説明

ガイダンス表示システム、ガイダンス表示方法、およびガイダンス表示プログラム

【課題】利用者の手間をかけず、利用者に応じて入力項目ごとにガイダンスの表示を切り替えることができるガイダンス表示方法を提供する。
【解決手段】個人情報取得手段16は、利用者IDに基づいて個人属性情報記憶部34から個人属性情報を取得し、入力履歴情報記憶部36から入力履歴情報を取得する。表示データ取得手段18は、業務IDに基づいて入力帳票データ記憶部38から入力帳票データを取得する。ガイド条件取得手段20は、ガイド条件をガイド条件記憶部42から取得する。画面構成手段22は、ガイド条件に従い、個人属性情報および入力履歴情報に基づいてチェック項目ごとにガイダンスレベルを決定する。表示データ取得手段18は、チェック項目IDおよびガイダンスレベルに基づいてガイダンスデータ記憶部40からガイダンスデータを取得する。画面構成手段22は、入力項目にガイダンスデータを付加した入力画面データを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話形式でデータを入力するシステムにおけるガイダンス表示に係り、特に、個々の利用者に応じたガイダンスを表示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
入力項目と入力スロットを表示し、利用者が入力スロットにデータを入力する対話形式のデータ入力システムにおいて、間違った入力を防ぐために入力方法のガイダンスを表示することが行われる。入力における注意点を利用者によらず一律に表示する方法もあるが、入力の熟練度に応じてガイダンスの丁寧さ、あるいはガイダンスの有無を切り替えられるように考案された例もある。(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特許第2509982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の入力項目がある場合、入力間違いを生じる確率は入力項目ごとに異なり、ほとんどの入力項目を間違いなく入力する熟練者でも、特定の入力項目についてはよく間違えるということがある。このような場合、まったくガイダンスを表示しなければ、特定の入力項目についての入力間違いを防ぎきれず、また、すべての入力項目にガイダンスを表示すればほとんどの入力項目について煩わしいものとなる。入力項目ごとにガイダンスの表示/非表示を切り替えるように指示することはさらに煩わしく、また、間違いそうな入力項目を事前に利用者が指摘できるとも限らない。
【0004】
本発明の目的は、利用者の手間をかけず、利用者に応じて入力項目ごとにガイダンスの表示を切り替えることができるガイダンス表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるガイダンス表示システムは、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムであって、入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを記憶する入力帳票データ記憶部と、ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて記憶するガイダンスデータ記憶部と、利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて記憶する入力履歴情報記憶部と、ガイダンスの表示を入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を記憶するガイド条件記憶部と、利用者IDを入力する手段と、ガイド条件記憶部からガイド条件を取得する手段と、入力帳票データ記憶部から入力帳票データを取得する手段と、入力された利用者IDに基づいて入力履歴情報記憶部から入力履歴情報を取得する手段と、取得された入力帳票データおよび取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDをガイド条件に従って特定する手段と、特定されたチェック項目IDに基づいてガイダンスデータ記憶部からガイダンスデータを取得する手段と、取得された入力帳票データおよび取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成する手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明にかかるガイダンス表示システムにおいて、ガイド条件は、入力帳票データ記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者の入力実績に基づいて、入力間違いをする確率の高い入力項目にのみガイダンスを表示するため、利用者の手間をかけず、利用者に応じて入力項目ごとにガイダンスの表示を切り替えることができるガイダンス表示方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づいて実施例を説明する。
【0009】
図1は本発明の前提となるデータ入力システムとデータ入力端末との関係を示す図である。図1に示すように、データ入力システム1はデータ入力端末2にデータ入力画面の表示データを送信し、データ入力端末2がデータ入力画面を表示する。利用者がデータを入力すると、入力されたデータがデータ入力端末2からデータ入力システム1に送信される。本実施例では、データ入力システム1をサーバと想定し、データ入力端末2をクライアントと想定し、データ入力システム1とデータ入力端末2とは通信ネットワークを介して接続されているものと想定するが、本発明の適用対象はこの想定に限定するものではなく、データ入力端末2が携帯電話であってもよいし、あるいは、データ入力システム1がパーソナルコンピュータであり、その表示画面と入力デバイスがデータ入力端末2を構成すると想定してもよい。要は、データ入力システム1が生成した入力画面データに基づいてデータ入力画面を表示するための装置と、利用者が入力した入力データをデータ入力システム1に通知する装置があればよい。
