説明

カーポート

【課題】屋根フレームに組立・分解が簡単で強度に優れたトラス構造を利用して柱空間を
広く取ることができるとともに、特別な熟練を必要とせずに屋根膜材を張ることができる
構造を備えたカーポートの提供。
【解決手段】間隔をおいて設置した柱1の上に弦材とノードとを結合させて組み立てた立
体トラス2に屋根膜材3を張ったカーポートであって、立体トラス2の上弦ノード2cに
屋根膜材3を支持する膜受材4が屋根の長手方向に間隔をおいて並列に固定され、膜受材
4の両端に、屋根膜材3が固定されて屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材6が移
動可能に連結され、さらに、屋根の長手方向に並列に固定されている膜受材4のうち、両
端に配置されるそれぞれの膜受材4bに、屋根膜材3が固定されて屋根膜材3へ屋根の長
手方向に張力を付与する短辺側膜張材7が移動可能に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の車を駐車させることができる屋根付きのカーポートに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーなどの大型店、テーマパークなどには屋外に複数台の車が駐車できる駐車場が設けられている。通常、屋外駐車場は屋根がないので、降雨の時には車の乗降の際に雨に濡れ、また、夏には炎天に晒されたり、車内が高温になったりする欠点がある。そこで、屋外の駐車場に屋根を設けることが考えられる。例えば、特許文献1には、雨天や酷暑である場合に、屋根付き駐車場へ案内して、雨や酷暑による不快をなくすことが開示されている。しかし、屋根付き駐車場の構造については記載されていない。
【特許文献1】特開2004−325181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
数台、数十台の車を駐車できる屋根付きのカーポートを設置しようとした場合、従来のアルミ製カーポートでは2〜3台おきに屋根を支える支柱が必要であり、鉄骨製であっても3〜4台おきに柱が必要であるために柱空間を広く取ることができずに柱が多くなり、そのため、柱が駐車の際に邪魔になっていた。また、鉄骨構造では、屋根重量が重くなり且つ基礎の箇所数も多くなるため、工事期間も長くなり、工事費も高くなるだけでなく、クレーン車が使用できない場所では鉄骨構造のカーポートの施工は困難となる。また、鉄骨構造のカーポートを撤去しようとした場合、柱が多く、重量も重いので、簡単に対応できないという問題が生じる。また、屋根材に膜材を張ろうとする場合、屋根膜材を波立たないように均一に張るのに時間を要するだけでなく、熟練を要するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、屋根フレームに組立・分解が簡単で強度に優れたトラス構造を利用して柱空間を広く取ることができるとともに、特別な熟練を必要とせずに屋根膜材を張ることができる構造を備えたカーポートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、屋根に屋根膜材を固定して屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材と、屋根膜材へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材を移動可能に配置することにより屋根膜材を張ることができる構造としたものである。
【0006】
本発明は、例えば、間隔をおいて設置した柱の上に弦材とノードとを結合させて組み立てた立体トラスに屋根膜材を張ったカーポートであって、立体トラスの上弦ノードに屋根膜材を支持する膜受材が屋根の長手方向に間隔をおいて並列に固定され、膜受材の両端に、屋根膜材が固定されて屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材が移動可能に連結され、さらに、屋根の長手方向に並列に固定されている膜受材のうち、両端に配置されるそれぞれの膜受材に、屋根膜材が固定されて屋根膜材へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材が移動可能に連結されている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、屋根に屋根膜材を固定して屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材と、屋根膜材へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材を移動可能に配置することにより屋根膜材を特別な熟練を必要とせずに屋根膜材を張ることができる。
