説明

カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の双方を用いたタッチスクリーン

タッチスクリーンシステムにカバーシートアセンブリ(10)を提供する。カバーシートアセンブリは、タッチスクリーンシステムの基板の導電性領域にわたって配置するように構成した表面(14)を有する絶縁層(12)を含み、その絶縁層の表面の少なくとも一部に、導電性材料(16)が配置されている。導電性材料は、複数のカーボンナノ粒子(17)および複数の金属ナノ粒子(19)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明は、一般的にはコンピュータタッチスクリーンに関し、より詳細にはタッチスクリーン用導電性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
1970年代初頭のそれらの導入以来、タッチスクリーンは、ある種のコンピュータ用途に対してキーボードの代替手段を提供してきた。タッチスクリーンが利用者にコンピュータへのアクセスを提供するため、多くの状況において、キーボードおよびマウスは省略されている。抵抗性タッチスクリーンおよび容量性タッチスクリーンは双方とも、例えば液晶ディスプレイ(LCD)といったディスプレイの面にわたって配置される、ガラスパネルのような基板を一般的に含む。基板は、その表面に導電性材料を含む。使用者のタッチスクリーンへの入力を受け取るために、導電性材料は基板表面に導電性タッチ領域を規定する。入力を選択するよう、使用者が触れる表面を提供するために、絶縁層が導電性領域にわたって配置されている。
【0003】
抵抗性タッチスクリーンにおいて、絶縁層は、基板と向かい合う絶縁層の表面にわたって配置した第2導電性材料を含む、カバーシートの一部を形成する。2つの導電性材料が離間するように、複数の絶縁ドットが、カバーシートを基板から離間させている。使用者がカバーシートに触れると、2つの導電性材料は使用者が触れた箇所にて互いに係合する(engage)。容量性タッチスクリーンにおいて、絶縁層は、基板上の導電性材料に直接配置されている。
【0004】
基板および絶縁層の双方の上にある導電性材料を、一般的には酸化インジウムスズ(ITO)から作る。幾つかのタッチスクリーン用途に望ましいように、ITOは導電率の所定値に対して良好な透明性を一般的に提供するため、ITOはしばしば用いられている。しかしながら、ITOは多少もろい可能性があり、繰り返し触れられると、導電性材料は割れ、破砕および/また疲労する可能性があり、そのことはタッチスクリーンを機能不全、誤作動および/または意図と違って機能させ得る。更に、インジウムの供給は限られているため、ITOは比較的高価になり得る。インジウムの需要を増加させることは、世界の供給量が減少するにつれて、ITOをより一層高価にさせる可能性がある。
【0005】
ITOを代替するために、金属ナノファイバが、タッチスクリーンの基板上および/またはカバーシート上に存在する導電性材料中で使用するように提案されている。しかしながら、金属ナノファイバは大気中腐食しやすい可能性がある。導電性材料内での金属ナノファイバの大気中腐食は、導電性材料の接触抵抗を増加させ得、それは、導電性材料と別の導電性材料との接触箇所にて、導電性材料に入るおよび導電性材料から出る電流の流れを減少させ得る。タッチスクリーンの基板上および/またはカバーシート上に存在する導電性材料の中のITOの代替物として、カーボンナノチューブも提案されている。しかしながら、カーボンナノチューブは、所定の導電率に対するITOの透明性に及ばない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ITOから作った導電性材料と比べて、更なる耐久性を有する導電性材料が必要である。金属ナノ粒子を含む導電性材料の耐腐食性を向上させる必要もある。更に、カーボンナノ粒子を含む導電性材料の透明性を向上させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の簡単な説明
1つの実施態様において、カバーシートアセンブリをタッチスクリーンシステムに提供する。カバーシートアセンブリは、タッチスクリーンシステムの基板の導電性領域にわたって配置するように構成した表面を有する絶縁層、およびその絶縁層の表面の少なくとも一部に配置した導電性材料を含む。導電性材料は、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子を含む。
【0008】
もう1つの実施態様において、基板アセンブリをタッチスクリーンシステムに提供する。基板アセンブリは、基板、および基板上に導電性タッチ領域を提供するために、基板の表面の少なくとも一部に配置した導電性材料を含む。導電性材料は、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子を含む。
【0009】
もう1つの実施態様において、複数のカーボンナノチューブおよび複数の金属ナノファイバを含む導電性材料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の1つの実施態様に基づいて形成した、タッチスクリーンカバーシートアセンブリの斜視図である。
【0011】
【図2】図2は、図1の線2−2に沿う、図1に示すタッチスクリーンカバーシートアセンブリの断面図である。
【0012】
【図3】図3は、本発明の別の実施態様に基づいて形成した、タッチスクリーンカバーシートアセンブリの断面図である。
【0013】
【図4】図4は、図1および図2に示すタッチスクリーンカバーシートアセンブリのカーボンナノ粒子の概略図である。
【0014】
【図5】図5は、図1および図2に示すタッチスクリーンカバーシートアセンブリの金属ナノ粒子の概略図である。
【0015】
【図6】図6は、図1および図2に示すタッチスクリーンカバーシートアセンブリの概略図である。
【0016】
【図7】図7は、本発明の別の実施態様に基づいて形成した、タッチスクリーンカバーシートアセンブリの概略図である。
【0017】
【図8】図8は、本発明の1つの実施態様に基づいて形成した、タッチスクリーン基板アセンブリの上面図である。
【0018】
【図9】図9は、図8の線9−9に沿う、タッチスクリーン基板アセンブリの断面図である。
【0019】
【図10】図10は、本発明の1つの実施態様に基づいて形成した、抵抗性タッチスクリーンシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本明細書で用いる場合、材料上に2つの地点が存在し、その間で約10メガオーム未満の抵抗を有するように測定され得る場合、その材料は導電性を有すると見なす。抵抗性タッチスクリーンシステムの説明に関して、「シート抵抗」と「接触抵抗」との形態における導電率に対する抵抗を区別する。本明細書で用いる場合、導電性材料の「シート抵抗」を、その導電性材料の面内での電流の流れに対する抵抗として規定する。本明細書で用いる場合、導電性材料の「接触抵抗」を、その導電性材料と別の導電性材料との接触箇所にて、その導電性材料に入るおよびその導電性材料から出る電流の流れに対する抵抗として規定する。
【0021】
図1は、本発明の1つの実施態様に基づいて作った、タッチスクリーンカバーシートアセンブリ10の斜視図である。図2は、タッチスクリーンカバーシートアセンブリ10の断面図である。アセンブリ10を、抵抗性タッチスクリーンシステム(図1および図2に図示せず)と一緒に用いてよい。アセンブリ10を組み込んだ例示的なタッチスクリーンシステムを、以下でより詳細に説明する。アセンブリ10は、導電性材料16によって少なくとも部分的に被覆した表面14を有する絶縁層12を含む。以下でより詳細に説明するように、導電性材料16は、複数のカーボンナノ粒子17(図4および図6)および複数の金属ナノ粒子19(図5)の双方を含む。場合によっては、一般的にはカバーシートアセンブリ10および/または特に表面20の耐久性の向上を助けるために、絶縁層12は、表面14に対向する表面20にコーティング18を含んでもよい。コーティング18をいずれの適当な材料から作ってもよく、それは例えばアクリル樹脂および/またはガラスであるが、これらに限定されない。
【0022】
