説明

ガイド装置および搬送装置

【課題】ガイド面の形状変更の自由度が高いガイド装置およびそれを含む搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送中の物品1をガイドするガイド装置10は、複数のガイド部材12と、複数のガイド部材12をそれぞれ支持する複数の支持機構16と、複数のガイド部材12が連なるように、隣り合うガイド部材12を相互に連結する柔軟性を有する複数の連結部材14とを備える。連結部材14は、コイル部材を含み、ガイド装置10は、複数のガイド部材12および複数の連結部材14の側面のうち少なくともガイドすべき物品1に接する部分を被覆して滑らかなガイド面を形成する被覆材18を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の物品をガイドするガイド装置およびそれを含む搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器などの物品の搬送装置は、物品を搬送するコンベアと、ガイドとを有する。安定性が悪い柱状物のような物品は、特に搬送路の幅が物品の幅より大きい場合には、搬送中に転倒しうる。ガイドは、物品の転倒を防止するように設計され製作されうるが、ガイドを設置した後に不具合が発見されて、ガイドの形状変更を余儀なくされる場合がある。しかしながら、例えば、樹脂や金属などを成形して製作されたガイドの形状を変更することは非常に困難であり、ガイドの再製作が必要になることが多い。特許文献1には、固定ガイドに取り付けて使用されうる補助ガイドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−119118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ガイド面の形状変更の自由度が高いガイド装置およびそれを含む搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面は、搬送中の物品をガイドするガイド装置に係り、前記ガイド装置は、複数のガイド部材と、前記複数のガイド部材をそれぞれ支持する複数の支持機構と、前記複数のガイド部材が連なるように、隣り合うガイド部材を相互に連結する柔軟性を有する複数の連結部材とを備える。
【0006】
本発明の第2の側面は、搬送装置に係り、該搬送装置は、物品を搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されている物品をガイドするように配置された上記のガイド装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガイド面の形状変更の自由度が高いガイド装置およびそれを含む搬送装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好適な実施形態の搬送装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】ガイド装置の一部を示す図である。
【図3】支持機構の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の好適な実施形態の搬送装置100の概略構成を示す平面図である。搬送装置100は、物品1を搬送するコンベア40と、コンベア40によって搬送されている物品1をガイドするように配置されたガイド装置10とを備えている。搬送装置100は、更にガイド50、55、46を有しうる。図1に示す例では、ガイド55、ガイド装置10およびガイド56が搬送方向の上流側から下流側に向かって配置され、それらに対応するようにガイド50が配置される。物品1は、例えば、飲料容器等のように円筒部分を有する物品でありうる。搬送装置100は、搬送方向に直交する方向における搬送路の幅を狭めながら物品1を搬送するように構成されうる。このような搬送装置100は、例えば、n列に並んだ物品をm(m<n)列にしたり、複数の装置或いは搬送路から排出される物品を単列(1列)にしたりするために使用されうる。コンベア40は、例えば、複数のテーブルトップチェーンコンベア42を並べて構成されうる。
【0011】
本発明の好適な実施形態において、ガイド装置10は、複数のガイド部材12と、複数のガイド部材12をそれぞれ支持する複数の支持機構16と、複数のガイド部材12が連なるように、隣り合うガイド部材12を相互に連結する柔軟性を有する複数の連結部材14とを備える。ガイド部材12が柔軟性を有する連結部材14によって連結されることによって、ガイド部材12および連結部材14で構成されるガイド面の形状変更の自由度が高まり、例えば搬送中に物品1の転倒が発生するような場合において、当該ガイド面を容易に調整することができる。
【0012】
図2(a)は、ガイド装置10の一部を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A’における断面図である。連結部材14は、例えばコイルバネを含みうる。ガイド部材12は、例えば、その端部にネジ部12’を有し、連結部材14としてのコイルバネにネジ部12’が挿入あるいはねじ込まれることによって、ガイド部材12とコイルバネとが連結されうる。連結部材14は、コイルバネのほか、例えば、ゴム等のような可撓性を有する部材で構成されてもよい。ガイド装置10は、複数のガイド部材12および複数の連結部材14の側面のうち少なくともガイドすべき物品1に接する部分を被覆して滑らかなガイド面を形成する被覆材18を含むことが好ましい。
【0013】
図3は、支持機構16の構成例を示す図である。複数の支持機構16の少なくとも1つは、それが支持するガイド部材12の位置および姿勢の少なくとも一方を調整するための調整機構を有することが好ましい。例えば、複数の支持機構16の少なくとも1つは、それが支持するガイド部材12のその軸方向(第1方向)に沿った方向における位置、該ガイド部材12の高さ、該ガイド部材12の該第1方向に直交する第2方向における位置、および、該ガイド部材12の鉛直方向周りの回転角の少なくとも1つを調整するための調整機構を有することが好ましい。
【0014】
図3に示す構成例では、支持機構16の調整機構は、ガイド部材12に連結された第1部材110、コンベア40を支持している構造体または該構造体に連結された支持部材30に固定される第3部材130、第1部材110と第3部材130とを連結する第2部材120を有する。例えば、第1部材110は長穴112を有し、第2部材120は長穴122を有し、第1部材110および第2部材120は、長穴112および長穴122を貫通するボルト114およびナット(不図示)によって相互に固定される。このような構成によれば、ボルト114を緩めることによって、ガイド部材12の搬送方向、それに直交する方向、および、鉛直方向周りの回転角を調整することができる。第3部材130は、高さ方向(鉛直方向)に延びる長穴132を有し、第2部材120および第3部材130は、長穴132を貫通するボルト134によって相互に固定される。このような構成によれば、ボルト134を緩めることによってガイド部材12の高さ方向の位置を調整することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 物品(例えば、飲料容器)
10 ガイド装置
12 ガイド部材
12’ ネジ部
14 連結部材
16 支持機構
18 被覆材
30 支持部材
40 コンベア
42 テーブルトップチェーンコンベア
50、55、56 ガイド
100 搬送装置
110 第1部材
120 第2部材
130 第3部材
112、122、132 長穴
114、134 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送中の物品をガイドするガイド装置であって、
複数のガイド部材と、
前記複数のガイド部材をそれぞれ支持する複数の支持機構と、
前記複数のガイド部材が連なるように、隣り合うガイド部材を相互に連結する柔軟性を有する複数の連結部材と、
を備えることを特徴とするガイド装置。
【請求項2】
前記連結部材は、コイルバネを含み、
前記ガイド装置は、前記複数のガイド部材および前記複数の連結部材の側面のうち少なくともガイドすべき物品に接する部分を被覆して滑らかなガイド面を形成する被覆材を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
前記複数の支持機構の少なくとも1つの支持機構は、それが支持するガイド部材の位置および姿勢の少なくとも一方を調整するための調整機構を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のガイド装置。
【請求項4】
物品を搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送されている物品をガイドするように配置された請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガイド装置と、
を備えることを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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