【0010】
図2は、本発明の実施例にかかるガイダンス表示システムのシステム構成を示す図である。本実施例にかかるガイダンス表示システムはデータ入力システム1内に構築するものとする。本実施例にかかるガイダンス表示システムは、データ入力端末2から入力データを受信する入力手段12と、入力データの正当性をチェックする入力データチェック手段14と、個人属性情報および入力履歴情報を含む個人情報を取得する個人情報取得手段16と、入力帳票データおよびガイダンスデータを含む表示データを取得する表示データ取得手段18と、ガイダンスを表示するための条件を取得するガイド条件取得手段20と、表示すべき入力画面データを構成する画面構成手段22と、データ入力端末2に出力データを送信する出力手段24と、システム全体を制御する制御手段26と、チェック項目を記憶するチェック項目記憶部32と、個人属性情報を記憶する個人属性情報記憶部34と、入力履歴情報を記憶する入力履歴情報記憶部36と、入力帳票データを記憶する入力帳票データ記憶部38と、ガイダンスデータを記憶するガイダンスデータ記憶部40と、ガイド条件を記憶するガイド条件記憶部42とを含む。
【0011】
入力手段12は、データ入力端末2から受信した端末ID、利用者ID、および業務IDを画面構成手段22に通知する。また、データ入力端末2から受信した入力データを入力データチェック手段14に通知する。
【0012】
入力データチェック手段14は、チェック項目記憶部32に登録されたチェック項目に基づいて入力データの正当性をチェックし、チェック結果を入力履歴情報記憶部36に登録する。
【0013】
個人情報取得手段16は、利用者IDに基づいて個人属性情報記憶部34から個人属性情報を取得し、利用者IDに基づいて入力履歴情報記憶部36から入力履歴情報を取得する。
【0014】
表示データ取得手段18は、業務IDに基づいて入力帳票データ記憶部38から入力帳票データを取得し、チェック項目IDに基づいてガイダンスデータ記憶部40からガイダンスデータを取得する。
【0015】
ガイド条件取得手段20は、個人属性情報および入力履歴情報を含む個人情報に応じたガイダンスレベルを規定したガイド条件をガイド条件記憶部42から取得する。
【0016】
画面構成手段22は、ガイド条件に従い、個人属性情報および入力履歴情報を含む個人情報に基づいて、入力帳票データに含まれる入力項目に対応するチェック項目ごとにガイダンスレベルを決定し、入力帳票データの該当する入力項目にガイダンスデータを付加した入力画面データを構成する。
【0017】
出力手段24は、入力画面データを出力データとしてデータ入力端末2に送信する。
【0018】
データ入力システム1に含まれる機能のうち上記各手段に含まれない機能はすべて制御手段26に含まれるものとする。
【0019】
チェック項目記憶部32には、入力項目に対して入力された入力データの満たすべき条件がチェック項目IDに対応付けて登録される。一つの入力項目に複数のチェック項目があってもよい。どういう条件を登録するかは任意に決定してよいが、たとえば文字種(英字、数字、カタカナ、ひらがな、漢字、特殊記号など)、文字状態(全角/半角、大文字/小文字など)、文字数、数値範囲などの条件を登録する。
【0020】
個人属性情報記憶部34には、利用者IDに対応付けて利用者の個人属性情報が登録される。どういう属性を登録するかは任意に決定してよいが、たとえば、生年月日、性別、血液型、所属、役職などの情報を登録する。
【0021】
図3は、本発明の実施例における個人属性情報のデータ構成例を示す図である。図3によれば、たとえば、「ABC001」という利用者IDで特定されるAさんは、1980年1月1日生まれの男性で血液型はA型、営業の所属で役職にはついていないことがわかる。
【0022】
入力履歴情報記憶部36には、利用者IDに対応付けて利用者のこれまでの入力履歴情報が登録される。どういう履歴を登録するかは任意に決定してよいが、少なくとも入力間違いをした入力項目の入力項目IDを登録する。望ましくは、入力項目ID、入力に使用したデータ入力端末の端末ID、入力日時、間違いのあったチェック項目のチェック項目ID、および正しく入力された時点のガイダンスレベルを登録する。過去のすべての入力行為についての履歴情報を残しておく必要はなく、たとえば、過去1年間の入力履歴を保存する、あるいは、入力項目ごとに最近の入力履歴を最大10回分だけ保存するというようにしてもよい。
【0023】
図4は、本発明の実施例における入力履歴情報のデータ構成例を示す図である。図4の例は、旅費精算に関する「旅費精算−004」という入力項目IDで特定される入力項目のAさんの入力履歴を示したものである。図4の例における最近の入力は2006年10月27日、金曜日の21時45分であり、「XYZ001」という端末IDで特定されるデータ入力端末から入力されたものであることがわかる。またこのとき、Aさんは当該入力項目の入力において、「CHK003」というチェック項目IDで特定されるチェック項目に照らして間違った入力を行い、レベル1のガイダンス表示後に正しく入力できたことがわかる。
【0024】
入力帳票データ記憶部38には、業務IDで特定される業務ごとの入力帳票データが登録される。入力帳票データには少なくとも、入力を要求する入力項目の入力項目IDおよび入力項目に対応付けられたチェック項目のチェック項目IDを含む。望ましくは、入力項目ID、入力項目の表示順序がわかるレイアウト情報、入力項目の項目名、入力スロットのサイズ情報を登録する。
【0025】