図10について以下でより詳細に説明するように、使用に際して、表面14およびその上の導電性材料16が基板とほぼ向かい合うように、アセンブリ10は、タッチスクリーンシステムの基板(図1および図2では図示せず)上に保持されている。コーティング18の表面21、あるいはコーティング18を含まない場合、その代わりに表面20は、タッチスクリーンシステムが表示した入力を選択するために、使用者が触れることができる露出したタッチ表面を提供する。
【0023】
絶縁層12が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な材料から絶縁層12を作ってもよく、それは例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)および/またはガラスであるが、これらに限定されない。例えば、アセンブリ10の特定の用途および/またはアセンブリ10を一緒に用いるタッチスクリーンの種類に応じて、絶縁層12は完全に透明または部分的に透明であってよい。幾つかの実施態様において、絶縁層12の1つまたはそれより多くの部分は、不透明であってよい。例えば、アセンブリ10の特定の用途ならびに/またはアセンブリ10を一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類および/もしくは構造に応じて、絶縁層12は、絶縁層12が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な寸法および/または形状を有してもよく、それは例えば矩形、円形、三角形および/または楕円形の形状であるが、これらに限定されない。
【0024】
先に記載したように、導電性材料16は、カーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19の双方を含む。図2の例示的な実施態様において、導電性材料16は、2つの層25および27を含む。図2に示すように、層25は、絶縁層12の表面14に直接配置され、かつ金属ナノ粒子19を含み、他方、層27は、層25の表面29に直接配置され、かつカーボンナノ粒子17を含む。カーボンナノ粒子17を含む層27は、層25の金属ナノ粒子19が大気に露出しないように助け、それによって、層25の金属ナノ粒子19を大気中腐食から保護することを助ける。従って、層27は、導電性材料16の接触抵抗が増加しないように促す。更に、導電性材料16は、金属ナノ粒子19の弾性および/またはカーボンナノ粒子17の耐衝撃性のおかげで、酸化インジウムスズ(ITO)から作った導電性材料と比べて、より高い耐久性を有することができる。2つの層25および27が図示されているが、導電性材料16は、いずれの数の層を含んでもよく、最も外側の露出層がカーボンナノ粒子17を含みさえすれば、その各層はカーボンナノ粒子17または金属ナノ粒子19のどちらを含んでもよい。
【0025】
別の実施態様において、導電性材料16は、各々がカーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19の混合物を有する、1つまたはそれより多くの層を含む。本明細書で用いる場合、「混合物」なる用語は、各々がカーボンナノ粒子もしくは金属ナノ粒子のみを含んでいる1つまたはそれより多くの別個の領域を含む層、(混合物が均質であるかどうかに関わらず)全体にわたって混合されたカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子を含む層、ならびに/またはそれらの組み合わせを含む。図3は、本発明の別の実施態様に基づいて形成したタッチスクリーンカバーシートアセンブリ110の断面図である。アセンブリ110は、導電性材料116によって少なくとも部分的に被覆した表面114を有する絶縁層112を含む。導電性材料116は、単一の層125のみを含む。単一の層125は、カーボンナノ粒子(図3には図示せず)および金属ナノ粒子(図3には図示せず)の混合物を含む。場合によっては、導電性材料116は、カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の混合物を含む1つより多くの層125を含んでもよい。図3の例示的な実施態様において、カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子は、層125内でそれぞれ不規則に配向している。しかしながら、例えば導電性材料16(図1および図2)に関して以下でより詳細に説明するように、場合によっては、カーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子は、層125内で不規則でないように配向させられていてもよい。図3の例示的な実施態様において、導電性材料116の層125の表面129に少なくとも部分的に露出している金属ナノ粒子は、大気中腐食をいくらか被る可能性がある。しかしながら、表面129に少なくとも部分的に露出している層125内のカーボンナノ粒子は、表面129に導電性を提供することができ、それによって、導電性材料116の接触抵抗を増加させないように促す。
【0026】
図2の実施態様は、少なくとも2つの層25および27を含む導電性材料16を含み、それぞれの層25または27は、カーボンナノ粒子17または金属ナノ粒子19のいずれかを含み、他方、図3の実施態様は、各々がカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の混合物を含む1つまたはそれより多くの層を有する導電性材料116を含む。しかしながら、本明細書で説明および/または図示する導電性材料は、場合によっては、図2および図3の実施態様の組み合わせであってもよい。特に、本明細書で説明および/または図示する導電性材料は、場合によっては、カーボンナノ粒子もしくは金属ナノ粒子のいずれかを含む1つまたはそれより多くの層に加え、カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の混合物を有する1つまたはそれより多くの層を含む。
【0027】
場合によっては、層25、層27および/または導電性材料16全体が、アセンブリ10を一緒に用いるディスプレイ(図示せず)に対して所定の透明性を有するように、図1および図2に示すように、層27内にカーボンナノ粒子17(図4および図6)および/または層25内に金属ナノ粒子19(図5)を配置してよい。本明細書で説明および図示する導電性材料の実施態様を、いずれの種類のディスプレイ(図示せず)と一緒に用いるタッチスクリーンシステムの中に組み込んでもよく、それは例えばプラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLEDs)、液晶ディスプレイ(LCDs)および/またはタッチスクリーンシステムと一緒に用いるのに適するいずれかの他の種類のディスプレイであるが、これらに限定されない。タッチスクリーンシステムと一緒に用いる幾つかのディスプレイは、偏光を発する。例えば、幾つかのLCDsは、偏光した光を発することがよく知られている。より詳細には、LCDsは、一般的にはバックライト、バックライトと液晶材料との間に偏光フィルム、およびその液晶材料の反対側に第2偏光フィルムを含む。第2偏光フィルムに到達する偏光の向きに液晶が及ぼす影響の結果として、LCDの各ディスプレイの画素は、電気的に制御される光バルブとして機能する。第2偏光フィルムを出る光は、直線偏光している。第2偏光フィルムの偏光軸の向きに応じて、LCDが発する光は、水平に偏光しても、垂直に偏光しても、45°の角度に偏光しても、またはいずれかの他の向きに偏光してもよい。水平に偏光した光は、関連する電場が水平方向に振動する光である。垂直に偏光した光は、関連する電場が垂直方向に振動する光である。45°の角度に偏光した光は、関連する電場が水平方向および垂直方向の双方に対して45°の角度を成す方向に振動する光である。
【0028】