【0008】
本発明のカーポートは、屋根に軽量且つ小さいトラス部材で組み立てられる立体トラスと屋根膜材を使用するので、従来の鉄骨構造に比べて屋根の重量が軽くなるとともに、立体トラス特有の強度により、柱空間を広く取ることができ、例えば、車6〜10台(長さにして15m〜25m程度)分ができるので、柱の数が少なくて済み、駐車の際に柱の邪魔が少なくなる。また、屋根を支える柱の数が少なくて済むことから、基礎の数、大きさを低減できるので、基礎工事費が安くなる。
【0009】
また、本発明のカーポートの屋根は、軽量で且つ小さく、組立・分解が何度でも容易にできるため、柱の位置を比較的容易に変えることができるなどの設計の自由度が高く、設置場所に適した形状が得やすく、また、道幅が狭い場所でも人力で搬入して作業できるので、クレーン車が入らない場所でも設置ができるだけでなく、カーポート設置後に設置場所を変更したりあるいはカーポートを撤去する場合も、比較的簡単に対応できる。
【0010】
また、本発明のカーポートの屋根は、立体トラスに屋根膜材を張る際に、屋根膜材を固定した膜張材を移動させることにより容易にできるので、特別な熟練を必要とせず、屋根膜材の張り施工が速くでき、また、施工後の屋根膜材の張り調整も膜張材の移動で容易にできるだけでなく、さらに、屋根膜材の張り替えも膜張の手順と逆の手順により容易にできる。
【0011】
また、屋根の四隅に屋根膜材を短辺側、長辺側に張設するブロックを設けることにより、屋根膜材の隅にしわを形成させることなくきれいに張設することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、鉄骨構造の屋根や立体トラスの屋根に適用できる。以下、立体トラスの例について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明によるカーポートの一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は屋根構造体の側面図、(c)は一部平面図である。図2は膜受材、長辺側膜張材、短辺側膜張材及び膜材固定用部材の構造を示す平面図、図3は同側面図である。
【0014】
図1は柱空間に6台の車が駐車できるカーポートの例であり、長手方向の両端にそれぞれ幅方向に2本の柱1を前後に設けて屋根構造体となる立体トラス2を支持し、その上に屋根膜材3を張ったものである。図1に示すカーポートの長手方向に、さらに連続してカーポートを接続することにより、駐車台数を増やすことができる。
【0015】
柱1には、弦材2aと、柱1の頂部に溶接により固定された下弦ノード2bと、上弦ノード2cとを結合させて組み立てた立体トラス2が支持される。立体トラス2の上弦ノード2cには、上弦ノード2cのレベルに合わせて屋根膜材3を支持する膜受材4がボルト4cで固定される。上弦ノード2cのレベルは、屋根上面の形状や勾配などにより適宜設計する。図1の実施例では、弓形に曲げ加工された膜受材4が固定される。膜受材4は、鋼管を使用し、本実施例では、孔や溶接等の加工し易さから角形鋼管を使用している。さらに、膜受材4の頂点部は屋根長手方向に継ぎ材5で連結金具5aにより連結され、膜受材4が動かないように固定される。
【0016】
膜受材4の両端(屋根の長辺側)には、屋根膜材3へ屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材6が連結される。さらに、屋根の長手方向に並列して取り付けられている膜受材4のうち、両端に配置されるそれぞれの膜受材4bには、屋根膜材3へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材7が連結される。長辺側膜張材6は、複数に分割して設ける。長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7も膜受材4と同様に角形鋼管で形成される。