図5は、本発明の実施例における入力帳票データのデータ構成例を示す図である。図5の例は、「旅費精算」という業務IDで特定される業務の入力帳票に関するデータ例を示したものである。図5に示した例によれば、「旅費精算」の入力帳票の最初の入力項目は「出張日(開始)」であり、対応する入力スロットとして、あらかじめ用意されている「大」「小」のスロットのうち「小」のスロットを表示すること、また、入力データに対して、「CHK001」および「CHK002」の2項目のチェックをかけること、が規定されていることがわかる。この帳票をガイダンスなしに画面表示すると、図6のようになる。すなわち、入力帳票データに登録された順に項目名が表示され、項目名の横に指定されたサイズの入力欄が表示される。
【0026】
ガイダンスデータ記憶部40には、各入力項目の入力に際して表示されるガイダンスデータがチェック項目IDに対応付けて登録される。望ましくは、同じチェック項目に対して、説明の丁寧さや、注意喚起の程度の異なる複数のレベルのガイダンスデータを登録する。注意喚起の程度の異なるガイダンスデータとして、反転表示や表示色の変更、文字サイズの変更、下線や枠付きの表示、文字や枠の点滅、あるいは音声によるガイダンス出力を採用してもよい。
【0027】
図7は、本発明の実施例におけるガイダンスデータの例を示す図である。図7には、「CHK001」および「CHK003」というチェック項目IDで特定されるチェック項目に関するガイダンスデータ例が示されている。各々3段階のレベルのガイダンスデータが用意されており、「CHK003」に関しては、男性用、女性用のガイダンスデータが用意されていることがわかる。
【0028】
ガイド条件記憶部42は、各入力項目の表示に際して、利用者の入力履歴情報に照らして、ガイダンスレベルを選択するための条件であるガイド条件が登録される。ガイダンスレベルは、レベル0がガイダンスなしとし、レベル1、レベル2とガイダンスレベルが上がるごとに、より懇切丁寧な、あるいは、より注意を喚起するようなガイダンスが入力項目の表示に付加されるものとする。どういうガイド条件を登録するかは任意に決定してよいが、利用者が入力間違いをしそうな入力項目にガイダンスを付加する。たとえば、前回間違えた入力項目についてガイダンスを付加する。あるいは、最近何回かの入力における間違い率が高い入力項目についてガイダンスを付加する。前回間違えた入力項目には前回最終的に付加したガイダンスを付加するようにしてもよい。特定のデータ入力端末、特定の曜日、特定の時間帯などによって入力履歴情報をフィルタリングし、今回の入力条件(端末ID、今日の曜日、今の時間帯)に照らしてガイダンスレベルを選択するようなガイド条件を登録してもよい。たとえば、特定の端末IDを持つデータ入力端末からの入力に間違いが多く、その後、他のデータ入力端末から間違いなく入力している場合でも、今回がその特定の端末IDを持つデータ入力端末からの入力であれば、間違う確率が高いとしてガイダンスを付加するようにしてもよい。また、利用者の個人属性情報に応じてガイダンスレベルを選択するようなガイド条件を登録してもよい。たとえば、特定の役職の利用者や特定部署に所属する利用者にはガイダンスを表示しない、あるいは、高齢者や若年者に対してはより親切なガイダンスを付加するというようなガイド条件を登録してもよい。
【0029】
Aさんの旅費精算のデータ入力画面は、たとえば図8のようになる。図8の例は、「旅費精算−004」という入力項目IDで特定される入力項目である「目的」欄において、前回間違った入力をしたので、その後のステップで正しく入力できたときに表示されていたレベル1のガイダンスを最初から表示している。
【0030】
図9は、本発明の実施例にかかるガイダンス表示システムのフローチャートである。本実施例にかかるガイダンス表示システムの処理の流れを図9のステップS102からステップS124の順を追って説明する。
【0031】
(ステップS102)利用者がデータ入力端末2から利用者IDを入力してデータ入力システム1にログオンする。データ入力端末2は、端末IDおよび利用者IDをデータ入力システム1に送信する。入力手段12は、端末IDおよび利用者IDを画面構成手段22に通知する。
【0032】
(ステップS104)利用者が業務を選択する。データ入力端末2は、業務IDをデータ入力システム1に送信する。入力手段12は、業務IDを画面構成手段22に通知する。
【0033】
(ステップS106)画面構成手段22は、ガイド条件取得手段20にガイド条件の取得を依頼する。ガイド条件取得手段20は、ガイド条件記憶部42からガイド条件を取得し、取得したガイド条件を画面構成手段22に通知する。
【0034】
(ステップS108)画面構成手段22は、利用者IDを個人情報取得手段16に通知する。個人情報取得手段16は、利用者IDに基づいて個人属性情報記憶部34から個人属性情報を取得し、利用者IDに基づいて入力履歴情報記憶部36から入力履歴情報を取得し、取得した個人属性情報および入力履歴情報を画面構成手段22に通知する。
【0035】
(ステップS110)画面構成手段22は、業務IDを表示データ取得手段18に通知する。表示データ取得手段18は、業務IDに基づいて入力帳票データ記憶部38から入力帳票データを取得し、取得した入力帳票データを画面構成手段22に通知する。なお、本実施例では、業務IDに基づいて入力帳票データ記憶部38から入力帳票データを取得するとして説明するが、これに限定するものではなく、利用者IDに基づいて入力帳票データを取得する構成としてもよいし、業務IDに関わらず所定の入力帳票データを取得する構成としてもよい。
【0036】
(ステップS112)画面構成手段22は、入力帳票データに含まれる各入力項目について、ガイド条件を参照しながら、当該入力項目に対応付けられたチェック項目、利用者の入力履歴情報、および利用者の個人属性情報に基づいて、ガイダンスレベルを決定する。必要に応じて端末IDを利用してもよい。特定のチェック項目に対応する入力実績がない場合、あらかじめ定められたガイダンスレベルを適用することにしてもよい。あるいは、入力実績のある他の利用者のデータに基づく統計処理によって、平均的な間違い確率を算出し、その結果に基づいてガイダンスレベルを決定してもよい。その場合、共通の個人属性情報を持つ他の利用者のデータのみに限定して統計処理をしてもよい。たとえばAさんの場合、血液型がA型の男性のデータのみを用いて統計処理を行ってもよい。