層27内のカーボンナノ粒子17の各々の本体部および層25内の金属ナノ粒子19の各々の本体部は、電子が沿って動く、導電性材料16内での線形パス(linear path)を提供する。(本明細書で用いる場合、「電子」は、電子または半導体の概念における「正孔」のいずれかである、電荷担体を略した表記(shorthand)である)。図4に示すように、場合によっては、幾らかまたは全部のカーボンナノ粒子17は細長くてよく、そのカーボンナノ粒子17各々は、それらの太さ(または厚さ)Tおよびそれらの幅Wよりも実質的に大きい長さLを有する。例えば、カーボンナノ粒子17は、それらの太さTおよび/またはそれらの幅Wの3倍またはそれより多くの倍数である長さLを有してよい。場合によっては、長さLは、太さTおよび幅Wの10倍またはそれより多くの倍数であってもよい。カーボンナノ粒子17の細長い形状は、カーボンナノ粒子17に異方性を有する導電特性を与える。太さTおよび幅Wが同じであるようにして、略円形の断面を有するように図示しているが、カーボンナノ粒子17は、いずれの適当な断面形状をそれぞれ含んでもよい。同様に、図5に示すように、場合によっては、幾らかまたは全部の金属ナノ粒子19は細長くてよく、その金属ナノ粒子19各々は、それらの太さTおよびそれらの幅Wよりも実質的に大きい長さLを有する。例えば、金属ナノ粒子19は、それらの太さTおよび/またはそれらの幅Wの3倍またはそれより多くの倍数である長さLを有してよい。場合によっては、長さLは、太さTおよび幅Wの10倍またはそれより多くの倍数であってもよい。金属ナノ粒子19の細長い形状は、金属ナノ粒子19に異方性を有する導電特性を与える。太さTおよび幅Wが同じであるようにして、略円形の断面を有するように図示されているが、金属ナノ粒子19各々は、いずれの適当な断面形状を含んでもよい。例示的な実施態様において、カーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19の太さTおよび幅Wの寸法は、1ミクロンと等しいまたはそれよりも小さく、他方、カーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19の長さLは、1ミクロンよりも大きい。しかしながら、幾つかの実施態様においては、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19の太さTおよび/または幅Wの寸法は、1ミクロンより大きくてもよい。更に、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19の長さLは、1ミクロンより小さくてもよい。本明細書で用いる場合、「カーボンナノ粒子17」および「金属ナノ粒子19」における「ナノ」なる接頭語は、1ミクロンより小さいまたはそれと等しい寸法、ならびに1ミクロンより大きい寸法を意味してよい。
【0029】
先に記載したように、ディスプレイが発する偏光に対する所定の透明性を、層25、層27および/または導電性材料16全体に提供するために、場合によっては、層17内のカーボンナノ粒子17および/または層25内の金属ナノ粒子19は、ディスプレイが発する偏光に対して配向してよい。幾つかの実施態様においては、層25、層27および/または導電性材料16全体の必ずしも全ての部分が、所定の透明性を有するわけではないことが望ましいことがあり、そのような部分において、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19は、所定の透明性を提供するようには配向していない。所定の透明性は、ディスプレイが発する偏光に対して部分的に透明または完全に透明であってよい。層25、層27および/また導電性材料16全体が、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対して垂直な方向に偏光した別の偏光に対してよりも、ディスプレイが発する偏光に対して一層透明であるように、ディスプレイが発する光の電場の方向Dに対して配向するそれぞれのパターンで、例えば、長さLおよびLのカーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19をそれぞれ配置してよい。例えば、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19のパターンは、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対して垂直である、ディスプレイのものではない、他の偏光の偏光方向とより整列した整列方向Dに配向してよい。幾つかの実施態様において、層25、層27および/または導電性材料16全体が、ディスプレイが発する偏光に対して垂直に偏光した光に対してよりも、ディスプレイが発する光に対して少なくとも1%一層透明であるように、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19のパターンは配向している。他の実施態様において、層25、層27および/または導電性材料16全体が、ディスプレイが発する偏光に対して垂直に偏光した光に対してよりも、ディスプレイが発する光に対して少なくとも2%一層透明であるように、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19のパターンは配向している。更なる他の実施態様において、層25、層27および/または導電性材料16全体が、ディスプレイが発する偏光に対して垂直に偏光した光に対してよりも、ディスプレイが発する光に対して少なくとも5%一層透明であるように、カーボンナノ粒子17および/または金属ナノ粒子19のパターンは配向している。
【0030】
図6は、ディスプレイが発する光に対する所定の透明性を提供するために、複数のカーボンナノ粒子17が、ディスプレイが発する光の電場の方向Dに対して配向するパターンで配置されていることを図示する、カバーシートアセンブリ10の概略図である。明確にするために、カーボンナノ粒子17の寸法は誇張されており、カーボンナノ粒子17のパターンの密度も低くなるように、カーボンナノ粒子17の数は減らされている。図6の例示的な実施態様において、金属ナノ粒子19は、層25内でそれぞれ不規則に配向している。カーボンナノ粒子17のパターンが配向する整列方向Dは、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対して垂直な方向Dとほぼ整列する。言い換えると、整列方向Dは、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対してほぼ垂直に整列する。図6の例示的な実施態様において、ディスプレイが発する光の偏光方向Dはほぼ垂直であり、他方、整列方向Dおよび方向Dは、絶縁層12の表面14に対してほぼ垂直に延在する。ディスプレイが発する偏光の電場は、電子を励起させ、カーボンナノ粒子17の内でそれらの太さTに沿って(方向Dに沿って)移動させる。カーボンナノ粒子17の太さTは、それらの長さLより実質的に小さい。電子をカーボンナノ粒子17の長さLに沿って移動させるように励起させる場合に限っては、電場によって励起させられる電子は動かない。カーボンナノ粒子17の太さTに沿う例示的な電子の動き23を図4に図示する。従って、カーボンナノ粒子17は、カーボンナノ粒子17が不規則に配向する場合よりも、ディスプレイが発する偏光とそれほど相互作用せず、それによって、それほど散乱または吸収しない。図6の例示的な実施態様において、カーボンナノ粒子17のパターンが配向する整列方向Dは、偏光方向DおよびDの双方に対してほぼ垂直であり、従って、方向DおよびDの双方に偏光した光に対する所定の透明性が提供される。偏光していない光を発するディスプレイに関しては、方向Dに対して双方とも垂直であり、かつ従って、図6の実施態様により、偏光していない光を発するディスプレイに対する同じ透明性の利点が提供される、DおよびD方向に偏光成分を、光の横波特性が更に制限する。図6の例示的な実施態様において、整列方向Dは偏光方向DおよびDの双方に対してほぼ垂直であるが、カーボンナノ粒子17のパターンが配向する整列方向Dが、(例えば、図7に示す金属ナノ粒子519に関して示すように、)偏光方向Dの代わりに偏光方向Dとほぼ整列する場合、方向Dに偏光した光を発するディスプレイに関して、(方向Dに偏光した)そのディスプレイが発する光に対する所定の透明性も提供できる。しかしながら、偏光していない光を発するディスプレイに関して、カーボンナノ粒子17のパターンが配向する整列方向Dが偏光方向Dとほぼ整列する場合、カーボンナノ粒子17は、図6の実施態様による場合よりも、偏光していない光の偏光成分Dに対して一層透明でない。更に、図6の実施態様は、カーボンナノ粒子17のパターンが配向する整列方向Dが、絶縁層12の表面14と平行である偏光方向Dとほぼ整列する場合よりも、同じ数のカーボンナノ粒子17に対し、より少ない接触抵抗を提供する。