【0017】
図2(a)及び(b)において、膜受材4と長辺側膜張材6の連結は、膜受材4の端部に溶接により固定された連結用板4aと、長辺側膜張材6に溶接により固定された、長孔6aが設けられた連結用板6bとをボルト6cにより締結することにより行う。
【0018】
分割された長辺側膜張材6の継ぎ目の部分は、図2(b)に示すように、隣り合う長辺側膜張材6どうしは、膜受材4の端部に膜受材4を挟んで溶接により固定された2つの連結用板4aと、隣り合う長辺側膜張材6のそれぞれに溶接により固定された、長孔6aが設けられた連結用板6bとをボルト6cにより締結することにより行う。
【0019】
また、膜受材4の両端の小口には長辺側膜張材6を屋根の幅方向へ押し出すための膜張用ボルト8が小口に溶接された鋼板4dに開けられた孔に挿入され、ネジ部にはナット8aが螺合され、膜張用ボルト8のヘッド8bは長辺側膜張材6の一方に溶接された補強鋼板6dに当接される。この構造により、ナット8aを回転させると、膜張用ボルト8が前進し、それに伴って長辺側膜張材6が屋根の幅方向の外側へ前進して、長辺側膜張材6に固定した屋根膜材3を張ることが可能となる。また、ナット8aを逆回転させると、膜張用ボルト8が後進し、それに伴って長辺側膜張材6が屋根の幅方向の内側へ後退して、長辺側膜張材6に固定した屋根膜材3を緩めることが可能となる。こうして膜張用ボルト8を回転させるだけで屋根膜材3の屋根幅方向の張り具合を調整することができる。
【0020】
また、屋根長手方向の両端の膜受材4bに、膜受材4bの両端及び中央にそれぞれ膜張用ボルト9の一方の側が貫通してボルトナットで固定され、この膜張ボルト9の他方の側が短辺側膜張材7に貫通して取り付けられる。短辺側膜張材7のネジ部にはナット9a,9bが螺合している。短辺側膜張材7側のネジ部のナット9bを緩めたのち、ナット9aを回転させることにより、短辺側膜張材7が屋根の長手方向の外側に前進して、短辺側膜張材7に固定した屋根膜材3を屋根長手方向に張ることが可能となる。また、ナット9aを逆回転させることにより、短辺側膜張材7を屋根の長手方向の内側へ後退させて、短辺側膜張材7に固定した屋根膜材3を緩めることが可能となる。
【0021】
長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7には、屋根膜材3の周縁を挟んで膜取付用ボルト12で固定する膜支持帯板11と膜押え板13を備える膜材固定用部材10が設けられる。膜材固定用部材10は、各膜張材6,7に直交する方向に一定間隔で溶接により固定された支持板10aに支持される。支持板10aには上方に開放された凹部を形成して、膜取付用ボルト12が当たらないようにする。
【0022】
支持板10aには2枚の鋼製の膜支持帯板11が、膜取付用ボルト12を通す間隔11aをおいて平行に溶接により固定される。屋根膜材3には、周縁に一定間隔で膜取付用ボルト12を通すボルト孔が開けられており、屋根膜材3は、膜支持帯板11と膜押え板13との間に挟まれ、図4に示すように、膜押え板13のズレ止め座金14と丸座金15を介して膜取付用ボルト12により固定される。
【0023】
以上の膜材固定部材10の構造により、屋根長手方向、幅方向共に所定の張力を与えて屋根膜材3を張った状態で施工する際、屋根膜材3の引っ張りにより屋根膜材3の周縁に設けられた取付用ボルト孔が移動して孔の位置が屋根膜材に張力を与える前の位置からズレても、膜取付用ボルト12が通る、膜支持帯板11の間隔11aが連続しているので、膜取付用ボルト12の締め付けが可能となる。
【0024】
なお、長辺側膜張材6の外側には、支持用鋼板10aにボルトにより雨樋16を取り付けてもよい。
【0025】
次に、本発明のカーポートの施工手順について説明する。
【0026】
(1)基礎に柱1をアンカーボルトにて固定する。柱1の頭部には予め立体トラス2の下弦ノード2bを溶接により固定しておく。
【0027】
(2)カーポートの屋根構造体となる立体トラス2を地組し、立体トラス2の上弦ノード2cに膜受材4を取り付け、膜受材4どうしを継ぎ材5で連結する。次いで、膜受材4の両端及び屋根長手方向の端の膜受材4bにそれぞれ膜張材6,7を接続する。完成した屋根構造体をクレーン車で吊り上げて柱1の頭部に固定されている下弦ノード2bに接合する。なお、クレーン車が入らない場所、あるいはクレーン車を使用しない場合には、柱1の間に足場を組み立て、足場上で人力にて柱上に立体トラスを組み立てていく。膜張材6,7は、膜受材4,4bと膜張材6,7を接続する膜張用ボルト8,9を縮めて屋根の内側に向けて待機位置に後退させておく。