【0037】
ガイダンスレベルがレベル0でなければ、画面構成手段22は、当該チェック項目のチェック項目IDおよびガイダンスレベルを表示データ取得手段18に通知する。表示データ取得手段18は、チェック項目IDおよびガイダンスレベルに基づいて、ガイダンスデータ記憶部40からガイダンスデータを取得し、取得したガイダンスデータを画面構成手段22に通知する。個人属性によって異なるガイダンスデータを用意してある場合には、画面構成手段22は個人属性情報も表示データ取得手段18に通知し、表示データ取得手段18は、個人属性情報に基づいてガイダンスデータ記憶部40からガイダンスデータを取得する。
【0038】
(ステップS114)画面構成手段22は、入力帳票データに含まれる入力項目のうち、ガイダンスの表示が必要な入力項目にガイダンスを表示するように入力画面データを構成し、構成した入力画面データをデータ入力端末2に送信する。この際、端末IDに基づいて、データ入力端末の種類ごとに異なるデータ入力画面を構成するようにしてもよい。また、画面構成手段22は、端末ID、利用者ID、および入力帳票データを入力データチェック手段14に通知する。
【0039】
(ステップS116)データ入力端末2が、データ入力画面を表示する。
【0040】
(ステップS118)利用者がデータを入力する。データ入力端末2は、入力データをデータ入力システム1に送信する。入力手段12は、入力データを入力データチェック手段14に通知する。
【0041】
(ステップS120)入力データチェック手段14は、入力帳票データに含まれる入力項目IDに基づいてチェック項目記憶部32からチェック項目を取得し、チェック項目に基づいて入力データをチェックする。
【0042】
(ステップS122)入力データに間違いがある場合(ステップS120:Yes)、入力データチェック手段14は、画面構成手段22にチェック項目IDを通知する。画面構成手段22は、通知されたチェック項目IDに該当するチェック項目のガイダンスレベルを1レベル高いレベルに変更する。変更されたガイダンスレベルに基づいて、ステップS112ないしステップS116と同様の処理を経て、データ入力端末2が、データ入力画面を表示する。その際、入力データに間違いのない入力項目については、入力されたデータがそのまま表示されるようにし、入力データに間違いのある入力項目については、入力されたデータを表示せず、空欄としておく。
【0043】
(ステップS124)入力帳票データのすべての入力データに間違いがない場合(ステップS120:No)、入力データチェック手段14は、入力履歴情報記憶部36に登録された入力履歴情報を更新する。
【0044】
以上のような構成をとることにより、利用者の過去の入力における間違い状況を入力項目ごとに蓄積し、これに基づいて、この利用者が間違いやすいチェック項目を伴う入力項目についてガイダンスを表示することができるようになる。
【0045】
上述のように、本発明によれば、利用者の入力実績に基づいて、入力間違いをする確率の高い入力項目にのみガイダンスを表示するため、利用者の手間をかけず、利用者に応じて入力項目ごとにガイダンスの表示を切り替えることができるガイダンス表示方法を提供することが可能となる。
【0046】
なお、上述した実施例にかかるガイダンス表示システムは、ハードウェアとして実施可能であるだけでなく、コンピュータのソフトウェアとしても実施可能である。例えば、図2に示した入力手段12、入力データチェック手段14、個人情報取得手段16、表示データ取得手段18、ガイド条件取得手段20、画面構成手段22、出力手段24、および制御手段26の機能をコンピュータに実行させるプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータのメモリに読み込ませて実行させれば、ガイダンス表示システムを実現することができる。
【0047】
本発明の実施例にかかるガイダンス表示システムを実現するプログラムは、図10に示すように、CD−ROMやCD−RW、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等やフレキシブルディスク等の可搬型記録媒体54だけでなく、通信回線56の先に備えられた他の記憶装置58や、コンピュータシステム52のハードディスクやRAM等の記憶装置、記録媒体60のいずれに記憶されるものであってもよく、プログラム実行時には、プログラムはローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0048】
(付記1)データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムであって、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを記憶する入力帳票データ記憶部と、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて記憶するガイダンスデータ記憶部と、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて記憶する入力履歴情報記憶部と、
ガイダンスの表示を入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を記憶するガイド条件記憶部と、
利用者IDを入力する手段と、
前記ガイド条件記憶部から前記ガイド条件を取得する手段と、
前記入力帳票データ記憶部から前記入力帳票データを取得する手段と、