【0031】
幾らかのカーボンナノ粒子17の長さLは、整列方向Dにほぼ配向するわけでなくてもよい。図6では、全てのカーボンナノ粒子17の長さLが、整列方向Dにほぼ配向しているように示されているが、幾つかの実施態様においては、幾らかのカーボンナノ粒子17の長さLは、整列方向Dにほぼ配向しているわけではなく、むしろ方向Dに対して傾いて配向している。例えば、図7に示すように、幾らかの複数の金属ナノ粒子519の長さは、整列方向Dにほぼ配向しているわけではなく、むしろ方向Dに対して傾いて配向している。しかしながら、金属ナノ粒子519の配向の分布は、金属ナノ粒子519のパターンが、整列方向Dに平均的な全体としての配向を有するようなものである。特に、方向Dにほぼ配向する長さを有する金属ナノ粒子519の数、および方向Dに対して傾き角度をなす金属ナノ粒子519の各々の角度は、ディスプレイが発する偏光に対する、金属ナノ粒子519を含む導電性層525および/または(層525を含む)導電性材料516全体の所定の透明性を提供するのに十分である。更に、金属ナノ粒子519が、導電性材料516内で導電性ネットワークを形成するために、金属ナノ粒子519は電気的に相互接続される必要がある。従って、金属ナノ粒子519は、それらの長さに沿って実質的に真っ直ぐであることから偏奇してよく、金属ナノ粒子519は(図7に示すように)互いに重なってよく、および/または金属ナノ粒子519は、金属ナノ粒子519を電気的に相互接続させるのに十分な導電率を有する(限定するわけではないが、導電性ポリマーのような)マトリックス材料内で、少なくとも部分的に分散しておよび/または含有されていてよい。複数の金属ナノ粒子のそれぞれの長さが、整列方向Dにほぼ配向できる、図6の実施態様以外の実施態様の他の例には、金属ナノ粒子を所望の配向に配置するために、(以下に記載する)テンプレートを用いる実施態様が含まれるが、これらに限定されない。この段落で説明する全てのことは、カーボンナノ粒子17、ならびに本明細書で説明するいずれの他のカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子にも妥当し、それらに適用してもよい。
【0032】
図4および図6に示すように、ディスプレイが発する光に対する層27および/または導電性材料16全体の所定の透明性を提供するのに十分なほど、(偏光していても、していなくてもよい)ディスプレイが発する光の電場によって引き起こされる電子の動きが小さくなるように、カーボンナノ粒子17の太さTを選択してよい。ディスプレイが発する光に対する所定の透明性を提供する、カーボンナノ粒子17の太さTのいずれの適当な値を選択してもよく、それは例えば、およそ分子の寸法から、ディスプレイが発する光の波長よりも小さい範囲であるおよそ何百ナノメートルかの間であるが、これに限定されない。同様に、ディスプレイが発する光の電場が電子を励起させて、カーボンナノ粒子17内でそれらの幅Wに沿って移動させる他の実施態様において、この段落において先に記載するように、カーボンナノ粒子17の幅Wを太さTに対して選択してよい。
【0033】
図6では、ディスプレイが発する偏光の電場の方向Dはほぼ垂直であるように示されているが、方向Dは、(図6に示すように)ほぼ垂直であるようには限定されない。むしろ、ディスプレイが発する光は、いずれの方向Dに偏光していてよい(また、整列方向Dを、所定の透明性を提供する、方向Dに対するいずれの方向として選択してもよい)。例えば、別の態様において、方向Dはほぼ水平であってよい。方向Dは、ほぼ水平およびほぼ垂直以外の他の方向であってもよい。例えば、図7は、ディスプレイが発する光の偏光方向Dが水平方向および垂直方向に対してほぼ45°に伸びる実施態様を図示する。先に記載したように、図6の実施態様は、ディスプレイが発する光に対して所定の透明性を提供するために、複数のカーボンナノ粒子17が、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対して配向するパターンで配置されていることを含む。追加でまたは代わりに、簡単に先に記載したように、カーボンナノチューブ17に関して本明細書で説明したのと実質的に同様の方法で、層25および/または導電性材料16全体に、ディスプレイが発する光に対する所定の透明性を提供するために、金属ナノ粒子19を、ディスプレイが発する光の偏光方向Dに対して配向するパターンで配置してよい。例えば、図7の例示的な実施態様において、導電性材料516の層525内にある複数の金属ナノ粒子519のパターンの整列方向Dは、ディスプレイが発する偏光の方向Dに対してほぼ垂直である。更に、金属ナノ粒子519のパターンの整列方向Dは、方向Dに対して垂直に偏光した、ディスプレイのものではない別の偏光の方向Dとほぼ整列する。図7の例示的な実施態様において、導電性材料516の層(図示せず)内に含まれる複数のカーボンナノ粒子(図示せず)は、カーボンナノ粒子が内に含まれる層内でそれぞれ不規則に配向している。
【0034】
図7に示す金属ナノ粒子519のパターンの例示的な配向は、ディスプレイが発する偏光に対する所定の透明性を提供することに加え、周辺光の反射の吸収を促すことができる。特に、方向Dに偏光した周辺光の一部は電子を励起させ、金属ナノ粒子519の長さに沿って移動させる。太さ(または厚さ)または幅に沿う動きと比べて、金属ナノ粒子519の長さに沿う電子のより大きな動きは、金属ナノ粒子519に、方向Dに偏光した周辺光を散乱または吸収させる。従って、導電性材料516は、周辺光の一部が導電性材料516を通って進むことを阻止するよう促すことができる。そのようにして、例えば、ディスプレイの表面から反射する周辺光を抑えることにより、ディスプレイのコントラスト比を高めることを促す「減光フィルタ」として、導電性材料516を用いることができる。それに加えてまたはその代わりに、金属ナノ粒子519、本明細書で説明するいずれの他の金属ナノ粒子および/または本明細書で説明するいずれのカーボンナノ粒子も、減光フィルタを提供するために、金属ナノ粒子519と同様に配向してよい。そのような減光フィルタの利点を実現するために、反射または散乱よりはむしろ主に吸収によって、ナノ粒子が光と相互作用することが好ましい場合がある。幾つかの実施態様において、カーボンナノ粒子は、金属ナノ粒子よりもより多くの吸収を提供できる。
【0035】
(金属ナノ粒子519の配向を除き)導電性材料516および金属ナノ粒子519は、導電性材料16(図1、図2および図6)および金属ナノ粒子19(図5)とそれぞれ実質的に同様である。従って、導電性材料16および金属ナノ粒子19の説明および図示は、導電性材料516および金属ナノ粒子519に適用できる。例えば、導電性材料516の構成、材料構築、構造物の太さ(または厚さ)、電気特性、機械特性、利点、適用方法および/または手段ならびに同様のもの、ならびに金属ナノ粒子519の利点、構成、配置、構造、材料構築方向、寸法、形状および同様のものは、導電性材料16および金属ナノ粒子19のそれとそれぞれ実質的に同様である。従って、導電性材料516および金属ナノ粒子519を本明細書で更に詳細には説明しない。
【0036】
図8は、本発明の1つの実施態様に基づいて形成したタッチスクリーン基板アセンブリ210の上面図である。図9は、図8の線9−9に沿って得られるアセンブリ210の断面図である。アセンブリ210を、例えば抵抗性または容量性タッチスクリーンシステムのような、いずれの適当なタッチスクリーンシステム(図8および図9に図示せず)と一緒に用いてよい。アセンブリ210を組み込んだ例示的なタッチスクリーンシステムを、以下でより詳細に説明する。アセンブリ210は、導電性材料216によって少なくとも部分的に被覆した表面214を有する基板212を含む。表面214を被覆する導電性材料216は、表面214に導電性タッチ領域218を提供する。アセンブリ210は、タッチ領域218を縁取る、導電性材料216上の導電性電極220のパターンによって形成した、抵抗のネットワークを含む。
