化された液体ポリマー(X線フィルム水溶液)
【図7】50μmの深井戸を有している三極管構造上にX線フィルム活性剤を用いて得られた非均一電界放出像
【図8A】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8B】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8C】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8D】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8E】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8F】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8G】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8H】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図8I】高解像度を有するCNTカソードをパターン化及び活性化するために剥離可能フィルムを用いている製造工程
【図9】本発明に従って構成された電界放出素子
【図10】本発明の実施形態に従って構成されたデータ処理システム
【符号の説明】
【0032】
1 カーボンナノチューブカソード
2 絶縁体
3 電極
4 基板
5 ポリマーフィルム
902 ガラス基板
903 インジウムすず層
904 発光層
906 導電層
1010 中央処理装置(CPU)
1012 システムバス
1013 データプロセッシングシステム
1014 ランダムアクセスメモリ(RAM)
1016 リードオンリーメモリ(ROM)
1018 入力/出力(I/O)アダプタ
1020 ディスク装置
1022 ユーザーインターフェイスアダプタ
1024 キーボード
1026 マウス
1034 コミュニケーションアダプタ
1036 ディスプレイアダプタ
1038 ディスプレイデバイス
1040 テープデバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブを混合した前記無機ポリマーを備えた混合物であって、
無機ポリマーがシリコンのはしご形ポリマーであることを特徴とする混合物。
【請求項2】
無機ポリマーバインダーはポリフェニルシルセスキオキサン(PPSQ)であることを特徴とする請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
無機ポリマーが多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)であることを特徴とする請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
カーボンナノチューブ、グラファイト粉末、及び無機ポリマーを備えている混合物。
【請求項5】
電界放出カソードであって、
基板と、
カーボンナノチューブ及び無機ポリマーを備えたペーストを具備している前記基板上の電界エミッタと、
電界エミッタからの電子の電界放出を引き起こすための電場を作り出す回路網と、を備えた電界放出カソード。
【請求項6】
前記無機ポリマーはPPSQを備えていることを特徴とする請求項5に記載の電界放出カソード。
【請求項7】
前記無機ポリマーはPOSSを備えていることを特徴とする請求項5に記載の電界放出カソード。
【請求項1】
カーボンナノチューブを混合した前記無機ポリマーを備えた混合物であって、
無機ポリマーがシリコンのはしご形ポリマーであることを特徴とする混合物。
【請求項2】
無機ポリマーバインダーはポリフェニルシルセスキオキサン(PPSQ)であることを特徴とする請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
無機ポリマーが多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)であることを特徴とする請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
カーボンナノチューブ、グラファイト粉末、及び無機ポリマーを備えている混合物。
【請求項5】
電界放出カソードであって、
基板と、
カーボンナノチューブ及び無機ポリマーを備えたペーストを具備している前記基板上の電界エミッタと、
電界エミッタからの電子の電界放出を引き起こすための電場を作り出す回路網と、を備えた電界放出カソード。
【請求項6】
前記無機ポリマーはPPSQを備えていることを特徴とする請求項5に記載の電界放出カソード。
【請求項7】
前記無機ポリマーはPOSSを備えていることを特徴とする請求項5に記載の電界放出カソード。
【図1】
【図3】
【図4】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図9】
【図2】
【図5】
【図10】
【図3】
【図4】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図9】
【図2】
【図5】
【図10】
【公表番号】特表2009−522203(P2009−522203A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549522(P2008−549522)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/062396
【国際公開番号】WO2007/111748
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505131522)アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/062396
【国際公開番号】WO2007/111748
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505131522)アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】
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