前記入力された利用者IDに基づいて前記入力履歴情報記憶部から前記入力履歴情報を取得する手段と、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定する手段と、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記ガイダンスデータ記憶部から前記ガイダンスデータを取得する手段と、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成する手段と、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示システム。
(付記2)付記1に記載したガイダンス表示システムであって、
前記ガイド条件は、前記入力帳票データ記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示システム。
(付記3)入力帳票データ記憶部と、入力履歴情報記憶部と、ガイダンスデータ記憶部と、ガイド条件記憶部とを備え、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムが実行するガイダンス表示方法であって、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記入力帳票データ記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記ガイダンスデータ記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記入力履歴情報記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件をガイド条件記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記ガイド条件記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記入力帳票データ記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記入力履歴情報記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記ガイダンスデータ記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示方法。
(付記4)記憶部を備え、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムが実行するガイダンス表示方法であって、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を前記入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を前記記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示方法。
(付記5)付記4に記載したガイダンス表示方法であって、
前記ガイド条件は、前記記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示方法。
(付記6)入力帳票データ記憶部と、入力履歴情報記憶部と、ガイダンスデータ記憶部と、ガイド条件記憶部とを備えたコンピュータに、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示方法を実行させるガイダンス表示プログラムであって、前記ガイダンス表示方法は、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記入力帳票データ記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記ガイダンスデータ記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記入力履歴情報記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件をガイド条件記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記ガイド条件記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記入力帳票データ記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記入力履歴情報記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記ガイダンスデータ記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示プログラム。
(付記7)記憶部を備えたコンピュータに、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示方法を実行させるガイダンス表示プログラムであって、前記ガイダンス表示方法は、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を前記入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を前記記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示プログラム。
(付記8)付記7に記載したガイダンス表示プログラムであって、
前記ガイド条件は、前記記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の前提となるデータ入力システムとデータ入力端末との関係を示す図
【図2】本発明の実施例にかかるガイダンス表示システムのシステム構成を示す図
【図3】本発明の実施例における個人属性情報のデータ構成例を示す図
【図4】本発明の実施例における入力履歴情報のデータ構成例を示す図
【図5】本発明の実施例における入力帳票データのデータ構成例を示す図
【図6】データ入力画面の例を示す図