【0037】
図8および図9の例示的な実施態様において、導電性材料216は、2つの層225および227を含む。層225は、基板212の表面214に直接配置されており、複数の(図8の詳細Aに示す)金属ナノ粒子219を含み、他方、層227は、層225の表面229に直接配置されており、(図8の詳細Bに示す)複数のカーボンナノ粒子217を含む。明確にするために、金属ナノ粒子219およびカーボンナノ粒子217の寸法を拡大しており、金属ナノ粒子219およびカーボンナノ粒子217のパターンの密度も低くなるように、金属ナノ粒子219およびカーボンナノ粒子217の数を減少させている。図8の例示的な実施態様において、金属ナノ粒子219およびカーボンナノ粒子217は、それぞれの層225および227内で、各々不規則に配向している。別の実施態様において、ディスプレイが発する光に対する層225、層227および/または導電性材料216全体の所定の透明性を提供するために、金属ナノ粒子219および/またはカーボンナノ粒子217を、アセンブリ210を一緒に用いるディスプレイ(図示せず)が発する光の電場の方向に対して配向するパターンで配置してよい。2つの層225および227が示されているが、導電性材料216はいずれの数の層を含んでもよく、その各々は、カーボンナノ粒子217または金属ナノ粒子219のいずれを含んでもよい。場合によっては、層225および/または227に追加でまたは代わりに、導電性材料216は、各々がカーボンナノ粒子217および金属ナノ粒子219の混合物を有する1つまたはそれより多くの層を含んでもよい。
【0038】
カーボンナノ粒子17の配向パターンを除き、導電性材料216、カーボンナノ粒子217および金属ナノ粒子219は、導電性材料16(図1、図2および図6)、カーボンナノ粒子17(図4および図6)および金属ナノ粒子19(図5)とそれぞれ実質的に同様である。従って、導電性材料16、カーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19の説明および図示は、導電性材料216、材料216のカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子219にそれぞれ適用できる。例えば、導電性材料216の構成、材料構築、構造物の太さ、電気特性、機械特性、利点、適用方法および/または手段ならびに同様のもの、ならびに材料216のカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子219の利点、構成、配置、構造、材料構築配向、寸法、形状および同様のものは、導電性材料16、カーボンナノ粒子17および金属ナノ粒子19のそれとそれぞれ実質的に同様である。従って、導電性材料216、材料216のカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子219を本明細書でより詳細には説明しない。しかしながら、使用者が触れた時、導電性材料16と異なり、導電性材料216は曲げられないことを意味してよく、従って、幾つかの実施態様において、導電性材料216をよりもろい構築物によって作ってよい。
【0039】
カーボンナノ粒子217および/または金属ナノ粒子219の異方特性は、アセンブリ210を含むタッチスクリーンシステムの動作に影響を及ぼし得る。例えば、カーボンナノ粒子217および/または金属ナノ粒子219の異方特性は、使用者が触れた時、タッチ領域218の座標測定に間違いまたは変化をもたらし得る。そのような間違いまたは変化は、例えば、タッチスクリーンシステムの較正の間に決定される補正係数を用いて、補正される必要があり得る。
【0040】
例示的な実施態様において、電極220は導電性材料216に直接配置されている。別の実施態様において、電極220は、導電性材料216の下部で基板表面214に直接配置されている。電極220のパターンは、ほんの例示的なものを意味しており、従って、電極220は、図8に示すパターンに限定されない。むしろ電極220は、タッチスクリーン基板アセンブリ210が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当なパターンを有してよい。同様に電極220は、例えば、アセンブリ210の特定の用途および/もしくはアセンブリを一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類によって決められ得るいずれの適当な寸法、形状、抵抗、導電率を有してもよく、ならびに/またはいずれの適当な材料(例えば、限定するわけではないが、銀のフリットならびに/またはカーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子の密度がより高い導電性材料216の材料など)から作ってもよい。例えば、アセンブリ210の特定の用途および/またはアセンブリ210を一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類に応じて、電極220は完全に透明、部分的に透明、または不透明であってよい。アセンブリ210において、既知のタッチスクリーン基板のデザインで、導電性電極220と組み合わせて時々含まれる欠失ライン(deletion line)(図示せず)を形成するように、導電性材料216のある領域を除去してよい。
【0041】
基板212を、基板212が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な材料から作ってもよく、それは例えばガラス、セラミック、および/またはプラスチックであるが、これらに限定されない。例えば、アセンブリ210の特定の用途および/またはアセンブリ210を一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類に応じて、基板212は完全に透明または部分的に透明であってよい。基板212は、例えば、アセンブリ210の特定の用途ならびに/またはアセンブリ210を一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類および/もしくは構成に応じて、絶縁層212が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な寸法および/または形状を有してもよく、それは例えば矩形、円形、三角形および/または楕円形の形状であるが、これらに限定されない。
【0042】
タッチ領域218は、例えば、アセンブリ210の特定の用途および/またはアセンブリ210を一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類に応じて、タッチ領域218が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な寸法および/または形状を有してもよく、それは例えば矩形、円形、三角形および/または楕円形の形状であるが、これらに限定されない。例示的な実施態様において、タッチ領域218は略矩形形状を有し、電極220によって縁取られる基板表面214の領域を覆う。
【0043】
図10は、本明細書で説明および/もしくは図示するタッチスクリーン基板アセンブリの実施態様ならびに/またはカバーシートアセンブリの実施態様を含むことができる、抵抗性タッチスクリーンシステム300の断面図である。幾つかの実施態様において、抵抗性タッチスクリーンシステム300は4線式システムである。別の実施態様においては、システム300は5線式システムであってよい。システム300を、いずれの適当なディスプレイ(図示せず)に取り付けてもよく、それは例えばプラズマディスプレイ、CRTディスプレイ、OLED、LCDおよび/またはタッチスクリーンシステムを一緒に用いるのに適するいずれかの他の種類のディスプレイであるが、これらに限定されない。例示的な実施態様において、システム300は、カバーシートアセンブリ10および基板アセンブリ210の双方を含み、同時に、先に説明したように、基板212、導電性材料216、導電性材料16および絶縁層12を含む。別の実施態様において、システム300は、アセンブリ10またはアセンブリ210のいずれかを含む。システム300がアセンブリ10または210の一方のみを含むそのような実施態様において、含まれないアセンブリは、既知の常套の導電性コーティングを含む類似のアセンブリ(図示せず)によって置き換えられている。