【0028】
(3)屋根膜材3としてテント生地を膜受材4の上に載せて屋根全体に広げる。
【0029】
(4)屋根膜材3の周縁に設けられている取付用ボルト孔を長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7に間隔をおいて溶接されている2つ膜支持帯板11の間隔11aに合わせた後、屋根膜材3の上に膜押え板13を載せ、ズレ止め座金14と丸座金15を一つおきに当てて膜取付用ボルト12を差し込み、ナットを手により軽く締めておく。
【0030】
(5)長辺側膜張材6の膜取付ボルト12をスパナで締め付けて固定する。次に膜張用ボルト8を屋根外側に向けて押し出すためにナットを回転させ、膜張材6を屋根外側に向けて押し出して屋根膜材3に屋根幅方向の所定の張力を与える。反対の膜張材についても同じ作業を行う。
【0031】
次に、屋根短辺側の膜張材7の膜取付ボルト12をスパナで締め付けて固定する。その後、膜張用ボルト8のナット8aを回転させ膜張材6を屋根内側に向けて少し後退させ、前記(5)で締め付けた膜張材6の膜取付ボルト12は一旦緩める。反対の膜張材についても同じ作業を行う。この作業により、屋根膜材3の屋根長手方向への移動が可能となる。
【0032】
次に、両側の屋根短辺側の膜張材7を膜張用ボルト9のナット9aの回転によって屋根外側へそれぞれ押し出し、屋根膜材3に屋根長手方向の張力を与えて張る。その後、ナット9bを締め付けて固定する。
【0033】
次に、屋根長辺側の膜張材6の膜取付ボルト12をスパナで締め付けて膜張材6を片側から順次膜張用ボルト8によって屋根外側に押し出して屋根幅方向の張力を与えて完了する。
【実施例2】
【0034】
実施例1では屋根長辺側の膜張材6及び屋根短辺側の膜張材7で屋根膜材3に張力を与えて張設しているが、屋根の隅で屋根膜材3にしわが寄る場合がある。そこで、本実施例は、屋根の隅で屋根膜材3にしわが寄らないように張設するためのものである。
【0035】
図5(a)は本発明による屋根膜材の4隅を張設する構造を示す平面図、(b)は側面図である。実施例1と同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0036】
長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7の端部には、屋根膜材3の隅を張設する張設用駒17が配置される。張設用駒17は四角枠の両側にプレートを嵌め込んで中空の立方体で形成されている。長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7は、張設用駒17を配置するスペースを設けるために実施例1に比べて短く形成されている。
【0037】
長辺側膜張材6及び短辺側膜張材7の両端の小口には、それぞれ張設用駒17を長辺側及び短辺側に移動させるため、膜張用ボルト18が小口に溶接された曲げプレート19に開けられた孔に挿入され膜張用ボルト18のネジ部にはナット20が螺合されている。なお、曲げプレート19には、小口との間にスパナが入る隙間を設けてナットを回しやすくする。長辺側膜張材6の膜張用ボルト18のヘッド部21は膜支持帯板11bに固定され、ナット20により膜支持帯板11bと張設用駒17とが一体的に結合されている。また、短辺側膜張材7の膜張用ボルト18のヘッド部21は張設用駒17に当接される。
【0038】
張設用駒17の膜支持帯板11bと長辺側膜張材6の膜支持帯板11との間の開いた部分には、膜支持帯板11cを入れて見映えをよくする。
【0039】
長辺側膜張材6、短辺側膜張材7及び張設用駒17に固定する膜材固定用部材10は、実施例1の支持板10aに支持する構造に代えて、長辺側膜張材6、短辺側膜張材7及び張設用駒17に、屋根膜材3の周縁を挟んで膜取付用ボルト12で固定するアングル材からなる膜支持帯板11と膜押え板13を備える膜材固定用部材10を設けることができる。
【0040】