【図7】本発明の実施例におけるガイダンスデータの例を示す図
【図8】データ入力画面の例を示す図
【図9】本発明の実施例にかかるガイダンス表示システムのフローチャート
【図10】コンピュータ環境の例を示す図
【符号の説明】
【0050】
1: データ入力システム
2: データ入力端末
12: 入力手段
14: 入力データチェック手段
16: 個人情報取得手段
18: 表示データ取得手段
20: ガイド条件取得手段
22: 画面構成手段
24: 出力手段
26: 制御手段
32: チェック項目記憶部
34: 個人属性情報記憶部
36: 入力履歴情報記憶部
38: 入力帳票データ記憶部
40: ガイダンスデータ記憶部
42: ガイド条件記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムであって、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを記憶する入力帳票データ記憶部と、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて記憶するガイダンスデータ記憶部と、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて記憶する入力履歴情報記憶部と、
ガイダンスの表示を入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を記憶するガイド条件記憶部と、
利用者IDを入力する手段と、
前記ガイド条件記憶部から前記ガイド条件を取得する手段と、
前記入力帳票データ記憶部から前記入力帳票データを取得する手段と、
前記入力された利用者IDに基づいて前記入力履歴情報記憶部から前記入力履歴情報を取得する手段と、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定する手段と、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記ガイダンスデータ記憶部から前記ガイダンスデータを取得する手段と、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成する手段と、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載したガイダンス表示システムであって、
前記ガイド条件は、前記入力帳票データ記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示システム。
【請求項3】
記憶部を備え、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示システムが実行するガイダンス表示方法であって、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を前記入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を前記記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示方法。
【請求項4】
請求項3に記載したガイダンス表示方法であって、
前記ガイド条件は、前記記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示方法。
【請求項5】
記憶部を備えたコンピュータに、データ入力を要求する画面表示にガイダンスを含めるためのガイダンス表示方法を実行させるガイダンス表示プログラムであって、前記ガイダンス表示方法は、
入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力帳票データを前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスデータをチェック項目IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
利用者が入力を間違えた入力項目の入力項目IDとチェック項目IDとを対応付けて含む入力履歴情報を利用者IDに対応付けて前記記憶部に登録するステップと、
ガイダンスの表示を前記入力履歴情報に基づいて決定するためのガイド条件を前記記憶部に登録するステップと、
利用者IDを入力するステップと、
前記記憶部から前記ガイド条件を取得するステップと、
前記記憶部から前記入力帳票データを取得するステップと、
前記入力された利用者IDに基づいて前記記憶部から前記入力履歴情報を取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得された入力履歴情報に基づいて、ガイダンスを表示すべき入力項目の入力項目IDおよびチェック項目IDを前記ガイド条件に従って特定するステップと、
前記特定されたチェック項目IDに基づいて前記記憶部から前記ガイダンスデータを取得するステップと、
前記取得された入力帳票データおよび前記取得されたガイダンスデータに基づいて、画面表示のためのデータを生成するステップと、
を備えたことを特徴とするガイダンス表示プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載したガイダンス表示プログラムであって、
前記ガイド条件は、前記記憶部から取得された入力帳票データに含まれる入力項目のうち、前回の入力で間違えた入力項目に対してガイダンスを表示することを含むことを特徴とするガイダンス表示プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−204117(P2008−204117A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38735(P2007−38735)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】