【0044】
複数の絶縁ドット302が、カバーシートアセンブリ10を基板アセンブリ210から離間させている。特に絶縁ドット302は、絶縁層12上の導電性材料16を基板アセンブリ210の導電性材料216から離間させる。表面214に対向する基板212の表面204は、タッチスクリーンを一緒に用いるディスプレイの面(図示せず)にわたって一般的に配置されている。5線式抵抗性タッチスクリーンの動作においては、タッチ領域218に電気的に接続しているプロセッサ(図示せず)が、タッチ領域218を横断する電圧をX方向およびY方向に切り替える。4線式抵抗性タッチスクリーンの動作においては、材料16または216の一方におけるX方向の電圧勾配が、材料16および216の他方におけるY方向の電圧勾配と交互に切り替えられる。使用者が、タッチ領域218の内側の箇所で、絶縁層12のタッチ表面(21、あるいはコーティング18を含まない場合、その代わりに表面20)に触れることにより入力を行なうと、その接触は、絶縁層12を基板212に向かって動かす。基板212に向かう絶縁層12の動きは、絶縁層12上の導電性材料16を、動きの箇所にて基板アセンブリ210の導電性材料216と係合させ、それによって、それと電気的に接触または触れさせる。プロセッサに接続する電気回路(図示せず)は、使用者の入力を処理するために、接触に関連する電圧または等電位をデジタル化し、その電圧または等電位をそのプロセッサまたはコンピュータもしくは他の機器のプロセッサに送る。図10に示す指での接触は、材料16および216を電気的に接続し、そうすることで、プロセッサから材料16への配線(図示せず)を通り、材料16を通り、材料16と材料216との間の接触抵抗部を通り、材料216を通り、および配線(図示せず)を通りプロセッサに戻る回路を閉鎖する。この段落で説明した閉回路の正味の電気抵抗は「閉回路抵抗」を意味する。
【0045】
本明細書で説明する金属ナノ粒子をいずれの適当な金属から作ってもよく、それは例えば銀、ビスマス、金、ニッケル、スズ、銅、亜鉛および/またはいずれかの他の導電性金属であるが、これらに限定されない。本明細書で説明する金属ナノ粒子は金属ナノファイバであるように示されているが、本明細書で説明する金属ナノ粒子には、金属ナノ粒子が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な形状、特性、構造および/または同等のものが含まれてもよく、それは例えば金属ナノファイバ、金属ナノスフィア、金属ナノチューブおよび/または金属ナノワイヤであるが、これらに限定されない。本明細書で説明するカーボンナノ粒子はカーボンナノチューブであるように示されているが、本明細書で説明するカーボンナノ粒子には、カーボンナノ粒子が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な形状、特性、構造および/または同等のものが含まれてもよく、それは例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノスフェアおよび/またはカーボンナノワイヤであるが、これらに限定されない。カーボンナノチューブに関して、カーボンナノチューブには単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブが含まれてよい。更に、カーボンナノチューブは、元の状態であっても、限定するわけではないが、金属のような別の材料によって機能化および/または充填されて、例えば、カーボンナノチューブの内腔内に封入された「ナノワイヤ」を形成してもよい。本明細書で用いる場合、「カーボンナノチューブ」なる用語は、例えば、シリンダー状の構造を有するフラーレンなど、炭素を含むナノチューブを意味する。
【0046】
カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の双方の混合物を含んでいる、別の実施態様のいずれかの層を含む、本明細書で説明する導電性材料の各層は、層が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な方法、構造、プロセスおよび/または手段を用いて作られてもよい。導電性材料の各層は、層が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な構造および/または成分を含んでもよい。導電性材料の層を構築するのに適当であり得るカーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子を含む構造の例には、限定するわけではないが、少なくとも部分的に複数のカーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子から構築したフィルムならびに/または布帛が含まれ、そのカーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子が不規則に配置されているか、本明細書で説明するように所望の配向に配置されているかは問わない。導電性材料の各層を、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子の単層である、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子の布帛ならびに/またはフィルムから構築してよく、あるいは場合によっては、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子の複数の層から構築してもよい。場合によっては、導電性材料の層のカーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子は、導電性材料が本明細書で説明するように機能できる、1つまたはそれより多くの他の適当な材料のマトリックスに分散していておよび/または含有されていてよく、それは例えばポリマーであるが、これに限定されない。マトリックス用の適当なポリマーの例には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルクロライドおよび/または溶媒に可溶ないずれかの他のポリマーが含まれるが、これらに限定されない。適当な溶媒の例には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)および/または同様のものが含まれるが、これらに限定されない。導電性材料がカーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の別個の層を含む幾つかの実施態様において、カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の隣り合う別個の層の間の接着を促すために、限定するわけではないが、例えばカーボンナノ粒子にグラフトしたカルボキシル基を用いて、カーボンナノ粒子にグラフトしたジスルフィド基を用いて、カーボンナノ粒子にグラフトしたチオフェン基を用いて、および/または限定するわけではないがピレンのような平面共役炭化水素を用いて、カーボンナノ粒子を機能化してよい。
【0047】
カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の双方の混合物を含んでいる、別の実施態様におけるいずれかの層を含む、本明細書で説明する導電性材料の各層を、適用できる場合、表面(例えば、絶縁層表面14または導電性材料の別の層の対応する表面)で直接成長させて、あるいは表面に直接配置してよい。別の実施態様において、導電性材料の1つまたはそれより多くの層を、表面であらかじめ作り配置してよい。導電性材料の各層を、導電性材料が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な方法、プロセス、構造および/または手段を用いて表面に適用してもよく、それは例えばスピンコーティング、浸漬、噴霧(例えば、限定するわけではないが、エアロゾルの塗布など)、スクリーン印刷操作および/または表面での直接成長(例えば、限定するわけではないが、スピンコートした触媒に基づく成長および/または気相触媒の補助による化学蒸着(CVD)など)であるが、これらに限定されない。例えば、限定するわけではないが、スピンコーティング、噴霧、浸漬および/またはスクリーン印刷方法など、幾つかの配置方法において、カーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子は、可溶性または不溶性の形態で適当な溶媒に分散していておよび/または含有させていてよい。その表面または対応する層表面への、そのような例示的な種類の適用を制御するパラメータには、下部表面の表面機能化、スピンコーティングパラメータ(例えば、限定するわけではないが、長さ、懸濁濃度、スピンコーティング溶液濃度および/もしくは1分間あたりの回転数など(RPM)など)、適用の回数、温度、pH、時間、触媒密度/濃度ならびに/または成長環境(例えば、限定するわけではないが、成長時間、成長温度および/もしくは気体濃度など)が含まれる。カーボンナノ粒子間および/またはカーボンナノ粒子と金属ナノ粒子との間の内側の接着性の向上を助けるために、場合によっては、(限定するわけではないが、例えば、カーボンナノ粒子にグラフトしたカルボキシル基を用いて、カーボンナノ粒子にグラフトしたジスルフィド基を用いて、カーボンナノ粒子にグラフトしたチオフェン基を用いて、および/または限定するわけではないがピレンのような平面共役炭化水素を用いて、)カーボンナノ粒子を機能化してもよい。適当に制御した向き、長さおよび同様のものを有する個々のナノチューブを成長させるまたは配置するために、カーボンナノ粒子の直接成長および/または化学的な自己組織化を用いてよい。例えば、本明細書で説明する幾つかの適用の間、カーボンナノ粒子は「自己組織化」特性を示してよく、そこでは個々のナノチューブは、エネルギー的に好ましい時はいつでも、適用される表面に接着する傾向がある。例えば、アセンブリの特定の用途および/またはアセンブリを一緒に用いるタッチスクリーンシステムの種類に応じて、個々のカーボンナノ粒子は、ファンデルワールス力の結果として互いに接着してよい。
【0048】
カーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子を、いずれの適当な方法、プロセス、構造および/または手段を用いて所望の配向パターンで配置してもよく、それは例えば流量調節、スクリーン印刷、電場効果、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子を少なくとも部分的に受容する寸法および形状の溝を含むテンプレート、ならびに/または自己整列する特性の使用であるが、これらに限定されない。別の実施例は、最初にカーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子の不規則に配向したネットワークを形成し、次に、望ましくない配向を有するカーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子を、限定するわけではないが、偏光した赤外線および/もしくは高周波(RF)加熱を用いるなどして除去ならびに/または破壊することを含む。更なる別の実施例は、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子を、所望の配向パターンで、限定するわけではないが、成長させるならびに/または配置するなどして形成すること、ならびに、限定するわけではないが、先に説明したポリマーマトリックスのようなマトリックス内に、カーボンナノ粒子および/もしくは金属ナノ粒子の少なくとも一部を分散ならびに/または含有させることによって、カーボンナノ粒子および/または金属ナノ粒子のそれぞれの位置を固定することを含む。
【0049】
カーボンナノ粒子および金属ナノ粒子の双方の混合物を含む、別の実施態様におけるいずれかの層を含んでいる、本明細書で説明する導電性材料の各層は、その層および/または導電性材料16全体が本明細書で説明するように機能できるいずれの適当な厚さを有してもよい。場合によっては、導電性材料16全体は、限定するわけではないが、一定の、抵抗のような導電特性を提供するために、均一な厚さを有してもよい。幾つかの実施態様において、カーボンナノ粒子を含むいずれの層の厚さも、カーボンナノ粒子の長さ(例えば、層27の厚さ)によって規定されてよい。他の実施態様において、カーボンナノ粒子を含むいずれの層の厚さも、その層がカーボンナノ粒子の1層のみ含む場合、カーボンナノ粒子の1つの幅、太さおよび/または直径によって規定されてよく、あるいはその層がカーボンナノ粒子の1つより多くの層を含む場合、カーボンナノ粒子の複数の幅、太さおよび/または直径によって規定されてよい。導電性材料が本明細書で説明するように機能できる、および/または導電性材料が所望の閉回路抵抗、例えば、限定するわけではないが、約2000オーム/スクエアより小さいシート抵抗、約2000オームより小さい接触抵抗、および/または約3000オームより小さい閉回路抵抗などを提供できる、いずれかの適当な接触抵抗および/またはシート抵抗を提供するために、導電性材料全体の、例えば材料および/もしくは厚さを選択してよい。例えば、アセンブリの特定の用途および/または一緒にアセンブリを用いるタッチスクリーンシステムの種類によって、選択するシート閉回路および/または接触抵抗を決めてよい。幾つかの実施態様において、カーボンナノ粒子による光吸収を最小化するために、導電性材料全体および/またはカーボンナノ粒子を含むいずれの層もできる限り薄くさせ、同時に、その材料全体および/またはその層を腐食性要素からの保護および封止を更に促すことが望まれてよい。
【0050】
カーボンナノ粒子の代替物として、本明細書で説明する導電性材料は導電性ポリマーを含んでよく、その導電性ポリマーが金属ナノ粒子とは別の層に存在するか、その導電性材料が金属ナノ粒子および導電性ポリマーの混合物を有する層を含むかは問わない。導電性材料が導電性ポリマーを含む実施態様において、電子が沿って動く、導電性ポリマーの原子の分子鎖の線形パスが、本明細書で説明するカーボンナノ粒子の機能性を提供する。適当な導電性ポリマーの例には、チオフェン誘導体ポリマーおよび/またはポリチオフェン誘導体ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
実施例
先に説明したように、本明細書で説明および図示する導電性材料の各層を、その層が本明細書で説明するように機能できるいずれの方法、構造、プロセスおよび/または手段を用いて作ってもよい。層25および27(図2)を作る1つの実施例は、限定するわけではないが、
(1)アルゴン/水素雰囲気下、約800℃〜1100℃にて、鉄(II)フタロシアニン(FePc)を熱分解させることにより、石英基板上で、図6に図示するカーボンナノ粒子17のパターンでカーボンナノ粒子17を成長させることによって、層27を生成すること(Yang,Y.;Huang,S.;He,H.;Mau,A.W.H.;Dai,L.J.Am.Chem.Soc.1999,121,10832;およびDai,L.;Patil,A.;Gong,X.;Guo,Z.;Liu,L.;Liu,Y.;Zhu,D.Chem.Phys.Chem.2003,4,1150,およびそこに引用されている参照文献を参照);
(2)ポリアクリル酸を用いて、カーボンナノ粒子17の壁にカルボキシル基をグラフトすることによって、カーボンナノ粒子17を機能化すること;
(3)カーボンナノ粒子17を0.25mMのAgNOおよび0.25mMのクエン酸三ナトリウムと反応させ、次に10mMのNaBHを0.6mL添加し、30秒間撹拌することによって、金属ナノファイバシード層を生成させること;
(4)(a)10mMのAgNO2.5mL、100mMのアスコルビン酸5.0mLおよび80mMの臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)93mLの溶液を調製すること;
(b)2.5mLの金属ナノファイバシード層をその溶液に添加すること;
(c)1MのNaOH0.5mLをその溶液に添加すること;
(d)その溶液を混合すること;
(e)その溶液10mLを6000回転で30分間遠心分離すること;
(f)上澄みを除去すること;および
(g)銀ナノファイバを含有している沈殿物を、脱イオン水0.5mlに再分散させること;