この構造により、長辺側膜張材6あるいは短辺側膜張材7のナット20を回転させて膜張用ボルト18を前進させ、それに伴って張設用駒17を長辺側あるいは短辺側に移動させて屋根膜材3の隅を張設することができる。また、ナット20を逆回転させると、膜張用ボルト18が後進し、それに伴って張設用駒17が移動して屋根膜材3の隅の張り具合を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるカーポートの一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は屋根構造体の側面図、(c)は一部平面図である。
【図2】本発明によるカーポートの膜受材、長辺側膜張材、短辺側膜張材及び膜材固定用部材の構造を示す平面図である。
【図3】本発明によるカーポートの膜受材、長辺側膜張材、短辺側膜張材及び膜材固定用部材の構造を示す側面図である。
【図4】膜支持帯板と膜押え板との間に屋根膜材を座金で固定した状態を示す平面図である。
【図5】(a)は本発明による屋根膜材の4隅を張設する構造を示す平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1:柱 2:立体トラス
2a:弦材
2b:下弦ノード
2c:上弦ノード
3:屋根膜材 4:膜受材
4a:連結用板
4b:端の膜受材
4c:膜受材取付ボルト
4d:鋼板
5:継ぎ材
5a:連結金具 6:長辺側膜張材
6a:長孔
6b:連結用板
6c:ボルト
6d:補強鋼板
7:短辺側膜張材 8:膜張用ボルト
8a:ナット
8b:ヘッド
9:膜張用ボルト
9a,9b:ナット 10:膜材固定用部材
10a:支持板
11:膜支持帯板
11a:間隔
11b,11c:膜支持帯板
12:膜取付用ボルト
13:膜押え板 14:ズレ止め座金
15:丸座金 16:雨樋
17:張設駒 18:膜張用ボルト
19:曲げプレート 20:ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて設置した柱の上に組み立てた鉄骨屋根に屋根膜材を張ったカーポートであって、
鉄骨屋根の上に屋根膜材を支持する膜受材が屋根の長手方向に間隔をおいて並列に固定され、
膜受材の両端に、屋根膜材が固定されて屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材が移動可能に連結され、
さらに、屋根の長手方向に並列に固定されている膜受材のうち、両端に配置されるそれぞれの膜受材に、屋根膜材が固定されて屋根膜材へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材が移動可能に連結されていることを特徴とするカーポート。
【請求項2】
間隔をおいて設置した柱の上に弦材とノードとを結合させて組み立てた立体トラスに屋根膜材を張ったカーポートであって、
立体トラスの上弦ノードに屋根膜材を支持する膜受材が屋根の長手方向に間隔をおいて並列に固定され、
膜受材の両端に、屋根膜材が固定されて屋根の幅方向に張力を付与する長辺側膜張材が移動可能に連結され、
さらに、屋根の長手方向に並列に固定されている膜受材のうち、両端に配置されるそれぞれの膜受材に、屋根膜材が固定されて屋根膜材へ屋根の長手方向に張力を付与する短辺側膜張材が移動可能に連結されていることを特徴とするカーポート。
【請求項3】
長辺側膜張材及び短辺側膜張材には、それぞれ屋根膜材の周縁を膜取付用ボルトで固定する膜材固定用部材が設けられ、膜材固定用部材には、膜取付用ボルトを通す間隔をおいて平行に固定した2枚の膜支持帯板と、屋根膜材を膜支持帯板との間で挟む膜押え板とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のカーポート。
【請求項4】
長辺側膜張材及び短辺側膜張材が膜受材に膜張用ボルトに螺合するナットの回転により移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカーポート。
【請求項5】
長辺側膜張材及び短辺側膜張材の端部に、長辺側及び短辺側へ移動可能に屋根膜材の隅を張設する張設用駒が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカーポート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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