(Jana,N.;Gearheart,L;Murphy,C.;Chem.Commun.,2001,617−618を参照)
によって層27に層25を生成すること;
(5)カーボンナノ粒子17の長さの約半分が被覆されるまで、2重量%の濃度のトルエンに溶解させたPMMA溶液を、層25を通って層27の中まで引き込むことにより、マトリックスに接着層25および27を分散させ、次に80℃で一晩、空気乾燥および焼成することによって、導電性材料16を生成する;
(6)導電性材料16を石英基板から剥がすこと;ならびに
(7)層25が絶縁層表面14と層27との間に挟まれるように、かつカーボンナノチューブ17の被覆されていない端部がPMMAマトリックスの外側に露出および突出するように、導電性材料16を絶縁層表面14に適用すること
を含む。
【0052】
カーボンナノ粒子17に対する特定のポリマー(この実施例ではPMMA)のコーティング深さを、限定するわけではないが、溶媒の特性、ポリマー濃度、ポリマー溶液の体積、ナノチューブの充填密度および/またはナノチューブ表面のプラズマ改質を調節することによって制御できることが分かった。
【0053】
本明細書で説明および/または図示する実施態様は、ITOから作った導電性材料と比べてより高い耐久性を有することができる導電性材料を有するタッチスクリーンを提供する。本明細書で説明および/または図示する実施態様は、耐腐食性が向上した金属ナノファイバを含む導電性材料を提供できる。本明細書で説明および/または図示する実施態様は、透明性が向上したカーボンナノチューブを含む導電性材料を提供できる。
【0054】
本明細書で説明および/または図示する導電性材料の実施態様は、本明細書では抵抗性タッチスクリーンシステムに関して説明および/または図示されているが、本明細書で説明および/または図示する導電性材料を抵抗性タッチスクリーンシステムと一緒に用いるものに限定せず、むしろ限定するわけではないが、容量性タッチスクリーンシステムのようないずれの他の種類のタッチスクリーンシステムと一緒に用いてもよい。説明および/または図示する導電性材料の実施態様は、本明細書ではタッチスクリーンシステムに関して説明および/または図示されているが、本明細書で説明および/または図示する導電性材料の実施態様をタッチスクリーンシステムと一緒に用いるものに限定せず、むしろいずれの適当なシステムと一緒におよび/または少なくとも部分的に透明な導電性材料を含むいずれかの用途に用いてもよい。
【0055】
例示的な実施態様は、本明細書で詳細に説明および/または図示されている。実施態様は、本明細書で説明する特定の実施態様に限定されず、むしろ各実施態様の構成部材および/または段階を、本明細書で説明する他の構成部材および/または段階から独立して、かつ別個に利用してよい。1つの実施態様の各構成部材および/または各段階を、他の実施態様の他の構成部材および/または段階と組み合わせて用いてよい。本明細書で説明および/または図示する要素/構成部材/その他を導入する場合、「1つの」、「その」、「該」および「少なくとも1つの」なる冠詞は、1つまたはそれより多くの要素/構成部材/その他が存在することを意味するように意図されている。「有して成る(含んで成る)」、「含む」および「有する」なる用語は、列挙した要素/構成部材/その他以外の更なる要素/構成部材/その他が存在してよいことを包括および意味するように意図されている。更に、請求項中の「第1」、「第2」および「第3」などの用語は単なる標識として用いられており、それらの物体に番号順的な要件を課すことは意図していない。更に、以下の請求項の限定は、更なる構造物の機能が後続する「のための手段」なる記載について明確に言及していない限り、手段+機能のフォーマットで記載されておらず、かつ35U.S.C.§112の第6段落に基づいて解釈されることを意図していない。
【0056】
本発明を種々の特定の実施態様の観点から説明してきたが、当業者は、本発明が請求項の概念および範囲内で、変更を加えて実施できることを理解するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンシステム用のカバーシートアセンブリであって:
タッチスクリーンシステムの基板の導電性領域上に配置するように構成した表面を有する絶縁層;ならびに
絶縁層の表面の少なくとも一部に配置される導電性材料であって、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子を含んで成る導電性材料
を有して成る、カバーシートアセンブリ。
【請求項2】
導電性材料は第1層および第2層を有して成り、第1層が絶縁層の表面に直接配置され、かつ第2層が第1層の表面に直接配置され、第1層が複数の金属ナノ粒子を含んで成り、第2層が複数のカーボンナノ粒子を含んで成る、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項3】
導電性材料は、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子の混合物を有する単一層を有して成る、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項4】
導電性材料の少なくとも一部が偏光に対して所定の透明性を有するように、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子の少なくとも一方は、偏光の方向に対して配向したパターンで配置されている、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項5】
複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子の少なくとも一方が、偏光の偏光方向よりは第1方向とより整列した整列方向に配向したパターンで配置されており、第1方向は偏光の偏光方向に対してほぼ垂直であり、好ましくは、複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子の少なくとも一方のパターンが、第1方向とほぼ整列した整列方向に配向している、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項6】
第1方向は絶縁層の表面に対してほぼ垂直である、請求項5に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項7】
金属ナノ粒子は、銀、ビスマス、金、ニッケル、スズ、銅および亜鉛のナノ粒子の少なくとも1種を含んで成る、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項8】
複数の金属ナノ粒子および少なくとも一部の複数のカーボンナノ粒子は、ポリマーマトリックス内に少なくとも部分的に含まれている、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項9】
複数のカーボンナノ粒子は、カーボンナノチューブ、カーボンナノスフィア、カーボンナノファイバおよびカーボンナノワイヤの少なくとも1種でできており、複数の金属ナノ粒子は、金属ナノファイバ、金属ナノスフィア、金属ナノチューブおよび金属ナノワイヤの少なくとも1種でできている、請求項1に記載のカバーシートアセンブリ。
【請求項10】
複数のカーボンナノ粒子および複数の金属ナノ粒子を含んで成る導電性材料であって、導電性材料を抵抗性タッチスクリーンシステムのカバーシートとして用いる場合、好ましくは、導電性材料が約2000オーム未満の接触抵抗および約2000オーム/スクエア未満のシート抵抗を有する、導電性材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−537274(P2010−537274A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521036(P2010−521036)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/009717
【国際公開番号】WO2009/023242
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】